JP2857230B2 - 新規なエステル化合物、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子 - Google Patents

新規なエステル化合物、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子

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JP2857230B2 JP17258090A JP17258090A JP2857230B2 JP 2857230 B2 JP2857230 B2 JP 2857230B2 JP 17258090 A JP17258090 A JP 17258090A JP 17258090 A JP17258090 A JP 17258090A JP 2857230 B2 JP2857230 B2 JP 2857230B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、安定なサーモトロピックな液晶状態をとり
得、例えば、液晶テレビ等のディスプレイ用、光プリン
ターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等、液
晶やエレクトロケミクロミズムを利用するオプトエレク
トロニクス関連素子の素材として有用な液晶材料として
利用できる新規なエステル化合物並びにこの化合物を含
む液晶組成物及び光スイッチング素子に関するもであ
る。
(従来の技術) 現在、液晶化合物が表示材料として種々の機器で応用
され、時計、電卓、小型テレビなどに実用化されてい
る。これらは、ネマチック液晶材料を主成分としたセル
を用い、TN型あるいはSTN型と呼ばれる表示方式のもの
が採用されている。この場合のセルは、液晶化合物の誘
電異方性Δεと電場Eとの弱い相互作用(ΔεE2/2)に
基づく作動であり、電場に対する応答速度が数msecと遅
いことが欠点としてあげられている。そのため、テレビ
に用いた場合、駆動方式として画素ごとにスイッチング
素子を配置、付加したアクティブマトリクス方式が主と
して用いられ、大画面化を図る上で障害の一つになって
いる。しかし、1975年R.B.Meyerらによって合成された
4−(4−n−デシルオキシベンジリデンアミノ)ケイ
皮酸−2−メチルブチルエステル(DOBAMBC)を代表例
とする強誘電性液晶の出現と、それを用いたN.A.Clark
らの提案した新しい表示方式(Applied Phys.Lett.198
0,36,899)により、μsecオーダーの高速応答性及び電
場を切っても液晶分子の配向が変わらない特性(メモリ
ー性)を有する液晶セルが可能となった。これらの材料
を用いた表示素子を使えば、スイッチング素子などを用
いないマルチプレックス駆動による単純マトリクス方式
による液晶テレビが可能となり、アクティブマトリクス
のものに比べ、生産性やコスト、信頼性さらに大画面化
などの面でははるかに有利なものとなる。
このため、現在まで多くの強誘電性液晶材料が合成さ
れ、提案されてきた。これらの強誘電性液晶材料が表示
材料として用いられるためには、いくつかの物性が要求
されるが、その中でも基本的なものとしては、室温近傍
の広い温度範囲でスメクチックC相を示し、大きな自発
分極を有し、化学的に安定しているという点である。し
かしながら、初期の強誘電性液晶は、自発分極が10nC/c
m2以下と小さく、また分子内にシッフ塩基を持つものが
多かったため、化学的に不安定であった。
ところで、最近、化学的に安定なエステル化合物によ
る大きな自発分極の発現が報告されている。例えば、次
式、 の化合物は、78.8℃〜103.3℃の温度領域でキラルスメ
クチックC相の、また103.3℃〜120.8℃の温度領域でコ
レステリック相の液晶となるが、この液晶の83℃におけ
る自発分極は、89nC/cm2である(特開昭61−43号公
報)。
一方、キラルスメクチックC相を示す温度を低くする
ために、2環の化合物が合成されている。例えば、次
式、 のビフェニル化合物は、57℃〜38℃の温度領域でスメク
チックA相の、また38℃〜28.5℃の温度領域でキラルス
メクチックC相の液晶となる(特開昭62−72652号公
報)。
さらに、室温近傍で安定にキラルスメクチック相を示
すフェニルピリミジン系化合物が報告されている。例え
ば、次式、 の化合物は、40.7℃〜82.8℃でキラルスメクチックC相
の、82.8℃〜89.1℃でスメクチックA相の液晶となる
(特開昭61−200973号公報)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記エステル化合物は、キラルスメク
チックC相の温度範囲が高いという欠点を有している。
また、上記ビフェニル化合物は、キラルスメクチックC
相を示す温度は室温に近いが、その温度範囲は約10℃で
十分広いとは言えない。また、上記フェニルピリミジン
