JP2008153196A - アルカリ電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高負荷放電性能および保存特性に優れたアルカリ電池を提供する。
【解決手段】アルカリ電池は、正極活物質として、二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルを含んでおり、二酸化マンガンを加熱したときの100℃以上400℃以下の温度範囲での二酸化マンガンの重量減少率は3.8重量%以上である。また、この二酸化マンガンに対して粉末X線回折測定を行うと、ミラー指数が(110)である回折面のピーク位置が、20.5度以上21.7度以下であり、かつ、ミラー指数が(021)である回折面のピーク強度I(021)に対するミラー指数が(130)である回折面のピーク強度I(130)の比率(I(130)/I(021))が、0.1以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、正極活物質として二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルを用いたアルカリ電池に関する。
近年、アルカリマンガン電池(以下では「アルカリ電池」という)などの一次電池の用途は拡大され、例えばデジタルスチルカメラ(Digital still camera)のような強負荷放電性能(強負荷放電時における高い放電性能)が必要とされる機器で一次電池が使用される場合が増えている。
例えば、特許文献1のように、強負荷放電性能を向上させるために、正極活物質として二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルとを用いるアルカリ電池(以下、ニッケル−マンガン系のアルカリ電池という)がある。このようなニッケル−マンガン系のアルカリ電池では、通常、二酸化マンガンとして従来の電解二酸化マンガン(ガンマー型二酸化マンガン)が用いられている。
また、特許文献2のように、高温保存後におけるニッケル−マンガン系のアルカリ電池の強負荷放電性能の劣化を改良するために、電位が270mV以上の二酸化マンガンを用いることが提案されている。特許文献2に開示された技術は、酸処理により従来のガンマー型二酸化マンガン中のマンガンの価数を高める方法であり、二酸化マンガンの電位をオキシ水酸化ニッケルの電位に近づけようとするものである。また同様に、保存後におけるニッケル−マンガン系のアルカリ電池の放電性能の劣化を改善するために、特許文献3のように正極合剤中に酸化亜鉛または水酸化カルシウムを添加することが提案されている。
また、強負荷放電性能を向上させるために、例えば特許文献4のように、二酸化マンガンを加熱した際の200℃以上400℃以下の温度範囲における重量減少量が2.7重量%以上である二酸化マンガンを使用することが提案されている。特許文献4には、このような二酸化マンガンを用いると二酸化マンガン内部における水素イオンの拡散を容易にすることができると記載されている。しかし、特許文献4では、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルを用いていないので、ニッケル−マンガン系のアルカリ電池における保存特性(保存をしても初期の放電性能を維持することができる能力)に関しては何等記載されていない。
特開2006−12670号公報 特開2003−234107号公報 特開2001−15106号公報 特開2004−186127号公報
上述のように正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルを用いると強負荷放電性能を向上させることができる。しかし、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルを用いると、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルを用いない場合に比べて、保存特性が大きく低下し、特に高温で保存した場合における保存特性の低下が著しい。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、強負荷放電性能を向上させることができるとともに保存特性の低下を抑制することにある。
本発明にかかるアルカリ電池は、正極活物質として二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルを含んでおり、二酸化マンガンを加熱したときに100℃以上400℃以下の温度範囲における二酸化マンガンの重量減少率は、3.8重量%以上である。
