JP2022046834A - アルカリ乾電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルカリ乾電池が過放電状態で放置された場合に、電池外部へのアルカリ電解液の漏出を抑制する。【解決手段】アルカリ乾電池は、正極と、負極と、アルカリ電解液と、を具備し、正極は、二酸化マンガンと、銀化合物と、を含み、二酸化マンガンのCuKα線による粉末X線回折パターンにおいて、110面の回折ピークの半値幅Wは、2.4°以上、3.5°以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、アルカリ乾電池に関する。
アルカリ乾電池(アルカリマンガン乾電池)は、マンガン乾電池に比べて容量が大きく、大きな電流を取り出すことができるため、広く利用されている。アルカリ乾電池は、正極と、負極と、アルカリ電解液とを備える。正極は、正極活物質として二酸化マンガンを含む。負極は、負極活物質として亜鉛または亜鉛合金を含む。
ところで、特許文献1では、アルカリ乾電池の正極に、錫ニッケル複合酸化物を、二酸化マンガン100質量部あたり0.05質量部以上、2質量部以下含ませることが提案されている。アルカリ乾電池の貯蔵時に負極活物質の腐食により負極から発生した水素ガスは、錫ニッケル複合酸化物と反応して酸化され、水となり得る。よって、上記の水素ガスの発生に起因する電池外部へのアルカリ電解液の漏出が抑制される。
特許文献1では、未放電状態(未使用)のアルカリ乾電池を貯蔵した時(以下、未放電放置時とも称する。)の正極の水素ガス吸収能が開示されている。過放電状態のアルカリ乾電池を放置した時(以下、過放電放置時とも称する。)の水素ガス吸収能は、依然として十分に検討されていない。過放電放置時の方が、未放電放置時よりも、水素ガスの発生量が多く、高い水素ガス吸収能が求められる。特許文献1に記載のアルカリ乾電池を過放電状態で放置した場合、電池外部にアルカリ電解液が漏出することがある。
本発明の一局面は、正極と、負極と、アルカリ電解液と、を具備し、前記正極は、二酸化マンガンと、銀化合物と、を含み、前記二酸化マンガンのCuKα線による粉末X線回折パターンにおいて、110面の回折ピークの半値幅Wは、2.4°以上、3.5°以下である、アルカリ乾電池に関する。
本発明によれば、アルカリ乾電池を過放電状態で放置した場合に、電池外部へのアルカリ電解液の漏出を抑制することができる。
本発明の実施形態に係るアルカリ乾電池は、正極と、負極と、アルカリ電解液(以下、単に電解液とも称する。)と、を具備する。正極は、正極活物質である二酸化マンガンと、銀化合物と、を含む。二酸化マンガンのCuKα線による粉末X線回折パターンにおいて、110面の回折ピークの半値幅W(以下、単に半値幅Wとも称する。)は、2.4°以上、3.5°以下である。
なお、上記の「110面の回折ピーク」は、回折角2θ=22±1°付近に見られ、二酸化マンガンをラムスデライト構造と仮定した場合に110面に帰属される回折ピークを指す。また、上記の「半値幅W」は、半値全幅(FWHM:full width at half maximum)を指す。
上記の構成を満たす場合、過放電放置時の正極の水素ガス吸収能を高めることができ、過放電放置時の水素ガスの発生に起因する電池外部への電解液の漏出を抑制することができる。正極に銀化合物を含ませることにより、優れた水素ガス吸収能が得られる。銀化合物は、二酸化マンガンと水素ガスとの反応を促進させる触媒として作用してもよく、水素ガスに対して酸化剤として作用してもよい。
半値幅Wが2.4°以上である場合、過放電放置時に銀化合物による水素ガス吸収効果が顕著に得られる。その詳細な理由は不明であるが、以下のように推測される。
二酸化マンガンは、通常、数十nmの長さの針状の一次粒子が凝集して二次粒子を形成している。半値幅Wが2.4°以上に大きい場合、二酸化マンガンの結晶性が低下し、マンガン原子および酸素原子の配列の規則性が低下し、一次粒子が小さくなる。この場合、放電時のマンガン原子および酸素原子の配列中へのプロトンの挿入に起因する結晶内の原子間距離の変動に伴い生じる歪により、二次粒子が崩れたり、個々の一次粒子が膨張したりする。これにより、二酸化マンガンの細孔および表面積が増大することで、二酸化マンガンと銀化合物の接点が増大するとともに細孔内を水素ガスが拡散し易くなり、少量の銀化合物の添加により多量の水素ガスを効率良く吸収することができる。
ただし、半値幅Wが3.5°を超えると、二酸化マンガンの結晶性が低過ぎてその反応性が低下し、放電性能(特に中負荷放電性能)が低下することがある。
二酸化マンガンは、通常、数十nmの長さの針状の一次粒子が凝集して二次粒子を形成している。半値幅Wが2.4°以上に大きい場合、二酸化マンガンの結晶性が低下し、マンガン原子および酸素原子の配列の規則性が低下し、一次粒子が小さくなる。この場合、放電時のマンガン原子および酸素原子の配列中へのプロトンの挿入に起因する結晶内の原子間距離の変動に伴い生じる歪により、二次粒子が崩れたり、個々の一次粒子が膨張したりする。これにより、二酸化マンガンの細孔および表面積が増大することで、二酸化マンガンと銀化合物の接点が増大するとともに細孔内を水素ガスが拡散し易くなり、少量の銀化合物の添加により多量の水素ガスを効率良く吸収することができる。
ただし、半値幅Wが3.5°を超えると、二酸化マンガンの結晶性が低過ぎてその反応性が低下し、放電性能(特に中負荷放電性能)が低下することがある。
過放電放置時の水素ガス吸収能の向上およびコスト低減の観点から、正極中の銀化合物の含有量は、二酸化マンガンの100質量部あたり、0.03質量部以上、0.45質量部以下でもよい。正極中の銀化合物の含有量が二酸化マンガンの100質量部あたり0.45質量部以下の少量でも、過放電放置時の電池外部への電解液の漏出を抑制することができ、電池の信頼性の向上とともにコストの低減を図ることができる。正極中の銀化合物の含有量が、二酸化マンガンの100質量部あたり0.03質量部以上である場合、過放電放置時の電池外部への電解液の漏出を抑制し易い。
