JP4198221B2 - 光学活性化合物、反強誘電性液晶組成物、反強誘電性液晶組成物のしきい値を低減する方法及び光学活性化合物の製造方法 - Google Patents

光学活性化合物、反強誘電性液晶組成物、反強誘電性液晶組成物のしきい値を低減する方法及び光学活性化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶を用いた光スイッチング素子に使用する液晶材料として有用な新規な光学活性化合物に関し、及び、該化合物を含有する反強誘電性液晶組成物に関する。また、本発明は新規な光学活性化合物の製造法に関し、さらに該化合物の製造に使用する光学活性なカルボン酸の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
反強誘電性液晶は1988年にChandaniらによって発見され(Chandaniら,Jpn.J.Appl.Phys.,27,L279(1988). )、現在液晶表示装置に使用されているネマチック液晶に代わる次世代液晶として注目されている。現在用いられているネマチック液晶の応答速度は数十ミリ秒と遅いため、薄膜トランジスタ(TFT)によって駆動するアクティブマトリックスと呼ばれる非常に生産コストの高い駆動法を用いて、表示装置を構成している。
また、ツイステッドネマチック(TN)と呼ばれる表示方式は、本質的に視野角が狭いという欠点を持っている。
それに対して反強誘電性液晶は応答速度が数十マイクロ秒と高速であり、かつ液晶分子の応答が面内で起こるため視野角が広く、さらに直流印加時にも明確なしきい値を持つことから駆動が容易で、単純マトリックスと呼ばれる製造コストの低い駆動法で表示装置を構成することが出来る。
【0003】
一方、1975年Meyerらによって発見された強誘電性液晶(R.B.Meyer ら,J. Phys(France),36,L69,(1975).)は応答が高速である点から、表示品位の高い液晶ディスプレィを構成できると期待されたが、階調表示が困難なため現在でもフルカラ−表示は実現されていない。これに対して、反強誘電性液晶は階調表示が実現できており、試作品ではあるが、フルカラ−の動画表示が達成されている。
以上のように、反強誘電性液晶を用いた液晶ディスプレィは、視野角が広くかつ高品位な表示を低コストの単純マトリックスで実現できると期待されている。
【0004】
ところが、反強誘電性液晶相を示す化合物は非常に構造的に限定されており、下記一般式(5)で示される1−置換アルキル安息香酸エステルのような末端構造を持つ化合物が殆どである。(福田敦夫監修「次世代液晶ディスプレイと液晶材料」シ−エムシ−(1992年)参照。)
【化5】
Figure 0004198221
(式中、Yはアルキル基、あるいはパ−フルオロアルキル基を表す。)
【0005】
表示装置に用いる反強誘電性液晶は、現在使用されているネマチック液晶と同様に実用的な温度範囲を持ち、かつ表示品位に関わる様々な特性を求められるため、性質の異なる反強誘電性液晶化合物を混合し、液晶組成物とすることが必要である。しかし、前述のように反強誘電性液晶相が出現する構造が限定されているため、許される構造的修飾は、コア構造への脂環、縮合環、あるいはヘテロ環の導入、及びキラル末端鎖へのエ−テル結合の導入等のみである。その結果、得られる化合物は非常に性質が類似しており、種々の特性を求められる実用的な液晶組成物を得ることは困難となっている。そこで、実用的な特性を備えた反強誘電性液晶を得るためには、性質の異なる液晶化合物の開発が不可欠である。
【0006】
一方、本発明者らは、下記のような構造を持つ化合物で反強誘電性液晶相が出現することを見出している(特開平4−82862号公報参照。)
【化6】
Figure 0004198221
【0007】
この化合物は2−メチルアルカン酸を導入しており、反強誘電性液晶相を安定に示すが、コア構造が既知の反強誘電性液晶と類似しているため高粘性であり、また、しきい値が高いという点で改善の余地がある。
本発明者らはさらにジフェニルピリミジンのようなヘテロ環系のコアに2−メチルアルカン酸を導入し、反強誘電性液晶相が出現することを見出している(特開平9−31063号公報)。この化合物は上述のエステル系化合物より粘度が低く、有用な化合物であるが、この化合物もしきい値が高いという改善すべき点を残している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、反強誘電性液晶相を示さないが、しきい値の高い反強誘電性液晶に添加した場合にしきい値を低減できる新規な光学活性化合物、及びこれらの化合物を含有する反強誘電性液晶組成物を提供するとともに、それらの新規な光学活性化合物及びその中間体を安価に製造する手段を提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記のようなしきい値の高い反強誘電性液晶のしきい値を低減させることが出来る光学活性化合物を探索し、反強誘電性液晶相を示さないが上述のしきい値の高い反強誘電性液晶及び反強誘電性液晶組成物に添加することにより、しきい値を低減できる化合物を見出すとともに、これらの化合物、特にその中間体の安価な製造方法を見出し、本発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記のようなしきい値の高い反強誘電性液晶のしきい値を低減させることが出来る光学活性化合物を探索し、反強誘電性液晶相を示さないが、上述のしきい値の高い反強誘電性液晶及び反強誘電性液晶組成物に添加することにより、しきい値を低減できる新規な光学活性化合物を見出すとともに、これらの化合物、特にその中間体の安価な製造方法を見出し、本発明を完成した。
【0010】
第一の本発明は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする光学活性化合物に関する。
【化1】
Figure 0004198221
(式中、R1 は炭素数5乃至14のアルキル基あるいはアルコキシ基を表し、
2 は炭素数2乃至12のアルキル基を表し、l、mは0又は1を表し、Dは−OCO−、−CH2 −O−、あるいは−OCOC* 3 H−を表す。ここで、Dが−OCO−の場合、R4 はフッ素原子あるいはトリフルオロメチル基を表し、R5 は水素原子あるいはフッ素原子を表す。また、Dが−CH2 −O−の場合、R4 はメチル基あるいはトリフルオロメチル基を表し、R5 は水素原子を表す。Dが−OCOC* 3 H−の場合、R3 はメチル基、R4 はフッ素原子あるいは炭素数1乃至5のアルキル基、R5 は水素原子を表し、R2 とR3 とで環を形成しても良い。また、C* は不斉炭素原子を表す。)
【0011】
第二の本発明は、前記第一の発明における一般式(1)の光学活性化合物を少なくとも1種含有する反強誘電性液晶組成物に関する。
【0012】
第三の本発明は、前記第一の発明の光学活性化合物を少なくとも1種含有させることを特徴とする反強誘電性液晶組成物のしきい値を低減する方法に関する。
【0013】
また、第四の本発明は、下記一般式(2)
【化2】
Figure 0004198221
(式中、R1 は炭素数5乃至14のアルキル基、あるいはアルコキシ基を表し、l、mは0又は1を表し、Wは水酸基、クロロメチル基あるいはブロモメチル基を表す。)で表される化合物と、下記一般式(3)
【化3】
Figure 0004198221
(式中、R2 は炭素数2乃至12のアルキル基を表し、XはCOOH、COClあるいはヒドロキシメチル基、又は、−C* 3 HCOOHあるいは−C* 3 HCOClを表す。ここでXがCOOH、あるいはCOClの場合、R4 はフッ素原子あるいはトリフルオロメチル基を表し、R5 は水素原子あるいはフッ素原子を表す。また、Xがヒドロキシメチル基の場合、R4 はメチル基あるいはトリフルオロメチル基を表し、R5 は水素原子を表す。また、Xが−C* 3 HCOOHあるいは−C* 3 HCOClの場合、R3 はメチル基、R4 はフッ素原子あるいは炭素数1乃至5のアルキル基、R5 は水素原子を表し、R2 とR3 とで環を形成しても良い。また、C* は不斉炭素原子を表す。)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、一般式(1)で表される化合物の製造方法に関する。
【0014】
第五の本発明は、下記一般式(4)
【化4】
Figure 0004198221
(式中、R2 は炭素数4から12のアルキル基を表し、C* は不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性カルボン酸の製造方法において、光学活性な1−アルキルアリルアルコ−ルとヘキサフルオロプロペンジエチルアミンとを反応させることを特徴とする一般式(4)で表される化合物の製造方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
前記一般式(1)において、好ましい化合物として以下の化合物が挙げることが出来る。
【化7】
Figure 0004198221
【0016】
ここで、R1 、R2 、R4 及びl、mは前記と同じであり、nは2乃至4の整数を表す。R1 としてはペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、あるいは上記のアルキルオキシル基等が挙げられ、またR2 としてはエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、炭素数1乃至11のメチル置換アルキル基、炭素数3乃至10のエチル置換アルキル基、及び、ジメチル置換アルキル基、炭素数4乃至9のプロピル置換アルキル基、及びトリメチルアルキル基等が例示される。
【0017】
