JP2786513B2 - エステル化合物及びこれを含む液晶組成物 - Google Patents

エステル化合物及びこれを含む液晶組成物

Info

Publication number
JP2786513B2
JP2786513B2 JP2096320A JP9632090A JP2786513B2 JP 2786513 B2 JP2786513 B2 JP 2786513B2 JP 2096320 A JP2096320 A JP 2096320A JP 9632090 A JP9632090 A JP 9632090A JP 2786513 B2 JP2786513 B2 JP 2786513B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
compound
phase
fluoro
mmol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2096320A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03251554A (ja
Inventor
伸之 白鳥
伊佐 西山
篤 ▲吉▼沢
利弘 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Energy Corp filed Critical Japan Energy Corp
Priority to JP2096320A priority Critical patent/JP2786513B2/ja
Priority to US07/604,827 priority patent/US5211879A/en
Priority to EP90121111A priority patent/EP0427166B1/en
Priority to DE69010147T priority patent/DE69010147T2/de
Publication of JPH03251554A publication Critical patent/JPH03251554A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2786513B2 publication Critical patent/JP2786513B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、安定なサーモトロピックな液晶状態をとり
得、例えば、液晶テレビ等のディスプレイ用、光プリン
ターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等、液
晶やエレクトロケミクロミズムを利用するオプトエレク
トロニクス関連素子の素材として有用な液晶材料として
利用できる新規なエステル化合物及びこの化合物を含む
液晶組成物に関するものである。
(従来の技術) 現在、液晶化合物が表示材料として種々の機器で応用
され、時計、電卓、小型テレビ等に実用化されている。
これらは、ネマチック液晶材料を主成分としたセルを用
い、TN型あるいはSTN型と呼ばれる表示方式のものが採
用されている。この場合のセルは、液晶化合物の誘電異
方性Δεと電場Eとの弱い相互作用(ΔεE2/2)に基づ
く作動であり、電場に対する応答速度が数十m secと遅
いことが欠点としてあげられている。そのため、テレビ
に用いた場合、駆動方式として画素ごとにスイッチング
素子を配置、付加したアクティブマトリクス方式が主と
して用いられ、大画面化を図る上での障害の一つになっ
ている。しかし、1975年R.B.Meyerらによって合成され
た4−(4−nデシルオキシベンジリデンアミノ)ケイ
皮酸−2−メチルブチルエステル(DOBAMBC)を代表例
とする強誘電性液晶の出現と、それを用いたN.A.Clark
らの提案した新しい表示方式(Applied Phys.Lett.198
0,36,899)により、μ secオーダーの高速応答性及び電
場を切っても液晶分子の配向が変わらない特性(メモリ
ー性)を有する液晶セルが可能となった。これらの材料
を用いた表示素子を使えば、スイッチング素子などを用
いないマルチプレックス駆動による単純マトリクス方式
による液晶テレビが可能となり、アクティブマトリクス
のものに比べ、生産性やコスト、信頼性さらに大画面化
などの面ではるかに有利なものとなる。
このため、現在まで多くの強誘電性液晶材料が合成さ
れ、提案されてきた。これらの強誘電性液晶材料が表示
材料として用いられるためには、いくつかの物性が要求
されるが、その中でも基本的なものとしては、室温近傍
の広い温度範囲でスメクチックC相を示し、大きな自発
分極を有し、化学的に安定しているという点である。し
かしながら、初期の強誘電性液晶は、自発分極が10nC/c
m2以下と小さく、また分子内にシッフ塩基をもつものが
多かったため、化学的に不安定であった。
ところで、最近、化学的に安定なエステル化合物によ
る大きな自発分極の発現が報告されている。例えば、次
式、 の化合物は、78.7〜103.3℃の温度領域でキラルスメク
チックC相の、また103.3〜120.8℃の温度領域でコレス
テリック相の液晶となるが、この液晶の83℃における自
発分極は89nC/cm2である(特開昭61−43号公報)。
一方、キラルスメクチックC相を示す温度を低くする
ために、2環の化合物が合成されている。例えば、次
式、 のビフェニル化合物は、降温時44℃からキラルスメクチ
ックC相を示す(特開昭59−118744号公報)。