正極中の銀化合物の含有量は、二酸化マンガンの100質量部あたり、0.10質量部以上、0.45質量部以下でもよく、0.10質量部以上、0.20質量部以下でもよい。この場合、過放電放置時の水素ガス吸収能向上の効果およびコスト低減の効果がよりバランス良く得られる。
電解液に対する安定性などの観点から、銀化合物は、銀原子と酸素原子とを含む化合物であることが好ましい。過放電放置時の水素ガス吸収能の観点から、銀原子と酸素原子とを含む化合物は、酸化銀および銀ニッケル複合酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
酸化銀は、主に、二酸化マンガンと水素ガスとの反応を促進する触媒として作用し得る。酸化銀は、Ag2O、AgOおよびAg2O3よりなる群から選択される少なくとも1種を含む。コストおよび化学的安定性の面で有利であることから、Ag2Oが好ましい。
銀ニッケル複合酸化物は、水素ガスに対して酸化剤として作用するとともに、上記の触媒としても作用し得る。銀ニッケル複合酸化物は、一般式:AgxNiyO2で表され、xは、0.8以上、1.2以下でもよく、yは、0.8以上、1.2以下でもよい。xおよびyは1でもよい。すなわち、AgNiO2でもよい。
正極中の銀化合物の含有量(二酸化マンガン100質量部あたりの量)は、以下の方法により求めることができる。
未使用(未放電状態)の電池を分解し、正極を採取した後、電解液の除去のために水洗し、乾燥して、粉末状の正極を粉末試料として得る。
まず、得られた粉末試料を用いて定性分析を行う。具体的には、粉末試料について、CuKα線による粉末X線回折測定を行う。得られたX線回折パターンを用いて二酸化マンガンおよび導電剤の回折ピーク以外の回折ピークについて解析を行い、銀化合物を同定する。
次に、得られた粉末試料を用いて定量分析を行う。具体的には、粉末試料に希硝酸を加えて加熱溶解し、放冷後に不溶分を濾別し、濾液を得る。また、ビーカーと濾紙上の不溶分とをアンモニア水で洗浄し、洗浄後の排液を捕集する。濾液に排液を加え、さらに純水を加えて、所定量の試料溶液を得る。試料溶液について高周波誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP発光分光分析)を行い、試料溶液に含まれるMn量およびAg量を求める。求められたAg量を上記で同定した銀化合物量に換算し、求められたMn量を二酸化マンガン量に換算し、二酸化マンガン100質量部あたりの銀化合物量(質量部)を求める。
未使用(未放電状態)の電池を分解し、正極を採取した後、電解液の除去のために水洗し、乾燥して、粉末状の正極を粉末試料として得る。
まず、得られた粉末試料を用いて定性分析を行う。具体的には、粉末試料について、CuKα線による粉末X線回折測定を行う。得られたX線回折パターンを用いて二酸化マンガンおよび導電剤の回折ピーク以外の回折ピークについて解析を行い、銀化合物を同定する。
次に、得られた粉末試料を用いて定量分析を行う。具体的には、粉末試料に希硝酸を加えて加熱溶解し、放冷後に不溶分を濾別し、濾液を得る。また、ビーカーと濾紙上の不溶分とをアンモニア水で洗浄し、洗浄後の排液を捕集する。濾液に排液を加え、さらに純水を加えて、所定量の試料溶液を得る。試料溶液について高周波誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP発光分光分析)を行い、試料溶液に含まれるMn量およびAg量を求める。求められたAg量を上記で同定した銀化合物量に換算し、求められたMn量を二酸化マンガン量に換算し、二酸化マンガン100質量部あたりの銀化合物量(質量部)を求める。
半値幅Wは、好ましくは2.7°超であり、より好ましくは3.0°以上である。この場合、安価な二酸化マンガンを入手し易いとともに、過放電放置時の水素ガス吸収能がより向上する。
また、半値幅Wは、3.4°以下でもよく、3.3°以下でもよい。半値幅Wが3.4°以下である場合、電池の中負荷放電性能が向上する。電池の中負荷放電性能は、正極ペレットの成形性だけでなく二酸化マンガンの反応性の影響を受けやすい。半値幅Wが2.4°以上、3.5°以下の範囲において、半値幅Wが小さいほど二酸化マンガンの反応性は高くなる傾向にある。半値幅Wが3.3°以下である場合、正極ペレットの成形性が向上し、電池の低負荷放電性能が向上する。
半値幅Wは、例えば、電解法による二酸化マンガン作製時の電解条件を変えることにより調整することができる。電解法では、電解酸化により陽極上に二酸化マンガンを析出させる方法が用いられる。陽極および陰極には、例えば、それぞれチタン板および白金板が用いられる。電解浴には、例えば、硫酸マンガンおよび硫酸の水溶液が用いられる。電解電流、電解浴中の硫酸濃度などを変えることにより半値幅Wを調整してもよい。また、半値幅Wは、二酸化マンガンに熱処理を施し、熱処理温度などの熱処理条件を変えることにより調整してもよい。
半値幅Wは、以下の方法により求めることができる。
未使用(未放電状態)の電池を分解し、正極を採取し、水洗により電解液を除去し、乾燥して、粉末状の正極を粉末試料として得る。得られた粉末試料についてCuKα線を光源とするX線回折測定を行う。上記測定により得られたX線回折パターン(縦軸:X線回折強度、横軸:回折角2θ)を用いて110面の回折ピークの半値幅Wを求める。
未使用(未放電状態)の電池を分解し、正極を採取し、水洗により電解液を除去し、乾燥して、粉末状の正極を粉末試料として得る。得られた粉末試料についてCuKα線を光源とするX線回折測定を行う。上記測定により得られたX線回折パターン(縦軸:X線回折強度、横軸:回折角2θ)を用いて110面の回折ピークの半値幅Wを求める。
