JP4178442B2 - 制御弁式鉛蓄電池の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液量制限式の制御弁式鉛蓄電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
制御弁式鉛蓄電池は、実質的に遊離の電解液を含まないため横倒しに設置することが可能である。このように敷設の自由度が大きい利点があり、種々の用途に広く用いられている。また、生産能率が高いという利点から、近年制御弁式鉛蓄電池の製造において電槽化成方式が広く採用されている。
【0003】
従来、制御弁式鉛蓄電池に限らず鉛蓄電池の電槽化成においては、初回の充電を、充電のレートを10〜5時間率{0.1〜0.2ItA}とし、1セル当たりの充電電圧が2.7V/セルを超えた後も充電を継続して実施する。
【0004】
鉛蓄電池を化成するに際して、初回の充電時には、正極板からの酸素ガス(以下O2と記述する。)発生量が多い。特に充電電圧がセル当たり2.6V/セルを超えるとO2の発生量が急増する。制御弁式鉛蓄電池の場合、充電時に正極板から発生するO2を負極板上で還元し元の水分子に戻すことによって、電解液量が減少したり電解液中の硫酸濃度が上昇するのを防止している。
【0005】
しかし、負極板のO2の還元能力は、化成が進むと同時に向上するのであって、初回の充電時においてはその能力が低い。前記従来の化成の場合、初回の充電においてセル当たりの電圧が2.6Vを超えてしまう。このため、充電時に正極板で発生するO2は、負極板上で還元しきれず電池外に逸散してしまい、電解液の減少量が大となる。制御弁式鉛蓄電池は、電池内にフリーの電解液が存在しないよう、電解液量を極限にまで絞っている。このような電池においては、水分の消費による電解液量の低下が即電池の電気的特性の低下につながる。それ以外に、電解液のH2SO4の濃度が上昇するために極板に含まれるPbとH2SO4とが反応してPbSO4が生成し易い状況が生じる。このことによって、化成の効率が低下すると同時に正極板および負極板中のPbSO4の生成量が増大する。
【0006】
制御弁式鉛蓄電池の場合、化成工程の初回の充電で極板中に生成したPbSO4はその後の充電においても消失し難い。正極板中のPbSO4の生成は、電池に対して充電不足と類似の影響をもたらす。すなわち、PbSO4が生成した分、活物質であるPbO2の量が低下する。また、PbSO4は、電池の充放電を妨げ、活物質の利用率を低下させるので、前記Pb量の減少以上に電池の容量が低下する欠点があった。鉛蓄電池の容量低下の他、サイクル寿命や浮動充電寿命の低下を招く虞がある。
【0007】
また、鉛蓄電池における深放電は、極板中のPbSO4を電解液中に溶出させる効果がある。また、初回の放電における放電電気量が少ない場合、2回目以降の充電における充電受け入れ性が悪く、効率の良い化成が実施できない虞がある。2回目以降の充電における充電受け入れ性を良くするためには、初回放電の放電電気量を少なくとも電池の定格容量(以下単に定格容量と記述する)の5%以上にすることが望ましい。
【0008】
前記、本発明の係る鉛蓄電池の化成のように初回の充電を、充電電圧が2.6V/セルを超えない条件で行った場合、従来の通例の如く放電終止電圧を1.8〜2.0V/セルに設定すると初回の放電において定格容量の10%以上の放電電気量を確保するのが困難であった。
【0009】
従来の制御弁式鉛蓄電池は、電解液量を絞らずに十分な量の電解液を備える鉛蓄電池に比べ、充放電サイクルを繰り返し行った時や浮動充電を行った時に充電不足になる傾向があり、そのため、電池の持っている本来の容量を発揮できなかったり、特性の劣化が速いために耐用期間が十分でない欠点があった。
【0010】