系化合物は応答速度が43℃で1500μsecと遅く、自発分
極がかなり小さいと推定される。
すなわち、高速応答性を要求される表示装置などの液
晶材料には、大きな自発分極を有すること、低粘性を有
すること、あるいは室温近傍を含む広い温度範囲でキラ
ルスメクチックC相を示すことなどの物性が要求される
が、現在までのところこれらの物性を十分満足する材料
は未だないのが実状である。
これに対し、本発明者らは、既に、α位に不斉炭素を
有し、ベンゼン環に直結したケトン基を分子内に有する
化合物が光などに対して安定であり、エナンチオトロピ
ックで液晶状態を取る温度範囲が広く、特に不斉炭素に
光学活性が付与されると、その液晶はキラルスメクチッ
クC相を呈し、自発分極が大きく応答速度の速い強誘電
性液晶となることを見出している(国際公開番号88/075
18)。
本発明者らは前記のα位に不斉炭素を有し、ベンゼン
環に直結したケトン基を分子内に有する化合物のコア構
造について鋭意検討した結果、分子内にナフタレン骨格
を有する化合物が、化学的安定性、光安定性に優れ、自
発分極が大きく、キラルスメクチックC相を示す温度範
囲の広いものとなることを見出した。
本発明は、この様な知見に基づいてなされたもので、
本発明の目的は、液晶組成物として有用な新規なエステ
ル化合物、これを含む液晶組成物を提供することにあ
る。
また、本発明はその様な新規なエステル化合物あるい
はそれを含む液晶組成物を用いて高速応答性を有する液
晶表示素子を提供しようというものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、下記の一般式(I)、 (式中、Rはアルキル基、A及びBはそれぞれ1,4−フ
ェニレン基、4,4′−ビフェニレン基または2,6−ナフチ
レン基であり、ただし、A及びBの少なくとも一方は2,
6−ナフチレン基、Xは−O−または単結合、Yは−COO
−または−OCO−、k及びlは1以上の整数で、k<l
である)で表される新規なエステル化合物、このエステ
ル化合物を含有する液晶組成物、及びこのエステル化合
物の少なくとも1種を構成要素とする光スイッチング素
子からなるものである。
上記式(I)中、Rで示されるアルキル基の炭素数及
びlの整数には特に上限はないが、原材料の入手しやす
さなどの実用的な製造上の見地から、Rとしては炭素数
18までのものが、またlの数としては16までのものが好
ましい。
尚、特には上記式中、−CkH2k+1が結合している炭素
を中心に光学活性が付与されると、単独あるいは他の化
合物との混合により強誘電性液晶となり、好ましいもの
となる。
上記式の代表的化合物の例と、その理化学的性質を示
すと次のとおりである。
4−オクチルオキシ安息香酸−6−(2−メチルオクタ
ノイル)ナフチル−(2) 1H−NMR(90MHz、CDCl3中、TMS基準、δ値): δ 0.88 6H m δ 1.23 3H d J=7Hz δ 1.2 〜2.0 22H m δ 3.59 1H m δ 4.07 2H t J=7Hz δ 7.01 2H d J=9Hz δ 7.3 〜8.1 5H m δ 8.20 2H d J=9Hz δ 8.49 1H br.s IR(KBr、cm-1): 2910,2840,1725,1680,1605,1265,1165,1140,1060 4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸−6−(2−
メチルオクタノイル)ナフチル−(2) 1H−NMR(90MHz、CDCl3中、TMS基準、δ値): δ 0.88 6H m δ 1.23 3H d J=7Hz δ 1.2 〜2.0 24H m δ 2.68 2H t J=7Hz δ 3.60 1H m δ 7.33 2H d J=9Hz δ 7.3 〜8.1 9H m δ 8.32 2H d J=9Hz δ 8.51 1H br.s IR(KBr、cm-1): 2910,2840,1725,1675,1600,1460,1270,1140,1065 尚、上記一般式(I)で示した化合物中のRのアルキ
ル基の炭素及びlの値はその化合物が液晶状態を取り得
る温度域等の物性に影響を持つものであり、目的によっ
て適宜選定され得るものである。この化合物は単独で用
いることができることは勿論、他の液晶材料と混合して
用いることができることは言うまでもない。
上記一般式(I)の化合物は次のように得られる。
(式中、R、A、B、X、k及びlは前記のものと同じ
ものである) すなわち、上記反応式においてカルボン酸(1)とフ
ェノール(2)、またはフェノール(3)とカルボン酸
(4)をエステル化することにより一般式(I)の化合
物を得ることができる。この反応は、例えば、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミドのような脱水縮合剤を用いて行
なうことができる。また式(1)または(4)のカルボ