本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池としては、円筒形電池、コイン形電池などが挙げられる。
以下、本実施形態に係るアルカリ乾電池を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。さらに、他の実施形態との組み合わせも可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の横半分を断面とする正面図である。図1は、インサイドアウト型の構造を有する円筒形電池の一例を示す。図1に示すように、アルカリ乾電池は、中空円筒形の正極2と、正極2の中空部内に配されたゲル状の負極3と、これらの間に配されたセパレータ4と、電解液(図示せず)とを含み、これらが、正極端子を兼ねた有底円筒形の電池ケース1内に収容されている。電解液には、アルカリ水溶液が用いられる。
正極2は、電池ケース1の内壁に接して配されている。正極2は、二酸化マンガンと銀化合物と導電剤と電解液とを含む。正極2の中空部内には、セパレータ4を介して、ゲル状の負極3が充填されている。負極3は、亜鉛を含む負極活物質に加え、通常、電解液とゲル化剤とを含む。
セパレータ4は、有底円筒形であり、電解液を含む。セパレータ4は、円筒型のセパレータ4aと、底紙4bとで構成されている。セパレータ4aは、正極2の中空部の内面に沿って配され、正極2と負極3とを隔離している。よって、正極と負極との間に配されたセパレータとは、円筒型のセパレータ4aを意味する。底紙4bは、正極2の中空部の底部に配され、負極3と電池ケース1とを隔離している。
電池ケース1の開口部は、封口ユニット9により封口されている。封口ユニット9は、ガスケット5、負極端子を兼ねる負極端子板7、および負極集電体6からなる。負極集電体6は負極3内に挿入されている。負極集電体6は、頭部と胴部とを有する釘状の形態を有しており、胴部はガスケット5の中央筒部に設けられた貫通孔に挿入され、負極集電体6の頭部は負極端子板7の中央部の平坦部に溶接されている。電池ケース1の開口端部は、ガスケット5の外周端部を介して負極端子板7の周縁部の鍔部にかしめつけられている。電池ケース1の外表面には外装ラベル8が被覆されている。
以下、アルカリ乾電池の詳細について説明する。
(正極)
正極は、通常、二酸化マンガンおよび銀化合物に加え、導電剤および電解液を含む。また、正極は、必要に応じて、さらに結着剤を含有してもよい。二酸化マンガンとしては、電解二酸化マンガンが好ましい。
(正極)
正極は、通常、二酸化マンガンおよび銀化合物に加え、導電剤および電解液を含む。また、正極は、必要に応じて、さらに結着剤を含有してもよい。二酸化マンガンとしては、電解二酸化マンガンが好ましい。
二酸化マンガンは粉末の形態で用いられる。正極の充填性および正極内での電解液の拡散性などを確保し易い観点からは、二酸化マンガンの平均粒径(D50)は、例えば、25~60μmである。なお、本明細書中、平均粒径(D50)とは、体積基準の粒度分布におけるメジアン径である。平均粒径は、例えば、レーザ回折/散乱式粒子分布測定装置を用いて求められる。
成形性や正極の膨張抑制の観点から、二酸化マンガンのBET比表面積は、例えば、20~50m2/gの範囲であってもよい。なお、BET比表面積とは、多分子層吸着の理論式であるBET式を用いて、表面積を測定および計算したものである。BET比表面積は、例えば、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いることにより測定できる。
導電剤としては、例えば、アセチレンブラックなどのカーボンブラックの他、黒鉛などの導電性炭素材料が挙げられる。黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛などが使用できる。導電剤は、繊維状などであってもよいが、粉末状であることが好ましい。導電剤の平均粒径(D50)は、例えば、3~20μmである。
正極中の導電剤の含有量は、二酸化マンガン100質量部に対して、例えば、3~10質量部、好ましくは5~9質量部である。
正極は、例えば、正極活物質、銀化合物、導電剤、電解液、必要に応じて結着剤を含む正極合剤をペレット状に加圧成形することにより得られる。正極合剤を、一旦、フレーク状や顆粒状にし、必要により分級した後、ペレット状に加圧成形してもよい。
ペレットは、電池ケース内に収容された後、所定の器具を用いて、電池ケース内壁に密着するように二次加圧してもよい。
ペレットは、電池ケース内に収容された後、所定の器具を用いて、電池ケース内壁に密着するように二次加圧してもよい。
(負極)
負極は、亜鉛を含む負極活物質を含む。負極活物質としては、亜鉛、亜鉛合金などが挙げられる。亜鉛合金は、耐食性の観点から、インジウム、ビスマスおよびアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。亜鉛合金中のインジウム含有量は、例えば、0.01~0.1質量%であり、ビスマス含有量は、例えば、0.003~0.02質量%である。亜鉛合金中のアルミニウム含有量は、例えば、0.001~0.03質量%である。亜鉛合金中において亜鉛以外の元素が占める割合は、耐食性の観点から、0.025~0.08質量%であるのが好ましい。
負極は、亜鉛を含む負極活物質を含む。負極活物質としては、亜鉛、亜鉛合金などが挙げられる。亜鉛合金は、耐食性の観点から、インジウム、ビスマスおよびアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。亜鉛合金中のインジウム含有量は、例えば、0.01~0.1質量%であり、ビスマス含有量は、例えば、0.003~0.02質量%である。亜鉛合金中のアルミニウム含有量は、例えば、0.001~0.03質量%である。亜鉛合金中において亜鉛以外の元素が占める割合は、耐食性の観点から、0.025~0.08質量%であるのが好ましい。