ここで、100℃以上400℃以下の温度範囲における二酸化マンガンの重量減少率(以下では単に「二酸化マンガンの重量減少率」と記す)は、通常、熱重量分析装置を用いて測定されるが、以下の式1を用いて定義することができる。
(二酸化マンガンの重量減少率)={W(100℃)−W(400℃)}÷W(RT)・・・・(式1)
(式1)におけるW(100℃)およびW(400℃)は、それぞれ、二酸化マンガンを100℃および400℃に加熱したときの二酸化マンガンの重量であり、W(RT)は、室温における二酸化マンガンの重量、具体的には加熱する前の二酸化マンガンの重量である。
別の言い方をすると、本発明にかかるアルカリ電池は、正極活物質として二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルを含んでおり、二酸化マンガンを粉末X線回折測定したときには、ミラー指数が(110)である回折面のピーク位置が、20.5度以上21.7度以下であり、かつ、ミラー指数が(021)である回折面のピーク強度I(021)に対するミラー指数が(130)である回折面のピーク強度I(130)の比率(I(130)/I(021))が、0.1以下である。すなわち、本発明における二酸化マンガンに対して、重量減少率を求めると3.8重量%以下であり、粉末X線回折測定をすると上述のピーク位置およびピーク強度の比率を示す。
本発明によれば、強負荷放電性能を向上させることができるとともに保存特性の劣化を抑制することができる。
本願発明者らは、正極活物質として二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルを用いたアルカリ電池において(このような正極活物質を以下では「ニッケル−マンガン系の正極活物質」と記す)、二酸化マンガンとして、従来のアルカリ電池において用いられている二酸化マンガン(以下では「ガンマー型二酸化マンガン」という)を用いるのではなくガンマー型二酸化マンガンよりも小さな結晶子で構成された二酸化マンガン(以下では「イプシロン型二酸化マンガン」という)を用いると、強負荷放電に適し且つ保存後の放電性能の低下を抑制できることを見いだした。本願にかかる発明を説明する前に、ニッケル−マンガン系のアルカリ電池において保存特性が低下する理由を示す。
ニッケル−マンガン系の正極活物質を用いた場合にアルカリ電池の保存特性が低下する理由としては、オキシ水酸化ニッケルの標準電位が二酸化マンガンの標準電位に比べて高いので電子がオキシ水酸化ニッケルから二酸化マンガンへ移動し、その結果、ニッケル−マンガン系の正極活物質において自己放電が起こるからである,と考えられている。よって、自己放電の発生を抑制することができればアルカリ電池の保存特性の低下を抑制することができる,と考えられる。
詳細には、ニッケル−マンガン系の正極活物質では、オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとが互いに接触しており、また、標準電位は二酸化マンガンの方がオキシ水酸化ニッケルよりも低いので、オキシ水酸化ニッケルの電子は二酸化マンガンへ移動して二酸化マンガン内を移動する。二酸化マンガン粒子は数多くの結晶子で構成されているので、二酸化マンガン粒子内では、電子は二酸化マンガン粒子を構成する結晶子内を移動するステップと結晶子から隣の結晶子へ移動するステップとを繰り返しながら二酸化マンガンの粒子内を移動する、と考えられている。電子が結晶子から隣の結晶子へ移動する際には電子は粒界(隣り合う結晶子の境界)を跨ぐので、結晶子から隣の結晶子へ移動するステップが律速段階であろうと予測される。
以上より、ニッケル−マンガン系の正極活物質においてオキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとの接触を回避すると、または、二酸化マンガン内における電子の移動を抑制すると、ニッケル−マンガン系の正極活物質において自己放電の発生を抑制することができ、その結果、アルカリ電池の保存特性の低下を抑制することができる、と考えられる。
オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとの接触を回避させる方法として、例えば、オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとの間に他の化合物を介在させるという方法が挙げられる。しかし、他の化合物がオキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとの間に介在するように正極活物質を調製することは難しく、また、他の化合物を混入させると正極合剤におけるオキシ水酸化ニッケルおよび二酸化マンガンの含有率が低下してしまう。以上より、オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとの接触を回避することは難しい、と考えられる。
