JP5219385B2 - アルカリ乾電池用活物質及びその製造方法並びにそれを用いた電池 - Google Patents

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本発明は、アルカリ乾電池、詳しくは、アルカリ乾電池の正極に用いられるアルカリ乾電池用正極活物質に関する。本発明に係る活物質は、高負荷放電から低負荷放電までの広い範囲で大きな放電容量を示すことから、アルカリ乾電池の放電特性を向上させるものである。
近年、アルカリ乾電池などの一次電池の用途は拡大され、例えば時計及びリモコンのような低負荷放電特性が必要とされる機器への用途から、例えばデジタルスチルカメラのような高負荷放電特性が必要とされる機器への用途にまで拡大されつつある。
これまで、アルカリ乾電池の正極活物質には、主として二酸化マンガンが用いられてきた。それらは、例えば硫酸マンガン等を電気化学的に酸化して得られる電解二酸化マンガン(EMD)と、炭酸マンガン等を熱酸化して得られる化学二酸化マンガン(CMD)とに大別されるが、これらの結晶構造は何れもβ−MnO2型構造である。これら従来の二酸化マンガンを用いた電池の放電特性を改善することを目的に種々の提案がなされてきた。
例えば、高負荷放電特性の改善を目的に、第1の従来例では、EMD表面をニッケル又はコバルトを含む化合物で被覆する提案がなされている(例えば特許文献1参照)。また、第2の従来例では、酸化銀又は銀ニッケル複合酸化物を二酸化マンガンに対し0.01wt%以上0.5wt%未満の範囲で含有させる提案がなされている(例えば特許文献2参照)。
また、第3の従来例として、EMDの製造時の硫酸マンガン水溶液中に硫酸アルミニウム、硫酸コバルト、又は硫酸ニッケル等を共存させて電解酸化することで、アルミニウム、コバルト又はニッケル等を含有したマンガン酸化物が合成されることが報告されている(例えば非特許文献1及び非特許文献2参照)。これらの報告によると温度及びpH等の電解酸化の条件に依存して、α−MnO2,β−MnO2,γ−MnO2型構造等の種々のトンネル構造のマンガン酸化物が得られる。
特開平9−213322号公報 特開2002−117859号公報 E. Machefaux、J. Phys. Chem. Solids 67 (2006) 1315-1319. E. Machefaux、J. Power Sources 157 (2006) 443-447.
しかしながら、第1及び第2の従来例では、以下に示す問題がある。
ここで、一般に、図7に示すように、高負荷放電での放電容量は、低負荷放電での放電容量と比較して小さくなる。高負荷放電での電圧が低負荷放電での電圧と比較して低下する理由の1つとして、放電抵抗の増大が挙げられる。
そこで、第1の従来例では、高負荷放電特性の改善を目的に、放電抵抗の低減を図る。具体的には、EMD表面を化合物(詳細には、ニッケル又はコバルトを含む化合物)によって被覆することにより、放電抵抗を低減させる。これにより、低負荷放電での電圧に対する高負荷放電での電圧の低下度合を抑制する、すなわち、高負荷放電が示す曲線を、図7に示す矢印の方向に押し上げることができるので、高負荷放電での放電容量を大きくすることができる。
しかしながら、第1の従来例において、電池の放電反応に寄与するのはEMDであり、EMD表面を被覆する化合物は、電池の放電反応に寄与しない。そのため、高負荷放電特性の改善を目的に、EMD表面を被覆するニッケル又はコバルト量を増加させると、電池の放電反応が阻害されるおそれがある。そのため、高負荷放電特性の改善を充分に図ることができず、さらには、低負荷放電特性を低下させる。
また、第2の従来例においても、二酸化マンガンに対し含有させた金属酸化物は、電池の放電反応に寄与しないため、電池の放電反応が阻害されるおそれがある。そのため、第1の従来例と同様に、高負荷放電特性の改善を充分に図ることができず、さらには、低負荷放電特性を低下させる。
このように、第1及び第2の従来例では、高負荷放電特性の改善は可能であるものの、低負荷放電特性を低下させるという問題がある。そのため、アルカリ乾電池は、その用途の拡大に伴い、低負荷放電での用途から高負荷放電での用途までの汎用性が望まれるにも拘わらず、第1及び第2の従来例では、汎用性の高い電池を実現することができないという課題がある。
一方、第3の従来例では、マンガン酸化物に対し含有させる金属の含有量はマンガン酸化物中のMnに対して数パーセントと少なく、層状構造のマンガン酸化物は得られないようである。それらマンガン酸化物の活物質としての評価はリチウム電池でなされているため、アルカリ乾電池への適性は明らかではない。
前記に鑑み、本発明の目的は、アルカリ乾電池において、高負荷放電特性のみならず低負荷放電特性の改善が可能なアルカリ乾電池用正極活物質を提供することにより、低負荷放電から高負荷放電までの用途が可能な汎用性の高い電池を実現することである。
前記の目的を達成するために、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質は、Co及びNiのうちの少なくとも一方を含有する層状構造のマンガン酸化物を含み、マンガン酸化物は、一般式がMn 1-x x 2 で表される化合物であり、一般式を構成するMは、Co又はNiである、又はマンガン酸化物は、一般式がMn 1-x-y Ax By 2 で表される化合物であり、一般式を構成するM は、Co及びNiのうちのいずれか一方であり、一般式を構成するM は、一方とは異なる他方であることを特徴とする。
本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質によると、マンガン酸化物が含有するCo,Niの作用により、放電電位を高めることができるので、低負荷放電及び高負荷放電の双方において、放電容量を大きくすることができる。そのため、アルカリ乾電池の正極活物質として本発明を適用することにより、電池の低負荷放電特性及び高負荷放電特性の双方を改善することができるので、低負荷放電から高負荷放電までの用途が可能な汎用性の高い電池を実現することができる。
また、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質によると、マンガン酸化物が含有するCo,Niは電池の放電反応に寄与する材料である。そのため、従来例のように電池の放電反応に寄与しない材料を用いて高負荷放電特性を改善するのではなく、電池の放電反応に寄与する材料を用いて高負荷放電特性を改善するため、従来例のように低負荷放電特性が損なわれることはない。
本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質において、マンガン酸化物は、一般式がMn 1-x x 2 で表される化合物である場合、一般式を構成するx値は、0.01≦x≦0.5の関係を満たしていることが好ましい。
このようにx値を0.5以下に設定することにより、マンガン酸化物が含有するCo又はNiの作用によって放電電位を高め過ぎて、本発明が適用されたアルカリ乾電池において、アルカリ乾電池中の電解液が電気分解されるおそれがない。
本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質において、マンガン酸化物は、一般式がMn 1-x-y Ax By 2 で表される化合物である場合、一般式を構成するx値及びy値は、0.01≦x+y≦0.5の関係を満たしていることが好ましい。
このようにx+y値を0.5以下に設定することにより、マンガン酸化物が含有するCo及びNiの作用によって放電電位を高め過ぎて、本発明が適用されたアルカリ乾電池において、アルカリ乾電池中の電解液が電気分解されるおそれがない。
前記の目的を達成するために、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法は、Co及びNiのうちの少なくとも1種からなる金属と、Li、Na及びKのうちの少なくとも1種からなるアルカリ金属とを含有する層状構造のアルカリ金属複合酸化物を合成する工程(a)と、工程(a)の後に、アルカリ金属複合酸化物から該アルカリ金属複合酸化物が含有するアルカリ金属を抽出する工程(b)とを備え、工程(b)において、アルカリ金属複合酸化物からアルカリ金属を抽出することによって、一般式がMn 1-x x 2 で表される層状構造のマンガン酸化物からなる正極活物質が形成され、一般式を構成するMは、Co又はNiである、又は工程(b)において、アルカリ金属複合酸化物からアルカリ金属を抽出することによって、一般式がMn 1-x-y Ax By 2 で表される層状構造のマンガン酸化物からなる正極活物質が形成され、一般式を構成するM は、Co及びNiのうちのいずれか一方であり、一般式を構成するM は、一方とは異なる他方であることを特徴とする。
本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法によると、Co及びNiのうちの少なくとも一方を含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることができる。
