JP4156807B2 - 小型ミル及びその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
[発明の背景]
湿式媒体ミル、例えばWoodall等の米国特許第5,797,550号及びStehrの米国特許第4,848,676号明細書で示されている湿式媒体ミルは一般に、比較的大量の材料を磨砕又は粉砕するために使用されている。これらのかなり大型の媒体ミルは、少量の又はわずかな量の粉砕のためには一般に適していない。Corbinの米国特許第5,593,097号は、0.25g程度の少量を、約60分間で平均直径0.5μm未満〜約0.05μmの大きさに磨砕する要求を認識していた。
【0002】
Corbinの特許明細書で示されている媒体ミルは、縦型の上部が開放された容器、ペグを有する水平に延びた撹拌子、この撹拌子を回転させるモーター、及び回転速度を制御する制御部を具備している。この容器は、ガラス、プラスチック、ステンレス鋼又は他の適当な材料でできた内径が10mm〜20mmの筒状の遠心管又は試験管である。適当な媒体は、任意の汚染されていない耐摩耗性の直径が約0.17mm〜1mmの媒体であるとされている。
【0003】
粉砕する粒子及び粉砕媒体を、分散体に懸濁させ容器に注ぐ。容器に挿入されたペグ端部を有する撹拌子を回転させる。Corbinの特許明細書では、ペグは容器の側壁の1〜3mmまで延びて、材料に損傷を与えず且つ過剰な熱を発生させずに、可能な最も短い時間で所望とされる磨砕を提供すべきことも教示されている。混合の間の材料の渦動によって分散体がはねるのを防ぐために、混合器の上部ペグを分散体の上部と同じ高さに配置している。この態様を実施すれば、混合又は撹拌の間の覆い又はシールが必要でないと考えられる。
【0004】
Corbinの特許明細書は、医療化合物、食品添加剤、触媒、顔料及び香料の製造のためには、マイクロ媒体が有益なことがあることも開示している。医療又は医薬化合物は、高価なことがあり、また異なる大きさ及び量でかなりの実験を必要とすることがある。Corbinの特許明細書は、医療化合物のための好ましい媒体は、酸化ジルコニウム及びガラスであることを開示している。更に医薬化合物は熱感受性であることが多く、従って特定の温度を維持しなければならない。これに関しては、Corbinの特許明細書は、容器の周囲で温度制御浴を使用することを開示している。
【0005】
しかしながらCorbinの特許明細書で開示されているタイプの媒体ミルでは、上側のペグまで容器を充填している場合であっても分散体中の回転撹拌子は渦を作り、これが分散体中に空気を引き込み、分散体を発泡させるので望ましくない。更に上部が開放された形状では汚染物質を取り込みやすく、従って医薬品のためには不適当なミルである。上部が開放された容器には、温度制御浴の内容物が入り、医薬品を更に汚染する可能性もある。
【0006】
従って、これらの問題を避けるマイクロ又は小型媒体ミルが必要とされている。本発明はこの要求を満たしていると考える。
【0007】
[発明の概略]
本発明は、小型又はマイクロ媒体ミル及び医薬品のような物質の磨砕方法に関する。垂直又は水平向きにすることができる本発明の小型ミルは、摩擦粉砕媒体及び磨砕する材料を含有する分散体を使用することができる。この磨砕媒体は、ポリマータイプの磨砕媒体でよく、例えば公称直径が500μm以下のポリスチレン又は架橋ポリスチレンでできた磨砕媒体でよい。媒体の他の大きさとしては、200μm、50μm、及びこれらの大きさの混合を挙げることができる。
【0008】
1つの態様ではミルは、開口部を有する比較的小さい容器、撹拌子、継手、及びシャフト取り付け部に回転可能に取り付けられている回転可能シャフトを具備している。撹拌子は、容器の開口部を通して容器に挿入される大きさにされている。特に撹拌子は、回転子とこの回転子から延びている回転子シャフトとを有することができる。回転子シャフトは回転可能シャフトに接続されている。回転子は、回転子の外側回転表面と容器の内側表面との間に小さい隙間ができるようにして容器に挿入される大きさにされている。継手は、容器とシャフト取り付け部とを脱着可能に接続している。継手は開口部を有し、この開口部を通して撹拌子の一部、例えば回転子シャフトが延びている。シャフト取り付け部は、容器開口部をシールして、容器中の分散体をシールしている。シールを提供して、撹拌子を回転可能にしながら、撹拌子の一部又は回転シャフトにシールを提供することができる。回転可能シャフトはモーターによって動かすことができ、又はこれはモーターのモーターシャフトであってよい。好ましくはモーターは、6,000rpmを達成できる可変速度モーターである。
【0009】
1つの態様では、継手は、シャフト取り付け部に脱着可能に取り付けるためのねじ山を付けられた部分、及び容器に脱着可能に接合させるためのフランジ部分を有することができる。他の態様では、継手は容器と一体にして作られており、シャフト取り付け部に脱着可能に取り付けるためのねじ山を付けられた部分を有する。
【0010】
ミルは容器に接続された冷却系を有することができる。1つの態様では、冷却系はウォータージャケットを有することができる。特に容器は、筒状の内側容器とこの内側容器の周囲に間隔を開けて配置されている外側容器を具備することができる。この内側容器と外側容器は、これらの容器の間に部屋を作っている。この部屋は、容器の形であっても環状であってもよい。フランジは、内側容器と外側容器の上側端を接続している。外側容器(ジャケット)は、前記部屋に流通している第1及び第2の流路を少なくとも有する。冷却系は、冷却流体を循環させるようにされている第1及び第2の流路を有する外側容器を含む。
【0011】
他の態様では容器は、底部及び開放された上部を有する内側筒状壁と、内側容器の周囲を間隔を開けて取り囲んでいる外側筒状壁とを含む。内側及び外側筒状壁は共に接続されて、それによってこれらの筒状壁の間に環状の部屋が作られる。少なくとも第1及び第2の流路を外側筒状壁に作り、これらの流路が前記部屋と流通するようにして、冷却剤を通す。底部は放射状に拡がって、外側筒状壁の底部端まで達している。底部が穿孔を有し、ここから分散体試料を抜き出すことが可能である。弁で穿孔を閉じることが可能である。あるいは、底部には分散体を観察するための観察窓があってもよい。
【0012】
他の態様では、容器は少なくとも1つの口を有し、ここを通して分散体を満たすことができる。容器は少なくとも2つの口を有し、ここを通して分散体を循環させる。これに関して冷却系は、分散体を循環させるための容器の口を有する。容器は、水平に配置することができる。
【0013】
