JP4161774B2 - 4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、典型的には船外機において縦置きに搭載される4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば船外機において、搭載するエンジン形式としても種々のものが採用されるが、最近では4サイクル多気筒エンジンが使用されるようになっている。この種のエンジンは吸気、排気を制御するための吸気バルブおよび排気バルブを駆動する複雑な動弁機構等を有する。また、この動弁機構およびこれに付随する補機類も多岐にわたっている。
【0003】
特に、気筒が形成された左右のシリンダバンクをV字型をなすように配置してなる4サイクルV型エンジンを搭載する例では、航走時にクランク軸が略鉛直方向を向くように縦置きに配置される。この場合、エンジンの下部においてクランクシャフトの回転を各シリンダバンクの動弁機構駆動用のカムシャフトに伝達するカムチェーンが装架される。
【0004】
ここで、一般に4サイクルV型エンジンの構造上、左右シリンダバンクのいずれか一方は他方に対してクランクシャフト軸方向にオフセットされる。この一方のシリンダバンクのカムシャフト軸端部分に配置される軸受の間隔は、他方のものよりも大きくなり、その場合さらに、軸端部分に取り付けたスプロケットにはカムチェーンの張力によるかなり大きな負荷が作用する。また、この種のエンジンではカムシャフト軸端にいわゆる可変動弁装置を装着し、バルブの開閉タイミングを可変制御するものがある。
【0005】
カムシャフトの特に軸端部に大きな負荷がかかると、そのままでは経時的にカムシャフトの変形、さらには軸端部のスプロケットとカムチェーンの噛合いに及ぼす影響等、問題の発生原因となる。従来かかる4サイクルV型エンジンにおいてカムシャフトの支持剛性を確保すべく、吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトを連結するギヤもしくはスプロケットと、カムチェーンが装架されるスプロケットとの間に軸受を設けてカムシャフトを支持するようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−123203号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにカムシャフト軸端部分に軸受を付設すると、カムシャフトの支持剛性を確保することができるもののエンジンが大型化してしまうばかりか、重量が増加する上、コストが高くなる。また、特に船外機にあっては、外装カバー内の限られたスペースの中にエンジンをはじめとして、その補機類等をコンパクトに収容配置するという基本的要請があり、かかる支持構造をそのまま適用することは実質的に困難である。さらに、縦置きされるエンジンにおいては、潤滑油の落下経路に軸受等の部品を配置するのは好ましくない。
【0008】
本発明はかかる実情に鑑み、特に4サイクルエンジンにおいてカムシャフトの支持剛性を効果的に向上し、優れた作動性能を保証するカムシャフト支持構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造は、クランクシャフトが鉛直配置されるエンジンの下部に、前記クランクシャフトの回転を動弁機構駆動用のカムシャフトに伝達するカムチェーンが装架される4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造であって、一方のシリンダバンクにおける軸端軸受部とその軸方向に隣接配置される軸受部との間隔が、他方のシリンダバンクよりも大きく設定されるV型シリンダバンクを持ち、前記一方のシリンダバンクには、吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトの前記軸端軸受部間に側壁を有し、この側壁とこれに至近位置するシリンダヘッド固定用ボルトの締着部とを結合する概略V字状の補強リブを付設したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造において、前記補強リブは、可変動弁装置が軸端に装着される前記カムシャフト側へ適度に偏倚して配設されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