一方、二酸化マンガン粒子内における電子の移動を抑制させるためには、上述のように結晶子から隣の結晶子へ移動するステップが律速段階であるので結晶子から隣の結晶子への電子の移動を抑制できればよい。本願発明者らは、この点に着眼し、本発明を完成させた。以下では、ガンマー型二酸化マンガンと比較しながらイプシロン型二酸化マンガンを説明し、また、本願にかかるアルカリ電池を説明する。
本願発明者らは、二酸化マンガンとしてガンマー型二酸化マンガンではなくイプシロン型二酸化マンガンを用いるとアルカリ電池の保存特性を向上させることができる理由として、断定はできないが以下に示すことを考えている。
従来、二酸化マンガンとしてはガンマー型二酸化マンガンおよびイプシロン型二酸化マンガンなどが知られており、ガンマー型二酸化マンガンおよびイプシロン型二酸化マンガンはともにラムスデライト構造とパイロルサイト構造との混晶であると考えられている。しかし、イプシロン型二酸化マンガンは上述のようにガンマー型二酸化マンガンに比べて小さな結晶子で構成されている。そのため、イプシロン型二酸化マンガン粒子の方がガンマー型二酸化マンガン粒子よりも結晶子の数が多くなるので隣りの結晶子へ移動するステップの数が多くなる。上述のように隣りの結晶子へ移動するステップが律速段階であると考えられているので、このステップを行う回数が増加すれば二酸化マンガン内における電子の移動を抑制することができ、その結果、ニッケル−マンガン系の正極活物質における自己放電の発生を抑制することができると推測できる。
以上をまとめると、イプシロン型二酸化マンガンはガンマー型二酸化マンガンに比べて小さな結晶子で構成されているので、オキシ水酸化ニッケルから二酸化マンガンへ移動した電子はガンマー型二酸化マンガン粒子内よりもイプシロン型二酸化マンガン粒子内の方が移動しにくい。これにより、二酸化マンガンとしてイプシロン型二酸化マンガンを用いると、二酸化マンガンとしてガンマー型二酸化マンガンを用いた場合に比べてニッケル−マンガン系の正極活物質における自己放電の発生を抑制することができ、その結果、保存特性の向上を図ることができる。
イプシロン型二酸化マンガンとガンマー型二酸化マンガンとの相違点は結晶子の大きさであるので、ガンマー型二酸化マンガンを製造するときに比べて結晶成長が抑制されるように結晶成長の条件を変更すればイプシロン型二酸化マンガンを製造することができる。このような製法を用いてイプシロン型二酸化マンガンを製造するので、イプシロン型二酸化マンガンの方がガンマー型二酸化マンガンよりも結晶性に劣ると推測される。ガンマー型二酸化マンガンにおいては一部のマンガン原子が欠損していることが知られているので、イプシロン型二酸化マンガンにおいても一部のマンガン原子が欠損しており、その欠損量はイプシロン型二酸化マンガンの方が多いと予測できる。
一般に、二酸化マンガンにおいてマンガン原子が欠損すると、マンガン原子が欠損した箇所にはプロトンが結合する。このプロトンは、加熱により酸素の脱離を伴って水として放出されるので、構造水と呼ばれている。上述のようにイプシロン型二酸化マンガンの方がガンマー型二酸化マンガンよりもマンガン原子の欠損量が多ければ、イプシロン型二酸化マンガンの方がガンマー型二酸化マンガンに比べて多くの構造水を含んでいると考えられる。本願発明者らが構造水の量を確認したところ、二酸化マンガンの重量減少率は、イプシロン型二酸化マンガンでは3.8重量%以上であったがガンマー型二酸化マンガンでは3.0重量%以上3.8重量%未満であった。この結果から、上述の仮説(イプシロン型二酸化マンガンはガンマー型二酸化マンガンに比べてマンガンの欠損量が多いという仮説)は成立すると考えることができる。
なお、二酸化マンガンの重量減少率は、イプシロン型二酸化マンガンの場合であってもガンマー型二酸化マンガンの場合であっても、上記(式1)を用いて算出される。
また、二酸化マンガンにおいてマンガン原子が欠損する理由としては、結晶成長中にマイクロツイニングと呼ばれる構造不斉が起こるためである、すなわち結晶成長中に結晶成長方向の反転が起こるためである、ということが報告されている。
以上より、イプシロン型二酸化マンガンとガンマー型二酸化マンガンとの関係を示すと、粒子を構成する結晶子の大きさに関してはイプシロン型二酸化マンガンの方がガンマー型二酸化マンガンよりも小さく、Mn原子の欠損量に関してはイプシロン型二酸化マンガンの方がガンマー型二酸化マンガンよりも多い。以下では、二酸化マンガンの重量減少率について説明する。
