JP4182007B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
近年、積層セラミックコンデンサを小型・大容量化、低価格化、高信頼性化するために、対向する内部電極層間に配置される層間誘電体層の薄層化が進んできている。具体的には、層間誘電体層の一層あたりの焼き上げ厚みが1μm前後にまで薄層化されてきている。一層あたりの層間誘電体層の厚みが薄くなればなるほど、コンデンサ素子本体(チップ焼結体)中に占める内部電極層の体積割合は大きくなる。
また、従来から、内部電極層を形成するための内部電極層用ペーストには、焼成による途切れの抑制やNiなどの卑金属導電材の焼結抑制の目的で、添加用の誘電体原料を添加することが行われている(特許文献1〜5参照)。内部電極層用ペーストに添加された添加用誘電体原料は、焼成前コンデンサ素子本体の焼成中に、層間誘電体層へと拡散していく。従って、内部電極層用ペーストに添加される添加用誘電体原料が多くなればなるほど、焼成中に、層間誘電体層へと拡散していく割合が高くなる。
すなわち、近年の層間誘電体層の薄層化や多層化に伴って、焼成前コンデンサ素子本体中に占める内部電極層用ペーストパターンの体積割合が大きくなっており、層間誘電体層の薄層化を伴わない場合と比較して、焼成中に、層間誘電体層へと拡散していく添加用誘電体原料の割合が高くなってきている。
その結果、層間誘電体層を構成する誘電体粒子の粒成長を促し、層間誘電体層の微細構造に影響を及ぼしていた。この微細構造の影響に伴って、得られる積層セラミックコンデンサの各種電気特性(tanδ、バイアス特性、温度特性、信頼性)が悪化することがあった。
なお、特許文献6では、外部電極近傍の誘電体粒子の平均粒径が、実効領域の誘電体粒子の平均粒径と同じか、または小さいことを特徴とした積層セラミックコンデンサが開示してある。しかしながら、この特許文献6記載の技術は、外部電極の焼結時におけるクラック防止を目的としているものである。
特開平5−62855号公報 特開2000−277369号公報 特開2001−307939号公報 特開2003−77761号公報 特開2003−100544号公報 特開2003−133164号公報
本発明の目的は、層間誘電体層を薄層化した場合でも、各種電気特性、特に十分な誘電率を有しつつもTCバイアス特性の向上が期待できる積層セラミックコンデンサを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、
内部電極層と、2μm未満の厚みを持つ層間誘電体層と、外側誘電体層とを有する積層セラミックコンデンサであって、
前記層間誘電体層及び外側誘電体層は、複数の誘電体粒子を含み、
前記層間誘電体層に含まれる誘電体粒子の平均粒径をD50aとし、前記外側誘電体層に含まれ、最外に配置された内部電極層から厚み方向に5μm以上離れた位置に存在する誘電体粒子の平均粒径をD50bとしたときの該D50aとD50bとの比(D50a/D50b)をy1とし、
前記層間誘電体層の厚みをxとしたときに、
前記y1とxが、
y1≦−0.75x+2.275、かつy1≧−0.75x+1.675の関係を満足する、ことを特徴とする積層セラミックコンデンサが提供される。
第2の観点によれば、
内部電極層と、2μm未満の厚みを持つ層間誘電体層と、外側誘電体層とを有する積層セラミックコンデンサであって、
前記層間誘電体層は、複数の誘電体粒子を含み、
前記層間誘電体層に含まれる誘電体粒子の平均粒径をD50aとしたときの、該D50aの2.25倍以上の粒径を持つ誘電体粒子(粗粒)が前記誘電体粒子中に存在する比率をy2とし、
前記層間誘電体層の厚みをxとしたときに、
前記y2とxが、
y2≦−25x+37.5、かつy2≧−2.75x+4.125の関係を満足する、ことを特徴とする積層セラミックコンデンサが提供される。
第3の観点によれば、上記第1の観点と、第2の観点とを合わせたケースが提供される。
すなわち、内部電極層と、2μm未満の厚みを持つ層間誘電体層と、外側誘電体層とを有する積層セラミックコンデンサであって、
前記層間誘電体層及び外側誘電体層は、複数の誘電体粒子を含み、
前記層間誘電体層に含まれる誘電体粒子の平均粒径をD50aとし、前記外側誘電体層に含まれ、最外に配置された内部電極層から厚み方向に5μm以上離れた位置に存在する誘電体粒子の平均粒径をD50bとしたときの該D50aとD50bとの比(D50a/D50b)をy1とし、
前記D50aの2.25倍以上の粒径を持つ誘電体粒子(粗粒)が前記層間誘電体層に含まれる誘電体粒子中に存在する比率をy2とし、
前記層間誘電体層の厚みをxとしたときに、
前記y1とxが、
y1≦−0.75x+2.275、かつy1≧−0.75x+1.675の関係を満足し、かつ
前記y2とxが、
y2≦−25x+37.5、かつy2≧−2.75x+4.125の関係を満足する、ことを特徴とする積層セラミックコンデンサが提供される。
第4の観点によれば、
内部電極層と、2μm未満の厚みを持つ層間誘電体層と、外側誘電体層とを有する積層セラミックコンデンサであって、
前記層間誘電体層及び外側誘電体層は、複数の誘電体粒子を含み、
前記層間誘電体層に含まれる誘電体粒子の平均粒径をD50aとし、前記層間誘電体層を形成するために用いる主成分原料の平均粒径をD50cとしたときの該D50aとD50cとの比(D50a/D50c)をy3とし、
前記層間誘電体層の厚みをxとしたときに、
前記y3とxが、
y3≦−0.95x+2.865、かつy3≧−0.95x+2.115の関係を満足する、ことを特徴とする積層セラミックコンデンサが提供される。
本発明に係る積層セラミックコンデンサは、たとえば次に示す方法により製造することができる。ただし、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法は、下記方法に限定されるものではない。
その方法は、
主成分原料と副成分原料を含む誘電体原料を含む誘電体層用ペーストと、添加用誘電体原料を含む内部電極層用ペーストとを用いて形成された積層体を焼成する工程を有し、
前記添加用誘電体原料が、少なくとも添加用主成分原料を含み、
該添加用主成分原料が、前記誘電体層用ペースト中の誘電体原料に含まれる主成分原料と実質的に同じ組成系であり、かつ4.000を超え4.057未満の格子定数を持つことを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法である。
別の方法は、主成分原料と副成分原料を含む誘電体原料を含む誘電体層用ペーストと、添加用誘電体原料を含む内部電極層用ペーストとを用いて形成された積層体を焼成する工程を有し、
