JP2008210746A - 二酸化マンガンおよびそれを用いた電池 - Google Patents

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【課題】強負荷パルス放電に適したアルカリ電池を提供することを目的とする。
【解決手段】正極に二酸化マンガンを含む合剤を用いた電池であって、前記合剤における細孔径3〜5nmの細孔容積が、合剤重量1g当り0.016cc以上0.086cc以下とする、もしくは、細孔径3〜5nmの細孔容積が、重量1g当り0.018cc以上0.09cc以下である二酸化マンガンを用いることにより、強負荷放電性能に優れた電池を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は電池に関し、特に、正極活物質に関する。
二酸化マンガンは電池用活物質として広く検討されており、その用途は一次電池に限られず、例えば非水系二次電池においても検討されている。
アルカリ電池は、正極端子を兼ねる正極ケースと、正極ケースの内側に密着して配置された円筒状の二酸化マンガンからなる正極合剤ペレットと、正極合剤ペレットの中空にセパレータを介して配置されたゲル状の亜鉛負極とを具備したインサイドアウト構造を有する。アルカリ電池の正極合剤は、一般に電解二酸化マンガンおよび黒鉛導電剤からなる。
近年のデジタル機器の普及に伴い、アルカリ電池が用いられる機器の負荷電力は次第に大きくなり、特にデジタルカメラ用電源として強負荷パルス放電性能に優れる電池が要望されつつある。
例えば強負荷放電性能を改良する目的で、2nm以下の細孔(ミクロ孔)を増加させる方法が提案されている(特許文献1参照)。この提案によれば、2nm以下のミクロ孔が水や水酸化物イオンの伝導に大きく影響するという理由で強負荷放電性能を向上させることができると述べられている。
特表2005−520290号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、2nm以下のミクロ孔を規定することにより単三型電池で0.5〜1.5Aの連続放電で効果があるとされているが、近年のデジタルカメラでの使用を想定した1.5W放電を含むような強負荷パルス放電においては、性能が十分に向上しないという課題を有していた。
そこで本発明は、強負荷パルス放電に優れる二酸化マンガン、およびそれを用いた電池を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電池は、正極に二酸化マンガンを含む合剤を用いた電池であって、前記合剤における細孔径3〜5nmの細孔容積が、合剤重量1g当り0.016cc以上0.086cc以下というものである。
また、細孔径3〜5nmの細孔容積が、重量1g当り0.018cc以上0.09cc以下である二酸化マンガンである。
本発明の二酸化マンガンを用いることによって、正極活物質である二酸化マンガン粒子内部の細孔、および二酸化マンガン周囲に適正量の電解液が存在することができ、それらが放電反応による濃度変化に伴って速やかに移動できるために、放電中の濃度分極が低減され強負荷パルス放電性能が向上した電池が得られる。
本発明によると、強負荷パルス放電時の放電性能が向上した電池を得ることができる。
本発明は上記のように、正極に二酸化マンガンを含む合剤を用いた電池であって、前記合剤における細孔径3〜5nmの細孔容積が、合剤重量1g当り0.016cc以上0.086cc以下であるとすると、強負荷放電性能が向上することを見出したものである。
電池用二酸化マンガンとして電解合成による電解二酸化マンガンが主に用いられており、平均粒径は20〜40μmのものが用いられることが多い。
上記電解二酸化マンガンは直径数nm、長さ数十〜百nm程度の針状の結晶子の集まりであり、その結晶子の隙間は主に細孔径3〜5nmの細孔から構成される。本発明者らの検討では、ほとんどの電解二酸化マンガンにおいて、この細孔径3〜5nmの範囲に細孔分布のピークが存在した。上記細孔径3〜5nmの細孔容積の量は前記針状の結晶子のサイズや近接距離により左右されると考えられる。この細孔容積をコントロールする方法の一つとして、二酸化マンガンの結晶成長をコントロールして結晶子サイズや集まり方を変える方法がある。例えば、電解二酸化マンガンを作成する際の電解電流の電流密度や電解温度などの電解条件を調整することにより、結晶成長の制御が可能である。
