JP5135579B2 - 扁平形アルカリ電池 - Google Patents

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Description

本発明は、扁平形アルカリ電池に関するものである。
ボタン形、コイン形等、いわゆる扁平アルカリ電池は、電子腕時計や卓上電子計算機等の小型電子機器に広範囲にわたって採用されている。これら電子機器の普及に伴い、扁平アルカリ電池は、近年益々需要が高まる一途である。ところで、これら電子機器では、高性能化、低価格化が求められ、上記扁平形アルカリ電池に対しても、これに対応すべく高性能化、低価格化が要求されている。
上記のような要求から、扁平形アルカリ電池では、各種の活物質の使用が検討されていて、例えば、特許文献1では正極の活物質としてはコスト及び特性の両面から酸化銀と安価な二酸化マンガンの混合物が用いられている。
特開平8−162100号 公報
扁平形アルカリ電池を製造する場合、負極端子を兼用する負極缶と、正極端子を兼用する正極缶を用意する。そして、正極缶には、正極活物質、導電材及び結着材よりなる正極合剤をペレット状に加圧成型した正極ペレットを充填し、この上からセパレータを敷設する。一方、負極缶には、負極活物質と結着剤よりなる負極合剤及び電解液を充填する。そして、負極缶の開口部を、正極缶の開口部に向けて、ガスケットを介して嵌め込み、正極缶の開口縁部をかしめることによって、上記扁平形アルカリ電池は製造される。
ところで、扁平形アルカリ電池は、通常、負極活物質の電気容量に対して正極活物質の電気容量が如何なる場合にも逆転しないように正極活物質の電気容量が多くなるように扁平形アルカリ電池を設計する。以下、負極活物質の電気容量に対して正極活物質の電気容量の超える分をΔCとする。
これは、万が一、負極活物質の電気容量が正極活物質の電気容量より多い場合、その正極活物質に対し多い負極活物質はアルカリ電解液の溶媒である水と反応して水素ガスを発生し、その水素ガス発生により電池内の圧力が上昇して電池が破裂する虞があるためである。
一方、正極ペレットには、前記のごとく正極活物質、導電材及び結着材よりなる正極合剤を所定の容積の穴に擦り切りながら充填後、加圧成型してペレット状に加工する。そのため、正極合剤の秤量性が悪い場合(例えば、所定の容積の穴に擦り切りながら充填される正極合剤の質量バラツキが大きい場合)、その分、負極活物質に対し正極合剤の充填量を増やさなければならなくなる。
しかしながら、コスト及び特性の両面から酸化銀と安価な二酸化マンガンを所定量混合した正極合剤は、酸化銀単一の場合の正極合剤と比較して、秤量バラツキが大きくなり、秤量性が低下する。そのため、その秤量バラツキが大きいことを考慮して、扁平形アルカリ電池を設計する上でΔCを予め余裕をもって多く設定しなければならず、その分、材料費のアップとなっていた。これは、高価である酸化銀を活物質とする酸化銀電池等においては、大きなコストロスとなる。
そのため、正極合剤の秤量性を向上させることは、高性能でかつ経済性に優れた扁平アルカリ電池を製造するためには、極めて重要となる。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、二酸化マンガンを所定量混合して正極合剤の秤量性を向上させ、高性能で低価格な扁平形アルカリ電池を提供するにある。
極缶と負極缶とをガスケットを介して密封した密封空間に、セパレータを配置するとともに、セパレータを挟んで、正極側には正極活物質を主成分とした正極合剤を配置し、負極側には負極活物質を主成分とした負極合剤を配置し、さらに、その正極合剤、セパレータ及び負極合剤を配置した密封空間にアルカリ電解液を充填した扁平形アルカリ電池であって、前記正極合剤が、酸化銀と、5〜19mass%の二酸化マンガンと、20〜30mass%の銀・ニッケル複合酸化物とよりなる正極活物質混合物を加圧成型した。
