JP4190534B2 - 誘導路形成用ブロック - Google Patents
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Description
本発明は、擁壁や護岸等の壁体において緩斜面をなす通路を形成することにより、小動物の移動や生物の生息環境の再生を可能にする誘導路形成用ブロックに関する。
【背景技術】
コンクリート構造物の壁面が小動物の移動の妨げになったり、生息環境を破壊したりしている状況を解消するべく、従来から様々な構造のブロックが提案されている。例えば、狭水路に転落した小動物の脱出誘導を図るために、U字形側溝の外側任意位置に対して部分的に連設することにより地表面までの誘導路として機能する傾斜壁を備えたブロック(日本特開平9−32097号公報)、一般的な水路ブロックの一内壁面又は両内壁面に沿うように設置すると階段状又は粗面状の斜路が形成されるブロック(日本特開平9−250121号公報)、水路桝ブロック本体に脱出用スロープを形成したもの(日本実公平6−26569号公報)あるいはU字形側溝において一体的に形成された外方膨出部の踊り場から脱出用斜面を形成したもの(日本実公平7−54383号公報)等が例示される。
側溝や狭水路のように、幅が狭く地表面からさほど深くない通水路の場合には、前記ブロック側壁の一部に開口を設けて脱出誘導路を形成するブロックを連設したり、連続的に設置したりするブロックの一部に誘導路を備えたブロックを組み入れることで対応することができる。しかしながら、こうした従来のブロックを小川や河川、海岸、道路等における側壁や擁壁等の壁体に対して設置することは殆どの場合不可能である。
すなわち、これら壁体は、多数個のブロックを布積みや谷積みする階段状の段積み施工によって高く形成されるのが一般的であるし、のみならず、ほぼ垂直に切り立った壁面として形成されることも多かった。また、壁体の前面部分が全体的に平滑な状態に仕上げられていたり、下段ブロックと上段ブロックとの間が完全に分断されていたりしたために、小動物が下から這い上がったり、逆に陸上から水辺へと移動することが極めて困難であった。
さらに、側溝や狭水路であれば、小動物が水と共に流される間に誘導路が連設された開口部分や誘導路の踊り場部分に辿り着くことも可能であるが、広範囲に施工されるのが通例である壁体の場合、壁体と未施工のまま残された切り通しや岸辺との境界部分のような、誘導路となりうる場所にまで小動物が辿り着くことは殆ど奇跡に近い。
そこで、本発明では、多数個のブロックを用いて階段状に段積みにより壁体を形成した場合に、小動物の脱出その他の移動を可能にする誘導路(以下、単に「斜路」ともいう)を略連続させた状態に形成できる誘導路形成用ブロックの提供を目的とする。
そして、誘導路の創出と同時に植生にも配慮して、多自然型の壁体面を形成することによって、生物の生息できる環境の再生を総合的に図ることを目的とする。
【発明の開示】
すなわち、本発明の誘導路形成用ブロックは、複数個のブロックの階段状段積みにより連続した小動物の誘導路を形成するべく、ブロック前面において凸条、凹条、又は段差をその端部が隣接するブロック間で連続する位置に設けたコンクリート製ブロックであって、誘導路は、控壁側空間を有するボックス型をした本体のブロック前面における凹凸条により略X字状をなすように連続する誘導路1a,1bが配設され、ブロック前面中ほどには第1平坦部2が設けられており、該第1平坦部2を中心として下方に形成された凸部3と上方に形成された凹部4によって、誘導路1a,1bが立体的に形成され、これら誘導路1a,1bとなる凸部3と凹部4をブロックの上面にて連続させるとともに、
上下方向に隣接するブロックを階段状に段積みすることで、各ブロックの凸部3及び凹部4よりなる誘導路1a,1bをブロックの上面第2平坦部5を介して連続させて誘導路を形成してなることを特徴とする。
この誘導路には、誘導路1a,1b及び第1平坦部2には滑止めの凹凸9が形成され、該誘導路1a,1bに沿って土砂の堆積又は充填する植生溝10が形成され、上下に該ブロックを積んだときにブロック内外で連通孔を生成する前壁凹部7が設けられ、かつ、ボックス型ブロックの背面板11には通水孔12が穿設されている。