前記添加用誘電体原料が、少なくとも添加用主成分原料を含み、
該添加用主成分原料が、前記誘電体層用ペースト中の誘電体原料に含まれる主成分原料と実質的に同じ組成系であり、かつ25〜250のOH基放出量を持つことを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法である。
これらの方法で言う「実質的に同じ組成系」とは、各元素の種類と、該各元素同士の組成モル比とが、完全に一致する場合の他に、各元素の種類は同一であるが組成モル比が多少異なる場合も含む趣旨である。前者のケースとしては、たとえば、誘電体層用ペースト中の誘電体原料に含まれる主成分原料が(BaO)TiO(但し、m=1)の場合に、内部電極層用ペースト中の添加用誘電体原料に含まれる添加用主成分原料が(BaO)m’TiO(但し、m’=1)の場合である。後者のケースとしては、たとえば、主成分原料が(BaO)TiO(但し、m=1)の場合に、添加用主成分原料が(BaO)m’TiO(但し、m’=0.990〜1.050程度)の場合である。
すなわち、内部電極層用ペースト中の添加用誘電体原料に含まれる添加用主成分原料の格子定数やOH基放出量を調整することにより、焼成後の誘電体層を構成する誘電体粒子の存在状態を制御するものである。
この方法では、添加用誘電体原料は、「少なくとも添加用主成分原料」を含むものであればよく、さらに添加用副成分原料を含むこともある。
この方法では、少なくとも、添加用誘電体原料に含まれる添加用主成分原料と、誘電体層用ペースト中の誘電体原料に含まれる主成分原料とが、実質的に同じ組成系であればよい。したがって、添加用誘電体原料が、添加用主成分原料の他に添加用副成分原料を含む場合には、(1)添加用誘電体原料の一部である添加用主成分原料のみが、誘電体層用ペースト中の誘電体原料に含まれる主成分原料と実質的に同じ組成系であってもよい。換言すれば、添加用誘電体原料の残部である添加用副成分原料の組成が、誘電体層用ペースト中の誘電体原料に含まれる副成分原料の組成と異なっていてもよい。(2)添加用誘電体原料の全部(当然に添加用主成分原料を含んでいる)が、誘電体層用ペースト中の誘電体原料の全部(当然に主成分原料を含んでいる)と実質的に同じ組成系であってもよい。
なお、本発明において、単に、”誘電体層”と表現した場合の当該誘電体層は、層間誘電体層及び外側誘電体層の一方または双方を意味するものとする。
また、本明細書において、平均粒径D50a,D50b,D50cと、厚みxのいずれも、単位は「μm」であるものとし、存在比率y2の単位は「%」であるものとする。
本発明者らは、焼成時の誘電体粒子の粒成長を抑制し、コンデンサ内部の微細構造を制御することで、得られる積層セラミックコンデンサの各種電気特性、特に十分な誘電率を有しつつもTCバイアス特性を向上させることができることを見い出した。
具体的には、層間誘電体層の厚みxを2μm未満と薄層化した場合に、次に示す(1)、(2)及び(3)の少なくとも何れかの関係を満足するように、コンデンサの内部構造を調整することで、各種電気特性を向上させることができることを見い出した。
(1)y1≦−0.75x+2.275、かつy1≧−0.75x+1.675。(2)y2≦−25x+37.5、かつy2≧−2.75x+4.125。
(3)y3≦−0.95x+2.865、かつy3≧−0.95x+2.115。
また、層間誘電体層がより一層薄層化(たとえば約1.3μmから約1.1μmに薄層化)されたときに、上記(1)、(2)及び(3)の少なくとも何れかの関係を満足させることで、上記TCバイアス特性のほかに、温度特性の向上を図ることができることも見い出した。好ましい範囲のなかでも、(1)、(2)とも下限値に近いほどTCバイアス特性は向上する。より好ましくは(1),(2)を同時に満たし、さらに好ましくは、同じ(1)の値において(2)が小さいほどつまり粗粉が少ないほどTCバイアス特性は向上する。
すなわち、本発明によれば、層間誘電体層を薄層化した場合でも、各種電気特性、特に十分な誘電率を有しつつもTCバイアス特性の向上が期待できる積層セラミックコンデンサを提供することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。ここにおいて、図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図、図2は図1に示す層間誘電体層2の要部拡大断面図、図3は図1に示す外側誘電体層20の要部拡大断面図、図4は実施例における脱バインダ処理、焼成およびアニールの各温度変化を示すグラフ、図5は層間誘電体層2の厚みを示すxと、層間誘電体層2に含まれる誘電体粒子2aの平均粒径D50aと外側誘電体層20に含まれ、最外に配置された内部電極層3aから厚み方向に5μm離れた位置に存在する誘電体粒子20aの平均粒径D50bとの比(D50a/D50b)を示すy1との、関係を表すグラフ、図6は層間誘電体層2の厚みを示すxと、前記層間誘電体層2に含まれる誘電体粒子2aの平均粒径をD50aとしたときの、該D50aの2.25倍以上の粒径を持つ誘電体粒子(粗粒)が前記誘電体粒子2a中に存在する比率を示すy2との、関係を表すグラフ、図7は層間誘電体層2の厚みを示すxと、層間誘電体層2に含まれる誘電体粒子2aの平均粒径D50aと層間誘電体層2を形成するために用いたBaTiO原料の平均粒径D50cとの比(D50a/D50c)を示すy3との、関係を表すグラフ、である。
本実施形態では、内部電極層と層間誘電体層と外側誘電体層とを有する積層セラミックコンデンサとして、内部電極層と層間誘電体層とが交互に複数積層してあり、これら内部電極層及び層間誘電体層の積層方向両外側端部に外側誘電体層が配置された積層セラミックコンデンサを例示して説明する。
積層セラミックコンデンサ
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、層間誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両側端部には、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。内部電極層3は、各側端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよいが、通常、縦(0.4〜5.6mm)×横(0.2〜5.0mm)×高さ(0.2〜1.9mm)程度である。
コンデンサ素子本体10において、内部電極層3および層間誘電体層2の積層方向の両外側端部には、外側誘電体層20が配置してあり、素子本体10の内部を保護している。なお、図中の「3a」は、最外に配置された内部電極層を示す。
