JP3341693B2 - 酸化銀電池の電極用活物質粉体と電極材料およびそれらの製造方法 - Google Patents

酸化銀電池の電極用活物質粉体と電極材料およびそれらの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高率放電特性に優
れた酸化銀電池を製造するのに好適な酸化銀電池の電極
用活物質粉体ないし電極材料およびそれらの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】酸化銀電池は、保存性に優れ、かつ放電
電圧の経時変化が小さく、放電終了末期まで殆ど電圧が
低下しない利点があり、時計、カメラ、ペースメーカ等
の小型電子機器の電源として幅広く使用されている。従
来、酸化銀電池の正極材料としては主に酸化銀粉体(A
2O)や過酸化銀粉体(AgO)が用いられており、負極
材料として主に亜鉛が用いられ、これら電極を浸す電解
液としてアルカリ液が一般に用いられている。さらに正
極材料として用いられる酸化銀粉体や過酸化銀粉体に
は、必要に応じて導電剤やインジケータ剤が添加されて
いる。導電剤としては鱗片状の黒鉛や銀ニッケライト(A
gNiO2)などが用いられており、インジケータ剤には酸化
マンガンが主に用いられている。このインジケータ剤は
酸化銀電池の放電終期に電池の電圧を徐々に降下させる
効果を与える。酸化銀電池は放電終了まで電圧が殆ど変
化しない利点を有するが、電圧変化を利用する場合等に
はインジケータ剤が添加される。具体的には、例えば、
酸化銀粉体に放電電圧の異なる活物質を少量添加する
と、酸化銀電池の放電終期に電池電圧が徐々に降下する
ようになるので電池の寿命を電圧の変化によって検出で
きるようになる。
【0003】
【発明の解決課題】この電極材料の酸化銀粉体はペレッ
ト形状にプレス成形されて電池の容器に収納されるの
で、一定体積かつ一定重量の酸化銀ペレットを再現性よ
く製造できることが必要であり、このため流動性に優れ
た充填量の正確な酸化銀粉体が求められる。流動性が乏
しいと充填量が不均一になり、所定の容量が得られない
等の問題を生じる。そこで、酸化銀を顆粒状にすること
により流動性を高めたものが従来知られている(特開昭6
1-136915号)。酸化銀粉を顆粒状にすることにより、流
動性が向上して電極を製造する際に秤量しやすくなり、
さらにプレス成形性が向上する。ところが、従来の上記
製造方法は溶液中で顆粒を成長させるために製造時間が
長い欠点があり、また湿式製法であるために導電剤やイ
ンジケータ剤を添加するには液組成の調整が難しいと云
う問題がある。
【0004】一方、酸化銀の粉体に2軸ロールを挿入し
て粉体を多方向から加圧圧縮することにより酸化銀粒子
が凝集した顆粒を製造する方法も知られているが(特開
昭56-5322号)、加圧力の調整が難しく、製造効率が低い
欠点がある。また、この方法では導電剤やインジケータ
剤は添加されていない。
【0005】このように酸化銀電池の正極材料として用
いる従来の酸化銀粉体は導電剤等を添加したものは専ら
粉体であり、この酸化銀電池は高率放電特性が低いと云
う問題がある。高率放電特性とは電池の負荷電流が大き
いときの放電効率を云い、一般に電池は負荷電流が大き
いと電池の内部抵抗によって電圧が低下する分極の現象
を生じ、この分極が大きいほど高率放電特性が低くな
る。例えば、カメラの電源として酸化銀電池が用いられ
ているが、フラッシュを連続して使用しようとすると短
時間に電気をコンデンサに蓄える必要があり、酸化銀電
池を高率放電しなければならない。ところが、現状の酸
化銀電池は高率放電特性が低いために高率放電させると
電池の容量が大幅に低下して寿命が著しく短くなり、さ
らに発熱を生じる問題がある。
【0006】本発明は、酸化銀電池の正極材料として用
いられる酸化銀粉体について、従来の上記問題を解決し
たものであり、顆粒状であってしかも導電剤やインジケ
ータ剤を含有し、さらに適度な内部空隙を有することに
より液まわり性が良く、高率放電特性に優れた酸化銀電