造において、前記側壁と前記補強リブの結合部位に沿って形成されるとともに、かつこれに直交して前記隣接配置された軸受部まで連通する潤滑用オイル通路を形成したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造において、前記補強リブのV字内側に潤滑オイル戻し用穴を形成したことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、側壁とシリンダヘッド固定用ボルトの締着部とを結合する典型的にはV字状補強リブを有することで、カムシャフトの軸端部まわりの支持剛性が大幅に向上される。これによりカムチェーンの張力等による撓み変形等を有効に防止することができ、正確なカムタイミングが得られるとともに、作動時の静粛性を確保することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基き本発明による4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造の好適な実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る船外機1の全体構成例を示す左側面図、図2は船外機1の上部に配置されるエンジンブロックの平面図である。なお、これらの図において矢印Frは船外機1の前方(船外機1が装備される船体の前進方向)側を、矢印Rrは船外機1の後方(船外機1が装備される船体の後進方向)側をそれぞれ表す。この場合、船外機1は図1のようにその前部側にて船体の後尾板Pに固定される。
【0016】
船外機1の概略構成において、上部に配置されたエンジン2を有するエンジンブロックAと、エンジン2の出力をプロペラ側へと伝達するドライブシャフト3を有するドライブシャフトハウジングBと、ドライブシャフト3の駆動力によりプロペラ4を回転駆動する駆動部5を有するギヤハウジングCとが上下に順に配置構成される。エンジンブロックA、ドライブシャフトハウジングBおよびギヤハウジングCにはそれぞれ、外殻としてのカバー6a,6b,6cが被着する。これらのカバー6a,6b,6cが相互に滑らかに接合することで、船外機1は全体として一体感のある形態を持つようにカバー6によって覆われ、たとえば特にエンジンブロックAまわりは優れた外観構成を有する概略卵形を呈する。
【0017】
エンジン2はこの例ではV型6気筒(所謂、「V6」)エンジンを採用し、左右のシリンダバンクにおける各気筒のシリンダボア軸線Sが、V字型をなすように交差する。図2にも示されるようにエンジン2は、そのV字の尖端側が前方Frを向くように配置される。この場合、エンジン2のクランクシャフト7が鉛直方向を向くように縦置きすべく、エンジンベース8によってエンジン2を搭載支持する。
【0018】
エンジンベース8の前縁部には左右一対のアッパマウント9が配設され、またドライブシャフトハウジングBの前縁部には左右一対のロアマウント10が配設される。これらのマウント9,10を介してエンジンブロックA、ドライブシャフトハウジングBおよびギヤハウジングCが、スイベルブラケット11に設定された支軸12のまわりに一体に回動可能となるように支持される。スイベルブラケット11の左右両側にはクランプブラケット13が設けられ、このクランプブラケット13を介して船体の後尾板Pに固定されるようになっている。クランプブラケット13は、左右方向に設定されたチルト軸14のまわりに回動可能に支持される。
【0019】
ドライブシャフトハウジングB内の上部には、ドライブシャフト3の後側に隣接配置された冷却水用の水タンク15が装架され、さらにその後側には潤滑油用のオイルパン16が装架される。水タンク15の底部には冷却水パイプ17が垂下され、この冷却水パイプ17は、ギヤハウジングCに設けた水取入口18から取り込まれる水を給水する給水管19と接続する。冷却水パイプ17と給水管19の接続部には、ドライブシャフト3によって駆動される冷却水ポンプ20が取り付けられる。冷却水ポンプ20は、水取入口18に装着されたフィルタ21を介して船外機1外部から水を取り込んで冷却水パイプ17、さらに水タンク15へとその水を送り込む。
【0020】