層間誘電体層及び外側誘電体層
層間誘電体層2および外側誘電体層20の組成は、本発明では特に限定されないが、たとえば以下の誘電体磁器組成物で構成される。
本実施形態の誘電体磁器組成物は、たとえばチタン酸バリウムを主成分として有する誘電体磁器組成物である。
誘電体磁器組成物中に主成分と共に含まれる副成分としては、Mn,Cr,Si,Ca,Ba,Mg,V,W,Ta,Nb,R(RはY、希土類の1種以上)及びSiの酸化物及び焼成により酸化物になる化合物を一種類以上含有するものが例示される。副成分を添加することにより、還元雰囲気焼成においてもコンデンサとしての特性を得ることができる。なお、不純物として、C,F,Li,Na,K,P,S,Clなどの微量成分が0.1重量%以下程度、含有されてもよい。ただし、本発明では、層間誘電体層2及び外側誘電体層20の組成は、上記に限定されるものではない。
本実施形態では、層間誘電体層2および外側誘電体層20として、以下の組成のものを用いることが好ましい。その組成は、主成分としてチタン酸バリウムを含有し、副成分として酸化マグネシウムと酸化イットリウムとを含有し、更に他の副成分として酸化バリウム及び酸化カルシウムから選択される少なくとも1種と、酸化ケイ素、酸化マンガン、酸化バナジウム及び酸化モリブデンから選択される少なくとも1種とを含有するものである。そして、チタン酸バリウムをBaTiOに、酸化マグネシウムをMgOに、酸化イットリウムをYに、酸化バリウムをBaOに、酸化カルシウムをCaOに、酸化ケイ素をSiOに、酸化マンガンをMnOに、酸化バナジウムをVに、酸化モリブデンをMoOにそれぞれ換算したとき、BaTiO100モルに対する比率がMgO:0.1〜3モル、Y:0モル超5モル以下、BaO+CaO:0.5〜12モル、SiO:0.5〜12モル、MnO:0モル超0.5モル以下、V:0〜0.3モル、MoO:0〜0.3モル、V+MoO:0モル超である。
層間誘電体層2の積層数や厚み等の諸条件は、目的や用途に応じ適宜決定すればよいが、本実施形態では、層間誘電体層2の厚みxは、好ましくは2μm未満、より好ましくは1.5μm以下と薄層化されている。外側誘電体層20の厚みは、たとえば50μm〜数百μm程度である。
図2に示すように、層間誘電体層2は誘電体粒子2aと粒界相2cとを有する。図3に示すように、外側誘電体層20は誘電体粒子20aと粒界相20cとを有する。
ここで、層間誘電体層2に含まれる誘電体粒子2aの平均粒径をD50aとし、外側誘電体層20に含まれ、最外に配置された内部電極層3aから厚み方向(図では上下方向)に5μm以上離れた位置に存在する誘電体粒子20aの平均粒径をD50bとし、層間誘電体層2を形成するために用いる主成分原料の平均粒径をD50cとする。そして、D50aとD50bの比(D50a/D50b)をy1とし、D50aとD50cの比(D50a/D50c)をy3とし、前記D50aの2.25倍以上の粒径を持つ誘電体粒子(粗粒)が前記層間誘電体層2に含まれる誘電体粒子2a中に存在する比率をy2とする。また、層間誘電体層2の厚みをxとする。
このとき、第1の観点では、y1とxが、y1≦−0.75x+2.275、かつy1≧−0.75x+1.675の関係を満足する。たとえば、層間誘電体層2の厚みxが1.3μmのときに、y1が0.7〜1.3、好ましくは0.7〜1.2となるようにする。また、xが1.1μmのときに、y1が0.85〜1.45、好ましくは0.85〜1.3となるようにする。
第2の観点では、y2とxが、y2≦−25x+37.5、かつy2≧−2.75x+4.125の関係を満足する。たとえば、層間誘電体層2の厚みxが1.3μmのときに、y2が0.55〜5、好ましくは0.55〜3.5となるようにする。また、xが1.1μmのときに、y2が1.1〜10、好ましくは1.1〜8.5となるようにする。
第3の観点では、上記第1の観点と、第2の観点とを合わせたケースである。
第4の観点では、y3とxが、y3≦−0.95x+2.865、かつy3≧−0.95x+2.115の関係を満足する。たとえば、層間誘電体層2の厚みxが1.3μmのときに、y3が0.88〜1.63、好ましくは0.88〜1.5となるようにする。また、xが1.1μmのときに、y3が1.07〜1.82、好ましくは1.07〜1.70となるようにする。
y1>−0.75x+2.275やy1<−0.75x+1.675、y2>−25x+37.5やy2<−2.75x+4.125、y3>−0.95x+2.865やy3<−0.95x+2.115であると、焼成後に誘電体粒子2a,20aの粒成長を抑制できておらず、その結果、各種電気特性、特にTCバイアス特性の向上を図ることができないことが本発明者らにより見い出された。
D50aは、好ましくは0.05〜0.5μm、より好ましくは0.05〜0.4μmである。D50aが大きすぎると薄層化が困難となり、TCバイアスなどの電気特性が低下し、小さすぎると誘電率の減少を生じる。
D50bは、前記D50aと同じであることが好ましい。
D50a及びD50bは、以下のように定義される。
「D50a」とは、コンデンサ素子本体10を誘電体層2,20及び内部電極層3の積層方向に切断し、図2に示す断面において誘電体粒子2aの200個以上の平均面積を測定し、円相当径として直径を算出し1.5倍した値である。
「D50b」とは、図2に示す断面において誘電体粒子20aの200個以上の平均面積を測定し、円相当径として直径を算出し1.5倍した値である。
ここでのD50aは、内部電極層3の間に挟まれた層間誘電体層2(静電容量に寄与する部分)における誘電体粒子2aの平均粒径を意味する。
D50bは、内部電極層3の間に挟まれていない外側誘電体層20(静電容量に寄与しない部分)における誘電体粒子20aの平均粒径を意味する。
粒界相2cは、通常、誘電体材料あるいは内部電極材料を構成する材質の酸化物や、別途添加された材質の酸化物、さらには工程中に不純物として混入する材質の酸化物を成分としている。
内部電極層
図1に示す内部電極層3は、実質的に電極として作用する卑金属の導電材で構成される。導電材として用いる卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn、Cr、Co、Al、Ru、Rh、Ta、Re、Os、Ir、Pt及びWなどから選ばれる1種以上とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P、C、Nb、Fe、Cl、B、Li、Na、K、F、S等の各種微量成分が0.1重量%以下程度含まれていてもよい。