本発明の化合物の多くは、単独では反強誘電性液晶相を示さないが、しきい値の高い反強誘電性液晶化合物あるいは組成物に添加すると、しきい値を低減することが出来、さらに本発明の化合物同士を2種類以上混合して反強誘電性液晶化合物あるいは組成物に添加して低しきい値の反強誘電性液晶組成物とすることもできる。また、本発明の化合物は、既知の反強誘電性液晶化合物との相溶性が良いため、それらの化合物と混合しても容易に反強誘電性液晶組成物を得ることができる。好ましい既知の反強誘電性液晶化合物としては末端に下記の基を有する化合物を挙げることが出来る。
【0018】
【化8】
Figure 0004198221
(ここで、R8 は直鎖アルキル基あるいはエ−テル結合を有するアルキル基を示す。)
【0019】
特に好ましい具体的な化合物としては、つぎの各化合物が挙げられる。
【化9】
Figure 0004198221
【0020】
(式中R8 は、直鎖アルキル基あるいはエ−テル結合を有するアルキル基を表し、R9 はアルキル基又はアルコキシ基を表し、sは1又は2、tは0又は1を表す。)
また、上記化9の各一般式の化合物中、その構造中のフェニレン基の水素が一部フッ素置換された化合物等を挙げることが出来る。
【0021】
本発明の光学活性化合物と上述の反強誘電性液晶化合物、あるいはその組成物とを混合し、反強誘電性液晶組成物を得る場合、本発明の光学活性化合物は1乃至40重量%添加されることが好ましい。
また、本発明の光学活性化合物はフェニルピリミジン、フェニルベンゾエ−ト類のような公知のスメクチックC相あるいはキラルスメクチックC相を示し、反強誘電性液晶相を示さない化合物との相溶性も高いため、それらの化合物と混合して強誘電性液晶組成物を得ることもできる。
【0022】
さらに、ここで得られた強誘電性液晶組成物を反強誘電性液晶相の層構造を維持できる範囲内で、反強誘電性液晶化合物あるいは反強誘電性液晶組成物と混合し、反強誘電性液晶組成物を得ることも出来る。この場合、本発明の光学活性化合物と強誘電性液晶化合物あるいはその組成物とからなる強誘電性液晶組成物が1乃至40重量%含まれることが望ましく、1乃至30重量%含まれることがさらに好ましい。このように、本発明の光学活性化合物は反強誘電性液晶相を示しさないが、反強誘電性液晶化合物あるいは反強誘電性液晶組成物に混合して使用すると、しきい値を低減することが出来、反強誘電性液晶を用いた電気光学素子等に使用することができる。
【0023】
また、本発明の化合物は、従来知られている多くの液晶性化合物との相溶性も良く、温度特性が改良された液晶材料を提供することが出来る。
さらに、本発明の光学活性化合物を、しきい値の高い反強誘電性液晶化合物に添加してしきい値を低下させ、より望ましい反強誘電性液晶組成物を得ることも出来る。
【0024】
前記一般式(1)で表される本発明の光学活性化合物は、例えば次のような方法で合成することが出来る。
反応に使用する光学活性な2−フルオロアルカン酸類は、相当する2−ヒドロキシアルカン酸エステル類を、ヘキサフルオロプロペンジエチルアミンのようなフッ素化剤で、フッ素化し、加水分解することにより合成することが出来、さらに、2−フルオロ−2−アルケン酸を不斉水素化することによっても得ることが出来る。また、光学活性な2−トリフルオロメチルアルカン酸類は、ラセミ体からリパ−ゼによる光学分割等によって得ることが出来、また、下記のようにキラル補助剤を用いて合成することができる。
【0025】
【化10】
Figure 0004198221
【0026】
また、光学活性な2−フルオロ−2−トリフルオロメチルアルカン酸類もラセミ体から上記のキラル補助剤を用いた光学分割により合成することが出来、さらに下記のような新規な合成ル−トによっても合成することが出来る。すなわち、光学活性な1−置換アリルアルコ−ル類とヘキサフルオロプロペンジエチルアミンとから合成することができる。
【0027】
【化11】
Figure 0004198221
ここで、R10は炭素数1乃至9のアルキル基を示し、R2 は炭素数4乃至12のアルキル基を示す。
【0028】
一方、2,3−ジアルキルカルボン酸類は下記のようにキラルなスルタムを用いることにより合成することが出来る。
【化12】
Figure 0004198221
【0029】
2−メチル−3−フルオロアルカン酸類はβ−ケト酸を不斉水素化して得られた光学活性なβ−ヒドロキシ酸から下記のように合成することが出来る。
【化13】
Figure 0004198221
【0030】
さらに、光学活性な1,1,1−トリフルオロ−2−アルカノ−ル類は、リパ−ゼによる光学分割等により合成することが出来る。コア部分は定法により合成し、2−置換アルカン酸類あるいは2−アルカノ−ル類と縮合して本発明の化合物を得ることが出来る。
【0031】
一般式(1)において、Dが−OCO−、あるいは−OCOC* 3 H−の化合物の合成法を説明すると、まず定法に従って、(3−ジメチルアミノ−2−(4−アルキルあるいは4−アルコキシフェニル)プロペニリデン)ジメチルアンモニウム過塩素酸塩誘導体と、p−ヒドロキシベンズアミジン塩酸塩類とからジフェニルピリミジン誘導体を得、これと前述の光学活性なアルカン酸誘導体類とから通常のエステル化により目的物を得ることが出来る。
合成ル−トの例を以下に示す。
【0032】
【化14】
Figure 0004198221
【0033】
次に、一般式(1)において、Dが−CH2 −O−の化合物の合成法を説明すると、前記と同様に合成したジフェニルピリミジン誘導体を還元し、ヒドロキシメチル体を得、これをクロロメチル体へ変換した後、前述の光学活性なアルコ−ル誘導体類とから目的物を得ることが出来る。合成ル−トの例を以下に示す。
【化15】
Figure 0004198221
【0034】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例中に示した相転移点は、ホットステ−ジを備えた偏光顕微鏡下での目視観察及び示差走査熱量計(DSC)による測定で決定した。また、各液晶相の判定は、いわゆる混和試験及びコンタクト試験により行った。
【0035】
さらに、各液晶性化合物及び組成物の評価にはガラス基板に透明導電膜(インジウム錫酸化物:ITO)を設け、ポリイミド、ポリビニルアルコ−ルのような配向膜をコ−トし、ラビングした後、そのラビング方向が平行になるように張り合わせた液晶評価セルを用いた。なお、このセルのセルギャップは2.3ミクロンであった。また、しきい値等の電気光学効果は、直交ニコルの状態に配置した偏光子と検光子の間に、温度制御した液晶セルを配置し、He−Neレ−ザを照射し、電圧印加時の液晶の応答を、光電子増倍管で測定した透過率変化の観測によって行った。なお、しきい値は、三角波印加時に、暗レベルを透過率0%、明レベルを100%とし、90%透過時の印加電圧として定義した(図1参照)。また、実施例中で使用するTcとは反強誘電性液晶相上限温度を示している。
【0036】
実施例1
5−(3−フルオロ−4−オクチルオキシフェニル)−2−(3−フルオロ−4−((S)−2−フルオロヘプタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
窒素気流下、反応フラスコに5−(3−フルオロ−4−オクチルオキシフェニル)−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジン0.77g、(S)−2−フルオロヘプタン酸0.41g、ジシクロヘキシルカ−ボジイミド(DCC)0.86g、ジメチルアミノピリジン(DMAP)116mg、1,2−ジクロロエタン40mlを仕込み、室温で3時間撹拌した。生成した塩を濾別後、濃縮して得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(トルエン/ 酢酸エチル=10:1)及び中圧液体クロマトグラフィ−により精製して、0.88gの目的物を得た(収率87.3%)。
【0037】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.90(t,3H,J=7.0Hz),0.94(t,3H,J=7.2Hz),1.26-1.42(m,12H),1.45-1.53(m,2H),1.57-1.63(m,2H),1.82-1.90(m,2H),2.03-2.20(m,2H),4.10 (t,2H,J=6.6Hz),5.23(dt,1H,J=48.7Hz,J=5.9Hz),7.10(t,1H,J=8.5Hz),7.26-7.39(m,3H),8.31-8.36(m,2H),8.95(s,2H)
MS(m/z) : 542 (M+ )
この化合物は81.3℃で融解し強誘電性液晶相(SmC* 相)を示し、140.7℃で等方性液体へ転移した。
【0038】
参考例1
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((S)−2,6−ジメチルヘプタノイルオキシ)フェニル)ピリミジンの合成。
実施例1において5−(3−フルオロ−4−オクチルオキシフェニル)−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンを5−(4−デシルフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンに代え、(S)−2−フルオロヘプタン酸を(S)−2,6−ジメチルヘプタン酸に代えた以外は実施例1と同様に行って5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((S)−2,6−ジメチルヘプタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンを合成した。この化合物は100.7℃で融解して反強誘電性液晶相を示し、131.7℃で等方性液体となった。この化合物を液晶セルに注入し、116.7℃(Tc−15℃)で測定したところ、しきい値は59Vであった。
【0039】
実施例2
