JP2004232615A - 船外機のエンジン構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダヘッド18、シリンダブロックおよびクランクケース等を組み合わせて構成され、シリンダヘッド18と一体加工されたカムハウジング内に吸・排気バルブ開閉用のカムシャフト34を備えた船外機のエンジン構造において、カムシャフト34の一端に可変バルブタイミング機構72を設け、シリンダヘッド18の可変バルブタイミング機構72が設けられた側にカムハウジング37を外部に露出させて設けると共に、このカムハウジング37に可変バルブタイミング機構72を制御するオイルコントロールバルブ74を設けたものである。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、船外機のエンジン構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンには、油圧回路であるオイルコントロールバルブ(OCV)を用いて可変バルブタイミング機構(VVT)を制御し、吸・排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングをエンジンの回転数に応じて変化させることにより高性能を得るものがある。
【0003】
各装置の配置例としては、例えば特開2002−54415号公報(特許文献1参照)に示すように、吸気バルブの開閉タイミングをエンジン回転数に応じて制御するVVTはカムシャフトの上端に設けられると共に、このVVTを油圧制御するOCVはカムシャフトを支持するベアリングキャップに取り付けられ、OCVやカムシャフト、ベアリングキャップを収納するシリンダヘッドはヘッドカバーによって覆われている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−54415号公報(段落番号[0021]、[0027]、[0028]、[0029]、図2および図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
通常VVTはカムシャフトの端部に設けられる場合が多く、また、OCVはVTTに近接配置されることが望ましいことから、OCVはヘッドカバー上に設けることが機能上、また、スペース的にも有利である。
【0006】
しかしながら、従来からヘッドカバーとシリンダヘッドとの接合面のシールはガスケットによるフローティング構造となっているため、OCV等の油圧回路を設けることが困難であり、結果的にOCVをヘッドカバー内に設けなければならず、機能上、スペース的にも不利である。
【0007】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、ヘッドカバー上にOCV等の油圧回路を設置可能な船外機のエンジン構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る船外機のエンジン構造は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、シリンダヘッド、シリンダブロックおよびクランクケース等を組み合わせて構成され、上記シリンダヘッドと一体加工されたカムハウジング内に吸・排気バルブ開閉用のカムシャフトを備えた船外機のエンジン構造において、上記カムシャフトの一端に可変バルブタイミング機構を設け、上記シリンダヘッドの可変バルブタイミング機構が設けられた側に上記カムハウジングを外部に露出させて設けると共に、このカムハウジングに上記可変バルブタイミング機構を制御するオイルコントロールバルブを設けたものである。
【0009】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記カムハウジングに上記オイルコントロールバルブ固定用の取付座を形成すると共に、この取付座に上記カムハウジング固定用ボルトのボルト座面を一体に形成し、このボルト座面を上記オイルコントロールバルブによってシールするように構成したものである。
【0010】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記シリンダヘッドと一体加工されたカムハウジングと上記オイルコントロールバルブが固定されるカムハウジングとを別体に形成し、上記シリンダヘッドと一体加工されたカムハウジングをシリンダヘッドカバーで覆う一方、このシリンダヘッドカバーの一部を、上記オイルコントロールバルブが固定されるカムハウジングの縁部に曲成される立体シール部にオーバーラップするよう、立体シール面に形成したものである。
【0011】
そして、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、上記エンジンはエンジンホルダ上に載置されると共に、上記シリンダヘッドと同時に一体加工される上記カムハウジングに上記エンジンホルダとのシール機能を持たせたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、この発明を適用した船外機の実施形態を示す左側面図である。また、図2は図1のII−II線に沿う断面図である。そして、図3は図2のIII−III線に沿う断面図である。図1〜図3に示すように、この船外機1はエンジンホルダ2を備え、このエンジンホルダ2の上方にエンジン3が設置される。なお、このエンジン3はその内部にクランクシャフト4を略垂直に配置したバーティカル(縦)型のエンジンである。