回転子は筒状でよく、また端部表面がテーパーになっていてもよい。1つの態様では回転子の大きさは、特に分散体が公称寸法500μm以下の摩擦媒体を保持する場合に、回転子の外側周縁部と容器の内側表面との間隔が3mm以下であるようにされている。この間隔又は隙間は、特に分散体が公称寸法200μm以下の摩擦媒体を保持する場合に、好ましくは1mm以下である。
【0014】
他の態様では、筒状回転子は空洞部及び空洞部の内側表面から筒状回転子の外側表面に延びる複数のスロットを有することができる。他の態様では、筒状回転子は、筒状回転子の外側表面までのびる複数の溝を有することができる。他の態様では、筒状回転子は、筒状回転子のテーパーになっている端部表面の間にのびる複数の流路を有することができる。
【0015】
本発明の方法の1つの方法は、磨砕する不溶性材料及び公称寸法500μm以下の摩擦粉砕媒体を含む分散体を提供すること;この分散体を筒状容器に導入すること;撹拌子と容器を閉じる継手を提供すること、ここでこの継手は開口部を有し、撹拌子の一部がこの開口部を通ってのびており、撹拌子は筒状回転子及びここから延びるシャフトを有し、またここで筒状回転子の大きさは、その外側周縁部と筒状壁の内側表面との間隔を3mm以下にする大きさである;筒状容器に撹拌子を挿入し、シールして継手を閉じること、ここで前記容器に導入される分散体の量は、撹拌子を容器に完全に挿入したときに、分散体によって容器中の空気を実質的に全て除去する量である;並びに前記回転子を所定期間にわたって回転させること、を含む。
【0016】
本発明の他の方法は、磨砕する不溶性材料及び公称寸法500μm以下の摩擦粉砕媒体を含む分散体を提供すること;筒状回転子及びここからのびるシャフトを有する撹拌子を提供すること;この撹拌子を水平向きにされた筒状容器に挿入し、この筒状容器をシールすること、ここで筒状回転子の大きさは、回転子の外側表面と容器の内側表面との間隔を3mm以下にする大きさである:筒状容器を通る少なくとも1つの口を提供し、この口を、水平向きにされた筒状容器の最も高い位置に維持すること;分散体が容器中の実質的に全ての空気を追い出すまで、筒状容器を分散体で満たすこと;並びに所定期間にわたって撹拌子を回転させること、を含む。
【0017】
この方法は更に、容器にジャケットを付けて、このジャケットと容器との間に水を流すことによって容器を冷却することを包含する。他の方法は、水平に向けられた容器を通して作られた複数の口を通して分散体を外部循環させて、分散体を冷却すること又は分散体を新しくすることを包含する。
【0018】
本発明のこれらの及び他の特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び図面で示される例示の態様を参照することによってより明確になる。
【0019】
[発明の詳細な説明]
以下では構造の説明において方向に言及するが、これらは便宜上図面(通常の見方で)に関して行うものである。上部、底部、上側、下側等のような方向は、厳密な意味を示すことを意図しておらず、また本発明を限定するものではない。
【0020】
本発明の小型ミル1,1A,2(図1〜4)は、摩擦粉砕媒体を使用して比較的少量の分散体を磨砕し、比較的短い時間、すなわち数時間又はそれ未満で、数μm〜数nmの大きさにするように設計されている。ここでこの摩擦粉砕媒体は、例えば公称寸法が約500μm以下(0.5mm以下)〜約50μm又はこの範囲の混合の架橋ポリスチレン媒体のようなポリマータイプのものであってよい。本発明のミルの性能は、DYNO-MLLL及びNETZSCH ZETAミルに相当する結果を提供するように設計されている。本発明のミル1,1A,2は、分散体を冷却するための手段を具備しており、これは加熱をもたらさずに撹拌子の縁の速度を増加させて効率を改良すること及び熱感受性の医薬品の磨砕を行うことを可能にする。
【0021】
図1〜3Aでは、垂直方向に向けられたミル1,1Aが例示されている。ミル1,1Aは一般に、部屋又は容器10,10A,10B,10C、撹拌子又は混合子30、継手50、及び回転可能ジャーナルを有するシャフト120を具備している。ここでこのシャフト120は、モーター100のシャフトであってもよい。容器10,10A,10B,10Cは、実質的に筒状の磨砕室を有し、また図5及び6で示されるように単一の壁10Cを有することができ、又は図1〜3Aで示すようにジャケット10,10A,10Bを付けられていてよい(2重壁にされていてよい)。回転子32及び回転子32の一方の端部から延びるシャフト40を有する撹拌子30は好ましくは、単一の部品で清掃が容易になされるようにされており、また従来の電気モーター100に取り付けられるようにされている。このモーターは好ましくは6,000rpmまでで回転させることができる。イリノイ州バーノンヒルのCole-Parmer Instrument社から入手可能なSERVODYNE Mixer Controllerのような従来のモーター制御装置101(図1,3,4)は、モーターの速度及び駆動期間を制御することができる。継手50はモーター100に取り付け、また衛生器具及びクランプC(図3において破線で示してある)を使用して容器10に接続して容器10,10A,10B,10Cをシールしている。
【0022】
図1Aを参照すると、この態様の容器10は2重の壁又はジャケットを付けられて、冷却材を循環させている。特に容器10は、内側筒状壁12、及びこの内側筒状壁12と間隔を開けた同心の外側筒状壁14を有する。しかしながら、この外側壁14は筒状でなくてもよく、また内側壁12に対して同心でなくてもよい。これは、内側筒状壁12への水の循環を可能にする任意の形状でよい。環状の取り付けフランジ16は、内側及び外側筒状壁12及び14の上端を共に固定している。内側筒状壁12は、その下端を包んでいる底部壁13を有して、内側容器(12,13)を作っている。外側筒状壁14も、底部壁13と間隔を開けたその下端を包んでいる底部壁15を有して、内側容器(14,15)を作っている。外側容器(14,15)と内側容器(12,13)の間には間隔があり、磨砕の間に水を満たして循環させ、分散体を冷却できる容器型の部屋17を形成している。
【0023】
外側筒状壁14は2つの開口部20及びこの開口部20と一直線にされた一対の冷却剤連結部22を有する。この開口部20は好ましくは、互いに半径方向で反対側にある。これらの連結部22は、冷却剤入口又は出口として機能することができる。これらの連結部22は実質的に半径方向外側に向いていてよい。それぞれの連結部の自由端は、固定のための環状固定フランジ24及び相補的取り付け具(図示されていないが本質的にその鏡像)を含む衛生器具、例えばウィスコンシン州ケノーシャのTri-Clover社から入手可能なTRI-CLAMPを有することができる。これらの取り付けフランジ24は、容器10,10A,10B,10Cをモーター100に接続する取り付けフランジ16,52と実質的に同様に形成されている。これら全ての取り付けフランジ16,24,52は、以下で示すようにTRI-CLAMPに適合するようにできる。これらそれぞれのフランジ16,24,52は環状の溝Gを有し、環状のガスケット60及び斜めの又はテーパーにされた表面Bをシールしている。FDA承認のTRI-CLAMPに適当なようにされた取り付けフランジ及びガスケット60も、Tri-Clover社から入手可能である。
