JP2556371B2 - 光学活性化合物及びその用途 - Google Patents

光学活性化合物及びその用途

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JP2556371B2 JP64000075A JP7589A JP2556371B2 JP 2556371 B2 JP2556371 B2 JP 2556371B2 JP 64000075 A JP64000075 A JP 64000075A JP 7589 A JP7589 A JP 7589A JP 2556371 B2 JP2556371 B2 JP 2556371B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な光学活性化合物、当該化合物を含有す
る液晶組成物及び当該化合物あるいは当該化合物の少な
くとも1種を成分として含有する液晶組成物を使用して
構成される光スイツチング素子に関する。
〔従来の技術〕
液晶表示素子の表示方式として現在広く実用に供され
ているものは、ねじれネマチツク型(TN)及び動的散乱
型(DS)である。これらはネマチツク液晶を主成分とし
たネマチツク液晶セルによる表示であるが、従来のネマ
チツク液晶セルの短所の一つに応答速度が遅く、最高数
ミリ秒のオーダーの応答速度しか得られないという事実
があげられる。そしてこのことがネマチツク液晶セルの
応用範囲を制約する一因となつている。これに対して最
近スメクチツク液晶セルを用いればより高速な応答が得
られることが明らかになつてきた。
光学活性なスメクチツク液晶の中には強誘電性を示す
ものがあることが知られており、その応用に関して大き
な関心が持たれている。強誘電性液晶は、1975年、R.B.
メイヤー(R.B.Meyer)ら〔ジユルナール・ド・フイジ
ーク(J.Phys.)、第36巻、第L69頁(1975)〕により最
初に合成されたが、それは、4−(4−n−デシルオキ
シベンジリデンアミノ)−2′−メチルブチルシンナメ
ート(DOBAMBC)を代表例とするシツフ塩基系の化合物
であり、これが光学活性の状態、例えばカイラルスメク
チツクC相において強誘電性を示すことを特徴とするも
のである。その後、N.A.クラーク(N.A.Clark)ら〔ア
プライド・フイジクス・レターズ(Appl.Phys.Lett.)
第36巻、第899頁(1980)〕により、DOBAMBCの薄膜セル
において、マイクロ秒オーダーの高速応答性が発見さ
れ、これが契機となつて強誘電性液晶はその高速応答性
やメモリ性を利用して、液晶テレビ等のデイスプレイ用
のみならず、光プリンターヘツド、光フーリエ変換素
子、あるいはライトバルブ等のオプトエレクトロニクス
関係素子の部品にも使用可能な材料として注目を集めて
いる。強誘電性液晶セルにおいては、誘電率が高く、自
発分極が大きい材料を用いるほどセルを高速駆動できて
有利であるため、自発分極の大きい材料の開発が望まれ
ている。
また実用上は、液晶化合物あるいは組成物自身が安定
であり、更には、室温を中心とする広い温度範囲で強誘
電性を示すことが必要である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、DOBAMBCなどのシツフ塩基型の化合物は水や
光等に対する安定性の点で難点があり、また強誘電性を
示す温度範囲も室温より40℃以上高温側にあるなど、実
用に適するものではなかつた。そこで、強誘電性液晶材
料として、物理的化学的に安定で、しかも大きい自発分
極を持つ材料系の実現が強く期待されている。
本発明の目的は化学的安定性、光安定性に優れ、自発
分極が大きく、かつカイラルスメクチツクC相の温度範
囲の広い新規光学活性化合物を得ることにある。また本
発明はこのような光学活性化合物あるいは液晶組成物を
用いて高速応答性を有する表示素子等を提供しようとす
るものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は光学活性
化合物に関する発明であつて、下記一般式I: 〔ただし、環a、bのうち少なくとも一つは合計4個の
フツ素、又はフツ素及び塩素を含むポリハロゲン環であ
り、それ以外はハロゲン置換されていてもよいベンゼン
環であり、Lは−COO−基又は−OCO−基、Qは−O−基
又は直接結合、Rは炭素数4以上のアルキル基であり、
基RあるいはC3F7OCF(CF3)基のうち少なくとも一方は
光学活性基である〕で表されることを特徴とする。
また、本発明の第2の発明は液晶組成物に関する発明
であつて、第1の発明の光学活性化合物の少なくとも1
種を成分として含有することを特徴とする。
そして、本発明の第3の発明は光スイツチング素子に
関する発明であつて、第1の発明の光学活性化合物、あ
るいはこの化合物の少なくとも1種を成分として含有す
る液晶組成物を使用して構成されることを特徴とする。
前記一般式(I)の化合物は、中心骨格が安息香酸フ
エニルエステル構造を有しており、更に分子の両末端に
長鎖の置換基(炭素数4〜18が好ましい)が存在するの
でそれ自身が液晶性を示すものである。また、この化合
物は不斉炭素にカルボニル基及びCF3基を直接結合させ
ているほか、ピリジン環、フツ素あるいは塩素の双極子
モーメントが分子長軸に対して横方向に作用するので高
い旋光性を有している。また、複数のフツ素の存在によ
り表面エネルギーの低下が起こるため、強誘電性液晶に
不可欠な薄いセル内において、ドメインの回転に対する
抵抗が非フツ素系化合物に比較して減少することが予想
され、これらがあいまつて表示素子として使用する場合
に高速応答性が期待できるものである。
〔化合物の製法〕
本発明における一般式(I)の光学活性化合物は、例
えば次のような合成経路に従つて製造することができ
る。但し、以下の反応式において あるいは は無置換のベンゼン環を表す場合も含むものとする。
上記製造過程を概説すると、始めに6−クロロニコチ
ン酸とナトリウムアルコキシドを反応させて6−アルキ
ルオキシニコチン酸(II)を製造する。次にこれを酸ク
ロライド(III)とした後、4−ヒドロキシ安息香酸化
合物(IV)と塩基性物質の存在下に反応させてカルボン
酸(V)を製造し、酸クロライド(VI)とする。
またカルボン酸(II)とジヒドロキシ化合物(VII)
とを酸触媒の存在下にエステル化して、フエノール化合
物(VIII)を製造する。
一方、ジヒドロキシ化合物をパーフルオロ−2−プロ
ピルオキシプロピオン酸(IX)とエステル化させるか、
ヒドロキシ化合物を酸クロライド(X)によりアシル化
して、パーフルオロ−1−プロピルオキシエチルカルボ
ニル基の導入されたフエノール化合物(XI)を製造す
る。
更に、4−ヒドロキシ安息香酸化合物(XII)を酸ク
ロライド(X)と反応させて、パーフルオロ−1−プロ
ピルオキシエチルカルボニルオキシ基の導入された安息
香酸化合物(XIII)を製造し、これを塩化チオニル等の
塩素化剤により酸クロライド(XIV)とする。
最後に酸クロライド(VI)及びフエノール化合物(X
I)あるいはフエノール化合物(VIII)及び酸クロライ
ド(XIV)を塩基性物質の存在下に反応させて一般式
(I)で示される化合物を製造することができる。
なお上記製造過程において、普通は光学活性のパーフ
ルオロ−2−プロピルオキシプロピオン酸を用いて目的
の化合物を製造するが、Rが光学活性基である化合物を
用いる場合には、ラセミ体の酸を用いて同様に目的化合
物を製造することができる。
また化合物(IV)あるいは(XII)において、4個の
フツ素又はフツ素及び塩素を含む4−ヒドロキシ安息香
酸化合物は、文献1:バーチヤル(J.M.Birchall)ほか、
ジヤーナル・オブ・ケミカル・ソサエテイ(J.Chem.So