イプシロン型二酸化マンガンとしては、二酸化マンガンの重量減少率が3.8重量%以上であれば好ましいが、二酸化マンガンの重量減少率が4.0重量%以上5.4重量%以下であればさらに好ましい。二酸化マンガンの重量減少率が例えば3.8重量%未満であると、マンガンの欠陥量が少ないので結晶子が充分に成長していると考えられ、その結果、ガンマー型二酸化マンガンに比べて粒界の個数を減らすことができず、ニッケル−マンガン系の正極活物質における自己放電の発生を抑制することが難しい。以上より、二酸化マンガンの重量減少率が3.8重量%未満であれば、保存特性を向上させることができないので好ましくない。
一方、二酸化マンガンの重量減少率が例えば5.4重量%を上回ると、マンガンの欠損量が大きくなりすぎるので初期の放電性能が低下する虞があるため好ましくない。よって、初期および保存後における放電性能の向上を図るためには、イプシロン型二酸化マンガンとしては、二酸化マンガンの重量減少率が3.8重量%以上5.4重量%以下であることが好ましく、二酸化マンガンの重量減少率が4.0重量%以上5.4重量%以下であればさらに好ましい。なお、二酸化マンガンの重量減少率は、粉末状態の二酸化マンガンに対して熱重量分析(Thermo gravimetric Analysis;TG)を行うことにより、算出される。
以上二酸化マンガンの重量減少率を用いてイプシロン型二酸化マンガンを説明したが、以下に示すように粉末X線回折測定を行ったときのピーク位置および強度比を用いてイプシロン型二酸化マンガンを説明することもできる。
上記イプシロン型二酸化マンガンを粉末X線回折測定すると、ミラー指数(110)である回折面のピーク位置が20.5度以上21.7度以下であり、かつ、ミラー指数が(021)である回折面のピーク強度(I(021))に対するミラー指数が(130)である回折面のピーク強度(I(130))の比率(I(130)/I(021))が0.1以下である。以下では、この比率(I(130)/I(021))を単に「ピーク強度比」という。
ここで、二酸化マンガンに対して粉末X線回折を行ったときに得られるピークは、例えば、Y.Chabre and J.Pannetier,Prog.Solid St.Chem.Vol.23(1),pp.1-130, 1995 に詳細に研究されている。この参考文献には、マイクロツイニングの量が変化すると粉末X線回折の結果が変化するということは記載されているが、粉末X線回折の結果におけるガンマー型二酸化マンガンとイプシロン型二酸化マンガンとの明確な区別は記載されていない。また、二酸化マンガンはパイロルサイトおよびラムスデライトと呼ばれる2種類の結晶層の混晶であるので特定の回折ピークがどの結晶格子配列に由来するかを特定しずらく、二酸化マンガンの粉末X線回折の結果に対して明確な理論付けを行うことは困難である。しかしながら、本願発明者らの検討により、(110)面のピーク位置およびI(130)/I(021)強度比がそれぞれ上記範囲内に存在すれば、初期および保存後における放電特性を確保するという点においてマイクロツイニングの存在割合が適切であることがわかった。このことは、上記参考文献に記されているマイクロツイニングの量が変化するとピークが変化する傾向と一致している。すなわち、(110)面のピーク位置およびI(130)/I(021)強度比が上記範囲内に存在する二酸化マンガンでは、初期および保存後における放電特性を確保するという点においてマンガンの欠損量が適切であると考えられる。
上述のように、ミラー指数(110)である回折面のピーク位置が20.5度未満であるもしくは21.7度よりも大きい、またはピーク強度比が0.1よりも大きい場合には、初期および保存後における放電特性を確保するという点において二酸化マンガンの結晶中におけるマンガン欠損量が適量ではないので好ましくない。
具体的には、ミラー指数(110)である回折面のピーク位置が20.5度未満であれば、マンガンの欠損量が多すぎると予測され、その結果、初期の放電特性の低下を招来する虞があり好ましくない。
また、ミラー指数(110)である回折面のピーク位置が21.7度より大きい場合、あるいは、ピーク強度比が0.1より大きい場合は、マンガンの欠損量が少なすぎるため、上述のように保存後における放電性能の低下を抑制することができず好ましくない。なお、粉末X線回折測定を行う場合には、二酸化マンガンを粉末状態とすればよい。
以上説明したように、本実施形態にかかるアルカリ電池では、正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルを含んでいるので、強負荷放電特性を向上させることができる。