ン酸を、例えば、ハロゲン化チオニルを用いて酸ハライ
ドに導き、その後、塩基の存在下でフェノール(2)ま
たは(3)と反応させることもできる。
ここで用いたカルボン酸(1)は、次のようにして得
ることができる。
(式中、R及びAは前記のものと同じものである)すな
わち、4−ヒドロキシ安息香酸、4′−ヒドロキシビフ
ェニル−4−カルボン酸または6−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸をアルキル化することにより得られる。また、
Aが1,4−フェニレン基のものは市販されているのでこ
れを用いることもできる。
(式中、R及びAは前記のものと同じものである) すなわち、ベンゼン、ビフェニルまたはナフタレン
を、フリーデル・クラフツ反応でアシル化した後、還元
することによりアルキル化し、これをアセチル化した
後、ハロホルム反応を用いて酸化することにより得られ
る。またAが1,4−フェニレン基のものは市販されてお
り、これを用いることができる。また、Aが4,4′−ビ
フェニレン基のものは、市販の4′−アルキル−4−シ
アノビフェニルをアルカリ条件下で加水分解することに
より容易に得ることができる。
また、ここで用いた上記フェノール(2)は次のよう
にして得ることができる。
(式中、B、k、lは前記のものと同じ、Proは水酸基
に対する保護基、Zはハロゲン原子、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基または2置換アミノ基である) すなわち、例えば、4−ブロモフェノール、4−(4
−ブロモフェニル)フェノールまたは6−ブロモ−2−
ナフトールのフェノール性水酸基を、例えば、エトキシ
エチル基のような保護基で保護した後、金属マグネシウ
ムと反応させて、グニャール試薬とし、これを2−アル
キルアルカン酸誘導体(5)と反応させ、その後、脱保
護を行うことにより得られる。
また、上記2−アルキルアルカン酸誘導体(5)とし
ては、2−アルキルアルカン酸ハライド、2−アルキル
アルカン酸エステル、2−アルキルアルカン酸チオエス
テル、2−アルキルアルカン酸アミドを用いることがで
きるが、これら2−アルキルアルカン酸誘導体(5)は
次のようにして得ることができる。
(式中、Halはハロゲン原子、Z′はアルコキシ基、ア
ルキルチオ基または2置換アミノ基である) すなわち、まず、2−アルキル−1−アルカノールを
酸化剤で酸化して、2−アルキルアルカン酸とする。酸
化剤としては光学活性化合物の合成においてはラセミ化
が起こずに酸化できるものを選定するが、例えば、希硫
酸酸性条件下、過マンガン酸カリウムで酸化するのが最
も簡便で望ましい。次いで、Zがハロゲン原子の場合、
得られた2−アルキルアルカン酸を、無機ハロゲン化
物、例えば塩化チオニル、五塩化リン、三塩化ホスホリ
ル等と反応させて酸ハロゲン化物とし、これを用いるこ
とができる。また、Zがアルコキシ基、アルキルチオ基
または2置換アミノ基の場合、上述のようにして得られ
た酸ハロゲン化物を、塩基の存在下、アルコール、チオ
ールまたは2級アミンと反応させることにより、対応す
るエステル、チオエステル、アミドとし、これを用いる
ことができる。
また、ここで用いたフェノール(3)は、次のように
して得ることができる。
(式中、R及びAは前記のものと同じものである) すなわち、ヒドロキノン、4,4′−ビフェノールまた
は2,6−ジヒドロキシナフタレンをアルキル化すること
により得られる。また、Aが1,4−フェニレン基のもの
は市販されているのでこれを用いることもできる。
(式中、R及びAは前記のものと同じである) すなわち、ベンゼン、ビフェニルまたはナフタレン
を、フリーデル・クラフツ反応でアシル化した後、還元
することによりアルキル体とし、これをアセチル化後、
バイヤー・ヴィリガー反応を用いて酸化し、しかる後、
加水分解することにより得られる。また、Aが1,4−フ
ェニレン基のものは市販されており、これを用いること
もできる。
また、ここで用いたカルボン酸(4)は、次のように
して得ることができる。
(式中、B、k及びlは前記のものと同じ、Proは水酸
基に対する保護基、Zはハロゲン原子、アルコキシ基、
アルキルチオ基または2置換アミノ基である) すなわち、例えば、4−ブロモベンジルアルコール、
4−(4−ブロモフェニル)ベンジルアルコールまたは
6−ブロモ−2−ナフチルメタノールの水酸基を、例え
ば、エトキシエチル基のような保護基で保護した後、金
属マグネシウムと反応させてグリニャール試薬とし、こ
れを2−アルキルアルカン酸誘導体(5)と反応させ、
その後脱保護基及び酸化を行うことにより得られる。
ここで用いた2−アルキルアルカン酸誘導体(5)
は、フェノール(2)の合成の際に示した方法で得られ
る。
同じくここで用いた4−(4−ブロモフェニル)ベン
ジルアルコールは、市販の4−ブロモフェニルの4′位
にアセチル基を導入し、次いでハロホルム反応によりカ
