JP2698459B2 - 新規なエーテル化合物及びこれを含む液晶組成物 - Google Patents

新規なエーテル化合物及びこれを含む液晶組成物

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、安定なサーモトロピックな液晶状態をとり
得、例えば、液晶テレビ等のディスプレイ用、光プリン
ターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等のオ
プトエレクトロニク関連素子の素材として有用な液晶材
料に利用される新規なエーテル化合物及びこの化合物を
含む液晶組成物に関する。
(従来の技術) 現在、時計、電卓、小型テレビ等、種々の表示素子と
して液晶材料が用いられているが、これらは、主にネマ
チック液晶材料である。このネマチック液晶は、誘電異
方性Δεと電場Eとの弱い相互作用(ΔεE2/2)に基づ
く作動を利用するため、電場に対する応答時間が数10m
secと遅い。このため、高速応答が要求される分野での
利用には制限があり、また、表示容量の点でも限界に達
しつつあり、大画面化を図る上での障害の一つになって
いる。
ところで、1975年、R.B.Meyerらによって合成された
4−(4−n−デシルオキシベンジリデンアミノ)ケイ
皮酸−2−メチルブチルエステル(DOBAMBC)を代表例
とする強誘電性液晶の出現と、それを用いたN.A.Clark
らの提案による薄いセルにおける双安定状態を利用する
表面安定化強誘電性液晶(SSFLC)セルにより、μsecオ
ーダーの高速応答性及びメモリー性を有する液晶セルが
可能となった。
このため、現在まで多くの強誘電性液晶化合物が合
成、提案されている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、これまで合成、提案された強誘電性液晶化
合物が液晶材料として用いられるためには、少なくとも
室温近傍の広い温度範囲でキラルスメクチックC相を示
し、大きな自発分極を有し、化学的に安定なものである
ことが必要である。しかし、単一の化合物で、これらの
要求を満足するものを得ることは困難であり、従来のネ
マチック液晶材料の場合と同様に、これまでは数種類の
化合物を混合することにより対処しようという動きにあ
った。ちなみに、この種の液晶材料として、フェニルピ
リミジン化合物の一種が提案されている(例えば、特開
昭63−235393号公報)。
しかし、かかる強誘電性液晶化合物は、未だその種類
も少なく、充分に満足できる強誘電性液晶組成物を与え
ることができないのが現状である。
そこで、本発明の目的は、化学的に安定で、室温近傍
の広い温度範囲でキラルスメクチックC相を示し、大き
な自発分極を有する液晶組成物の材料として有用な新規
なエーテル化合物を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は次の一般式、 (式中、R1およびR2は炭素数1〜18のアルキル基で、同
じものでも異なっているものでもよく、Cは不斉炭素
を示す)で表される新規なエーテル化合物およびこの化
合物を含有する液晶組成物からなるものである。
本発明の上記式の化合物におけるR1およびR2は、実用
的な製造上の見地から炭素数1〜18のアルキル基から選
定される。
この化合物の代表的な例とその理化学的性質を示すと
次の通りである。
5−(4−(2−フルオロオクチルオキシ)フェニル)
−2−(4−ブチルオキシフェニル)ピリミジン IR(KBr,cm-1):2920,2860,1605,1580,1515,1440,1250,
820,7901 H−NMR(CDCl3中、TMS基準、δ値ppm):8.95(s,2H),
8.45(d,2H),7.55(d,2H),7.06(d,2H),7.00(d,2
H),4.81(dm,J=48Hz,1H),4.14(dd,J=22Hz,5,2H),
4.08(t,2H),2.0〜1.1(14H),1.0(t,6H) Mass(M+):450 5−(4−(2−フルオロオクチルオキシ)フェニル)