本実施形態では、内部電極層3の厚さは、好ましくは2μm未満、より好ましくは1.5μm以下と薄層化されている。
外部電極
図1に示す外部電極4としては、通常Ni,Pd,Ag,Au,Cu,Pt,Rh,Ru,Ir等の少なくとも1種又はそれらの合金を用いることができる。通常は、Cu,Cu合金、Ni又はNi合金等や、Ag,Ag−Pd合金、In−Ga合金等が使用される。外部電極4の厚さは用途に応じて適時決定されればよいが、通常10〜200μm程度であることが好ましい。
積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の製造方法の一例を説明する。
(1)まず、焼成後に図1に示す層間誘電体層2及び外側誘電体層20を構成することとなる誘電体層用ペーストと、焼成後に図1に示す内部電極層3を構成することとなる内部電極層用ペーストとを準備する。
誘電体層用ペースト
誘電体層用ペーストは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練して調製する。
誘電体原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、混合して用いることができる。誘電体原料は、通常、平均粒径D50cが0.5μm以下、好ましくは0.05〜0.4μm程度の粉体として用いられる。なお、「D50c」とは、原料の粒をSEMにて観察し、円相当径に換算して求めた値である。
有機ビヒクルは、バインダおよび溶剤を含有するものである。バインダとしては、例えばエチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などの通常の各種バインダを用いることができる。溶剤も、特に限定されるものではなく、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン、キシレン、エタノールなどの有機溶剤が用いられる。
誘電体層用ペーストは、誘電体原料と、水中に水溶性バインダを溶解させたビヒクルを混練して、形成することもできる。水溶性バインダは、特に限定されるものではなく、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョンなどが用いられる。
誘電体層用ペースト中の各成分の含有量は、特に限定されるものではなく、たとえば、約1〜約50重量%の溶剤を含むように、誘電体層用ペーストを調製することができる。
誘電体層用ペースト中には、必要に応じて、各種分散剤、可塑剤、誘電体、副成分化合物、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されていてもよい。誘電体層用ペースト中に、これらの添加物を添加する場合には、総含有量を、約10重量%以下にすることが望ましい。
内部電極層用ペースト
本実施形態では、内部電極層用ペーストは、導電材と、添加用誘電体原料と、有機ビヒクルとを混練して調製する。
導電材としては、NiやNi合金、さらにはこれらの混合物を用いる。このような導電材は、球状、リン片状等、その形状に特に制限はなく、また、これらの形状のものが混合したものであってもよい。また、導電材の粒子径は、通常、球状の場合、平均粒子径が0.4μm以下、好ましくは0.01〜0.2μm程度のものを用いることとする。より高度な薄層化を実現できるようにするためである。導電材は、内部電極層用ペースト中に、好ましくは35〜60重量%、含まれる。
添加用誘電体原料は、焼成過程において内部電極(導電材)の焼結を抑制する作用を奏する。
本実施形態では、添加用誘電体原料は、添加用主成分原料と、添加用副成分原料を含有する。本実施形態では、少なくとも、添加用誘電体原料に含まれる添加用主成分原料と、上記誘電体層用ペースト中の誘電体原料に含まれる主成分原料とが、実質的に同じ組成系であればよい。したがって、添加用誘電体原料の一部である添加用主成分原料のみが、上記誘電体層用ペースト中の誘電体原料に含まれる主成分原料と実質的に同じ組成系であってもよい。また、添加用誘電体原料の全部が、誘電体層用ペースト中の誘電体原料の全部と実質的に同じ組成系であってもよい。このように、少なくとも添加用主成分原料と、主成分原料とを実質的に同じ組成系にすることにより、内部電極層3から誘電体層2,20への拡散による誘電体層2,20の組成を変化させることがない。
本実施形態では、添加用誘電体原料中の添加用主成分体原料として、特定の格子定数を持つものを用いることが好ましい。特定の格子定数を持つ主成分原料を添加用として用いることにより、最終的に得られるコンデンサ1の各種電気特性の向上を図ることができる。添加用主成分原料の格子定数は、好ましくは4.000を超え4.057未満、より好ましくは4.004〜4.0475である。格子定数が小さすぎても大きすぎても各種電気特性の向上効果を得ることができない傾向がある。
本実施形態では、添加用誘電体原料中の添加用主成分体原料として、特定のOH基放出量を持つものを用いることが好ましい。特定のOH基放出量を持つ主成分原料を添加用として用いることにより、最終的に得られるコンデンサ1の各種電気特性の向上を図ることができる。添加用主成分原料のOH基放出量は、好ましくは25〜250、より好ましくは25〜150である。OH基放出量が少なすぎても多すぎても各種電気特性の向上効果を得ることができない傾向がある。
添加用主成分原料の平均粒径は、誘電体層用ペースト中の誘電体原料に含まれる主成分原料の粒径と同じでも良いが、より小さいことが好ましく、より好ましくは0.01〜0.2μm、特に好ましくは0.01〜0.15μmである。なお、平均粒径の値は、比表面積(SSA)と相関があることが知られている。
添加用誘電体原料(添加用主成分原料のみの場合もあるし、添加用主成分原料と添加用副成分原料の双方を含むこともある。以下、特に断りのない限り同じ)は、特に限定はされないが、たとえば、シュウ酸塩法、水熱合成法、ゾルゲル法、加水分解法、アルコキシド法などの工程を経て製造されることが好ましい。この方法を用いることにより、上記格子定数とOH基放出量を持つ誘電体原料を効率よく製造することができる。
添加用誘電体原料は、内部電極層用ペースト中に、導電材に対して、好ましくは10〜30重量%、より好ましくは15〜20重量%で含まれる。添加用誘電体原料の含有量が少なすぎると導電材の焼結抑制効果が低下し、多すぎると内部電極の連続性が低下する。すなわち添加用誘電体原料が少なすぎても多すぎても、いずれもコンデンサとしての十分な静電容量を確保できないなど不都合を生じうる。
有機ビヒクルは、バインダおよび溶剤を含有するものである。
