JP4158326B2 - アルカリ電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏平型構成によるコイン型アルカリ電池あるいはボタン型アルカリ電池に適用して好適なアルカリ電池に関わる。
【0002】
【従来の技術】
電子腕時計、携帯用電子計算機等の小型電子機器に使用されるコイン型あるいはボタン型のアルカリ電池は、図4にその概略断面図を示すように、正極缶1の開口端が、ガスケット2を介して負極カップ3によって封止される。
負極カップ3は、その開口端縁に断面U字状に外周面に沿って折り返された折り返し部13が形成され、この折り返し部13において、ガスケット2を介して正極缶1の開口端縁の内周面によって締めつけられて密封保持される。
【0003】
この負極カップ3は、ニッケルより成る外表面層31と、ステンレス(SUS)よりなる金属層32と、銅よりなる集電体層33との3層クラッド材がカップ状にプレス加工されて構成される。
【0004】
正極缶1内には、酸化銀もしくは二酸化マンガンを正極活物質とする正極合剤4が収容され、負極カップ3内には、正極合剤4とセパレータ5を介して水銀を含まない亜鉛または亜鉛合金粉末を負極活物質とする負極合剤6が配置され、アルカリ電解液が注入されて成る。
【0005】
負極合剤6は、亜鉛または亜鉛合金粉末に水銀をアマルガム化した汞化亜鉛を使用することにより、亜鉛または亜鉛合金粉末から発生する水素ガス(H2 )、更に亜鉛または亜鉛合金粉末が、負極カップの集電体層33の銅とアルカリ電解液を介して接触することによってこの集電体から発生する水素ガス(H2 ) を抑制するようにしている。
この水素ガス発生の反応は、亜鉛または亜鉛合金粉末がアルカリ電解液に溶解して起こる反応であり、亜鉛は酸化されて酸化亜鉛に変化するものである。
これに対し、上述したように、水銀によりアマルガム化された汞化亜鉛を使用することによって、水素発生の抑制を行うことができ、これによってこの水素発生に伴う容量保存性の低下、内圧の上昇による耐漏液性の低下、電池の膨れをそれぞれ抑制する効果を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年、環境問題から、これらコイン型あるいはボタン型アルカリ電池においても、水銀の使用をできるだけ回避する方向にあって、水銀の使用を回避するための多くの研究がなされている。
【0007】
例えばアルカリ電解液中の亜鉛または亜鉛合金粉末からの水素ガスの発生を抑える方法として、水素過電圧の高い金属を亜鉛粉に合金として添加する方法や、アルカリ電解液に水素発生を抑制するいわゆるインヒビターを添加する方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法によっても、亜鉛または亜鉛合金粉末が集電体とアルカリ電解液を介して接触することにより発生する水素ガスを完全に抑えることができない。
【0008】
この水素ガスの発生を効果的に抑えるために、図5に示すように、この集電体の銅よりも水素過電圧の高い金属である錫、インジウム、ビスマスの1種あるいは1種以上の合金より成る被覆層30を被着する方法の提案がなされている。
この被覆層30は、無電解メッキやバレルメッキなどで、上述した錫、インジウム、ビスマスやこれらの合金を被着することによって形成され、負極カップ3の内表面に全面的に形成される。
図5において図4と対応する部分には同一符号を附して重複説明を省略する。
【0009】
この被覆層30の形成によって水素ガスの発生は効果的に回避されるものの、この種の被覆層34は、銅による集電体層に比しアルカリ電解液の這い上がり、すなわちクリープ現象が生じ易いことが判明した。このため、例えば何らかの原因で水素ガスが発生して電池内の内圧が上昇した場合、正極缶1の開口端と負極カップ3との間の封止部から電解液が漏出するおそれが生じる。このような不都合を回避するために、図6に、負極カップ3の断面図を示すように、この被覆層30を、負極カップ3の折り返し部13のU字底部13aとこれよりの外周折り返し面13bと(負極カップ3とガスケット2と当接する部分)を除いて限定的に負極カップ内面に形成して、上述したクリープの問題の解決を図った。
【0010】
このようにしてクリープの問題の解決を図ることができるが、このようにしてもなお、上述した被覆層34において、仮にピンホール、亀裂、不純物の存在等による欠陥が発生した場合、この欠陥を通じて亜鉛または亜鉛合金が電解液を介して集電体の銅と接触することによって水素ガスが発生することを考慮すると、水銀を用いない構成による場合、この問題に対して充分対処できているものでない。