池を製造するのに最適な酸化銀を主体とする電極用活物
質粉体ないし電極材料およびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決する手段】すなわち、本発明は以下の構成
からなる酸化銀電池の電極用活物質粉体ないし電極材料
に関する。 (1)平均粒径1〜10μmの酸化銀粒子が凝集した顆
粒であって、顆粒が玉石状の形状を有し、顆粒内部に1
種または2種以上の導電剤粒子および/またはインジケ
ータ剤粒子が均一に分散しており、かつ顆粒内部に平均
孔径0.03〜3μmの微細な空隙を有することを特徴と
する酸化銀電池の電極用活物質粉体。 (2)顆粒の平均粒径が50〜500μmであり、顆粒
内部の空隙の平均孔径が0.1〜2μmである請求項1に
記載する酸化銀電池の電極用活物質粉体。 (3)酸化銀粒子の間に1種または2種以上の導電剤粒
子および/またはインジケータ剤粒子が均一に分散した
顆粒を加圧してなり、顆粒内部に平均孔径0.03〜3
μmの微細空隙を有し、該顆粒間に平均孔径1〜50μm
の粒界空隙を有する圧粉体からなることを特徴とする酸
化銀電池用電極材料。
【0008】さらに、本発明は以下の製造方法に関す
る。 (4)(イ)酸化銀粒子と導電剤粒子および/またはイン
ジケータ剤粒子が均一に混合した粉体を加圧して粒子間
に微細空隙を有する圧粉とする工程、(ロ)該圧粉体を解
砕して顆粒状の解砕粉とする工程、(ハ)該解砕粉の角を
とって玉石状にする工程、(ニ)該解砕粉をアルカリ水溶
液中で熟成する工程を有することを特徴とする酸化銀電
池の電極用活物質粉体の製造方法。 (5)上記(4)の製造方法によって得た顆粒状粉体を加
圧して圧粉とすることにより、酸化銀粒子の間に導電剤
粒子および/またはインジケータ剤粒子が均一に分散
し、かつ平均孔径0.03〜3μmの微細空隙と平均孔径
1〜50μmの粒界空隙を有する圧粉体からなる電極材
料を製造することを特徴とする酸化銀電池用の電極材料
の製造方法。
【0009】
【発明の実施形態】以下、本発明を実施形態に即して具
体的に説明する。本発明の酸化銀電池の電極用活物質粉
体は、平均粒径1〜10μmの酸化銀粒子が凝集した顆
粒であって、顆粒が玉石状の形状を有し、顆粒内部に1
種または2種以上の導電剤粒子および/またはインジケ
ータ剤粒子が均一に分散しており、かつ顆粒内部に平均
孔径0.03〜3μmの微細な空隙を有することを特徴と
し、好ましくは、顆粒の平均粒径が50〜500μmで
あり、顆粒内部の空隙の平均孔径が0.1〜2μmのもの
である。
【0010】(I)原料粒子 本発明の活物質粉体は酸化銀(Ag2O)または過酸化銀(Ag
O)を主体とする。本発明において酸化銀は過酸化銀でも
良く、過酸化銀を含めて酸化銀と云う。導電剤としては
銀ニッケライト(AgNiO2)、ビスマス酸銀(AgBiO3)、鉛酸
銀(Ag5Pb2O6)、黒鉛などが用いられ、インジケータ剤と
しては二酸化マンガン(MnO2)などが用いられる。活物質
中の導電剤の配合量は、黒鉛では2〜9wt%、銀ニッケ
ライト等の銀化合物では3〜50wt%が適当であり、イ
ンジケータ剤の配合量は活物質中で1〜10wt%が適当
である。
【0011】顆粒を形成する酸化銀や導電剤ないしイン
ジケータ剤の一次粒子の平均粒径は1〜10μmが適当
であり、2〜5μmが好ましい。この一次粒子の平均粒
径が1μm未満ではこれを凝集した顆粒の粒子間隙が小
さすぎて液まわり性が低下し、圧粉して電極材を形成し
たときに顆粒が単一の酸化銀粒子と実質的に同じになっ
てしまい、高率放電特定が低下する。また上記一次粒子
の平均粒径が10μmを上回ると同様に顆粒の内部空隙
が小さく高率放電特性が低下する。なお、湿式法によっ
て酸化銀粉や導電剤粉等を製造すると、粒子径が概ね1
〜10μmの一次粒子が房状に連なった凝集粉が得られ
る。これを原料として本発明の顆粒粉体を製造すること
ができる。
【0012】(II)顆粒粉体 一次粒子の平均粒径が1〜10μmの酸化銀粒子と導電
剤粒子ないしインジケータ剤粒子を均一に混合する工
程、該混合粉体を加圧して粒子間に微細空隙を有する圧