さらに、室温近傍で安定にキラルスメクチックC相を
示すフェニルピリミジン系化合物が報告されている。例
えば、次式、 の化合物は、40.7〜82.8℃の温度領域でキラルスメクチ
ックC相の、82.8〜89.1℃でスメクチックA相の液晶と
なる(特開昭61−200973号公報)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら上記エステル化合物は、キラルスメクチ
ックC相の温度範囲が高いという欠点を有している。ま
た、上記ビフェニル化合物はキラルスメクチックC相が
モノトロピックであり、不安定である。さらに、上記フ
ェニルピリミジン系化合物は応答時間が43℃で1500μs
と遅く、自発分極がかなり小さいと推定される。
すなわち、高速応答性を要求される表示装置等の液晶
材料には、大きな自発分極を有すること、低粘性を有す
ること、あるいは室温近傍を含む広い温度範囲でキラル
スメクチックC相を示すこと等の物性が要求されるが、
現在までのところこれらの物性を充分に満足する材料は
未だないのが実状である。
しかしながら、近年、不斉炭素上にフッ素やトリフル
オロメチル基を導入した化合物が数多く報告されてい
る。例えば、Heppkeらは、不斉炭素上にフッ素を導入し
た次式、 の化合物がキラルスメクチックC相で自発分極が400nC/
cm2以上を示すことを報告している(第12回国際液晶会
議予稿集)。
また、不斉炭素上にトリフルオロメチル基を導入した
次式、 の化合物は、115.5℃〜93.1℃でキラルスメクチックC
相を示し、自発分極も166nC/cm2を示すことが報告され
ている(特開昭64−3154号公報)。
本発明は、かかる化合物の液晶物性を向上させるため
に鋭意検討を進めた結果、該化合物は、不斉炭素上にフ
ッ素及びメチル基を導入することにより、単体において
安定なキラルスメクチックC相を示すことを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであ
り、本発明の目的は液晶化合物として有用なエステル化
合物及びこれを含む液晶組成物を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、下記の一般式(I)、 (式中、R1およびR2は同じものでも異なっているもので
もよく、A,Bは単結合、−COO−のいづれかを示す)で表
わされるエステル化合物及びこれを含む液晶組成物から
なるものである。
上記式(I)中のR1,R2で示されるアルキル基は実用
的な製造上の見地から、各々炭素数1〜18のものが好ま
しい。
尚、特には、上記式中、R2が結合している炭素が不斉
炭素で、この炭素を中心に光学活性が付与されると、単
独あるいは他の化合物との混合により強誘電性液晶とな
り、好ましいものとなる。
上記式(I)の代表的化合物の例とその理化学的性質
を示すと次の通りである。
4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸−4
−(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)フ
ェニル IR(KBr,cm-1): 2920,2850,1770,1730,1600,1500,1460,1290,1270,11801 H−NMR(CDCl3中、TMS基準,δ値ppm): 8.21(d,2H),7.67(d,4H),7.27(d,4H) 7.00(d,2H),4.00(t,2H),0.73〜2.24(m,29H) 4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2−フルオロ−
2−メチルヘプタノイルオキシ)ビフェニル IR(KBr,cm-1): 2900,2850,1760,1730,1610,1490,1270,12001 H−NMR(CDCl3中、TMS基準,δ値ppm): 8.20(d,2H),7.60(d,4H),7.30(d,2H) 7.18(d,2H),7.00(d,2H),4.10(t,2H) 0.80〜2.30(m,29H) 4−(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)
フェニル,4−(4−オクチルオキシフェニル)安息香酸
エステル IR(KBr,cm-1): 2900,2850,1770,1730,1600,1500,1290,11701 H−NMR(CDCl3中、TMS基準,δ値ppm): 8.24(q,4H),7.36(q,6H),7.00(d,2H) 4.1(t,2H),0.80〜2.20(m,29H) 4−(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)
−4−ヘキシルオキシターフェニル IR(KBr,cm-1): 2920,2850,1750,1600,1490,1240,1180,1 H−NMR(CDCl3中、TMS基準,δ値ppm): 7.8〜6.8(m,12H),4.0(t,2H) 0.7〜2.8(m,25H) 尚、一般式(I)で示した化合物中のR1及びR2のアル
キル基の炭素鎖の長さは、その化合物が液晶状態を取り
得る温度域、あるいはその化合物の自発分極等の物性に
影響を持つものであり、目的によって適宜選定され得る
ものである。この化合物は単独で用いることは勿論、他
の液晶材料と混合して用いることができることは言うま
でもない。
上記一般式(I)の本発明の化合物は一般に以下の方
法によって得られる。
(a)上記式(I)中のAが単結合、Bが−COO−の場