本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法において、工程(b)は、酸処理により、アルカリ金属複合酸化物からアルカリ金属を抽出する工程であることが好ましい。
このようにすると、例えば硝酸又は塩酸等による酸処理により、アルカリ金属複合酸化物からアルカリ金属を抽出することができる。ここで、酸処理による抽出方法は、その他の抽出方法と比較すると、コストの点で工業的に望ましい。
本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法において、工程(b)において、一般式がMn 1-x x 2 で表される層状構造のマンガン酸化物からなる正極活物質が形成される場合、アルカリ金属複合酸化物は、一般式がNMn1-xx2で表される化合物であり、一般式を構成するNは、Li、Na、又はKからなるアルカリ金属であることが好ましく、一般式を構成するx値は、0.01≦x≦0.5の関係を満たしていることが好ましい。
本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法において、工程(b)において、一般式がMn 1-x-y Ax By 2 で表される層状構造のマンガン酸化物からなる正極活物質が形成される場合、アルカリ金属複合酸化物は、一般式がNMn1-x-yAxBy2で表される化合物であり、一般式を構成するNは、Li、Na、又はKからなるアルカリ金属であることが好ましく、一般式を構成するx値及びy値は、0.01≦x+y≦0.5の関係を満たしていることが好ましい。
前記の目的を達成するために、本発明に係るアルカリ乾電池は、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質を備えていることを特徴とする。
本発明に係るアルカリ乾電池によると、電池の低負荷放電特性及び高負荷放電特性の双方を改善することができるので、低負荷放電から高負荷放電までの用途が可能な汎用性の高い電池を実現することができる。
本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質、すなわち、Co及びNiのうちの少なくとも一方を含有する層状構造のマンガン酸化物は、従来の二酸化マンガンと比較して、高い放電電位を示すため、低負荷放電から高負荷放電までの広い範囲で大きな放電容量を示す。そのため、アルカリ乾電池の正極活物質として本発明を適用することにより、電池の低負荷放電特性及び高負荷放電特性の双方を改善することができるので、低負荷放電から高負荷放電までの用途が可能な汎用性の高い電池を提供することができる。
また、電池の放電反応に寄与しない材料を用いることなく、高負荷放電特性の改善を図ることができるので、従来例のように低負荷放電特性が損なわれることがない。
−アルカリ乾電池用正極活物質−
以下に、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質について、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質と従来のアルカリ乾電池用正極活物質とを比較しながら説明する。
第1に、構造について、本発明の場合と従来の場合とで比較する。図1(a) は、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質の構造について示す断面図である。一方、図1(b) 〜(d) は、従来のアルカリ乾電池用正極活物質の構造について示す断面図である。
従来のアルカリ乾電池用正極活物質として代表されるEMD及びCMD等の二酸化マンガンMnO2の構造は、トンネル構造と称されている。トンネル構造の二酸化マンガンとしては、例えばα−MnO2(図1(b) 参照),β−MnO2(図1(c) 参照),及びγ−MnO2(図1(d) 参照)等が挙げられる。
これに対して、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質、すなわち、Co及びNiのうちの少なくとも一方を含有するマンガン酸化物の構造は、層状構造であり、図1(a) に示す構造を有していると考えられる。ここで、図1(a) に示す○位置には、一般式がMn1-xCox2で表されるマンガン酸化物の場合は、Mn又はCoが位置し、一般式がMn1-xNix2で表されるマンガン酸化物の場合は、Mn又はNiが位置し、一般式がMn1-x-yCoxNiy2で表されるマンガン酸化物の場合は、Mn、Co、又はNiが位置している。
第2に、放電反応について、本発明の場合と従来の場合とで比較する。図2は、従来のアルカリ乾電池用正極活物質の放電反応について示す図である。
トンネル構造の二酸化マンガンの放電反応は、図2に示すように進行する。図2に示すように、1電子放電反応により得られる反応生成物であるHMnO2の構造はトンネル構造である。それに対して、1電子を超える放電反応により得られる反応生成物である水酸化マンガンMn(OH)2の構造は層状構造である。1電子を超える放電反応を行うときの電池電圧は1V以下であり、さらには、1電子を超える放電反応での容量も少ないため、1電子を超える放電反応の領域は実用的に用いられることがなかった。
これに対して、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質、すなわち、Co及びNiのうちの少なくとも一方を含有する層状構造のマンガン酸化物は、1電子を超える放電反応を行うときの電池電圧は1V以上であり、1電子を超える放電反応の領域の実用化が可能となる。このため、アルカリ乾電池用正極活物質として本発明を適用した電池では、実用的に高容量な電池を得ることができる。
ここで、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質が、従来と比較して、1電子を超える放電反応を行うときの電池電圧が向上する科学的な理由として、以下に示すことが考えられる。この科学的な理由について、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質、及び従来のアルカリ乾電池用正極活物質の各々の放電反応について示す図である。具体的には、図3に示す曲線Aは、本発明の場合を示し、図3に示す曲線Bは、従来の場合を示す。
1)従来のアルカリ乾電池用正極活物質では、1電子を超える放電反応の際にトンネル構造から層状構造に転移するのに対して、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質では、放電反応の全体で層状構造のままであるから、図3に示すように放電反応が円滑に進行すること。更に
2)本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質が含有するCo,Niの作用により、従来と比較して、放電電位が高くなる(図3に示す矢印参照)こと。
このように、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質、すなわち、Co及びNiのうちの少なくとも一方を含有する層状構造のマンガン酸化物では、Co,Niの含有量の増加に伴って、放電電位を高めることができる。ここで、一般に使用されるアルカリ乾電池用正極活物質の初期放電電位は、1.6〜1.8Vの範囲内を満たすことが好ましく、初期放電電位が1.8Vを超える材料をアルカリ乾電池の正極活物質として用いた場合、未使用で保存された電池内の電解液が電気分解されて、ガスが発生する、又は電解液が減少する等の不具合が生じるおそれがある。
そこで、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質、具体的には、一般式がMn1-xx2(M=Co又はNi)で表されるマンガン酸化物の場合、一般式を構成するx値が0.01≦x≦0.5を満たすように設定する。又は一般式がMn1-x-yAxBy2(M,M=Co,Ni)で表されるマンガン酸化物の場合、一般式を構成するx値,y値が0.01≦x+y≦0.5を満たすように設定する。
このようにx値が0.5以下、又はx+y値が0.5以下を満たすように設定することにより、アルカリ乾電池用正極活物質の初期放電電位が所定の電位(例えば1.8V)を超えることはない。また、x値が0.01以上、又はx+y値が0.01以上を満たすように設定することにより、従来と比較して、アルカリ乾電池用正極活物質の放電電位を充分に高めることができる。
−アルカリ乾電池用正極活物質の製造方法−
以下に、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法について説明する。
本件発明者らは鋭意検討を重ねた結果、Co及びNiのうちの少なくとも1種からなる金属と、Li、Na及びKのうちの少なくとも1種からなるアルカリ金属とを含有する層状構造のアルカリ金属複合酸化物からアルカリ金属を抽出することにより、Co及びNiのうちの少なくとも一方を含有する層状構造のマンガン酸化物が得られるという知見に到達した。