ギヤハウジングCにおいて、ドライブシャフトハウジングBから下方に延出したドライブシャフト3は、駆動部5とギヤ結合する。ドライブシャフト3と直交して駆動部5から後方に延出するプロペラシャフト22は、たとえばボールベアリング23あるいはニードルベアリング24によりギヤハウジングC内で回転可能に支持され、その後端にプロペラ4が固着している。
【0021】
駆動部5において、プロペラシャフト22に遊嵌して回転自在に支持されるフォワード(前進)ギヤ25およびリバース(後進)ギヤ26を有し、これらのギヤ25,26は、ドライブシャフト3の下端に設けたドライブギヤ27と常時噛合している。この例ではフォワードギヤ25は前方Fr側に、リバースギヤ26は後方Rr側にそれぞれ配置され、これらのギヤ25,26にクラッチドッグ28が配設される。このクラッチドッグ28はフォワードギヤ25およびリバースギヤ26に選択的に連結し、この動作によりドライブシャフト3の駆動力をプロペラシャフト22に伝達させるようになっている。
【0022】
この場合、エンジンブロックAのエンジン2近傍から下方に延出したクラッチロッド29が、ドライブシャフトハウジングBおよびギヤハウジングCの接合部付近でシフトロッド30と連結する。なお、クラッチロッド29は操船者によるシフトレバーの操作で作動可能である。シフトロッド30は、クラッチ機構を構成するシフトカム31あるいはプッシュロッド32を介してクラッチドッグ28を作動させ、これによりプロペラシャフト22を正転または逆転させる。
【0023】
ここで、エンジンブロックAのエンジン2は図2に示されるように、この例では6つの気筒が上下方向順に左右交互にV字に沿って配列され、各気筒においてクランクシャフト7側からクランクケース33、シリンダブロック34、シリンダヘッド35およびシリンダヘッドカバー36が配置・結合される。なお、クランクシャフト7は、クランクケース33およびシリンダブロック34の合せ面に軸支される。このようにクランクシャフト7を基点して、各気筒が左右(平面視)に拡開するV6エンジンでは、左右3気筒によりV型のシリンダバンクが形成される。このシリンダバンクの内側には、後述するインテークマニホールド37が配設される。
【0024】
シリンダブロック34の内部には図3に示すように、各気筒毎にシリンダボア38が形成されるとともに、シリンダボア38にはピストン39が往復動可能に内嵌する。ピストン39はコンロッド40を介してクランクシャフト7のクランクピン7aに連結され、これによりシリンダボア38内のピストン39の往復運動がクランクシャフト7の回転運動に変換され、さらにエンジン2の出力としてドライブシャフト3に伝達される。
【0025】
シリンダヘッド35には、シリンダボア38に整合する燃焼室41とこの燃焼室41にそれぞれ連通するインテークポート42およびエクゾーストポート43が形成される。インテークポート42の入口は前述したシリンダバンクのV字内側に開口し、燃焼室41との連通部がインテークバルブ44によって開閉制御される。この場合インテークバルブ44は、カムシャフト45に設けたカム46によって駆動される。また、エクゾーストポート43の入口はシリンダバンクのV字外側に開口し、燃焼室41との連通部がエクゾーストバルブ47によって開閉制御される。この場合エクゾーストバルブ47は、カムシャフト48に設けたカム49によって駆動される。なお、この実施形態では各気筒において、吸気側および排気側にそれぞれ2つのバルブを持つ4バルブであってよい。
【0026】
カムもしくはカムシャフト駆動機構として、たとえば上下方向に延設された2つのカムシャフト45の下端部に設けたスプロケットと、ドライブシャフト3の上端部に設けたスプロケットとの間にカムチェーン50(図1参照)を装架し、ドライブシャフト3およびカムシャフト45を連結する。この場合、吸気側および排気側でそれぞれカムシャフト45およびカムシャフト48が、チェーン等を介して相互に連結される。また、ドライブシャフト3の上端部とクランクシャフト7の下端部は、図1のようにリダクションギヤ51を介して連結され、したがってクランクシャフト7によって駆動されるドライブシャフト3の動力を利用して、カムシャフト45およびカムシャフト48を回転駆動し、これにより複数のカム46,49を同期駆動することができる。
【0027】