合: また、この化合物は以下の方法でも合成することがで
きる。
尚、上記反応式において用いた(III)及び(IV)式
の化合物は次のようにして、(VI)式の化合物より誘導
することができる。
即ち、光学活性な2−メチル−1,2−エポキシアルカ
ン(VI)にアミン−フッ化水素錯体又は四フッ化ケイ素
を作用させ、光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1
−アルカノール(VII)を得(特願昭64−056058号公
報)、これを過マンガン酸カリウム等の酸化剤を用いて
酸化して(III)式の化合物を得、さらにこの酸を塩化
チオニル等の塩素化剤を作用させることより(IV)式の
化合物に変換させることができる。また、(V)式の化
合物の合成においては、ヒドロキシ基、カルボキシル基
に対して適当な保護基を用いることにより、高収率で合
成可能である。
(b)上記式(I)中のAが−COO−,Bが単結合の場
合: (c)上記式(I)中のA及びBが−COO−の場合: 上記式(VIII)の化合物は以下の反応経路で得ること
ができる。
(実施例) 本発明を下記の実施例及び比較例により具体的に説明
する。
実施例1 4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸−4
−(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)フ
ェニル 4−(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)
フェノールの合成 ハイドロキノン2.7g(0.03mol)、(−)−2−フル
オロ−2−メチルヘプタノイルクロリド1.5g(8.3mmo
l)を乾燥ピリジン25mlに溶解し、室温で1晩攪拌し
た。反応終了後、反応物を酢酸エチル中に移し、1規定
塩酸水溶液、次いで水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、展開液(トル
エン:酢酸エチル=10:1(V/V))を用いたシリカゲル
クロマトグラフィーにより精製し、白色固体1.2g(57
%)を得た。
4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン酸−4
−(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)フ
ェニルの合成 上述のようにして得た4−(2−フルオロ−2−メチ
ルヘプタノイルオキシ)フェノール300mg(1.2m mo
l)、4′−オクチルオキシビフェニル−4−カルボン
酸390mg(1.2m mol)、N,N′−ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド270mg(1.3m mol)及び4−ジメチルアミノピ
リジン15mg(1.2×10-1m mol)を乾燥塩化メチレン60ml
に溶解し、5時間還流下で攪拌した。反応終了後、析出
した固体を濾別し、濾液を1規定塩酸水溶液、次いで水
で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグ
ネシウムを濾別後、トルエンを展開液に用いたシリカゲ
ルクロマトグラフィーにより精製し、エタノールから再
結晶して、白色固体140mg(21%)を得た。この化合物
は前述の理化学的性質を有していた。
液晶性の評価 上記化合物を、ポリイミドを塗布し、ラビング処理を
施した透明電極付ガラスからなる厚さ3μのセルに注入
し、ホットステージで温度制御を行いながら、偏光顕微
鏡観察を行った。温度変化は1分間に2℃の割合で行っ
た。
降温過程では、156.0℃で液体からスメクチックA相
になり、127.1℃でキラルスメクチックC相になり、90.
0℃で結晶になった。一方、昇温過程では、104.0℃で結
晶からキラルスメクチックC相になった。
また、セルに100Hz、20Vppの三角波を印加し、分極反
転電流値より自発分極を測定したところ、95.7℃で146.
2nC/cm2という値を示した。
実施例2 4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2−フルオロ−
2−メチルヘプタノイルオキシ)ビフェニル 4−オクチルオキシ安息香酸−4′−ヒドロキシビフェ
ニルの合成 p,p′−ビフェノール11.2g(0.06mol)、4−オクチ
ルオキシ安息香酸より誘導した4−オクチルオキシ安息
香酸クロリド5.4g(0.02mol)を乾燥ピリジン100mlに溶
解し、室温で1晩攪拌した。反応終了後、6規定塩酸水
溶液を用いてpH1以下とし、析出した固体を濾取した。
この固体をエタノールから再結晶し、白色固体4.4g(53
%)を得た。
4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2−フルオロ−
2−メチルヘプタノイルオキシ)ビフェニルの合成 上述のようにして得た4−オクチルオキシ安息香酸−
4′−ヒドロキシビフェニル1.0g(2.5m mol)と(−)
−2−フルオロ−2−メチルヘプタン酸400mg(2.5m mo
l)とを用いて、実施例1と同様の反応、後処理を行
い、白色固体550mg(40%)を得た。この化合物は前述
の理化学的性質を有していた。
液晶性の評価 実施例1に記載の方法で液晶性の評価を行ったとこ
ろ、降温過程では129.6℃で液体からスメクチックA相
になり、113.0℃でキラルスメクチックC相になり、87.