従来一般的に使用されているアルカリ電池用の二酸化マンガンの細孔径3〜5nmの細孔容積は、二酸化マンガン重量1g当り約0.010ccであり、正極合剤の細孔容積は合剤重量当たり約0.009ccである。特許文献1に記載されている二酸化マンガンは、BET表面積が20〜31m2/gと小さいことと、記載されている電解条件から上記の従来の二酸化マンガンと同レベルの細孔容積を有すると考えられる。
上記細孔径3〜5nmの細孔には、電解液が入り込むと考えられ、電解液が十分に存在すると放電に伴って濃度変化する水酸化物イオンなどの移動が速やかに起こる。したがって、この細孔容積が適正な範囲であれば、特に強負荷放電において、正極内で上記水酸化物イオンの濃度分極が生じにくく好ましい。一方、ミクロ孔と呼ばれる2nm以下の細孔は二酸化マンガンにおいては多く存在しないが、ここではイオンの速やかな移動が起こらないために、放電性能には大きくは寄与しないと考えられる。
すなわち、特許文献1で記載されているミクロ孔と本発明の細孔径3〜5nmの細孔とは、技術的に電池の充放電反応において果たす役割が異なる細孔であり、この細孔を制御することにより、1.5W放電を含むような強負荷パルス放電においての効果が得られると考えられる。
デジタルカメラ用電源としての評価として用いられるANSI(American National Standards Institute)の単三サイズのアルカリ電池の放電評価モードにある強負荷パルス放電は、1.5W―2秒と0.65W―28秒を1パルスとしとし10サイクル毎に55分休止する放電パターンである。これは非常に大きな電流負荷が掛かる一方で、休止時間を含むことから電池温度はあまり上昇しない。高温では放電しやすくなるため良い影響を及ぼすが、上記モードではそれがない点で従来の強負荷の連続放電に比べて特性が出にくく、二酸化マンガン周囲でより速やかなイオンの移動が必要であると考えられる。
上記のようなモードでも、正極合剤における細孔径3〜5nmの細孔容積が合剤重量1g当り0.016cc以上0.086cc以下の場合には良好な強負荷放電性能が得られる。前記細孔容積が、合剤重量1g当り0.016cc未満であると、合剤内の細孔や二酸化マンガン周囲に存在する電解液量が不足し、良好な放電特性が得られない。一方、0.086ccを越えると、二酸化マンガンの充填性が悪くなり、電池内の二酸化マンガン
の充填量が不足するために良好な放電特性が得られず、好ましくない。電解二酸化マンガン以外の二酸化マンガンの場合は、結晶の形状は異なっても、この細孔径3〜5nmの細孔容積が上記値であると同様な効果がある。
また、正極合剤に含まれる黒鉛は平均粒径8〜35μmの人造黒鉛を用いることが多い。通常これらの黒鉛の持つ細孔径3〜5nmの細孔容積は、黒鉛重量1g当り0.0007〜0.0018ccであり、また、二酸化マンガン粒子と黒鉛粒子との間にできる粒子間隙間は細孔径3〜5nmの範囲よりも通常大きいため、細孔径3〜5nmの細孔容積はほとんど無視できるほど少ない。従って、正極合剤を測定して求められる細孔径3〜5nmの細孔容積は、ほとんどが二酸化マンガンが有する細孔であると考えられる。
合剤における細孔径3〜5nmの細孔容積は、合剤重量1g当り0.023cc以上0.067cc以下であると、放電時の二酸化マンガン中の水酸化物イオンの濃度分極がさらに低減されるため好ましい。
また、二酸化マンガンにおける細孔径3〜5nmの細孔容積が、二酸化マンガン重量1g当り0.018cc以上0.09cc以下であると濃度分極が低減され好ましい。0.018cc未満であると二酸化マンガン粒子内部の細孔、および二酸化マンガン周囲の電解液の存在量が好ましくなく、また0.09ccを越えると二酸化マンガン粒子内での結晶子や結晶粒間の距離が開きすぎるため、固相内での電子およびイオンの伝導性の点で好ましくない。さらに、二酸化マンガンにおける細孔径3〜5nmの細孔容積が、二酸化マンガン重量1g当り0.025cc以上0.07cc以下であると、濃度分極がより低減されるため好ましい。
