JP4152499B2 - 排気２次エア通路の形成方法及び排気２次エア通路構造 - Google Patents

排気２次エア通路の形成方法及び排気２次エア通路構造 Download PDF

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Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジン浄化装置を構成する排気２次エア通路の形成方法及び排気２次エア通路構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開平９−３２４６２４号には、シリンダヘッドにリード弁室を設け、このリード弁室と排気ポートを通じる２次エア供給通路をシリンダヘッドのシリンダ軸線と略平行に設けたエンジンが示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、２次エア供給通路は機械加工により形成されるため加工性の点でヘッドガスケット面に対してできるだけ直角方向へ形成することが望ましい。しかしながらこのようにして、しかも排気ポートへ先端が貫通するように形成しようとすれば、カムシャフト上のカムと干渉するおそれがあるため、穴開け加工が極めて難しくなる。そのうえ、バルブの挟み角が狭くなれば、さらに難しくなる。本願発明はこのような問題点の解決を主たる目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願に係る排気２次エア通路構造に関する請求項１の発明は、４サイクルエンジンのシリンダーヘッドの排気ポートに、ポート中子により一体に形成された排気２次エア導入案内部を形成するとともに、シリンダヘッド上面から排気２次エア通路を上記案内部に向けて孔加工し、
前記排気２次エア通路をシリンダ中心と略平行に形成し、
前記導入部を排気ポートの吸気ポート側壁面へ角状に形成し、
前記排気２次エア通路をヘッドガスケット面と略垂直に形成し、
前記シリンダヘッドカバー上面に２次エア通路と連通するリード弁室を設けるとともに、
前記排気２次エア通路は、前記導入部側端部を燃焼室方向へ延長したとき、この延長方向が、前記排気ポート及び吸気ポートの各燃焼室側開口間の燃焼室壁を指向し、前記延長した排気２次エア通路の一部が前記燃焼室壁にかかるように形成され、
前記導入部は前記吸気ポート側へ突出し、前記排気２次エア通路との接続部が、前記排気ポートと吸気ポート間に位置することを特徴とする。
【０００８】
【発明の効果】
請求項１の発明によれば、上記排気２次エア通路がヘッドガスケット面に垂直に加工されているので、加工が容易である。
【０００９】
また、吸排気バルブの挟み角を小さくでき、特に最近は吸排気バルブの挟み角が狭まっていく傾向にあるので有効である。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて一実施例を説明する。図１は実施例に係るエンジンを２次エア供給通路に沿って示す断面図、図２はこのエンジンの一部切り欠き側面図である。
【００１１】
まず、図１によりエンジンの概略構造を説明する。このエンジンはＤＯＨＣ式水冷４サイクルエンジンであり、クランクケース１、シリンダ２、シリンダヘッド３及びシリンダヘッドカバー４を備える。
【００１２】
シリンダ２内へ摺動自在に収容されたピストン５はクランクケース１内のクランク軸６（図示はセンターを示す）と連結されるとともに、ピストン５とシリンダ２及びシリンダヘッド３の間に燃焼室を形成する。
【００１３】
この燃焼室に通じる吸気ポート７と排気ポート８はシリンダヘッド３に設けられ、それぞれ吸気バルブ１０と排気バルブ１１により開閉される。
【００１４】
これら、吸気バルブ１０と排気バルブ１１はクランク軸６と同期回転するカムシャフト１２、１３上のカムにより駆動される。
【００１５】
図中の符号１４ａ、１４ｂは水ジャケット、１５は水ポンプ、１６は水ホース、２０はサーモケース、２２は冷却水出口部、２３はバイパスホース、２４はスタータモータ、２５は気化器、２６はラジエタからの冷却水が水ホース２７を介して供給される吸入パイプ、２８はオイルパン、２９はオイルフィルタ、３０はミッションのスピードセンサであり、ミッションのメインシャフト３１上に設けられる。３２はカウンタシャフト、３３はシフトドラムである。
【００１６】
次に、２次エア供給通路の詳細構造を説明する。図１に示すように、排気ポート８とシリンダヘッドカバー４の上面に設けられたリード弁室４０との間を連通する２次エア供給通路４１が形成されている。
【００１７】
２次エア供給通路４１はシリンダヘッド３部分の２次エア供給通路４１ａ、カムホルダ４２部分の２次エア供給通路４１ｂ及びシリンダヘッドカバー４部分の２次エア供給通路４１ｃで構成され、各接続部は、ノックピン４３とオーリング４４でシールされている。
【００１８】
２次エア供給通路４１ａはシリンダ２とシリンダヘッド３の間をシールするヘッドガスケット４５のガスケット面に対して直角に形成され、かつ、先端部は排気ポート８側から形成された角状穴である排気２次エア導入部４６を介して排気ポート８と連通している。
【００１９】
この排気２次エア導入部４６はシリンダヘッド３を鋳造により成形する際における排気ポート８の中子により一体に形成され、鋳造後における２次エア供給通路４１ａを機械加工で形成するときに先端部が切り欠かれて連通するようになっている。
【００２０】
また、２次エア供給通路４１ｂは中間で折れ曲がっているが、この部分は比較的薄いカムホルダ４２の上下両側から異なる角度で機械加工することにより容易に形成される。
【００２１】
２次エア供給通路４１ｃはリード弁室４０とブリーザ室４７との間に設けられた肉厚内に形成され、斜め方向に形成された連通路４８によりリード弁室４０内へ連通している。
【００２２】
リード弁室４０内にはリードバルブ４９が設けられ、その上からカバー５０で閉じられる。カバー５０にはジョイントパイプ５１が一体に形成され、ホース５２を介して図示省略のフィルタより清浄空気を２次エアとして吸引するようになっている。
【００２３】
リードバルブ４９は、２次エア供給通路４１が排気ポート８と連通しているため、排気ポート８内の排気脈動に連動して２次エアを排気ポート８へ供給するようになっている。
【００２４】
次に、本実施例の作用を説明する。シリンダヘッド３を鋳造する際、導入案内用突起を一体に有するポート中子を用いて鋳造すると、シリンダヘッド素材に前記突起に対応する排気２次エア導入案内部４６が形成される。そこでこの排気２次エア導入部４６に向けてシリンダヘッド４３の上面から孔加工すると、２次エア供給通路４１と排気２次エア導入部４６が通じ、２次エア供給通路４１は排気２次エア導入部４６を介して排気ポート８と連通する。したがって、特殊な加工を要することなく排気２次エア通路を最適位置に形成できる。
【００２５】
さらに、上記排気２次エア通路４１がヘッドガスケット４５面に垂直に加工されているので、加工が容易になる。
【００２６】
そのうえ、吸排気バルブ１０、１１の挟み角を小さくでき、最近は吸排気バルブの挟み角が狭まっていく傾向にあるので有効である。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施例に係るエンジンを２次エア供給通路に沿って示す断面図
【図２】このエンジンの一部切り欠き側面図
【符号の説明】
シリンダ２、シリンダヘッド３、排気ポート８、リード弁室４０、２次エア供給通路４１、ガスケット４５、排気２次エア導入部４６