以上記述した事情から放電性能に優れ、かつ、耐用期間の永い制御弁式鉛蓄電池が求められていた。また、該制御弁式鉛蓄電池を簡便に製造する方法が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の制御弁式鉛蓄電池の欠点に鑑みなされたものであって、電気的特性に優れ、且つ、耐用期間の長い制御弁式鉛蓄電池を簡便に製造する方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電槽化成によって化成を行う制御弁式鉛蓄電池の製造方法であって、電槽化成の初回の充電において、充電終了直前の電圧が2.6V/セルを超えず、かつ電池の定格容量に対して150〜250%の電気量を充電する。また、該初回の充電に引き続き実施する放電において、放電の終止電圧を0.5〜1.6V/セルとすることによって前記本発明に係る制御弁式鉛蓄電池を製造する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、液量を制限した制御弁式鉛蓄電池であって、完全充電した状態において正極板の活物質中に含まれるPbSO4の比率が3重量%以下である制御弁式鉛蓄電池である。ここでいう完全充電とは、温度常温においてレート0.1〜0.3ItAで定レートで充電し、充電電気量が該充電に先立つ放電電気量の110%以上、通常110〜120%に達するまで充電することをいう。
【0015】
また本発明においては、完全充電した状態において正極板の活物質中に含まれるPbO2の比率が95重量%以上とすることが望ましい。このことによって電池の放電容量を高める以外に充放電サイクル寿命や浮動充電寿命の優れた制御弁式鉛蓄電池とすることができる。
【0016】
1例を示すと、図1は、電圧が12ボルト(V)、定格容量が5アンペアアワー(Ah)モノブロック型の制御弁式鉛蓄電池を、化成の最終工程で完全充電した後の正極板中に含まれるPbSO4の比率が1.5重量%の本発明に係る実施例電池とPbSO4の比率が8重量%の比較例電池の充放電サイクル性能を比較したグラフである。
【0017】
前記充放電サイクル試験は、化成終了後の電池を対象として温度25℃において行った。1および2サイクル目の場合放電は、レート0.25ItAで放電終止電圧10.2Vとして実施した。充電は、レート0.1ItAで12時間充電した。3サイクル目以降においては放電は、レート0.25ItAで2時間放電し、レート0.1ItAで12時間充電した。該充放電サイクルを繰り返し実施した。なお、51サイクル目、101サイクル目、151サイクル目…というふうに50サイクルに1回電池容量評価のため1および2サイクル目と同様レート0.25ItAで放電終止電圧10.2Vとして実施した。充電は、レート0.1ItAで12時間充電した。50サイクル毎に実施する放電における放電持続時間が2時間を切った時点をもって供試電池のサイクル寿命とした。
【0018】
本発明に係る制御弁式鉛蓄電池と比較例の制御弁式鉛蓄電池は、極板群の構成において同じであるが、図1に示した如く、本発明に係る実施例電池の方が比較例電池に比べて放電容量が大きい。更に、サイクルの経過に伴う容量の低下が小さい点で優れている。
【0019】
図2は、化成終了後の前記実施例電池および比較例電池を、温度60℃において充電電圧を2.275V/セル(端子電圧:13.65V)として浮動充電(フローテイング)した時の充電電流の推移を示したグラフである。図2に示した如く、実施例電池のフロート電流は、比較例電池のフロート電流に比べて小さい。フロート電流は主として、電解液の水分子の電気分解に起因するものであり、図2に示す結果は、実施例電池においては水分子の分解が抑制され、電池が初期に近い状態のまま維持されていることを示唆している。
【0020】
前記供試電池を原則1ヶ月に1度浮動充電を停止して温度25℃、レート3ItA、放電終止電圧1.4V/セル(端子電圧:8.4V)として、放電試験に供した。図3は、該放電試験で得られた容量をプロットしたグラフである。図3に示すように、本発明に係る実施例電池は、浮動充電における容量低下が小さい。
【0021】
前記本発明に係る制御弁式鉛蓄電池は、後記の本発明に係る電槽化成工程を含む製造方法を適用することによって製造することができる。
【0022】
本発明に係る制御弁式鉛蓄電池の製造方法は、電槽化成によって液量制限式の制御弁式鉛蓄電池を製造する方法であって、化成工程の初回の充電を、充電終了直前の電圧が2.6V/セル以下において実施する。かつ、初回充電の充電電気量を電池の定格容量に対して150〜250%の範囲に設定する。このことによって、化成を実効あるものとすると同時に充電時に正極板での酸素の発生を抑制すると同時に電気分解による電解液量の減少を抑制し、前記本発明に係る制御弁式鉛蓄電池を製造することができる。