各気筒の燃焼室41の頂部には点火プラグ52が装着され、インテークマニホールド37からは各インテークポート42に繋がる複数(この例では6つ)の吸気通路が延出している。インテークマニホールド37に装着されたインジェクタ53からは、各インテークポート42の深部に向けて燃料が噴射されるようになっている。そして、シリンダ内で爆発・燃焼した燃焼ガスは、エクゾーストポート43から後述するエクゾーストマニホールド54へ排出される。
【0028】
V6エンジンの左右3気筒それぞれにおいて、各エクゾーストポート43にはエクゾーストマニホールド54が接続され、さらに集合排気通路となってエンジンベース8の左右側面部付近に接続されている。排気ガスは集合排気通路内を通って、ドライブシャフトハウジングB乃至ギヤハウジングC内に形成された排気通路を経て水中に排出される。
【0029】
図3に示されるように特にシリンダボア38および排気系、すなわちエクゾーストポート43乃至エクゾーストマニホールド54のまわりには、エンジンブロックAの上下方向に沿って冷却用のウォータジャケット55が付設形成される。ウォータジャケット55内を冷却水が流通するようになっているが、この場合、前述した冷却水ポンプ20によって水タンク15へ水を送り込み、水タンク15からウォータジャケット55へ水を送り出す。
【0030】
概略、図1の矢印Dのようにウォータジャケット55内を流通した冷却水は、エンジンブロックAの頂部から排水パイプ56を通って、ドライブシャフトハウジングB乃至ギヤハウジングC内に形成された排水通路を経て水中に排出される。このように構成される冷却系において、排水パイプ56は図1あるいは図2に示されるように、シリンダバンクのV字内側スペースにコンパクトに収容される。なお、排水パイプ56の接続部にはサーモスタット57が装着され、冷却水の流通を制御するようになっている。
【0031】
エンジンブロックAの下部には図1に示されるように、オイルポンプ58が取り付けられる。オイルポンプ58のオイル吸入口にはオイルパン16内に垂下されたオイル吸入パイプ59が接続される。一方、オイル吐出口はシリンダヘッド35に設けられたオイル通路(図示せず)に接続され、さらにシリンダブロック34に設けられたオイル通路(図示せず)を介して該シリンダブロック34の左右一側で、エクゾーストマニホールド54近傍に設けられたオイルフィルタ60(図3参照)に接続される。この潤滑系において、オイルパン16内のオイルはオイルポンプ58によって吸い上げられ、オイルフィルタ60によって濾過された後、エンジンブロックAの各部に分配される。そして、潤滑オイルはエンジンブロックA内の主要潤滑箇所を潤滑し、その後オイルパン16内に回収される。
【0032】
吸気系においてさらに、エンジン2の中央部後方にはインテークマニホールド37を介してコレクタ61が設けられる。コレクタ61は典型的には合成樹脂材料により成形されたコレクタ本体62と、このコレクタ本体62に蓋着する金属製(典型的にはアルミニウム合金)カバー63が閉合してなる密閉構造を有し、図2に示されるように上部の左右両側に設けたスロットルボディ64から空気を取り込むようになっている。なお、後述するようにスロットルボディ64から取り込んだ空気は、可変吸気長システムにて高速用および低速用通路に切り替えられる。
【0033】
スロットルボディ64には図1〜図3に示すようにバタフライ式のスロットルバルブ65が装着され、コントロールレバー66によってスロットルバルブ65の開度を制御するようになっている。また、図1に示されるようにスロットルボディ64は、エンジンブロックAの上部後方に装着されたサイレンサ67内に開口し、その開口部にて船外機1外部から取り込んだ空気を矢印Eのようにサイレンサ67を経て取り込む。なお、サイレンサ67は、後述する高低速切替用バルブを駆動するアクチュエータ68の収容部67aを有する。
【0034】
ここで図4は、エンジンブロックAの下部を下方から見た図であり、図4に示すようにエンジン2の左右シリンダバンクにおける気筒それぞれのカムシャフト45の下端部に設けたスプロケット69と、ドライブシャフト3の上端部に設けたスプロケット70との間に、カム46,49等を含む動弁機構を駆動するためのカムチェーン50が装架される。この実施形態ではV6エンジンであるため、図示のようにカムチェーン50は略そのV字に沿って概略V字状もしくは三角形状に装架される。
【0035】