バインダとしては、例えばエチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体などが例示される。バインダは、内部電極層用ペースト中に、導電材と添加用誘電体原料との混合粉末に対して、好ましくは1〜5重量%、含まれる。バインダが少なすぎると強度が低下する傾向にあり、多すぎると、焼成前の電極パターンの金属充填密度が低下し、焼成後に、内部電極層3の平滑性を維持することが困難になることがある。
溶剤としては、例えばテルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等公知のものはいずれも使用可能である。溶剤含有量は、ペースト全体に対して、好ましくは20〜50重量%程度とする。
内部電極層用ペーストには、可塑剤が含まれていてもよい。可塑剤としては、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。
(2)次に、誘電体層用ペーストと内部電極層用ペーストとを用いて、グリーンチップを作製する。印刷法を用いる場合は、誘電体層用ペースト及び所定パターンの内部電極層用ペーストをキャリアシート上に積層印刷し、所定形状に切断した後、キャリアシートから剥離してグリーンチップとする。シート法を用いる場合は、誘電体層用ペーストをキャリアシート上に所定厚みで形成して得られたグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを所定パターンで印刷した後、これらを積層してグリーンチップとする。
(3)次に、得られたグリーンチップを脱バインダする。脱バインダは、雰囲気温度T0を、たとえば図4に示すように、たとえば室温(25℃)から脱バイ保持温度T1に向けて所定の昇温速度で上昇させ、該T1を所定時間、保持させた後、所定の降温速度で下降させる工程である。
本実施形態では、昇温速度は、好ましくは5〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時間である。脱バイ保持温度T1は、好ましくは200〜400℃、より好ましくは220〜380℃であり、
該T1の保持時間は、好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは2〜20時間である。降温速度は、好ましくは5〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時間である。脱バインダの処理雰囲気は、好ましくは空気もしくは還元雰囲気である。還元雰囲気における雰囲気ガスとしては、たとえばNとHとの混合ガスを加湿して用いることが好ましい。処理雰囲気中の酸素分圧は、好ましくは10−45 〜10Paである。酸素分圧が低すぎると脱バインダ効果が低下し、高すぎると内部電極層が酸化する傾向にある。
(4)次に、グリーンチップを焼成する。焼成は、雰囲気温度T0を、たとえば図4に示すように、たとえば室温(25℃)から焼成保持温度T2に向けて所定の昇温速度で上昇させ、該T2を所定時間、保持させた後、所定の降温速度で雰囲気温度を下降させる工程である。
本実施形態では、昇温速度は、好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間である。焼成保持温度T2は、好ましくは1100〜1350℃、より好ましくは1100〜1300℃、さらに好ましくは1150〜1250℃であり、該T2の保持時間は、好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間である。T2が低すぎると、該T2の保持時間を長くしても緻密化が不十分となり、高すぎると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れや、内部電極層を構成する導電材の拡散による容量温度特性の悪化、誘電体層を構成する誘電体磁器組成物の還元が生じやすくなる。
降温速度は、好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間である。焼成の処理雰囲気は、好ましくは還元雰囲気である。還元雰囲気における雰囲気ガスとしては、たとえばNとHとの混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
焼成雰囲気中の酸素分圧は、好ましくは6×10−9〜10−4Paである。酸素分圧が低すぎると内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがあり、高すぎると内部電極層が酸化する傾向にある。
(5)次に、グリーンチップを還元雰囲気で焼成した場合には、これに引き続き熱処理(アニール)を施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これにより、最終物たるコンデンサの特性が得られる。
アニールは、雰囲気温度T0を、たとえば図4に示すように、たとえば室温(25℃)からアニール保持温度T3に向けて所定の昇温速度で上昇させ、該T3を所定時間、保持させた後、所定の降温速度で雰囲気温度T0を下降させる工程である。
本実施形態では、昇温速度は、好ましくは100〜300℃/時間、より好ましくは150〜250℃/時間である。アニール保持温度T3は、好ましくは800〜1100℃、より好ましくは900〜1100℃であり、該T3の保持時間は、好ましくは0〜20時間、より好ましくは2〜10時間である。T3が低すぎると、誘電体層2の酸化が不十分となるので、IRが低く、またIR寿命が短くなりやすい。T3が高すぎると、内部電極層3が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層3が誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、IRの低下、IR寿命の低下が生じやすくなる。
降温速度は、好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間である。アニールの処理雰囲気は、好ましくは中性雰囲気である。中性雰囲気における雰囲気ガスとしては、たとえば、加湿したNガスを用いることが好ましい。アニールに際しては、Nガス雰囲気下で保持温度T3まで昇温した後、雰囲気を変更してもよく、アニールの全過程を加湿したNガス雰囲気としてもよい。アニール雰囲気中の酸素分圧は、好ましくは2×10−4〜1Paである。酸素分圧が低すぎると誘電体層2の再酸化が困難であり、高すぎると内部電極層3が酸化する傾向にある。