粉とする工程、該圧粉体を解砕して顆粒状の解砕粉とす
る工程、該解砕粉の角をとる工程を経由することによ
り、上記酸化銀粒子等が凝集した玉石状の顆粒を得るこ
とができる。ここで、一次粒子の凝集体に対する加圧力
および解砕時の粒径を調整することにより、平均粒径が
50〜500μmであって内部に平均孔径0.03〜3μ
mの微細な空隙を有する顆粒粉体を得ることができる。
【0013】上記顆粒の大きさは平均粒径50〜500
μmが適当であり、100〜300μmが好ましい。顆粒
の平均粒径が50μm未満ではこれを加圧して圧粉体と
したときに顆粒相互の空隙が小さすぎて液まわり性が劣
る。また平均粒径が500μmより大きいと同様に圧粉
体の内部空隙が小さくなるので好ましくない。また、こ
の顆粒は内部の一次粒子間に平均孔径0.03〜3μmの
微細な空隙を有するものが好ましい。この空隙は平均孔
径が0.1〜2μmのものが更に好ましい。この空隙が
0.03μm未満では顆粒内部の液まわり性が劣り、高率
放電特性が向上しない。一方、この空隙が3μmを超え
ると該顆粒を圧粉して得た電極材料の密度が小さくな
り、所望の容量が得られなくなる。さらに顆粒は角がと
れた玉石状のものが好ましい。玉石状の顆粒はこれをプ
レス圧粉して電極を形成したときに、顆粒どうしの粒界
に形成される空隙が角張った顆粒よりも均質になり、真
球状の顆粒よりも空隙の数が多くなるので内部の液まわ
り性が良くなり高率放電特性が向上する。
【0014】具体的な製造例としては、(イ)上記平均粒
径を有する所定量比の酸化銀粒子と導電剤粒子および/
またはインジケータ剤粒子をブレンダーに投入して均一
に攪拌混合する。(ロ)次に、この混合粉の一定量をプレ
ス機に充填し、加圧して圧粉体とする。加圧力は充填量
および圧粉体の目的密度にもよるが、概ね1.5〜8トン/
cm2が適当である。このプレス加工により内部に平均孔
径0.03〜3μmの微細な空隙を有する圧粉体を得る。
(ハ)この圧粉体をロールミル粉砕機等に装入し、ロール
圧を調整して解砕することにより上記微細空隙を維持し
た平均粒径50〜500μmの顆粒粉体を得る。(ニ)引き
続き、この解砕粉(顆粒)を回転羽を備えたロータリード
ラムに装入して処理することにより解砕粉の角をとり、
玉石状の顆粒とする。なお、解砕工程と解砕粉の角をと
る工程とを一体に行う装置を用いても良い。
【0015】上記解砕粉(顆粒)をアルカリ水溶液中で熟
成することにより、隣接する粒子どうしが接合して顆粒
の強度が向上し、単なる圧粉体の顆粒とは異なった粉体
となる。従って、この顆粒状粉体にプレス圧を加えても
顆粒内部の微細空隙が維持されるので、液まわり性の良
い電極材料を得ることができる。また、上記各工程を経
て顆粒を製造する際に空気中の炭酸ガスが顆粒に吸着さ
れるが、アルカリ水溶液中で熟成することにより炭酸ガ
スが除去されるので、酸化銀電池の自己放電を抑制でき
る利点もある。
【0016】上記熟成はオートクレーブ中、110〜1
70℃の温度で行うと良い。これにより炭酸痕を50pp
m以下に低減することができる。アルカリ水溶液を用い
ず、あるいは上記温度よりも高いと酸化銀の一部が還元
して銀メタルとなる。熟成後に固液分離して酸化銀の顆
粒を回収し、水洗後、乾燥する。
【0017】(III)電極材料 上記熟成工程を経た顆粒粉体を加圧して圧粉し、その際
に加圧力を調整することにより、酸化銀粒子の間に導電
剤粒子および/またはインジケータ剤粒子が均一に分散
し、顆粒内部に上記微細空隙を維持し、かつ顆粒間に粒
界空隙を有する圧粉体からなる電極材料を得ることがで
きる。このように、本電極材料は顆粒内部の微細空隙と
該微細空隙よりは大きい粒界空隙を有し、血管に例えれ
ば動脈と毛細血管に相当する二種の内部空隙をを有す
る。従って、材料内部の液まわり性が格段に良く、高率
放電特性が向上する。顆粒相互間の粒界空隙の大きさは
平均孔径1〜50μmが適当であり、5〜20μmが好ま
しい。粒界空隙が1μm未満では顆粒内部の微細空隙に
対する効果が不十分であり、一方、50μmを超えると