参考例1に示した化合物に実施例1で示した化合物を10.1重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相から129.4℃でSmC* 相に転移し、さらに128.9℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は38.4Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例1の化合物を添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0040】
実施例3
5−(4−オクチルフェニル)−2−(3−フルオロ−4−((S)−2−フルオロヘプタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例1において5−(3−フルオロ−4−オクチルオキシフェニル)−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンを5−(4−オクチルフェニル)−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンに代えた以外は実施例1と同様に行って表題化合物を得た。
【0041】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.89(t,3H,J=7.0Hz),0.94(t,3H,J=7.1Hz),1.26-1.42(m,1 4H),1.58-1.70(m,4H),2.03-2.14(m,2H),2.68(t,2H,J=7.8Hz),5.23(dt,1H,J=48.8Hz,J=5.9Hz),7.30(m,1H),7.35(d,2H,J=8.3Hz),7.55(d,2H,J=8.3Hz),8.32-8.37(m,2H),9.00(s,2H)
MS(m/z) : 508 (M+ )
この化合物は89.9℃で融解し強誘電性液晶相(SmC* 相)を示し、140℃でスメクチックA(SmA)相へ転移し、さらに165℃で等方性液体へ転移した。
【0042】
この化合物を参考例1に示した化合物に10.0重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に129.5℃で転移し、129.3℃でSmC* 相を示し、さらに128℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は40.8Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例3の化合物を添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0043】
実施例4
5−(4−オクチルオキシフェニル)−2−(4−((S)−2−フルオロヘプタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例1において5−(3−フルオロ−4−オクチルオキシフェニル)−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンを5−(4−オクチルオキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンに代えた以外は実施例1と同様に行って表題化合物を得た。
【0044】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.90(t,3H,J=7.0Hz),0.94(t,3H,J=7.1Hz),1.26-1.42(m,12H),1.45-1.52(m,2H),1.57-1.63(m,2H),1.79-1.86(m,2H),2.02-2.15(m,2H),4.02(t,2H,J=6.6Hz),5.17(dt,1H,J=48.8Hz,J=5.9Hz),7.05(d,2H,J=8.8Hz),7.27(d, 2H,J=8.8Hz), 7.56(d,2H,J=8.9Hz),8.53(d,2H,J=8.9Hz),8.97(s,2H)
MS(m/z) : 506 (M+ )
【0045】
この化合物は124.6℃で融解し未同定の高次のスメクチック相を示し、132.2℃でやはり高次のスメクチック相へ転移し、139.6℃でSmC* 相を示し、180.9℃でSmA相へ転移し、205℃で等方性液体となった。この化合物を参考例1に示した化合物に20.0重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に140.4℃で転移し、139.1℃でSmC* 相を示し、さらに129.7℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は30Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例4の化合物を20%添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0046】
実施例5
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((S)−2−トリフルオロメチルオクタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例1において5−(3−フルオロ−4−オクチルオキシフェニル)−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンを5−(4−デシルフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンに代え、(S)−2−フルオロヘプタン酸を(S)−2−トリフルオロメチルオクタン酸に代えた以外は実施例1と同様に行って表題化合物を得た。
【0047】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.88(t,3H,J=6.9Hz),0.91(t,3H,J=6.9Hz),1.22-1.60(m,22H),1.62-1.70(m,2H),1.88-1.98(m,1H),2.02-2.15(m,1H),2.68(t,2H,J=7.7Hz),3.32-3.43(m,1H),7.24(d,2H,J=8.9Hz),7.34(d,2H,J=8.3Hz),7.55(d,2H,J=8.3Hz),8.55(d,2H, J=8.9Hz),9.01(s,2H)
MS(m/z) : 582 (M+ )
【0048】
この化合物は60.6℃で融解し未同定の高次のスメクチック相を示し80.7℃で等方性液体となった。この化合物を参考例1に示した化合物に9.5重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物の示す反強誘電性液晶相上限温度(Tc)は123.7℃であった。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は40.8Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例5の化合物を添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0049】
実施例6
5−(4−デシルフェニル)−2−(3−フルオロ−4−((R)−2−トリフルオロメチルオクタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例5において5−(4−デシルフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンを5−(4−デシルフェニル)−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンに代え、(S)−2−トリフルオロメチルオクタン酸を(R)−2−トリフルオロメチルオクタン酸に代えた以外は実施例5と同様に行って表題化合物を得た。
【0050】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.88(t,3H,J=6.9Hz),0.91(t,3H,J=7.0Hz),1.20-1.68(m,22H),1.70-1.72(m,2H),1.88-1.98(m,1H),2.02-2.16(m,1H),2.68(t,2H,J=7.7Hz),3.38-3.48(m,1H),7.25-7.28(m,1H),7.35(d,2H,J=8.4Hz),7.55(d,2H,J=8.4Hz),8.32-8.37(m,2H),9.00(s,2H)
MS(m/z) : 600(M + )
この化合物は52℃で融解し未同定の高次のスメクチック相を示し、71℃で等方性液体となった。
【0051】
実施例7
5−(4−デシルオキシフェニル)−2−(4−((R)−2−トリフルオロメチルオクタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例6において5−(4−デシルフェニル)−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンを5−(4−デシルオキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンに代えた以外は実施例6と同様に行って表題化合物を得た。
【0052】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.89(t,3H,J=6.9Hz),0.91(t,3H,J=7.1Hz),1.20-1.60(m,22H),1.78-1.87(m,2H),1.88-1.98(m,1H),2.02-2.15(m,1H),3.32-3.42(m,1H),4.02(t,2H,J=6.6Hz),7.05(d,2H,J=8.9Hz),7.24(d,2H,J=8.9Hz),7.56(d,2H,J=8.8Hz),8.54(d,2H,J=9.0Hz),8.98(s,2H)
