JPH0317455Y2 - - Google Patents

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JPH0317455Y2
JPH0317455Y2 JP11450984U JP11450984U JPH0317455Y2 JP H0317455 Y2 JPH0317455 Y2 JP H0317455Y2 JP 11450984 U JP11450984 U JP 11450984U JP 11450984 U JP11450984 U JP 11450984U JP H0317455 Y2 JPH0317455 Y2 JP H0317455Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (考案の技術分野) 本考案は、2つの入力電圧の差電圧を入力信号
とし、この入力信号に比例した信号を出力する差
動増幅回路に関するものである。
〔従来技術の説明〕
演算増幅器(以下、OPアンプとする)は、差
動増幅器として用いることができるが、この場合
の最大の目的は、入力される2つの信号の差を取
り出すことにある。
差動増幅器は、反転と非反転の2つの入力端子
をもつた増幅器であるが、実際の使用では、増幅
よりもむしろ信号の同相成分、つまり2つの入力
信号の両方に共通に含まれている成分を取り除く
ために用いられるのが通常である。
このようなことから、OPアンプを差動増幅器
として用いる場合には、同相成分除去比
(Common Mode Rejection以下、CMRと略す
る)がどの程度の値になるかということが、回路
設計にあたつての重要なポイントになる。
従来、このようなOPアンプを用いた差動増幅
回路として、例えば、第3図に示すような電気回
路図のものがあつた。
この従来例は、「アナログIC応用ハンドブツ
ク」、(社)日本電子工業振興協会編P.119〜120に
記載されたものである。
第3図において、A1,A2およびA3は第1,第
2および第3の差動増幅器、R1〜R9は抵抗であ
る。
第1および第2のOPアンプA1およびA2の非反
転入力端子1および2は、入力電圧VS1および
VS2の入力端子になつている。
抵抗R2は、第1のOPアンプA1の反転入力端子
3と出力端子4の間に接続されている。抵抗R3
は、第2のOPアンプA2の反転入力端子5と出力
端子6の間に接続されている。抵抗R1は、抵抗
R2とR3の間に接続されている。抵抗R8およびR9
は、第1および第2の非反転入力端子1および2
に接続されていて、過大入力に対してアンプを保
護するための抵抗である。
第3のOPアンプA3は、第1のOPアンプA1
第2のOPアンプA2の差動出力をシングルエンド
に変換する。第3のOPアンプA3には、抵抗R4
R7が接続されている。
このような差動増幅回路では、第1のOPアン
プA1の出力電圧VO1と第2のOPアンプA2の出力
電圧VO2の差VO1−VO2は、次のようになる。
VO1−VO2=(VS1−VS2)(1+R2+R3/R1) ここで、抵抗R1,R2およびR3の抵抗値をR1
R2およびR3で表わす。以下、抵抗値について同
様とする。この式に示すように、出力電圧の差信
号VO1−VO2は、入力電圧の差VS1−VS2が積算さ
れているため、第1および第2のOPアンプA1
よびA2と抵抗R1〜R3で構成される回路では、
CMRは、抵抗R1〜R3の影響を受けることがな
い。
このことから、差動増幅回路全体のCMRは、
第3のOPアンプA3と抵抗R4〜R7によつて構成さ
れる回路部分によつて決まる。すなわち、R5
R6=R4・R7なる条件に近い抵抗値を選ぶほど
CMRが大きくなる。
抵抗R4〜R7として、抵抗値が0.05%の誤差の
ものを用いても、回路全体のCMRは、たかだか
60dB程度である。
このことから、より大きなCMRを得るために
は、抵抗R4〜R7としてさらに抵抗値が高精度で
高安定のものを用いる必要がある。しかし、この