電極材料全体の密度が小さくなり、所望の強度および容
量が得られない。顆粒粉体に対する加圧力はこの大きさ
の粒界空隙が形成されるように調整するのが好ましい。
【0018】本発明に係る上記電極材の構造を図1の模
式図に示す。図示するように、電極材20は顆粒10の
圧粉体によって形成されており、該圧粉体の内部は顆粒
10の粒界に相対的に大きな空隙4が形成されている。
さらに顆粒10の内部は酸化銀粒子1の間に導電剤粒子
2が均一に分散しており、これら粒子の間に微細な空隙
3が維持されている。
【0019】比較例として、酸化銀の上記顆粒に導電剤
粉を混合しプレス圧粉して形成した電極材の構造を図2
の模式図に示す。図中、1は顆粒を形成する酸化銀粒
子、2は導電剤粒子、3は顆粒内部の微細空隙、4は顆
粒間の粒界空隙4である。この電極材20では、導電剤
粒子2は顆粒10の粒界に偏在し、顆粒内部に分散して
いない。このため、図1のものより導電性が劣る。高率
放電では電極の導電性が影響し、導電性が劣るものは電
圧が低下して分極が増大するので高率放電特性が劣る。
【0020】さらに、比較例として、酸化銀粒子と導電
剤粒子の混合粉体を直接に圧粉して電極材を形成したも
のを図3の模式図に示す。図中、1は酸化銀粒子、2は
導電剤粒子、3は粒子間の空隙である。この電極材20
では酸化銀の顆粒を用いないので図1の比較的大きな粒
界空隙は形成されない。従って、図1のものより内部の
液まわり性が劣る。
【0021】
【実施例】本発明を実施例によって以下に示す。実施例1(顆粒状酸化銀粉) [製造]:酸化銀粉(平均粒径3μm)に銀ニッケライト粉
(平均粒径5μm)およびグラファイト粉を表1に示す割合
で混合し、同表に示す条件でプレス圧粉した後、この圧
粉体をロールミル粉砕機に装入して解砕した。得られた
解砕粉を篩分して70μm〜300μmの顆粒状粉を分級
し、ロータリードラム(周速20m/min)で24時間回転処
理した後、25wt%濃度の苛性ソーダ水溶液と共にオー
トクレーブに入れ、表1に示す条件で熟成した。その
後、粉体を固液分離し、水洗、乾燥して、本発明の顆粒
酸化銀粉体を得た。 [評価]:上記酸化銀粉体について、JIS規格(JIS Z 2
504)に準じて見掛け密度(嵩密度)を測定し、見掛け密度
測定時にカップに堆積した粉末をヘラで掻き取る前の粉
末堆積状況から安息角を測定した。この結果を表1に示
した。さらに、表2に示す条件で、プレス圧粉して酸化
銀電極を製造し、亜鉛極およびその他は既存の部材を用
いてボタン型の酸化銀電池(サイス゛:11.6mmφ×4.2mm)を製
造し、連続放電試験を実施した。放電電流100mAで連
続放電したときの放電効率を表2に示した。また、負荷
電流を変えて連続放電したときの放電効率を図4に示し
た。放電効率(%)は、放電効率(%)=放電容量÷理論容
量×100の式によって求めた。なお、比較例1、2を
表2、図4に示した。
【0022】一般に、放電効率は負荷電流が大きくなる
と小さくなり、その減少幅が小さいほど効率よく高電流
を取り出せる。図4に示すように、本発明の電極材を用
いた電池は連続放電の負荷電流が100mAまで次第に大
きくなっても、比較例1,2より放電効率の低下が少な
く電池の性能が良い。また、表2に示すように、負荷電
流一定の場合でも、本発明の電極材を用いた電池は放電
効率が70%以上であり、放電効率50%前後の比較例
1,2より電池の性能が良い。さらに、本発明の酸化銀
の顆粒は従来の酸化銀粉体よりも安息角が小さく流動性
が良い。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】比較例1〜3 酸化銀粉(平均粒径3μm)にロール圧延を10回繰り返
し、得られた粉砕粉を篩分して70〜300μmの顆粒
状粉を分級して従来の顆粒状酸化銀粉を製造し、この顆
粒状酸化銀粉に黒鉛を添加した(表2,No.31:比較1)。
また、顆粒にしない酸化銀粉を用い、これに銀ニッケラ
イトまたは黒鉛を添加した(表2,No32,No33:比較2,
3)。これらの混合粉を表2のプレス圧で圧粉して酸化