特に、負極カップを、被覆層30がクラッドされたクラッド材によって構成する場合、クラッド前の被覆層30において、傷や亀裂が存在しているとか、不純物が付着する可能性が高く、上述した水素ガス発生の危険性を、必ずしも排除し得ないというおそれがある。
【0011】
このため、未だ、水銀を含んでいないコイン型およびボタン型アルカリ電池は一般市場に出ていないという現状にある。
【0012】
本発明は、このような問題をも効果的に解決し、信頼性の高いアルカリ電池を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によるアルカリ電池においては、正極缶の開口端が、ガスケットを介して負極カップによって封止された構成を有する。
負極カップは、その開口端縁が断面U字状に外周面に沿って折り返され、この折り返し部がガスケットを介して正極缶の開口端縁の内周面によって締めつけられて密封保持される。
そして、この負極カップのU字底部を除き、上記ガスケットと当接されていない部分の内面に錫の被覆層が形成される。
正極缶内には、正極合剤が収容されるものであるが、特に本発明においては、酸化銀及び二酸化マンガンを正極活物質とし、銀・ニッケライト(AgNiO2)が添加された正極合剤が収容された構成とする。
また、負極カップ内には、正極合剤とセパレータを介して水銀を含まない亜鉛または亜鉛合金粉末を負極活物質とする負極合剤が配置され、アルカリ電解液が注入される。
【0014】
上述したように、本発明構成においては、負極カップの内面に、水素過電圧の高い錫(Sn)の被覆層を形成して水素の発生を効果的に回避するものの、この錫の被覆層をカップの周縁部、すなわち負極カップのU字底部及びガスケットと当接されている部分には形成しない構造とすることによって、電解液の這い上がりを防止する。
【0015】
更に加えて本発明においては、上述したように、正極合剤として、銀・ニッケライト(AgNiO2 )を添加した構成とする。これは、この銀・ニッケライトの添加によって、亜鉛または亜鉛合金粉末から発生する水素ガス(H2 ) 、および亜鉛または亜鉛合金粉末が負極カップの集電体層の銅とアルカリ電解液を介して接触することにより発生する水素ガス(H2 ) を吸収して内圧の上昇を抑制する効果が生じることを見出したことに基づく。
【0016】
まず、銀・ニッケライトの水素ガス吸収能力について説明する。
この銀・ニッケライトの水素ガスの吸収能力は、次の方法によって測定した。この場合、図3Aに示すように、アルミニウム箔をラミネートしたアルミラミネート袋21に、0.1gの試料22を、20mlの水素ガス23と共に入れて密封した。この袋を21を、試験容器24に収容し、流動パラフィン25を充填し密閉蓋体26によって密閉する。この場合、その密閉蓋体26から、目盛りが付された計測管27を導出し、初期状態で、流動パラフィン25は、この計測管27内にも浮上する充填量とされる。
【0017】
この状態で、60℃下で4時間放置した。このときの図3Bで示す袋21内の水素の減少量すなわち試料22による水素の吸収量を、計測管27における流動パラフィン25の減少量に測定した。
この測定方法によって、それぞれ銀・ニッケライト(AgNiO2 )、酸化銀(Ag2 O)、二酸化マンガン(MnO2 )を試料22として測定した水素ガスの吸収量は、AgNiO2 が54.7〔ml/g〕であり、Ag2 Oが6.2〔ml/g〕であり、MnO2 が0.1〔ml/g〕であった。
すなわち、二酸化マンガン(MnO2 )は、水素ガスを吸収しないのに対し、酸化銀(Ag2 O)には水素ガス吸収能力を有することが分かるが、AgNiO2 は、格段にすぐれた水素ガス吸収能力を有することがわる。しかも、このAgNiO2 の水素ガス吸収速度はきわめて速い。
【0018】
そして、このように、酸化銀(Ag2 O)や銀・ニッケライト(AgNiO2 )に水素ガス吸入能力があるのは、水素ガス(H2 ) との酸化還元反応、すなわち、
Ag2 O+H2 →2Ag+H2 O
AgNiO2 +2H2 →Ag+Ni+2H2 O
によるものと考えられる。
【0019】