【0024】
図2は、2重壁容器10Aのもう1つの態様を示しており、これは図1及び1Aで示されているものと実質的に同じである。違いは、図2の内側筒状壁12の底部壁13が露出されていることである。言い換えると、図2の代わりの容器10Aは、図1Aの底部壁15を持たない。容器10Aは、外側筒状壁14まで半径方向外向きに拡がる底部壁13を有する。容器17は、容器型(図2)ではなく環状である。底部壁13には、ヒートシンク又はペルチェ冷却材(図示せず)を取り付けることができる。底部壁13は、観察窓又は開口部205を有することができ、これはシールすることができ、又は弁を具備して蓄積した過剰な圧力をベントすること及び/又は試料の抜き出しを可能にすることができる。この様式では、継手50を取り外すことなく、少量の分散体を取り出して試験することができる。あるいは、シリンジの挿入を可能にする自己シール性弾性材料を使用して開口部をシールし、試料を抜き出せるようにできる。窓205は、底部から外側に拡がる小さい部屋を有することができる(図示せず)。この部屋が少量の分散体を保持し、それによって観察装置を通してこれを見られるようにすることができる。この部屋は、例えば窓205を分散体が定常的に動いている箇所に配置することによって、分散体が定常的に循環しているように形成することができる。
【0025】
図3及び3Aは、2重壁容器10Bのもう1つの態様を示している、これは、図1及び1Aで示されているものと実質的に同じである。大きな違いは、外側底部壁15Aを、外側筒状壁14にねじ込む又はねじで付ける(又はシールして取り付ける)ことができることである。これに関して、外側底部壁15Aは、Oリング74等を固定する環状の溝(番号なし)を有して比較的良好な水シールを提供することができる。図1及び図1Aの容器の他の違いは、速(quick)接続部22A,24A,24Bの使用である。接続部22Aは、外側筒状壁14に作られた開口部20にねじによって取り付けられている。接続部22Aは、商業的に入手可能な速継手又は接続部24A、例えば1/8インチPARKERシリーズ60 Quick Coupleを使用することができる。速継手24Aは、可撓性ホースバーブ(hose barb)24A、例えば商業的に入手可能なステンレス鋼1/8インチNPTx1/4インチホースバーブに接続することができる。2重壁容器10及び10Aは、先に説明して図1〜2で示したタイプの衛生器具の代わりに、速継手取り付け部22A,24A,24Bを使用することもできる。
【0026】
図5及び6では、2重壁容器の代わりに単壁容器10Cを示している。磨砕する材料が熱感受性でない場合又は短時間にわたって磨砕する場合、単壁容器10Cを使用することができる。単壁容器は、2重壁容器10の内側容器(12,13)と同様にして作ることができる。ヒートシンク(熱だめ)を、その筒状壁12及び底部壁13に取り付けることができる。ヒートシンクは、ファンで冷却されるものであってもよい。冷却系の他の代替物はペルチェ冷却子であってよい。これはペルチェ効果理論(共に結合された2つの異なるタイプの導電体又は半導体タイプの材料でできたペルチェモジュールに電流を流すことによって冷却する)に基づいて操作される。ヒートシンク(ペルチェ冷却剤)を有するペルチェモジュールを、容器に脱着可能に取り付けることができる。
【0027】
図1〜3、5及び6の態様では、継手50の取り付けフランジ52は、環状取り付けフランジ16と実質的に同じ形状又はこれと相補的な形状にされている。取り付けフランジ16及び52は、図1A、2及び3Aで示されるようにして、これらの間に挟まれたFDA承認のTri-Clamp EPDM blackのようなガスケット60で互いに向き合わせて組み合わされている。ガスケット60は、環状の下側62及び上側64の突起部を有し、これらが取り付けフランジ16,52に作られた対応する溝Gとかみ合い、フランジ16及び52を真っ直ぐに並べている。TRI-CLAMP C(図3を参照)は周縁部Pと取り付けフランジ16,52の傾斜した表面Bとを固定することができる。これらのフランジが真っ直ぐに並べられると、これらは台形の形状を作る。周縁部及び傾斜した表面Bの周囲をTRI-CLAMPでしっかりと包むと、フランジ16,52が締め付けられて、密封された接続がもたらされる。
【0028】
上述のように容器10,10A,10B,10Cを継手50に接続するのと同じ様式で、ガスケット60及びTRI-CLAMPCを使用して、接合子22の取り付けフランジ24(図1,1A、2)を、対応する水源及び抜き出しパイプ(図示せず)に接続することができる。
【0029】
図1〜3Aの態様を参照すると、継手50は、その取り付けフランジ52からのびる筒状部分54も有する。フランジ52は、中央の開口部56と開口部56と同心の段をつけられた凹部58とを有する。凹部58はシールを固定する。このシールは、相補的な形状のリップ又はメカニカルシールリング70でよい。特にこのシールリング70は、Wolastoniteフィルターを伴うPTFEからできたものでよく、且つ図3Bで詳細に示されるようにL字型の形状(断面)であってもよい。シールリング70は、図3Bで示されるように同心のOリング71等を有することもできる。開口部56は、撹拌子シャフト40よりもわずかに大きいだけの大きさである。シールリング70は、撹拌子30が回転できるようにしながら、シャフト40を固定し且つこれをシールするようにされている。
【0030】
図1A、2、3Aを参照すると、筒状部分54の内側にはねじ山がつけられており、それによってこれをモーター100に取り付けることができる。特に継手50は、環状のフランジ112及び下向きにのびている筒状部材114を具備しているシャフト取り付け部に取り付けることができる。この筒状部材114は、外側にねじ山が付けられており、それによって継手50のねじ山を付けられた筒状部分54に締め付けて固定する。フランジ112は、ボルト200等を使用してモーターに取り付ける。モーター100は、フランジ112を介してボルト200を使用して、スタンド又は固定物150に取り付けることができる。スタンド150は、図1,1A,2及び3で示されるように、モーター100及び容器10,10A,10B,10Cを垂直に向けることを可能にする。