MS(m/z) : 598(M + )
この化合物は69.0℃で融解し未同定の高次のスメクチック相を示し106℃で等方性液体となった。
【0053】
参考例2
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((R)−2,6−ジメチルヘプタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
参考例1において(S)−2,6−ジメチルヘプタン酸を(R)−2,6−ジメチルヘプタン酸に代えた以外は参考例1と同様に行って5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((R)−2,6−ジメチルヘプタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンを合成した。 この化合物は100℃で融解して反強誘電性液晶相を示し、128℃で等方性液体となった。この化合物を液晶セルに注入し、113℃(Tc−15℃)で測定したところ、しきい値は51.2Vであった。
【0054】
実施例8
実施例7に示した化合物を参考例2に示した化合物に30.1重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に127℃で転移し、113℃でSmC* 相を示し、さらに109℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は19.2Vであった。参考例2の化合物のTc−15℃でのしきい値は51.2Vであり、実施例7の化合物を30%添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0055】
実施例9
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((R)−1−トリフルオロメチルヘプチルオキシメチル)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
(1)5−(4−デシルフェニル)−2−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
反応フラスコに窒素気流下、リチウムアルミニウムヒドリド(LAH)1.2g、THF50mlを仕込み撹拌しながら、5−(4−デシルフェニル)−2−(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,3−ピリミジン9.1gのTHF(250ml)溶液を5乃至15℃の温度を保ちつつ滴下した。室温で2時間さらに撹拌した後、水中に投入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離、水洗、濃縮して得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−により精製後、ヘキサンより再結晶して目的物4.12gを得た(収率48.4%)。
【0056】
(2)5−(4−デシルフェニル)−2−(4−クロロメチルフェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
反応フラスコに5−(4−デシルフェニル)−2−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−1,3−ピリミジン1.32g、塩化チオニル1.54g、塩化メチレン20mlを仕込み、75℃で3時間撹拌した。反応物を水中に投入し、酢酸エチルで抽出し、水洗、濃縮して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ベンゼン−酢酸エチル)により精製し、1.30gの目的物を得た(収率94.2%)。
【0057】
(3)5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((R)−1−トリフルオロメチルヘプチルオキシメチル)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
窒素気流下、5−(4−デシルフェニル)−2−(4−クロロメチルフェニル)−1,3−ピリミジン0.8g、THF10ml、NaH0.1gの分散液中に(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノ−ル0.35g、THF2mlの溶液を加え、65℃で1時間、75℃で2時間撹拌した。冷却後、多量の水中に投入して、酢酸エチルで抽出し、水洗、濃縮して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン−酢酸エチル)及びアセトニトリルからの再結晶で精製し、0.55gの目的物を得た(収率50.9%)。
【0058】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.85(t,3H,J=6.8Hz),0.88(t,3H,J=6.9Hz),1.20-1.40(m,22H),1.60-1.78(m,4H),2.68(t,2H,J=7.7Hz),3.68-3.78(m,1H),4.66(d,1H,J=11.7Hz),4.93(d,1H,J=11.7Hz),7.34(d,2H,J=8.3Hz),7.48(d,2H,J=8.3Hz),7.55(d,2H,J=8.3Hz),8.49(d,2H,J=8.4Hz),9.01(s,2H)
MS(m/z) : 568(M+ )
【0059】
この化合物は75.1℃で融解し、冷却するとモノトロピックにSmA相を示した。このSmA相から等方性液体相への転移温度は74.3℃であった。この化合物を参考例1に示した化合物に20.1重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に119℃で転移し、114.9℃でSmC* 相へ転移し、112.9℃で反強誘電性液晶相に転移した。これを液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は20.4Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例9の化合物を20%添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0060】
実施例10
5−(4−オクチルフェニル)−2−(4−((R)−1−トリフルオロメチルヘプチルオキシメチル)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例9(1)において、5−(4−デシルフェニル)−2−(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,3−ピリミジンを5−(4−オクチルフェニル)−2−(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,3−ピリミジンに代えた以外は実施例9と同様に行い標題化合物を得た。
【0061】
[α]D 25=+36.8°(c=1.05、CHCl3 )。
1H-NMR(CDCl3)δ: 0.85(t,3H,J=7.0Hz),0.89(t,3H,J=6.9Hz),1.19-1.42(m,16H),1.48-1.58(m,2H),1.6-1.75 (m,4H),2.68(t,2H,J=7.7Hz),3.66-3.76(m,1H),4.66(d,1H,J=11.8Hz),4.93(d,1H,J=11.7Hz),7.34(d,2H,J=8.3Hz),7.49(d,2H,J=8.5Hz),7.55(d,2H,J=8.3Hz),8.49(d,2H,J=8.4Hz),9.01(s,2H)
MS(m/z) : 540 (M + )
【0062】
この化合物は68.5℃で融解しSmA相へ転移し、81.9℃で等方性液体となった。この化合物を参考例1に示した化合物に9.9重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に124.1℃で転移し、122.6℃で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は45.2Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例10の化合物を添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0063】
実施例11
5−(4−デシルオキシフェニル)−2−(4−((R)−1−トリフルオロメチルヘプチルオキシメチル)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例9(1)において、5−(4−デシルフェニル)−2−(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,3−ピリミジンを5−(4−デシルオキシフェニル)−2−(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,3−ピリミジンに代えた以外は実施例9と同様に行い表題化合物を得た。
【0064】
[α]D 25=+34.6°(c=1.15、CHCl3 )。
1H-NMR(CDCl3)δ: 0.85(t,3H,J=6.9Hz),0.89(t,3H,J=6.9Hz),1.20-1.43(m,20H),1.43-1.57(m,2H),1.60-1.73(m,2H),1.76-1.85(m,2H),3.67-3.77(m,1H),4.02(t,2H,J=6.6Hz),4.66(d,1H,J=11.8Hz),4.93(d,1H,J=11.7Hz),7.05(d,2H,J=8.9Hz),7.49(d,2H,J=8.5Hz),7.56(d,2H,J=8.9Hz),8.48(d,2H,J=8.5Hz),8.98(s, 2H)