ここで、一般に、層状構造のマンガン酸化物としては天然鉱物であるバーネサイトが知られている。バーネサイトについて図4を参照しながら説明する。図4は、バーネサイトの構造について示す図である。バーネサイトは、過マンガン酸塩の水溶液に塩酸を滴下して合成することができる。しかし、この合成方法を参考にして、本発明のように所定量のCo,Niを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることは非常に困難であった。さらには、バーネサイトは、図4に示すように、層状構造の間に例えばNa又はK等が入り込んだ構造であり、放電反応の際にHが入り込む位置にNa又はK等が存在しているため、放電反応が阻害される。このため、バーネサイトは、従来のアルカリ乾電池用正極活物質と比較して放電容量が小さく、アルカリ乾電池用正極活物質として相応しくなかった。
これに対して、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法では、層状構造のNMn1-xx2(0.01≦x≦0.5,N=アルカリ金属,M=Co又はNi)からアルカリ金属を抽出することにより、層状構造のMn1-xx2(0.01≦x≦0.5,M=Co又はNi)を容易に得る、又は層状構造のNMn1-x-yAxBy2(0.01≦x+y≦0.5,N=アルカリ金属,M,M=Co,Ni)からアルカリ金属を抽出することにより、層状構造のMn1-x-yCoxNiy2(0.01≦x+y≦0.5)を容易に得ることができる。
このように、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法によると、構造の転移を招くことなく、層状アルカリ金属複合酸化物から、目的とする層状構造のマンガン酸化物を容易に得ることができる。
ここで、層状アルカリ金属複合酸化物からアルカリ金属を抽出する方法として、例えば以下に示す方法が挙げられる。
1)非水電解質を用いた電池の作用極として電気化学的にアルカリ金属を抽出する。
2)ハロゲンを含む有機溶媒中に浸漬してアルカリ金属を抽出する。
3)例えば硝酸又は塩酸等による酸処理によりアルカリ金属を抽出する。
特に、上記3)に示す酸処理による抽出方法を採用することにより、製造コストの低減を図ることができる。そのため、工業的には、酸処理による抽出方法を採用することが好ましい。
また、層状アルカリ金属複合酸化物中に含有されるアルカリ金属として、Li,Na,Kのうちから少なくとも1種を用いることが好ましく、特に、LiではなくNa,Kのうちから少なくとも1種を用いることが好ましい。これにより、アルカリ金属としてLiを用いた場合と比較して、層状アルカリ金属複合酸化物の合成の容易化を図ることができる。加えて、酸処理下での層状アルカリ金属複合酸化物の反応活性を高めることができるので、酸処理による抽出方法を採用する場合、抽出時間の短縮化を図ることができる。
−アルカリ乾電池−
以下に、本発明に係るアルカリ乾電池について説明する。
本発明に係るアルカリ乾電池は、Co及びNiのうちの少なくとも一方を含有する層状構造のマンガン酸化物と、負極と、アルカリ電解液とを備えている。
ここで、アルカリ電解液として、例えば主成分として水酸化カリウムを、副成分として酸化亜鉛を含む水溶液を用いる。特に、水酸化カリウム濃度は34重量%〜40重量%、酸化亜鉛濃度は2重量%〜10重量%が好ましい。さらには、水酸化カリウムに加えて、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、又は水酸化カルシウムを用いてもよい。
また、負極として、例えば亜鉛を主成分とする合金粉末と、アルカリ電解液と、ポリアクリル酸ナトリウム等からなるゲル化剤とを混合したゲル状負極を用いる。合金粉末を構成する金属は、亜鉛に限定されるものではなく、アルカリ水溶液中で卑な電位を示し放電可能且つ安定な金属であればよく、さらには、防食性及び安定性を図ることを目的に、該金属に対して、該金属以外の金属、有機性の添加剤、又は無機性の添加剤を添加してもよい。
また、正極の活物質として、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質を単独で用いることが好ましいが、例えば従来の二酸化マンガンと混合して用いても、放電特性向上の効果はある。
また、正極の導電剤として人造黒鉛粉末を用い、正極合剤中において4〜8重量%の割合を占めるように人造黒鉛粉末を混合することが好ましいが、正極合剤に混合させる導電剤は、人造黒鉛粉末のみに限定されるものではなく、人造黒鉛粉末に加えて、例えば天然黒鉛及び膨張黒鉛等の炭素系導電剤を用いてもよい。
また、セパレータとして、耐アルカリ性のレーヨン及びパルプ等を含む不織布を用いることが好ましいが、セパレータはこれに限定されるものではなく、例えばプラスチック樹脂を含む不織布、及び多孔膜等を用いてもよい。
また、電池ケースとして、鉄にメッキを施した円筒形ケースを用いることが好ましいが、電池ケースの形状はこれに限定されるものでない。また、電池ケースの材質はこれに限定されるものではなく、例えばプラスチック樹脂でもよい。また、電池ケースのサイズは、用途に応じて適宜設計される。
以下、各実施例に沿って本発明の詳細を述べる。
まず、実施例1-1-1〜実施例1-1-6,実施例1-2-1〜実施例1-2-6,実施例1-3-1〜実施例1-3-6について、以下に説明する。
ここで、実施例1-1-1〜実施例1-1-6,実施例1-2-1〜実施例1-2-6,実施例1-3-1〜実施例1-3-6において得られたマンガン酸化物はいずれも、Naを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からNaが抽出されることによって合成された層状構造のマンガン酸化物である。
<実施例1-1-1>
以下に、実施例1-1-1について、図5及び図6を参照しながら詳細に説明する。図5は、Na及びCoを含有する層状アルカリ金属複合酸化物から、Coを含有する層状構造のマンガン酸化物への合成を示す図である。図6は、実施例1-1-1において作製したアルカリ乾電池の構成について示す断面図である。
[マンガン酸化物の合成]
炭酸ナトリウムNa2CO3,酸化マンガンMn23,酸化コバルトCo34(いずれも関東化学(株)特級試薬)を原料とし、これらをナトリウム,マンガン,コバルトの原子比が1.0:0.5:0.5となるように混合した。この混合物を750℃に設定した電気炉中で30時間加熱して、層状アルカリ金属複合酸化物であるNaMn0.5Co0.52を得た。この層状アルカリ金属複合酸化物を粉砕して水と混合した混合溶液に対して1mol/dm3の濃度の硝酸を加えて、混合溶液のpHが3以下になるように調整した。これにより、層状アルカリ金属複合酸化物からナトリウムを抽出した。その後、イオン交換水を用いてナトリウムが抽出された生成物を洗浄した後に、生成物を50℃の空気中で乾燥して、マンガンコバルト複合酸化物であるMn0.5Co0.52を得た。すなわち、Na及びCoを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からアルカリ金属Naを抽出することによって、Coを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることができる。ここで、一般式がMn0.5Co0.52で表されるマンガン酸化物は、マンガン、コバルトの含有比が0.5:0.5を満たす「Mn」と「Co」とが、図5に示す○位置に無秩序に配置されている。具体的には、図5に示す12コの○位置のうち無秩序に選択された6コの○位置にMnが配置され、その6コの○位置以外の6コの○位置にCoが配置されている。
[結晶構造解析]
銅管球を装備した粉末X線回折装置(フィリップス社製X'Pert)を用いて、マンガンコバルト複合酸化物のX線回折プロファイルを測定してその構造を確認した。
[組成分析]
マンガンコバルト複合酸化物を酸性溶液中に溶解させて、その溶液に対して高周波プラズマ発光分析(ICP)を実施した。これにより、マンガンコバルト複合酸化物の組成を定量し、その中に含まれるマンガンとコバルトとの含量を求めた。ここで、分析装置として(株)島津製作所製の「ICPS−1000III」を用いた。
[正極の作製]
[マンガン酸化物の合成]において得られたマンガンコバルト複合酸化物100重量部に対し人造黒鉛(日本黒鉛SP20)を6.5重量部加え、ミキサーで混合して正極合剤とした。これを加圧成型して中空円筒状の正極ペレットとした。
[負極の作製]
電解液と、例えばポリアクリル酸ナトリウムからなるゲル化剤とを重量比100:3の割合で混合し、ゲル状電解液を得た。このゲル状電解液及び亜鉛合金粉末を重量比1:2の割合で混合し、ゲル状負極を得た。ここで、電解液として37重量%の水酸化カリウム及び3重量%の酸化亜鉛を含むアルカリ水溶液を用いた。
[アルカリ乾電池の作製]
以下に示す手順で図6に示す構造の単3型アルカリ乾電池を作製した。