【0014】
エンジンホルダ2の下方には潤滑オイル(図示せず)を貯留するオイルパン5が配置されると共に、例えば船外機1にはブラケット装置6が取り付けられ、このブラケット装置6を介して船外機1が船舶7のトランサム7aに装着される。また、エンジン3、エンジンホルダ2およびオイルパン5の周囲はエンジンカバー8によって覆われる。
【0015】
エンジンカバー8は、例えばエンジン3の下半分を側方から覆うロアエンジンカバー9と、このロアエンジンカバー9に上方から覆い被さってエンジン3の上半分を覆うアッパーエンジンカバー10とから構成され、ロアエンジンカバー9は例えばエンジンホルダ2に固定されると共に、アッパーエンジンカバー10はロアエンジンカバー9に着脱自在に取り付けられる。
【0016】
オイルパン5の周囲およびその下部にはドライブシャフトハウジング11が設置される。エンジンホルダ2、オイルパン5およびドライブシャフトハウジング11内にはエンジン3の出力軸であるドライブシャフト12が略垂直に配置され、その上端部が前方にオフセット配置されたクランクシャフト4の下端部に連結部材である一対のリダクションギヤ13a,13bを介して連結される。ドライブシャフト12はドライブシャフトハウジング11内を下方に向かって延び、ドライブシャフトハウジング11の下部に設けられたギヤケース14内のベベルギヤ15およびプロペラシャフト16を介して推進装置であるプロペラ17を駆動するように構成される。
【0017】
この船外機1のエンジン3は、例えばシリンダヘッド18、シリンダブロック19およびクランクケース20等を組み合わせて構成された水冷4サイクルV型6気筒エンジンであり、後方に向けて開くよう、左右のシリンダブロック19を平面視でV型に配置することによりシリンダブロック19間にVバンク21を形成する。また、シリンダヘッド18、シリンダブロック19およびクランクケース20は組み付けられた状態でそれらの下面が同一の平面を有し、ガスケット22を介して直接エンジンホルダ2の上面に結合される。
【0018】
エンジン3の最前部に配置されるクランクケース20の後方には左右一体のシリンダブロック19が船外機1の幅方向に広がるV字状に配置される。また、各シリンダブロック19の後方にはシリンダヘッド18がそれぞれ配置される。
【0019】
詳細には図示しないが、各シリンダブロック19内にはそれぞれ三個づつの筒状スリーブ23(気筒)が上下方向に略水平に並んで形成され、各スリーブ23内にはピストン24がスリーブ23の軸線上を軸方向に摺動自在に挿入される。
【0020】
クランクケース20とシリンダブロック19との接合面にはクランクシャフト4が略垂直に配置され、クランクシャフト4とピストン24とがコンロッド25によって連結されることにより、ピストン24の往復ストロークがクランクシャフト4の回転運動に変換されるようになっている。
【0021】
シリンダヘッド18にはスリーブ23に整合する燃焼室26が形成され、その外方から点火プラグ27が結合される。また、シリンダヘッド18内には燃焼室26に繋がる吸気ポート28や排気ポート29も形成される。排気ポート29は、図2に示すように、左右のシリンダブロック19外側に形成された排気通路30に接続されると共に、吸気ポート28はVバンク21内に向かって延びる。
【0022】
さらに、各シリンダヘッド18内には両ポート28,29を開閉する吸気バルブ31および排気バルブ32が配置されると共に、各シリンダヘッド18の後部にはカムハウジング33が一体加工され、このカムハウジング33内に上記吸・排気バルブ31,32を開閉させる動弁装置を構成する吸気用カムシャフト34および排気用カムシャフト35がクランクシャフト4と平行に配置される。そして、シリンダヘッド18のカムハウジング33はシリンダヘッドカバー36によって覆われる。
【0023】
図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。図3および図4に示すように、ギヤケース14の上面にはウォータポンプ38が設けられており、このウォータポンプ38がドライブシャフト12に駆動されてケース側面の取水口39から外部の水(海水、湖水、河水等)を冷却水として汲み上げる。汲み上げられた冷却水は、給水パイプ40を経てオイルパン5内部およびエンジンホルダ2内部に形成された冷却水通路(図示せず)を通ってシリンダブロック19の下面からシリンダブロック19内の冷却水通路41を経てスリーブ23の周囲や燃焼室26の周囲に形成される冷却水ジャケット42,43(図2参照)に供給され、エンジン3内部を冷却する。
【0024】
また、エンジン3内部を冷却した冷却水は、例えばシリンダブロック19上面の冷却水出口(図示せず)から冷却水ホース44を介してエンジンホルダ2内の排水通路45に導かれ、さらには例えばオイルパン5内に形成される排水通路46およびドライブシャフトハウジング11に形成される排水通路47に導かれ、ギヤケース14の排水口48から機外へ排水される。
【0025】
ところで、エンジン3のアイドリング時や外気温が低い場合、シリンダブロック19やシリンダヘッド18を冷却するとエンジン3の温度が低くなりすぎて潤滑オイルの粘性が高まって十分にその機能を果たさない場合がある。
【0026】
