JP5631790B2 - ボタン型アルカリ電池用負極缶及びボタン型アルカリ電池 - Google Patents

ボタン型アルカリ電池用負極缶及びボタン型アルカリ電池 Download PDF

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Description

本発明は、ボタン型アルカリ電池用負極缶及びボタン型アルカリ電池に関する。
近年、環境問題に対し世界的に意識が高まっている。一次電池の廃棄に関しても、廃棄量の低減が掲げられている。廃棄量を低減するために、より高容量の一次電池が望まれている。
ボタン型アルカリ電池の高容量化の方法としては、活物質等の改良による高容量化と、活物質量の増量による高容量化が考えられる。一つ目の活物質の改良による高容量化は、技術的な改良がほぼし尽くされ、限界に来ている。二つ目の活物質量の増量による高容量化も、内部空間に対する活物質の詰め込み量がほぼ限界に来ている。更に活物質の詰め込み量を増やす方法としては内部空間を広げることが必要である。そこで、負極缶を変更することによって内部空間を広げることが考えられている。
負極缶を変更することによって内部空間を広げる方法として、負極缶の形状を変更することが考えられる。その例として、折り返しを持たない負極缶を用いたボタン型電池が提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、負極缶に折り返しが無いため、ボタン型電池をかしめた際に負極缶が変形してしまう場合があった。
特開2003−68254号公報
負極缶を変更することによって内部空間を広げる別の方法として、負極缶に用いる材料の厚みを薄くすることが考えられる。負極缶に用いる材料は、負極活物質と接する面に銅、ベースとなる材料にステンレス、機器とのリード面にニッケルとなるような、ニッケル‐ステンレス‐銅の3層クラッド材が一般的に用いられている。また、銅に関しては負極缶の厚みに対し、8〜16%の厚みの銅クラッド材を用いるのが一般的である。これは、負極活物質がステンレスに含まれる鉄やニッケルなどの水素電圧の低い金属と電解液と共に接触した際に発生する負極活物質の溶解反応を十分に防ぐためである。このように、銅の厚みは非常に重要である。そのため、負極缶に用いる材料の厚みを薄くする際は、ニッケル‐ステンレス‐銅の厚みの割合を変えずに薄くすることが考えられる。しかしこの場合、負極缶の強度を支えているステンレスの厚みも薄くなる。そのため、負極缶の機械的強度が低下し、電池の耐漏液性が低下する。また一方で、缶強度にあまり影響を与えない銅を、厚いクラッド材から薄いめっきに変更することが考えられる。この場合、負極缶の強度は、ステンレス材の厚みが変わらないため維持できる。しかし、めっきはピンポールなどによりステンレス面が露出する場合がある。負極活物質とステンレスが電解液と共に接触することにより、負極活物質が腐食され、水素ガスが発生する。これにより、電池の容量が減少すると共に、発生した水素ガスにより電池内部の圧力が上昇し耐漏液性も悪化する。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、負極缶の機械的強度及び耐漏液性等の電池特性を維持しながら、活物質の増量による高容量ボタン型アルカリ電池を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
請求項1に記載の発明は、ニッケル層とステンレス層を含むボタン型アルカリ電池用負極缶であって、ステンレス層上に銅よりも水素電圧の高い金属層を有し、さらにその上に銅層を有することを特徴としたボタン型アルカリ電池用負極缶であることを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、ステンレス層の上に直接銅層を配するのではなく、銅よりも水素電圧が高い金属層をステンレス層と銅層の間に有することにより、負極缶がプレス成形により作製される際の絞り加工等により銅層の破れ等が発生した場合でも、ステンレス層の露出を防ぐことが出来る。これにより、ステンレス層とボタン型アルカリ電池の負極活物質との反応を防ぐことができる。また、従来のニッケル‐ステンレス‐銅の3層クラッド材でできた負極缶と比較して、強度を維持したまま厚みを薄くすることができる。
