JP4285014B2 - 船外機の補機取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、典型的には縦置きに搭載されるエンジンを持つ船外機における補機取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の船外機においては、エンジンを作動させるために種々の補機類もしくは機能部品を装備し、エンジンの円滑かつ適正な作動が行なわれるようにしている。また通常、船外機は全体がカバーによって覆われ、内部に水等が侵入しなようにしている。カバー内にはエンジンをはじめとして、吸気系や排気系あるいは潤滑系等が配され、多数の補機類もしくは機能部品が装備される。
【0003】
また、一般的な使用形態として、船外機が装備される船体後尾部に露呈して取り付けられるため、その外観構成も製品価値を決める上で極めて重要な要素となる。したがって、カバー内の限られたスペースの中にそれら補機類等をコンパクトに収容配置するという基本的な要請がある。
【0004】
搭載するエンジン形式としても種々のものが採用されるが、たとえば4サイクル多気筒エンジンでは吸気、排気を制御するための吸気バルブおよび排気バルブを駆動する複雑な動弁機構を有する。そして、この動弁機構およびこれに付随する補機類も多岐にわたっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特に、気筒が形成された左右のシリンダバンクをV字型をなすように配置してなる4サイクルV型エンジンを搭載する例では、航走時にクランク軸が略鉛直方向を向くように縦置きに配置される。この場合、エンジンの下部においてクランクシャフトの回転を動弁機構駆動用のカムシャフトに伝達するカムチェーンが装架されるが、特に潤滑系のオイルポンプやチェーンテンショナ等の補機類を取り付けるためのスペース確保が難しくなる。
【0006】
本発明はかかる実情に鑑み、スペースを有効利用し、それに基く優れた諸効果が得られる船外機の補機取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の船外機の補機取付構造は、クランクシャフトが鉛直配置されるように縦置きに搭載されたエンジンを備え、このエンジンの下方にオイルパンが装架され、前記エンジンとオイルパンの間であって、該エンジンの下部に前記クランクシャフトの回転を動弁機構駆動用のカムシャフトに伝達するカムチェーンが装架される船外機における補機取付構造であって、シリンダブロックの下部に前記カムシャフトを介して駆動されるオイルポンプを取付け、該オイルポンプを前記オイルパンの上方に配置し、オイルポンプの吸入口にはオイルパン内に垂下される吸入パイプが接続され、オイルポンプの吐出口は前記カムチェーンの軌道の下方をまたいで軌道内側のエンジンブロックのオイル通路に接続されることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、典型的態様においてオイルポンプは、カムチェーンの軌道適所を跨ぐようにその下側直近スペースに取付支持される。あるいはまた、カムチェーンを装架して走行駆動させる駆動部の保持手段がカムチェーンの下側直近スペースに配置され、チェーンテンショナは、保持手段を介して間接的に取付支持される。このようにエンジン下部スペースを利用することで、補機類の取付位置の自由度を大幅に拡大し、複数の補機をコンパクトかつ好適位置に配置することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基き本発明による好適な実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る船外機1の全体構成例を示す左側面図、図2は船外機1の上部に配置されるエンジンブロックの平面図である。なお、これらの図において矢印Frは船外機1の前方(船外機1が装備される船体の前進方向)側を、矢印Rrは船外機1の後方(船外機1が装備される船体の後進方向)側をそれぞれ表す。この場合、船外機1は図1のようにその前部側にて船体の後尾板Pに固定される。
【0014】
