JP2007157445A - 空気電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】重負荷放電特性が改善された空気電池を提供する。
【解決手段】正極触媒層4と、負極作用物質を含む負極10と、前記正極触媒層4及び前記負極10の間に配置され、セロハン膜及び不織布を含むセパレータ8と、前記セパレータ8と前記正極触媒層4の間に配置されたカルボキシメチルセルロース系ポリマー層9とを具備することを特徴とする空気電池。
【選択図】図2
【解決手段】正極触媒層4と、負極作用物質を含む負極10と、前記正極触媒層4及び前記負極10の間に配置され、セロハン膜及び不織布を含むセパレータ8と、前記セパレータ8と前記正極触媒層4の間に配置されたカルボキシメチルセルロース系ポリマー層9とを具備することを特徴とする空気電池。
【選択図】図2
Description
本発明は、空気電池に関するものである。
ボタン型電池としては、負極に亜鉛粉を用い、正極に二酸化マンガンを用いたアルカリボタン電池、正極に酸化銀を用いた酸化銀電池、正極作用物質に空気中の酸素を用いた空気電池などが知られている。これらは、小型電子機器、時計、補聴器などに用いられている。これらのボタン型電池の中で、最も高いエネルギー密度が得られるのは、空気電池である。空気電池は正極作用物質である酸素を空気中から取り込むため、電池内の正極作用物質量(または触媒層)を少なくすることができ、負極充填量を他のボタン型電池に比べて多くすることができ、高エネルギー密度電池として期待されている。
空気電池の構成例を以下に説明する。空気孔を有する底面に段部を設けた正極ケースの内側上部に、拡散紙、撥水膜、空気極およびセパレータが収納されている。空気極は、ニッケルメッキされたステンレスネット製の正極集電体と、正極集電体に一体化された正極触媒層とを備える。正極触媒層は、例えば、活性炭、ポリテトラフルオロエチレン、導電剤及び助触媒からなる正極触媒粉を正極集電体に圧着充填することにより作製される。セパレータの上部には絶縁パッキングを介してニッケル−ステンレス−銅の三層クラッド材やニッケル−ステンレス−銅の三層クラッド材の銅面に錫メッキを施した基材等から成形加工した負極ケースが配置される。絶縁パッキングは例えば合成樹脂から形成され、その表面にアルカリ電解液の漏液防止をするためにポリアミド樹脂等のシール剤が塗布されている。更に、負極ケースの内部には、負極作用物質及びアルカリ電解液を含むゲル状負極が充填されている。ゲル状負極と空気極はセパレータを介して対向している。
空気電池は主に補聴器用電池であるが、近年補聴器の実使用時での伸び、すなわち電池自体の放電容量のアップが必要となってきた。また補聴器も高いパルス電流を流すタイプであるデジタル補聴器が主流となってきた。補聴器使用時の電流値が高いと、電池電圧の降下が大きいため、電池の残存容量があっても補聴器のカット電圧によって補聴器時間が低下する傾向にあった。さらに瞬間的な高いパルスによっても電池電圧が補聴器のカット電圧を下回ることがあり、補聴器使用時間が低下することがあった。
この補聴器に瞬間的に高い電流値が掛かることによる電圧の低下を改善する方法として、例えば特許文献1には、銀ニッケル複合酸化物を酸化還元触媒として使用することが提案されている。
特許文献1に記載の触媒を使用すると、電池電圧が向上する反面、電池電圧が高くなることで、定抵抗タイプの補聴器では放電時間が短くなるため、放電特性が十分とは言えない。
特開平9−190827号公報
本発明は、重負荷放電特性が改善された空気電池を提供することを目的とする。
本発明に係る空気電池は、正極触媒層と、
負極作用物質を含む負極と、
前記正極触媒層及び前記負極の間に配置され、セロハン膜及び不織布を含むセパレータと、
前記セパレータと前記正極触媒層の間に配置されたカルボキシメチルセルロース系ポリマー層とを具備することを特徴とする。
負極作用物質を含む負極と、
前記正極触媒層及び前記負極の間に配置され、セロハン膜及び不織布を含むセパレータと、
前記セパレータと前記正極触媒層の間に配置されたカルボキシメチルセルロース系ポリマー層とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、重負荷放電特性が改善された空気電池を提供することができる。