負極活物質は、通常、粉末状の形態で使用される。負極の充填性および負極内での電解液の拡散性の観点から、負極活物質粉末の平均粒径(D50)は、例えば、100~200μm、好ましくは110~160μmである。
負極は、例えば、亜鉛を含む負極活物質粒子、ゲル化剤および電解液を混合することにより得られる。
ゲル化剤としては、アルカリ乾電池の分野で使用される公知のゲル化剤が特に制限なく使用され、例えば、吸水性ポリマーなどが使用できる。このようなゲル化剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。
ゲル化剤の添加量は、負極活物質100質量部あたり、例えば、0.5~2.5質量部である。
ゲル化剤としては、アルカリ乾電池の分野で使用される公知のゲル化剤が特に制限なく使用され、例えば、吸水性ポリマーなどが使用できる。このようなゲル化剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。
ゲル化剤の添加量は、負極活物質100質量部あたり、例えば、0.5~2.5質量部である。
負極には、粘度の調整などのために、界面活性剤や芳香族化合物を添加してもよい。界面活性剤や芳香族化合物には、上記で例示したものを用いることができる。負極中に界面活性剤や芳香族化合物をより均一に分散させる観点から、界面活性剤や芳香族化合物は、負極の作製に用いられる電解液に予め添加しておくことが好ましい。
負極には、耐食性を向上させるために、インジウムやビスマスなどの水素過電圧の高い金属を含む化合物を適宜添加してもよい。酸化亜鉛などのデンドライトの成長を抑制するために、負極に、微量のケイ酸やそのカリウム塩などのケイ酸化合物を適宜添加してもよい。
(負極集電体)
ゲル状負極に挿入される負極集電体の材質としては、例えば、金属、合金などが挙げられる。負極集電体は、好ましくは、銅を含み、例えば、真鍮などの銅および亜鉛を含む合金製であってもよい。負極集電体は、必要により、スズメッキなどのメッキ処理がされていてもよい。
ゲル状負極に挿入される負極集電体の材質としては、例えば、金属、合金などが挙げられる。負極集電体は、好ましくは、銅を含み、例えば、真鍮などの銅および亜鉛を含む合金製であってもよい。負極集電体は、必要により、スズメッキなどのメッキ処理がされていてもよい。
(セパレータ)
正極と負極との間には、通常、セパレータが配される。セパレータの材質としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコールなどが例示できる。セパレータは、上記材料の繊維を主体として用いた不織布であってもよく、セロファンやポリオレフィン系などの微多孔質フィルムであってもよい。不織布と微多孔質フィルムとを併用してもよい。不織布としては、セルロース繊維およびポリビニルアルコール繊維を主体として混抄した不織布、レーヨン繊維およびポリビニルアルコール繊維を主体として混抄した不織布などが例示できる。
正極と負極との間には、通常、セパレータが配される。セパレータの材質としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコールなどが例示できる。セパレータは、上記材料の繊維を主体として用いた不織布であってもよく、セロファンやポリオレフィン系などの微多孔質フィルムであってもよい。不織布と微多孔質フィルムとを併用してもよい。不織布としては、セルロース繊維およびポリビニルアルコール繊維を主体として混抄した不織布、レーヨン繊維およびポリビニルアルコール繊維を主体として混抄した不織布などが例示できる。
図1では、円筒型のセパレータ4aと、底紙4bとを用いて、有底円筒形のセパレータ4を構成している。有底円筒形のセパレータは、これに限らず、アルカリ乾電池の分野で使用される公知の形状のセパレータを用いればよい。セパレータは、1枚のシートで構成してもよく、セパレータを構成するシートが薄ければ、複数のシートを重ね合わせて構成してもよい。円筒型のセパレータは、薄いシートを複数回巻いて構成してもよい。
セパレータの厚みは、例えば、200~300μmである。セパレータは、全体として上記の厚みを有しているのが好ましく、セパレータを構成するシートが薄ければ、複数のシートを重ねて、上記の厚みとなるようにしてもよい。
(電解液)
電解液は、正極、負極およびセパレータ中に含まれる。電解液としては、例えば、水酸化カリウムを含むアルカリ水溶液が用いられる。電解液中の水酸化カリウムの濃度は、30~50質量%が好ましい。電解液に、さらに酸化亜鉛を含ませてもよい。電解液中の酸化亜鉛の濃度は、例えば、1~5質量%である。
電解液は、正極、負極およびセパレータ中に含まれる。電解液としては、例えば、水酸化カリウムを含むアルカリ水溶液が用いられる。電解液中の水酸化カリウムの濃度は、30~50質量%が好ましい。電解液に、さらに酸化亜鉛を含ませてもよい。電解液中の酸化亜鉛の濃度は、例えば、1~5質量%である。
(ガスケット)
ガスケットの材質としては、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。ガスケットは、例えば、上記材質を用いて所定の形状に射出成型することにより得られる。水素を透過しやすくする観点から、ガスケットの材質は、6,10-ナイロン、6,12-ナイロン、およびポリプロピレンが好ましい。なお、ガスケットは、通常、防爆用の薄肉部を有する。水素の透過量を増やすために、薄肉部は環状に設けられていることが好ましい。図1のガスケット5は、環状の薄肉部5aを有する。