また、従来、オキシ水酸化ニッケルを正極活物質として用いると保存特性の低下が懸念されているが、本実施形態にかかるアルカリ電池では、二酸化マンガンとして従来のガンマー型二酸化マンガンではなくイプシロン型二酸化マンガンを用いているので保存特性の低下を抑制することができる。このようなイプシロン型二酸化マンガンを製造する方法としては、電解浴中の硫酸濃度、電解温度および電解電流密度などを変更してイプシロン型二酸化マンガンを合成し、その後、粉砕機を用いて合成されたイプシロン型二酸化マンガンを粉砕すればよい。また、イプシロン型二酸化マンガンとしては、化学合成によって製造された化学二酸化マンガンであってもよい。
以下では、本実施形態におけるアルカリ電池の構成、正極、負極、電解液およびセパレータ4などの材料について、順に示す。
アルカリ電池は、図1に示すように、一端(図1における上端)が封じられた筒状の電池ケース1を備えている。電池ケース1は正極端子と正極集電体とを兼ねており、電池ケース1には中空円筒状の正極が内接している。正極の中空部には負極が設けられており、正極と負極との間にはセパレータ4が設けられている。正極、負極およびセパレータ4には、アルカリ電解液が含まれている。
電池ケース1の開口(図1における下端)は底板7で封口されており、底板7には釘型の負極集電子6が電気的に接続されており、負極集電子6および底板7にはガスケット5が物理的に接続されている。電池ケース1の外周面には、外装ラベル8が被覆されている。
正極の合剤には、活物質として、上述のようにイプシロン型の二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルとが含まれていることが好ましい。
二酸化マンガンとしては、粉末状態における二酸化マンガンの平均粒径は、20μm以上35μm以下であることが好ましいが、この範囲に限定されない。
オキシ水酸化ニッケルとしては、水酸化ニッケルを酸化処理して合成し、平均粒径が7μm以上17μm以下であるベータ型オキシ水酸化ニッケルを用いることが好ましい。しかし、合成法としては他の合成法を用いてもよく、また、酸化処理方法および粒径の大きさも特に限定されない。また、固溶元素としてCo、Zn、Mn、CaまたはMg等を含んでもよい。
正極の合剤には、二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケル以外に、保存中に性能が劣化することを防止するために少量のZnO、Ca(OH)または他の化合物を含んでもよい。
さらに、正極の合剤には、導電剤として人造黒鉛粉末が含まれていることが好ましいが、導電剤として天然黒鉛、膨張黒鉛、繊維状黒鉛、アセチレンブラックおよびカーボンブラックのような炭素系の導電剤が含まれていてもよい。さらには、正極の成形性を高めるために、ポリエチレンなどの結着剤を含んでもよい。
正極の合剤として成形体(ペレット)を用いる場合には、空隙率を12%以上26%以下とすることが好ましい。
負極としては、亜鉛を主成分とする合金粉末を用い、電解液とポリアクリル酸ナトリウムなどからなるゲル化剤とを混合したゲル状負極を用いることが好ましい。主成分としては亜鉛に限定されることはなく、アルカリ水溶液中において本発明の正極に対して負の電位を示し放電可能かつ安定な金属であれば特に限定されることなく用いることができる。
また、合金粉末としては、主成分の金属に対して、防食性および安定性を高めるためにインジウム、ビスマス、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウムまたはストロンチウムなどの他の金属、有機性の添加剤または無機性の添加剤を添加したものであってもよい。合金粉末の粒度は特に限定されないが、合金粉末としては粒径が75μm以下の微粉末を20重量%以上35重量%以下含んでいることが好ましい。
アルカリ電解液としては、KOHを主成分としZnOを含む水溶液を用いることが好ましく、ZnOの添加量としては2重量%以上10重量%以下であることが好ましい。また、アルカリ電解液には、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムまたは水酸化カルシウムなどが含まれていても良い。
セパレータ4としては、耐アルカリ性のレーヨン、または、パルプ等を含む不織布を用いることが好ましいが、セロハン、プラスチック製の不織布、または、プラスチック製の多孔膜などを用いてもよい。
電池ケース1としては、LR6型の円筒型の電池ケースを用いることが好ましく、外周面に鉄メッキが施された円筒形の電池ケースを用いることが好ましい。しかし、電池ケース1の大きさおよび形状は特に限定されるものではなく、プラスチック樹脂からなる電池ケースを用いても良い。