本発明者らは、高いパルス電流に対する電圧降下を抑制するため、電池の内部抵抗を低下させる方法を検討した。電解液の浸透が比較的遅いと考えられる正極触媒層の濡れ性を向上させるために、正極触媒層中のフッ素樹脂量を低減させたが、電池内部抵抗にはほとんど影響しなかった。そのうえ、フッ素樹脂量が低下したことで、シート成形性低下と過放電漏液特性の低下が見られたため、正極触媒層の合剤組成の変更では困難な状況であった。
そこで、正極触媒層に吸湿性の高い高分子を使用することで、正極触媒層の濡れ性を改善することを検討した。詳しく言えば、正極触媒層中に吸湿性の高い高分子を含有させることと、吸湿性の高い高分子を、セパレータに接する正極触媒層の表面に塗布することを検討した。
正極触媒層中に吸湿性の高い高分子を含有する方法では、正極触媒層の内部まで濡れ性が高くなるため、貯蔵期間中に、吸湿性の高い高分子が電解液を正極触媒層内部まで過剰に浸透させるために、放電異常などの問題が発生した。
このようなことから、正極触媒層全体の濡れ性を向上させるのではなく、吸湿性の高い高分子をセパレータと接する正極触媒層の表面に塗布することを検討した。その結果、正極触媒層の表面に、カルボキシメチルセルロース系ポリマー層で、セロハン膜及び不織布を含むセパレータを接着することにより、電池内部抵抗を低減させることができ、重負荷特性において信頼性の高い空気電池を実現できることを見出したのである。また、後述する実施例に示す通り、二酸化マンガンを助触媒に使用しても、優れた重負荷特性を実現することができ、重負荷放電特性に優れる空気電池を低コストで提供することが可能となる。
カルボキシメチルセルロース系ポリマー層は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩及びカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩よりなる群から選択される少なくとも1種類のポリマーの溶液を、正極触媒層か、正極触媒層上に積層された正極集電体か、もしくはセパレータに塗布することにより形成することができる。ポリマー溶液を正極触媒層あるいは正極触媒層上の正極集電体に塗布すると、正極触媒層を所望の形状に打ち抜き加工する際に、正極触媒層に割れや欠けが生じるのを防ぐことができる。
正極触媒層の面積1cm2当たりのカルボキシメチルセルロース系ポリマー層の量は、0.05〜0.9mgであることが望ましい。カルボキシメチルセルロース系ポリマー層の量を0.05mg/cm2以上にすることによって、電池内部抵抗を十分に低くすることができ、重負荷特性を向上することができる。また、カルボキシメチルセルロース系ポリマー層の量を0.9mg/cm2以下にすることによって、正極触媒層中に余分な電解液が浸透せず、正極触媒層の助触媒の触媒作用を良好に保つことができる。すなわち、カルボキシメチルセルロース系ポリマー層の量を0.05〜0.9mg/cm2にすることによって、正極触媒層の触媒作用を低下させることなく、電池内部抵抗を十分に低くして重負荷特性を改善することができる。より好ましい範囲は、0.2〜0.5mg/cm2である。
ここで、正極触媒層の面積とは、セパレータと対向する面の面積を示す。
セパレータは、セロハン膜と、不織布とを具備することが望ましい。セロハン膜は、多孔質膜であることが望ましい。また、セロハン膜の厚さは、30〜70μmの範囲にすることが望ましい。不織布は、例えば、ビニロン、マーセル化パルプ及びレーヨンから選択される少なくとも1種類などを溶解後に繊維化させて形成している。不織布の厚さは、50〜120μmの範囲にすることが好ましい。セロハン膜と不織布を単に積層したものを、セパレータとして用いても良いが、セロハン膜と不織布を一体化させたものを使用することも可能である。一体化の方法として、例えば、接着剤などの使用が挙げられる。
カルボキシメチルセルロース系ポリマー層と接しているのは、不織布でも、セロハンでも良いが、不織布の方が、内部抵抗が低くなるために好ましい。不織布をカルボキシメチルセルロース系ポリマー層と接触させると、不織布の内部にまでカルボキシメチルセルロース系ポリマーが浸透することから、不織布とセロハン膜との密着性の向上が可能となる。したがって、正極触媒層と不織布とセロハン膜の三者についての密着性を向上することができるため、電池内部抵抗をより低くすることができる。