c.)、1971年、第1343頁あるいは文献2:高岡昭生、石川
延男ほか、日本化学会誌、1985年、第2155頁に準じてポ
リフルオロベンゾニトリル類から製造することができ
る。
また、フツ素を1個含む化合物は、文献3:竹原貞夫ほ
か、第11回液晶討論会予稿集、1985年、第176頁に準じ
てフルオロアニソールから製造することができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明の適用範囲はこれらの実施例によつて限定さ
れるものではない。
なお以下の各例において、環 あるいは がポリハロゲン環を表す場合はこれを (ただしW〜Zはフツ素又は塩素を示す)で表すものと
する。
実施例1 (a) 窒素雰囲気中で金属ナトリウム2.0g、1−デカ
ノール12.6g及びトルエン200mlを加熱溶解させた後、減
圧下にトルエンを留去し、6−クロロニコチン酸13gの
N−メチルピロリドン140mlの溶液を加えて150±5℃で
17時間加熱反応させた。放冷後水を加えて希塩酸及び希
酢酸で中和して中性とし、トルエン軸出し、水で洗浄し
て無水硫酸マグネシウムで乾燥し、トルエン溶液をシリ
カゲルのカラムを通し、溶媒を留去して6−デシルオキ
シニコチン酸(II、R=C10H21)を得た。
(b) 上記カルボン酸化合物1.4gを塩化チオニル15ml
と5時間加熱反応させた後、塩化チオニルを留去して得
られる生成物のトルエン溶液を4−ヒドロキシテトラフ
ルオロ安息香酸1.0gのピリジン30mlの溶液に徐々に加え
て65±5℃で5時間反応させ、一夜放置後水に注いでト
ルエンで抽出し、トルエン溶液を水で洗浄して無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、シリカゲルのカラムを通して溶
媒を留去し、ヘキサン−エタノールで再結晶して、6−
デシルオキシニコチン酸−4′−カルボキシ−テトラフ
ルオロフエニルエステル(V、R=C10H21、環a:W〜Z
=F)を得た。
(c) m−フルオロフエノール2.8gを二硫化炭素80ml
に溶解し、すりつぶした無水塩化アルミニウム7gを加
え、かくはんしながら光学活性パーフルオロ−2−プロ
ピルオキシプロピオン酸クロライド8.7g/二硫化炭素50m
lの溶液を7℃以下で滴下し、その後5時間加熱還流
し、冷却後希塩酸中に注ぎ、エーテル抽出し、水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を留去し、
残留物をヘキサン−トルエン混合溶媒に溶解してこの溶
液をシリカゲルのカラムを通し、溶媒を留去して3−フ
ルオロ−4−(パーフルオロ−1−プロピルオキシエチ
ルカルボニル)フエノール(XI、環b:3−F、Q=直接
結合、ただしハロゲン原子の置換位置は表1、注の定義
に従う)を製造した。
(d) (b)で製造した酸化合物(V)1.2g及び
(c)で製造した化合物(XI)1.1gを使用し、カラムク
ロマトグラフイにヘキサン−トルエン混合溶媒を用いる
以外は(b)と同様に処理して化合物:6−デシルオキ
シピリジン−3−カルボン酸−4′−〔3−フルオロ−
4−(パーフルオロ−1−プロピルオキシエチルカルボ
ニル)フエニルオキシカルボニル〕テトラフルオロフエ
ニルエステルを製造した。
この化合物を透明電極の間隙が約3μmのガラスセル
に封入し、±5V、1Hzの電界を印加しながら偏光顕微鏡
で観察すると、温度降下時に53℃から電界の反転に伴い
ドメインも反転するのが認められた。その他の相転移温
度は表1に示してある。なおCryは結晶状態、SC*は強
誘電性のカイラルスメクチツクC相で、上記の電界に対
して少なくとも一部が応答する相である。SAはスメクチ
ツクA相、Chはコレステリツク相、Iは等方性液相を示
している。また・はその相が存在することを示してい
る。なお( )はその相がモノトロピツクであることを
示している。