ガスケットの材質としては、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。ガスケットは、例えば、上記材質を用いて所定の形状に射出成型することにより得られる。水素を透過しやすくする観点から、ガスケットの材質は、6,10-ナイロン、6,12-ナイロン、およびポリプロピレンが好ましい。なお、ガスケットは、通常、防爆用の薄肉部を有する。水素の透過量を増やすために、薄肉部は環状に設けられていることが好ましい。図1のガスケット5は、環状の薄肉部5aを有する。
(電池ケース)
電池ケースには、例えば、有底円筒形の金属ケースが用いられる。金属ケースには、例えば、ニッケルめっき鋼板が用いられる。正極と電池ケースとの間の密着性を良くするためには、金属ケースの内面を炭素被膜で被覆した電池ケースを用いるのが好ましい。
電池ケースには、例えば、有底円筒形の金属ケースが用いられる。金属ケースには、例えば、ニッケルめっき鋼板が用いられる。正極と電池ケースとの間の密着性を良くするためには、金属ケースの内面を炭素被膜で被覆した電池ケースを用いるのが好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
下記の(1)~(3)の手順に従って、図1に示す単3形の円筒形アルカリ乾電池(LR6)を作製した。
(1)正極の作製
正極活物質と添加剤と導電剤とを100:0.1:6.0の質量比で加え、混合物を得た。正極活物質には、半値幅Wが表1に示す値の粉末状の電解二酸化マンガン(平均粒径(D50)25μm)を用いた。半値幅Wは、電解法による二酸化マンガン作製時において電解電流を変えることにより調整した。添加剤には、Ag、AgNiO2、またはAg2Oの粉末(平均粒径(D50)10μm)を用いた。導電剤には、粉末状の黒鉛(平均粒径(D50)8μm)を用いた。
下記の(1)~(3)の手順に従って、図1に示す単3形の円筒形アルカリ乾電池(LR6)を作製した。
(1)正極の作製
正極活物質と添加剤と導電剤とを100:0.1:6.0の質量比で加え、混合物を得た。正極活物質には、半値幅Wが表1に示す値の粉末状の電解二酸化マンガン(平均粒径(D50)25μm)を用いた。半値幅Wは、電解法による二酸化マンガン作製時において電解電流を変えることにより調整した。添加剤には、Ag、AgNiO2、またはAg2Oの粉末(平均粒径(D50)10μm)を用いた。導電剤には、粉末状の黒鉛(平均粒径(D50)8μm)を用いた。
混合物に電解液を加え、充分に攪拌した後、フレーク状に圧縮成形して、正極合剤を得た。混合物および電解液の質量比は100:1.5とした。電解液には、水酸化カリウム(濃度35質量%)および酸化亜鉛(濃度2質量%)を含むアルカリ水溶液を用いた。
フレーク状の正極合剤を粉砕して顆粒状とし、これを10~100メッシュの篩によって分級して得られた顆粒11.90gを、外径13.65mmの所定の中空円筒形に加圧成形して、正極ペレット(質量5.95g)を2個作製した。
(2)負極の作製
負極活物質と電解液とゲル化剤とを混合し、ゲル状の負極3を得た。負極活物質には、0.02質量%のインジウムと、0.01質量%のビスマスと、0.005質量%のアルミニウムとを含む粉末状の亜鉛合金(平均粒径(D50)130μm)を用いた。電解液には、正極の作製で用いた電解液と同じものを用いた。ゲル化剤には、架橋分岐型ポリアクリル酸および高架橋鎖状型ポリアクリル酸ナトリウムの混合物を用いた。ゲル状負極中の負極活物質と電解液とゲル化剤との質量比は、100:50:1とした。
負極活物質と電解液とゲル化剤とを混合し、ゲル状の負極3を得た。負極活物質には、0.02質量%のインジウムと、0.01質量%のビスマスと、0.005質量%のアルミニウムとを含む粉末状の亜鉛合金(平均粒径(D50)130μm)を用いた。電解液には、正極の作製で用いた電解液と同じものを用いた。ゲル化剤には、架橋分岐型ポリアクリル酸および高架橋鎖状型ポリアクリル酸ナトリウムの混合物を用いた。ゲル状負極中の負極活物質と電解液とゲル化剤との質量比は、100:50:1とした。
(3)アルカリ乾電池の組立て
ニッケルめっき鋼板製の有底円筒形の電池ケース(外径13.80mm、円筒部の肉厚0.15mm、高さ50.3mm)の内面に、日本黒鉛(株)製のバニーハイトを塗布して厚み約10μmの炭素被膜を形成し、電池ケース1を得た。電池ケース1内に正極ペレットを縦に2個挿入した後、加圧して、電池ケース1の内壁に密着した状態の正極2を形成した。有底円筒形のセパレータ4を正極2の内側に配置した後、電解液を注入し、セパレータ4に含浸させた。電解液には、正極の作製で用いた電解液と同じものを用いた。この状態で所定時間放置し、電解液をセパレータ4から正極2へ浸透させた。その後、6gのゲル状負極3を、セパレータ4の内側に充填した。
ニッケルめっき鋼板製の有底円筒形の電池ケース(外径13.80mm、円筒部の肉厚0.15mm、高さ50.3mm)の内面に、日本黒鉛(株)製のバニーハイトを塗布して厚み約10μmの炭素被膜を形成し、電池ケース1を得た。電池ケース1内に正極ペレットを縦に2個挿入した後、加圧して、電池ケース1の内壁に密着した状態の正極2を形成した。有底円筒形のセパレータ4を正極2の内側に配置した後、電解液を注入し、セパレータ4に含浸させた。電解液には、正極の作製で用いた電解液と同じものを用いた。この状態で所定時間放置し、電解液をセパレータ4から正極2へ浸透させた。その後、6gのゲル状負極3を、セパレータ4の内側に充填した。
セパレータ4は、円筒型のセパレータ4aおよび底紙4bを用いて構成した。円筒型のセパレータ4aおよび底紙4bには、質量比が1:1であるレーヨン繊維およびポリビニルアルコール繊維を主体として混抄した不織布シート(坪量28g/m2)を用いた。底紙4bに用いた不織布シートの厚みは0.27mmであった。セパレータ4aは、厚み0.09mmの不織布シートを三重に巻いて構成した。