ルボキシル基とし、これを還元することにより得られ
る。また、6−ブロモ−2−ナフチルメタノールは、市
販の2−ブロモナフタレンの6位にアセチル基を導入
し、次いでハロホルム反応によりカルボキシル基とし、
これを還元ることにより得られる。
(実施例) 次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 4−オクチルオキシ安息香酸−6−(2−メチルオクタ
ノイル)ナフチル−(2) (+)−6−(2−メチルオクタノイル)−2−ナフト
ールの合成 (−)−2−メチルオクタノール21.2g(147mmol)
に、蒸留水330mlと濃硫酸46.4gの水溶液を加えた後、撹
拌してエマルジョンとした。これに過マンガン酸カリウ
ム63.4g(401mmol)を7時間かけて加えた。
次に、この反応液に亜硫酸水素ナトリウム51.5gを加
え、しかる後に氷水及びエーテルを用いて氷水中に全て
を移した。2層分離後、水槽からエーテルで反応生成物
を抽出した。有機層を合せ、10%水酸化ナトリウム水溶
液で抽出し、この水層に濃硫酸を加えてpHを1以下とし
た後、クロロホルムで抽出し、蒸留水で洗浄した。無水
硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、減圧蒸留す
ることにより、無色透明の液体である(+)−2−メチ
ルオクタン酸16.5g(収率71%)を得た。
次に上記で得られた(+)−2−メチルオクタン酸2
0.04g(126.8mmol)、塩化チオニル11ml(150.8mmol)
をフラスコに取り、50℃で2時間半、70℃で1時間半撹
拌した。室温まで冷却後、減圧により過剰の塩化チオニ
ルを留去して、(+)−2−メチルオクタン酸クロリド
22.38g(99%)を得た。2−ピリジンチオール16.90g
(152.3mmol)、乾燥ピリジン80mlをフラスコに取り、
0℃に冷却した。ここへ、上記で得た(+)−2−メチ
ルオクタン酸クロリド22.38g(126.8mmol)の乾燥トル
エン溶液を30分間かけて滴下した。室温で18時間撹拌し
た後、生成した塩を濾別し、有機層を飽和塩化ナトリウ
ム水溶液で洗浄した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去して
得られた油状物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製して、2−メチルオクタン酸−2−ピリジンチ
オエステル25.60g(収率78%)を得た。
6−ブロモ−2−ナフトール4.46g(20.0mmol)、乾
燥ジクロロメタン60ml、エチルビニルエーテル5ml(51.
6mmol)、ピリジニウム−4−トルエンスルホン酸塩0.0
3g(0.12mmol)を取り、室温で2時間撹拌した。反応終
了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。無水
硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して得た粗生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、
6−ブロモ−2−(1−エトキシ)エトキシナフタレン
5.90gを得た。
530mg(21.9mmol)の金属マグネシウムをフラスコに
取り、50℃に加熱しながら、乾燥テトラヒドロフラン30
mlに溶解した6−ブロモ−2−(1−エトキシ)エトキ
シナフタレン5.90g(20.0mmol)を、30分間かけて滴下
した。滴下終了後、30分間加熱還流した。これを、乾燥
テトラヒドロフラン20mlに溶解した。上記の(+)−2
−メチルオクタン酸−2−ピリジンチオエステル4.00g
(16.0mmol)に、0℃で20分間かけて滴下した。この混
合溶液を、そのまま0℃で2時間撹拌した。しかる後、
これに蒸留水を加え、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄
した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して
得られた油状物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製して、6−(2−メチルオクタノイル)−2−
(1−エトキシ)エトキシナフタレン1.01g(収率17
%)を得た。
上記で得た6−(2−メチルオクタノイル)−2−
(1−エトキシ)エトキシナフタレン1.01g(2.84mmo
l)、テトラヒドロフラン30ml及び1規定塩酸10mlをフ
ラスコに取り、室温で2時間撹拌した。これに、炭酸水
素ナトリウム水溶液を加えた後、エーテルで抽出し、飽
和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、溶媒を留去して次の理化学的性質を有す
る6−(2−メチルオクタノイル)−2−ナフトール0.