別のブロック形態として、同様の複数個のブロックの階段状段積みにより連続した小動物の誘導路を形成するべく、ブロック前面において凸条、凹条、又は段差をその端部が隣接するブロック間で連続する位置に設けたコンクリート製ブロックであるが、隣り合うブロックとの関係において、誘導路は、2連の控壁側空間を有するボックス型をした本体の左右に隣接するブロック前面における凹凸条により略X字状をなすように連続する誘導路1a,1bが配設されるように、該ブロック前面最上縁の中央部分に第1平坦部2が設けられ、誘導路1b,1bは、この第1平坦部2より左右に分岐して斜めに降下するよう延設されてブロック両縁に設けられた第2平坦部5,5と連結し、この第2平坦部5,5からブロック最下縁の中央付近に向けて斜めに降下する誘導路1a,1aが延設され、各ブロックを階段状に段積みすることで、上段ブロックの誘導路1a,1aが下段ブロックの第1平坦部2と連続し、かつ左右のブロックの第2平坦部5,5により連続する誘導路を形成する各誘導路を設けてなる誘導路形成用ブロックとした。
また、同様に上下左右に隣接するブロックを合わせることで、誘導路は1個の控壁側空間を有するボックス型をした本体の上下左右に隣接するブロック前面における凹凸条により略X字状をなすように連続する誘導路1a,1bが配設されるように、該ブロック前面において左下方から右上方へ斜めに設けられた単誘導路1と、その上部に設けられた平坦部17を有するブロックと、単誘導路1が右下方から左上方へと斜めに設けられたブロックとからなり、各ブロックにおける平坦部17は、各ブロックが階段状に段積みすることで、単誘導路1と連続した誘導路を形成するようにした誘導路形成用ブロックである。
本発明に係る誘導路形成用ブロックでは、上述のように壁体の前面(化粧面)に複数個のブロックの階段状段積みにより連続した誘導路を形成するべく、凸条、凹条、又は段差をその端部が隣接するブロック間で連続する位置に設けたことを特徴とする構造とした。ここにいう誘導路とは、壁体を下方から上方へ、又はその逆方向に生物が移動できるように設けられた路をいい、必ずしも斜めに設けられた状態のみをいうのではなく、ブロック前面端部又は中ほどに誘導路に連なる略水平方向の平坦部(ステージ)を有するように途中が平坦になっていたり、湾曲しているものも含まれる。また、誘導路はブロック前面に垂直面として形成するのが好ましいが、傾斜面として形成してもよい。さらに、上段ブロックと下段ブロックで凸条が異なる方向に設けられたブロックを用い、誘導路を略連続させて形成するように谷積みしてもよい。そして、本発明にいう壁体は、垂直積み擁壁であっても、斜積み擁壁、もたれ式擁壁等の擁壁であってもよく、いわゆる擁壁面のみならず小さな川の側壁面等も含むものである。
また、ここにいう隣接するとは、縦横又は斜めに隣り合うことである。詳しくは、凸条、凹条、又は段差が上段ブロックと下段ブロックで異なる方向に設けられ、谷積みにより誘導路を形成するようにした誘導路形成用ブロックとか、誘導路がブロック前面の端部又は中ほどに平坦部を有する誘導路形成用ブロック、すなわち、誘導路が平坦部両側に斜め下方から上昇、又は、平坦部両側から斜め上方に上昇するよう設けられた誘導路形成用ブロックが好ましい。平坦部は生物に休息の場を提供するし、上昇又は下降する方向の変更や選択の機会を与える。水際部に生息する生物においては、誘導路が上下に連通することにより、水位の変動に関わりなく壁面上を自由に移動可能な斜路状の水際部が確保され、常に生態に適した生息環境が維持される。
このような誘導路形成用ブロックには、誘導路を形成した前面板の背部控側に空洞部を設けると共に、前記前面板に連通孔を設けると、壁体は石や土砂を充填することにより透水性を持ち、生物を乾燥から守ることもできる。また、植生の基盤としても有効に機能するため生物に生息空間を与える好ましい態様となる。
上記誘導路には滑止めの凹凸を形成したり、誘導路又は誘導路近傍に植生機能を付与する溝又は穴を設けたりするとより好ましい多自然型の態様となる。更に、ブロックの化粧面に植生機能を付与する層を吹付けるとか一体成形することも好ましい。植生機能を付与する層としては多孔質コンクリートや木粉等の有機質、炭素質、その植生に好適な物資の固化体層である。
また、本発明に係る誘導路形成用ブロックでは、壁体を構成するブロックを、ブロック前面上部の天面部分が下降緩斜面として形成されており、複数個のブロックを階段状に多段積みした際には、前記下降緩斜面が複数個のブロックに亘って上下方向に連続する斜路となるように形成した。ここにいう斜路は、前記の誘導路と同意である。