【0031】
シャフト取り付け部110は、シャフト40よりも比較的大きい大きさにされた中央を通る孔115を有する。筒状部材114の末端部(下側部)は環状の突起116を有し、これがシールリング70を受けとって(図3Bを参照)、シールリング70の位置を固定する。継手50は、環状の端部面55を有し、これが、環状の凸部116に近接した環状部材114の末端部(下端部)に作られた相補的な面又は肩117に接している。端部面55は、継手50をシャフト取り付け部110に取り付けたときに、完全な停止部を作り且つ適当なシール圧縮を維持する。これに関して図3Aを参照すると、取り付けフランジ52は、上側端部面55に作られた環状の溝59に配置されたOリング72も有して、更なるシールを提供する。磨砕の間に分散体の温度は上昇するので、圧力が高まって膨張した空気はシールリング70を通って放出されるが、液体シールは維持される。これに関して、筒状部材114は、ベント開口部118を有して、シールリング70を通った空気をベントする。
【0032】
回転子シャフト40には、直径が比較的大きい部分42と、ねじ山を付けられた自由端部45を有する直径が比較的小さい部分44とがある。テーパーの部分46は、これらの部分42,44の間にのびている。回転子30は、直径が比較的小さい部分44を中空のモーターシャフト120に挿入し、ナット49又は手動のつまみ49A(図3)をねじ山を付けられた端部45にしめることによって取り付ける。これは、テーパーにされた部分46を中空シャフト120の下側端又は下側口にしっかりと引きつけ、撹拌子シャフト40を中空モーターシャフト120に押しつける。ナット49又はつまみ49Aを安全キャップ47(図3)で覆ってもよく、これは土台48を使用してモーター100の上部端に取り付けることができる。キャップ47は、土台48にねじで取り付けることができる。テーパーの部分46は、シールリング70を通るシャフト40の挿入を容易にし、且つシールリング70の裂傷又は損傷を防ぐ。直径が大きいシャフトの部分42のシール70に接触している少なくとも周囲の部分CPは好ましくは、耐摩耗性コーティング、例えば硬質クロムコーティングでコーティングして摩耗を防ぐ。
【0033】
上述のミル1(図1〜3B)は垂直の形状で示して説明してきたが、本発明は図4に示すような水平向きにされたミル2も包含している。水平向きにされたミル2は、図1〜3で示された垂直向きのミル1と実質的に同様である。但し、容器及び継手の形状が異なる。水平向きのミルでは、シャフト取り付け部110を介して取り付けブランケット160をモーター100に取り付け、それによって図4に示されるようにしてミル2が水平の位置で安定に支持されるようにする。水平向きのミル2では、ねじ山を付けられた継手16‘を介してその容器10Dをモーターに取り付けることができ、またシャフト40は、単一の又は2重のメカニカルシール又はリップシール70’(点線で示している)でシールすることができる。
【0034】
図4を参照すると、水平向きのミル2のための容器10Dは、単一壁の容器10C(図5及び6)と実質的に同様である。但し、フランジ16(図5及び6)はねじ山を付けられた継手16‘を有し、図1〜3Aで示されたねじ山を付けられた継手50と実質的に同様である。容器10Dは、一方が端部壁13で閉じられている開いた筒状壁12を有する。反対側の開いた端部では、ねじ山を付けられた継手16’が一体で又はモノリシックで作られている。しかしながら容器10Dは、後述の衛生器具と共に使用するために、単一壁容器10Cと同様に形成することができる。
【0035】
容器10Dは、説明のためだけに、4つの充填/抜き出し/冷却口P1〜P4と共に示されている。水平向きのミル2では、1つのこの口は必要である。口P2〜P4は容器10Bの筒状壁12を通って放射状にのびており、口P1は容器10Bの端部壁13から軸方向にのびている。1つの態様では、容器10Dは単一の上部充填口P2又はP3のみを有することができる。そのような態様では、上部口P2又はP3が磨砕容器のもっとも高い部分又はそれに沿う部分、すなわち筒状容器10Dの12時の位置に配置されていることが特に望ましい。これは、すべての空気を容器から除去するようにして、容器を満たすことを可能にすることによる。操作の間に容器内に空気が存在しないと、発泡が抑制され、且つ磨砕効率が促進される。
【0036】
あるいは、水平に配置されている容器10Dは、2又はそれよりも多くの口、例えば2つの上部半径方向口P2及びP3、1つの軸方向口P1及び1つの上部半径方向口P3、又は1つの上部半径方向口P3及び1つの底部半径方向口P4を具備することができる。そのような態様では、分散体を、容器10Dに通して外部循環させることができる。この場合には、一方の口が出口として作用し、他方の口が入り口として作用する。循環プロセスの間に分散体を冷却すること又は補充することができる。2つの口を使用すると、外部容器及びポンプ(図示せず)を通して、処理流体及び/又は磨砕媒体を循環させる(又は加える)ことができる。磨砕媒体を容器内に維持する場合、出口に適当なスクリーン又はフィルターを取り付けて、操作の間に媒体を維持することができる。
【0037】
図5〜13Dを参照すると、垂直及び水平向きのミル1,1A及び2の両方のための回転子32,32A〜32J(「32」と総称する)が様々な幾何学的な形状でよいことが理解される。撹拌子30は好ましくはステンレス鋼、テフロン、又はテフロンコーティングを有するステンレス鋼でできている。これに関して、TRI-CLAMPは304ステンレス鋼からできていてよい。分散体に露出される部品は、316ステンレス鋼でできていてもよい。実際にクランプ及びモーターを除く全ての金属部品が、316ステンレス鋼でできていてもよい。あるいは、分散体に露出される全ての金属部品が、耐割れ目腐食性、耐ピッチング、及び耐応力腐食性の任意の金属、例えばAL−6XNステンレス鋼合金でできていてよい。AL−6XN合金は、ASME及びASTMの仕様に適合し、また食品に接触する表面としてUSDAで承認されている。
【0038】
回転子32は、様々な形状、表面組織及び表面修飾、例えば溝又は凸部を有して、流体流れパターンを変更することができる。例えば回転子32は、図5で示されるように筒状(真っ直ぐ)であってよく、又は図1〜4及び6で示されるように筒状(端部がテーパーT1及びT2)であってよい。他の例示の態様では、回転子32は六角形(図7)、リブ付き(図8)、四角形(図9)、溝を伴う筒型(図10及び11)、流路を伴う筒型(図12)、空隙及びスロットを伴う筒型(図13〜13D)でよい。これら全ての態様が、テーパーの端部表面T1,T2を有することができる。
【0039】