負極集電体6は、一般的な真鍮(Cu含有量:約65質量%、Zn含有量:約35質量%)を、釘型にプレス加工した後、表面にスズめっきを施すことにより得た。負極集電体6の胴部の径は1.15mmとした。ニッケルめっき鋼板製の負極端子板7に負極集電体6の頭部を電気溶接した。その後、負極集電体6の胴部を、ポリアミド6,12を主成分とするガスケット5の中心の貫通孔に圧入した。このようにして、ガスケット5、負極端子板7、および負極集電体6からなる封口ユニット9を作製した。
次に、封口ユニット9を電池ケース1の開口部に設置した。このとき、負極集電体6の胴部を、負極3内に挿入した。電池ケース1の開口端部を、ガスケット5を介して、負極端子板7の周縁部にかしめつけ、電池ケース1の開口部を封口した。外装ラベル8で電池ケース1の外表面を被覆した。このようにして、アルカリ乾電池を作製した。
上記において、正極活物質に半値幅Wが表1に示す値の二酸化マンガンを用い、添加剤に表1に示す材料を用いて、電池A1~A4、B1~B4、およびC1~C4を作製した。また、正極活物質に半値幅Wが表1に示す値の二酸化マンガンを用い、添加剤を用いずに、電池D1~D4を作製した。
上記で作製した各電池について、以下の評価を行った。
[評価1:未放電放置時の水素ガス吸収量の測定]
上記で作製した未放電状態の電池から正極ペレットを取り出し、150mlの水素ガスとともにラミネートバックに封入し、大気圧下かつ20℃の環境下で2週間放置した。上記の放置の前後において正極ペレットを封入したラミネートバックの浮力をそれぞれ求め、その浮力差に基づいて水素ガス吸収量を求めた。
[評価1:未放電放置時の水素ガス吸収量の測定]
上記で作製した未放電状態の電池から正極ペレットを取り出し、150mlの水素ガスとともにラミネートバックに封入し、大気圧下かつ20℃の環境下で2週間放置した。上記の放置の前後において正極ペレットを封入したラミネートバックの浮力をそれぞれ求め、その浮力差に基づいて水素ガス吸収量を求めた。
[評価2:過放電放置時の水素ガス吸収量の測定]
上記で作製した未放電状態の電池を別途準備した。各電池について、電池電圧が1.2Vに達するまで10Ωの定抵抗放電を行った後、2Ωの定抵抗放電を36時間行った。このようにして、過放電状態の電池を得た。なお、上記の定抵抗放電は、20℃の環境下で行った。過放電状態の電池から正極ペレットを取り出した後、上記の評価1と同様の方法により水素ガス吸収量を求めた。
評価結果を表1に示す。
上記で作製した未放電状態の電池を別途準備した。各電池について、電池電圧が1.2Vに達するまで10Ωの定抵抗放電を行った後、2Ωの定抵抗放電を36時間行った。このようにして、過放電状態の電池を得た。なお、上記の定抵抗放電は、20℃の環境下で行った。過放電状態の電池から正極ペレットを取り出した後、上記の評価1と同様の方法により水素ガス吸収量を求めた。
評価結果を表1に示す。
正極に添加剤を含ませた電池A1~A4、B1~B4、およびC1~C4では、いずれも、未放電放置時の水素ガス吸収量が増大した。
正極活物質に半値幅Wが3.14°の二酸化マンガンを用い、正極にAgNiO2を二酸化マンガン100質量部あたり0.1質量部含ませた電池B3では、過放電放置時の水素ガス吸収量が増大した。正極活物質に半値幅Wが3.14°の二酸化マンガンを用い、正極にAg2Oを二酸化マンガン100質量部あたり0.1質量部含ませた電池C3では、過放電放置時の水素ガス吸収量が増大した。
正極活物質に半値幅Wが3.14°の二酸化マンガンを用い、正極にAgNiO2を二酸化マンガン100質量部あたり0.1質量部含ませた電池B3では、過放電放置時の水素ガス吸収量が増大した。正極活物質に半値幅Wが3.14°の二酸化マンガンを用い、正極にAg2Oを二酸化マンガン100質量部あたり0.1質量部含ませた電池C3では、過放電放置時の水素ガス吸収量が増大した。
正極に添加剤を含ませなかった電池D1~D4では、未放電放置時および過放電放置時のいずれも、水素ガス吸収量が小さかった。
添加剤にAgを用いた電池A1~A4では、いずれも過放電放置時の水素ガス吸収量が小さかった。
添加剤にAgを用いた電池A1~A4では、いずれも過放電放置時の水素ガス吸収量が小さかった。
正極活物質に半値幅Wが2.4°未満の二酸化マンガンを用いた電池B1、B2、B4では、正極にAgNiO2を二酸化マンガン100質量部あたり0.1質量部含ませても、過放電放置時の水素ガス吸収量が小さかった。
正極活物質に半値幅Wが2.4°未満の二酸化マンガンを用いた電池C1、C2、C4では、正極にAg2Oを二酸化マンガン100質量部あたり0.1質量部含ませても、過放電放置時の水素ガス吸収量が小さかった。
正極活物質に半値幅Wが2.4°未満の二酸化マンガンを用いた電池C1、C2、C4では、正極にAg2Oを二酸化マンガン100質量部あたり0.1質量部含ませても、過放電放置時の水素ガス吸収量が小さかった。
《実施例2》
正極中のAgNiO2の含有量を表2に示す値とした以外、電池B2と同様の方法により、電池E1~E5を作製した。
また、正極中のAgNiO2の含有量を表2~5に示す値とし、正極活物質に半値幅Wが表2~5に示す値の電解二酸化マンガンを用いた以外、電池B2と同様の方法により、電池F1~F6、G1~G6、H1~H6、I1~I6、J1~J6、K1~K6を作製した。
実施例2で作製した各電池について、上記の評価2とともに以下の評価を行った。
正極中のAgNiO2の含有量を表2に示す値とした以外、電池B2と同様の方法により、電池E1~E5を作製した。
また、正極中のAgNiO2の含有量を表2~5に示す値とし、正極活物質に半値幅Wが表2~5に示す値の電解二酸化マンガンを用いた以外、電池B2と同様の方法により、電池F1~F6、G1~G6、H1~H6、I1~I6、J1~J6、K1~K6を作製した。