なお、本願発明者らは、実施例に示す方法に従って加熱による二酸化マンガンの重量減少率の測定および二酸化マンガンに対する粉末X線回折の測定を行っている。
実施例を用いて本発明のより具体的な形態を詳細に説明する。
(1)二酸化マンガンの作製
容量が2Lである丸底セパラブルフラスコを電解槽として用い、縦5cm×横5cm×厚さ1mmのチタン板を陽極として用い、縦5cm×横5cm×厚さ0.2mmの白金板を陰極として用いた。陽極を挟むように、また、陽極からそれぞれ2cm離れるように、2枚の陰極を配置した。
電解槽には、硫酸マンガンを50g/L含むとともに硫酸を35g/L含む水溶液を入れた。硫酸マンガンおよび硫酸はいずれも関東化学製の特級を用いた。電解反応が進むと電解槽中における溶液の濃度が変化すると考えられるので、電解反応中、マンガンイオン濃度および硫酸濃度が初期値に対して±7%以内になるように硫酸マンガンを含む水溶液を電解槽に補充した。
また、マントルヒータを用いて電解槽の温度を92±1.0℃とし、連続電解時間を1日として電流密度が50A/mである電流を流して電解した。電解終了後、電着した二酸化マンガンをチタン板から剥し、直径が250μm以下になるように粗粉砕した。粗粉砕した二酸化マンガン10gを100mLのイオン交換水の中で攪拌させながら、0.1Nの水酸化ナトリウムを滴下してpH6となるまで中和した。
中和により得られたスラリーをブフナー漏斗でろ過し、さらに100mLのイオン交換水を漏斗に通して洗浄し、その後、90℃で2時間乾燥させた。最後に、スタンプミルを用いてこの粉末を粉砕し、JIS篩を用いて粒度を調整し、二酸化マンガンの粉末を得た。
(2)正極合剤の作製
(1)で得られた二酸化マンガンの粉末56重量部に対し、38重量部のオキシ水酸化ニッケルの粉末と、6重量部の人造黒鉛(日本黒鉛製、型番SP20)と、0.2重量部の水酸化カルシウム(保存特性の劣化を抑制するための添加剤)と、0.5重量部のポリエチレンの粉末(バインダー)とを加えて、ミキサーを用いて混合させて正極合剤を得た。
(3)正極ペレットの作製
金型を用いて、(2)で得られた正極合剤を中空円筒状(ドーナツ型)に加圧成形した。
(4)ゲル状負極の作製
電解液とポリアクリル酸ナトリウム(ゲル化剤)とを重量比で100:3となるように混合し、ゲル状の電解液を得た。このゲル状電解液と亜鉛合金の粉末とを重量比で1:2となるように混合して、ゲル状の負極を得た。なお、電解液としては、2.5重量%の酸化亜鉛を含み、水酸化カリウムの濃度が34重量%であるアルカリ水溶液を用いた。
(5)アルカリ電池の組立て
以下に示す手順で図1に示す構造の単3型アルカリ電池を作製した。なお、図1にはアルカリ電池の一部を断面としたアルカリ電池の正面図を示す。
具体的には、まず、電池ケース1内に上記で得られた正極ペレットを2個挿入し、加圧治具により正極合剤2を再成型して電池ケース1の内壁に密着させた。
次に、電池ケース1内に配置された正極合剤2の中央に有底円筒形のセパレータ4を配置し、(4)で調製した電解液をセパレータ4内へ注入した。ここで、この電解液のKOH濃度は34重量%であり、この電解液は2.5重量%の酸化亜鉛を含んでいた。電解液の注液量としては、過不足がないように、最適な注液量を見積もった。
注液量の見積もり方法としては、まず、正極およびセパレータ4が設けられた電池ケース1に大過剰の電解液を入れ、室温でゲージ圧が700mmHgとなるように1分間減圧させた。次に、常圧に戻して更に5分静置した後、電池ケース1を逆さ向きにし、所定の方法で振って過剰な電解液(正極およびセパレータ4に注入されなかった電解液)を除去した。そして、除去されずに残った電解液の量を最適な注液量とした。
このようにして電解液を電池ケース1に注入した後、減圧処理を行った。その後所定の時間が経過してから、上記で得られたゲル状負極3をセパレータ4内へ充填した。なお、セパレータ4としては、ポリビニルアルコール繊維とレーヨン繊維とを主体とした不織布を用いた。
そして、負極集電子6をゲル状負極3の中央に挿入した。なお、負極集電子6には、ガスケット5および負極端子を兼ねる底板7を予め一体化させておいた。そして、ガスケット5の端部を介して、電池ケース1の開口端部を底板7の周縁部にかしめつけ、電池ケース1の開口部を封口した。最後に、外装ラベル8で電池ケース1の外表面を被覆してアルカリ電池(以下、「電池」と表す)を得た。
二酸化マンガンを作製するときに電解浴中の硫酸濃度を50g/Lとし電解温度を95±1.0℃とし電解電流密度を50A/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、電池を得た。