左右のそれぞれシリンダバンクにおいて、スプロケット69の上側でカムシャフト45に設けたスプロケット71(図5参照)と、カムシャフト48に設けたスプロケット72との間にチェーン73が装架され、これにより吸気側カム46および排気側カム49が同期するようにタイミング的に整合して連結される。
【0036】
スプロケット70は図4の矢印F方向に回転し、カムチェーン50には矢印T方向の張力が発生する。チェーンテンショナ74は右シリンダバンク側に設けられ、チェーンテンショナ74の一端部に配置されたチェーンテンショナアジャスタ75によって、カムチェーン50のテンションを調整するようにしている。また、左シリンダバンク側にはチェーンガイド76が配置固定され、さらに左右シリンダバンクのスプロケット69間にチェーンガイド77が配置固定される。
【0037】
なお、スプロケット69,71はボルト78によってカムシャフト45の軸端に固定されるが、さらにこの例では吸気側のカムシャフト45の軸端部に所謂、可変動弁装置79が装着される。可変動弁装置79はエンジン回転数に応じてインテークバルブ44の開閉タイミングを可変し、吸気効率の向上等を図るものである。
【0038】
左右シリンダバンクともカムシャフト45,48はそれぞれ軸方向に沿って、複数の軸受部80(80A,80B,80C,...)および軸受部81(81A,81B,81C,...)によって支持される。この場合、本実施形態のようにV型エンジンにあっては図5に示されるように、左右シリンダバンク間のシリンダヘッド35はカムシャフト45,48の軸方向に沿ってGだけオフセットされる。すなわち、この例では右側シリンダバンクにおける軸受部80A,80Bの間隔Hは、左側シリンダバンクにおける軸受部80A,80Bの間隔hよりもオフセット量G分だけ大きく設定される。
【0039】
シリンダヘッド35がオフセットされる右側のシリンダバンクにおいて、軸受部80A,81A間には側壁82(図5、図6、斜線部)が立設され、この側壁82によって軸受部80A,81A相互間を一体化している。側壁82のカムシャフト45(すなわち可変動弁装置79)寄りの部位には、図6において図中上下方向に延設されたオイル通路83を有する柱状部84が設けられる。また、このオイル通路83と直交してカムシャフト45,48の軸方向に延設されたオイル通路85を有する柱状部86が設けられる。なお、このオイル通路85は軸受部80Bまで連通しており、軸受部80Bを潤滑し、軸受部80Bからカムシャフト45内に形成された油路に給油して、さらに上下の軸受部80A,80Cを潤滑するようになっている。
【0040】
さて、本発明において図5および図6に示されるように、側壁82とこの至近位置に配置された2つのシリンダヘッド固定用ボルト87の締着部88とを結合する略V字状の補強リブ89が付設される。補強リブ89におけるV字の2辺を構成する2つのリブ89aおよび89bは、柱状部84(オイル通路83)に沿って交差するように側壁82と結合し、したがってV字状補強リブ89は図5から分かるように、可変動弁装置79側へ適度に偏倚して配設される。
【0041】
ボルト87はシリンダヘッド35をシリンダブロック34に対して締着固定するが、図6に示されるように補強リブ89はボルト87(ボルトヘッド)と略同一高さ位置まで形成される。このように形成される補強リブ89のV字内側には図5に示されるように、概略三角形の潤滑オイル戻し用穴90が形成される。
【0042】
上記構成においてエンジン2の作動時、船外機1外部から取り込まれた空気はコレクタ61内に吸入される。さらに、コレクタ61内の空気はインテークマニホールド37に供給され、その際にインジェクタ53から燃料が噴射供給され、混合気となってエンジン2の各気筒のインテークポート42に供給される。各気筒ではインテークバルブ44およびエクゾーストバルブ47によって、それぞれインテークポート42およびエクゾーストポート43が開閉制御される。これにより所定タイミングで混合気が燃焼室41に供給され、爆発後の燃焼ガスがエクゾーストポート43からエクゾーストマニホールド54を経て、船外機1の外部へ排出される。
【0043】
エンジン2の作動によるクランクシャフト7の回転で、リダクションギヤ51を介してドライブシャフト3が駆動され、これによりカムチェーン50を介して各シリンダバンクのカムシャフト45が同期して回転駆動される。この場合、前述のようにカムチェーン50には張力が発生し、また、カムシャフト45の軸端部には可変動弁装置79が装着されている。カムシャフト45の軸端部に対してカムチェーン50の張力や可変動弁装置79の重量によるかなり大きな負荷が作用する。