そして、請求項の発明、前記二酸化マンガンの平均粒径は、10〜50μmである。
また、請求項の発明は、請求項1に記載の扁平形アルカリ電池において、前記銀・ニッケル複合酸化物の平均粒径は、1〜20μmである。
請求項1の発明によれば、正極合剤に、酸化銀及び二酸化マンガンよりも秤量性のよい銀・ニッケル複合酸化物を20〜30mass%混合したことにより、正極合剤の秤量性を大きく向上させることができる。従って、負極活物質の電気容量に対して正極活物質の電気容量が如何なる場合にも逆転しないように、正極活物質の電気容量を多くするために負極合剤に対し正極合剤の充填量を増す量を、より精度よく秤量できる。その結果、正確に秤量できるため予め余裕をもって増量する必要がなくなり、その分、電池設計で負極合剤に対する正極合剤の充填量、即ち、ΔCを少なくできる。そのため、材料費を削減することができ、高性能で低価格な扁平形アルカリ電池を作製することができる。
しかも、正極合剤に銀・ニッケル複合酸化物を20〜30mass%混合することにより、放電容量を低下させることなく、正極ペレット硬度を高くでき、正極缶と負極缶とをガスケットを介してかしめる際に生じる沈み込みが抑えられる。その結果、この沈み込みによって生じる電池内圧の上昇や電解液の漏液が防止される。
また、この銀・ニッケル複合酸化物は、電気容量の大きい活物質であるとともに、それ自身良好な導電性を有するため、この銀・ニッケル複合酸化物を混合すれば、正極合剤に導電剤を加える必要がなくなり、その分、活物質充填量が確保され、大きな電池容量が得られる。
そして、正極合剤をペレット状に加工する際の圧力を低くすることができ、成型治具の変形を防止できるとともに、秤量バラツキを小さくすることができる。
また、請求項の発明によっても、正極合剤をペレット状に加工する際の圧力を低くすることができ、成型治具の変形を防止できるとともに、秤量バラツキを小さくすることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図面に従って説明する。
図1は、ボタン形(扁平形)のアルカリ一次電池(以下、扁平形アルカリ電池)の概略断面図を示す。図1において、扁平形アルカリ電池1はボタン形の一次電池であって、有底円筒状の正極缶2及び有蓋円筒状の負極缶3を有している。正極缶2は、鋼板にニッケ
ルメッキを施した構成であって、正極端子を兼ねている。一方、負極缶3は、ニッケルよりなる外表面層と、ステンレススチール(SUS)よりなる金属層と、銅よりなる集電体層との3層クラッド材がカップ状にプレス加工されて構成されている。又、負極缶3は、その円形の開口部3aが折り返し形成され、その折り返し形成された開口部3aには、例えば、ナイロン製のリング状のガスケット4が装着されている。
そして、正極缶2の円形の開口部2aに、負極缶3を、ガスケット4を装着した開口部3a側から嵌合させ、該正極缶2の開口部2aを該ガスケット4に向かってかしめて封口することによって、正極缶2と負極缶3は、互いに連結固定されている。正極缶2と負極缶3を連結固定することによって、ガスケット4を介して正極缶2と負極缶3の間には、密閉空間が形成される。
この密閉空間には、正極合剤5、セパレータ6、負極合剤7が収容され、セパレータ6を挟んで正極缶2側に正極合剤5、負極缶3側に負極合剤7が収容配置されている。この密閉空間には、アルカリ電解液が充填されている。
詳述すると、正極合剤5は、正極缶2の底面2bに配設されている。正極合剤5は、酸化銀顆粒又は粉体と、二酸化マンガン及び銀・ニッケル複合酸化物よりなる混合物である。正極合剤5の混合比は、酸化銀顆粒又は粉体と、5〜20mass%の二酸化マンガン及び20〜30mass%の銀・ニッケル複合酸化物に選定することが好ましい。