正極触媒層は、例えば、酸素還元触媒、結着剤及び導電性材料を含む合剤から形成される。酸素還元触媒としては、例えば、活性炭と、助触媒としてのマンガン酸化物(例えば二酸化マンガン)とを含むものを挙げることができる。結着剤には、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂を使用することができる。また、導電性材料としては、例えば、膨張化黒鉛のような炭素材料を用いることができる。
負極作用物質を含む負極には、ゲル状負極を使用することができる。ゲル状負極は、負極作用物質及びアルカリ電解液を含むものである。
負極作用物質としては、例えば亜鉛などが安価なために望ましいが、こればかりに限らず他の金属も使用できる。またIn,Bi,Ga,Pb,Sn,Cd,Al及びCoよりなる群から選択される少なくとも一種類の元素を含ませて、亜鉛合金化させると水素ガスの発生が抑えられるため、好ましい。
アルカリ電解液としては、例えば、水酸化カリウムと酸化亜鉛を含むアルカリ水溶液等を挙げることができる。
ゲル状負極には、アルカリ電解液の粘性を増加させてゲル化させる機能を有する増粘剤を添加することができる。このような増粘剤としては、例えば、ポリアクリル酸のような吸水性高分子を挙げることができる。
ゲル状負極には、水素ガスの発生を抑制するためのインヒビターを添加することが望ましい。インヒビターとしては、例えば、酸化インジウム、水酸化インジウム、酸化ビスマス等の化合物を挙げることができる。かかる化合物を用いることにより、放電休止状態での水素ガス発生をより抑えることができる。
以下、本発明の一実施形態に係るボタン型空気電池を図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気電池を示す模式的な断面図で、図2は、図1の空気電池のセパレータ付近の拡大断面図で、図3は、図1の空気電池の封止部付近の拡大断面図である。
図1に示すように、有底円筒形をなす正極ケース1は、その開口部の上端2がかしめ加工により内方に折り曲げられている。正極ケース1は、底部に空気孔3を有する。この正極ケース1は、例えばステンレス鋼などの金属から形成されており、正極端子を兼ねているものである。この正極ケース1内には、酸素を正極作用物質とする正極が収納されている。この正極は、正極触媒層4を備えるものである。正極触媒層4は、例えば、活性炭と、助触媒としてのマンガン酸化物(例えば二酸化マンガン)と、導電性材料として膨張化黒鉛と、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末とを混合し、得られた混合物を正極集電体5に圧着充填することにより得られる。正極集電体5としては、例えば、ニッケルメッキされたステンレスネットなどの導電性多孔質板を使用することができる。
正極触媒層4に空気を均一に拡散させるための拡散紙6は、正極容器1の底部内面に配置されている。拡散紙6には、例えば、クラフト紙を使用することができる。拡散紙6の厚さは50〜100μmの範囲にすることが望ましい。酸素透過性を有する撥水膜7は、拡散紙6と正極触媒層4の間に介装されている。この撥水膜7は、アルカリ電解液が正極容器1の空気孔3から外部に漏れ出すのを防止するためのものである。撥水膜7は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルムのようなフッ素樹脂フィルムから形成することができる。なお、撥水膜7は、1枚に限らず、2枚以上重ねて使用することも可能である。
正極集電体5には、セパレータ8がこの順番に積層されている。セパレータ8は、図2に示すように、不織布8aと、不織布8aに一体化されたセロハン膜8bとを有する。セパレータ8は、不織布8aが正極集電体5側に位置する。カルボキシメチルセルロース系ポリマー層9は、正極触媒層4上に圧着された正極集電体5と、セパレータ8の不織布8aとの間に介在されている。正極集電体5は、多孔質構造を有するため、カルボキシメチルセルロース系ポリマー層9は、正極集電体5の孔を通して正極触媒層4と接している。このような構成によって、正極触媒層4とセパレータ8が、カルボキシメチルセルロース系ポリマー層9で接着される。