Claims (4)

  1. ４サイクルエンジンのシリンダーヘッドの排気ポートに、ポート中子により一体に形成された排気２次エア導入案内部を形成するとともに、シリンダヘッド上面から排気２次エア通路を上記案内部に向けて孔加工し、
    前記排気２次エア通路をシリンダ中心と略平行に形成し、
    前記導入部を排気ポートの吸気ポート側壁面へ角状に形成し、
    前記排気２次エア通路をヘッドガスケット面と略垂直に形成し、
    前記シリンダヘッドカバー上面に２次エア通路と連通するリード弁室を設けるとともに、
    前記排気２次エア通路は、前記導入部側端部を燃焼室方向へ延長したとき、この延長方向が、前記排気ポート及び吸気ポートの各燃焼室側開口間の燃焼室壁を指向し、前記延長した排気２次エア通路の一部が前記燃焼室壁にかかるように形成され、
    前記導入部は前記吸気ポート側へ突出し、前記排気２次エア通路との接続部が、前記排気ポートと吸気ポート間に位置する、
    ことを特徴とする排気２次エア通路構造。
  2. 上記２次エア通路がシリンダヘッド・ヘッドカバー間に配置されるカムホルダに形成されることを特徴とする請求項１に記載の排気２次エア通路構造。
  3. 前記リード弁室がシリンダ中心に対し、排気ポート側に形成されることを特徴とする請求項１に記載の排気２次エア通路構造。
  4. カムホルダ内２次エア通路とシリンダヘッド内２次エア通路が異なる角度で機械加工されていることを特徴とする請求項２に記載の排気２次エア通路構造。
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