種の抵抗を用いると、回路が高価になるという問
題点があつた。このため、調整用可変抵抗を付加
し、抵抗値がR4・R7=R5・R6なる条件を満たす
ように整合する工程を設ける必要があつた。
(考案が解決しようとする問題) 本考案は、このような従来回路における問題点
に鑑みてなされたもので、その目的は、高い
CMRを有するとともに、高速性を有し、半導体
集積回路化に適した差動増幅回路を実現しようと
するものである。
(問題点解決のための手段) このような目的を達成するための本考案の構成
は、正,負の入力電圧が印加される正,負の入力
端子と、出力信号を得る出力端子と、前記正,負
入力端子にそれぞれベースが接続され、各エミツ
タが抵抗を介して共通に接続されると共に、定電
流源7を介して負の電源端子に接続され、コレク
タがそれぞれ抵抗を介して正の電源端子に接続さ
れた一対のトランジスタQ1,Q2と、この一対
のトランジスタの各コレクタに正負の入力端が接
続され出力端が前記出力端子に接続された演算増
幅器と、各エミツタが抵抗を介して共通に接続さ
れると共に、定電流源を介して負の電源端子に接
続され、各コレクタが前記トランジスタQ1,Q
2のコレクタにそれぞれ接続された一対のトラン
ジスタQ3,Q4とを具備し、前記一対のトラン
ジスタQ3,Q4のうちの一方のトランジスタQ
3のベースを基準電位端子に、他方のトランジス
タQ4のベースを前記演算増幅器の出力端にそれ
ぞれ接続した点に特徴がある。
(作用) 一対のトランジスタQ1,Q2は、正負の入力
電圧の差電圧を差電流に変換し、もう一方の一対
のトランジスタQ3,Q4は、演算増幅器の出力
電圧と基準電位との差電圧を差電流に変換すると
ともに、入力電圧の差に比例した差電流を打ち消
すように帰還し、演算増幅器の出力端から入力電
圧の差に対応した出力電圧を得る。
(実施例) 第1図は、本考案に係る回路の一例を示す接続
図である。この図において、1は入力電圧Vi+
印加される正入力端子、2は入力電圧Vi-が印加
される負入力端子、3は差動増幅回路の出力信号
V0を得る出力端子、4は基準電位点が接続され
る基準電位端子、5は正電源V+が接続される正
電源端子、6は負電源V−が接続される負電源端
子である。7,8はいずれも定電流源である。
Q1,Q2はそれぞれベースが入力端子1,2
に接続された一対のトランジスタで、各エミツタ
はそれぞれ抵抗R1,R2を介して共通に接続さ
れ、その共通接続点が定電流源7を介して負の電
源端子6に接続されている。また、各コレクタ
は、それぞれ抵抗R5,R6を介して正電源端子
5に接続されている。U1はトランジスタQ1,
Q2の各コレクタに正負の入力端が接続され、出
力端が出力端子3に接続されたOPアンプ、Q3,
Q4は一対のトランジスタで、一方のトランジス
タQ3のベースは基準電位端子4に、コレクタは
トランジスタQ1のコレクタに、エミツタは抵抗
R3及び定電流源8を介して負電源端子6にそれ
ぞれ接続されている。他方のトランジスタQ4の
ベースは、OPアンプU1の出力端(出力端子3)
に、コレクタはトランジスタQ2のコレクタに、
エミツタは抵抗R4,定電流源8を介して負電源
端子6にそれぞれ接続されている。
各トランジスタQ3,Q4のエミツタは、それ
ぞれ抵抗R3,R4を介して共通に接続されてお
り、この共通接続点が定電流源8を介して負の電
源端子6に接続されるようになつている。
ここで、各トランジスタQ1〜Q4は、いずれ
も特性の良く揃つたトランジスタである。また、
各抵抗R1〜R6の抵抗値は、この符号がそのま
ま抵抗値を示しているものとすれば、R1=R2
=R3=R4=RE R5=R6=RCであるとす
る。また各、定電流源7,8の定電流値I1,I
2は、I1=I2=Iであるものとする。
このように構成した回路の動作を次に説明す
る。入力段を構成している一対のトランジスタQ
1,Q2は、抵抗R1,R2及び定電流源7の働
きによつて、入力端子1,2に印加される入力信