請求項2に記載の発明は、前記銅よりも水素電圧の高い金属層が、スズもしくは亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載のボタン型アルカリ電池用負極缶であることを要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、延性に優れ且つ水素電圧の高いスズもしくは亜鉛を有することにより、より一層、銅層の破れ等が発生した場合でも、ステンレス層の露出を防ぐことが出来る。これにより、ステンレス層とボタン型アルカリ電池の負極活物質との反応を防ぐことができる。
請求項3に記載の発明は、前記銅よりも水素電圧の高い金属層の厚みが0.3〜2μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のボタン型アルカリ電池用負極缶であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明によれば、銅よりも水素電圧の高い金属層の厚みを0.3〜2μmとすることにより、銅層の破れ等が発生した場合でも、水素電圧の高い金属層によってステンレス層の露出を十分に防ぐことが出来る。これにより、ステンレス層とボタン型アルカリ電池の負極活物質との反応を防ぐことができる。
請求項4に記載の発明は、前記銅層の厚みが2〜6μmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池用負極缶であることを要旨とする。
請求項4に記載の発明によれば、銅層の厚みを2〜6μmとすることにより、ステンレス層の露出を十分に防ぐことができる。これにより、ステンレス層とボタン型アルカリ電池の負極活物質との反応を防ぐことができる。
請求項5に記載の発明は、前記銅よりも水素電圧の高い金属層は、イオンプレーティング法により配されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池用負極缶であることを要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、イオンプレーティング法による蒸着は、蒸着面が均一である。これにより、ピンポールが発生しなくなり、均一で欠陥のない水素電圧の高い金属層を得ることができる。これにより、ステンレス層とボタン型アルカリ電池の負極活物質との反応を防ぐことができる。
請求項6に記載の発明は、前記銅層は、イオンプレーティング法により配されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池用負極缶であることを要旨とする。
請求項6に記載の発明によれば、イオンプレーティング法による蒸着は、蒸着面が均一である。これにより、ピンポールが発生しなくなり、均一で欠陥のない銅層を得ることができる。これにより、ステンレス層とボタン型アルカリ電池の負極活物質との反応を防ぐことができる。
請求項7に記載の発明は、正極缶の開口部に負極缶の開口部を嵌合し、正極缶と負極缶とをガスケットを介して密封して形成された密封空間に、セパレーターを配置するとともに、前記セパレーターを挟んで、正極側には正極活物質を含む正極合剤を配置し、負極側には負極活物質を含む負極合剤を配置し、更にその密閉空間にアルカリ電解液を充填したボタン型アルカリ電池であって、前記負極缶はニッケル層とステンレス層を含むボタン型アルカリ電池用負極缶であって、ステンレス層上に銅よりも水素電圧の高い金属層を有し、さらにその上に銅層を有することを特徴とするボタン型アルカリ電池であることを要旨とする。
請求項7に記載のボタン型アルカリ電池によれば、ステンレス層の上に直接銅層を配するのではなく、銅よりも水素電圧が高い金属層をステンレス層と銅層の間に有することにより、負極缶がプレス成形により作製される際の絞り加工等により銅層の破れ等が発生した場合でも、ステンレス層の露出を防ぐことが出来る。これにより、ステンレス層と負極活物質との反応を防ぐことができる。また、従来のニッケル‐ステンレス‐銅の3層クラッド材でできた負極缶と比較して、強度を維持したまま厚みを薄くすることができる。これにより、内部空間を拡大すると共に、活物質をより多く収容した高容量のボタン型アルカリ電池を提供することができる。