まず、電池ケース101内に正極ペレット(上記に示す[正極の作製]参照)を2個挿入し、加圧治具により正極ペレットを再成型して、電池ケース101の内壁に正極合剤102を密着させた。その後、電池ケース101の内壁に配置された正極合剤102内に、有底円筒状のセパレータ104を配置した。ここで、セパレータ104として、ポリビニルアルコール繊維とレーヨン繊維とを主成分とする不織布を用いた。その後、セパレータ104内へ電解液を所定量注入し、所定時間が経過した後に、セパレータ104内へゲル状負極103(上記に示す[負極の作製]参照)を充填した。続いて、ゲル状負極103中に、その中央部に位置するように負極集電子106を挿入した。そして、負極集電子106に対してガスケット105及び負極端子を兼ねる底板107を次工程に先立って予め一体化させた。その後、電池ケース101の開口端部をガスケット105の端部を介して底板107の周縁部にかしめつけ、電池ケース101の開口部を封口した。その後、外装ラベル108によって電池ケース101の外表面を被覆した。このようにして作製した電池を電池1-1-1と称する。
[放電特性試験]
上記の[アルカリ乾電池の作製]に示す手順を経て電池を作製した後、電池を室温にて10日間静置した。その後、2種類の放電特性試験を行った。
高負荷放電特性の評価試験は、1500mW−2秒、500mW−28秒を1サイクル(5分間)とし10サイクル繰り返した後55分休止1時間のパターンを繰り返し、1.05Vに達するまでの時間を計測することにより行った。
低負荷放電特性の評価試験は、100mAの電流で0.9Vまで定電流放電して放電時間を計測することにより行った。なお、両試験とも20℃の環境下で行った。
<実施例1-1-2>
[マンガン酸化物の合成]
実施例1-1-2では、原料をナトリウム,マンガン,コバルトの原子比が1.0:0.6:0.4となるように混合したこと以外は、<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、マンガン,コバルトの組成比が0.6:0.4であるマンガンコバルト複合酸化物Mn0.6Co0.42を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本実施例において作製した電池を電池1-1-2と称する。
<実施例1-1-3>
[マンガン酸化物の合成]
実施例1-1-3では、原料をナトリウム,マンガン,コバルトの原子比が1.0:0.7:0.3となるように混合したこと以外は、<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、マンガン,コバルトの組成比が0.7:0.3であるマンガンコバルト複合酸化物Mn0.7Co0.32を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本実施例において作製した電池を電池1-1-3と称する。
<実施例1-1-4>
[マンガン酸化物の合成]
実施例1-1-4では、原料をナトリウム,マンガン,コバルトの原子比が1.0:0.8:0.2となるように混合したこと以外は、<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、マンガン,コバルトの組成比が0.8:0.2であるマンガンコバルト複合酸化物Mn0.8Co0.22を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本実施例において作製した電池を電池1-1-4と称する。
<実施例1-1-5>
[マンガン酸化物の合成]
実施例1-1-5では、原料をナトリウム,マンガン,コバルトの原子比が1.0:0.9:0.1となるように混合したこと以外は、<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、マンガン,コバルトの組成比が0.9:0.1であるマンガンコバルト複合酸化物Mn0.9Co0.12を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本実施例において作製した電池を電池1-1-5と称する。
<実施例1-1-6>
[マンガン酸化物の合成]
実施例1-1-6では、原料をナトリウム,マンガン,コバルトの原子比が1.0:0.99:0.01となるように混合したこと以外は、<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、マンガン,コバルトの組成比が0.99:0.01であるマンガンコバルト複合酸化物Mn0.99Co0.012を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本実施例において作製した電池を電池1-1-6と称する。
<比較例1-1-1>
[マンガン酸化物の合成]
炭酸ナトリウムNa2CO3、酸化マンガンMn23 (いずれも関東化学(株)特級試薬)を原料とし、これらをナトリウム,マンガンの原子比が1.0:1.0となるように混合した。この混合物を750℃に設定した電気炉中で30時間加熱して、層状アルカリ金属複合酸化物であるNaMnO2を得た。この層状アルカリ金属複合酸化物を粉砕して水と混合した混合溶液に対して1mol/dm3の濃度の硝酸を加えて、混合溶液のpHが3以下になるように調整した。これにより、層状アルカリ金属複合酸化物からナトリウムを抽出した。その後、イオン交換水を用いてナトリウムが抽出された生成物を洗浄した後に、生成物を50℃の空気中で乾燥して、MnO2を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本比較例において作製した電池を比較電池1-1-1と称する。
<比較例1-1-2>
[マンガン酸化物の合成]
比較例1-1-2では、原料をナトリウム,マンガン,コバルトの原子比が1.0:0.4:0.6となるように混合したこと以外は、<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、一般式Mn1-xCox2において、一般式を構成するxが0.6、すなわち0.5よりも大きいマンガンコバルト複合酸化物Mn0.4Co0.62を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本比較例において作製した電池を比較電池1-1-2と称する。
<実施例1-2-1〜実施例1-2-6,比較例1-2-2>
ここで、前述の実施例1-1-1〜実施例1-1-6,比較例1-1-2と実施例1-2-1〜実施例1-2-6,比較例1-2-2との相違点は、以下に示す点である。
実施例1-1-1〜実施例1-1-6,比較例1-1-2では、Coを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とするのに対し、実施例1-2-1〜実施例1-2-6,比較例1-2-2では、CoではなくNiを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とする。そこで、実施例1-2-1〜実施例1-2-6,比較例1-2-2では、実施例1-1-1〜実施例1-1-6,比較例1-1-2において用いた酸化コバルトに代えて、酸化ニッケルを用いる。
実施例1-2-1〜実施例1-2-6,比較例1-2-2では、実施例1-1-1〜実施例1-1-6,比較例1-1-2中の[マンガン酸化物の合成]において用いた酸化コバルトCo3O4に代えて、酸化ニッケルNiO(関東化学(株)特級試薬)を用いたこと以外は、実施例1-1-1〜実施例1-1-6,比較例1-1-2中に示した方法と同様に行った。実施例1-2-1〜実施例1-2-6,比較例1-2-2において得られたマンガン酸化物はそれぞれ、Mn0.5Ni0.52,Mn0.6Ni0.42,Mn0.7Ni0.32,Mn0.8Ni0.22,Mn0.9Ni0.12,Mn0.99Ni0.012,Mn0.4Ni0.62である。実施例1-2-1〜実施例1-2-6,比較例1-2-2において作製した電池をそれぞれ、電池1-2-1〜電池1-2-6,比較電池1-2-2と称する。
<実施例1-3-1〜実施例1-3-6,比較例1-3-2>
ここで、前述の実施例1-1-1〜実施例1-1-6,比較例1-1-2と実施例1-3-1〜実施例1-3-6,比較例1-3-2との相違点は、以下に示す点である。
実施例1-1-1〜実施例1-1-6,比較例1-1-2では、Coのみを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とするのに対し、実施例1-3-1〜実施例1-3-6,比較例1-3-2では、Co及びNiの双方を含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とする。そこで、実施例1-3-1〜実施例1-3-6,比較例1-3-2では、実施例1-1-1〜実施例1-1-6,比較例1-1-2において用いた酸化コバルトに加えて、酸化ニッケルを用いる。