ゲル状の負極10は、セパレータ8のセロハン膜8b上に配置されている。負極ケース11は、負極集電体を兼ねるもので、有底円筒形をなし、その開口端が外側に折り返されることにより形成されたリバース部12を有する。負極ケース11は、その内面が負極10と接すると共に、リバース部12が正極ケース1の折り曲げられた開口端2で囲まれるように正極ケース1の開口部に挿入されている。リング状の絶縁パッキング13には、負極ケース11のリバース部12が嵌合されている。絶縁パッキング13は、例えばナイロン樹脂から形成することができる。絶縁パッキング13の表面は、耐漏液特性を向上させるために、シール剤で被覆されていることが望ましい。シール剤としては、例えば、脂肪族系ポリアミドのようなポリアミド系樹脂を挙げることができる。負極ケース11は、正極ケース1にこの絶縁パッキング13を介してかしめ固定されている。
図3に示すように、負極ケース11は、例えば、ニッケル層14と、ステンレス層15と、銅層16とから構成された三層クラッド材を、内面が銅層16となるように絞り加工により有底円筒形に成型した後、その開口端を折り返すことによりリバース部12を形成することによって得られる。負極ケース11には、三層クラッド材の銅面に錫メッキを施した基材等から形成したものも使用できる。クラッド材のニッケル層は、ニッケル合金層に変更することができる。また、銅層の代わりに銅合金層を使用しても良い。
ところで、正極ケース1の空気孔3は、未使用時の無駄な放電を防ぐため、正極ケース1の底面に貼られたシールテープ17で一時的に塞がれている。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明する。
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
<ボタン型空気電池の組立て>
空気孔を有する底面に段部を設けた正極ケースの内側上部に、拡散紙、撥水膜、正極触媒層、正極集電体およびセパレータを収納した。正極触媒層と正極集電体には、活性炭を40重量%、ポリテトラフルオロエチレンを20重量%、二酸化マンガンを30重量%及び膨張化黒鉛を10重量%からなる合剤を、ニッケルメッキされたステンレス製ネット(正極集電体)に圧着充填することにより、一体化したものを用いた。
<ボタン型空気電池の組立て>
空気孔を有する底面に段部を設けた正極ケースの内側上部に、拡散紙、撥水膜、正極触媒層、正極集電体およびセパレータを収納した。正極触媒層と正極集電体には、活性炭を40重量%、ポリテトラフルオロエチレンを20重量%、二酸化マンガンを30重量%及び膨張化黒鉛を10重量%からなる合剤を、ニッケルメッキされたステンレス製ネット(正極集電体)に圧着充填することにより、一体化したものを用いた。
セパレータとして、厚さが30μmのセロハン多孔質膜と、厚さが50μmの不織布とを用意した。不織布には、マーセル化パルプ、ビニロン及びレーヨンを溶解させたものを繊維化し、この繊維から形成したものを使用した。ポリアクリル酸をアルコールで溶解させた糊(接着剤)を使用し、セロハン多孔質膜と不織布とを貼り合せ、セパレータとした。
セパレータを固定する吸湿性の高い高分子にカルボキシメチルセルロースを用いた。カルボキシメチルセルロースは固体であるため、イオン交換水やアルコールなどに溶解させた後、正極集電体が担持されている側の正極触媒層表面に塗布する。ここでは、カルボキシメチルセルロース濃度が2%になるようにイオン交換水に溶解させた後、正極集電体が担持されている側の正極触媒層の表面に0.05mg/cm2となるように塗布し、これが乾かないうちにセパレータを配置し、正極触媒層にセパレータの不織布面をカルボキシメチルセルロース層で接着した。
ニッケル−ステンレス−銅の三層クラッド材の銅面に錫メッキを施した基材から成形加工した負極ケースを用いた。この負極ケースに絶縁パッキングを嵌合させた。
一方、ポリアクリル酸の微粉末に酸化インジウム(In2O3)を混合・攪拌した。次いで、In、Bi及びAlを含有する亜鉛合金粉末を、KOHとZnOからなるアルカリ電解液、前記ポリアクリル酸と酸化インジウムの混合物を混合・攪拌して、ゲル状の亜鉛負極を調製した。
得られたゲル状負極を負極ケース内に収納した後、この負極ケースを正極ケースに嵌合させてかしめ固定することにより、前述した図1に示す構造を有するPR44タイプのボタン型空気電池を組立てた。
(実施例2〜4)
カルボキシメチルセルロース層の形成量を下記表1に示すように変更すること以外には、実施例1と同様にしてボタン型空気電池を組立てた。
カルボキシメチルセルロース層の形成量を下記表1に示すように変更すること以外には、実施例1と同様にしてボタン型空気電池を組立てた。