実施例2で作製した各電池について、上記の評価2とともに以下の評価を行った。
[評価3:過放電放置時に漏液した電池の個数の測定]
10個の未放電状態の電池を準備した。各電池について、電池電圧が1.2Vに達するまで10Ωの定抵抗放電を行った後、2Ωの定抵抗放電を36時間行った。このようにして、過放電状態の電池を得た。なお、上記の定抵抗放電は、20℃の環境下で行った。大気圧下、かつ、温度30℃および湿度60%の環境下において、過放電状態の電池を4週間放置した。放置後、漏液した電池の個数を求めた。
評価結果を表2~5に示す。
10個の未放電状態の電池を準備した。各電池について、電池電圧が1.2Vに達するまで10Ωの定抵抗放電を行った後、2Ωの定抵抗放電を36時間行った。このようにして、過放電状態の電池を得た。なお、上記の定抵抗放電は、20℃の環境下で行った。大気圧下、かつ、温度30℃および湿度60%の環境下において、過放電状態の電池を4週間放置した。放置後、漏液した電池の個数を求めた。
評価結果を表2~5に示す。
正極活物質に半値幅Wが2.4°以上、3.5°以下の二酸化マンガンを用い、正極にAgNiO2を二酸化マンガン100質量部あたり0.3質量部以上、0.45質量部以下含ませた電池F1~F5、G1~G5、H1~H5、I1~I5、J1~J5、K1~K5では、過放電放置時の水素ガス吸収量が増大し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出しなかった。
正極活物質に半値幅Wが2.3°の二酸化マンガンを用い、正極にAgNiO2を二酸化マンガン100質量部あたり0.3質量部以上、0.45質量部以下含ませた電池E1~E4、B2では、過放電放置時の水素ガス吸収量が減少し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出した電池が見られた。
正極活物質に半値幅Wが2.4°以上、3.5°以下の二酸化マンガンを用い、正極にAgNiO2を含ませなかった電池F6、G6、H6、I6、J6、K6では、過放電放置時の水素ガス吸収量が減少し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出した電池が見られた。
正極活物質に半値幅Wが2.3°の二酸化マンガンを用い、正極にAgNiO2を含ませなかった電池E5では、過放電放置時の水素ガス吸収量が減少し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出した電池が見られた。
正極活物質に半値幅Wが2.4°以上、3.5°以下の二酸化マンガンを用い、正極にAgNiO2を含ませなかった電池F6、G6、H6、I6、J6、K6では、過放電放置時の水素ガス吸収量が減少し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出した電池が見られた。
正極活物質に半値幅Wが2.3°の二酸化マンガンを用い、正極にAgNiO2を含ませなかった電池E5では、過放電放置時の水素ガス吸収量が減少し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出した電池が見られた。
《実施例3》
正極中のAg2Oの含有量を表6に示す値とした以外、電池C2と同様の方法により、電池L1~L5を作製した。
また、正極中のAgNiO2の含有量を表6~9に示す値とし、正極活物質に半値幅Wが表6~9に示す値の電解二酸化マンガンを用いた以外、電池C2と同様の方法により、電池M1~M6、N1~N6、O1~O6、P1~P6、Q1~Q6、R1~R6を作製した。
実施例3で作製した各電池について、上記の評価2および評価3を行った。評価結果を表6~9に示す。
正極中のAg2Oの含有量を表6に示す値とした以外、電池C2と同様の方法により、電池L1~L5を作製した。
また、正極中のAgNiO2の含有量を表6~9に示す値とし、正極活物質に半値幅Wが表6~9に示す値の電解二酸化マンガンを用いた以外、電池C2と同様の方法により、電池M1~M6、N1~N6、O1~O6、P1~P6、Q1~Q6、R1~R6を作製した。
実施例3で作製した各電池について、上記の評価2および評価3を行った。評価結果を表6~9に示す。
正極活物質に半値幅Wが2.4°以上、3.5°以下の二酸化マンガンを用い、正極にAg2Oを二酸化マンガン100質量部あたり0.3質量部以上、0.45質量部以下含ませた電池M1~M5、N1~N5、O1~O5、P1~P5、Q1~Q5、R1~R5では、過放電放置時の水素ガス吸収量が増大し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出しなかった。
正極活物質に半値幅Wが2.3°の二酸化マンガンを用い、正極にAg2Oを二酸化マンガン100質量部あたり0.3質量部以上、0.45質量部以下含ませた電池L1~L4、C2では、過放電放置時の水素ガス吸収量が減少し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出した電池が見られた。
正極活物質に半値幅Wが2.4°以上、3.5°以下の二酸化マンガンを用い、正極にAg2Oを含ませなかった電池M6、N6、O6、P6、Q6、R6では、過放電放置時の水素ガス吸収量が減少し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出した電池が見られた。
正極活物質に半値幅Wが2.3°の二酸化マンガンを用い、正極にAg2Oを含ませなかった電池L5では、過放電放置時の水素ガス吸収量が減少し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出した電池が見られた。