特に、六角形の回転子32A(図7)は、6個の平らな面202を有する。リブ付きの回転子32B(図8)は、図7に示すような六角形の面202を有するが、6つの面202のそれぞれの中央からは6つのリブ204がそれぞれのびている。四角形の回転子32C(図9)は、4つの平らな面206を有する。筒状の回転子32D(図10)は4つの溝208を有し、これがそれぞれの隣接する溝208と互いに垂直になっている。筒状の回転子32E(図11)は、図10の筒状の回転子32Dと実質的に同一である。但し、4つの溝の代わりに、対称的な角度にされ且つ間隔をあけて配置された6つの溝を有する。筒状の回転子32F(図12)は4つの角度を付けて配置された流路210を有する。この流路はテーパーの又は円錐状の端部表面T1,T2からのびている。これらの角度を付けて配置された流路は、第1のテーパーの端部表面T1の4つの開口部及び第2のテーパーの端部表面T2の4つの開口部を有する。第1のテーパーの端部表面T1の4つの開口部で作られる仮想的な円の直径は、第2のテーパーの端部表面T2の4つの開口部で作られる仮想的な円の直径よりも大きい。
【0040】
筒状回転子32G、32H、32I、32J(図13〜13D)のそれぞれは、第2のテーパー表面T2に向かって開放される同心の筒状空洞部212を有する。材料及び媒体ミルのサイズに依存して、これらの回転子は少なくとも3つ(図示せず)の等しい間隔の軸方向にのびる流れ変更溝214を有することができる。回転子32G〜23Jはそれぞれ4、6、8及び9個の溝214を有することが示されている。これらのスロット214は、図示されているように傾斜を付けて配置すること、又は回転軸に対してらせん状もしくは渦巻き状にすることもできる。図13Aの態様では、4つの溝214は隣接する溝に対して90°の角度にすることができる。図13Bの態様では、6つの溝214を60°の角度に傾けることができる。図13Cの態様では、8つの溝214を45°の角度に傾けることができる。13Dの態様では、9つの溝214を垂直に対して40°の角度に傾けることができる。他の態様(図示せず)では、溝214を回転子41の軸から半径方向にのばすことができる。
【0041】
図13A〜図13Dの回転子32G〜32Jは、ポンプとして作用することができる。すなわち、これらの回転子は、回転子の回転の方向に依存して、空洞部212から流体を引き込んで、溝214を通して流体を半径方向外側に流すこと、又は逆に溝214を通して流体を空洞部に引き込んで、空洞部212から流体を外側に流すことができ、それによって分散体の流れのパターンを変更できる。
【0042】
他の態様(図示せず)では、回転子はペグ、撹拌ディスク又はそれらの組み合わせを有することもできる。
【0043】
図1〜6で示されている筒状回転子32を参照すると、その外側周縁筒状表面36と、容器10,10A,10B,10C,10Dの内側筒状壁12の内側筒状表面12“は、小さい隙間Xを提供する大きさにされている。この隙間Xは好ましくは、3mm以下で0.3mm以上である。一般にこの隙間Xは、磨砕媒体の直径の約6倍であるべきである。磨砕媒体は好ましくは、Czekai等の米国特許第5,718,388号明細書で示される架橋ポリスチレン又は他のポリマーでできている。もっとも大きい磨砕媒体は好ましくは、公称寸法が500μm(0.5mm)以下である。現在、考慮される最も小さい磨砕媒体は約50μmである。にもかかわらず、比較的小さい磨砕媒体がある種の非溶解性の物質、例えば医薬品の磨砕のために適当である。このことは、隙間Xを比較的小さくできることを意味している。
【0044】
少量の分散体の磨砕のためには、容器サイズを変更することができる。本発明は特定のサイズに限定されないが、好ましい態様では、容器の内径は5/8インチ〜4インチである。単なる例示であるが、容器10,10A,10B,10Cの磨砕室及び10Dと筒状回転子32は、表1及び2で示す大きさを有することができる。
【0045】
【表1】
Figure 0004156807
【0046】
【表2】
Figure 0004156807
【0047】
回転子32と筒状壁12の内側表面12“との間隔Xが、摩擦粉砕媒体の直径の約6倍であるべきことに言及した。しかしながら、容器及び回転子の組み合わせは、50、200、500及び50/200、50/500又は20/200/500μmの媒体の混合物で使用できる。これらの磨砕媒体は1mmの間隔Xで使用することもできる。回転子速度は回転子直径に関連して、異なる縁速度をもたらす。これは、磨砕作用にも関連する。縁の速度が大きすぎる場合、かなりの熱をもたらすことがあり、また分散体が蒸発することがある。縁速度が小さすぎる場合、効果的ではない磨砕がもたらされる場合がある。
【0048】
図1〜4及び6〜13Dで示されているような回転子32のテーパーの端部は、磨砕容器全体での比較的均一な剪断を提供することができる。隙間が狭い場合、2つの同心筒状体間の剪断速度は比較的一定であるが、端部表面(底部又は上部)が平らな筒状体は比較的不均一な剪断応力をもたらす。図6を参照すると、容器の平らな底部表面13“に対して回転する錐体状表面T2と同心筒状体との剪断速度を均質化することによって、縁角度β=アークタンジェント(1−D/D)を計算することができる。ここでDは、回転子32の外側筒状表面36を表しており、またDは、容器10,10A,10B,10C,10Dの内側筒状表面12”を表している。理想的には、錐体は底部(又は上部又は端部)に「接触」して、一定の剪断を維持している。しかしながらこれは実際には行われない。代わりに、錐体の先端部を切断し、先端部を切断された底部表面T2と相対する容器の底部表面13“との間に隙間dを作る。隙間dは好ましくは、D/2×tanβで決定される。ここで、D/2は、回転の中心と錐体の切断された端部との間の距離である。D/2がD/2と比較して十分に小さい場合、実質的に均一な剪断が維持できる。均一な剪断速度は、使用者が比較的良好にコロイド分散体の磨砕での剪断の効果を見積もることを可能にするが、磨砕での一定の剪断はコロイド分散体を得るために必要というわけではない。テーパーの底部表面T2を有することの他の利益は、速度が最小である回転の中心部近くの底部での、懸濁粒子の蓄積を防ぐことである。
【0049】
Liversidge等の米国特許第5,4145,786号、Bruno等の同第5,518,187号、並びにCzekai等の同第5,718,388号及び同第5,862,999号明細書は、ポリマー磨砕媒体を使用する医薬品の磨砕を開示している。これらの特許明細書は、湿式媒体ミルのための分散体形成を更に開示している。これらの特許明細書の記載は、ここで参照して本明細書の記載に含める。
【0050】