請求項8に記載の発明は、前記銅よりも水素電圧が高い金属が、スズもしくは亜鉛であることを特徴とする請求項7に記載のボタン型アルカリ電池であることを要旨とする。
請求項8に記載のボタン型アルカリ電池によれば、延性に優れ且つ水素電圧の高いスズもしくは亜鉛を有することにより、より一層、銅層の破れ等が発生した場合でも、ステンレス層の露出を防ぐことが出来る。これにより、ステンレス層と負極活物質との反応を防ぐことができる。
請求項9に記載の発明は、前記銅よりも水素電圧の高い金属層の厚みが0.3〜2μmであることを特徴とする請求項7又は8に記載のボタン型アルカリ電池であることを要旨とする。
請求項9に記載のボタン型アルカリ電池によれば、銅よりも水素電圧の高い金属層の厚みを0.3〜2μmとすることにより、銅層の破れ等が発生した場合でも、水素電圧の高い金属層によってステンレス層の露出を十分に防ぐことが出来る。これにより、ステンレス層と負極活物質との反応を防ぐことができる。
請求項10に記載の発明は、前記銅層の厚みが2〜6μmであることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池であることを要旨とする。
請求項10に記載のボタン型アルカリ電池によれば、銅層の厚みを2〜6μmとすることにより、ステンレス層の露出を十分に防ぐことができる。これにより、ステンレス層と負極活物質との反応を防ぐことができる。
請求項11に記載の発明は、前記銅よりも水素電圧の高い金属層は、イオンプレーティング法により配されることを特徴とする請求項7から10のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池であることを要旨とする。
請求項11に記載のボタン型アルカリ電池によれば、イオンプレーティング法による蒸着は、蒸着面が均一である。これにより、ピンポールが発生しなくなり、均一で欠陥のない銅よりも水素電圧の高い金属層を得ることができる。これにより、ステンレスと負極活物質との反応を防ぐことができる。
請求項12に記載の発明は、前記銅層は、イオンプレーティング法により配されることを特徴とする請求項7から11のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池であることを要旨とする。
請求項12に記載のボタン型アルカリ電池によれば、イオンプレーティング法による蒸着は、蒸着面が均一である。これにより、ピンポールが発生しなくなり、均一で欠陥のない銅層を得ることができる。これにより、ステンレスと負極活物質との反応を防ぐことができる。
本発明によれば、ボタン型アルカリ電池用負極缶の機械的強度を維持しながら厚みを薄くすることができる。このボタン型アルカリ電池用負極缶を用いることによって、ボタン型アルカリ電池用の内部空間を広く確保することができる、これにより、活物質を増量することができ、高容量なボタン型アルカリ電池を提供することができる。
本発明のボタン型アルカリ電池を示す概略断面図である。 本発明の負極缶の材料の構成を示す断面図である。 従来の負極缶の材料の構成を示す断面図である。 比較例の負極缶の材料の構成を示す断面図である。 本発明の負極缶を示す断面図である。
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図面に従って説明する。
図1に、本発明のボタン形アルカリ電池の概略断面図を示す。図2には本発明の負極缶の材料の構成を示す断面図を示し、図3には従来の負極缶の材料の構成を示す断面図を示す。
図1において、ボタン型アルカリ電池は、有底円筒状の正極缶2及び有蓋円筒状の負極缶6を有している。正極缶2は、鋼板にニッケルメッキを施した構成であって、正極端子を兼ねている。
一方、負極缶6は、図2に示すように、ニッケル層61、ステンレス層62、銅よりも水素電圧の高い金属層63、銅層64で構成されている。ステンレス層62の上に直接銅層64を配するのではなく、銅よりも水素電圧の高い金属層63をステンレス層62と銅層64の間に有することにより、負極缶6がプレス成形により作製される際の絞り加工等により銅層64の破れ等が発生した場合でも、ステンレス層62の露出を防ぐことが出来る。これにより、ステンレス層62と負極活物質との反応を防ぐことができる。また、本発明のボタン形アルカリ電池は、図3に示すような従来のニッケル‐ステンレス‐銅の3層クラッド材でできた負極缶と比較して、強度を維持したまま厚みを薄くすることができた。これにより、内部空間を拡大する共に、活物質の詰め込み量を増量した高容量のボタン型アルカリ電池を提供することができる。