船外機1の概略構成において、上部に配置されたエンジン2を有するエンジンブロックAと、エンジン2の出力をプロペラ側へと伝達するドライブシャフト3を有するドライブシャフトハウジングBと、ドライブシャフト3の駆動力によりプロペラ4を回転駆動する駆動部5を有するギヤハウジングCとが上下に順に配置構成される。エンジンブロックA、ドライブシャフトハウジングBおよびギヤハウジングCにはそれぞれ、外殻としてのカバー6a,6b,6cが被着する。これらのカバー6a,6b,6cが相互に滑らかに接合することで、船外機1は全体として一体感のある形態を持つようにカバー6によって覆われ、たとえば特にエンジンブロックAまわりは優れた外観構成を有する概略卵形を呈する。その内部には吸気系や排気系あるいは潤滑系が配され、後に詳述するようにそれらの技術的効果に加えてコンパクトな構成となっており、これにより意匠的にも優れた効果を創出する。
【0015】
エンジン2はこの例ではV型6気筒(所謂、「V6」)エンジンを採用し、左右のシリンダバンクにおける各気筒のシリンダボア軸線Sが、V字型をなすように交差する。図2にも示されるようにエンジン2は、そのV字の尖端側が前方Frを向くように配置される。この場合、エンジン2のクランクシャフト7が鉛直方向を向くように縦置きすべく、エンジンベース8によってエンジン2を搭載支持する。
【0016】
エンジンベース8の前縁部には左右一対のアッパマウント9が配設され、またドライブシャフトハウジングBの前縁部には左右一対のロアマウント10が配設される。これらのマウント9,10を介してエンジンブロックA、ドライブシャフトハウジングBおよびギヤハウジングCが、スイベルブラケット11に設定された支軸12のまわりに一体に回動可能となるように支持される。スイベルブラケット11の左右両側にはクランプブラケット13が設けられ、このクランプブラケット13を介して船体の後尾板Pに固定されるようになっている。クランプブラケット13は、左右方向に設定されたチルト軸14のまわりに回動可能に支持される。
【0017】
ドライブシャフトハウジングB内の上部には、ドライブシャフト3の後側に隣接配置された冷却水用の水タンク15が装架され、さらにその後側には潤滑油用のオイルパン16が装架される。水タンク15の底部には冷却水パイプ17が垂下され、この冷却水パイプ17は、ギヤハウジングCに設けた水取入口18から取り込まれる水を給水する給水管19と接続する。冷却水パイプ17と給水管19の接続部には、ドライブシャフト3によって駆動される冷却水ポンプ20が取り付けられる。冷却水ポンプ20は、水取入口18に装着されたフィルタ21を介して船外機1外部から水を取り込んで冷却水パイプ17、さらに水タンク15へとその水を送り込む。
【0018】
ギヤハウジングCにおいて、ドライブシャフトハウジングBから下方に延出したドライブシャフト3は、駆動部5とギヤ結合する。ドライブシャフト3と直交して駆動部5から後方に延出するプロペラシャフト22は、たとえばボールベアリング23あるいはニードルベアリング24によりギヤハウジングC内で回転可能に支持され、その後端にプロペラ4が固着している。
【0019】
駆動部5において、プロペラシャフト22に遊嵌して回転自在に支持されるフォワード(前進)ギヤ25およびリバース(後進)ギヤ26を有し、これらのギヤ25,26は、ドライブシャフト3の下端に設けたドライブギヤ27と常時噛合している。この例ではフォワードギヤ25は前方Fr側に、リバースギヤ26は後方Rr側にそれぞれ配置され、これらのギヤ25,26にクラッチドッグ28が配設される。このクラッチドッグ28はフォワードギヤ25およびリバースギヤ26に選択的に連結し、この動作によりドライブシャフト3の駆動力をプロペラシャフト22に伝達させるようになっている。
【0020】
この場合、エンジンブロックAのエンジン2近傍から下方に延出したクラッチロッド29が、ドライブシャフトハウジングBおよびギヤハウジングCの接合部付近でシフトロッド30と連結する。なお、クラッチロッド29は操船者によるシフトレバーの操作で作動可能である。シフトロッド30は、クラッチ機構を構成するシフトカム31あるいはプッシュロッド32を介してクラッチドッグ28を作動させ、これによりプロペラシャフト22を正転または逆転させる。
【0021】
ここで、エンジンブロックAのエンジン2は図2に示されるように、この例では6つの気筒が上下方向順に左右交互にV字に沿って配列され、各気筒においてクランクシャフト7側からクランクケース33、シリンダブロック34、シリンダヘッド35およびシリンダヘッドカバー36が配置・結合される。なお、クランクシャフト7は、クランクケース33およびシリンダブロック34の合せ面に軸支される。このようにクランクシャフト7を基点して、各気筒が左右(平面視)に拡開するV6エンジンでは、左右3気筒によりV型のシリンダバンクが形成される。このシリンダバンクの内側には、後述するインテークマニホールド37が配設される。