この化合物を電極間隙115μmのセルに封入し、宮里
らの報告による三角波法〔K.宮里、H.タケゾエ、A.フク
ダ(K.Miyasato、H.Takezoe、A.Fukuda)ほか、ジヤパ
ニーズ・ジヤーナル・オブ・アプライド・フイジクス
(Jpn.J.Appl.Phys.)、1983年、第22巻、第L661頁〕で
自発分極を測定したところ、その値は230nC/cm2であつ
た。
実施例2 1−デカノールに代えて1−オクタノール、4−ヒド
ロキシテトラフルオロ安息香酸に代えて4−ヒドロキシ
−2−クロロ−トリフルオロ安息香酸を用いる以外は実
施例1と同様にして化合物:6−オクチルオキシピリジ
ン−3−カルボン酸−4′−〔3−フルオロ−4−(パ
ーフルオロ−1−プロピルオキシエチルカルボニル)フ
エニルオキシカルボニル〕−3′−クロロトリフルオロ
フエニルエステルを製造した。この化合物の相転移温度
は表1に示す通りである。
また実施例1と同様にして測定した自発分極の値は17
0nC/cm2であつた。
実施例3 m−フルオロフエノールに代えてo−クロロフエノー
ルを用いる以外は実施例1と同様にして化合物:6−デ
シルオキシピリジン−3−カルボン酸−4′−〔2−ク
ロロ−4−(パーフルオロ−1−プロピルオキシエチル
カルボニル)フエニルオキシカルボニル〕テトラフルオ
ロフエニルエステルを製造した。この化合物の相転移温
度は表1に示す通りである。
実施例4 光学活性パーフルオロ−2−プロピルオキシプロピオ
ン酸3.0g、フルオロヒドロキノン1.2g及びp−トルエン
スルホン酸1.1gをトルエン150mlと共に加熱還流させ、
生成する水を系外に除去しながら30時間反応させ、冷却
後希水酸化ナトリウム水溶液次いで水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、シリカゲルのカラムを通した
後溶媒を留去し、ベンゼンで再結晶して、3−フルオロ
−4−(パーフルオロ−1−プロピルオキシエチルカル
ボニルオキシ)フエノール(XI、環b:3−F、Q=−O
−基)を製造した。
上記化合物及び実施例1(b)で製造した化合物
(V)を用いて実施例1(b)と同様にエステル化を行
い、次いで実施例1(d)と同様に処理して化合物:6
−デシルオキシピリジン−3−カルボン酸−4′−〔3
−フルオロ−4−(パーフルオロ−1−プロピルオキシ
エチルカルボニルオキシ)フエニルオキシカルボニル〕
テトラフルオロフエニルエステルを製造した。
この化合物の相転移温度は表1に示す通りである。た
だし、−はその相の存在が明確でないことを表してい
る。
実施例5 フルオロヒドロキノンに代えてヒドロキノンを用いて
実施例4と同様にして化合物(XI、環b:無置換、Q=−
O−基)を製造した。また1−デカノールに代えて1−
ヘキサノールを用いて実施例1(a)、(b)と同様に
して化合物(V、R=C6H13、環a:W〜Z=F)を製造し
た。化合物(XI)及び化合物(V)を用いて実施例1
(b)と同様にエステル化を行い、次いで実施例1
(d)と同様に処理して化合物:6−ヘキシルオキシピ
リジン−3−カルボン酸−4′−〔4−(パーフルオロ
−1−プロピルオキシエチルカルボニルオキシ)フエニ
ルオキシカルボニル〕テトラフルオロフエニルエステル
を製造した。この化合物の相転移温度は表1に示す通り
である。
実施例6 実施例1で製造した6−デシルオキシニコチン酸及び
ヒドロキノンを用いて実施例4と同様にして化合物(VI
II、R=C10H21、環a:無置換)を製造した。また酸クロ
ライド(X)及び4−ヒドロキシ−3−クロロトリフル
オロ安息香酸を用いてトリエチルアミン存在下ベンゼン
溶媒中において3時間加熱反応させ、実施例1(b)と
同様に処理して化合物(XIII、環b:W=X=Z=F、Y
=Cl)を製造した。
化合物(VIII)及び(XIII)を用いて上記と同様にエ
ステル化を行い、次いで実施例1(d)と同様に処理し