実施例1-3-1〜実施例1-3-6,比較例1-3-2では、実施例1-1-1〜実施例1-1-6,比較例1-1-2中の[マンガン酸化物の合成]において用いた酸化コバルトCo3O4に加えて、酸化ニッケルNiO(関東化学(株)特級試薬)を用いたこと以外は、実施例1-1-1〜実施例1-1-6,比較例1-1-2中に示した方法と同様に行った。なお、実施例1-3-1〜実施例1-3-6,比較例1-3-2では、原料を混合する際のコバルト,ニッケルの原子比が1.0:1.0となるように混合した。実施例1-3-1〜実施例1-3-6,比較例1-3-2において得られたマンガン酸化物はそれぞれ、Mn0.5Co0.25Ni0.252,Mn0.6Co0.2Ni0.22,Mn0.7Co0.15Ni0.152,Mn0.8Co0.1Ni0.12,Mn0.9Co0.05Ni0.052,Mn0.99Co0.005Ni0.0052,Mn0.4Co0.3Ni0.32である。実施例1-3-1〜実施例1-3-6,比較例1-3-2において作製した電池をそれぞれ、電池1-3-1〜電池1-3-6,比較電池1-3-2と称する。
次に、実施例2-1-1〜実施例2-1-6,実施例2-2-1〜実施例2-2-6,実施例2-3-1〜実施例2-3-6について、以下に説明する。
ここで、実施例2-1-1〜実施例2-1-6,実施例2-2-1〜実施例2-2-6,実施例2-3-1〜実施例2-3-6において得られたマンガン酸化物はいずれも、Kを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からKが抽出されることによって合成された層状構造のマンガン酸化物である。
<実施例2-1-1>
[マンガン酸化物の合成]
実施例2-1-1では、<実施例1-1-1>中の[マンガン酸化物の合成]において用いた炭酸ナトリウムに代えて、炭酸カリウムを用いたこと以外は、<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、K及びCoを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からKが抽出されたマンガンコバルト複合酸化物Mn0.5Co0.52を得た。
具体的には、炭酸カリウムK2CO3、酸化マンガンMn23、酸化コバルトCo34(いずれも関東化学(株)特級試薬)を原料とし、これらをカリウム,マンガン,コバルトの原子比が1.0:0.5:0.5となるように混合した。この混合物を750℃に設定した電気炉中で30時間加熱して、層状アルカリ金属複合酸化物であるKMn0.5Co0.52を得た。この層状アルカリ金属複合酸化物を粉砕して水と混合した混合溶液に対して1mol/dm3の濃度の硝酸を加えて、混合溶液のpHが3以下になるように調整した。これにより、層状アルカリ金属複合酸化物からカリウムを抽出した。その後、イオン交換水を用いてカリウムが抽出された生成物を洗浄した後に、生成物を50℃の空気中で乾燥して、Mn0.5Co0.52を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本実施例において作製した電池を電池2-1-1と称する。
<実施例2-1-2〜実施例2-1-6>
実施例2-1-2〜実施例2-1-6では、原料をカリウム,マンガン,コバルトの原子比がそれぞれ、1.0:0.6:0.4,1.0:0.7:0.3,1.0:0.8:0.2,1.0:0.9:0.1,1.0:0.99:0.01となるように混合したこと以外は、<実施例2-1-1>中に示した方法と同様に行った。実施例2-1-2〜実施例2-1-6において作製した電池をそれぞれ、電池2-1-2〜電池2-1-6と称する。
<比較例2-1-1>
[マンガン酸化物の合成]
本比較例では、<実施例2-1-1>中の[マンガン酸化物の合成]において用いた酸化コバルトは用いずに、炭酸カリウム及び酸化マンガンのみを用いたこと以外は、<実施例2-1-1>中に示した方法と同様に行った。なお、比較例2-1-1では、原料を混合する際のカリウム,マンガンの原子比が1.0:1.0となるように混合した。これにより、Kのみを含有しCoを含有しない層状アルカリ金属複合酸化物KMnO2からアルカリ金属Kが抽出されたMnO2を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本比較例において作製した電池を比較電池2-1-1と称する。
<比較例2-1-2>
[マンガン酸化物の合成]
比較例2-1-2では、原料をカリウム,マンガン,コバルトの原子比が1.0:0.4:0.6となるように混合したこと以外は、<実施例2-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、一般式Mn1-xCox2において、一般式を構成するxが0.6、すなわち0.5よりも大きいマンガンコバルト複合酸化物Mn0.4Co0.62を得た。
[結晶構造解析、組成分析、正極の作製、負極の作製、アルカリ乾電池の作製、放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本比較例において作製した電池を比較電池2-1-2と称する。
<実施例2-2-1〜実施例2-2-6,比較例2-2-2>
ここで、前述の実施例2-1-1〜実施例2-1-6,比較例2-1-2と実施例2-2-1〜実施例2-2-6,比較例2-2-2との相違点は、以下に示す点である。
実施例2-1-1〜実施例2-1-6,比較例2-1-2では、Coを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とするのに対し、実施例2-2-1〜実施例2-2-6,比較例2-2-2では、CoではなくNiを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とする。そこで、実施例2-2-1〜実施例2-2-6,比較例2-2-2では、実施例2-1-1〜実施例2-1-6,比較例2-1-2において用いた酸化コバルトに代えて、酸化ニッケルを用いる。
実施例2-2-1〜実施例2-2-6,比較例2-2-2では、実施例2-1-1〜実施例2-1-6,比較例2-1-2中の[マンガン酸化物の合成]において用いた酸化コバルトCo3O4に代えて、酸化ニッケルNiO(関東化学(株)特級試薬)を用いたこと以外は、実施例2-1-1〜実施例2-1-6,比較例2-1-2中に示した方法と同様に行った。実施例2-2-1〜実施例2-2-6,比較例2-2-2において得られたマンガン酸化物はそれぞれ、Mn0.5Ni0.52,Mn0.6Ni0.42,Mn0.7Ni0.32,Mn0.8Ni0.22,Mn0.9Ni0.12,Mn0.99Ni0.012,Mn0.4Ni0.62である。実施例2-2-1〜実施例2-2-6,比較例2-2-2において作製した電池をそれぞれ、電池2-2-1〜電池2-2-6,比較電池2-2-2と称する。
<実施例2-3-1〜実施例2-3-6,比較例2-3-2>
ここで、前述の実施例2-1-1〜実施例2-1-6,比較例2-1-2と実施例2-3-1〜実施例2-3-6,比較例2-3-2との相違点は、以下に示す点である。
実施例2-1-1〜実施例2-1-6,比較例2-1-2では、Coのみを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とするのに対し、実施例2-3-1〜実施例2-3-6,比較例2-3-2では、Co及びNiの双方を含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とする。そこで、実施例2-3-1〜実施例2-3-6,比較例2-3-2では、実施例2-1-1〜実施例2-1-6,比較例2-1-2において用いた酸化コバルトに加えて、酸化ニッケルを用いる。
実施例2-3-1〜実施例2-3-6,比較例2-3-2では、実施例2-1-1〜実施例2-1-6,比較例2-1-2中の[マンガン酸化物の合成]において用いた酸化コバルトCo3O4に加えて、酸化ニッケルNiO(関東化学(株)特級試薬)を用いたこと以外は、実施例2-1-1〜実施例2-1-6,比較例2-1-2中に示した方法と同様に行った。なお、実施例2-3-1〜実施例2-3-6,比較例2-3-2では、原料を合成する際のコバルト,ニッケルの原子比が1.0:1.0となるように混合した。実施例2-3-1〜実施例2-3-6,比較例2-3-2において得られたマンガン酸化物はそれぞれ、Mn0.5Co0.25Ni0.252,Mn0.6Co0.2Ni0.22,Mn0.7Co0.15Ni0.152,Mn0.8Co0.1Ni0.12,Mn0.9Co0.05Ni0.052,Mn0.99Co0.005Ni0.0052,Mn0.4Co0.3Ni0.32である。実施例2-3-1〜実施例2-3-6,比較例2-3-2において作製した電池をそれぞれ、電池2-3-1〜電池2-3-6,比較電池2-3-2と称する。
次に、実施例3-1-1〜実施例3-1-6,実施例3-2-1〜実施例3-2-6,実施例3-3-1〜実施例3-3-6について、以下に説明する。