また、二酸化マンガンのBET表面積は34m2/g以上145m2/g以下である。34m2/g未満であると、二酸化マンガンと電解液の反応面積が不十分であるため好ましくなく、145m2/gより大きいと二酸化マンガンの密度が低くなりすぎ、電池内への二酸化マンガン充填量が低下しすぎるため好ましくない。
本発明の細孔径3〜5nmの細孔容積の測定には、BJH(Barrett,Joyner and Halenda)法を用いる。実施例ではマイクロメリテック製ASA2010装置を用い、測定の前処理には、試料を120℃で1時間、0.005Torrで減圧乾燥した。吸着ガスは窒素を用いた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の一つの形態であるアルカリ電池は、正極、負極およびアルカリ電解液からなり、正極は、電解二酸化マンガンおよび黒鉛導電剤を含む正極合剤からなる。この正極合剤は1重量%程度の少量のアルカリ電解液を含ませて成形性を向上させることができるが、その場合、本発明における合剤重量は120℃、0.005Torrで乾燥させることにより吸着水分などを除いた固形分とし、これを細孔算出の分母としてみなす。また、バインダーとしてポリエチレン粉末を含むこともできるが、少量であり、3〜5nmの細孔はほとんど無視できるほどしか持たない。二酸化マンガンと黒鉛の重量比は96:4〜92:8であるのが好ましい。
負極には、例えば、負極活物質として亜鉛粉末または亜鉛合金粉末と、ゲル化剤としてポリアクリル酸ナトリウムと、アルカリ電解液との混合物からなるゲル状負極が用いられる。亜鉛合金は、例えば、アルミニウム、ビスマス、およびインジウムを含む。
亜鉛粉末または亜鉛合金粉末は、例えば、粒径が75μmを超え425μm以下の粉末
を60〜80重量%、および粒径が75μm以下の粉末を20〜40重量%含む場合が好ましい。
セパレータには、例えば、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布が用いられる。
アルカリ電解液には、例えば、水酸化カリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液が用いられる。
二酸化マンガンは、電解二酸化マンガンが好ましいが、化学二酸化マンガン、天然二酸化マンガンであってもよく、またそれらを混合してもよい。二酸化マンガンの粒度は、平均粒径25〜38μmの範囲であると、反応性と充填性の面で好ましい。
黒鉛には、人造黒鉛の粉末を用いることが好ましいが、天然黒鉛や膨張黒鉛その他の炭素材料を用いてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図1は、本実施例におけるアルカリ電池の一部を断面にした正面図である。
正極端子を兼ねる正極ケース1には、ニッケルメッキされた鋼板からなる缶状ケースを用いた。正極ケース1の内面には、黒鉛塗装膜を形成した。正極ケース1内には、短筒状の正極合剤ペレット2を複数個挿入し、加圧治具により正極合剤を再成形して電池ケース1の内壁に密着させた。正極ケース1の内壁に密着させた正極合剤ペレット2の中央に有底円筒形のセパレータ4を配置した。電池ケース1のガスケット5との密着部分に上記で得られた封止剤を塗布した。セパレータ4内にアルカリ電解液として40重量%の水酸化カリウム水溶液を所定量注入した。所定時間経過した後、ゲル状負極3をセパレータ4内に充填した。なお、ゲル状負極3には、ゲル化剤としてのポリアクリル酸ナトリウム、アルカリ電解液および負極活物質としての亜鉛粉末からなるものを用い、セパレータ4には、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布を用いた。
負極集電体6をゲル状負極3の中央に差し込んだ。なお、負極集電体6には、ガスケット5および負極端子を兼ねた底板(封口板)7を一体化させた。そして、正極ケース1の開口端部を樹脂製のガスケット5の端部を介して底板7の周縁部にかしめつけ、電池ケース1の開口部を封口した。外装ラベル8で正極ケース1の外表面を被覆した。ここで、ポリアミド50重量部にキシレン35重量部とブタノール15重量部を加えて希釈したものをガスケット5の負極集電体6との密着部分に塗布し、乾燥して、ガスケット5と負極集電体6との間を封止した。