て化合物:6−デシルオキシピリジン−3−カルボン酸
−4′−〔4−(パーフルオロ−1−プロピルオキシエ
チルカルボニルオキシ)−3−クロロトリフルオロベン
ゾイルオキシ〕フエニルエステルを製造した。この化合
物の相転移温度は表1に示す通りである。
実施例7 1−デカノールに代えて1−オクタノールを用いて実
施例1(a)と同様にして製造した化合物(II、R=C8
H17)及びクロロヒドロキノンを用いて実施例4と同様
にして化合物(VIII、環a:3−Cl)を製造した。
また、酸クロライド(X)及び4−ヒドロキシテトラ
フルオロ安息香酸を用いて実施例6と同様にして酸化合
物(XIII)を製造した。
化合物(VIII)及び(XIII)を用いて実施例1(b)
と同様にエステル化を行い、次いで実施例1(d)と同
様に処理して化合物:6−オクチルオキシピリジン−3
−カルボン酸−3′−クロロ−4′−〔4−(パーフル
オロ−1−プロピルオキシエチルカルボニルオキシ)テ
トラフルオロベンゾイルオキシ〕フエニルエステルを製
造した。この化合物の相転移温度は表1に示す通りであ
る。
実施例8 1−デカノールに代えて光学活性−2−オクタノー
ル、4−ヒドロキシテトラフルオロ安息香酸に代えて4
−ヒドロキシ−3−クロロトリフルオロ安息香酸、m−
フルオロフエノールに代えてフエノール、及び光学活性
パーフルオロ−2−プロピルオキシプロピオン酸に代え
てそのラセミ体を用いて実施例1と同様にして化合物
:6−(1−メチルヘプチルオキシ)ピリジン−3−カ
ルボン酸−4′−〔4−(パーフルオロ−1−プロピル
オキシエチルカルボニル)フエニルオキシカルボニル〕
−2′−クロロトリフルオロフエニルエステルを製造し
た。この化合物の相転移温度は表1に示す通りである。
実施例9 実施例1で製造した6−デシルオキシニコチン酸及び
テトラフルオロヒドロキノンを用いて実施例4と同様に
して化合物(VII、R=C10H21、環a:W〜Z=F)を製造
した。
また、酸クロライド(X)及び4−ヒドロキシ−3−
フルオロ安息香酸を用いて、トリエチルアミン存在下ベ
ンゼン溶媒中において3時間加熱反応させ、実施例1
(b)と同様に処理して化合物(XIII、環b:3−F)を
製造した。
これらの化合物(VIII)及び(XIII)を用いて、上記
と同様にエステル化反応を行い、次いで実施例1(d)
と同様に処理して化合物:6−デシルオキシピリジン−
3−カルボン酸−4′−〔3−フルオロ−4−(パーフ
ルオロ−1−プロピルオキシエチルカルボニルオキシ)
ベンゾイルオキシ〕テトラフルオロフエニルエステルを
製造した。この化合物の相転移温度は表1に示す通りで
ある。
実施例10 1−デカノールの代わりに1−ヘキサノールを用いて
実施例1(a)と同様にして製造した6−ヘキシルオキ
シニコチン酸及びテトラフルオロヒドロキノンを用いて
実施例4と同様にして化合物(VIII、R=C6H13、環a:W
〜Z=F)を製造した。また、酸クロライド(X)及び
4−ヒドロキシテトラフルオロ安息香酸を用いて、実施
例9と同様にして化合物(XIII、環b:W〜Z=F)を製
造した。
これらの化合物(VIII)および(XIII)を用いて、上
記と同様にエステル化反応を行い、次いで実施例1
(d)と同様に処理して化合物:6−ヘキシルオキシピ
リジン−3−カルボン酸−4′−〔4−(パーフルオロ
−1−プロピルオキシエチルカルボニルオキシ)テトラ
フルオロベンゾイルオキシ〕テトラフルオロフエニルエ
ステルを製造した。この化合物の相転移温度は表1に示
す通りである。
実施例11 《液晶組成物》 実施例1における化合物の30重量部に対して、ノン
カイラルのスメクチツク液晶である下記構造式の4−
(2−メチルブチル)−4′−ビフエニルカルボン酸−
4″−オクチルオキシフエニルエステル25重量部、及び
4−オクチルオキシ−4′−ビフエニルカルボン酸−