このように、銀・ニッケライト(AgNiO2 )が、酸化銀(Ag2 O)に比較して水素ガス(H2 )の吸収速度がきわめて大きい理由については、明確ではないが、ニッケライトが水素ガス(H2 )との酸化還元反応において反応性にすぐれているためと思われる。
【0020】
因みに、銀・ニッケライトは、アルカリ電池の正極活物質として作用し、良導電性を有していることが知られている(特公昭62−11460号公報、特開平8−171903号公報)。また、銀・ニッケライトにはH2ガスを吸収する作用があり、円筒形アルカリ電池において用いられることの報告もなされているが、本発明においては、上述した正極缶に負極カップが閉蓋されたいわゆる偏平型構成によるコイン型ないしはボタン型において、その負極カップの内面に限定的に錫による被覆層を形成する構成として、この電解液のクリープの生じ易い錫による被覆層の存在による電解液の這い上がりによる耐漏液の低下を回避することと、正極合剤として、銀・ニッケライト(AgNiO2)を添加した構成とすることによる水素の吸収効果による内圧上昇の抑制効果とが相俟ってより確実に耐漏液を高めることができたものである。
すなわち、本発明構成によれば、仮に、錫の被覆層にピンホールや亀裂、不純物等が存在した場合においても、銀・ニッケライトの存在によって素早く、高い吸収能力をもって水素の吸収がなされることから、内圧の上昇が抑えられ、また、上述した電解液の這い上がりの改善によって耐漏液性が格段に改善される。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による偏平型のコイン型ないしはボタン型アルカリ電池の一実施形態の一例の概略断面図である。
この場合、前述したと同様に、正極缶1の開口端が、ガスケット2を介して負極カップ3によって封止される。
【0022】
正極缶1は、ステンレススティール板に、ニッケルメッキを施した構成とされ、正極端子を兼ねた構成とされる。
この正極缶1内には、酸化銀及び二酸化マンガンを正極活物質とし、銀・ニッケライト(AgNiO2)が5重量%以上60重量%以下添加された正極合剤4が、コイン状もしくはボタン状に成形されたペレットが収容配置される。
【0023】
このようにAgNiO2 の添加を、5〜60重量%とするのは、前述した水素吸収効果が充分得られ、かつペレット状の成形が容易にできることを見出したことによる。
すなわち、AgNiO2 が、5重量%未満では、電池内に水素ガスが発生した場合において、この水素を吸収して内圧の上昇を抑制する効果が不十分であり、また60重量%を越えると、加圧成形が困難になって量産性を低下させることに因る。
活物質は、酸化銀(Ag2O)、及び二酸化マンガン(MnO2)の混合物を用いることができる。
【0024】
そして、この正極缶1内の正極合剤4上に、セパレータ5を配置する。このセパレータ5は、例えば不織布、セロファン、ポリエチレンをグラフト重合した膜の3層構造とすることができる。そして、セパレータ5に、アルカリ電解液を含浸させる。
アルカリ電解液としては、例えば水酸化ナトリウム水溶液、あるいは水酸化カリウム水溶液を用いることができる。
【0025】
正極缶1の開口端縁の内周面に例えばナイロン製のリング状ガスケット2を配置する。
そして、このガスケット2内のセパレータ5上に、負極合剤6を配置する。
この負極合剤6は、非含有水銀すなわち、水銀を含まない亜鉛または亜鉛合金粉末とアルカリ電解液、増粘剤等からなるジェル状をなす。
【0026】
この負極合剤6を収容するように、正極缶1の開口端縁内に、負極カップ3を挿入する。
この負極カップ3は、その開口端縁に断面U字状に外周面に沿って折り返された折り返し部13が形成され、この折り返し部13において、ガスケット2を介して正極缶1の開口端縁の内周面によって締めつけられて密封保持される。
この負極カップ3は、ニッケル外表面層31と、ステンレス金属層32と、銅よりなる集電体層33との3層クラッド材に、その集電体層33上に、銅より水素過電圧の高い錫を、メッキして錫被覆層34が被着された板材を形成し、これを、錫被覆層34側を内側にしてカップ状にプレス加工して構成することができる。この場合の錫被覆層34は、メッキによるほか、蒸着、スパッタリングによって形成することもできる。
あるいは、上述した3層クラッド材を、集電体層33を内側にしてカップ状にプレス加工して後に、カップ内に錫の無電解メッキ液を滴下して流延被着することによって錫被覆層34を形成することによって負極カップ3を形成することもできる。また、同様にカップ状プレス加工の後に、錫被覆層34を蒸着、スパッタリングによって形成することもできる。