【0022】
シリンダブロック34の内部には図3に示すように、各気筒毎にシリンダボア38が形成されるとともに、シリンダボア38にはピストン39が往復動可能に内嵌する。ピストン39はコンロッド40を介してクランクシャフト7のクランクピン7aに連結され、これによりシリンダボア38内のピストン39の往復運動がクランクシャフト7の回転運動に変換され、さらにエンジン2の出力としてドライブシャフト3に伝達される。
【0023】
シリンダヘッド35には、シリンダボア38に整合する燃焼室41とこの燃焼室41にそれぞれ連通するインテークポート42およびエクゾーストポート43が形成される。インテークポート42の入口は前述したシリンダバンクのV字内側に開口し、燃焼室41との連通部がインテークバルブ44によって開閉制御される。この場合インテークバルブ44は、カムシャフト45に設けたカム46によって駆動される。また、エクゾーストポート43の入口はシリンダバンクのV字外側に開口し、燃焼室41との連通部がエクゾーストバルブ47によって開閉制御される。この場合エクゾーストバルブ47は、カムシャフト48に設けたカム49によって駆動される。なお、この実施形態では各気筒において、吸気側および排気側にそれぞれ2つのバルブを持つ4バルブであってよい。
【0024】
カムもしくはカムシャフト駆動機構として、たとえば上下方向に延設された2つのカムシャフト45の下端部に設けたスプロケットと、ドライブシャフト3の上端部に設けたスプロケットとの間にカムチェーン50(図1参照)を装架し、ドライブシャフト3およびカムシャフト45を連結する。この場合、吸気側および排気側でそれぞれカムシャフト45およびカムシャフト48が、チェーン等を介して相互に連結される。また、ドライブシャフト3の上端部とクランクシャフト7の下端部は、図1のようにリダクションギヤ51を介して連結され、したがってクランクシャフト7によって駆動されるドライブシャフト3の動力を利用して、カムシャフト45およびカムシャフト48を回転駆動し、これにより複数のカム46,49を同期駆動することができる。
【0025】
各気筒の燃焼室41の頂部には点火プラグ52が装着され、インテークマニホールド37からは各インテークポート42に繋がる複数(この例では6つ)の吸気通路37a(37a1〜37a6;図4参照)が延出している。インテークマニホールド37に装着されたインジェクタ53からは、各インテークポート42の深部に向けて燃料が噴射されるようになっている。そして、シリンダ内で爆発・燃焼した燃焼ガスは、エクゾーストポート43から後述するエクゾーストマニホールド54へ排出される。
【0026】
V6エンジンの左右3気筒それぞれにおいて、各エクゾーストポート43にはエクゾーストマニホールド54が接続され、さらに集合排気通路となってエンジンベース8の左右側面部付近に接続されている。排気ガスは集合排気通路内を通って、ドライブシャフトハウジングB乃至ギヤハウジングC内に形成された排気通路を経て水中に排出される。
【0027】
図3に示されるように特にシリンダボア38および排気系、すなわちエクゾーストポート43乃至エクゾーストマニホールド54のまわりには、エンジンブロックAの上下方向に沿って冷却用のウォータジャケット55が付設形成される。ウォータジャケット55内を冷却水が流通するようになっているが、この場合、前述した冷却水ポンプ20によって水タンク15へ水を送り込み、水タンク15からウォータジャケット55へ水を送り出す。
【0028】
概略、図1の矢印Dのようにウォータジャケット55内を流通した冷却水は、エンジンブロックAの頂部から排水パイプ56を通って、ドライブシャフトハウジングB乃至ギヤハウジングC内に形成された排水通路を経て水中に排出される。このように構成される冷却系において、排水パイプ56は図1あるいは図2に示されるように、シリンダバンクのV字内側スペースにコンパクトに収容される。なお、排水パイプ56の接続部にはサーモスタット57が装着され、冷却水の流通を制御するようになっている。
【0029】