【0023】
本発明においては、前記初回充電のレートは特に限定されるものではない。従来一般的に採用されている0.1〜0.3ItAでの充電が適用できる。さらに、充電の高速化を図るために0.5〜1ItAでの充電も適用できる。ただし、3〜5ItAを超える高率で充電を行おうとすると充電電圧が上昇し、2.6V以下で定格容量の150〜250%充電することが難しくなる虞がある。従って、初回の充電は、1ItA以下のレートで行うことが望ましい。
【0024】
本発明においては、前記初回の充電に引き続いて放電電圧が0.5〜1.6Vの範囲に入るまで放電をする。本発明に係る化成のように初回の充電電気量を制限した場合、初回放電の放電終止電圧を従来方式のように1.9〜2.0Vに設定すると初回の放電電気量は電池の定格容量に対して多くても3〜5%という低い値になってしまう。本発明では、初回放電の放電終止電圧を前記のように低い値に設定することによって、定格容量に比して10%以上、さらには15%以上の放電電気量を確保する。前記のように該深放電の実施は、放電の過程で正極板に残存するPbSO4の溶出を促し放電時の反応抵抗を低減する効果がある。放電時の反応抵抗を低減することによって、放電をスムースに進行させ、該1回目の放電に続いて実施する2回目の充電における充電受け入れを向上させることができる。放電電圧が0.5Vを下回るまで放電を実施すると、極板表面へのデンドライト状物質の析出により内部短絡が発生する虞があるので避けることが望ましい。
【0025】
本発明においては、前記初回放電のレートは特に限定されるものではない。初回の放電レートとしては0.2〜1ItAが適用でき、中でも従来一般的に採用されているレート0.2〜0.5ItAが好ましい。初回の放電において放電レートが1ItAを超えると放電深度が浅くなる虞があり好ましくない。
【0026】
また、化成の効率を高めるために化成を温度40±10℃で行うことが望ましい。化成の温度が30℃未満では、化成が不十分となり電池の自己放電を大きくする虞がある。また、化成実施の温度が50℃を超えると極板に添加したリグニンが溶出したり、負極板中のPbSO4やPb23の生成量が増大したりする欠点がある。本発明において高率充電を適用した場合、充電中に電池内の発熱を伴う。従って、化成に際しては、電池を水浴に浸漬することによって電池温度の制御を容易にすることが望ましい。
【0027】
本発明に係る制御弁式鉛蓄電池の製造方法における電槽化成方法においては、従来と同じく充放電を3〜5回繰り返し実施する。2回目以降の充電および放電は従来と同じ条件が適用できる。例えば、充電はレート1.5〜5時間率{0.67〜0.2ItA}、終止電圧を2.8〜2.9V/セルに設定して充電し、放電はレート0.5〜0.2ItA、終止電圧を1.8〜2.0V/セルとして放電する。化成の最終工程でレート0.1〜0.3ItAで、充電電圧が2.8〜2.9V/セルに達した後も更に2〜5時間充電を継続することによって完全充電する。
【0028】
以下実施例に基づいて本発明の詳細な説明を行う。
(実施例)
図4は、本発明に係る制御弁式鉛蓄電池1に電槽化成用の保液タンク2を装着した様子を模式的に示した図である。電池1は、定格容量が5Ahの制御弁式鉛蓄電池であって、6セルを直列接続した構成のモノブロック型の電池である。各セルは、所定量の活物質を充填した正極板が3枚と、所定量の活物質を充填した負極板が4枚、および正極板と負極板の間に介在させたセパレータおよびリテーナで構成した極板群を備える。
【0029】
図4において、電池1に設けた各セルの注液口3と保液タンク2の連結用管4を嵌号させて両者を連結する。該保液タンクを経由して電解液である比重1.25の希硫酸50mlを各セルに注液した後、保液タンク2の上面に設けた注液口5に圧力調整弁6を装着して外気を遮断したのち電池1の正極端子7と負極端子8に化成用直流電源を接続して電槽化成を実施した。このように、化成中に外気の侵入を遮断することによって、負極板のPbが酸化されPbSO4が生成するのを防ぐことが望ましい。