正極活物質に半値幅Wが2.4°以上、3.5°以下の二酸化マンガンを用い、正極にAg2Oを含ませなかった電池M6、N6、O6、P6、Q6、R6では、過放電放置時の水素ガス吸収量が減少し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出した電池が見られた。
正極活物質に半値幅Wが2.3°の二酸化マンガンを用い、正極にAg2Oを含ませなかった電池L5では、過放電放置時の水素ガス吸収量が減少し、過放電放置時に電池外部に電解液が漏出した電池が見られた。
《実施例4》
正極活物質に半値幅Wが表10に示す値の電解二酸化マンガンを用いた以外、電池H3と同様の方法により、電池S1~S3を作製した。
上記で作製した電池S1~S3、ならびに電池H3、I3、J3、およびK3について、以下の評価を行った。
正極活物質に半値幅Wが表10に示す値の電解二酸化マンガンを用いた以外、電池H3と同様の方法により、電池S1~S3を作製した。
上記で作製した電池S1~S3、ならびに電池H3、I3、J3、およびK3について、以下の評価を行った。
[評価4:放電試験]
電池の中負荷放電性能を評価するため、上記で作製した電池について、250mAの定電流放電を1時間行った後、休止を23時間行うパターンを繰り返す放電試験を行い、電池電圧が0.9Vに達するまでの放電時間を求めた。なお、上記の放電試験は、20℃の環境下で行った。放電時間は、電池K3の放電時間を100とした場合の相対値として表した。
電池の中負荷放電性能を評価するため、上記で作製した電池について、250mAの定電流放電を1時間行った後、休止を23時間行うパターンを繰り返す放電試験を行い、電池電圧が0.9Vに達するまでの放電時間を求めた。なお、上記の放電試験は、20℃の環境下で行った。放電時間は、電池K3の放電時間を100とした場合の相対値として表した。
また、電池S1~S3、ならびに電池H3、I3、J3、およびK3の作製時に用いられた正極合剤s1~s3、h3、i3、j3、およびk3について、以下の評価を行った。
[評価5:正極ペレットの成形性]
所定の金型を用いて、正極合剤を中空円筒形に加圧成形し、正極ペレット(外径13.60mm、内径8.85mm、高さ21.8mm)を得た。このとき、成形時に加える圧力は5ton/cm2とした。正極ペレットの質量は、電池K3で用いられる正極合剤k3を加圧成形して得られた正極ペレットの質量を100とした場合の相対値として表した。正極ペレットの質量が大きいほど、成形性が良いと評価した。
評価結果を表10に示す。
所定の金型を用いて、正極合剤を中空円筒形に加圧成形し、正極ペレット(外径13.60mm、内径8.85mm、高さ21.8mm)を得た。このとき、成形時に加える圧力は5ton/cm2とした。正極ペレットの質量は、電池K3で用いられる正極合剤k3を加圧成形して得られた正極ペレットの質量を100とした場合の相対値として表した。正極ペレットの質量が大きいほど、成形性が良いと評価した。
評価結果を表10に示す。
正極活物質に半値幅Wが2.4°以上の二酸化マンガンを用い、正極にAgNiO2を二酸化マンガン100質量部あたり0.1質量部含ませた電池H3、S1、S2、I3、J3、K3、およびS3では、過放電放置時に電池外部に電解液は漏出しなかった。しかし、正極活物質に半値幅Wが3.5°超の二酸化マンガンを用いた電池S3では、中負荷放電性能が低下した。
正極活物質に半値幅Wが3.5°以下の二酸化マンガンを用いた電池H3、S1、S2、I3、J3、およびK3では、良好な中負荷放電性能が得られた。正極活物質に半値幅Wが3.4°以下の二酸化マンガンを用いた電池H3、S1、S2、I3、およびJ3では、中負荷放電性能がより高められた。
半値幅Wが3.5°以下の二酸化マンガンを含む正極合剤h3、s1、s2、i3、j3、k3を用いた場合、半値幅Wが3.6°の二酸化マンガンを用いた正極合剤s3と比べて、正極ペレットの成形性が高められた。半値幅Wが3.3°以下の二酸化マンガンを含む正極合剤h3、s1、s2、およびi3を用いた場合、正極ペレットの成形性がより高められた。
本発明の実施形態に係るアルカリ乾電池は、例えば、ポータブルオーディオ機器、電子ゲーム、ライト、おもちゃなどの電子機器の電源として好適に用いられる。
1:電池ケース、2:正極、3:負極、4:有底円筒形のセパレータ、4a:円筒型のセパレータ、4b:底紙、5:ガスケット、5a:薄肉部、6:負極集電体、7:負極端子板、8:外装ラベル、9:封口ユニット
Claims (7)
- 正極と、負極と、アルカリ電解液と、を具備し、
前記正極は、二酸化マンガンと、銀化合物と、を含み、
前記二酸化マンガンのCuKα線による粉末X線回折パターンにおいて、110面の回折ピークの半値幅Wは、2.4°以上、3.5°以下である、アルカリ乾電池。 - 前記正極中の前記銀化合物の含有量は、前記二酸化マンガンの100質量部あたり、0.03質量部以上、0.45質量部以下である、請求項1に記載のアルカリ乾電池。
- 前記銀化合物が、酸化銀および銀ニッケル複合酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載のアルカリ乾電池。
- 前記半値幅Wは、2.7°より大きい、請求項1~3のいずれか1項に記載のアルカリ乾電池。
- 前記半値幅Wは、3.0°以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のアルカリ乾電池。
- 前記半値幅Wは、3.4°以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のアルカリ乾電池。
- 前記半値幅Wは、3.3°以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のアルカリ乾電池。
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