(1)電解二酸化マンガンの作製
2L容量の丸底セパラブルフラスコを電解槽、5cm×5cm厚さ1mmのチタン板を陽極、5cm×5cm厚さ0.2mmの白金板を陰極として、陽極の両側に各2cmの距離を空けて陰極で挟む形で位置させた。電解浴の溶液には、硫酸マンガン50g/L、硫酸濃度50g/Lの水溶液を用いた。硫酸マンガン、硫酸の試薬はいずれも関東化学製特級を用いた。溶液濃度は、電解反応による変化を加味し、マンガンイオン濃度および酸濃度が初期値に対して±7%以内になるように、硫酸マンガン水溶液を電解槽に補充した。また、電解温度は電解槽をマントルヒーターにて調温することにより、87±0.5℃にて行った。連続電解時間を1日として電流密度6mA/cm2で電解した。電解終了後、
電着した二酸化マンガンをチタン板から剥し、250μm以下に粗粉砕したもの10gを100mLのイオン交換水中で攪拌しながら、0.1Nの水酸化ナトリウムを滴下してpH6となるまで攪拌し中和した。このスラリーをブフナー漏斗でろ過し、さらに100mLのイオン交換水を漏斗に通して洗浄したものを90℃2時間乾燥した。最後に、この粉末をスタンプミルにより粉砕し、JIS篩を用いて粒度を調整し、本発明の二酸化マンガンを得た。前述の方法により測定したこの二酸化マンガン中の3〜5nmの細孔量は0.018cc/gであった。
(2)正極合剤ペレットの作製
(1)で得られた電解二酸化マンガンと、黒鉛とを、重量比95:5の割合で配合し、混合して、正極合剤粉を得た。正極合剤粉100重量部あたり、アルカリ電解液1重量部を添加した後、正極合剤粉をミキサーで撹拌し、均一になるまで混合するとともに、一定粒度に整粒した。なお、アルカリ電解液には、水酸化カリウムの40重量%水溶液を用いた。得られた粒状物を中空円筒型に加圧成型して、正極合剤ペレットを得た。
(3)アルカリ電池の作製
この正極合剤ペレットを正極ケースに挿入し、単3サイズのアルカリ電池を作製した。
正極ケース内にアルカリ電解液を注液して、正極合剤ペレットとセパレータとを湿潤させた。電解液の注液後、セパレータの内側にゲル状負極を充填し、正極ケースの開口端部を、封口板の周縁端部を介して、底板の周縁端部にかしめつけ、正極ケースの開口を密閉した。最後に、正極ケースの外表面を外装ラベルで被覆し、アルカリ電池を完成させた。この電池を実施例1とした。この電池を分解して取り出した正極合剤を解砕し、純水で十分洗浄することによって電解液成分を除去した後に前述の方法で測定した正極合剤中の3〜5nmの細孔量は0.016cc/gであった。
電解二酸化マンガンの作製において、電解条件を温度85℃、電流密度4mA/cm2、硫酸濃度40g/Lにしたこと以外、実施例1と同様にして作製した。この二酸化マンガン中の3〜5nmの細孔量は0.025cc/gであった。この二酸化マンガンを用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製し、その電池を分解して採取した正極合剤中の3〜5nmの細孔量は0.023cc/gであった。
電解二酸化マンガンの作製において、電解条件を温度83℃、電流密度4mA/cm2、硫酸濃度50g/Lにしたこと以外、実施例1と同様にして作製した。この二酸化マンガン中の3〜5nmの細孔量は0.045cc/gであった。この二酸化マンガンを用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製し、その電池を分解して採取した正極合剤中の3〜5nmの細孔量は0.042cc/gであった。
電解二酸化マンガンの作製において、電解条件を温度80℃、電流密度5mA/cm2、硫酸濃度50g/Lにしたこと以外、実施例1と同様にして作製した。この二酸化マンガン中の3〜5nmの細孔量は0.070cc/gであった。この二酸化マンガンを用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製し、その電池を分解して採取した正極合剤中の3〜5nmの細孔量は0.067cc/gであった。