【0027】
この負極カップ3における錫被覆層34は、負極カップ3の折り返し部13のU字底部13aと、これよりの外周折り返し面13bと(負極カップ3とガスケット2と当接する部分)を除いて負極カップ3の内面の限定された領域に形成する。この錫被覆層34の形成は、その形成時点で、上述した限定された領域に、限定的に形成することもできるし、全領域に形成して後、不要部分をエッチング等によって排除あるいは剥離することによって限定された領域に形成することもできる。
【0028】
錫被覆層34の厚さは、0.15μm〜100μmに選定することが好ましい。これは、0.15μm未満の厚さでは、この錫被覆層34に、ピンホールが発生することが考えられ、集電体層33を確実に被覆することができない場合が生じ、信頼性に問題が生じるおそれがあり、また、100μmを越えるとこの錫被覆層34の効果の差がない上に、その形成に長時間と、コスト高を来し、また、電池内の容積の低下を来すなど、なんらその膜厚を大きくすることによる特段の利益が生じないことによる。
【0029】
次に、本発明の実施例を挙げて説明する。
〔実施例1〕
この場合、図1で示した構造のSR626SW電池を構成した。先ず、図2に示すように、上述したニッケル外表面層31と、ステンレス(SUS304)による金属層32と、銅による集電体層33との3層による厚さ0.2mmの3層クラッド材40を用意した。このクラッド材40に、位置決め用孔41を穿設する。この位置決め用孔41は、後述するマスキングテープへの透孔の穿設に際しての位置決めと、負極カップのプレス加工時の位置決めに用いられるものである。
クラッド材40の、銅による集電体層33側の面に、マスキングテープ42を貼着した。次に、このマスキングテープ42に直径5.5mmの円形状の透孔43を9mmピッチで穿設した。
このマスキングテープ42を、メッキマスクとして、その透孔43を通じて外部に露呈した、クラッド材40の集電体層33上に、限定的に、錫の電解メッキを行って、厚さ0.15μmの円形状の錫被覆層34を形成した。
その後、純水での洗浄処理を行って後、エアー乾燥を行い、マスキングテープ42を剥離排除し、更に、仕上げ洗浄を行い、乾燥した。このようにしてクラッド材40の銅よりなる集電体層上の選択的された位置に、錫被覆層34を点在して形成した。
【0030】
このクラッド材40の、各錫被覆層34が形成された部分を、打ち抜きプレス加工することによって、図1で説明した周縁に折り返し部13が形成され、そのU字底部13aと、外周折り返し面13b(負極カップ3とガスケット2と当接する部分)を除いて内面に錫被覆層34が形成された負極カップ3を成形した。
【0031】
一方、28重量%の水酸化ナトリウム水溶液のアルカリ電解液を注入し、次に銀・ニッケライト(AgNiO2 )が10重量%、酸化銀(Ag2 O)69.5重量%、二酸化マンガン(MnO2 )20重量%、四フッ化ポリエチレン(PTFE)(結合剤)0.5重量%から成る正極合剤4をディスク状に成形したペレットを、前述した正極缶1内に挿入して、正極合剤4にアルカリ電解液を吸収させる。
【0032】
この正極合剤1によるペレット上に、不織布、セロファン、ポリエチレンをグラフト重合した膜の3層構造の円形状に打ち抜いたセパレータ5を装填し、このセパレータ5に、28重量%の水酸化ナトリウム水溶液のアルカリ電解液を滴下して含浸させた。
【0033】
このセパレータ5上に、水銀を含まないアルミニウム、インジウム、ビスマスを含む亜鉛合金粉、増粘剤、水酸化ナトリウム水溶液から成るジェル状の負極合剤6を載置し、この負極合剤6を覆って負極カップ3を、正極缶1の開口端縁内に、66ナイロンに610ナイロンを塗布して成るナイロン製リング状ガスケット2を介して挿入し、スエージ(横締め)してかしめつけて密封してアルカリ電池を作製した。
【0034】
〔実施例2〕
実施例1と同様の構成によるものの、この実施例2においては、錫被覆層34の電解メッキの厚さを0.86μmとした。
【0035】
〔実施例3〕
実施例1と同様の構成によるものの、この実施例3においては、錫被覆層34の電解メッキの厚さを1.55μmとした。
〔実施例4〕
実施例1と同様の構成によるものの、この実施例4においては、錫被覆層34の電解メッキの厚さを4.25μmとした。
【0036】
〔実施例5〕