5℃で結晶になった。一方、昇温過程では108.0℃で結晶
からキラルスメクチックC相になった。
また、実施例1に記載の方法で自発分極を測定したと
ころ、88℃で175.5nC/cm2という値を示した。
実施例3 4−(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)
フェニル,4−(4−オクチルオキシフェニル)安息香酸
エステル 4−(4−オクチルオキシフェニルカルボニルオキシ)
ベンズアルデヒドの合成 4−ヒドロキシベンズアルデヒド2.0g(16m mol)、
4−ジメチルアミノピリジン200mg(1.6m mol)、オク
チルオキシ安息香酸4.1g(16m mol)を乾燥塩化メチレ
ン60mlに溶かした。次に乾燥塩化メチレン10mlに溶かし
たN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド4.0g(19m m
ol)を加え、10時間還流下で攪拌した。反応終了後、析
出した固体を濾別し、濾液を1規定の塩酸水溶液及び水
で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸
マグネシウムを濾別後、濃縮し、残渣をエタノール20ml
から再結晶して、淡黄色針状晶4.6g(81%)を得た。
4−(4−オクチルオキシフェニルカルボニルオキシ)
安息香酸の合成 上述のようにして得た4−(4−オクチルオキシフェ
ニルカルボニルオキシ)ベンズアルデヒド2.0g(5.6m m
ol)を100mlのアセトンに溶かし、過マンガン酸カリウ
ム900mg(5.6m mol)を約5分で加えた。室温で1夜攪
拌した後、水20mlに溶かした亜硫酸水素ナトリウム1.0g
(9.6m mol)を加え、1規定塩酸水溶液40mlを用いてpH
1以下とした。アセトンを留去した後、析出した白色固
体を濾取し、エタノール60mlから再結晶し、白色固体1.
8g(85%)を得た。
4−(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)
フェニル,4−(4−オクチルオキシフェニル)安息香酸
エステルの合成 上述のようにして得た4−(4−オクチルオキシフェ
ニルオルボニルオキシ)安息香酸300mg(0.18m mol)及
び実施例1で示した4−(2−フルオロ−2−メチルヘ
プタノイルオキシ)フェノール210mg(0.81m mol)を実
施例1と同様の反応、後処理を行い、白色固体260mg(5
3%)を得た。この化合物は前述の理化学的性質を有し
ていた。
液晶性の評価 実施例1に記載の方法で液晶性の評価を行ったとこ
ろ、降温過程では、141.1℃で液体からスメクチックA
相になり、100.7℃でキラルスメクチックC相になり、8
7.0℃で結晶になった。一方、昇温過程では、103.0℃で
結晶からスメクチックA相になった。
また、実施例1に記載の方法で自発分極を測定したと
ころ、90.2℃で14.5nC/cm2という値を示した。
実施例4 4−(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)
−4−ヘキシルオキシターフェニルの合成 4′−ブロモ−4−(1−エトキシ)エトキシビフェニ
ルの合成 p−ブロモフェニルフェノール2.0g(8.0m mol)、エ
チルビニルエーテル(32m mol)をジクロロメタン20ml
に溶解した後、室温で一晩攪拌した。反応終了後、水で
洗浄した後に、トルエンを展開溶媒に用いたシリカゲル
カラムクロマトグラフィーによって精製し、白色固体1.