−2−(4−ペンチルオキシフェニル)ピリミジン IR(KBr,cm-1):2920,2860,1605,1580,1515,1440,1250,
820,7901 H−NMR(CDCl3中、TMS基準、δ値ppm):8.95(s,2H),
8.45(d,2H),7.55(d,2H),7.06(d,2H),7.00(d,2
H),4.86(dm,J=48Hz,1H),4.14(dd,J=24Hz,5,2H),
4.08(t,2H),2.0〜1.1(16H),0.95(t,6H) Mass(M+):464 5−(4−(2−フルオロオクチルオキシ)フェニル)
−2−(4−ヘキシルオキシフェニル)ピリミジン IR(KBr,cm-1):2920,2850,1605,1580,1515,1440,1250,
820,7901 H−NMR(CDCl3中、TMS基準、δ値ppm):8.95(s,2H),
8.45(d,2H),7.55(d,2H),7.06(d,2H),7.00(d,2
H),4.86(dm,J=48Hz,1H),4.14(dd,J=24Hz,5,2H),
4.08(t,2H),2.0〜1.1(18H),0.9(t,6H) Mass(M+):478 上記一般式で示される本発明のエーテル化合物は次の
方法で合成することができる。
先ず、ピリジンの存在下、光学活性な2−フルオロ−
1−アルカノールとトリフルオロメチルスルホン酸無水
物を反応させて、2−フルオロオクチルトリフレートを
得る。次に、これを2−(4−アルキルオキシフェニ
ル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)ピリミジンと水
酸化ナトリウムから発生させたフェノキシドアニオンと
反応させ、これにより上記一般式で示されるエーテル化
合物、すなわち5−(4−(2−フルオロアルキルオキ
シ)フェニル)−2−(4−アルキルオキシフェニル)
ピリミジンを得ることができる。
なお、光学活性な2−フルオロ−2−アルカノール
は、市販の光学活性な1,2−エポキシアルカンにアミン
フッ化水素錯体を作用させることにより合成することが
できる(日本化学会第58春季年会1989.4 4III I28)。
また、2−(4−アルキルオキシフェニル)−5−(4
−ヒドロキシフェニル)ピリミジンは、4−アルキルオ
キシシアノベンゼンを出発原料として、ジャーナルフュ
ア ペラクティーセ ヘミー(Journal fuer Praktisch
e Chemie)323巻、2号、199〜206頁(1981)に記載の
方法に準じて合成することができる。
本発明のエーンテル化合物は、単独でも強誘電性液晶
材料として利用することができるが、他の液晶材料とし
て用いることもできる。例えば、ピリミジン系の液晶材
料と混合すると、このベース液晶のスメクチックA相か
らスメクチックC相への転移温度を上昇させ、応答速度
を高め、また傾き角を大きくする等、極めて良好な作用
をなす。
(実施例) 次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 5−(4−(2−フルオロオクチルオキシ)フェニル)
−2−(4−ブチルオキシフェニル)ピリミジン (1)2−フルオロオクチルトリフレートの合成 窒素雰囲気下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物
4.65g(16.5mmol)を、蒸留したジクロロメタン4mlに溶
解させ、5℃以下に冷却した。これに、(S)−(−)
−2−フルオロ−1−オクタノール2.22g(15mmol)と
ピリジン1.19g(15mmol)、ジクロロメタン4mlとの混合
物を5℃以下で50分かけて滴下し、そのまま1時間撹拌
し続けた。得られた反応物を、芒硝を詰めた濾過管に通
し、塩を除去した後、ジクロロメタン7mlを加えて2−
フルオロオクチルトリフレートの1mmol/ml溶液を調製し
た。
(2)最終目的化合物の合成 ジクロロメタン25ml中に2−(4−ブチルオキシフェ
ニル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)ピリミジン0.