号Vi+,Vi-に対応したコレクタ電流IC1,IC2
を出力する。この時、各入力信号の差Vi+−Vi-
と、IC1−IC2は比例関係となる。各コレクタ
電流IC1,IC2は、抵抗R5,R6によつて電
圧変換され、OPアンプU1の入力となる。ここ
で、各入力信号の差(Vi+−Vi-)が増加すると、
OPアンプU1はその出力信号V0を上昇させる方
向に付勢する。
一対のトランジスタQ3,Q4の動作は、トラ
ンジスタQ1,Q2の動作とほぼ同様であり、
OPアンプU1の出力を帰還するループを構成し
ている。このトランジスタQ3,Q4のコレクタ
電流IC3,IC4の差(IC3−IC4)は、出力電
圧V0に比例しており、回路の動作がバランスし
ているとき、IC1−IC2を打ち消す大きさのIC
3−IC4が帰還され、OPアンプU1の正負入力
電位は同電位となり、結果的に入力信号Vi+−Vi-
に等しい出力信号V0が出力端子3に出力される。
なお、IC1=IC4,IC2=IC3で、このため
各トランジスタQ1〜Q4に特性の揃つたものを
使用すると、トランジスタQ1とQ4,Q2とQ
3のVBEを一致させることが可能で、高い安定性
を得ることができる。
次に、入力端子1,2に印加される入力電圧
Vi+,Vi-の差電圧を差電流に変換する部分及び帰
還ループにおける出力電圧V0を差電流に変換す
る部分の原理的な動作を次に説明する。
はじめに各トランジスタQ1〜Q4のベース電
流とベースエミツタ間電圧を無視すると、入力段
では、 {Vi+−IC1・R1=Vi-−IC2・R2 …… IC1+IC2=I1 ……} が成立し、各コレクタ電流IC1,IC2は式,式
の通りとなる。
IC1=Vi+−Vi-/R1+R2+R2/R1+R2・I1 …… IC2=−(Vi+−Vi-)/R1+R2+R1/R1+R2・I1……
また、帰還ループでは同様に、各コレクタ電流
IC3,IC4は式,式の通りとなる。
IC3=−V0/R3+R4+R4/R3+R4・I2 …… IC4=V0/R3+R4+R3/R3+R4・I2 …… ここでR1=R2=R3=R4=R,I1=I2=Iである
から〜式は、〜式の通りとなる。
IC1=1/2R(Vi+−Vi-)+I/2 …… IC2=−1/2R(Vi+−Vi-)+I/2 …… IC3=−1/2R・V0+I/2 …… IC4=1/2R・V0+I/2 …… 回路がバランスした状態でのIC1〜IC4の関係は、
R5=R6だから IC1+IC3=IC2+IC4 …… であり、式に〜式を代入すると、 V0=Vi+−Vi- …… が得られる。
前記,式において、IC1,IC2は、いずれも
入力電圧Vi+,Vi-の差に比例するものであり、
IC1,IC2はともに同相成分に対しては本質的に不
感である。従つて、このような回路構成を基本と
することで、容易に高いCMRを得ることができ
る。
次に、各トランジスタQ1〜Q4のベース・エ
ミツタ間電圧を考慮した場合について説明する。
各トランジスタQ1〜Q4のベース.エミツタ
間電圧をVBE1,VBE2,VBE3,VBE4とすると、前記
した式は、 (Vi+−VBE1)−IC1・R1=(Vi-−VBE2)−IC2・R2
…… となり、〜式に相当する、IC1〜IC4の値は
〜式の通りとなる。
IC1=1/2R(Vi+−Vi-−VBE1+VBE2)+I/2……
IC2=−1/2R(Vi+−Vi-−VBE1+VBE2)+I/2 …… IC3=−1/2R(V0−VBE4+VBE3)+I/2 …… IC4=1/2R(V0−VBE4+VBE3)+I/2 …… 回路バランス状態の条件式を〜式に代入す
ると、 V0=Vi+−Vi-−VBE1+VBE2−VBE3+VBE4
…… が得られ、VBE1〜VBE4が入出力特性の誤差となる
ことがわかる。トランジスタのベースエミツタ間
電圧は、温度とコレクタ電流の関数であることが
知られており、OPアンプ入力段の差動回路など
では、2つの特性の整合したトランジスタを等し
いコレクタ電流で動作させることにより、高精度