MS(m/z) :584(M+ )
【0065】
この化合物は65.3℃で融解しSmC* 相を示し、74.9℃でSmA相へ転移し、101.1℃で等方性液体となった。この化合物を参考例1に示した化合物に10.0重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に124.2℃で転移し、123.6℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は36Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例11の化合物を添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0066】
実施例12
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((R)−1−トリフルオロメチルペンチルオキシメチル)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例9(3)において、(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノ−ルを(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキサノ−ルに代えた以外は実施例9と同様に行い標題化合物を得た。
【0067】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.88(t,3H,J=6.9Hz),0.89(t,3H,J=7.0Hz),1.20-1.43(m,16H),1.45-1.58(m,2H),1.60-1.75(m,4H),2.68(t,2H,J=6.7Hz),3.67-3.77(m,1H),4.66(d,1H,J=11.8Hz),4.92(d,1H,J=11.8Hz),7.34(d,2H,J=8.4Hz),7.49(d,2H,J=8.4Hz),7.54(d,2H,J=8.4Hz),8.49(d,2H,J=8.4Hz),9.01(s,2H)
MS(m/z) :540(M + )
【0068】
この化合物は68.1℃で融解しSmA相へ転移し、87.8℃で等方性液体となった。さらにSmA相から冷却するとSmC* 相を示し、この転移点は64.6℃であった。この化合物を参考例1に示した化合物に10.0重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に124.1℃で転移し、123.4℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は34.4Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例12の化合物を添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0069】
実施例13
5−(3−フルオロ−4−オクチルオキシフェニル)−2−(4−((R)−1−トリフルオロメチルヘプチルオキシメチル)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例9(1)において、5−(4−デシルフェニル)−2−(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,3−ピリミジンを5−(3−フルオロ−4−オクチルオキシフェニル)−2−(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,3−ピリミジンに代えた以外は実施例9と同様に行い標題化合物を得た。
【0070】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.86(t,3H,J=6.9Hz),0.90(t,3H,J=7.0Hz),1.21-1.42(m,16H),1.45-1.57(m,2H),1.62-1.76(m,2H),1.82-1.92(m,2H),3.67-3.78(m,1H),4.10(t,2H,J=6.7Hz),4.66(d,1H,J=11.7Hz),4.93(d,1H,J=11.7Hz),7.10(t,1H,J=8.6Hz),7.32-7.39(m,2H),7.49(d,2H,J=8.6Hz),8.48(d,2H,J=8.5Hz),8.96(s,2H)
MS(m/z) :574(M+ )
【0071】
この化合物は72.7℃で融解しSmA相へ転移し、77.3℃で等方性液体となった。この化合物を考例1に示した化合物に20.0重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に121.7℃で転移し、121℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は34.8Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例13の化合物を添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0072】
実施例14
5−(4−デシルフェニル)−2−(3−フルオロ−4−((R)−1−トリフルオロメチルヘプチルオキシメチル)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例9(1)において、5−(4−デシルフェニル)−2−(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,3−ピリミジンを5−(4−デシルフェニル)−2−(3−フルオロ−4−メトキシカルボニルフェニル)−1,3−ピリミジンに代えた以外は実施例9と同様に行い標題化合物を得た。
【0073】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.85(t,3H,J=7.0Hz),0.88(t,3H,J=7.1Hz),1.18-1.43(m,20H),1.46-1.58(m,2H),1.60-1.75(m,4H),2.68(t,2H,J=7.8Hz),3.68-3.80(m,1H),4 .76(d,1H,J=11.9Hz),4.94(d,1H,J=12.1Hz),7.35(d,2H,J=8.3Hz),7.54-7.58(m,3H),8.20(dd,1H,J=11.2Hz,J=1.6Hz),8.30(dd,1H,J=8.0Hz,J=1.6Hz),9.01(s,2H)
MS(m/z) :587(M + +1)
【0074】
この化合物は60.3℃で融解し等方性液体となるが、冷却するとモノトロピックにSmC* 相を示した。このSmC* 相から等方性液体相への転移点は48.1℃であった。この化合物を参考例1に示した化合物に10.0重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に122.1℃で転移し、120℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−20℃で測定したところ、しきい値は40Vであった。参考例1の化合物のTc−20℃でのしきい値は60V以上であり、実施例14の化合物を添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0075】
実施例15
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルオクタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
(1)(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルオクタン酸の合成。
(1−1)2- フルオロ- 2- トリフルオロメチルオクタ−4−エン酸アミドの合成。
(R)−1−ヘキセン−3−オール920mg(91.2%e.e.)とトリエチルアミン5.7mlのジクロロメタン溶液10mlに0℃にて、ヘキサフルオロプロペンジエチルアミン付加物3.3mlをゆっくり滴下し、0℃にて2時間、室温で48時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンにて抽出し、合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的物1.35gを得た。
収率51.9%。
【0076】
1H-NMR (CDCl3)δ:0.89(3H,t,J =7.1Hz),1.15(3H,t,J=7.1 Hz),1.19(3H,t,J=6.8Hz),1.38(2H,dt,J=7.4Hz,J=14.5 Hz),1.99(2H,m),2.61(1H,m),3.07(1H,m),3.29 〜3.60(2H,m),5.33 (1H,dt,J=7.3Hz,J=15.3 Hz),5.68(1H,dt,J=6.8Hz,J=15.3Hz).
MS(m/z) :283(M+ ),220,149.
【0077】
(1−2)2- フルオロ- 2- トリフルオロメチルオクタン酸アミドの合成。
2- フルオロ- 2- トリフルオロメチルオクタ−4−エン酸アミド1.30g(4.5mmol)のメタノール溶液13mlにパラジウム炭素13mgを加え、水素雰囲気下、室温で24時間撹拌した。触媒をセライトで濾過後、濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的物1.0gを得た。
収率76.4%。
【0078】
1H-NMR (CDCl3)δ:0.89 (3H,t,J=7.0 Hz),1.17(3H,t,J=7.1 Hz),1.21(3H,t,J=7.0Hz),1.24 〜1.55 (8H,m),1.92 (1H,m),2.38 (1H,m),3.29〜3.70(4H,m).