96g(3mmol)と水酸化ナトリウム0.3gを混合し、10分間
撹拌した後、これに、先に調製した2−フルオロオクチ
ルトリフレートの1mmol/ml−CH2Cl2溶液3ml(3mmol)を
添加した。次いで、室温で45時間撹拌した後、希塩酸中
に反応液を注ぎ、酸性でクロロホルム抽出した。
溶媒を留去後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製
し、再結晶して、前述した理化学的性質を有する5−
(4−(2−フルオロオクチルオキシ)フェニル)−2
−(4−ブチルオキシフェニル)ピリミジン0.58g(収
率43%)を得た。
(3)液晶性の評価 上記化合物を、ポリイミドを塗布しラビング処理を施
した透明電極付ガラスからなる厚さ3μmのセルに注入
し、ホットステージで温度制御を行いながら、偏光顕微
鏡観察を行った。温度変化は1分間に2℃の割合で行っ
た。
この結果、降温過程では、212.3℃で等方性液体から
スメクチックA相に、また180.9℃でキラルスメクチッ
クC相となり、100℃で結晶になった。一方、昇温過程
では109℃で、結晶からキラルスメクチックC相になっ
た。
また、自発分極を三角波法で測定したところ、175.9
℃、30Vpp,100Hzの条件で25.5nC/cm2を、また120.7℃、
40Vpp,100Hzの条件で134.4nC/cm2を示した。
実施例2 5−(4−(2−フルオロオクチルオキシ)フェニル)
−2−(4−ペンチルオキシフェニル)ピリミジン (1)最終目的化合物の合成 実施例1で使用した2−(4−ブチルオキシフェニ
ル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)ピリミジン0.96
gの代わりに2−(4−ペンチルオキシフェニル)−5
−(4−ヒドロキシフェニル)ピリミジン1.00gを用い
た以外は全て、実施例1に記載の方法と同様の方法で、
前述した理化学的性質を有する5−(4−(2−フルオ
ロオクチルオキシ)フェニル)−2−(4−ペンチルオ
キシフェニル)ピリミジン0.62g(収率44%)を得た。
(2)液晶性の評価 実施例1に記載した方法と同様にして評価したとこ
ろ、降温過程では、204.3℃で等方性液体からスメクチ
ックA相に、また184.5℃でキラルスメクチックC相と
なり、101℃で結晶になった。一方、昇温過程では109℃
で結晶からキラルスメチクチックC相になった。
また、自発分極を三角波法で測定したところ、179.5
℃,30Vpp,100Hzの条件で29.3nC/cm2を、また105℃,60Vp
p,100Hzの条件で191.2nC/cm2を示した。
実施例3 5−(4−(2−フルオロオクチルオキシ)フェニル)
−2−(4−ヘキシルオキシ)フェニル)ピリミジン (1)最終目的化合物の合成 実施例1で使用した2−(4−ブチルオキシフェニ
ル)−5−(4−ヒドロキシフェニル)ピリミジン0.96
gの代わりに2−(4−ヘキシルオキシフェニル)−5
−(4−ヒドロキシフェニル)ピリミジン1.04gを用い
た以外は全て、実施例1に記載の方法と同様の方法で、
前述した理化学的性質を有する5−(4−(2−フルオ
ロオクチルオキシ)フェニル)−2−(4−ヘキシルオ
キシフェニル)ピリミジン0.43g(収率30%)を得た。
(2)液晶性の評価 実施例1に記載した方法と同様にして評価したとこ
ろ、降温過程では、202.5℃で等方性液体からスメクチ
ックA相に、また188.5℃でキラルスメクチックC相と
なり、106℃で結晶になった。一方、昇温過程では114℃
で結晶からキラルスメチクチックC相になった。
また、自発分極を三角波法で測定したところ、183.5
℃,30Vpp,100Hzの条件で29.0nC/cm2を、また118.4℃,60
Vpp,100Hzの条件で175.9nC/cm2を示した。
一方、−3.0〜54.8℃でスメクチックC相をとるノン
キラルのフェニルピリミジン系ベース液晶に、上記で合
成した5−(4−(2−フルオロオクチルオキシ)フェ
ニル)−2−(4−ヘキシルオキシフェニル)ピリミジ
ン12%を添加し、実施例1に記載した方法と同様にして
評価したところ、−3.0〜68.0℃でキラルスメクチック
C相をとり、25℃で自発分極が8.6nC/cm2、傾き角が22
゜、応答時間が57μsecを示した。
以上の実施例の結果から、本発明の化合物は広い温度
範囲でキラルスメクチックC相を示し、また大きな自発
分極を示し、更にはベース液晶材料と混合した場合には
ベース液晶のスメクチックA相からスメクチックC相へ
の転移温度を上昇させ、応答速度を高め、また傾き角を
より大きくする作用を有することが分る。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の新規なエーテル化
合物は、化学的に安定で、それ自体で強誘電性液晶とな
り、また他の液晶化合物と混合することにより、良好な
性質を付与する等の格別の効果を奏し、オプトエレクト
ロニクス関連素子に有用な液晶材料として利用できる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式、 (式中、R1およびR2は炭素数1〜18のアルキル基で、同
    じものでも異なっているものでもよく、Cは不斉炭素
    を示す)で表される新規なエーテル化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化合物を含有する液晶組
    成物。
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