実施例1と同様の構成によるものの、この実施例5においては、錫被覆層34を無電解メッキによって形成し、その厚さを0.15μmとした。この無電解錫メッキは、25℃で10分間行い、その後流水で5分間洗浄し、エタノール中に2分間浸漬した後、60℃乾燥機中で15分間乾燥を行った。
【0037】
〔実施例6〕
実施例1と同様の構成によるものの、この実施例6においては、錫被覆層34を真空中スパッタリングによって形成し、その厚さを0.15μmとした。
【0038】
〔実施例7〕
実施例1と同様の構成によるものの、この実施例7においては、錫被覆層34を真空中スパッタリングによって形成し、その厚さを0.30μmとした。
【0039】
〔比較例1〕
この比較例1においては、負極カップとして、内面に銅に比して水素過電圧の高い被覆層を全く設けない構造とした場合で、他の構造は、実施例1と同様とした。
【0040】
〔比較例2〕
この比較例2においては、負極カップ3の銅による集電体層33の全表面に、すなわち折り返し部13のU字底部13aおよび外周折り返し面13b(負極カップ3とガスケット2と当接する部分)を含めて実施例5と同様に無電解メッキによって錫被覆層34を形成し、他の構造は、実施例1と同様とした。
【0041】
上述した各実施例1〜7、比較例1および2による電池をそれぞれ20個づつ用意した。これら電池を、オーブン内で、45℃、相対湿度93%の過酷環境下で保存し、100日後、120日後、140日後、および160日後の漏液発生率について測定した結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1から明らかなように、水銀を含まない電池としたにも拘わらず、負極カップに錫被覆層34を形成し、しかもその折り返し部13のU字底部13aおよび外周折り返し面13b(負極カップ3とガスケット2と当接する部分)にこの錫被覆層34の形成を回避した構造による本発明の実施例1〜7の電池においては、140日を経過しても漏液の発生は全く認められず、160日に及んで5%の漏液がみられた。これに対し、錫被覆層の形成がなされなかった比較例1の電池では、120日ですでに漏液の発生が生じ、160日ではその殆ど(85%)に漏液の発生が見られた。また、錫被覆層の形成を行ったものの、負極カップ3の折り返し部13においても錫被覆層34を形成した比較例2の電池においては、比較例1の電池に比しては優れた耐漏液が図られたが、140日の経過で、漏液の発生が多くみられ始め、160日において、過半数の電池で漏液が発生した。これは、錫被覆層34については、アルカリ電解液のクリープが大きいが、この負極カップ3における折り返し部13、すなわちそのU字底面13aとその外周折り返し面13bとに、この錫被覆層34が欠落した部分を設けることによってこの錫被覆層34に沿って、負極カップの周面に沿って電解液の這い上がりが発生し易くなることが回避され、これによって、耐漏液性が向上したと考えられるものである。
【0044】
また、上述した各実施例1〜7、比較例1および2による電池をそれぞれ5個づつ用意した。これらについて、30kΩの負荷で、終止電圧1.4Vまで放電し、放電容量をそれぞれ測定し、これを各電池の初度の放電容量とした。次に、ドライオーブンによって、60℃で100日間の保存による加速試験(常温で5年分に相当)を行った。これら各実施例1〜7および比較例1および2による上述した各5個の電池に関する初度の放電容量と、上述した保存後の容量(mAh)をそれぞれ測定した値の各5個の平均値を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
この表2によれば、負極カップ内に錫被覆層34を、0.15μm以上の厚さに形成すれば、比較例1による錫被覆層を設けない場合に比し、放電容量の改善が見られる。これは、集電層のCuに比し、水素過電圧が高い錫Snが形成されていることによって水銀の使用を回避したにも拘わらず、この錫被覆層によって亜鉛の劣化、すなわち水素発生が抑制される効果を有することによると考えられる。
しかしながら、比較例2におけるように、負極カップ3の折り返し部13にも錫被覆層が形成された場合、放電容量の保存性が改善されるが、表1で説明したように、この場合、耐漏液性は低下する。
【0047】