ここで、実施例3-1-1〜実施例3-1-6,実施例3-2-1〜実施例3-2-6,実施例3-3-1〜実施例3-3-6において得られたマンガン酸化物はいずれも、Liを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からLiが抽出されることによって合成された層状構造のマンガン酸化物である。
<実施例3-1-1>
[マンガン酸化物の合成]
実施例3-1-1では、<実施例1-1-1>中の[マンガン酸化物の合成]において用いた炭酸ナトリウムに代えて、炭酸リチウムを用いたこと以外は、<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、Li及びCoを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からLiが抽出されたマンガンコバルト複合酸化物Mn0.5Co0.52を得た。
具体的には、炭酸リチウムLi2CO3、酸化マンガンMn23、酸化コバルトCo34(いずれも関東化学(株)特級試薬)を原料とし、これらをリチウム,マンガン,コバルトの原子比が1.0:0.5:0.5となるように混合した。この混合物を750℃に設定した電気炉中で30時間加熱して、層状アルカリ金属複合酸化物であるLiMn0.5Co0.52を得た。この層状アルカリ金属複合酸化物を粉砕して水と混合した混合溶液に対して1mol/dm3の濃度の硝酸を加えて、混合溶液のpHが3以下になるように調整した。これにより、層状アルカリ金属複合酸化物からリチウムを抽出した。その後、イオン交換水を用いてリチウムが抽出された生成物を洗浄した後に、生成物を50℃の空気中で乾燥して、Mn0.5Co0.52を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製1,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本実施例において作製した電池を電池3-1-1と称する。
<実施例3-1-2〜実施例3-1-6>
実施例3-1-2〜実施例3-1-6では、原料をリチウム,マンガン,コバルトの原子比がそれぞれ、1.0:0.6:0.4,1.0:0.7:0.3,1.0:0.8:0.2,1.0:0.9:0.1,1.0:0.99:0.01となるように混合したこと以外は、<実施例3-1-1>中に示した方法と同様に行った。実施例3-1-2〜実施例3-1-6において作製した電池をそれぞれ、電池3-1-2〜電池3-1-6と称する。
<比較例3-1-1>
[マンガン酸化物の合成]
本比較例では、<実施例3-1-1>中の[マンガン酸化物の合成]において用いた酸化コバルトは用いずに、炭酸リチウム及び酸化マンガンのみを用いたこと以外は、<実施例3-1-1>中に示した方法と同様に行った。なお、比較例3-1-1では、原料を混合する際のリチウム,マンガンの原子比が1.0:1.0となるように混合した。これにより、Liのみを含有しCoを含有しない層状アルカリ金属複合酸化物LiMnO2からアルカリ金属が抽出されたMnO2を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本比較例において作製した電池を比較電池3-1-1と称する。
<比較例3-1-2>
[マンガン酸化物の合成]
比較例3-1-2では、原料をリチウム,マンガン,コバルトの原子比が1.0:0.4:0.6となるように混合したこと以外は、<実施例3-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、一般式Mn1-xCox2において、一般式を構成するxが0.6、すなわち0.5よりも大きいマンガンコバルト複合酸化物Mn0.4Co0.62を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製1,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本比較例において作製した電池を比較電池3-1-2と称する。
<実施例3-2-1〜実施例3-2-6,比較例3-2-2>
ここで、前述の実施例3-1-1〜実施例3-1-6,比較例3-1-2と実施例3-2-1〜実施例3-2-6,比較例3-2-2との相違点は、以下に示す点である。
実施例3-1-1〜実施例3-1-6,比較例3-1-2では、Coを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とするのに対し、実施例3-2-1〜実施例3-2-6,比較例3-2-2では、CoではなくNiを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とする。そこで、実施例3-2-1〜実施例3-2-6,比較例3-2-2では、実施例3-1-1〜実施例3-1-6,比較例3-1-2において用いた酸化コバルトに代えて、酸化ニッケルを用いる。
実施例3-2-1〜実施例3-2-6,比較例3-2-2では、実施例3-1-1〜実施例3-1-6,比較例3-1-2中の[マンガン酸化物の合成]において用いた酸化コバルトCo3O4に代えて、酸化ニッケルNiO(関東化学(株)特級試薬)を用いたこと以外は、実施例3-1-1〜実施例3-1-6,比較例3-1-2中に示した方法と同様に行った。実施例3-2-1〜実施例3-2-6,比較例3-2-2において得られたマンガン酸化物はそれぞれ、Mn0.5Ni0.52,Mn0.6Ni0.42,Mn0.7Ni0.32,Mn0.8Ni0.22,Mn0.9Ni0.12,Mn0.99Ni0.012,Mn0.4Ni0.62である。実施例3-2-1〜実施例3-2-6,比較例3-2-2において作製した電池をそれぞれ、電池3-2-1〜電池3-2-6および比較電池3-2-2と称する。
<実施例3-3-1〜実施例3-3-6,比較例3-3-2>
ここで、前述の実施例3-1-1〜実施例3-1-6,比較例3-1-2と実施例3-3-1〜実施例3-3-6,比較例3-3-2との相違点は、以下に示す点である。
実施例3-1-1〜実施例3-1-6,比較例3-1-2では、Coのみを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とするのに対し、実施例3-3-1〜実施例3-3-6,比較例3-3-2では、Co及びNiの双方を含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とする。そこで、実施例3-3-1〜実施例3-3-6,比較例3-3-2では、実施例3-1-1〜実施例3-1-6,比較例3-1-2において用いた酸化コバルトに加えて、酸化ニッケルを用いる。
実施例3-3-1〜実施例3-3-6,比較例3-3-2では、実施例3-1-1〜実施例3-1-6,比較例3-1-2中の[マンガン酸化物の合成]において用いた酸化コバルトCo3O4に加えて、酸化ニッケルNiO(関東化学(株)特級試薬)を用いたこと以外は、実施例3-1-1〜実施例3-1-6,比較例3-1-2中に示した方法と同様に行った。なお、実施例3-3-1〜実施例3-3-6,比較例3-3-2では、原料を混合する際のコバルト,ニッケルの原子比が1.0:1.0となるように混合した。実施例3-3-1〜実施例3-3-6,比較例3-3-2において得られたマンガン酸化物はそれぞれ、Mn0.5Co0.25Ni0.252,Mn0.6Co0.2Ni0.22,Mn0.7Co0.15Ni0.152,Mn0.8Co0.1Ni0.12,Mn0.9Co0.05Ni0.052,Mn0.99Co0.005Ni0.0052,Mn0.4Co0.3Ni0.32である。実施例3-3-1〜実施例3-3-6,比較例3-3-2において作製した電池をそれぞれ、電池3-3-1〜電池3-3-6,比較電池3-3-2と称する。
次に、実施例4-1-1〜実施例4-1-6,実施例4-2-1〜実施例4-2-6,実施例4-3-1〜実施例4-3-6について、以下に説明する。
ここで、実施例4-1-1〜実施例4-1-6,実施例4-2-1〜実施例4-2-6,実施例4-3-1〜実施例4-3-6において得られたマンガン酸化物はいずれも、Na、K、及びLiを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からNa、K、及びLiが抽出されることによって合成された層状構造のマンガン酸化物である。
<実施例4-1-1>
[マンガン酸化物の合成]
実施例4-1-1では、<実施例1-1-1>中の[マンガン酸化物の合成]において用いた炭酸ナトリウムに加えて、炭酸カリウム、及び炭酸リチウムを用いたこと以外は、<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、Na,K,Li及びCoを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からNa,K,Liが抽出されたマンガンコバルト複合酸化物Mn0.5Co0.52を得た。