酸化銀と二酸化マンガンのなかに、酸化銀及び二酸化マンガンよりも秤量性のよい銀・ニッケル複合酸化物(AgNiO2)を混合させて正極合剤5にすることにより、正極合剤の秤量性を大きく向上させることができる。従って、その分、ΔCを少なくできるので、材料費を削減できることになる。
また、酸化銀と二酸化マンガンのみを正極活物質として用いる場合に比べて、銀・ニッケル複合酸化物が正極合剤に混合されていることにより、正極ペレットの硬度を高くすることができる。このため、電池を作製する際のかしめ行程において、かしめによってガスケットで正極ペレットが押される部分の沈み込む量が小さく抑えられる。従って、正極合剤の沈み込みによって生じる電池内圧の上昇や電解液の漏液が防止できる。
さらに、銀・ニッケル複合酸化物は、電気容量の大きい活物質であるとともにそれ自身良好な導電性を有している。従って、この銀・ニッケル複合酸化物を混合することによって、他の導電剤を加える必要性がなくなる。その結果、導電剤によって活物質充填量が小さくなるのが抑えられ、大きな電池容量が得られる。
つまり、酸化銀、二酸化マンガンのみを正極活物質として用いる場合には、これら自身が絶縁物に近いため、正極合剤にさらにグラファイトやカーボン等の導電剤を加えるのが通常である。しかし、このグラファイトやカーボンは、嵩密度が低いため正極合剤のかなり体積を占有し、その分、電池容量が小さくなってしまうからである。
尚、この銀・ニッケル複合酸化物の混合率は、20〜30mass%が適当である。銀・ニッケル複合酸化物の量が、この混合率よりも少ない場合には銀・ニッケル複合酸化物の前述のような効果が得られない。逆に、銀・ニッケル複合酸化物の量が、この混合率より超える場合には、銀・ニッケル複合酸化物が放電反応にて酸化銀より電解液を消費(抱え込む)する物質のため、放電末期に電解液不足で生じる負極活物質の不動態化が発生し、放電容量が低下する虞がある。
また、正極合剤5に混合する二酸化マンガンの平均粒径は、10〜50μmの範囲であ
ることが適当である。
二酸化マンガンの平均粒径が10μmを下回ると、正極合剤をペレット状に加圧加工する際の加圧力を高くしなければならず、成型治具の変形を来す虞がある。また、平均粒径が50μmを上回ると粒径が大きい分秤量バラツキが大きくなる。
また、正極合剤に混合する銀・ニッケル複合酸化物の平均粒径は、1〜20μmの範囲であることが適当である。
銀・ニッケル複合酸化物の平均粒径が1μmを下回ると、二酸化マンガンの場合と同様、正極合剤をペレット状に加圧加工する際の加圧力を高くしなければならず、成型治具の変形を来す虞がある。また、平均粒径が20μmを上回ると、銀・ニッケル複合酸化物が正極合剤の秤量バラツキを小さくする効果が小さくなる。これは、銀・ニッケル複合酸化物の平均粒径が20μmを上回ると、それ自身が秤量性が低下するためと考えられる。
正極合剤5の上側には、セパレータ6が配置される。セパレータ6は、微多孔膜6aと不織布6bの2層構造であって、アルカリ電解液を含浸させる。セパレータ6を、微多孔膜6aと不織布6bの2層構造にすることによって、正極と負極間のバリア性を高め容量保存性を向上させるだけでなく、効果的にアルカリ電解液を保持できることから放電特性も向上させることができる。なお、微多孔膜6aは、本実施形態ではポリエチレンフィルムとセロファンからなる。
セパレータ6の上側には、負極合剤7が配置される。負極合剤7は、亜鉛又は亜鉛合金粉末、アルカリ電解液、増粘剤等からなるジェル状をなし、負極缶3の底面3bに圧着され、セパレータ6の上側に収容されている。
正極合剤5、セパレータ6、負極合剤7を収容した密閉空間には、アルカリ電解液が充填されている。アルカリ電解液は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、或いは、水酸化ナトリウム水溶液と水酸化カリウム水溶液の混合水溶液を用いることができる。