本実施形態では、アニールは、昇温過程と降温過程とだけから構成してもよい。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場合、保持温度T3は最高温度と同義である。
上記した脱バインダ処理、焼成およびアニールにおいて、Nガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は0〜75℃程度が好ましい。
なお、脱バインダ、焼成、アニールは連続的に行っても良いし、分割して行っても良い。
以上の各処理により、焼結体で構成されるコンデンサ素子本体10が形成される。
(6)次に、得られたコンデンサ素子本体10に外部電極4を形成する。外部電極4の形成は、上記焼結体で構成されるコンデンサ素子本体10の端面を、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより研磨した後、その両端面に、通常Ni,Pd,Ag,Au,Cu,Pt,Rh,Ru,Ir等の少なくとも1種又はそれらの合金を含む外部電極用ペーストを焼き付けるか、あるいはIn−Ga合金を塗布する等、公知の方法にて形成することができる。必要に応じて、外部電極4表面に、めっき等により被覆層を形成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
たとえば、上述した実施形態では、脱バインダ処理、焼成およびアニールは、それぞれ独立して行っているが、本発明ではこれに限定されず、少なくとも2つの工程を連続して行なってもよい。連続して行なう場合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度T2まで昇温して焼成を行ない、次いで冷却し、アニールの保持温度T3に達したときに雰囲気を変更してアニールを行なうことが好ましい。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
誘電体層用ペーストの作製
まず、誘電体原料と、バインダーとしてのPVB(ポリビニルブチラール)樹脂と、可塑剤としてのDOP(フタル酸ジオクチル)と、溶媒としてのエタノールを準備した。誘電体原料は、主成分原料としての平均粒径D50cが0.2μmのBaTiOを複数準備し、各BaTiOに対して、副成分原料としての、MnCO:0.2モル%、MgO:0.5モル%、V:0.3モル%、Y:2モル%、CaCO:3モル%、BaCO:3モル%、SiO:3モル%を、ボールミルで16時間湿式混合し、乾燥して製造した。
次に、誘電体原料に対して、10重量%のバインダーと、5重量%の可塑剤と、150重量%の溶媒とをそれぞれ秤量し、ボールミルで混練し、スラリー化して誘電体層用ペーストを得た。
内部電極層用ペーストの作製
導電材としての平均粒径が0.4μmのNi粒子と、添加用誘電体原料と、バインダーとしてのエチルセルロース樹脂と、溶媒としてのターピネオールとを準備した。
添加用誘電体原料としては、前記誘電体層用ペースト中の誘電体原料と実質的に同じ組成系の、添加用主成分原料としてのBaTiOと、添加用副成分原料としてのMnCO、MgO、V、Y、CaCO、BaCO及びSiOとを含有するものを用いた。ただし、添加用主成分原料としてのBaTiOについては、各試料ごとに、表1に示すように、格子定数とOH基放出量を変化させたものを用いた。
表1での添加用主成分原料の格子定数は、XRD(理学社製rent2000)300mA,50kV 10−85度から得られるピーク位置から立方晶の格子定数として算出した値である。
また、表1での添加用主成分原料のOH基放出量は、FT−IR(フーリエ変換赤外分光)拡散反射法により、−OH伸縮振動起因の3510cm−1のピーク強度から算出した値である。
次に、導電材に対して20重量%の添加用誘電体原料を添加した。導電材及び添加用誘電体原料の混合粉末に対して、5重量%のバインダーと、35重量%の溶媒とを秤量して添加し、ボールミルで混練し、スラリー化して内部電極層用ペーストを得た。
積層セラミックチップコンデンサ試料の作製
得られた誘電体層用ペースト及び内部電極層用ペーストを用い、以下のようにして、図1に示す積層セラミックチップコンデンサ1を製造した。
まず、PETフィルム上に誘電体層用ペーストをドクターブレード法によって、所定厚みで塗布し、乾燥することで、厚みが2μmのセラミックグリーンシートを形成した。本実施例では、このセラミックグリーンシートを第1グリーンシートとし、これを複数枚、準備した。
得られた第1グリーンシートの上に、内部電極層用ペーストをスクリーン印刷法によって所定パターンで形成し、厚さ約1μmの電極パターンを持つセラミックグリーンシートを得た。本実施例では、このセラミックグリーンシートを第2グリーンシートとし、これを複数枚、準備した。
第1グリーンシートを厚さが300μmになるまで積層してグリーンシート群を形成した。このグリーンシート群の上に、第2グリーンシートを11枚積層し、この上にさらに、前記同様のグリーンシート群を積層、形成し、温度80℃及び圧力1トン/cmの条件で加熱・加圧してグリーン積層体を得た。
次に、得られた積層体を縦3.2mm×横1.6mm×高さ1.0mmのサイズに切断した後、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記の条件にて行い、焼結体を得た。脱バインダ処理、焼成およびアニールの各温度変化を示すグラフを図4に示す。
脱バインダは、昇温速度:30℃/時間、保持温度T1:250℃、保持時間:8時間、降温速度:200℃/時間、処理雰囲気:空気雰囲気、の条件で行った。
焼成は、昇温速度:200℃/時間、保持温度T2:1240℃、保持時間:2時間、降温速度:200℃/時間、処理雰囲気:還元雰囲気(酸素分圧:10−6PaにNとHとの混合ガスを水蒸気に通して調整した)、の条件で行った。
アニールは、昇温速度:200℃/時間、保持温度T3:1050℃、保持時間:2時間、降温速度:200℃/時間、処理雰囲気:中性雰囲気(酸素分圧:0.1PaにNガスを水蒸気に通して調整した)、の条件で行った。
D50a(層間誘電体層2に含まれる誘電体粒子2aの平均粒径)については、得られた焼結体を、内部電極層の積層方向に対して垂直な面で切断研磨し、サーマルエッチング処理(1200℃、10分)を施し、走査型電子顕微鏡(SEM)にて粒を観察し、粒面積を円の面積に換算して、その直径を1.5倍して求めた。
D50b(外側誘電体層20に含まれる誘電体粒子20aの平均粒径)については、外側誘電体層20に含まれ、最外に配置された内部電極層3aから厚み方向に5μm離れた位置に存在する誘電体粒子20aを、D50aと同様の方法で測定して求めた。