MS(m/z) :285(M+ ),270,256.
【0079】
(1−3)(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルオクタン酸の合成。
水素化リチウムアルミニウム67mg(1.80mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液7.0mlに−20℃にて2- フルオロ- 2- トリフルオロメチルオクタン酸アミド1.0g(3.51mmol)のテトラヒドロフラン溶液3.0mlをゆっくり滴下し、0℃にて6時間撹拌した。反応液を再び−20℃にし、メタノール15mlおよびナトリウムボロヒドリド133mg(3.51mmol)を加えて、0℃で2時間撹拌した。反応液を希塩酸にてpH=2とし、溶媒を減圧下留去した後、エーテルにて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して得られたアルコール誘導体をエーテル溶液26mlとし、0℃にてJones試薬(CrO3;7.02g(70.2mmol),H2 SO4 7.02ml,H2 O 28.1mlから調製) をゆっくり加え、室温で15時間撹拌した。反応液をエーテルにて抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的物420mgを得た。収率52.0%。この一部をメチルエステルとしキラル固定相のガスクロマトグラフィーで分析すると、光学純度は85.9%e.e.であった。
【0080】
1H-NMR (CDCl3) δ:0.89(3H,t,J=7.0Hz),1.18〜1.70(8H,m),1.95 〜2.28 (2H,m),8.25(1H,br).
MS(m/z) :231(M + ),211,193.
【0081】
(2)5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルオクタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例1において5−(3−フルオロ−4−オクチルオキシフェニル)−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンを5−(4−デシルフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンに代え、(S)−2−フルオロヘプタン酸を(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルオクタン酸に代えた以外は実施例1と同様に行って表題化合物を得た。
【0082】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.88(t,3H,J=6.9Hz),0.91(t,3H,J=7.1Hz),1.20-1.55(m,21H),1.6-1.75(m,3H),2.10-2.40(m,2H),2.68(t,2H,J=7.7Hz),7.27(d,2H,J=9.0Hz),7.34(d,2H,J=8.4Hz),7.55(d,2H,J=8.4Hz),8.57(d,2H,J=9.0Hz),9.00(s,2H)
MS(m/z) :600(M+ )
【0083】
この化合物は45.2℃で融解し未同定の高次のスメクチック相を示し、70.8℃で等方性液体となった。この化合物を参考例1に示した化合物に10.0重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に124.6℃で転移し、121.1℃でSmC* 相を示し、さらに120.9℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は44.4Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例15の化合物を添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0084】
実施例16
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルデカノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
(1)(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルデカン酸の合成。
(1−1)2- フルオロ- 2- トリフルオロメチルデカ−4−エン酸アミドの合成。
(R)−1−オクテン−3−オール2.0g( 15.6mmol,96.0%e.e.とトリエチルアミン4.4ml(31.3mmol)のジクロロメタン溶液40mlに0℃にて、ヘキサプロペンジエチルアミン付加物3.5g(15.6mmol)をゆっくり滴下し、0℃にて2時間、室温で48時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンにて抽出し、合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的物3.26gを得た。収率67.2%。
【0085】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.89(3H,t,J=7.1Hz),1.15(3H,t,J=7.1Hz),1.18(3H,t,J=7.1Hz),1.21 〜1.40(6H,m),2.00(2H,m),2.61(1H,m),3.07(1H,m),3.59〜3.30(4H,m),5.32(1H,dt,J =7.2Hz,J=15.3Hz),5.86(1H,dt,J=6.7Hz,J=15.3 Hz).
MS(m/z) :312(M+ +1),220,100.
【0086】
(1−2)2- フルオロ- 2- トリフルオロメチルデカン酸アミドの合成。
2- フルオロ- 2- トリフルオロメチルデカ−4−エン酸アミド3.0g(9.65mmol)のメタノール溶液30mlにパラジウム炭素75mgを加え、水素雰囲気下、室温で24時間撹拌した。触媒をセライトで濾過後、濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的物3.0gを得た。収率99.3%。
【0087】
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.89(3H,t,J=7.0Hz),1.17(3H,t,J=7.1Hz),1.21(3H,t,J=7.0Hz),1.27 〜1.54(12H,m),1.90(1H, m),2.35(1H,m),3.30 〜3.70(4H,m).
MS(m/z) :313(M+ ),201,100.
【0088】
(1ー3)(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルデカン酸の合成。
水素化リチウムアルミニウム61mg(1.60mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液7.0mlに−20℃にて2−フルオロ−2−トリフルオロメチルデカン酸アミド1.0g(3.19mmol)のテトラヒドロフラン溶液3.0mlをゆっくり滴下し、0℃にて6時間撹拌した。反応液を再び−20℃とし、メタノール15mlおよびナトリウムボロヒドリド182mg(3.19mmol)を加えて、0℃で2時間撹拌した。反応液を希塩酸にてpH=2とし、溶媒を減圧下留去した後、エーテルにて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して得られたアルコールをエーテル溶液26mlとし、0℃にてJones試薬(CrO3 6.4g(64.0mmol),H2 SO4 6.4ml,H2 O26mlから調製) をゆっくり加え、室温で15時間撹拌した。反応液をエーテルにて抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し目的物270mgを得た。収率32.1%。この一部をメチルエステルとしキラル固定相のガスクロマトグラフィーで分析すると、光学純度は86.7%e.e.であった。
【0089】
[α] D 25=+3.0(c=2.0、CHCl3)。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.89(3H,t,J=7.1 Hz),1.15〜1.70 (12H,m), 1.95〜2.30(2H,m),9.65(1H,br).
MS(m/z) :243(M + −CH3),174,146.
【0090】
(2)5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルデカノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例15(2)において(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルオクタン酸を(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルデカン酸に代えた以外は実施例15(2)と同様に行って表題化合物を得た。
【0091】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.88(t,3H,J=6.9Hz),0.89(t,3H,J=7.0Hz),1.20-1.55(m,25H),1.60-1.80(m,3H),2.10-2.40(m,2H),2.68(t,2H,J=7.8Hz),7.27(d,2H,J=8.9Hz),7.35(d,2H,J=8.4Hz),7.55(d,2H,J=8.4Hz),8.57(d,2H,J=9.0Hz),9.01(s,2H)
MS(m/z) : 628(M + )
この化合物は46.4℃で融解し、未同定の高次のスメクチックを示し、66.8℃で等方性液体となった。
【0092】
実施例17
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルヘキサノイルオキシ)フェニル)−1、2−ピリミジンの合成。
(1)(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルヘキサン酸の合成。
実施例15(1−1)において、(R)−1−ヘキセン−3−オ−ルを(R)−1−ブテン−3−オ−ルに代えた以外は実施例15(1)と同様に合成し、(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルヘキサン酸を得た。
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.93(3H,t,J=7.1Hz),1.10-1.70(4H,m),1.95-2.38(2H,m),8.14(1H,br)
MS(m/z) : 202(M + ),134,91.