垂直に配置されたミル1,1Aの操作では、磨砕媒体及び磨砕する材料を含有している適当な分散体組成物を調製する。これは、上述の特許明細書の記載に基づいて調製することができる。これらの分散体は、回転子30を完全に容器10に挿入したときに、分散体がガスケット60の縁又は上部面61(図5及び6を参照)に達する(又はあふれる)ようになる高さまで、容器10,10A,10B,10Cに注いで、容器内への空気の取り込みを最小にする。適当な量の分散体を容器10,10A,10B,10Cに満たした後で、あらかじめシャフト取り付け部110に取り付けられた継手50と一直線に並べて、容器及び接続フランジ16,52が接するまで容器を持ち上げる。一直線に並べられた接続フランジ16,52を、例えばTRI-CLAMP等を使用して一緒に固定する。これは容器10,10A,10B,10Cを継手50に組み合わせ、分散体をシールする。同様に、接続部22,22Aをそれぞれ2つのTRI-CLAMP又はそれぞれの接続部22,22Aに関して1つの速継手24Aを使用して、冷却剤入り口及び出口に接続する。水のような冷却剤を循環させて、容器10,10A,10B,10Cを冷却する。分散体組成物に依存して、モーター制御装置101を所定の期間にわたって回転させるように設定することができる。
【0051】
継手50が容器10,10A,10B,10Cをシールすること、及び非常に少量のみの空気が容器内に入っていることによって、渦及び汚染の問題が最少化され又はさけられる。従って本発明では、分散体が発泡しないようにできる。更に冷却ジャケットによって又は分散体を循環させることによって、容器を冷却するので、回転子32を比較的早く回転させることができる。従って、比較的大きいエネルギーを分散体に移動させることができる。
【0052】
水平にされたミル2の操作では、ねじ山を付けられた継手16‘(図4で示されるようなもの)又は衛生器具(図1〜3で示されるようなもの)で、容器10Dをはじめにシャフト取り付け部110に取り付け、回転子32を図4に示すように容器10Dの内側に配置する。磨砕媒体及び磨砕する材料を含有する分散体組成物を、分散体によって全て又は実質的に全ての空気が置換されるまで、上部口P2又はP3(必要とされる一方のみ)に通して注ぎ又は注入する。モーター制御装置101は、分散体組成物に依存して、所定の期間にわたって回転子32を回転させるように設定することができる。容器10Dが複数の口、例えばP1,P3又はP2,P3又はP3,P4を有する場合、外部容器及びポンプ(図示せず)を通して磨砕の間に分散体を循環させることができる。
【0053】
水平向きにされたミル2ではほぼ全て又は実質的に全ての空気を置換することができるので、渦又は汚染の問題は最少化すること又は避けることができる。従って本発明の磨砕では、分散体組成物が発泡しないようにすることができる。更に、分散体を循環させ、分散体を外部冷却系で冷却することができるので、回転子を比較的早く回転させ、大きいエネルギーを分散体に移動させることができる。更にシャフト取り付け部100から容器10Dを取り外さずに、分散体を新しくすること若しくはバッチで作ること、又は検査することができる。
【0054】
医薬品としては、参照して本願の記載に含める上述の特許明細書で記載されているもの、及び人間又は動物が摂取できるもの及び化粧品を挙げることができる。
【0055】
本発明の開示によれば、本発明の範囲及び本質の範囲内で他の態様及び変更が存在することが当業者に明らかである。従って、本発明の範囲及び本質の範囲内で本発明の開示から当業者が行い得る全ての変更は、本発明の更なる態様として包含される。従って本発明の範囲は、特許請求の範囲で示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の1つの態様の小型又はマイクロ媒体ミルを示す図である。
【図1A】 図1Aは、図1で示されているミルの拡大図である。
【図2】 図2は、異なる容器での図1の媒体ミルを示す図である。
【図3】 図3は、本発明の他の態様の小型又はマイクロ媒体ミルを説明する図である。
【図3A】 図3Aは、図3で示されているミルの拡大図である。
【図3B】 図3Bは、図3Aの3Bで示されている部分の拡大図である。
【図4】 図4は、本発明の他の態様の小型又はマイクロ媒体ミルの側面図である。
【図5】 図5は、図1〜4で示されている媒体ミルと共に使用することができる他の態様の容器及び他の態様の撹拌子を示す図である。
【図6】 図6は、図1〜4の態様で説明されているタイプの撹拌子を示す図である。
【図7】 図7は、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図7A】 図7Aは、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図8】 図8は、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図8A】 図8Aは、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図9】 図9は、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図9A】 図9Aは、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図10】 図10は、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図10A】 図10Aは、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図11】 図11は、図1〜4の媒体ミルで使用することができる様々な撹拌子の形状を示す図である。
【図11A】 図11Aは、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図12】 図12は、図1〜4の媒体ミルで使用することができる様々な撹拌子の形状を示す図である。
【図12A】 図12Aは、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図13】 図13は、図1〜4の媒体ミルで使用することができる様々な撹拌子の形状を示す図である。
【図13A】 図13Aは、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図13B】 図13Bは、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図13C】 図13Cは、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。
【図13D】 図13Dは、図1〜4の媒体ミルで使用することができる撹拌子の形状を示す図である。