D50c(層間誘電体層2を形成するために用いる主成分原料の平均粒径)については、SEMにて粒を観察し、粒面積を円面積に換算して求めた。
なお、D50a、D50b、D50cのいずれも、n数=250個での平均値として算出されたものである。
電気特性の測定については、得られた焼結体の端面をサンドブラストにて研磨した後、In−Ga合金を塗布して、試験用電極を形成し、積層セラミックチップコンデンサ試料を得た。コンデンサ試料のサイズは、縦3.2mm×横1.6mm×高さ1.0mmであり、層間誘電体層2の厚みxは約1.3μm、内部電極層3の厚みは0.9μmであった。同様にして、層間誘電体層2の厚みxが約1.1μmのコンデンサ試料も作製した。
得られたコンデンサ試料のTCバイアス、温度特性及び比誘電率εを評価した。ただし、層間誘電体層2の厚みxが約1.3μmのコンデンサ試料については、TCバイアスと比誘電率のみを評価した。
TCバイアスについては、コンデンサ試料を、85℃に保持した恒温漕中で、LCRメーターにて、120Hz,0.5Vrms,2V/μmのバイアス電圧で測定し、20℃のバイアス電圧無印加中の測定値からの容量変化率を算出して評価した。評価基準は、誘電体厚み1.3μmでは−23%より大きくなるのを、誘電体厚み1.1μmでは−25%より大きくなるのを、それぞれ良好とした。
温度特性(TC)については、85℃の恒温槽中でLCRメーターにて、120Hz、0.5Vrms、0.5V/μmで測定し、−7.0%より大きくなるのを良好とした。
比誘電率εについては、コンデンサ試料に対し、基準温度25℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4274A)にて、周波数1kHz,入力信号レベル(測定電圧)1.0Vrmsの条件下で測定された静電容量から算出した(単位なし)。評価基準は、誘電体厚み1.3μmでは1800以上を、誘電体厚み1.1μmでは1700以上を、それぞれ良好とした。結果を表1〜2に示す。
Figure 0004182007
表1に示すように、1.3μmの層間誘電体層厚みを持つコンデンサ試料において、y1が0.7未満、y2が0.55未満、y3が0.88未満の試料1では、TCバイアス特性は良好であるが、εが劣る。y1が1.3超、y2が5超、y3が1.63超の試料7では、TCバイアス特性が劣り、εも低い。試料7でεが低下した理由は、誘電体層の粒成長が進み、粗粒子の存在量が多くなったことから、内部電極層の途切れが多くなったことによるものと考えられる。これに対し、y1が0.7〜1.3、y2が0.55〜5、y3が0.88〜1.63の試料2〜6では、TCバイアス特性が良好であり、εも十分な値を示していることが確認された。
y1が0.7〜1.3のみを満足する場合について、同様にしてコンデンサ試料を作製して実験したが、同様の結果が得られた。y2が0.55〜5のみを満足する場合について、同様にしてコンデンサ試料を作製して実験したが、同様の結果が得られた。y3が0.88〜1.63のみを満足する場合について、同様にしてコンデンサ試料を作製して実験したが、同様の結果が得られた。
Figure 0004182007
表2に示すように、1.1μmの層間誘電体層厚みを持つコンデンサ試料において、y1が0.85未満、y2が1.1未満、y3が1.07未満の試料8では、TCバイアス特性、温度特性は良好であるが、εが劣る。y1が1.45超、y2が10超、y3が1.82超の試料13では、TCバイアス特性、温度特性、εのいずれもが劣る。試料13でεが低下した理由は、誘電体層の粒成長が進み、粗粒子の存在量が多くなったことから、内部電極層の途切れが多くなったことによるものと考えられる。
これに対し、y1が0.85〜1.45、y2が1.1〜10、y3が1.07〜1.82の試料9〜12,12−1では、TCバイアス特性、温度特性、εのいずれもが良好であることが確認された。y1が同じ場合は、y2の値が小さいほど、TCバイアス特性が向上する。
また、表1と比較して、表2に示すように、層間誘電体層の厚みが薄層化されてくると(1.3μmから1.1μmへ)、コンデンサの内部構造の影響がより顕著となることが確認できた。
y1が0.85〜1.45のみを満足する場合について、同様にしてコンデンサ試料を作製して実験したが、同様の結果が得られた。y2が1.1〜10のみを満足する場合について、同様にしてコンデンサ試料を作製して実験したが、同様の結果が得られた(試料13−1)。y3が1.07〜1.82のみを満足する場合について、同様にしてコンデンサ試料を作製して実験したが、同様の結果が得られた。y1が0.85〜1.45で、y3が1.07〜1.82のみを満足する場合について、同様にしてコンデンサ試料を作製して実験したが、同様の結果が得られた(試料13−2)。
なお、xとy1の関係を図5に、xとy2の関係を図6に、xとy3の関係を図7に、それぞれ示した。
実施例2
層間誘電体層2の厚みを1.9μm、1.7μm、1.5μm、0.9μmと変化させた以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ試料を作製し、同様の評価を行った。その結果、同様の結果が得られた。
比較例1
層間誘電体層2の厚みを2.0μm、2.2μmと変化させた以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ試料を作製し、同様の評価を行った。
その結果、層間誘電体層2の厚みが2μm以上の場合は、添加用誘電体原料の影響が小さいため、誘電体層の粒成長がほとんど見られず、内部電極層中のセラミック粒子(添加用誘電体原料)による、層間誘電体層2の誘電体粒子の平均粒径にはほとんど差が認められなかった。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図である。 図2は図1に示す層間誘電体層2の要部拡大断面図である。 図3は図1に示す外側誘電体層20の要部拡大断面図である。 図4は実施例における脱バインダ処理、焼成およびアニールの各温度変化を示すグラフである。 図5は層間誘電体層2の厚みを示すxと、層間誘電体層2に含まれる誘電体粒子2aの平均粒径D50aと外側誘電体層20に含まれ、最外に配置された内部電極層3aから厚み方向に5μm離れた位置に存在する誘電体粒子20aの平均粒径D50bとの比(D50a/D50b)を示すy1との、関係を表すグラフである。 図6は層間誘電体層2の厚みを示すxと、前記層間誘電体層2に含まれる誘電体粒子2aの平均粒径をD50aとしたときの、該D50aの2.25倍以上の粒径を持つ誘電体粒子(粗粒)が前記誘電体粒子2a中に存在する比率を示すy2との、関係を表すグラフである。 図7は層間誘電体層2の厚みを示すxと、層間誘電体層2に含まれる誘電体粒子2aの平均粒径D50aと層間誘電体層2を形成するために用いたBaTiO原料の平均粒径D50cとの比(D50a/D50c)を示すy3との、関係を表すグラフである。