【0030】
(実施例1)
(電槽化成の実施)
前記電池を電槽化成に供した。化成に際しては電池を40±3℃の水浴内に設置した。化成は、全で該条件にて実施した。電流2.5A{2時間率すなわち0.5ItA}の定電流で初回の充電を行った。図5に本実施例の化成工程の充電および放電曲線を示す。初回の充電を4.0時間でうち切った(定格容量の200%充電)。充電開始直後の充電電圧は3.33V/セル(端子電圧:20V)に達したが、充電開始後10分足らずの間に2.6V/セル(端子電圧:15.6V)以下に低下した。図5に示す如く、充電を続行するに伴い充電電圧が徐々に上昇する。本実施例における初回充電の終了直前の電圧はセル当たり2.23V/セル(端子電圧:13.4V)であった。引き続き、電流2.7A{1.85時間率すなわち0.54ItA}の定電流で初回の放電を行った。セル当たりの電圧0.5〜1.6Vの範囲に入った時点で放電をうち切った。放電終了時の実測電圧は0.73V/セル(端子電圧:4.4V)であった。初回の放電における放電電気量対電池の定格容量の比は約24%であった。
【0031】
初回と同一のレートで2回目の充電を実施した。該充電を4.73時間で充電をうち切った(定格容量の237%充電)。充電終了直前の充電電圧は2.77V/セル(端子電圧:16.6V)であった。該充電後初回と同じレートで放電終止電圧を1.8Vとして放電を実施した。2回目の放電電気量の定格容量に対する比率は、約50%であった。
【0032】
初回と同一のレートで3回目の充電を行った。該充電を4.0時間でうち切った(定格容量の200%充電)。充電中の最高の電圧は2.87V/セル(端子電圧:17.2V)、充電終了直前の電圧は2.8V/セル(端子電圧:16.8V)であった。該充電後初回と同じレートで放電終止電圧を2.0Vとして放電を実施した。該放電の放電電気量は、定格容量の約37%であった。
【0033】
初回と同一のレートで4回目の充電を行った。充電を5時間でうち切った(定格容量の203%充電)。充電電圧が2.8Vを超えた後の充電継続時間は4.05時間で放電終了直前の充電電圧は2.85V/セル(端子電圧:17.1V)であった。該充電によって電池を完全充電し、化成を終了した。化成の全所要時は、約20時間であった。
【0034】
(化成終了後の正極板に含まれるPbSO4およびPbO2比率の定量)
化成終了後の完全充電状態にある電池を解体し、正極板に含まれるPbSO4およびPbO2比率の定法による定量分析に供した。即ち、PbSO4の定量は、試料中のPbSO4を酢酸アンモニウム水溶液に溶解させた後、EDTAを用いたキレート滴定によった。また、PbO2については、粉砕した試料を酢酸ナトリウムを溶解した酢酸溶液に添加した後ヨードメトリによって定量した。実施例1の正極板の活物質に含まれるPbSO4およびPbO2の比率は、それぞれ1.5重量%、97.5重量%であった。
【0035】
(充放電サイクル試験)
化成終了後の実施例電池および比較例電池を前記の条件において充放電試験に供した。すなわち、試験温度を25℃とし、1および2サイクル目の場合放電は、レート0.25ItAで放電終止電圧1.7V/セル(端子電圧:10.2V)として実施した。充電は、レート0.1ItAで12時間充電した。3サイクル目以降においては放電は、レート0.25ItAで2時間放電し、レート0.1ItAで12時間充電した。該充放電サイクルを繰り返し実施した。なお、51サイクル目、101サイクル目、151サイクル目…というふうに50サイクルに1回電池容量評価のため1および2サイクル目と同様レート0.25ItAで放電終止電圧10.2Vとして実施した。充電は、レート0.1ItAで12時間充電した。50サイクル毎に実施する放電における放電持続時間が2時間を切った時点をもって供試電池のサイクル寿命とした。
【0036】
(浮動充電試験)
化成終了後の電池を前記同様温度60℃において浮動充電試験に供した。すなわち、浮動充電の印可電圧を2.275V/セル(端子電圧:13.65V)とした。浮動充電中の充電電流を計測し記録した。また、浮動充電試験を開始後1ヶ月毎に、温度25℃においてレート3ItA、終止電圧を1.4V/セル(端子電圧:8.4V)として放電した。放電持続時間が5分間を切った時点をもって浮動充電寿命とした。