具体的には、炭酸ナトリウムNa2CO3、炭酸カリウムK2CO3、炭酸リチウムLi2CO3、酸化マンガンMn23、酸化コバルトCo34(いずれも関東化学(株)特級試薬)を原料とし、これらをナトリウム,カリウム,リチウム,マンガン,コバルトの原子比が0.33:0.33:0.34:0.5:0.5となるように混合した。この混合物を750℃に設定した電気炉中で30時間加熱して、層状アルカリ金属複合酸化物であるNa0.330.33Li0.34Mn0.5Co0.52を得た。この層状アルカリ金属複合酸化物を粉砕して水と混合した混合溶液に対して1mol/dm3の濃度の硝酸を加えて、混合溶液のpHが3以下になるように調整した。これにより、層状アルカリ金属複合酸化物からナトリウム、カリウム、及びリチウムを抽出した。その後、イオン交換水を用いて、ナトリウム、カリウム、及びリチウムが抽出された生成物を洗浄した後に、生成物を50℃の空気中で乾燥して、Mn0.5Co0.52を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本実施例において作製した電池を電池4-1-1と称する。
<実施例4-1-2〜実施例4-1-6>
実施例4-1-2〜実施例4-1-6では、原料をナトリウム,カリウム,リチウム,マンガン,コバルトの原子比がそれぞれ、0.33:0.33:0.34:0.6:0.4,0.33:0.33:0.34:0.7:0.3,0.33:0.33:0.34:0.8:0.2,0.33:0.33:0.34:0.9:0.1,0.33:0.33:0.34:0.99:0.01となるように混合したこと以外は、<実施例4-1-1>中に示した方法と同様に行った。実施例4-1-2〜実施例4-1-6において作製した電池をそれぞれ、電池4-1-2〜電池4-1-6と称する。
<比較例4-1-1>
[マンガン酸化物の合成]
本比較例では、<実施例4-1-1>中の[マンガン酸化物の合成]において用いた酸化コバルトは用いずに、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム及び酸化マンガンのみを用いたこと以外は、<実施例4-1-1>中に示した方法と同様に行った。なお、比較例4-1-1では、原料を混合する際のナトリウム,カリウム,リチウム,マンガンの原子比が0.33:0.33:0.34:1.0となるように混合した。これにより、アルカリ金属のみ(詳細にはNa、K、及びLi)を含有しCoを含有しない層状アルカリ金属複合酸化物Na0.330.33Li0.34MnO2からアルカリ金属が抽出されたMnO2を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本比較例において作製した電池を比較電池4-1-1と称する。
<比較例4-1-2>
[マンガン酸化物の合成]
比較例4-1-2では、原料をナトリウム,カリウム,リチウム,マンガン,コバルトの原子比が0.33:0.33:0.34:0.4:0.6となるように混合したこと以外は、<実施例4-1-1>中に示した方法と同様に行った。これにより、一般式Mn1-xCox2において、一般式を構成するxが0.6、すなわち0.5よりも大きいマンガンコバルト複合酸化物Mn0.4Co0.62を得た。
[結晶構造解析,組成分析,正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
いずれも<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に行った。本比較例において作製した電池を比較電池4-1-2と称する。
<実施例4-2-1〜実施例4-2-6,比較例4-2-2>
ここで、前述の実施例4-1-1〜実施例4-1-6,比較例4-1-2と実施例4-2-1〜実施例4-2-6、比較例4-2-2との相違点は、以下に示す点である。
実施例4-1-1〜実施例4-1-6,比較例4-1-2では、Coを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とするのに対し、実施例4-2-1〜実施例4-2-6,比較例4-2-2では、CoではなくNiを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とする。そこで、実施例4-2-1〜実施例4-2-6,比較例4-2-2では、実施例4-1-1〜実施例4-1-6,比較例4-1-2において用いた酸化コバルトに代えて、酸化ニッケルを用いる。
実施例4-2-1〜実施例4-2-6,比較例4-2-2では、実施例4-1-1〜実施例4-1-6,比較例4-1-2中の[マンガン酸化物の合成]において用いた酸化コバルトCo3O4に代えて、酸化ニッケルNiO(関東化学(株)特級試薬)を用いたこと以外は、実施例4-1-1〜実施例4-1-6,比較例4-1-2中に示した方法と同様に行った。実施例4-2-1〜実施例4-2-6,比較例4-2-2において得られたマンガン酸化物はそれぞれ、Mn0.5Ni0.52,Mn0.6Ni0.42,Mn0.7Ni0.32,Mn0.8Ni0.22,Mn0.9Ni0.12,Mn0.99Ni0.012,Mn0.4Ni0.62である。実施例4-2-1〜実施例4-2-6,比較例4-2-2において作製した電池をそれぞれ、電池4-2-1〜電池4-2-6,比較電池4-2-2と称する。
<実施例4-3-1〜実施例4-3-6,比較例4-3-2>
ここで、前述の実施例4-1-1〜実施例4-1-6,比較例4-1-2と実施例4-3-1〜実施例4-3-6,比較例4-3-2との相違点は、以下に示す点である。
実施例4-1-1〜実施例4-1-6,比較例4-1-2では、Coのみを含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とするのに対し、実施例4-3-1〜実施例4-3-6,比較例4-3-2では、Co及びNiの双方を含有する層状構造のマンガン酸化物を得ることを目的とする。そこで、実施例4-3-1〜実施例4-3-6,比較例4-3-2では、実施例4-1-1〜実施例4-1-6,比較例4-1-2において用いた酸化コバルトに加えて、酸化ニッケルを用いる。
実施例4-3-1〜実施例4-3-6,比較例4-3-2では、実施例4-1-1〜実施例4-1-6,比較例4-1-2中の[マンガン酸化物の合成]において用いた酸化コバルトCo3O4に加えて、酸化ニッケルNiO(関東化学(株)特級試薬)を用いたこと以外は、実施例4-1-1〜実施例4-1-6,比較例4-1-2中に示した方法と同様に行った。なお、実施例4-3-1〜実施例4-3-6,比較例4-3-2では、原料を混合する際のコバルト,ニッケルの原子比が1.0:1.0となるように混合した。実施例4-3-1〜実施例4-3-6,比較例4-3-2において得られたマンガン酸化物はそれぞれ、Mn0.5Co0.25Ni0.252,Mn0.6Co0.2Ni0.22,Mn0.7Co0.15Ni0.152,Mn0.8Co0.1Ni0.12,Mn0.9Co0.05Ni0.052,Mn0.99Co0.005Ni0.0052,Mn0.4Co0.3Ni0.32である。実施例4-3-1〜実施例4-3-6,比較例4-3-2において作製した電池をそれぞれ、電池4-3-1〜電池4-3-6,比較電池4-3-2と称する。
次に、比較例5について以下に説明する。
<比較例5>
比較例5の特徴点は、正極活物質として、現在のアルカリ乾電池に使用されているトンネル構造の二酸化マンガンを用いる点である。
[正極の作製,負極の作製,アルカリ乾電池の作製,放電特性試験]
比較例5では、<実施例1-1-1>中の[正極の作製]において用いたマンガンコバルト複合酸化物に代えて、トンネル構造の二酸化マンガンを用いたこと以外は、<実施例1-1-1>中に示した方法と同様に電池を作製し、その電池に対して放電特性試験を行った。比較例5において作製した電池を比較電池5と称する。
上記に列挙した各実施例及び各比較例において作製した各電池について、正極活物質の組成と、放電特性試験の結果とを以下に示す[表1],[表2],[表3],[表4]に記す。なお、各電池の高負荷放電特性及び低負荷放電特性の数値のそれぞれは、比較電池5の高負荷放電特性及び低負荷放電特性の数値をそれぞれ100としたときの相対値を指数として表現した。
表1は、Naを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からNaが抽出されることによって合成された層状構造のマンガン酸化物について示し、表2は、Kを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からKが抽出されることによって合成された層状構造のマンガン酸化物について示し、表3は、Liを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からLiが抽出されることによって合成された層状構造のマンガン酸化物について示し、表4は、Na、K、及びLiを含有する層状アルカリ金属複合酸化物からNa、K、及びLiが抽出されることによって合成された層状構造のマンガン酸化物について示している。
Figure 0005219385
Figure 0005219385
Figure 0005219385
Figure 0005219385