銅よりも水素電圧の高い金属層63には、例えば、スズ、亜鉛などを用いることができる。延性に優れ且つ銅よりも水素電圧の高いスズもしくは亜鉛を有することにより、負極缶がプレス成形により作製される際の絞り加工等により銅層の破れ等が発生した場合でも、より一層ステンレス層62の露出を防ぐことが出来る。銅よりも水素電圧の高い金属層63の厚みは0.3μm以上とすることが好ましい。これにより、銅層64の破れ等が発生した場合でも、銅よりも水素電圧の高い金属層63によってステンレス層62の露出を十分に防ぐことが出来る。銅よりも水素電圧の高い金属層63は、厚すぎると内部空間が減少してしまい、その分活物質を収容できなくなる。そのため、上限についてはおおむね2μm以下とすることが好ましい。
また、銅層64の厚みは2〜6μmであることが好ましい。銅層64の厚みを2〜6μmとすることにより、ステンレス層62の露出を十分に防ぐことができる。
また、銅よりも水素電圧の高い金属層63と銅層64は、イオンプレーティング法により配されることが好ましい。イオンプレーティング法による蒸着は、蒸着面が均一である。これにより、ピンポールが発生しなくなり、均一で欠陥のない銅よりも水素電圧の高い金属層63及び銅層64を得ることができる。これにより、ステンレス層62と負極活物質との反応を防ぐことができる。
また、負極缶6は図1に示すように、カップ状にプレス成形されている。又、負極缶6は、その円形の開口部が折り返し形成され、その折り返し形成された開口部には、例えば、ナイロン製のリング状のガスケット4が装着されている。
そして、正極缶2の円形の開口部に、ガスケット4を装着した開口部側から負極缶6を嵌合させ、該正極缶2の開口部を該ガスケット4に向かってかしめて封口することによって、正極缶2と負極缶6は、互いに連結固定されている。正極缶2と負極缶6を連結固定することによって、ガスケット4を介して正極缶2と負極缶6の間には、密閉空間が形成される。
この密閉空間には、正極合剤1、セパレーター3、負極合剤5が収容され、セパレーター3を挟んで正極缶2側に正極合剤1、負極缶6側に負極合剤5が収容配置されている。この密閉空間には、アルカリ電解液が充填されている。
正極合剤1は、正極缶2の底面に配設されている。正極合剤1は、酸化銀、二酸化マンガン、銀・ニッケル複合酸化物などの正極活物質、導電剤としてのグラファイト、結着剤としてのポリアクリル酸ソーダ等からなる混合物である。
正極合剤1の上側には、セパレーター3が配置される。セパレーター3には、微多孔膜や不織布が用いられ、アルカリ電解液を含浸させる。セパレーター3は、特に微多孔膜と不織布の2層構造にすることによって、正極と負極の間のバリア性を高め容量保存性を向上させる。また、効果的にアルカリ電解液を保持できることから放電特性も向上させることができる。なお、微多孔膜は、本実施形態ではポリエチレンフィルムとセロファンからなる。
セパレーター3の上側には、負極合剤5が配置される。負極合剤5は、亜鉛又は亜鉛合金粉末、アルカリ電解液、増粘剤等からなるジェル状をなし、負極缶6に圧着され、セパレーター3の上側に収容されている。
正極合剤1、セパレーター3、負極合剤5を収容した密閉空間には、アルカリ電解液が充填されている。アルカリ電解液は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、または水酸化ナトリウム水溶液と水酸化カリウム水溶液の混合水溶液を用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
まず始めに、ニッケル層61とステンレス層62からなるニッケル‐ステンレスのクラッド材を準備した。その後、このニッケル‐ステンレスのクラッド材にイオンプレーティング法を用いてステンレス層62に銅より水素電圧の高い金属層63としてスズを蒸着した。その後、同様にイオンプレーティング法を用いて銅より水素電圧の高い金属層63としてのスズ層の上に銅を蒸着し、銅層64を配した。このとき材料全体の厚みは、ボタン型アルカリ電池の内部空間を拡大させる為に、従来品の厚さ0.18mmよりも0.3mm薄い0.15mmとした。また、銅より水素電圧の高い金属層63としてのスズ