を得ている。いま、VBE1〜VBE4について、その値
を考察すると、〜式から、Q1〜Q4のコレ
クタ電流は大略 IC1=IC4,IC2=IC3 である。したがつて、 VBE1=VBE4,VBE2=VBE3 が期待できる。よつて式は、式で表わすこと
ができ、IC化に適することが分かる。
V0=(Vi+−Vi-)−(VBE1−VBE4)+(VBE2−VBE
3) =Vi+−Vi- …… 第2図は、本考案回路の他の例を示す接続図で
ある。この実施例においては、入力段を構成して
いる一対のトランジスタQ1,Q2の各エミツタ
間を抵抗Raを介して共通に接続すると共に、各
エミツタをそれぞれ定電流源71,72を介して
負の電源端子6に接続するようにしたものであ
る。また、帰還ループ側を構成している一対のト
ランジスタQ3,Q4の各エミツタ間を抵抗Rb
で接続するとともに、各エミツタ間と負電源端子
6との間に、それぞれ定電流源81,82を接続
したものである。
この実施例においては、IC1−IC2は式で、IC3
−IC4は式でそれぞれ表わすことができる。
IC1−IC2=Vi+−Vi-/Ra …… IC3−IC4=−V0/Rb …… ,式において、 Ra=Rb,R5=R6,各定電流源71,72,
81,82の定電流I1,I2,I3,I4をいずれも等
しく設定すると、出力電圧V0は式の通りとな
る。
V0=Vi+−Vi- …… (本考案の効果) 以上説明したように、本考案によれば、入力段
の電圧/電流変換部分は本質的にコモンモード成
分に不感であり、高いCMR特性を得ることがで
きる。また、コモンモード電圧の変化に対して、
トランジスタQ1,Q2の電位が変化するだけ
で、他の回路各部の電位変化が無い。従つて、そ
の周波数特性を制限する要素は、ほとんどQ1,
Q2のコレクタ容量を充電する速度のみである。
よつて高速性を得ることができる。また、各トラ
ンジスタQ1〜Q4の特性を揃えることで、高安
定化が期待でき、IC化に適した回路が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本考案に係る回路の接続
図、第3図は従来回路の接続図である。 1……正入力端子、2……負入力端子、3……
出力端子、4……基準電位端子、5……正電源端
子、6……負電源端子、7,8……定電流源、Q
1〜Q4……トランジスタ、U1……演算増幅
器、R1〜R6……抵抗。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 正,負の入力電圧が印加される正,負の入力端
    子1,2と、 出力信号を得る出力端子3と、 前記正負入力端子にそれぞれベースが接続さ
    れ、各エミツタが抵抗を介して共通に接続される
    と共に定電流源7を介して負電源端子に接続さ
    れ、コレクタがそれぞれ抵抗を介して正の電源端
    子に接続された一対のトランジスタQ1,Q2
    と、 この一対のトランジスタの各コレクタに正負の
    入力端が接続され、出力端が前記出力端子に接続
    された演算増幅器U1と、 各エミツタが抵抗を介して共通に接続されると
    共に定電流源8を介して負電源端子に接続され、
    各コレクタが前記一対のトランジスタQ1,Q2
    のコレクタにそれぞれ接続された一対のトランジ
    スタQ3,Q4とを具備し、 前記一対のトランジスタQ3,Q4のうちの一
    方のトランジスタQ3のベースを基準電位端子
    に、他方のトランジスタQ4のベースを前記演算
    増幅器の出力端にそれぞれ接続した差動増幅回
    路。
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JP5759644B1 (ja) * 2015-01-30 2015-08-05 ソニックス株式会社 差動増幅回路

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