表1,表2,表3,表4に示すように、各実施例において得られた電池(電池1-1-1〜電池4-3-6)はいずれも、現在のアルカリ乾電池に使用されている二酸化マンガンを用いて作製した電池(比較電池5)よりも優れた放電特性を示す。特に、低負荷放電特性の顕著な向上を示す。
表1,表2,表3,表4の結果に基づいて、本発明による放電特性向上の傾向について、以下に示す。
1)マンガン酸化物中のCo,Niの含量の増加に伴い、放電特性が向上する。
2)Niのみを含有するマンガン酸化物とCoのみを含有するマンガン酸化物との差異による放電特性向上の差異は殆ど生じない。
3)層状アルカリ金属複合酸化物が含有するアルカリ金属の差異による放電特性向上の差異は殆ど生じない。
一方、Co及びNiのいずれも含有しない層状MnO2を用いて作製した電池(詳細には、比較電池1-1-1,2-1-1,3-1-1,4-1-1)はいずれも、比較電池5よりも劣った放電特性を示す。このことから、本発明による放電特性向上の効果は、マンガン酸化物の結晶構造の差異によるものというよりも、むしろマンガン酸化物中に含有されるCo,Niによるものが大きいと考えられる。
また、一般式がMn1-xCox2(x=0.6、すなわち0.5<x)で表される化合物を用いて作製した電池(詳細には、比較電池1-1-2,2-1-2,3-1-2,4-1-2)、一般式がMn1-xNix2(x=0.6、すなわち0.5<x)で表される化合物を用いて作製した電池(詳細には、比較電池1-2-2,2-2-2,3-2-2,4-2-2)、及び一般式がMn1-x-yCoxNiy2(x+y=0.6、すなわち0.5<x+y)で表される化合物を用いて作製した電池(詳細には、比較電池1-3-2,2-3-2,3-3-2,4-3-2)はいずれも、比較電池5よりも放電特性が劣った。これは、いずれの電池も、マンガン酸化物中のCo,Niの作用により、電池の起電力が高くなり過ぎて、電池の作製後に電池を室温にて10日間静置している間に、電池中の電解液が分解されてしまったためと考えている。
以上のように、アルカリ乾電池の正極活物質として本発明を適用することにより、高負荷のみならず低負荷においても電池の放電特性を高めることができるので、汎用性の高いアルカリ乾電池を実現することができる。
なお、上記の各実施例では、一般式がMn1-xx2(M=Co又はNi)で表される化合物において、一般式を構成するx値が0.5以下を満たす、又は一般式がMn1-x-yAxBy2(M,M=Co,Ni)で表される化合物において、一般式を構成するx+y値が0.5以下を満たすように設定した場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されることはない。すなわち、x値又はx+y値の上限値は、マンガン酸化物の初期放電電位が、未使用で保存された電池内の電解液が電気分解されることのない電位を示すように設定される。
また、上記の各実施例では、Co及びNiの双方を含有するマンガン酸化物Mn1-x-yCoxNiy2(0.01≦x+y≦0.5)として、Co,Niの組成比が1.0:1.0となるマンガン酸化物の場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は、アルカリ乾電池の放電特性、中でも低負荷放電特性を顕著に改善することができる。そのため、本発明が適用されたアルカリ乾電池は、その汎用性が高く、低負荷放電機器から高負荷放電機器までの広範囲の機器に好適である。
(a) は、本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質の構造について示す図であり、(b) 〜(d) は、従来のアルカリ乾電池用正極活物質の構造について示す図である。 従来のアルカリ乾電池用正極活物質の放電反応について示す図である。 本発明に係るアルカリ乾電池用正極活物質、従来のアルカリ乾電池用正極活物質の各々の放電反応について示す図である。 バーネサイトの構造について示す図である。 Na及びCoを含有する層状アルカリ金属複合酸化物から、Coを含有する層状構造のマンガン酸化物への合成を示す図である。 実施例1-1-1において作製したアルカリ乾電池の構成について示す断面図である。 低負荷放電特性と高負荷放電特性とについて示す図である。
符号の説明
101 電池ケース
102 正極合剤
103 ゲル状負極
104 セパレータ
105 ガスケット
106 負極集電子
107 底板
108 外装ラベル

Claims (7)

  1. Co及びNiのうちの少なくとも一方を含有する層状構造のマンガン酸化物を含み、
    前記マンガン酸化物は、一般式がMn 1-x x 2 で表される化合物であり、前記一般式を構成するMは、Co又はNiである、又は
    前記マンガン酸化物は、一般式がMn 1-x-y Ax By 2 で表される化合物であり、前記一般式を構成するM は、Co及びNiのうちのいずれか一方であり、前記一般式を構成するM は、前記一方とは異なる他方であることを特徴とするアルカリ乾電池用正極活物質。
  2. 請求項に記載のアルカリ乾電池用正極活物質において、
    前記マンガン酸化物は、一般式がMn 1-x x 2 で表される化合物である場合、前記一般式を構成するx値は、0.01≦x≦0.5の関係を満たしている、又は
    前記マンガン酸化物は、一般式がMn 1-x-y Ax By 2 で表される化合物である場合、前記一般式を構成するx値及びy値は、0.01≦x+y≦0.5の関係を満たしていることを特徴とするアルカリ乾電池用正極活物質。
  3. Co及びNiのうちの少なくとも1種からなる金属と、Li、Na及びKのうちの少なくとも1種からなるアルカリ金属とを含有する層状構造のアルカリ金属複合酸化物を合成する工程(a)と、
    前記工程(a)の後に、前記アルカリ金属複合酸化物から該アルカリ金属複合酸化物が含有するアルカリ金属を抽出する工程(b)とを備え
    前記工程(b)において、前記アルカリ金属複合酸化物からアルカリ金属を抽出することによって、一般式がMn 1-x x 2 で表される層状構造のマンガン酸化物からなる正極活物質が形成され、前記一般式を構成するMは、Co又はNiである、又は
    前記工程(b)において、前記アルカリ金属複合酸化物からアルカリ金属を抽出することによって、一般式がMn 1-x-y Ax By 2 で表される層状構造のマンガン酸化物からなる正極活物質が形成され、前記一般式を構成するM は、Co及びNiのうちのいずれか一方であり、前記一般式を構成するM は、前記一方とは異なる他方であることを特徴とするアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法。
  4. 請求項に記載のアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法において、
    前記工程(b)において、一般式がMn 1-x x 2 で表される層状構造のマンガン酸化物からなる正極活物質が形成される場合、前記一般式を構成するx値は、0.01≦x≦0.5の関係を満たしている、又は
    前記工程(b)において、一般式がMn 1-x-y Ax By 2 で表される層状構造のマンガン酸化物からなる正極活物質が形成される場合、前記一般式を構成するx値及びy値は、0.01≦x+y≦0.5の関係を満たしていることを特徴とするアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法。
  5. 請求項に記載のアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法において、
    前記工程(b)は、酸処理により、前記アルカリ金属複合酸化物からアルカリ金属を抽出する工程であることを特徴とするアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法。
  6. 請求項に記載のアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法において、
    前記工程(b)において、一般式がMn 1-x x 2 で表される層状構造のマンガン酸化物からなる正極活物質が形成される場合、前記アルカリ金属複合酸化物は、一般式がNMn1-xx2で表される化合物であり、前記一般式を構成するNは、Li、Na、又はKからなるアルカリ金属である、又は
    前記工程(b)において、一般式がMn 1-x-y Ax By 2 で表される層状構造のマンガン酸化物からなる正極活物質が形成される場合、前記アルカリ金属複合酸化物は、一般式がNMn 1-x-y Ax By 2 で表される化合物であり、前記一般式を構成するNは、Li、Na、又はKからなるアルカリ金属であることを特徴とするアルカリ乾電池用正極活物質の製造方法。
  7. 請求項1又は2に記載のアルカリ乾電池用正極活物質を備えていることを特徴とするアルカリ乾電池。
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