【0044】
本発明において特に、側壁82とボルト87の締着部88とを結合するV字状補強リブ89を有し、この補強リブ89によりカムシャフト45の軸端部まわりの支持剛性が大幅に向上されている。すなわち、カムシャフト45,48に対応配置されたボルト87の締着部88それぞれを、2つのリブ89aおよび89bを介して側壁82と結合し、その結合部に柱状部84を設けるとともに、さらに柱状部84と直交するかたちで柱状部86を設ける。このようにカムシャフト45,48の軸端部まわりに配したV字状補強リブ89および柱状部84,86により立体的な骨格構造が構成され、高い支持剛性を確保するとともにシリンダヘッド35自体の剛性を強化することができる。
【0045】
この場合、新たな軸受等の部品を追加していないのは勿論であるが、軸受部80A,81A自体の(カムシャフト軸方向)の幅を大きくすることなく剛性を確保し、また、側壁82あるいは補強リブ89の肉厚等を必要以上に厚くしていない。したがって、実質的に部品点数や重量増加を伴っていないため、構造上あるいはコスト的に有利である。
【0046】
このようにカムシャフト45の軸端部まわりの支持剛性を向上したことで、カムチェーン50の張力等による撓み変形等を有効に防止することができる。したがって、カムチェーン50とスプロケット69の適正な噛合状態を確保維持し、正確なカムタイミングが得られ、エンジン2の円滑かつ適正作動が保証される。また、カムチェーン50およびスプロケット69の作動音が低減されるため、作動時の静粛性を確保することができる。
【0047】
また、カムシャフト45の軸端部まわりの変形を防止したすることにより、軸受部80Aにおいて適正な軸受作用が保証される。これによりカムシャフト45の軸端部まわりの磨耗を防ぎ、焼付けを防止することで寿命を向上することができる。
【0048】
特に本実施形態のように縦置きされるエンジン2にあってはエンジンベース8上に搭載支持されるエンジンブロッグAの下部構造の剛性強度は、エンジン2を堅固に搭載する上で極めて重要である。エンジンブロッグAの下部に位置するカムシャフト45,48の軸端部まわり、さらにはシリンダヘッド35自体の剛性を強化することで、エンジン2を高い剛性強度で搭載支持することができる。
【0049】
さらに、本発明構造では実質的に新たな部品を追加せず、比較的簡素な構成となっているため、シリンダヘッド35内における潤滑オイルの流れが遮られることはない。また、補強リブ89のV字内側に潤滑オイル戻し用穴90を形成したことで、この潤滑オイル戻し用穴90へ潤滑オイルを円滑に導くことができ、オイル抜けを良くすることができる。このようにオイル抜けを向上することで、いわゆるメカロス(機械的損失)を低減することができる。
【0050】
以上、本発明を実施形態とともに説明したが、本発明はこの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
たとえば上記実施形態における補強リブ89は、図5に示したような正確なV字状ではなく、すなわちリブ89aおよび89bのいずれか一方を、柱状部84から適度に離隔して側壁82と結合させるものでもよい。また、リブ89aおよび89bのいずれか一方のみを有し、その場合その肉厚を厚くすることで剛性強度を確保するものも可能である。
【0051】
また、上記実施形態では6気筒のエンジン2の例を説明したが、本発明構造は6気筒以外の多気筒エンジンに対しても有効に適用可能である。また、船外機以外においても本発明を適用可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、特に可変動弁装置を有する4サイクルV型エンジンにおいてカムシャフト軸端部に補強リブあるいはこれに結合する柱状部を有することで、カムシャフト軸端部まわりの支持剛性が大幅に向上し、適正かつ円滑なカム作動を保証する。その場合、実質的に重量増加やコストアップを伴わず、耐久性等を有効に向上する等の利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る船外機の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る4サイクルV型エンジンのエンジンブロックまわりの平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る4サイクルV型エンジンのエンジンブロックの断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る4サイクルV型エンジンのエンジンブロックの下部を下方から見た図である。