層の厚みを1μm、銅層64を6μmとした。このようにして、図2に示す材料を準備した。
その後、この材料を用いて図5に示すようなカップ状にプレス成形し、その円形の開口部には折り返し形成を行った。
このようにして、実施例1の負極缶6を作製した。
(実施例2)
実施例2として、実施例1と同様に材料を作製した。このとき材料全体の厚みは、実施例1と同様に0.15mmとした。また、銅より水素電圧の高い金属層63としてのスズ層の厚みを0.5μm、銅層64を4μmとした。その後、この材料を用いて実施例1と同様な形状に加工し、実施例2の負極缶6を作製した。
(実施例3)
実施例3として、実施例1と同様に材料を作製した。このとき材料全体の厚みは、実施例1と同様に0.15mmとした。また、銅より水素電圧の高い金属層63としてのスズ層の厚みを0.3μm、銅層64を2μmとした。その後、この材料を用いて実施例1と同様な形状に加工し、実施例3の負極缶6を作製した。
(比較例1)
比較例1として、図3に示すようなニッケル層61とステンレス層62と銅層64からなる従来の3層クラッド材を準備した。このとき材料全体の厚みを0.15mmとし、銅層64の厚みを30μmとした。その後、この材料を用いて実施例1と同様な形状に加工し、比較例1の負極缶6を作製した。
(比較例2)
比較例2として、ニッケル層とステンレス層からなるニッケル‐ステンレスのクラッド材を準備し、ステンレス層にイオンプレーティング法により銅を蒸着した。このようにして、図4に示す材料を準備した。このとき材料全体の厚みを0.15mmとし、銅層64の厚みを6μmとした。その後、この材料を用いて実施例1と同様な形状に加工し、比較例2の負極缶6を作製した。
(比較例3)
比較例3として、ニッケル層とステンレス層からなるニッケル‐ステンレスのクラッド材を準備し、ステンレス層にイオンプレーティング法により銅を蒸着した。このようにして、図4に示す材料を準備した。このとき材料全体の厚みを0.15mmとし、銅層64の厚みを4μmとした。その後、この材料を用いて実施例1と同様な形状に加工し、比較例3の負極缶6を作製した。
(比較例4)
比較例4として、ニッケル層とステンレス層からなるニッケル‐ステンレスのクラッド材を準備し、ステンレス層にイオンプレーティング法により銅を蒸着した。このようにして、図4に示す材料を準備した。このとき材料全体の厚みを0.15mmとし、銅層64の厚みを2μmとした。その後、この材料を用いて実施例1と同様な形状に加工し、比較例4の負極缶6を作製した。
(比較例5)
比較例5として、ニッケル層61とステンレス層62からなるニッケル‐ステンレスのクラッド材を準備し、ステンレス層62に無電解めっきにより銅を被覆した。このようにして、図4に示す材料を準備した。このとき材料全体の厚みを0.15mmとし、銅層64の厚みを5μmとした。その後、この材料を用いて実施例1と同様な形状に加工し、比較例5の負極缶6を作製した。
以上のように作製した負極缶6を用いてガステストを行った。ガステストの方法は以下の通りである。
<ガステスト方法>
先ず、負極缶6の銅面に、亜鉛粉を3mg程度の少量投入し、その上から濃度28%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下し負極缶6中に満たした。滴下した30分後に負極缶6のガスの発生状況の観察を行った。この時点で、水素ガスの連続発泡が止まっている場合を『合格』、連続発泡が止まっていない場合を『不合格』とした。また、試験は各水準3個で行った。
表1に実施例1から3及び比較例1から5におけるガステストの結果を示す。
Figure 0005631790
表1のガステストの結果のとおり、本発明である実施例1から3は、従来品の比較例1と同等で、ガステストの判定は合格レベルであった。一方、本発明と同じイオンプレーティング法による蒸着でも銅のみである比較例2、3、4及び無電解銅メッキの比較例5は、ガス発生のレベルに多少の違いは見られるものの、ガス発生が電解液滴下30分経過後でも止まらず、不合格レベルであった。