エンジンブロックAの下部には図1に示されるように、オイルポンプ58が取り付けられる。オイルポンプ58のオイル吸入口58aにはオイルパン16内に垂下されたオイル吸入パイプ59が接続される。一方、オイル吐出口58bはシリンダヘッド35に設けられたオイル通路(図示せず)に接続され、さらにシリンダブロック34に設けられたオイル通路(図示せず)を介して該シリンダブロック34の左右一側で、エクゾーストマニホールド54近傍に設けられたオイルフィルタ60(図3参照)に接続される。この潤滑系において、オイルパン16内のオイルはオイルポンプ58によって吸い上げられ、オイルフィルタ60によって濾過された後、エンジンブロックAの各部に分配される。そして、潤滑オイルはエンジンブロックA内の主要潤滑箇所を潤滑し、その後オイルパン16内に回収される。
【0030】
吸気系においてさらに、エンジン2の中央部後方にはインテークマニホールド37を介してコレクタ61が設けられる。コレクタ61は典型的には合成樹脂材料により成形されたコレクタ本体62と、このコレクタ本体62に蓋着する金属製(典型的にはアルミニウム合金)カバー63が閉合してなる密閉構造を有し、図5に示されるように上部の左右両側に設けたスロットルボディ64から空気を取り込むようになっている。なお、後述するようにスロットルボディ64から取り込んだ空気は、可変吸気長システムにて高速用および低速用通路に切り替えられる。
【0031】
スロットルボディ64には図2〜図3あるいは図4等に示すようにバタフライ式のスロットルバルブ65が装着され、コントロールレバー66によってスロットルバルブ65の開度を制御するようになっている。また、図1に示されるようにスロットルボディ64は、エンジンブロックAの上部後方に装着されたサイレンサ67内に開口し、その開口部にて船外機1外部から取り込んだ空気を矢印Eのようにサイレンサ67を経て取り込む。なお、サイレンサ67は、後述する高低速切替用バルブを駆動するアクチュエータ68の収容部67aを有する。
【0032】
さてここで、本発明において特にエンジンブロックAの下部に配設されるオイルポンプ58あるいはカムチェーン50のチェンテンショナ等の機能部品もしくは補機が、該カムチェーン50の下側スペースを利用して配置される。
【0033】
図6は、エンジンブロックAの下部を下方から見た図であり、図6に示すようにエンジン2の左右シリンダバンクにおける気筒それぞれのカムシャフト45の下端部に設けたスプロケット69と、ドライブシャフト3の上端部に設けたスプロケット70との間に、カム46,49等を含む動弁機構を駆動するためのカムチェーン50が装架される。この実施形態ではV6エンジンであるため、図示のようにカムチェーン50は略そのV字に沿って概略V字状もしくは三角形状に装架される。
【0034】
左右のそれぞれシリンダバンクにおいて、スプロケット69の上側でカムシャフト45に設けたスプロケット71と、カムシャフト48に設けたスプロケット72との間にチェーン73が装架され、これにより吸気側カム46および排気側カム49が同期するようにタイミング的に整合して連結される。
【0035】
また、カムシャフト48に設けたスプロケット74とオイルポンプ58の回転軸75の軸端に設けたスプロケット76との間にチェーン77が装架される。これによりドライブシャフト3の駆動力で、カムシャフト45およびカムシャフト48等を介してオイルポンプ58のロータ78が回転するようになっている。
【0036】
オイルポンプ58は複数のボルト79によって固定されるが、この例では左シリンダバンク側に配置される。この場合、図1に示されるようにオイルパン16にかなり接近して、その上方に配置される。また、オイルポンプ58は図6に示されるように、カムチェーン50の軌道を跨ぐかたちで取り付けられる。すなわち、オイルポンプ58はオイル吸入口58aとオイル吐出口58bを有し、オイル吸入口58aはオイルポンプ本体(ロータ78)の至近位置に配置される。一方、オイル吐出口58bはカムチェーン50の軌道内側領域に配置される。そして、オイル吸入口58aにはオイルパン16内に垂下されたオイル吸入パイプ59(図1参照)が接続されるとともに、オイル吐出口58bはシリンダヘッド35およびシリンダブロック34に形成されたオイル通路を介して、オイルフィルタ60に接続されている。
【0037】