銀電極を製造し、実施例と同様に電池を組み立て、放電
効率を測定した。この結果を表2に示した。表2に示す
ように、比較例1〜3の放電効率は何れも50%台であ
り、電池の性能が実施例の電池よりも大幅に低い。
【0026】実施例2 実施例1の顆粒状酸化銀粉(No.11)から製造した電極材
料と、比較例2の酸化銀分を用いて製造した電極材料に
ついて、その微細空隙の分布を水銀圧入法で測定した。
この結果を図5に示した。図示するように、本発明に係
る電極材は孔径5〜10μmと孔径0.1〜1μmの二種
の空隙があるのに対して、比較例2の電極材は孔径0.
1〜1μmの空隙だけである。
【0027】
【発明の効果】本発明の酸化銀を主体とする電極用活物
質は顆粒状であるので流動性が良く、正確な充填量が得
られる。また、これを圧粉した電極材料は顆粒内部に導
電剤やインジケータ剤が均一に分散しているので導電性
が高く、しかも顆粒内部の微細な空隙とこれより大きな
粒界空隙の二種の内部空隙を有するので液まわり性が良
く、優れた高率放電特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電極材料の構造を示す模式断面
図。
【図2】 比較例の電極材料の構造を示す模式断面図。
【図3】 比較例の電極材料の構造を示す模式断面図。
【図4】 酸化銀電池の連続放電効率を示すグラフ。
【図5】 電極材料の内部空隙の分布を示すグラフ。
【符号の説明】
1−酸化銀一次粒子、2−導電剤粒子、3−微細空隙、
4−粒界空隙、10−顆粒、20−電極材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−119653(JP,A) 特開 昭58−112255(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/54 H01M 4/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径1〜10μmの酸化銀粒子が凝集
    した顆粒であって、顆粒が玉石状の形状を有し、顆粒内
    部に1種または2種以上の導電剤粒子および/またはイ
    ンジケータ剤粒子が均一に分散しており、かつ顆粒内部
    に平均孔径0.03〜3μmの微細な空隙を有することを
    特徴とする酸化銀電池の電極用活物質粉体。
  2. 【請求項2】顆粒の平均粒径が50〜500μmであ
    り、顆粒内部の空隙の平均孔径が0.1〜2μmである
    求項1に記載する酸化銀電池の電極用活物質粉体。
  3. 【請求項3】酸化銀粒子の間に1種または2種以上の導
    電剤粒子および/またはインジケータ剤粒子が均一に分
    散した顆粒を加圧してなり、顆粒内部に平均孔径0.0
    3〜3μmの微細空隙を有し、該顆粒間に平均孔径1〜
    50μmの粒界空隙を有する圧粉体からなることを特徴
    とする酸化銀電池用電極材料。
  4. 【請求項4】(イ)酸化銀粒子と導電剤粒子および/また
    はインジケータ剤粒子が均一に混合した粉体を加圧して
    粒子間に微細空隙を有する圧粉とする工程、(ロ)該圧粉
    体を解砕して顆粒状の解砕粉とする工程、(ハ)該解砕粉
    の角をとって玉石状にする工程、(ニ)該解砕粉をアルカ
    リ水溶液中で熟成する工程を有することを特徴とする酸
    化銀電池の電極用活物質粉体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4の製造方法によって得た顆粒状粉
    体を加圧して圧粉とすることにより、酸化銀粒子の間に
    導電剤粒子および/またはインジケータ剤粒子が均一に
    分散し、かつ平均孔径0.03〜3μmの微細空隙と平均
    孔径1〜50μmの粒界空隙を有する圧粉体からなる電
    極材料を製造することを特徴とする酸化銀電池用の電極
    材料の製造方法。
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