符号の説明
1… 積層セラミックコンデンサ
10… コンデンサ素子本体
2… 層間誘電体層
2a… 誘電体粒子
2c… 粒界相
20… 外側誘電体層
20a… 誘電体粒子
3,3a… 内部電極層
4… 外部電極

Claims (4)

  1. 内部電極層と、2μm未満の厚みを持つ層間誘電体層と、外側誘電体層とを有する積層セラミックコンデンサであって、
    前記内部電極層は、NiまたはNi合金から構成され、
    前記層間誘電体層および外側誘電体層は、主成分としてチタン酸バリウムを含有し、チタン酸バリウムをBaTiO に換算したときに、前記BaTiO 100モルに対して、副成分として、
    酸化マグネシウムを、MgO換算で、0.1〜3モル、
    酸化イットリウムを、Y 換算で、0モル超5モル以下、
    酸化バリウム及び酸化カルシウムから選択される少なくとも1種を、BaO及びCaO換算で、BaO+CaO:0.5〜12モル、
    酸化ケイ素を、SiO 換算で、0.5〜12モル、
    酸化マンガンを、MnO換算で、0モル超0.5モル以下、
    酸化バナジウム及び酸化モリブデンから選択される少なくとも1種を、V 及びMoO 換算で、V :0〜0.3モル、MoO :0〜0.3モル、V +MoO :0モル超、含有し、
    前記層間誘電体層及び外側誘電体層は、複数の誘電体粒子を含み、
    前記層間誘電体層に含まれる誘電体粒子の平均粒径をD50aとし、前記外側誘電体層に含まれ、最外に配置された内部電極層から厚み方向に5μm以上離れた位置に存在する誘電体粒子の平均粒径をD50bとしたときの該D50aとD50bとの比(D50a/D50b)をy1とし、
    前記層間誘電体層の厚みをxとしたときに、
    前記y1とxが、
    y1≦−0.75x+2.275、かつy1≧−0.75x+1.675の関係を満足する、ことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 内部電極層と、2μm未満の厚みを持つ層間誘電体層と、外側誘電体層とを有する積層セラミックコンデンサであって、
    前記内部電極層は、NiまたはNi合金から構成され、
    前記層間誘電体層および外側誘電体層は、主成分としてチタン酸バリウムを含有し、チタン酸バリウムをBaTiO に換算したときに、前記BaTiO 100モルに対して、副成分として、
    酸化マグネシウムを、MgO換算で、0.1〜3モル、
    酸化イットリウムを、Y 換算で、0モル超5モル以下、
    酸化バリウム及び酸化カルシウムから選択される少なくとも1種を、BaO及びCaO換算で、BaO+CaO:0.5〜12モル、
    酸化ケイ素を、SiO 換算で、0.5〜12モル、
    酸化マンガンを、MnO換算で、0モル超0.5モル以下、
    酸化バナジウム及び酸化モリブデンから選択される少なくとも1種を、V 及びMoO 換算で、V :0〜0.3モル、MoO :0〜0.3モル、V +MoO :0モル超、含有し、
    前記層間誘電体層は、複数の誘電体粒子を含み、
    前記層間誘電体層に含まれる誘電体粒子の平均粒径をD50aとしたときの、該D50aの2.25倍以上の粒径を持つ誘電体粒子(粗粒)が前記誘電体粒子中に存在する比率をy2とし、
    前記層間誘電体層の厚みをxとしたときに、
    前記y2とxが、
    y2≦−25x+37.5、かつy2≧−2.75x+4.125の関係を満足する、ことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  3. 内部電極層と、2μm未満の厚みを持つ層間誘電体層と、外側誘電体層とを有する積層セラミックコンデンサであって、
    前記内部電極層は、NiまたはNi合金から構成され、
    前記層間誘電体層および外側誘電体層は、主成分としてチタン酸バリウムを含有し、チタン酸バリウムをBaTiO に換算したときに、前記BaTiO 100モルに対して、副成分として、
    酸化マグネシウムを、MgO換算で、0.1〜3モル、
    酸化イットリウムを、Y 換算で、0モル超5モル以下、
    酸化バリウム及び酸化カルシウムから選択される少なくとも1種を、BaO及びCaO換算で、BaO+CaO:0.5〜12モル、
    酸化ケイ素を、SiO 換算で、0.5〜12モル、
    酸化マンガンを、MnO換算で、0モル超0.5モル以下、
    酸化バナジウム及び酸化モリブデンから選択される少なくとも1種を、V 及びMoO 換算で、V :0〜0.3モル、MoO :0〜0.3モル、V +MoO :0モル超、含有し、
    前記層間誘電体層及び外側誘電体層は、複数の誘電体粒子を含み、
    前記層間誘電体層に含まれる誘電体粒子の平均粒径をD50aとし、前記外側誘電体層に含まれ、最外に配置された内部電極層から厚み方向に5μm以上離れた位置に存在する誘電体粒子の平均粒径をD50bとしたときの該D50aとD50bとの比(D50a/D50b)をy1とし、
    前記D50aの2.25倍以上の粒径を持つ誘電体粒子(粗粒)が前記層間誘電体層に含まれる誘電体粒子中に存在する比率をy2とし、
    前記層間誘電体層の厚みをxとしたときに、
    前記y1とxが、
    y1≦−0.75x+2.275、かつy1≧−0.75x+1.675の関係を満足し、かつ
    前記y2とxが、
    y2≦−25x+37.5、かつy2≧−2.75x+4.125の関係を満足する、ことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記層間誘電体層を形成するために用いる主成分原料の平均粒径をD50cとしたときの前記D50aとD50cとの比(D50a/D50c)をy3とし、
    前記層間誘電体層の厚みをxとしたときに、
    前記y3とxが、
    y3≦−0.95x+2.865、かつy3≧−0.95x+2.115の関係を満足する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
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