なお、正極合剤5として、銀・ニッケル複合酸化物を含有するものを用いるが、負極合剤、セパレータ、電解液は特に限定されるものではなく、扁平形のアルカリ電池において、通常用いられているものであればなんでもよい。
ちなみに、正極合剤5の酸化銀顆粒又は粉体と、二酸化マンガン及び銀・ニッケル複合酸化物よりなる混合物の各種条件を変更した実施例を行い検証した。
(実施例1)
図1に本実施例で作成した外径6.8mm、高さ2.6mmの扁平形アルカリ電池を示す。
本実施例では、正極合剤として、平均粒径10μmの銀・ニッケル複合酸化物(AgNiO2)を25mass%、平均粒径10μmの酸化銀(Ag2O)を65mass%、平均粒径30μmの二酸化マンガン(MnO2)を10mass%、を混合し、200MPsの加圧力でペレット状に圧縮成型することで正極ペレットを作製した。一方、負極合剤は、亜鉛粉末に、アルカリ電解液とゲル化剤を混合し、ペレット状に成型することで作製した。
そして、このようにして作製された正極ペレットをニッケルメッキが施された鉄製の正極缶2に収容し、その上からセパレータ6を敷設した。一方、負極合剤7を銅、ステンレススチール及びニッケルの3層クラッド板よりなる負極缶3に収容した。
続いて、負極缶3の開口部3aを、正極缶2の開口部2aに向けて、ガスケット4を介してはめ込み、正極缶2の開口縁部をかしめることで、前述した扁平形アルカリ電池1を作製した。
尚、セパレータ6は、ポリエチレンフィルムとセロファン及び不織布よりなり、ガスケット4は、ナイロン製である。
(実施例2)
実施例2は、正極合剤として、平均粒径10μmの銀・ニッケル複合酸化物(AgNiO2)を20mass%、平均粒径10μmの酸化銀粉末(Ag2O)を70mass%、平均粒径30μmの二酸化マンガン(MnO2)を10mass%、を混合して、200MPsの加圧力でペレット状に圧縮成型することで正極ペレットを作製した以外は、実施例1と同様にして、扁平形アルカリ電池1を作製した。
(実施例3)
実施例3は、正極合剤として、平均粒径10μmの銀・ニッケル複合酸化物(AgNiO2)を30mass%、平均粒径10μmの酸化銀粉末(Ag2O)を60mass%、平均粒径30μmの二酸化マンガン(MnO2)を10mass%、を混合し、200MPsの加圧力でペレット状に圧縮成型することで正極ペレットを作製した以外は、実施例1と同様にして、扁平形アルカリ電池1を作製した。
(比較例1)
比較例1は、正極合剤として、平均粒径10μmの銀・ニッケル複合酸化物(AgNiO2)を15mass%、平均粒径10μmの酸化銀粉末(Ag2O)を75mass%、平均粒径30μmの二酸化マンガン(MnO2)を10mass%を混合し、200MPsの加圧力でペレット状に圧縮成型することで正極ペレットを作製した以外は、実施例1と同様にして、扁平形アルカリ電池を作製した。
(比較例2)
比較例2は、正極合剤として、平均粒径10μmの銀・ニッケル複合酸化物(AgNiO2)を35mass%、平均粒径10μmの酸化銀粉末(Ag2O)を55mass%、平均粒径30μmの二酸化マンガン(MnO2)を10mass%を混合し、200MPsの加圧力でペレット状に圧縮成型することで正極ペレットを作製した以外は、実施例1と同様にして、扁平形アルカリ電池を作製した。
(比較例3)
比較例3は、正極合剤として、平均粒径10μmの銀・ニッケル複合酸化物(AgNiO2)を15mass%、平均粒径10μmの酸化銀粉末(Ag2O)を75mass%、平均粒径5μmの二酸化マンガン(MnO2)を10mass%を混合し、300MPsの加圧力でペレット状に圧縮成型することで正極ペレットを作製した以外は、実施例1と同様にして、扁平形アルカリ電池を作製した。
(比較例4)
比較例4は、正極合剤として、平均粒径10μmの銀・ニッケル複合酸化物(AgNiO2)を15mass%、平均粒径10μmの酸化銀粉末(Ag2O)を75mass%、平均粒径60μmの二酸化マンガン(MnO2)を10mass%を混合し、200MPsの加圧力でペレット状に圧縮成型することで正極ペレットを作製した以外は、実施例1と同様にして、扁平形アルカリ電池を作製した。