【図5】本発明の実施形態に係る4サイクルV型エンジンのシリンダヘッドまわりを示す図4のR矢視図である。
【図6】図5のI−I線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 船外機、2 エンジン、3 ドライブシャフト、4 プロペラ、5 駆動部、6 カバー、7 クランクシャフト、8 エンジンベース、9,10 マウント、11 スイベルブラケット、13 クランプブラケット、15 水タンク、16 オイルパン、 17 冷却水パイプ、19 給水管、20 冷却水ポンプ、21 フィルタ、22 プロペラシャフト、25 フォワード(前進)ギヤ、26 リバース(後進)ギヤ、27 ドライブギヤ、28 クラッチドッグ、29 クラッチロッド、30 シフトロッド、31 シフトカム、33 クランクケース、34 シリンダブロック、35 シリンダヘッド、36 シリンダヘッドカバー、37 インテークマニホールド、38 シリンダボア、39 ピストン、40 コンロッド、41 燃焼室、42 インテークポート、43 エクゾーストポート、44 インテークバルブ、45,48 カムシャフト、46,49 カム、47 エクゾーストバルブ、50 カムチェーン、51 リダクションギヤ、52 点火プラグ、53 インジェクタ、54 エクゾーストマニホールド、55 ウォータジャケット、56 排水パイプ、58 オイルポンプ、59 オイル吸入パイプ、60 オイルフィルタ、61 コレクタ、62 コレクタ本体、63 カバー、64 スロットルボディ、65 スロットルバルブ、68 アクチュエータ、69 高速用空気吸込通路、70 速用空気吸込通路、71 高低速切替用バルブ、72 駆動軸、75 ファンネル、77 ウォータジャケット77、78 アクチュエータ、79 可変動弁装置、80,81 軸受部、82 側壁、83,85 オイル通路、84,86 柱状部、87 シリンダヘッド固定用ボルト、88 締着部、89 V字状補強リブ、A エンジンブロック、B ドライブシャフトハウジング、C ギヤハウジングC。

Claims (4)

  1. クランクシャフトが鉛直配置されるエンジンの下部に、前記クランクシャフトの回転を動弁機構駆動用のカムシャフトに伝達するカムチェーンが装架される4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造であって、
    一方のシリンダバンクにおける軸端軸受部とその軸方向に隣接配置される軸受部との間隔が、他方のシリンダバンクよりも大きく設定されるV型シリンダバンクを持ち、前記一方のシリンダバンクには、吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトの前記軸端軸受部間に側壁を有し、この側壁とこれに至近位置するシリンダヘッド固定用ボルトの締着部とを結合する概略V字状の補強リブを付設したことを特徴とする4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造。
  2. 前記補強リブは、可変動弁装置が軸端に装着される前記カムシャフト側へ適度に偏倚して配設されることを特徴とする請求項に記載の4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造。
  3. 前記側壁と前記補強リブの結合部位に沿って形成されるとともに、かつこれに直交して前記隣接配置された軸受部まで連通する潤滑用オイル通路を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造。
  4. 前記補強リブのV字内側に潤滑オイル戻し用穴を形成したことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の4サイクルエンジンにおけるカムシャフト支持構造。
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