【0093】
(2)5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルヘキサノイルオキシ)フェニル)−1、3−ピリジンの合成。
実施例15(2)において(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルオクタン酸を(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルヘキサン酸に代えた以外は実施例15(2)と同様に行って表題化合物を得た。
【0094】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.88(t,3H,J=6.9Hz),0.99(t,3H,J=7.2Hz),1.20-1.40(m,14H),1.42-1.55(m,3H),1.63-1.75(m,3H),2.10-2.42(m,2H),2.68(t,2H,J=7.7Hz),7.28(d,2H,J=9.0Hz),7.35(d,2H,J=8.3Hz),7.55(d,2H,J=8.3Hz),8.57(d,2H,J=8.9Hz),9.01(s,2H)
MS(m/z) : 572(M + )
この化合物は56.8℃で融解し、未同定の高次スメクチックを示し、71.1℃でやはり高次のスメクチック相へ転移し83.6℃で等方性液体となった。
【0095】
実施例18
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((2S,3R)−2,3−ジメチルヘプタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例15において(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルオクタン酸を、(2S,3R)−2,3−ジメチルヘプタン酸に代えた以外は実施例15と同様に行った表題化合物を得た。
【0096】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.88(t,3H,J=7.0Hz),0.93(t,3H,J=7.0Hz),0.99(d,3H,J=6.8Hz),1.23(d,3H,J=7.1Hz),1.20-1.50(m,20H),1.60-1.72(m,2H),2.00-2.12(m,1H),2.63-2.72(m,3H),7.21(d,2H,J=8.9Hz),7.34(d,2H,J=8.3Hz),7.55(d,2H,J=8.3Hz),8.52(d,2H,J=8.9Hz),8.99(s,2H)
MS(m/z) : 528(M + )
この化合物は70.3℃で融解し、SmC* 相を示し、111.7℃でSmA相へ転移し、113.2℃で等方性液体となった。
【0097】
実施例19
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((2S,3S)−2,3−ジメチルヘプタノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例15において(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルオクタン酸を、(2S,3S)−2,3−ジメチルヘプタン酸に代えた以外は実施例15と同様に行った表題化合物を得た。
【0098】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.88(t,3H,J=6.9Hz),0.93(t,3H,J=7.0Hz),1.06(d,3H,J=6.8Hz),1.28(d,3H,J=7.0Hz),1.20-1.47(m,22H),1.60-1.70(m,2H),1.87-1.98(m,1H),2.60-2.72(m,3H),7.22(d,2H,J=8.9Hz),7.34(d,2H,J=8.3Hz),7.55(d,2H,J=8.3Hz),8.52(d,2H,J=8.9Hz),8.99(s,2H)
MS(m/z) : 529(M ++1 )
【0099】
この化合物は89.8℃で融解し、SmC* 相を示し、130℃でSmA相へ転移し、135.6℃で等方性液体となった。この化合物を参考例1に示した化合物に30.0重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に129.5℃で転移し、さらに122.1℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は33.6Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであることと比較してしきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0100】
実施例20
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((1S,2R)−2−メチル−1−シクロヘキサンカルボニルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例15において(R)−2−フルオロ−2−トリフルオロメチルオクタン酸を、(1S,2R)−2−メチル−1−シクロヘキサンカルボン酸に代えた以外は実施例15と同様に行った表題化合物を得た。
【0101】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.88(t,3H,J=6.9Hz),1.09(d,3H,J=7.0Hz),1.18-2.00(m,24H),2.36(m,1H),2.67(t,2H,J=7.7Hz),2.76-2.85(m,1H),7.22(d,2H,J=8.9Hz),7.33(d,2H,J=8.3Hz),7.54(d,2H,J=8.3Hz),8.51(d,2H,J=8.8Hz),8.99(s,2H)
MS(m/z) : 512(M + )
この化合物は123.5℃で融解し、SmC* 相を示し、149.8℃でSmA相へ転移し、152.2℃で等方性液体となった。
【0102】
実施例21
5−(4−デシルフェニル)−2−(3−フルオロ−4−((1S,2R)−2−メチル−1−シクロヘキサンカルボニルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例20において用いられている5−(4−デシルフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンを、5−(4−デシルフェニル)−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンに代えた以外は実施例20と同様に行った表題化合物を得た。
【0103】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.88(t,3H,J=6.9Hz),1.10(d,3H,J=7.1Hz),1.18-2.00(m,24H),2.33(m,1H),2.68(t,2H,J=7.7Hz),2.82-2.90(m,1H),7.08-7.25(m,1H),7.34(d,2H,J=8.2Hz),7.54(d,2H,J=8.3Hz),8.28-8.33(m,2H),8.99(s,2H)
MS(m/z) : 531(M ++1 )
【0104】
この化合物は112.3℃で融解し、未同定のスメクチック相を示し、120.9℃でC* 相を示し、142.3℃でSmA相へ転移し、145.8℃で等方性液体となった。この化合物を参考例1に示した化合物に19.9重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmA相に130.3℃で転移し、さらに130.1℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は57.6Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例21の化合物のしきい値低減効果は僅かであるが、20%添加しても安定に反強誘電性液晶組成物を示すことが判った。
【0105】
実施例22
5−(4−デシルフェニル)−2−(3−フルオロ−4−((1S,2R)−2−ブチル−1−シクロヘキサンカルボニルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例20において(1S,2R)−2−メチル−1−シクロヘキサンカルボン酸を、(1S,2R)−2−ブチル−1−シクロヘキサンカルボン酸に代えた以外は実施例20と同様に行った表題化合物を得た。
【0106】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.89(t,3H,J=6.9Hz),0.93(t,3H,J=7.1Hz),1.22-1.85(m,29H),1.92-2.04(m,2H),2.68(t,2H,J=7.7Hz),2.90-2.97(m,1H),7.21-7.25(m,1H),7.42(d,2H,J=8.4Hz),7.55(d,2H,J=8.3Hz),8.29-8.34(m,2H),9.00(s,2H)
MS(m/z) : 573(M ++1 )
この化合物は95.4℃で融解し、等方性液体となった。
【0107】
実施例23