【0037】
(実施例2)
次の条件で化成を実施した。電流1.0A{5時間率すなわち0.2ItA}の定電流で初回の充電を行った。充電を10時間で打ち切った(充電電気量は定格容量の200%である)。それ以外は、2回目以降4回目まで実施例1と同じ条件で充電を行った。
(実施例3)
次の条件で化成を実施した。電流5.0A{1時間率すなわち1ItA}の定電流で初回の充電を行った。充電を2.0時間で打ち切った(充電電気量は定格容量の200%である)。それ以外は、2回目以降4回目まで実施例1と同じ条件で充電を行った。
【0038】
(実施例4)
初回の充電を5.0時間で打ち切った(初回の充電電気量は定格容量の250%である)。それ以外は、4回目の充電まで実施例1と同じ条件で化成を行った。
(実施例5)
初回の充電を3.0時間で打ち切った(初回の充電電気量は定格容量の150%である)。それ以外は、4回目サイクル目まで実施例1と同じ条件で化成を行った。
【0039】
(比較例1)
実施例1において、初回の充電を6.0時間で打ち切った(充電電気量は定格容量の300%である)。それ以外は、4回目の充電まで実施例1と同じ条件で化成を行った。
(比較例2)
実施例1において、初回の充電を2.4時間で打ち切った(充電電気量は定格容量の120%である)。それ以外は、4回目の充電まで実施例1と同じ条件で化成を行った。
【0040】
(実施例6)
実施例1において初回の放電を、終止電圧1.8V/セル(端子電圧:10.8V)とした。それ以外は、実施例1と同じ条件で化成を行った。
(実施例7)
実施例1と同じ条件で化成を行った。ただし、初回の放電における終止電圧の実測値は0.5V/セル(端子電圧:3.0V)であった。
(実施例8)
実施例1において初回の放電を、終止電圧1.6V/セル(端子電圧:9.6V)とした。それ以外は、実施例1と同じ条件で化成を行った。
【0041】
(実施例9)
実施例1において初回の放電を、レート0.2ItAで行った。それ以外は、実施例1と同じ条件で化成を行った。
【0042】
(比較例3)
従来一般的に行われていた方法で電槽化成を実施した。具体的には、化成の温度を40℃とした。また、化成の充電および放電のレートを0.2ItAとした。また、放電の終止電圧を1.95V/セル(端子電圧:11.7V)とした。本比較例の化成工程における充放電曲線を図5に示す。初回の充電を20時間実施した。図5に示すように、該充電の20時間目における電池の電圧は、2.71V/セル(端子電圧:16.2V)であった。初回の放電時間は2.2時間であった。2回目充電を6.0時間実施し、6.0時間目の充電電圧は、2.84V/セル(端子電圧:17.0V)であった。2回目の放電時間は2.6時間であった。3回目の充電時間は11.2時間で11.2時間目の充電電圧は、2.88V/セル(端子電圧:17.3V)あった。3回目の放電時間は2.9時間であった。4回目の充電を14時間実施した。該充電において充電電圧が2.8Vに達した後の充電継続時間は10時間で充電の14時間目における電圧は、2.91V/セル(端子電圧:17.5V)あった。
【0043】
図5に示した如く、化成に要した時間は58.9時間であった。前記の如く、本発明の実施例1に係る電槽化成に要する時間は20時間であり、従来一般的に行われていた比較例3に係る電槽化成の所要時間と比較すると約1/3に短縮することができる。
【0044】
表1に実施例電池および比較例電池の電槽化成工程における初回の充電および放電の条件{充電レート、充電電気量、充電終了直前のセル電圧(表では充電電圧と表記した)、放電レート、放電終止電圧、放電電気量}と化成後の完全充電した電池の正極板の分析結果を示す。
【0045】
【表1】
Figure 0004178442
【0046】