電解二酸化マンガンの作製において、電解条件を温度76℃、電流密度5mA/cm2、硫酸濃度50g/Lにしたこと以外、実施例1と同様にして作製した。この二酸化マン
ガン中の3〜5nmの細孔量は0.090cc/gであった。この二酸化マンガンを用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製し、その電池を分解して採取した正極合剤中の3〜5nmの細孔量は0.086cc/gであった。
(比較例1)
電解二酸化マンガンの作製において、電解条件を温度93℃、電流密度5mA/cm2、硫酸濃度20g/Lにしたこと以外、実施例1と同様にして作製した。この二酸化マンガン中の3〜5nmの細孔量は0.013cc/gであった。この二酸化マンガンを用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製し、その電池を分解して採取した正極合剤中の3〜5nmの細孔量は0.012cc/gであった。
(比較例2)
電解二酸化マンガンの作製において、電解条件を温度70℃、電流密度5mA/cm2、硫酸濃度50g/Lにしたこと以外、実施例1と同様にして作製した。この二酸化マンガン中の3〜5nmの細孔量は0.095cc/gであった。この二酸化マンガンを用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製し、その電池を分解して採取した正極合剤中の3〜5nmの細孔量は0.089cc/gであった。
(4)電池の評価
以上のようにして得られた実施例1〜5及び比較例1、2の電池の強負荷放電性能の評価を行った。電池組立て後、電池を室温にて10日間静置した後、20℃の環境下で、1.5W−2秒、0.65W−28秒を1サイクルとし、それを10サイクル(5分間)繰り返した後に55分休止する1サイクル当り1時間の放電パターンを繰り返し、電池電圧が1.05Vに達するまでの時間を計測した。また、比較例1の電池の特性を100とした指数で示した。
表1の放電性能の結果から、実施例1〜5の電池は、比較例1、2の電池と比較して、強負荷放電性能が優れることがわかった。その理由としては、実施例の電池は比較例1の電池比べ二酸化マンガン中および、合剤中の3〜5nmの細孔容積の割合が多いため、二酸化マンガン粒子内部の細孔、および二酸化マンガン周囲に適正量の電解液が存在し、放電中の濃度分極が低減されたため、強負荷放電性能が向上したと考えられる。一方、比較例2の電池は、細孔量が大きすぎるため、電池内の二酸化マンガンの充填量が不足し、放電性能が向上しなかったと考えられる。また、実施例1〜5の二酸化マンガンのBET比表面積より、34〜145m2/gの範囲が好ましいと考えられる。
以上のように、本発明にかかる二酸化マンガンおよびそれを用いた電池は、強負荷パルス放電特性の向上が可能である。従って、産業上の価値は非常に大きい。
本発明の実施例に係るアルカリ電池の一部を断面にした正面図
符号の説明
1 正極ケース
2 正極合剤ペレット
3 ゲル状負極
4 セパレータ
5 ガスケット
6 負極集電体
7 底板
8 外装ラベル

Claims (6)

  1. 正極に二酸化マンガンを含む合剤を用いた電池であって、前記合剤における細孔径3〜5nmの細孔容積が、合剤重量1g当り0.016cc以上0.086cc以下である電池。
  2. 前記合剤における細孔径3〜5nmの細孔容積が、合剤重量1g当り0.023cc以上0.067cc以下である請求項1に記載の電池。
  3. 細孔径3〜5nmの細孔容積が、重量1g当り0.018cc以上0.09cc以下である二酸化マンガン。
  4. 細孔径3〜5nmの細孔容積が、重量1g当り0.025cc以上0.07cc以下である二酸化マンガン。
  5. BET表面積が34〜145m2/gである請求項3または4記載の二酸化マンガン。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の二酸化マンガンを正極に用いた電池。
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