9g(74%)を得た。
4−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシターフェニルの合
成 窒素気流下、マグネシウム150mgを入れたフラスコ
に、滴下ロートより5mlの乾燥テトラヒドロフランに溶
解した4−ヘキシルオキシブロモベンゼン0.5mlを滴下
し、これにヨウ素片一粒を入れて反応を開始した。反応
開始を確認後、残りの溶液を滴下して50℃で3時間攪拌
した。その後、7mlの乾燥テトラヒドロフランに溶解し
た4′−ブロモ−4−(1−エトキシ)エトキシビフェ
ニル1.9g(5.9m mol)を滴下し、15時間還流下で攪拌し
た。反応終了後、反応物を6規定の塩酸水溶液中に入
れ、そのまま1時間攪拌した。攪拌後、析出した固体を
濾取した。
次いで、析出固体を、ジクロロメタン250mlに溶解
し、これにエチルビニルエーテル1.9g(26m mol)を滴
下し、室温で2時間攪拌した。反応終了後、水で洗浄
し、次いで展開溶液(クロロホルム:ヘキサン=1:1)
を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製
し、白色固体340mgを得た。
しかる後、この白色固体をテトラヒドロフラン40mlに
溶かし、これに6規定塩酸水溶液40mlを加えた後、室温
で一晩攪拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出し、
水で洗浄して白色固体270mg(15%)を得た。
4−(2−フルオロ−2−メチルヘプタノイルオキシ)
−4−ヘキシルオキシターフェニルの合成 4−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシターフェニル24
0mg(0.7m mol)、(−)−2−フルオロ−2−メチル
ヘキサン酸20mg(0.7m mol)、N,N′−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド150mg(0.7m mol)及び4−ジメチル
アミノピリジン10mg(0.07m mol)を乾燥ジクロロメタ
ン100mlに溶解し、還流下で7時間攪拌した。反応終了
後、析出した固体を濾別し、1規定塩酸水溶液、水で洗
浄後、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸
マグネシウムを濾別後、トルエンを展開溶媒に用いたシ
リカゲルクロマトグラフィーによって精製した後、エタ
ノール60mlから再結晶して白色固体80mg(24%)を得
た。この化合物は、前述の理化学的性質を有していた。
液晶性の評価 実施例1に記載の方法で液晶性の評価を行ったとこ
ろ、降温過程では189.2℃で液体からスメクチックA相
になり、173.6℃でキラルスメクチックC相になり、17
0.6℃で結晶になった。一方、昇温過程では172.0℃で結
晶からキラルスメクチックC相になった。
また、実施例1に記載の方法で自発分極を測定したと
ころ、171.6℃で82nC/cm2という値を示した。
実施例5 液晶組成物の作製 スメクチックC相を示すが、強誘電性ではない液晶組
成物としてフェニルピリミジン系液晶組成物を用いた。
この組成物の相転移挙動は以下に示すとおりである。
上記組成物に実施例1の次式、 で表わされる化合物を6wt%添加したところ、以下に示
す相転移挙動を示した。
尚、液晶性の評価は、実施例1と同様に行った。
また、この組成物の応答時間は960μsec(10Vpp/μm,
25℃)であた。
実施例6 液晶組成物の作製 実施例5と同様のフェニルピリミジン系組成物に実施
例2の次式、 で表される化合物を6wt%添加し、実施例1と同様に液
晶性の評価を行ったところ、以下に示す相転移挙動を示
した。
この組成物の応答時間は108μsec(10Vpp/μm,25℃)で
あった。
実施例7 実施例5と同様のフェニルピリミジン系組成物に実施
例4の次式、 で表わされる化合物を6wt%添加し、実施例1と同様に
液晶性の評価を行ったところ、以下に示す相転移挙動を
示した。
この組成物の応答時間は、30μsec(10Vpp/μm,25℃)
であった。
比較例 比較化合物として下記の化合物を合成し、液晶性の評
価を行った。
4′−(2−フロオロ−2−メチルブタノイルオキシ)
−4−オクチルオキシビフェニル (S)−(−)−3−ヒドロキシ−2−フルオロ−2−
メチルプロピオン酸モノエチルエステルの合成 乾燥塩化メチレン40mlに、N,N−ジメチルホルムアミ
ド3.4ml及びオキサリルクロリド8.0mlを加え、窒素気流
下0℃で1時間攪拌した。塩化メチレンを留去後、残渣
を乾燥アセトニトリル30ml及び乾燥テトラヒドロフラン
30mlに溶解し、次いでこれに(S)−(−)−2−フル
オロ−2−メチルマロン酸モノエチルエステル6.0g(0.