尚、スズ層の厚みに関しては、イオンプレーティングで蒸着できる最低の厚み0.3μmから0.5μm、1μmと変化させて実験を行った。この結果より、スズ層の厚みは0.3μで、ステンレス層62の露出を防ぐのに十分な効果があることが分かった。銅並びにスズの厚みは、表1の実験の厚みよりも厚くしても、ガステスト上は問題ない。しかし、負極缶が厚くなる分、内部空間が減少する。そのため、本発明の目的である、活物質の増量による高容量化を行う上では不利に働き、また、製造コスト的にも必要以上に厚いものは好ましくない。
次に、図1で示した構造のボタン形アルカリ電池を作製した。
(実施例4)
実施例4として、実施例1で作製した負極缶6を用いて、図1に示すボタン型無水銀酸化銀電池SR626SWを作製した。
先ず、負極合剤5を構成する100〜200メッシュの亜鉛合金粉末、酸化亜鉛、カルボキシメチルセルロース、濃度28%の水酸化ナトリウム水溶液、濃度45%の水酸化カリウム水溶液を混合し、ゲル状の負極合剤5を作製した。
正極合剤1を構成する酸化銀、二酸化マンガン、グラファイト、ランタンニッケル(LaNi5)を混合し、ペレット状に圧縮成型することで、正極合剤1を作製した。このようにして作製された正極合剤1をニッケルメッキが施された鉄製の正極缶2に収容し、その上からポリエチレンフィルム、セロファン及び不織布から構成されるセパレーター3を配した。また、その正極缶2に圧入となるポリアミド製のリング状のガスケット4を挿入した。さらに、セパレーター3に濃度28%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、その上に負極合剤5を載置した。そして、この上にガスケット4を介して負極缶6を被せ、正極缶2の開口縁部をかしめることで実施例4のボタン型無水銀酸化銀電池を作製した。
(実施例5)
実施例4に対し、実施例2の負極缶6を使用した点のみが異なり、その他の構成は、実施例4と同様にした。
(実施例6)
実施例4に対し、実施例3の負極缶6を使用した点のみが異なり、その他の構成は、実施例4と同様にした。
(比較例6)
実施例4に対し、比較例1の負極缶6を使用した点のみが異なり、その他の構成は、実施例4と同様にした。
(比較例7)
実施例4に対し、比較例2の負極缶6を使用した点のみが異なり、その他の構成は、実施例4と同様にした。
(比較例8)
実施例4に対し、比較例5の負極缶6を使用した点のみが異なり、その他の構成は、実施例4と同様にした。
(比較例9)
先ずはじめに、比較例9に用いる負極缶6を作製するため、図3に示すようなニッケル層61とステンレス層62と銅層64からなる従来の3層クラッド材を準備した。材料全体の厚みを0.18mmとし、銅層64の厚みを30μmとした。その後、この材料を用いて実施例1と同様な形状に加工し、比較例9の負極缶6を作製した。このとき、図5に示す負極缶外径Rと負極缶高さHを実施例4と同じになるよう作製した。
また、ボタン型無水銀酸化銀電池の作製については、実施例4に対し、比較例9の負極缶6を使用した点のみが異なり、その他の構成は、実施例4と同様にした。
以上のように作製したボタン型無水銀酸化銀電池を用いて、容量及び耐漏液性の評価を行った。容量は、各水準3個ずつのボタン型無水銀酸化銀電池を用い、負荷抵抗30kΩ、終止電圧1.2Vの条件で評価した。また、耐漏液性は、各水準20個ずつのボタン型無水銀酸化銀電池を用い、45℃93%Rh環境下に所定期間保存後の漏液数で評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0005631790
表2の結果より、本発明の実施例4から6のボタン型無水銀酸化銀電池は、負極缶の厚みが従来品と同仕様である比較例9に対し、約3%容量が増加した。これは、内部空間が広がった分、活物質をより多く収容したためである。さらに、耐漏液性においては従来品と同仕様である比較例9と同等の結果となった。
一方、比較例7及び8は、負極缶6の厚みが薄くなった分、本発明の実施例4から6と同量の活物質を収容した。しかし、ガスの発生等により容量が小さくなり、耐漏液性も悪化した。また、比較例6は、活物質を増やした分、容量は増加したが、缶強度の低下の影響で作製時に負極缶6が変形したため、耐漏液性の低下が見られた。