また、このように、錫被覆層34の存在によって水素発生が抑制されることは、電池の総高H(すなわち電池の正極缶1の底面から、負極カップの上面迄の間隔)の変化の測定によっても確認される。すなわち、上述した実施例1〜7、比較例1および2による各5個の電池について、同様にドライオーブン内で60℃で10日間の保存し、その後において、各電池の上述した60℃10日間の保存前の総高Hに対する変化量ΔHを測定し、各5個の電池の総高変化量ΔHの各平均値を表3に示した。因みに、これら電池の、60℃で10日間の保存前においての、総高は2.6mm程度であった。
【0048】
【表3】
【0049】
この表3に示す結果から明らかなように、錫被覆層34を全く設けなかった比較例1は、格段に総高が大きく変化している。これは、水素発生が顕著に生じたことを示すものである。
【0055】
〔実施例8〕
実施例1と同様の構成とするものの、この実施例8においては、その正極合剤4の組成を、AgNiO2が5重量%、Ag2Oが74.5重量%、MnO220重量%、PTFE0.5重量%とした。
【0056】
〔実施例9〕
実施例1と同様の構成とするものの、この実施例9においては、その正極合剤4の組成を、AgNiO2が20重量%、Ag2Oが59.5重量%、MnO2が20重量%、PTFEが0.5重量%とした。
【0057】
〔実施例10〕
実施例1と同様の構成とするものの、この実施例10においては、その正極合剤4の組成を、AgNiO2が40重量%、Ag2Oが39.5重量%、MnO2が20重量%、PTFEが0.5重量%とした。
【0058】
〔実施例11〕
実施例1と同様の構成とするものの、この実施例11においては、その正極合剤4の組成を、AgNiO2が60重量%、Ag2Oが19.5重量%、MnO2が20重量%、PTFEが0.5重量%とした。
【0064】
〔比較例3〕
実施例1と同様の構成とするものの、この比較例3においては、その正極合剤4の組成を、AgNiO2 が0重量%、Ag2 Oが99.5重量%、MnO2 が0重量%、PTFEが0.5重量%とした。
【0065】
〔比較例4〕
実施例1と同様の構成とするものの、この比較例4においては、その正極合剤4の組成を、AgNiO2 が3重量%、Ag2 Oが96.5重量%、MnO2 が0重量%、PTFEが0.5重量%とした。
【0066】
〔比較例5〕
実施例1と同様の構成とするものの、この比較例5においては、その正極合剤4の組成を、AgNiO2 が0重量%、Ag2 Oが79.5重量%、MnO2 が20重量%、PTFEが0.5重量%とした。
【0067】
〔実施例12〕
実施例1と同様の構成とするものの、この実施例12においては、その正極合剤4の組成を、AgNiO2が3重量%、Ag2Oが76.5重量%、MnO2が20重量%、PTFEが0.5重量%とした。
【0068】
〔比較例6〕
実施例1と同様の構成とするものの、この比較例6においては、その正極合剤4の組成を、AgNiO2を0重量%、Ag2Oが0重量%、MnO2が99.5重量%、PTFEが0.5重量%とした。
【0069】
〔比較例7〕
実施例1と同様の構成とするもの、この比較例7においては、その正極合剤4の組成を、銀・ニッケライトAgNiO2を3重量%、酸化銀が0重量%、二酸化マンガンが96.5重量%、四フッ化ポリエチレン0.5重量%とした。
【0070】
上述した実施例8〜12、比較例3〜7の各5個の電池を用意し、これらについて、45℃で相対湿度93%でそれぞれ100日、120日、140日、160日経過後の漏液発生率を表4に列記した。また、60℃10日保存後の、総高の、この60℃10日保存前の総高Hに対する総高の変化量ΔHの測定結果の、各5個に関する平均値を表4に示した。
【0071】
【表4】
【0072】
表4から分かるように、正極合剤4中に、銀・ニッケライトが5重量%以上含まれる場合、漏液発生率は減少し、総高変化量ΔHも減少する。
これは、正極合剤4に、水素ガス吸収速度がきわめて大きい銀・ニッケライトを添加したことで、電池内で亜鉛または亜鉛合金粉末から発生する水素ガスH2および亜鉛または亜鉛合金粉末が、銅の集電体層33とアルカリ電解液を介して接触することにより集電体層から発生する水素ガスH2を吸収するので、このアルカリ電池の内圧が上昇せず漏液が抑制され、電池の膨れが抑制されるためと考えられる。
【0073】
上述したように、本発明によれば、負極カップ3の内面に、集電体層33の銅より水素過電圧の高い錫被覆層34を設けたので、水素ガスの抑制効果と共に、この負極カップ3の折り返し部13のU字底部13aおよび外周折り返し面13b(負極カップ3とガスケット2と当接する部分)においては、この錫被覆層34を欠除させたことによって、この錫によるクリープ減少を、負極カップ3の周縁に発生させることを回避できて、耐漏液性の向上が図られる。