下降緩斜面、つまり斜路の表面は、小動物の移動に配慮して、凹凸状又は粗面状に形成するとよい。具体的には、表面に小突起や小さな窪みを規則的又は不規則的に配置してみたり、表面を小階段状に形成したりと、様々な滑り止め加工を採用しうる点は、先の誘導路形成用ブロックと同じである。
ブロック前面が略垂直面をなしている場合には、ブロックを階段状に多段積みする際に、下段に位置するブロックより上段に位置するブロックを背面方向にずらして階段状に配置することで、個々のブロックに形成された下降緩斜面を連続させることができる。一方、ブロックを垂直方向に多段積みする必要がある場合には、下降緩斜面を備えたブロック前面上部を、下降緩斜面のないブロック前面下部より前面方向に突出形成することで対応できる。
ブロックの積み上げ方法にかかわらず、ブロックの天面と底面において、階段状に多段積みされるブロック同士の連結部を対応形成しておくと、施工の迅速化や脱落防止が図られる。とくにブロックを階段状に施工する場合には、上段に位置するブロックを背面方向にずらす際の位置決めが容易となる。連結部としては、突起とそれに対応する凹陥部や嵌合穴の組み合わせのほか、ピンを用いた連結方法、別途連結部材を用いる方法等が例示される。
また、本発明に係る誘導路形成用ブロックでは、ブロック前面と背面控部との間に空洞部を設けて、該空洞部と連通する開口をブロック前面又は上面に穿設することにより、植生が可能な多自然型の壁体を実現することができる。とくに、ブロックを階段状に設置する場合、下段に位置するブロックの上部天面が露出することになるので、天面に穿設した開口(透孔)から露出した胴込土砂等より植生が図られるし、ブロック前面をパネル板状に形成して空洞部まで連通する開口が露出するようにしておくと、やはり胴込めされた土砂等から自然な植生が図られる。
以上のような本発明に係る誘導路形成用ブロックは、背面控部を含めた全体をコンクリート製の一体成型品として製造されるのが一般的であるが、背面控部の全部又は一部に金属製や繊維製のネットを用いたもの、例えばコンクリート製で略板状をしたブロック前面より背面側に略コ字形の金網が延設され、全体としてボックス形状をしたものなども含まれる。
本発明の誘導路形成用ブロックは、捨て型枠として、コンクリート打設面側に背筋を備える一方、前面側に凸条、凹陥部又は段差が設けられており、壁体が完成した際には壁体前面において前記凸条等が略上下方向に連続する緩斜面をなす誘導路として形成される。こうした捨て型枠では、足場を必要とせず、複数個を積み上げながら据え付けした後にコンクリートを打設すると、型枠を化粧面としつつ背筋により打設コンクリートと一体化した構造物が得られる利点があり、完成した擁壁等の前面に形成される脱出用誘導路によって小動物の移動が確保されることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る誘導路形成用ブロックにより構築された擁壁の一例を示した斜視図であり、第2図は同ブロックの平面図、第3図は同ブロックの正面図、第4図は同ブロックの側面図である。
第5図は本発明に係る誘導路形成用ブロックにより構築された擁壁の他の例を示した斜視図であり、第6図は同ブロックの斜視図である。
第7図は本発明に係る誘導路形成用ブロックのさらに他の例を示した斜視図である。
第8図は別なブロックを用いて構築された擁壁の例を示した斜視図であり、第9図は同擁壁を構成するブロックの一つを示した斜視図、第10図は同擁壁を構成する他のブロックを示した斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面にしたがって説明する。
第1図ないし第4図に示された誘導路形成用ブロックでは、ボックス型をした本体のブロック前面(化粧面)において略X字状をなすように連続する誘導路1a,1bが配設されている。ブロック前面中ほどには第1平坦部2が設けられており、この第1平坦部2を中心として下方に形成された凸部3と上方に形成された凹部4によって、誘導路1a,1bが立体的に形成されることになる。すなわち、ブロックの最下縁両側から第1平坦部2に向けて合流するように斜め上方に上昇した誘導路1a,1aは、第1平坦部2を経て、ブロックの最上縁両側へと分岐して斜め上方に上昇する誘導路1b,1bとなり、連続した誘導路1a,1bを形成する。
ブロック前面における凸部3は、ブロック前面の最下縁よりもその横幅を短く、小幅に設けられており、第1図にみられるように、この誘導路形成用ブロックを多段に積んで壁体を構成したときには、上段ブロックと下段ブロックとの間に生物の通路となる第2平坦部5を形成するようになっている。この第2平坦部5も、誘導路(斜路)の一部を構成することになる。