03mol)を乾燥テトラヒドロフラン10mlに溶かしたもの
を窒素雰囲気下−30℃で滴下し、−30℃で1時間攪拌
し、しかる後−78℃に冷却した。
次に、上記反応液に、30mlの乾燥テトラヒドロフラン
30mlに溶解した水素化ホウ素ナトリウム3.7g(0.1mol)
を−78℃で滴下し、−20℃にて4時間攪拌した。その
後、再度、−78℃まで冷却し、3規定の塩酸水溶液50ml
を加えて室温に戻し、エーテルで抽出し、1規定塩酸水
溶液、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウ
ムを濾別後、減圧蒸留して、無色透明液体2.3g(45%)
を得た。
(S)−(−)−3−(p−トルエンスルホニル)−2
−フルオロ−2−メチルプロピオン酸モノエチルエステ
ルの合成 上述のようにして得た(S)−(−)−3−ヒドロキ
シ−2−フルオロ−2−メチルプロピオン酸モノエチル
エステル2.3g(0.02mol)及びトシルクロリド2.9g(0.0
2mol)を20mlの乾燥ピリジン20mlに溶解し、室温で1晩
攪拌した。反応終了後、1規定の塩酸水溶液を加え、酢
酸エチルで抽出し、さらに1規定の塩酸水溶液、水で洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシ
ウムを濾別後、シリカゲルクロマトグラフィー(展開液
トルエン:酢酸エチル=5:1(V/V)によって精製し、淡
黄色の液体3.8g(82%)を得た。
(S)−(−)−2−フルオロ−2−メチルブタン酸モ
ノエチルエステルの合成 ヨウ化銅4.8g(0.025mol)を乾燥エーテル10ml中に加
え、窒素気流下−25〜−30℃に冷却し、メチルリチウム
36mlを滴下した。次に、−15〜−20℃で乾燥エーテル10
mlに溶解した(S)−(−)−3−(p−トルエンスル
ホニル)−2−フルオロ−2−メチルプロピオン酸モノ
エチルエステル3.8g(0.01mol)を滴下し、0〜5℃で1
0時間攪拌した。反応終了後、固体を濾別し、1規定塩
酸水溶液、水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去し、残渣を
そのまま次の反応に使用した。
(S)−(−)−2−フルオロ−2−メチルブタン酸の
合成 上述のようにして得た(S)−(−)−2−フルオロ
−2−メチルブタン酸モノエチルエステル950mg(6.4×
10-3mol)をアセトン10mlに溶解し、水酸化ナトリウム4
00mg(9.6×10-3mol)を加えて、室温で4時間攪拌し
た。反応終了後、氷冷下水15mlを加えた後、エーテルで
洗浄し、水相を6規定の塩酸水溶液を用いてpH1未満と
した。しかる後、エーテルで抽出し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、エーテル
を留去し、無色透明な液体440mg(57%)を得た。
4′−(2−フルオロ−2−メチルブタノイルオキシ)
−4−オクチルオキシビフェニルの合成 上述のようにして得た(S)−(−)−2−フルオロ
−2−メチルブタン酸200mg(1.7×10-3mol)、4′−
ヒドロキシ−4−オクチルオキシビフェニル500mg(1.7
×10-3mol)、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド
350mg(1.7×10-3mol)、4−ジメチルアミノピリジン2
0mgを用いて、実施例3と同様の操作を行い、目的化合
物である白色固体30mgを得た。この化合物の構造式及び
理化学性質は下記の通りである。
IR(KBr,cm-1): 2920,2850,1770,1610,1500,1460,1290,1230,1210,11201 H−NMR(CDCl3中、TMS基準,δ値ppm): 7.67(d,2H),7.53(d,2H),7.26(d.2H) 7.00(d,2H),4.00(t,2H),0.80〜2.50(m,23H) 液晶性の評価 実施例1に記載の方法で液晶性の評価を行ったとこ
ろ、降温過程では、77.5℃で等方性液体からスメクチッ
クA相に変わり、69.4℃で同定不能な高次のスメクチッ
ク相になった。昇温過程では、69.5℃で結晶からスメク
チックA相になった。
組成物としての液晶性の評価 スメクチックC相を示すが、強誘電性ではない液晶組
成物として、フェニルピリミジン系液晶組成物を用い
た。この組成物の相転移挙動は以下に示すとおりであ
る。
この液晶組成物に次式、 で表される上記比較化合物を6wt%添加したところ、以
下に示す相転移挙動を示した。
尚、液晶性の評価は実施例1と同様に行った。
この比較化合物は、先に示した実施例4及び5と比較
して、コレステリック相(Ch)の消失という点で配向状
態等に問題があり、好ましいものとはならない。
(発明の効果) 本発明の化合物は、安定なサーモトロピックの液晶状
態を取り得、自発分極が大きくて応答速度が速い強誘電
性液晶となる等、オプトエレクトロニクス関連素子の素
材として極めて優れた効果を奏するものである。
従って本発明は、例えば、液晶テレビ等のディスプレ
イ用、プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライト
バルブ等、液晶やエレクトロケミクロミズムを利用する
オプトエレクトロニクス関連素子の素材として有用な液
晶材料といえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07M 7:00 (72)発明者 平井 利弘 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 日 本鉱業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/63 C07C 69/92 C07C 69/94 C09K 19/20 C09K 19/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式 (式中、R1およびR2はアルキル基で、同じものでも異な
    っているものでもよく、A,Bは単結合、−COO−のいづれ
    かを示す)で表わされるエステル化合物。
  2. 【請求項2】前記一般式(I)で表わされる化合物が光
    学活性を有する請求項1記載のエステル化合物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のエステル化合物を