二酸化マンガンを作製するときに電解浴中の硫酸濃度を70g/Lとし電解温度を95±1.0℃とし電解電流密度を50A/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、電池を得た。
二酸化マンガンを作製するときに電解浴中の硫酸濃度を75g/Lとし電解温度を92±1.0℃とし電解電流密度を50A/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、電池を得た。
二酸化マンガンを作製するときに電解浴中の硫酸濃度を80g/Lとし電解温度を90±1.0℃とし電解電流密度を55A/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、電池を得た。
正極合剤を作製するときに75重量部の二酸化マンガンの粉末に対して21重量部のオキシ水酸化ニッケルの粉末と6重量部の人造黒鉛(日本黒鉛製、品番SP20)と0.2重量部の水酸化カルシウム(保存特性の劣化を抑制するための添加剤)と0.5重量部のポリエチレンの粉末(バインダー)とを加えたこと以外は実施例1と同様にして、電池を得た。
(比較例1)
二酸化マンガンを作製するときに電解浴中の硫酸濃度を15g/Lとし電解温度を95±1.0℃とし電解電流密度を40A/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、電池を得た。
(比較例2)
正極合剤を作製するときに75重量部の二酸化マンガン粉末に対して21重量部のオキシ水酸化ニッケル粉末と6重量部の人造黒鉛(日本黒鉛製SP20)と0.2重量部の水酸化カルシウム(保存特性の劣化を抑制するための添加剤)と0.5重量部のポリエチレン粉末(バインダー)を加えたこと以外は実施例1と同様にして、電池を得た。
(6)二酸化マンガンの重量減少率の測定および粉末X線回折測定
上記の方法に従って製造された二酸化マンガンの粉末に対して、二酸化マンガンの重量減少率の測定および粉末X線回折測定を行った。
(a)加熱による二酸化マンガンの重量減少率の測定方法
熱重量分析法を用いて二酸化マンガンの重量減少率を測定した。具体的には、理学電気(株)製の「Thermoplus TG−DTA」を用いて、下記の諸条件で熱重量分析を行った。
試料容器およびリファレンス容器にはアルミナ製サンプルパンを使用し、試料容器には二酸化マンガン粉末を9.5〜11.0mgを入れ、リファレンス容器にはアルミナ粉末を入れた。空気を100ml/min.で送りながら、昇温速度10℃/min.で室温から500℃まで昇温した。得られた室温、100℃および400℃における二酸化マンガンの重量を上記(式1)に代入して、二酸化マンガンの重量減少率を算出した。
なお、この測定において、二酸化マンガンをサンプルパンに入れずに熱重量分析を行って得られたグラフをベースラインとし、二酸化マンガンの実測データからベースラインを引くことにより、二酸化マンガンの実測データに対してベースラインを補正した。
(b)粉末X線回折測定における回折面のピーク位置および強度比の測定方法
X線の線源としてCuKαを用い、ミラー指数が(110)である回折面のピーク位置を測定し、かつ、ピーク強度比を求めた。具体的には、理学電気(株)製のRINT2000を用いて、以下の諸条件で粉末X線回折測定を行った。
X線の線源としてCu−Kα1(波長1.5405Å)を用い、管電圧を40kVとし、電流を150mAとし、発散スリットを0.5°とし、散乱スリットを0.5°とし、受光スリット幅を0.3mmとした。また、走査速度を2°/分とし、走査ステップを0.05°とし、走査軸を2θ/θで行った。検出器としてモノクロメーターを用いた。
回折線のミラー指数付けとしては、二酸化マンガンの結晶構造をラムスデライト構造と仮定して行った。すなわち、2θ=21.0〜22.5°のピークを(110)面のピークとし、2θ=33.0〜36.5°のピークを(130)面のピークとし、2θ=36.8〜37.5°のピークを(021)面のピークとした。
また、ピーク強度(cps)は回折模様の測定値から以下のバックグラウンドを引いたものとした。(110)面のピークのバックグラウンドは2θ=17°の回折線と2θ=29°の回折線とを直線で結んだ線とし、(130)面および(021)面のピークのバックグラウンドはそれぞれ2θ=31.5°の回折線と2θ=41.0°の回折線とを直線で結んだ線とした。また、ピークが多重に重なる場合はPseudo−Voigt関数を用いて回折線をモデル化した。
測定結果を表1に示す。
なお、表1におけるピーク位置とは、ミラー指数が(110)である回折面のピーク位置である。
Figure 2008153196
(7)電池の強負荷放電性能および保存特性