(実施例5)
セパレータのセロハン膜をカルボキシメチルセルロース層に接着すること以外は、実施例2と同様にしてボタン型空気電池を組立てた。
セパレータのセロハン膜をカルボキシメチルセルロース層に接着すること以外は、実施例2と同様にしてボタン型空気電池を組立てた。
(比較例1)
正極触媒層を形成する合剤に、合剤重量に対して5%のカルボキシメチルセルロースを添加し、得られた合剤から正極触媒層を作製すること以外は、実施例1と同様にしてボタン型空気電池を組立てた。正極触媒層中のカルボキシメチルセルロース量を、正極触媒層の面積1cm2当たりの量に換算すると、0.2mg/cm2になった。
正極触媒層を形成する合剤に、合剤重量に対して5%のカルボキシメチルセルロースを添加し、得られた合剤から正極触媒層を作製すること以外は、実施例1と同様にしてボタン型空気電池を組立てた。正極触媒層中のカルボキシメチルセルロース量を、正極触媒層の面積1cm2当たりの量に換算すると、0.2mg/cm2になった。
(比較例2)
セロハン多孔質膜をポリプロピレン多孔膜(PP膜)に変更すること以外は、実施例2と同様にしてボタン型空気電池を組立てた。
セロハン多孔質膜をポリプロピレン多孔膜(PP膜)に変更すること以外は、実施例2と同様にしてボタン型空気電池を組立てた。
得られた空気電池を各種類につき200個ずつ作製し、電池内部抵抗の測定と62Ω放電試験を行った。電池内部抵抗は200個を測定した。62Ω放電試験では、各試験について10個放電した。20℃で1ヶ月間貯蔵後、62Ωの定抵抗で放電を行い、放電容量を測定した。また、45℃乾燥空気中に1ヶ月間貯蔵後、62Ωの定抵抗で放電を行い、放電容量を測定した。放電容量は電池10個の平均値とした。貯蔵直後から放電が行えなかったものを放電異常とした。これらの結果を表2に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜5では内部抵抗が低下し、貯蔵後の重負荷放電特性が改善されることが解った。これには、セルロース及び不織布を含むセパレータと正極触媒層との密着性が改善されたことと、正極触媒層中に余分な電解液が浸透せず、正極触媒層の助触媒の触媒作用が低下しないことが起因していると考えられる。
実施例2,5を比較すると、実施例2の電池の内部抵抗が、実施例5に比して低かった。これは、実施例2においては、セパレータの不織布にカルボキシメチルセルロース層が接着されているからである。
実施例1〜4の比較により、カルボキシメチルセルロース量が0.2〜0.5mg/cm2の実施例2,3において、高い放電容量が得られることがわかった。また、カルボキシメチルセルロースとしてナトリウム塩、アンモニウム塩を用いること以外は、実施例2と同様な空気電池を作製したところ、前述の実施例2と同様な結果が得られた。
これに対し、正極触媒層中にカルボキシメチルセルロースを添加した比較例1では、内部抵抗が高いだけでなく、貯蔵後の放電に異常が見られた。これは、正極触媒層中に余分な電解液が浸透し、正極触媒層の助触媒の触媒作用が低下したためと考えられる。また、セロハン多孔膜の代わりにポリオレフィン多孔膜を使用した比較例2では、内部抵抗が著しく高くなり、貯蔵後の放電容量が低下した。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…正極ケース、2…開口部の上端、3…空気孔、4…正極触媒層、5…正極集電体、6…空気拡散紙、7…撥水膜、8…セパレータ、8a…不織布、8b…セロハン膜、9…カルボキシメチルセルロース系ポリマー層、10…ゲル状負極、11…負極ケース、12…リバース部、13…絶縁パッキング、14…ニッケル層、15…ステンレス層、16…銅層、17…シールテープ。
Claims (2)
- 正極触媒層と、
負極作用物質を含む負極と、
前記正極触媒層及び前記負極の間に配置され、セロハン膜及び不織布を含むセパレータと、
前記セパレータと前記正極触媒層の間に配置されたカルボキシメチルセルロース系ポリマー層と
を具備することを特徴とする空気電池。 - 前記正極触媒層の面積1cm2当たりの前記カルボキシメチルセルロース系ポリマー層の量は、0.05〜0.9mgであることを特徴とする請求項1記載の空気電池。
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