また、本発明において、負極活物質もしくは正極活物質のうちどちらを増量するかを選択することが出来る。負極活物質を増量したい場合は、図5に示す負極缶高さHと負極缶外径Rを従来の負極缶6と同じに作製すればよい。そうすれば、負極缶高さHと負極缶外径Rは従来と同じでありながら、負極缶容積Cが拡大する。よって、負極活物質を増量することが出来る。正極活物質を増量したい場合は、図5に示す負極外径Rと負極缶容積Cを従来の負極缶6と同じに作製すればよい。負極外径Rと負極缶容積Cを従来の負極缶6と同じに作製すると、必然的に負極缶高さHが低くなる。負極缶高さHが低くなった分、正極合剤1の厚みを厚くすることが出来る。よって、正極活物質を増量することが出来る。負極活物質と正極活物質の両方を増やしたい場合は、負極缶高さHと負極缶容量Cを調節し、負極缶6を作製すればよい。負極活物質と正極活物質は作製した負極缶6に合わせて量を決定すればよい。
1 正極合剤
2 正極缶
3 セパレーター
4 ガスケット
5 負極合剤
6 負極缶
61 ニッケル層
62 ステンレス層
63 銅より水素電圧の高い金属層
64 銅層
H 負極缶高さ
R 負極缶外径
C 負極缶容積

Claims (12)

  1. ニッケル層とステンレス層を含むボタン型アルカリ電池用負極缶であって、
    ステンレス層上に銅よりも水素電圧の高い金属層を有し、
    さらにその上に銅層を有することを特徴としたボタン型アルカリ電池用負極缶。
  2. 前記銅よりも水素電圧の高い金属層が、スズもしくは亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載のボタン型アルカリ電池用負極缶。
  3. 前記銅よりも水素電圧の高い金属層の厚みが0.3〜2μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のボタン型アルカリ電池用負極缶。
  4. 前記銅層の厚みが2〜6μmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池用負極缶。
  5. 前記銅よりも水素電圧の高い金属層は、イオンプレーティング法により配されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池用負極缶。
  6. 前記銅層は、イオンプレーティング法により配されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池用負極缶。
  7. 正極缶の開口部に負極缶の開口部を嵌合し、正極缶と負極缶とをガスケットを介して密封して形成された密封空間に、セパレーターを配置するとともに、前記セパレーターを挟んで、正極側には正極活物質を含む正極合剤を配置し、負極側には負極活物質を含む負極合剤を配置し、更にその密閉空間にアルカリ電解液を充填したボタン型アルカリ電池であって、
    前記負極缶はニッケル層とステンレス層を含むボタン型アルカリ電池用負極缶であって、
    ステンレス層上に銅よりも水素電圧の高い金属層を有し、
    さらにその上に銅層を有することを特徴とするボタン型アルカリ電池。
  8. 前記銅よりも水素電圧が高い金属が、スズもしくは亜鉛であることを特徴とする請求項7に記載のボタン型アルカリ電池。
  9. 前記銅よりも水素電圧の高い金属層の厚みが0.3〜2μmであることを特徴とする請求項7又は8に記載のボタン型アルカリ電池。
  10. 前記銅層の厚みが2〜6μmであることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池。
  11. 前記銅よりも水素電圧の高い金属層は、イオンプレーティング法により配されることを特徴とする請求項7から10のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池。
  12. 前記銅層は、イオンプレーティング法により配されることを特徴とする請求項7から11のいずれか一項に記載のボタン型アルカリ電池。
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