【0074】
更に、正極合剤4に、銀・ニッケライトAgNiO2 が5重量%以上添加したので、負極カップ3の錫被覆層34になんらかの原因で、ピンホールや、傷、亀裂、不純物等が存在する場合において、亜鉛または亜鉛合金粉末が集電体層33とアルカリ電解液を介して接触したり、錫被覆層34に不純物が付着していた場合等において、水素ガスが発生することがあっても、この水素ガスを吸収する効果を有することによって内圧が上昇することが効果的に回避される。
したがって、漏液を発生したり、電池の膨れの発生を回避でき、信頼性の高いボタン型、コイン型アルカリ電池を構成することができる。
【0075】
尚、本発明による電池は、上述した例に限定されるものではなく、電池構成において、種々の変形変更を行うことができる。
【0076】
【発明の効果】
上述したように、本発明構成においては、負極カップの内面に、水素過電圧の高い錫(Sn)の被覆層を形成して水素の発生を効果的に回避するものの、この錫の被覆層をカップの周縁部、すなわち負極カップのU字底部及びガスケットと当接されている部分には形成しない構造とすることによって、電解液の這い上がりを防止でき耐漏液性を向上することができ、信頼性の高いアルカリ電池を構成することができる。
【0077】
更に加えて本発明においては、上述したように、正極合剤として、銀・ニッケライト(AgNiO2 )を添加した構成としたことにより、この銀・ニッケライトの添加によって、亜鉛または亜鉛合金粉末から発生する水素ガスH2 、および亜鉛または亜鉛合金粉末が負極カップの集電体層の銅とアルカリ電解液を介して接触することにより発生する水素ガスH2 を効果的に吸収し、更に錫被覆層による水素の吸収効果とによって、より内圧の上昇を抑制することができることによって、上述した電解液の這い上がりの防止との相乗効果によって、より耐漏液性を向上することができ、信頼性の高いアルカリ電池を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアルカリ電池の一例の概略断面図である。
【図2】本発明によるアルカリ電池の一例の製造方法の一工程の平面図である。
【図3】AおよびBは、水素ガス吸収試験方法の説明図である。
【図4】従来のアルカリ電池の概略断面図である。
【図5】従来のアルカリ電池の概略断面図である。
【図6】本発明の説明に供するアルカリ電池の負極カップの概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・正極缶、2・・・ガスケット、3・・・負極カップ、4・・・正極合剤、5・・・セパレータ、6・・・負極合剤、13・・・折り返し部、13a・・・U字底部、13b・・・外周折り返し面、30・・・被覆層、31・・・外表面層、32・・・金属層、33・・・集電体層、34・・・錫被覆層、40・・・クラッド材、41・・・位置決め用透孔、42・・・マスキングテープ
Claims (5)
- 正極缶の開口端が、ガスケットを介して負極カップによって封止され、
該負極カップは、その開口端縁が断面U字状に外周面に沿って折り返され、該折り返し部が上記ガスケットを介して上記正極缶の開口端縁の内周面によって締めつけられて密封保持され、
上記負極カップのU字底部を除き、上記ガスケットと当接されていない部分の内面に錫の被覆層が形成されて成り、
上記正極缶内には、酸化銀及び二酸化マンガンを正極活物質とし、銀・ニッケライト(AgNiO2)が添加された正極合剤が収容され、
上記負極カップ内には、上記正極合剤とセパレータを介して水銀を含まない亜鉛または亜鉛合金粉末を負極活物質とする負極合剤が配置され、
アルカリ電解液が注入されて成るアルカリ電池。 - 上記銀・ニッケライトの正極合剤に対する添加量が5重量%以上60重量%以下とされた請求項1に記載のアルカリ電池。
- 上記錫の被覆層の膜厚を、0.15μm以上とした請求項1に記載のアルカリ電池。
- 上記負極カップが、上記錫の被覆層を形成する錫メッキ層を有する金属板のプレス加工体より成る請求項1に記載のアルカリ電池。
- 上記負極カップが、金属板のプレス加工体より成り、該カップ内面に無電解錫メッキ液の被着による錫の被覆層が形成されて成る構成とした請求項1に記載のアルカリ電池。
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