また、ドライブシャフト3の上端部とクランクシャフト7の下端部は、前述したようにリダクションギヤ51を介して連結される。そのリダクションギヤ51部分を軸支するベアリング80はベアリングホルダ81によって保持される。このベアリングホルダ81はカムチェーン50よりも1段下側(図6において紙面手前側)に配置され、カムチェーン50に張力を設定付与するチェーンテンショナ82をベアリングホルダ81によって支持する。
【0038】
なお、ドライブシャフト3とその上端部に設けたスプロケット70、およびベアリング80は、カムチェーン50を装架して走行駆動させる駆動部として機能し、ベアリングホルダ81がその保持手段として機能する。つまりベアリングホルダ81はカムチェーン50の下側直近スペースに配置され、チェーンテンショナ82はこのベアリングホルダ81を介して間接的に取付支持される。
【0039】
この場合、チェーンテンショナ82は右シリンダバンク側に設けられるが、ベアリングホルダ81にはチェーンテンショナ82側へ突出するボス83を設ける。そして、ボス83によってチェーンテンショナ82の一端部を軸支する。チェーンテンショナ82は通常とは反対側からベアリングホルダ81に取り付けられて一体化し、その後エンジン2へ取り付ける。なお、チェーンテンショナ82の他端部にはチェーンテンショナアジャスタ84が配置され、カムチェーン50のテンションを調整するようにしている。
【0040】
なお、チェーンガイド85がボルト86によって、左シリンダバンク側に配置固定される。また、チェーンガイド87がボルト88によって、左右シリンダバンクのスプロケット69間に配置固定される。
【0041】
上記構成においてエンジン2の作動時、船外機1外部から取り込まれた空気はスロットルボディ64を経て、コレクタ61内に吸入される。この場合、コレクタ61内の空気は高低速切替用バルブが閉じていれば、低中速用空気吸込通路を通り、また高低速切替用バルブが開いていれば、高速用空気吸込通路を通ってインテークマニホールド37に供給される。インテークマニホールド37に供給された空気は、吸気通路37a1〜37a6を通過する際にインジェクタ53から燃料が噴射供給され、混合気となってエンジン2の各気筒のインテークポート42に供給される。
【0042】
各気筒ではインテークバルブ44およびエクゾーストバルブ47によって、それぞれインテークポート42およびエクゾーストポート43が開閉制御される。これにより所定タイミングで混合気が燃焼室41に供給され、爆発後の燃焼ガスがエクゾーストポート43からエクゾーストマニホールド54を経て、船外機1の外部へ排出される。
【0043】
インテークバルブ44およびエクゾーストバルブ47を上記のように駆動する動弁機構は、エンジンブロックAの下部に装架されたカムチェーン50を介してドライブシャフト3の動力で駆動される。
【0044】
本発明において特にオイルポンプ58は、カムチェーン50の軌道適所を跨ぐようにその1段下側の直近スペースに取付支持される。このようにオイルポンプ58はカムチェーン50と同一高さ位置に配置されないため、カムチェーン50による制約を受けることなく、レイアウト上適切かつ有利な位置に取り付けることができる。これによりオイルポンプ58の取付位置の自由度を大幅に拡大することができる。
【0045】
すなわち、オイルポンプ58がオイルパン16にかなり接近して配置されるため、オイルパン16からオイル吸入口58aまでの距離が短くなり、その間の給送損失を小さくして所謂オイル上りを速くすることができる。
【0046】
また、オイルポンプ58の取付位置の自由になったことで、ロータ78の径を拡大することが可能になる。そして、ロータ78を大型化することでオイルポンプ58の性能を向上し、潤滑系における潤滑性能を向上することができる。この場合、オイルポンプ58の回転数を低回転化することができ、そのようにすることで実質的にポンプ駆動損失を低減するとともに燃費向上を図ることが可能になる。
【0047】
さらに、チェーンテンショナ82は、カムチェーン50の下側直近スペースに配置されるベアリングホルダ81を介して取付支持される。つまりチェーンテンショナ82の取付用ボスがエンジンブロッグ上にないため、オイル通路やカムチェーン50等のレイアウトの自由度が拡大し、コンパクトな設計が可能になる。
【0048】
さらに、組付に際してチェーンテンショナ82を予めベアリングホルダ81に取り付け、その後エンジン2へ取り付けるため、組付性が向上する。
【0049】