第5図及び第6図に示された例の誘導路形成用ブロックでは、ブロック前面最上縁の中央部分に第1平坦部2が設けられている。誘導路1b,1bは、この第1平坦部2より左右に分岐して斜めに降下するよう延設された後、ブロック両縁に設けられた第2平坦部5,5に達している。この第2平坦部5,5からさらにブロック最下縁の中央付近に向けて斜めに降下する誘導路1a,1aが延設されている。そして、この誘導路形成用ブロックを多段に積んだときには、上段ブロックの誘導路1a,1aが下段ブロックの第1平坦部2と連続するようになっている。
この例の誘導路形成用ブロックでは、ボックス型をした本体の控壁側空間との間において、上下のブロックを積んだときにブロック内外で連通孔ができるように、前壁に凹部7,7が配設されると共に、生物にすみかを提供する横孔8が穿設されている。横孔8は、窪みとして形成することもできるし、ボックス型本体の内部空間に連通する透孔として形成することもできる。
第7図は他の例の誘導路形成用ブロックを示す斜視図であるが、このブロックの基本形状は先の第1図ないし第4図に示されたものに近い。誘導路1a,1aは、ブロック最下縁両端から斜めに上昇してブロック中央に位置する第1平坦部2で合流し、次いで第1平坦部2から分岐した誘導路1b,1bがブロック最上縁両端にまで斜めに上昇するよう延設されている。すなわち、誘導路1a,1bは、第1平坦部2を介して正面視略X字状に連続形成されているのである。
誘導路1a,1b及び第1平坦部2には滑止めの凹凸9が形成されており、また、当該誘導路1a,1bに沿って、土砂の堆積又は充填によって植物の繁茂を可能にする植生機能を奏する溝10が形成されている。さらに、上下のブロックを積んだときにブロック内外で連通孔ができるように、前壁には凹部7が設けられている。そして、ボックス型ブロックの背面板11には、背部からの通水を可能にする通水孔12が穿設されており、また、側板13と梁14には、隣接するブロックとの連通孔15が穿設されている。更にブロックの上下方向には配筋孔16が設けられている。
完成した擁壁面に形成される誘導路が隣接するブロック間で連続するように、個々のブロック表面に単路として設け、複数個のブロックの階段状の多段積みにより連続した状態を形成するように構成してもよい。そのように形成した誘導路形成用ブロックの例を第8図以下に示す。第8図ないし第10図はその一例であって、第9図に示される誘導路形成用ブロックでは、ブロック前面において左下方から右上方へ斜めに設けられた単誘導路1と、その上部に設けられた平坦部17が見られる。また、第10図に示される誘導路形成用ブロックでは、第9図の例のブロックと対称をなすように、単誘導路1が右下方から左上方へと斜めに設けられている。各ブロックにおける平坦部17は、上段ブロックを階段状に段積みすることにより、単誘導路1と連続した状態になる。
一方、現場におけるコンクリート打設によって新たに壁体の構築施工を図る場合であって、型枠をそのまま構造物の化粧面とする捨て型枠として用いる場合には、つまりコンクリート打設面側に背筋を突設させたものを型枠とする。背筋としては、従来の捨て型枠に使用されている鋼製のL型脚やアンカーのほか、金属製や繊維製のネット等も好適に用いられる。あるいは、積み上げた型枠の裏面側をアングル材等で連結施工してもよい。いずれにしても、背面側に打設されたコンクリートによって一体化した擁壁等が構築され、完成した擁壁等の前面側には、壁体前面において凸条等が略上下方向に連続する緩斜面をなす誘導路が形成されることになり、移動する小動物の滑落防止が図られる。
以上のように、本発明に係る誘導路形成用ブロックは、複数個を用いて布積みや谷積みの階段状の段積みをして壁体を形成する際に有用であり、壁体を高く形成した場合にも、誘導路(斜路)を略連続させた状態に形成できる。こうした斜路は、カエル、イモリ等の両生類やホタルの幼虫等の昆虫類であっても、斜路を伝って水中から陸上へ、あるいはその逆方向に移動することを可能とする。また、高い壁面の存在にもかかわらず、小動物は斜路を伝って移動することが可能になる結果、擁壁等の設置工事により従来の獣道など小動物の移動路が分断されてしまった場合においても、新たな移動路の確保が図られるので、生息環境への悪影響を防止することができる。