Claims (82)

  1. (a)シャフト取り付け部(110)
    (b)前記シャフト取り付け部(110)に対して回転するように取り付けられた回転可能シャフト(120)
    (c)開口部を有する容(10)
    (d)回転子(32)及びこの回転子(32)からのびる回転子シャフト(40)を有する撹拌子(30)、ここでこのシャフト(40)は前記回転可能シャフト(120)に接続されており、また前記回転子(32)は、この回転子(32)の外側回転表面と前記容器(10)の内側表面との間に小さい隙間を作るようにして前記容器(10)に挿入される大きさである;
    (e)前記容器と前記シャフト取り付け部とを脱着可能に接続する継手(50)、ここでこの継手(50)は開口部(56)を有し、この開口部(56)を通って前記回転子シャフトがのびている;
    を具備している、医薬品を磨砕する小型ミルであって、
    前記医薬品が、磨砕媒体を含有する液体分散体状であり、
    前記容器(10)の容積が、86ml以下であり、
    前記シャフト取り付け部が、前記容器の開口部をシールして、前記分散体を前記容器内にシールしており
    前記継手(50)が、前記シャフト(40)をシールするシール(70)を有しており、
    前記シャフト取り付け部及び継手が前記シール(70)を保持して、前記継手を前記シャフト取り付け部に取り付けたときに、液体のシールを維持しながら、膨張する空気が前記シールを通して逃げることができるようにされている、
    医薬品を磨砕する小型ミル。
  2. 前記容器に接続された冷却系を更に具備している、請求項1に記載の小型ミル。
  3. 前記容器が筒状内側容器(12)と、この内側容器の周囲に間隔をあけて存在する外側容器(14)とを具備しており、これらの容器の間に部屋(17)が存在し、これらの容器の端部をフランジ(24)が接続しており、前記外側容器が、前記部屋(17)と流通している少なくとも第1及び第2の流路(20)を有し、前記冷却系が前記第1及び第2の流路(20)を具備した前記外側容器を含み、この冷却系が冷却流体を循環させるようになっている、請求項2に記載の小型ミル。
  4. 前記冷却系が、前記分散体を循環させるための複数の口を前記容器に有している、請求項2に記載の小型ミル。
  5. 前記容器が垂直向きにされている、請求項1に記載の小型ミル。
  6. 前記容器が水平向きに配置されている、請求項1に記載の小型ミル。
  7. 前記継手(50)が、前記シャフト取り付け部に脱着可能に取り付けるためのねじ山を付けられた部分、及び前記容器に脱着可能に接続するためのフランジ部分を有する、請求項1に記載の小型ミル。
  8. 前記継手(50)前記容器と一体に形成されており、且つこの継手(50)前記シャフト取り付け部(110)に脱着可能に取り付けるためのねじ山を付けられた部分(54)を有する、請求項1に記載の小型ミル。
  9. 前記容器が、前記分散体を充填する少なくとも1つの口を有する、請求項1に記載の小型ミル。
  10. 前記容器が、分散体を循環させる少なくとも2つの口を有する、請求項1に記載の小型ミル。
  11. 前記シャフト(120)モーター(100)のモーターシャフトであり、このモーターが可変速度モーターであり、その最高速度が6,000rpmである、請求項1に記載の小型ミル。
  12. 前記回転子(32)の外側周縁部と前記容器(10)の内側表面と の間の間隔と、磨砕媒体の公称サイズとの比が、約6:1である、請求項1に記載の小型ミル。
  13. 前記回転子(32)が筒状であり、前記容器(10)が筒状であり、且つ前記小さい隙間が3mm以下である、請求項1に記載の小型ミル。
  14. 前記回転子(32)が筒状であり、前記容器(10)が筒状であり、且つ前記小さい隙間が1mm以下である、請求項13に記載の小型ミル。
  15. 前記筒状回転子(32)の端部表面がテーパーである、請求項13に記載の小型ミル。
  16. 前記筒状回転子(32)が、空洞部、及びこの空洞部の内側表面と前記筒状回転子の外側表面との間にのびる複数のスロットを有する、請求項15に記載の小型ミル。
  17. 前記筒状回転子(32)が、前記筒状回転子の外側表面にのびる複数の溝を有する、請求項15に記載の小型ミル。
  18. 前記筒状回転子(32)が、この筒状回転子のテーパー端部表面の間にのびる複数の流路を有する、請求項15に記載の小型ミル。
  19. 磨砕の間に、前記容器全体にわたって実質的に均一な剪断を維持する、請求項1に記載の小型ミル。
  20. 前記磨砕媒体が、ポリマー媒体、ポリスチレン媒体、及び架橋ポリスチレン媒体からなる群より選択される、請求項1に記載の小型ミル。
  21. 前記磨砕媒体がポリマー媒体である、請求項20に記載の小型ミル。
  22. 前記摩擦媒体の公称寸法が、約500μm以下である、請求項1に記載の小型ミル。
  23. 前記摩擦媒体の公称寸法が、約200μm以下である、請求項1に記載の小型ミル。
  24. 前記摩擦媒体の公称寸法が、約50μm以上である、請求項1に記載の小型ミル。
  25. 前記摩擦媒体が、約50μm、約200μm、約500μm及びそれらの組み合わせからなる群より選択される公称寸法を有している、請求項1に記載の小型ミル。
  26. 前記摩擦媒体が、約50μm以上、約200μm以上、約500μm以下及びそれらの組み合わせからなる群より選択される公称寸法を有している、請求項1に記載の小型ミル。
  27. 前記医薬品が、熱感受性の医薬品である、請求項1に記載の小型ミル。
  28. 前記医薬品が、人間又は動物が摂取可能な医薬品である、請求項1に記載の小型ミル。
  29. 前記医薬品が、化粧品である、請求項1に記載の小型ミル。
  30. 磨砕の完了時の前記医薬品が、数マイクロメートル〜数ナノメートルの粒度を有している、請求項1に記載の小型ミル。
  31. 前記ミルの作業容積が約11.8ml〜約32.5mlである、請求項1に記載の小型ミル。
  32. 前記ミルの作業容積が約11.8ml〜約29mlである、請求項31に記載の小型ミル。
  33. 前記ミルの作業容積が約11.8ml〜約21.4mlである、請求項32に記載の小型ミル。
  34. 前記ミルの作業容積が約11.8ml〜約19.5mlである、請求項33に記載の小型ミル。
  35. 前記ミルの作業容積が約11.8ml〜約12.3mlである、請求項34に記載の小型ミル。
  36. 前記磨砕媒体の含有率が50%であるときに、前記分散体の体積が約8.3ml〜約22.8mlである、請求項1に記載の小型ミル。
  37. 前記磨砕媒体の含有率が50%であるときに、前記分散体の体積が約8.3ml〜約20.3mlである、請求項36に記載の小型ミル。