以上、本発明を実施形態とともに説明したが、本発明はこの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
たとえば上記実施形態においてV6エンジンの例を説明したが、本発明は6気筒以下および6気筒以上のエンジンに対しても有効に適用可能であり、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。V型エンジンの他に直列多気筒エンジン、さらには気筒に対して単一のカムシャフトを持つ所謂シングルカムシャフトエンジンにも有効に適用可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にれば、オイルポンプ等の補機類の取付方法を工夫してエンジン下部スペースを利用することで、新たに配置スペースを設けることなく、すなわち大型化することなく複数の補機類をコンパクトかつ好適位置に配置することができる。これにより省スペース化を有効に実現しながら、補機類の性能等を効果的に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の船外機の補機取付構造の実施形態における全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の船外機の補機取付構造の実施形態におけるエンジンブロックまわりの平面図である。
【図3】本発明の船外機の補機取付構造の実施形態におけるエンジンブロックの断面図である。
【図4】本発明の船外機の補機取付構造に係るインテークマニホールドを示す側面図および断面図である。
【図5】本発明の船外機の補機取付構造の実施形態におけるエンジンブロックまわりの後方から見た図である。
【図6】本発明の船外機の補機取付構造の実施形態におけるエンジンブロックまわりの下方から見た図である。
【符号の説明】
1 船外機、2 エンジン、3 ドライブシャフト、4 プロペラ、5 駆動部、6 カバー、7 クランクシャフト、8 エンジンベース、9,10 マウント、11 スイベルブラケット、13 クランプブラケット、15 水タンク、16 オイルパン、 17 冷却水パイプ、19 給水管、20 冷却水ポンプ、21 フィルタ、22 プロペラシャフト、25 フォワード(前進)ギヤ、26 リバース(後進)ギヤ、27 ドライブギヤ、28 クラッチドッグ、29 クラッチロッド、30 シフトロッド、31 シフトカム、33 クランクケース、34 シリンダブロック、35 シリンダヘッド、36 シリンダヘッドカバー、37 インテークマニホールド、38 シリンダボア、39 ピストン、40 コンロッド、41 燃焼室、42 インテークポート、43 エクゾーストポート、44 インテークバルブ、45,48 カムシャフト、46,49 カム、47 エクゾーストバルブ、50 カムチェーン、51 リダクションギヤ、52 点火プラグ、53 インジェクタ、54 エクゾーストマニホールド、55 ウォータジャケット、56 排水パイプ、58 オイルポンプ、59 オイル吸入パイプ、60 オイルフィルタ、61 コレクタ、62 コレクタ本体、63 カバー、64 スロットルボディ、65 スロットルバルブ、68 アクチュエータ、69 高速用空気吸込通路、70 速用空気吸込通路、71 高低速切替用バルブ、72 駆動軸、75 ファンネル、77 ウォータジャケット77、78 アクチュエータ、A エンジンブロック、B ドライブシャフトハウジング、C ギヤハウジングC。

Claims (1)

  1. クランクシャフトが鉛直配置されるように縦置きに搭載されたエンジンを備え、このエンジンの下方にオイルパンが装架され、前記エンジンとオイルパンの間であって、該エンジンの下部に前記クランクシャフトの回転を動弁機構駆動用のカムシャフトに伝達するカムチェーンが装架される船外機における補機取付構造であって、
    シリンダブロックの下部に前記カムシャフトを介して駆動されるオイルポンプを取付け、該オイルポンプを前記オイルパンの上方に配置し、オイルポンプの吸入口にはオイルパン内に垂下される吸入パイプが接続され、オイルポンプの吐出口は前記カムチェーンの軌道の下方をまたいで軌道内側のエンジンブロックのオイル通路に接続されることを特徴とする船外機の補機取付構造。
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