(比較例5)
比較例5は、正極合剤として、平均粒径0.5μmの銀・ニッケル複合酸化物(AgNiO2)を15mass%、平均粒径10μmの酸化銀粉末(Ag2O)を75mass%、平均粒径30μmの二酸化マンガン(MnO2)を10mass%を混合し、300MPsの加圧力でペレット状に圧縮成型することで正極ペレットを作製した以外は、実施例1と同様にして、扁平形アルカリ電池を作製した。
(比較例6)
比較例6は、正極合剤として、平均粒径25μmの銀・ニッケル複合酸化物(AgNi
O2)を15mass%、平均粒径10μmの酸化銀粉末(Ag2O)を75mass%、平均粒径30μmの二酸化マンガン(MnO2)を10mass%を混合し、200MPsの加圧力でペレット状に圧縮成型することで正極ペレットを作製した以外は、実施例1と同様にして、扁平形アルカリ電池を作製した。
そして、上記した実施例1〜3、比較例1〜6で作製された各正極ペレットの質量バラツキ、成型圧と材料削減効果、及び、作製された各アルカリ電池の放電容量を調べた。
具体的には、正極ペレットの質量バラツキは、所定の容積の穴に正極合剤を擦り切りながら充填後、圧縮成型して作製した各ペレット20個の質量を測定し、その変動係数(=標準偏差/平均値×100)を算出した。また、正極ペレットの成型圧は、各正極ペレット成型時の圧力n=20個の平均値を算出した。さらに、正極ペレットの材料削減効果は、正極合剤の秤量向上でΔCを少なくしたことによる材料費の削減金額効果をパーセントで算出した。
各アルカリ電池の放電容量の測定は、負荷抵抗を30kΩで、終止電圧0.9Vまで連続放電することで行った。測定電池個数は5個である。
以上のそれぞれの結果を表1に示す。
Figure 0005135579
(1)はじめに、この表1より、実施例1〜3と比較例1とを比較するに、正極合剤5に混合する銀・ニッケル複合酸化物の混合比率が20mass%を下回ると、正極ペレットの質量の変動係数が大きくなることがわかる。これは、正極合剤5の秤量性を向上させる銀・ニッケル複合酸化物の正極合剤5への混合比が低いために正極合剤5全体の秤量性を十分向上させることができず、正極ペレットの質量の変動係数が大きくなってしまうも
のと考えられる。即ち、ΔCが多くなる。
(2)次に、この表1より、実施例1〜3と比較例2を比較するに、正極合剤5に混合する銀・ニッケル複合酸化物の比率は30mass%と上回ると、放電容量が小さくなることがわかる。これは、銀・ニッケル複合酸化物が放電反応にて酸化銀より電解液を消費(抱え込む)する物質のため、放電末期に電解液不足で負極活物質である亜鉛が一部不動態化し正極活物質と反応できなくなり、放電容量が低下したものと考えられる。
(3)次に、この表1より、実施例1〜3と比較例3とを比較するに、正極合剤5に混合する二酸化マンガンの平均粒径が10μmを下回ると、正極ペレットの成型圧が高くなることがわかる。これは、二酸化マンガンの平均粒径が小さくなるために、その分、二酸化マンガン粒子の表面積が大きくなり、正極合剤5の圧縮時の反発力が大きくなり成型圧が高くなると考えられる。
(4)次に、この表1より、実施例1〜3と比較例4とを比較するに、正極合剤5に混合する二酸化マンガンの平均粒径が50μmを上回ると、正極ペレットの質量の変動係数が大きくなることがわかる。これは、二酸化マンガンの平均粒径が50μmを上回ると、二酸化マンガン自身の秤量バラツキが大きくなるため、正極合剤5全体の秤量性が低下し、正極ペレットの質量の変動係数が大きくなってしまうものと考えられる。