5−(4−デシルフェニル)−2−(4−((2S,3R)−2−メチル−3−フルオロヘキサノイルオキシ)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例1において5−(3−フルオロ−4−オクチルオキシフェニル)−2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンを、5−(4−デシルフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ピリミジンに代え、(S)−2−フルオロヘプタン酸を(2S,3R)−2−メチル−3−フルオロヘキサン酸に代えた以外は実施例1と同様に行った表題化合物を得た。
【0108】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.88(t,3H,J=6.9Hz),1.01(t,3H,J=7.0Hz),1.20-1.90(m,20H),1.41(d,3H,J=7.1Hz),2.68(t,2H,J=7.8Hz),2.87-2.98(m,1H),4.92(dm,1H,J=48.1Hz),7.23(d,2H,J=9.0Hz),7.34(d,2H,J=8.3Hz),7.55(d,2H,J=8.3Hz),8.53(d,2H,J=9.0Hz),9.00(s,2H)
MS(m/z) : 518(M +)
【0109】
この化合物は99.6℃で融解し133.9℃でSmC* 相を示し、133.9℃でSmA相へ転移し、141.4℃で等方性液体となった。この化合物を参考例1に示した化合物に10.0重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相から127.1℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は37.2Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例23の化合物を添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0110】
実施例24
5−(4−オクチルオキシフェニル)−2−(4−((R)−1−メチルブトキシメチル)フェニル)−1,3−ピリミジンの合成。
実施例9(1)において、5−(4−デシルフェニル)−2−(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,3−ピリミジンを、5−(4−オクチルオキシフェニル)−2−(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,3−ピリミジンに代え、(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノ−ルを(R)−2−ペンタノ−ルに代えた以外は実施例9と同様に行った表題化合物を得た。
【0111】
1H-NMR(CDCl3) δ: 0.90(t,3H,J=7.0Hz),0.92(t,3H,J=7.3Hz),1.22(d,3H,J=6.1Hz),1.25-1.70(m,14H),1.78-1.88(m,2H),3.50-3.60(m,1H),4.02(t,2H,J=6.6Hz),4.55(d,1H,J=12.3Hz),4.66(d,1H,J=12.3Hz),7.04(d,2H,J=8.9Hz),7.48(d,2H,J=8.6Hz),7.55(d,2H,J=8.8Hz),8.44(d,2H,J=8.5Hz),8.97(s,2H)
MS(m/z) : 460(M +)
【0112】
この化合物は52.0℃で融解し反強誘電性液晶相に転移し、115.8℃でSmC* 相を示し、149.4℃で等方性液体へ転移した。この化合物を参考例1に示した化合物に19.9重量%添加して液晶組成物を得た。この組成物は等方性液体相からSmC* 相に128.3℃で転移し、125.5℃(Tc)で反強誘電性液晶相に転移した。この様にして得られた反強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入し、Tc−15℃で測定したところ、しきい値は47.6Vであった。参考例1の化合物のTc−15℃でのしきい値は59Vであり、実施例24の化合物を添加しても安定に反強誘電性液晶相を示し、しきい値が低減できることから、より優れた特性を持つ反強誘電性液晶組成物が得られることが判った。
【0113】
【発明の効果】
本発明の光学活性化合物は、従来知られている多くの反強誘電性液晶化合物との相溶性が良く、しきい値が改良された液晶材料を提供することが出来る。また、本発明の光学活性化合物を含有する液晶組成物は反強誘電性液晶を用いた電気光学素子に使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は反強誘電性液晶で観察される電気光学効果(ダブルヒステリシス)を示し、さらに、しきい値の定義を示す図である。
【図2】図2は短形波あるいは三角波印加時の液晶分子の応答の模式図である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0004198221
    (式中Rは炭素数5乃至14のアルキル基あるいはアルコキシ基を表し、Rは炭素数2乃至12のアルキル基を表し、l、mは0又は1を表し、Dは−OCO−あるいは−OCOCH−を表す。ここで、Dが−OCO−の場合、Rはフッ素原子あるいはトリフルオロメチル基を表し、Rは水素原子あるいはフッ素原子を表す。また、Dが−OCOCH−の場合、Rはメチル基、Rはフッ素原子あるいは炭素数1乃至5のアルキル基、Rは水素原子を表し、RとRとで環を形成しても良い。また、Cは不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性化合物。
  2. 下記一般式(1)
    Figure 0004198221
    (式中Rは炭素数5乃至14のアルキル基あるいはアルコキシ基を表し、Rは炭素数2乃至12のアルキル基を表し、l、mは0又は1を表し、Dは−OCO−、−CH−O−、あるいは−OCOCH−を表す。ここで、Dが−OCO−の場合、Rはフッ素原子あるいはトリフルオロメチル基を表し、Rは水素原子あるいはフッ素原子を表す。また、Dが−CH−O−の場合、Rはメチル基あるいはトリフルオロメチル基を表し、Rは水素原子を表す。Dが−OCOCH−の場合、Rはメチル基、Rはフッ素原子あるいは炭素数1乃至5のアルキル基、Rは水素原子を表し、RとRとで環を形成しても良い。また、Cは不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性化合物を少なくとも1種含有する反強誘電性液晶組成物。
  3. 下記一般式(1)
    Figure 0004198221
    (式中Rは炭素数5乃至14のアルキル基あるいはアルコキシ基を表し、Rは炭素数2乃至12のアルキル基を表し、l、mは0又は1を表し、Dは−OCO−、−CH−O−、あるいは−OCOCH−を表す。ここで、Dが−OCO−の場合、Rはフッ素原子あるいはトリフルオロメチル基を表し、Rは水素原子あるいはフッ素原子を表す。また、Dが−CH−O−の場合、Rはメチル基あるいはトリフルオロメチル基を表し、Rは水素原子を表す。Dが−OCOCH−の場合、Rはメチル基、Rはフッ素原子あるいは炭素数1乃至5のアルキル基、Rは水素原子を表し、RとRとで環を形成しても良い。また、Cは不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性化合物を少なくとも1種含有させることを特徴とする反強誘電性液晶組成物のしきい値を低減する方法。
  4. 下記一般式(1)
    Figure 0004198221
    (式中Rは炭素数5乃至14のアルキル基あるいはアルコキシ基を表し、Rは炭素数2乃至12のアルキル基を表し、l、mは0又は1を表し、Dは−OCO−、あるいは−OCOCH−を表す。ここで、Dが−OCO−の場合、Rはフッ素原子あるいはトリフルオロメチル基を表し、Rは水素原子あるいはフッ素原子を表す。Dが−OCOCH−の場合、Rはメチル基、Rはフッ素原子あるいは炭素数1乃至5のアルキル基、Rは水素原子を表し、RとRとで環を形成しても良い。また、Cは不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性化合物を製造する方法において、下記一般式(2)
    Figure 0004198221
    (式中、Rは炭素数5乃至14のアルキル基、あるいはアルコキシ基を表し、l、mは0又は1を表し、Wは水酸基を表す。)で表される化合物と、下記一般式(3)
    Figure 0004198221
    (式中、Rは炭素数2乃至12のアルキル基を表し、XはCOOH、あるいはCOCl、又は、−CHCOOHあるいは−CHCOClを表す。ここでXがCOOH、あるいはCOClの場合、Rはフッ素原子あるいはトリフルオロメチル基を表し、Rは水素原子あるいはフッ素原子を表す。また、Xが−CHCOOHあるいは−CHCOClの場合、Rはメチル基、Rはフッ素原子あるいは炭素数1乃至5のアルキル基、Rは水素原子を表し、RとRとで環を形成しても良い。また、Cは不斉炭素原子を表す。)で表される化合物とを反応させることを特徴とする光学活性化合物の製造方法。
  5. 請求項4において、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(4)
    Figure 0004198221
    (式中、Rは炭素数4から12のアルキル基を表し、Cは不斉炭素原子を表す。)で表される化合物であることを特徴とする光学活性化合物の製造方法。
  6. 請求項5において、前記一般式(4)で表される化合物は、光学活性な1−アルキルアリルアルコールとヘキサフルオロプロペンジエチルアミンとを反応させることにより製造することを特徴とする光学活性化合物の製造方法。
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