  38. 前記磨砕媒体の含有率が50%であるときに、前記分散体の体積が約8.3ml〜約15.0mlである、請求項37に記載の小型ミル。
  39. 前記磨砕媒体の含有率が50%であるときに、前記分散体の体積が約8.3ml〜約13.6mlである、請求項38に記載の小型ミル。
  40. 前記磨砕媒体の含有率が90%であるときに、前記分散体の体積が約5.4ml〜約15.0mlである、請求項1に記載の小型ミル。
  41. 前記磨砕媒体の含有率が90%であるときに、前記分散体の体積が約5.4ml〜約13.3mlである、請求項40に記載の小型ミル。
  42. 前記磨砕媒体の含有率が90%であるときに、前記分散体の体積が約5.4ml〜約9.8mlである、請求項41に記載の小型ミル。
  43. 前記磨砕媒体の含有率が90%であるときに、前記分散体の体積が約5.4ml〜約8.9mlである、請求項42に記載の小型ミル。
  44. (a)磨砕される医薬品及び公称寸法約500μm以下の摩擦媒体を含む液体分散体を提供すること;
    (b)容積が86ml以下の筒状容器に前記分散体を導入すること;
    (c)撹拌子及び前記容器を閉じる継手を提供すること、ここで前記継手は開口部を有し、この開口部を通って前記撹拌子の一部がのびており、前記撹拌子が筒状回転子及びこの回転子からのびるシャフトを有し、前記筒状回転子は、この筒状回転子の外側表面と前記容器の内側表面との間隔が3mm以下になる大きさである;
    (d)撹拌子を前記筒状容器に導入し、前記継手をシールして閉め、それによって液体に対するシールを維持したままで、膨張する空気が逃げられるようにすること、ここで前記撹拌子を前記容器に完全に挿入したときに、前記分散体が実質的に全ての容器内の空気を除去するようにして、前記容器を満たす;並びに
    (e)所定期間にわたって前記撹拌子を回転させること;
    を含む、医薬品の磨砕方法。
  45. 前記容器を冷却することを更に含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記容器にジャケットを付け、そしてこのジャケットと前記容器との間に水を流すことによって、前記容器を冷却する、請求項44に記載の方法。
  47. 前記磨砕媒体が、ポリマー媒体、ポリスチレン媒体、及び架橋ポリスチレン媒体からなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
  48. 前記磨砕媒体がポリマー媒体である、請求項44に記載の方法。
  49. 前記摩擦媒体の公称寸法が、約500μm以下である請求項44に記載の方法
  50. 前記摩擦媒体の公称寸法が、約200μm以下である請求項44に記載の方法
  51. 前記摩擦媒体の公称寸法が、約50μm以上である請求項44に記載の方法
  52. 前記摩擦媒体が、約50μm、約200μm、約500μm及びそれらの組み合わせからなる群より選択される公称寸法を有している請求項44に記載の方法
  53. 前記摩擦媒体が、約50μm以上、約200μm以上、約500μm以下及びそれらの組み合わせからなる群より選択される公称寸法を有している請求項44に記載の方法
  54. 前記医薬品が、熱感受性の医薬品である、請求項44に記載の方法。
  55. 前記医薬品が、人間又は動物が摂取可能な医薬品である、請求項4 4に記載の方法。
  56. 前記医薬品が、化粧品である、請求項44に記載の方法。
  57. 前記筒状回転子の外側周縁部と前記容器の内側表面との間の間隔と、磨砕媒体の公称サイズとの比が、約6:1である、請求項44に記載の方法。
  58. 前記容器全体にわたって実質的に均一な剪断を維持することを更に含む、請求項44に記載の方法。
  59. 磨砕の完了時の前記医薬品が、数マイクロメートル〜数ナノメートルの粒度を有している、請求項44に記載の方法。
  60. 前記容器が垂直向きにされている、請求項44に記載の方法。
  61. 前記容器が水平向きに配置されている、請求項44に記載の方法。
  62. 前記分散体を外部循環させることを更に含む、請求項44に記載の方法。
  63. 前記撹拌子の回転の間に、前記分散体を前記容器内に維持する、請求項44に記載の方法。
  64. 前記撹拌子の回転の間に、前記分散体を前記容器を通して再循環させる、請求項44に記載の方法。
  65. 前記撹拌子を回転させる前記所定期間が、数時間以下である、請求項44に記載の方法。
  66. 前記撹拌子の回転の間の渦の発生を最少化することを更に含む、請求項44に記載の方法。
  67. 前記分散体の発泡を防ぐことを更に含む、請求項44に記載の方法。
  68. 前記分散体の汚染を最小化すること又は避けることを更に含む、請求項44に記載の方法。
  69. 前記容器の作業容積が約11.8mlである、請求項44に記載の方法。
  70. 前記ミルの作業容積が約11.8ml〜約32.5mlである、請求項44に記載の方法。
  71. 前記ミルの作業容積が約11.8ml〜約29mlである、請求項70に記載の方法。
  72. 前記ミルの作業容積が約11.8ml〜約21.4mlである、請求項71に記載の方法。
  73. 前記ミルの作業容積が約11.8ml〜約19.5mlである、請求項72に記載の方法。
  74. 前記ミルの作業容積が約11.8ml〜約12.3mlである、請求項73に記載の方法。
  75. 前記磨砕媒体の含有率が50%であるときに、前記分散体の体積が約8.3ml〜約22.8mlである、請求項44に記載の方法。
  76. 前記磨砕媒体の含有率が50%であるときに、前記分散体の体積が約8.3ml〜約20.3mlである、請求項75に記載の方法。
  77. 前記磨砕媒体の含有率が50%であるときに、前記分散体の体積が約8.3ml〜約15.0mlである、請求項76に記載の方法。
  78. 前記磨砕媒体の含有率が50%であるときに、前記分散体の体積が約8.3ml〜約13.6mlである、請求項77に記載の方法。
  79. 前記磨砕媒体の含有率が90%であるときに、前記分散体の体積が約5.4ml〜約15.0mlである、請求項44に記載の方法。
  80. 前記磨砕媒体の含有率が90%であるときに、前記分散体の体積が約5.4ml〜約13.3mlである、請求項79に記載の方法。
  81. 前記磨砕媒体の含有率が90%であるときに、前記分散体の体積が約5.4ml〜約9.8mlである、請求項80に記載の方法。
  82. 前記磨砕媒体の含有率が90%であるときに、前記分散体の体積が約5.4ml〜約8.9mlである、請求項81に記載の方法。
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