また、誘導路が平坦部両側に斜め下方から上昇又は、平坦部両側から斜め上方に上昇するよう設けた誘導路形成用ブロックを用いると、壁体の斜面に複雑な誘導路を形成することができる。
さらに、ブロック前面上部の天面部分を下降緩斜面とした誘導路形成用ブロックでは、複数個を多段積みに、とくに下段に位置するブロックより上段に位置するブロックを背面方向にずらして階段状に配置すると、壁面として高く形成した場合においても、壁面を上下方向に連続し、小動物の移動を容易にする斜路を形成することができる。
こうした誘導路形成用ブロックは、植生にも配慮がなされており、空洞部に胴込めされた砕石や土砂部分からブロックの開口を経て植物が繁茂し、生物のすみかが確保される多自然型の壁面の形成が容易であるし、水際部に生息する生物においては、河川等の水位変動にかかわらず常に水際部が確保されるので、安定した生態系の保全が図られる。
また、本発明に係る誘導路を備えた壁体構築用型枠を用いれば、現場打設により新設されるコンクリート壁体構築時において型枠(場合によっては捨て型枠)の一部又は全部に対して使用するだけで、当該現場における小動物の生息状況に適合するような形状や経路にて、壁体前面を上下方向に連続し、小動物の移動を可能にする誘導路を併設することができる。
Claims (4)
- 複数個のブロックの段積みにより連続した小動物の誘導路を形成するべく、ブロック前面において凸条、凹条、又は段差をその端部が隣接するブロック間で連続する位置に設けたコンクリート製ブロックにおいて、
誘導路は、控壁側空間を有するボックス型をした本体のブロック前面における凹凸条により略X字状をなすように連続する誘導路1a,1bが配設され、ブロック前面中ほどには第1平坦部2が設けられており、該第1平坦部2を中心として下方に形成された凸部3と上方に形成された凹部4によって、誘導路1a,1bが立体的に形成され、
前記誘導路1a,1bとなる凸部3と凹部4をブロックの上面にて連続させるとともに、
上下方向に隣接するブロックを階段状に段積みすることで、各ブロックの凸部3及び凹部4よりなる誘導路1a,1bをブロックの上面第2平坦部5を介して連続させて誘導路を形成してなることを特徴とする誘導路形成用ブロック。 - 誘導路には、誘導路1a,1b及び第1平坦部2には滑止めの凹凸9が形成され、該誘導路1a,1bに沿って土砂の堆積又は充填する植生溝10が形成され、上下に該ブロックを積んだときにブロック内外で連通孔を生成する前壁凹部7が設けられ、かつ、ボックス型ブロックの背面板11には通水孔12が穿設されてなる請求項1記載の誘導路形成用ブロック。
- 複数個のブロックの段積みにより連続した小動物の誘導路を形成するべく、ブロック前面において凸条、凹条、又は段差をその端部が隣接するブロック間で連続する位置に設けたコンクリート製ブロックにおいて、
誘導路は、控壁側空間を有するボックス型をした本体の左右に隣接するブロック前面における凹凸条により略X字状をなすように連続する誘導路1a,1bが配設されるように、該ブロック前面最上縁の中央部分に第1平坦部2が設けられ、
誘導路1b,1bは、この第1平坦部2より左右に分岐して斜めに降下するよう延設されてブロック両縁に設けられた第2平坦部5,5と連結し、この第2平坦部5,5からブロック最下縁の中央付近に向けて斜めに降下する誘導路1a,1aが延設され、該ブロックを階段状に段積みすることで、上段ブロックの誘導路1a,1aが下段ブロックの第1平坦部2と連続し、かつ左右のブロックの第2平坦部5,5により連続する誘導路を形成してなることを特徴とする誘導路形成用ブロック。 - 複数個のブロックの段積みにより連続した小動物の誘導路を形成するべく、ブロック前面において凸条、凹条、又は段差をその端部が隣接するブロック間で連続する位置に設けたコンクリート製ブロックにおいて、
誘導路は控壁側空間を有するボックス型をした本体の上下左右に隣接するブロック前面における凹凸条により略X字状をなすように連続する誘導路1a,1bが配設されるように、
該ブロック前面において左下方から右上方へ斜めに設けられた単誘導路1とその上部に設けられた平坦部17を有するブロックと、
単誘導路1が右下方から左上方へと斜めに設けられたブロックとを、
各ブロックが階段状に段積みすることで各ブロックにおける平坦部17を介して単誘導路1と連続した誘導路を形成してなることを特徴とする誘導路形成用ブロック。
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