(5)次に、この表1より、実施例1〜3と比較例5とを比較するに、正極合剤5に混合する銀・ニッケル複合酸化物の平均粒径が0.5μmを下回ると、正極ペレットの成型圧が高くなることがわかる。これも、銀・ニッケル複合酸化物の平均粒径が25μmを上回ると、銀・ニッケル複合酸化物自身の秤量バラツキが大きくなるため、正極合剤5全体の秤量性が低下し、正極ペレットの質量の変動係数が大きくなってしまうものと考えられる。
(6)最後に、この表1より、実施例1〜3と比較例6とを比較するに、正極合剤5に混合する銀・ニッケル複合酸化物の平均粒径が25μmを上回ると、正極ペレットの質量の変動係数が大きくなることがわかる。これも、銀・ニッケル複合酸化物の平均粒径が25μmを上回ると、銀・ニッケル複合酸化物自身の秤量バラツキが大きくなるため、正極合剤全体の秤量性が低下し、正極ペレットの質量の変動係数が大きくなってしまうものと考えられる。
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、扁平形アルカリ電池1は、正極合剤5が、酸化銀と、5〜19mass%の二酸化マンガン及び20〜30mass%の銀・ニッケル複合酸化物を混合したものであり、その混合物をペレット状に加圧成型したものである。そのため、正極合剤5に、酸化銀及び二酸化マンガンよりも秤量性のよい銀・ニッケル複合酸化物を混合することで、正極合剤5の秤量性を大きく向上させ、その分、電池を設計する上でΔCを少なくできるので、材料費を削減することができる。
また、正極合剤5に銀・ニッケル複合酸化物を混合することにより、正極ペレットの硬度を高くできるので、扁平形アルカリ電池1のかしめ行程によって生じる沈み込みが抑えられ、正極ペレットの沈み込みによって生じる電池内圧の上昇や電解液の漏液が防止される。
さらに、銀・ニッケル複合酸化物は、電気容量の大きい活物質であるとともに、それ自身良好な導電性を有する。このため、この銀・ニッケル複合酸化物を混合すれば、正極合剤5にグラファイト等の嵩密度の低い導電剤を加える必要がなく、その分、活物質充填量
が確保され、大きな電池容量が得られる。
(2)本実施形態によれば、二酸化マンガンの平均粒径を10〜50μmの範囲とした。そのため、正極合剤5をペレット状に加工する際の圧力を成型治具の変形を来す虞のあるほど高くすることがなく、しかも、正極合剤5の秤量バラツキを低減でき、ΔCの小さい材料費を削減した電池設計が可能となる。
(3)本実施形態によれば、正極合剤に混合する銀・ニッケル複合酸化物の平均粒径は、1〜20μmの範囲とした。そのため二酸化マンガンと同様、正極合剤5をペレット状に加工する際の圧力を成型治具の変形を来す虞のあるほど高くすることがなく、しかも、正極合剤5の秤量バラツキを低減でき、ΔCの小さい材料費を削減した電池設計が可能となる。
本実施形態のアルカリ電池の概略断面図。
符号の説明
1…扁平形アルカリ電池、2…正極缶、2a…開口部、3…負極缶、3a…開口部、4…ガスケット、5…正極合剤、6…セパレータ、6a…微多孔膜、6b…不織布、7…負極合剤。

Claims (2)

  1. 正極缶と負極缶とをガスケットを介して密封した密封空間に、セパレータを配置するとともに、セパレータを挟んで、正極側には正極活物質を主成分とした正極合剤を配置し、負極側には負極活物質を主成分とした負極合剤を配置し、さらに、その正極合剤、セパレータ及び負極合剤を配置した密封空間にアルカリ電解液を充填した扁平形アルカリ電池であって、
    前記正極合剤が、酸化銀と、5〜19mass%の二酸化マンガンと、20〜30mass%の銀・ニッケル複合酸化物とよりなる正極活物質混合物を加圧成型したものであり、且つ、前記二酸化マンガンの平均粒径は、10〜50μmであることを特徴とする扁平形アルカリ電池。
  2. 請求項1に記載の扁平形アルカリ電池において、
    前記銀・ニッケル複合酸化物の平均粒径は、1〜20μmであることを特徴とする扁平形アルカリ電池。
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