表1に示す如く、本発明に係る実施例電池の正極に含まれるPbSO4の比率は3重量%以下であるのに対して、比較例電池の場合は、6、8および9重量%と高い値である。比較例電池1および比較例電池3の場合は、前記の理由によってPbSO4の比率が高くなったと推定される。また、比較例電池2の場合は、初回充電の充電電気量が小さ過ぎて実効のある化成ができていないものと考えられる。前記のように化成工程において一旦生成したPbSO4は、その後充放電を繰り返し行ってもなかなか減少しない。正極に含まれるPbSO4の多少が後記電池の充放電サイクル寿命や浮動充電寿命に大きく影響する。また、実施例電池の場合、正極に含まれるPbO2の比率が95重量%以上と高い値を示し、化成が良好に進んでいることを示している。実施例電池の中では実施例6のPbSO4の比率が若干高く、PbO2の比率が若干低い。これは、初回放電における放電終止電圧を1.8と高く設定したために、他の実施例電池と比較して放電電気量が小さくなった影響が出ているものと思われる。
【0047】
実施例電池および比較例電池を前記に示した温度25℃における充放電サイクル試験および温度60℃における浮動充電試験に供した。表2に実施例電池および比較例電池のサイクル寿命と浮動充電寿命を示す。
【0048】
【表2】
Figure 0004178442
【0049】
表2に示したように、化成後の完全充電状態における正極板のPbSO4の含有比率を3重量%以下とした実施例電池のサイクル寿命および浮動充電寿命は、比較例電池に比べて高い値を示している。これは、主として実施例電池の方が電解液の水分子の分解が抑制され極板の性能劣化が小さくなったことによると考えられる。
【0050】
以上記述した如く、本発明に係る制御弁式鉛蓄電池は、初期放電容量、充放電サイクル特性、浮動充電特性ともに優れており、容量、耐用期間の長さにおいて優れた特性が得られることを示している。
【0051】
本発明に係る電槽化成方法によれば、化成終了後の完全充電を行った状態において正極板に含まれるPbSO4の比率を3重量%以下とすることができ、従来の電槽化成による電池のPbSO4の比率6重量%以上に比べて大幅に削減することができる。また、初回の放電終止電圧を1.6V以下の低い値に設定することによって、初回の充電電気量を制限した場合においても化成の実効を上げることができる。
【0052】
また、本発明に係る電槽化成方法は、初回の充電電気量を充電時間によって規定するのみで実施できるので、従来の化成装置をほぼそのまま適用することができる。さらに、初回充電の充電電気量を小さくしていることと高率充電を適用することが可能なので、短時間で化成を終えることができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明の請求項1に係る製造方法は、従来方法に比べて、化成に要する時間の大幅な短縮を可能にするものである。
【0055】
本発明の請求項2に係る製造方法は、従来方法に比べて、正極板中のPbSO4の比率を一層低減することを可能にするものである。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例電池および比較例電池の充放電サイクル特性を示すグラフである。
【図2】本発明実施例電池および比較例電池の浮動充電における充電電流を示すグラフである。
【図3】本発明実施例電池および比較例電池の浮動充電の経過時間と放電容量の関係を示すグラフである。
【図4】本発明に係る制御弁式鉛蓄電池に電槽化成用の保液タンクを装着した様子を模式的に示す一部切欠断面図である。
【図5】制御弁式鉛蓄電池の本発明に係る電槽化成および比較例の電槽化成における充放電曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 制御弁式鉛蓄電池

Claims (2)

  1. 制御弁式鉛蓄電池を電槽化成によって製造する方法であって、該電槽化成における初回の充電を、充電終了直前のセル当たりの電圧が2.6V/セル以下、充電電気量を電池の定格容量に対して150〜250%として充電することを特徴とする制御弁式鉛蓄電池の製造方法。
  2. 前記初回充電後、放電終止電圧を0.5〜1.6V/セルの範囲に設定して放電することを特徴とする請求項記載の制御弁式鉛蓄電池の製造方法。
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