61g(収率76%)を得た。1 H−NMR(90MHz、CDCl3中、TMS基準、δ値): δ 0.87 3H m δ 1.24 3H d J=7Hz δ 1.2 〜2.0 10H m δ 3.58 1H m δ 7.0 〜8.1 5H m δ 8.41 1H br.s IR(KBr、cm-1): 3300,2910,2840,1665,1600,1160 旋光度(CHCl3中、25℃): 〔α〕=+7.0゜(c=1.00/100ml) 4−オクチルオキシ安息香酸−6−(2−メチルオクタ
ノイル)ナフチル−(2)の合成 4−オクチルオキシ安息香酸300.6mg(1.20mmol)、
6−(2−メチルオクタノイル)−2−ナフトール310.
2mg(1.09mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド25
2.3g(1.22mmol)、4−ジメチルアミノピリジン14.3mg
(1.12mmol)及び乾燥ジクロロメタン12mlを取り、室温
で1晩撹拌した。生じた結果をろ過で除き、溶媒を留去
して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー及び再結晶により精製して、前記の理化学的性質を
有する4−オクチルオキシ安息香酸−6−(2−メチル
オクタノイル)−2−ナフチル303.2mg(収率54%)を
得た。
液晶性の評価 上記化合物を、ポリイミドを塗布しラビング処理を施
した透明電極付きガラスからなる厚さ3μmのセルに注
入し、そのセルをホットステージにて温度制御し、クロ
スニコルの偏光顕微鏡にてセル内の化合物の状態を観察
した。ホットステージ内の温度を1分間に2℃の割合で
変化させ、その化合物の状態の変化を観察したところ、
降温過程において、74.6℃で等方性液体からスメクチッ
クA相に、また12.6℃でキラルスメクチックC相に変わ
り、−3℃で結晶化した。また、昇温過程においては、
42.5℃で結晶からスメクチックA相に変化した。
また、7.6℃で30Vppの三角波を印加して自発分極を測
定したところ、32nC/cm2と非常に大きかった。
実施例2 4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸−6−(2−
メチルオクタノイル)ナフチル−(2) 4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸−6−(2−
メチルオクタノイル)ナフチル−(2)の合成 4′−ノニルビフェニル−4−カルボン酸379.2mg
(1.17mmol)、実施例1で得られた6−(2−メチルオ
クタノイル)−2−ナフトール303.3mg(1.07mmol)、
ジシクロヘキシルカルボジイミド248.1mg(1.20mmo
l)、4−ジメチルアミノピリジン13.2g(0.11mmol)及
び乾燥ジクロロメタン12mlを取り、室温で1晩撹拌し
た。生じた結晶をろ過で除き、溶媒を留去して得られた
油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結
晶により精製して、前記の理化学的性質を有する4′−
ノニルビフェニル−4−カルボン酸−6−(2−メチル
オクタノイル)ナフチル−(2)352.4mg(収率56%)
を得た。
液晶性の評価 上記化合物を実施例1と同様の方法で観察したとこ
ろ、降温過程において、165℃で等方性液体からスメク
チックA相に、また、124℃でキラルスメクチックC相
に変わり、66.5℃で結晶化した。また、昇温過程では81
℃で液晶からキラルスメクチックC相になった。
また、104℃で30Vppの三角波を印加して自発分極を測
定したところ、92nC/cm2と非常に大きかった。
(発明の効果) 本発明の化合物は、安定なサーモトロピックの液晶状
態を取り得、自発分極が大きくて応答速度が速い強誘電
性液晶となる等、オプトエレクトロニクス関連素子の素
材として極めて優れた効果を奏するものである。
従って本発明は、例えば、液晶テレビなどのディスプ
レイ用、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ラ
イトバルブなど、液晶やエレクトロケミクロミズムを利
用するオプトエレクトロニクス関連素子の素材として有
用な液晶材料といえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) CA(STM) REGISTRY(STM)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I)、 (式中、Rはアルキル基、A及びBはそれぞれ1,4−フ
    ェニレン基、4,4′−ビフェニレン基または2,6−ナフチ
    レン基であり、ただし、A及びBの少なくとも一方は2,
    6−ナフチレン基、Xは−O−または単結合、Yは−COO
    −または−OCO−、k及びlは1以上の整数で、k<l
    である)で表される新規なエステル化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の一般式(I)で表される
    エステル化合物を含有することを特徴とする液晶組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の一般式(I)で表される
    エステル化合物の少なくとも一種を構成要素とすること
    を特徴とする光スイッチング素子。
JP17258090A 1990-07-02 1990-07-02 新規なエステル化合物、これを含む液晶組成物及び光スイッチング素子 Expired - Lifetime JP2857230B2 (ja)

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