    含有することを特徴とする液晶組成物。
JP2096320A 1989-11-07 1990-04-13 エステル化合物及びこれを含む液晶組成物 Expired - Lifetime JP2786513B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2096320A JP2786513B2 (ja) 1990-01-19 1990-04-13 エステル化合物及びこれを含む液晶組成物
US07/604,827 US5211879A (en) 1989-11-07 1990-10-29 Ester compounds and liquid crystal compositions containing the same
EP90121111A EP0427166B1 (en) 1989-11-07 1990-11-05 Ester compounds and liquid crystal compositions containing the same
DE69010147T DE69010147T2 (de) 1989-11-07 1990-11-05 Esterverbindungen und sie enthaltende flüssigkristalline Zusammensetzungen.

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-8505 1990-01-19
JP850590 1990-01-19
JP2096320A JP2786513B2 (ja) 1990-01-19 1990-04-13 エステル化合物及びこれを含む液晶組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03251554A JPH03251554A (ja) 1991-11-11
JP2786513B2 true JP2786513B2 (ja) 1998-08-13

Family

ID=26343030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2096320A Expired - Lifetime JP2786513B2 (ja) 1989-11-07 1990-04-13 エステル化合物及びこれを含む液晶組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2786513B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0558989A (ja) * 1991-08-29 1993-03-09 Showa Denko Kk アルキルチオ安息香酸誘導体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03251554A (ja) 1991-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0669988B2 (ja) エステル化合物及びこれを含む液晶組成物
JPH09165356A (ja) 反強誘電性液晶化合物及び反強誘電性液晶組成物
JP2786513B2 (ja) エステル化合物及びこれを含む液晶組成物
US5211879A (en) Ester compounds and liquid crystal compositions containing the same
JP2908529B2 (ja) 含フッ素エステル化合物及びこれを含む液晶組成物
JP2857230B2 (ja) 新規なエステル化合物、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子
JP2925682B2 (ja) 新規なエステル化合物、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子
US5166391A (en) Optically-active aliphatic α-halogen substituted carboxylic acid 4'-(alkoxybenzyloxy)biphenyl thioester compounds
JPH01311051A (ja) 新規な乳酸誘導体、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子
US5210267A (en) Optically-active aliphatic β-halogen substituted carboxylic acid 4'-(4-alkoxybenzyloxy)biphenyl thioester compounds and process for the preparation thereof
JP2980962B2 (ja) エステル化合物及びこれを含む液晶組成物
JP2857231B2 (ja) エステル化合物及びこれを含む液晶組成物
JP2923001B2 (ja) 新規なエステル化合物、これを含む液晶組成物および光スイッチング素子
JP2989317B2 (ja) 新規なフェニルピリジン化合物を含む液晶組成物
JP2869236B2 (ja) 含フッ素光学活性化合物及び液晶組成物
JP2865891B2 (ja) 新規なエステル化合物、これを含む液晶組成物および光スイッチング素子
JPH0665667B2 (ja) 含フッ素エステル化合物及びこれを含む液晶組成物
JP2966140B2 (ja) 新規なシクロヘキサンカルボン酸エステル化合物及びこれを含む液晶組成物
JP2980951B2 (ja) トリフルオロメチル基を含むエステル化合物及びこれを含む液晶組成物
JP3095435B2 (ja) 液晶化合物
JP2698459B2 (ja) 新規なエーテル化合物及びこれを含む液晶組成物
JPH0219343A (ja) 新規なエステル化合物、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子
JPS6136744B2 (ja)
JPH09323978A (ja) 液晶のらせんピッチ調整材料および新規なツイン化合物並びにツイン化合物の製造方法
JPH0418054A (ja) 新規なエステル化合物、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子