上記の方法に従って製造された電池に対して、強負荷放電性能および保存特性を調べた。
まず、初期における放電性能を求めた。具体的には、電池を組み立てた後に、その電池を室温において10日間静置し、以下に示す試験を行って、初期における放電性能を求めた。
ここで、上記試験とは、20℃の環境下で、1500mW−2秒、600mW−28秒を1パルスとし10サイクル(5分間)繰り返した後55分休止する1時間の放電パターンを繰り返し、1.05Vに達するまでのパルス数を計測した。このようにして実施例1から6と比較例1および2との電池に対して初期における放電性能を求めた。表2には、初期における放電パルスの数として、比較例1の電池の放電パルス数を100としたときの指数として記載した。
次に、保存後における放電性能を求めた。具体的には、電池を組み立てた後にその電池を室温において10日間静置し、その後60℃の恒温槽中に7日間保存し、その後室温において1日放置した。この電池に対して上記試験を行い、実施例1から6と比較例1および2との電池に対して保存後における放電性能を求めた。表2には、保存後における放電パルスの数として、比較例1の電池の初期における放電性能を100としたときの指数として記載した。また、各電池において初期における放電性能に対する保存後における放電性能の割合を保存特性として、表2に示した。
Figure 2008153196
表1および2に示す結果から、初期および保存後の両方における放電性能を向上させるためには、二酸化マンガンの重量減少率としては以下に示す数値を示すことが好ましい。
具体的には、実施例1から6の二酸化マンガンを用いると、比較例1の二酸化マンガンを用いた場合に比べて、初期および保存後における放電性能が高い。また、実施例2から4の二酸化マンガン(すなわち、二酸化マンガンの重量減少率が4.0重量%以上5.4重量%以下である二酸化マンガン)を用いると、実施例1、5および6の二酸化マンガンを用いる場合に比べて保存特性が高くなるので好ましい。
また、実施例6と比較例2とではともに二酸化マンガンに対するオキシ水酸化ニッケルの比率が少ないが、このような構成の電池においても、実施例6における電池の方が比較例2における電池に比べて保存特性が高い。
表1および2に示す結果から、初期および保存後における放電性能を向上させるためには、(110)面のピーク位置が20.5度以上21.7以下であり、かつ、ピーク強度比が0.1以下である場合が好ましいことがわかる。
なお、本実施例では(二酸化マンガン):(オキシ水酸化ニッケル)=56:38および75:21である場合を示したが、本願発明者らはこの比率が30:70〜80:20の範囲内において同様の効果が得られたことを確認している。
以上より、二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルを活物質として含有する正極を用いたアルカリ電池において、二酸化マンガンとして従来のガンマー型よりも小さな結晶子で構成されたイプシロン型二酸化マンガンを用いることにより、保存特性の向上を図ることができるということがわかった。
以上のように、本発明のアルカリ電池は強負荷放電性能および保存特性に優れているので、デジタルスチルカメラ等の使用電流の大きな機器に好適に用いることができる。
本発明の実施例にかかるアルカリ電池の断面図である。
符号の説明
1 電池ケース
2 正極合剤
3 ゲル状負極
4 セパレータ
5 ガスケット
6 負極集電子
7 底板
8 外装ラベル

Claims (3)

  1. 二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルを正極活物質として含有する正極と、
    アルカリ電解液とを備え、
    前記二酸化マンガンを加熱したときに100℃以上400℃以下の温度範囲における前記二酸化マンガンの重量減少率は、3.8重量%以上である、アルカリ電池。
  2. 前記二酸化マンガンの前記重量減少率は、4.0重量%以上5.4重量%以下である、請求項1に記載のアルカリ電池。
  3. 二酸化マンガンおよびオキシ水酸化ニッケルを正極活物質として含有する正極と、
    アルカリ電解液とを備え、
    前記二酸化マンガンを粉末X線回折測定したときには、
    ミラー指数が(110)である回折面のピーク位置が、20.5度以上21.7度以下であり、かつ、
    前記ミラー指数が(021)である回折面のピーク強度I(021)に対する前記ミラー指数が(130)である回折面のピーク強度I(130)の比率(I(130)/I(021))が、0.1以下である、アルカリ電池。
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