4″−ペンチルオキシフエニルエステル45重量部を混合
して液晶組成物を調製した。
この液晶組成物は10〜62℃の範囲でSC*相を示し、そ
の温度範囲が単独の化合物に比較して著しく拡大されて
いた。
実施例12 《液晶組成物》 実施例3における化合物の20重量部に対して、ノン
カイラルのスメクチツク液晶である前記の4−(2−メ
チルブチル)−4′−ビフエニルカルボン酸−4″−オ
クチルオキシフエニルエステル70重量部、及び下記構造
式の4−オクチルオキシ安息香酸−4′−(2−メチル
ブチルオキシ)フエニルエステル10重量部を混合して液
晶組成物を調製した。
この液晶組成物は8〜55℃の範囲でSC*相を示し、そ
の温度範囲が化合物単独の場合に比較して著しく拡大
されていた。
実施例13 《液晶組成物》 実施例7及び10における化合物及びのそれぞれ15
及び10重量部に対して、実施例11におけるノンカイラル
のスメクチツク液晶をそれぞれ45及び30重量部混合して
液晶組成物を調製した。この液晶組成物は4〜60℃の範
囲でSC*相を示し、その温度範囲がそれぞれ単独の化合
物の場合に比較して著しく拡大されていた。
以上3つの実施例で示したように、構造の異なる液晶
化合物を混合することにより、単独で用いるよりも広い
温度範囲、しかも室温の上下でカイラルスメクチツクC
液晶となる液晶組成物を得ることができる。
実施例14 《光スイツチング素子》 ポリイミド膜にラビング配向処理を施して、アルミナ
粉末により透明電極の間隙を約3μmに保持したガラス
セルに、実施例1で得られる化合物を加熱して等方性
液体とした後充てんした。このセルを徐冷して50℃に保
持し、±20V、10Hzの方形波を印加したときの透過光強
度の変化を光電子増倍管で測定した結果、光強度の0〜
90%変化による応答時間は75μsecであり、高速な応答
性を示した。
実施例15 《光スイツチング素子》 実施例11から13で調製した液晶組成物を用いて、実施
例14と同様にしてセルを作製した。測定温度を33℃とす
る以外は実施例14と同一条件で求めた応答時間はそれぞ
れ135、70及び45μsecであり、高速な応答性を示した。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、一般式Iで表さ
れる光学活性化合物、あるいはこの光学活性化合物の少
なくとも1種を成分として含有する液晶組成物を用いる
ことにより、自発分極が大きいために表示素子として用
いる場合に高速応答が可能であるのみならず、広い温度
範囲でカイラルスメクチツク相を示す材料系及び光スイ
ツチング素子を提供することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式I: 〔ただし、環a、bのうち少なくとも一つは合計4個の
    フツ素、又はフツ素及び塩素を含むポリハロゲン環であ
    り、それ以外はハロゲン置換されていてもよいベンゼン
    環であり、Lは−COO−基又は−OCO−基、Qは−O−基
    又は直接結合、Rは炭素数4以上のアルキル基であり、
    基RあるいはC3F7OCF(CF3)基のうち少なくとも一方は
    光学活性基である〕で表されることを特徴とする光学活
    性化合物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光学活性化合物の少なくと
    も1種を成分として含有することを特徴とする液晶組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1記載の光学活性化合物、あるいは
    この化合物の少なくとも1種を成分として含有する液晶
    組成物を使用して構成されることを特徴とする光スイツ
    チング素子。
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