そこで、本発明においては例えば冷却水ホース44が接続されるシリンダブロック19上面の各冷却水出口にそれぞれサーモスタット49を配置し、これらのサーモスタット49によって冷却水が所定の温度に達するまで排出されないことにより冷却水ジャケット42,43内を冷却水が循環しないように構成される。
【0027】
図1〜図3に示すように、エンジン3の中央部後方には吸気マニフォールド50およびサージタンク51から構成される吸気系が設けられる。吸気マニフォールド50は例えばアルミ合金製であり、気筒数分の6本の吸気通路52を備える。これらの吸気通路52は上方から順に左右のシリンダヘッド18の吸気ポート28に向かって互い違いに繋がり、その各々に燃料噴射装置53(フューエルインジェクター)が装着される。また、サージタンク51の上流側にはサイレンサ54が接続される。
【0028】
図4に示すように、エンジン3の下部にはクランクシャフト4の回転をカムシャフト34,35に伝達してカムシャフト34,35を回転駆動させるカムシャフト駆動機構55が設けられる。
【0029】
このカムシャフト駆動機構55は、例えばチェーン駆動方式であり、クランクシャフト4の下端とドライブシャフト12の上端とを連結する一対のリダクションギヤ13a,13bのうち、例えばドライブシャフト12側に設けられたリダクションギヤ13bと同軸上に設けられたタイミングドライブスプロケット56と、各シリンダヘッド18の吸気用カムシャフト34の下端に設けられた吸気カムスプロケット57と、各シリンダヘッド18の排気用カムシャフト35の下端に設けられた排気カムスプロケット58と、これらのスプロケット56〜58の周囲に巻装されたカムチェーン59,60等を主な構成部材としてエンジン3下面とエンジンホルダ2との間の空間であるカムチェーン室61に配置される。
【0030】
カムチェーン59,60はメインカムチェーン59とサブカムチェーン60とから構成され、メインカムチェーン59はタイミングドライブスプロケット56と、左右のシリンダ間に形成されるVバンク21側に配置されたカムスプロケット、本実施形態においては両吸気カムスプロケット57との間に巻装され、平面視略三角形のチェーンラインを形成する。また、各吸気用カムシャフト34には吸気カムスプロケット57と同軸に図示しない排気カムドライブスプロケットが設けられ、これらの各排気カムドライブスプロケットと排気カムスプロケット58との間にそれぞれサブカムチェーン60が巻装される。
【0031】
さらに、Vバンク21間には両吸気カムスプロケット57間のメインカムチェーン59の移動を規制するチェーンガイド62が設けられると共に、吸気カムスプロケット57とタイミングドライブスプロケット56との間にはメインカムチェーン59の張り(テンション)を適性に保つチェーンテンショナ63が設けられる。
【0032】
チェーンガイド62はVバンク21間に配置されて左右のシリンダブロック19間に架設される。また、チェーンガイド62の後部下面にはメインカムチェーン59の移動を規制する案内溝64が設けられる。さらに、案内溝64の前方には上下方向に貫通する二本の排水連通路66が形成され、これらの排水連通路66には上方からユニオン67が嵌挿される。
【0033】
そして、図3に示すように、チェーンガイド62はエンジン3に組付けられた状態でエンジン3と共にエンジンホルダ2に接合される。その際、チェーンガイド62の上面とエンジンホルダ2の上面とが同一平面を有する。上記排水連通路66は、その上部開口にユニオン67を介してシリンダブロック19上面の冷却水出口(図示せず)からのびる冷却水ホース44が接続されると共に、排水連通路66の下部開口はエンジンホルダ2内の排水通路45に臨んで開口する。
【0034】
図5は図4のV−V線に沿うシリンダヘッド18のシリンダヘッドカバー36との合せ面を示す図である。図4および図5に示すように、シリンダヘッド18内のカムハウジング33内には複数個の軸受70が設けられ、詳細には図示しないが、これらの軸受70とベアリングキャップ(図示せず)とによって吸気用カムシャフト34および排気用カムシャフト35が軸支される。
【0035】
また、カムハウジング33下部にはシリンダヘッド18と同時に一体加工されるロアーカムハウジング37がシリンダヘッド18とは別体に設けられる。そして、このロアーカムハウジング37の下面も、組み付けられた状態のシリンダヘッド18、シリンダブロック19およびクランクケース20の下面と同一の平面を有することによりエンジンホルダ2とのシール機能を備える。
【0036】
図6は図5のVI−VI線に沿う断面図であり、図7は、図5のVII−VII線に沿う断面図である。また、図8は図4のVIII−VIII線に沿う断面図であり、図9は、図8のIX−IX線に沿う断面図である。さらに、図10はシリンダヘッドカバー36のシリンダヘッド18との合せ面を示す図であり、図11は図10のXI矢視図である。そして、図12はシリンダヘッドカバー36をシリンダヘッド18に取り付ける状態を示す斜視図である。
【0037】
図5〜図12に示すように、各シリンダヘッド18の後部に形成され、内部に吸気用カムシャフト34および排気用カムシャフト35を収納するカムハウジング33はシリンダヘッドカバー36によって覆われる。また、カムハウジング33下部にシリンダヘッド18とは別体に設けられるロアーカムハウジング37は外部に露出して形成され、そのシリンダヘッド18との合せ面にベアリングキャップとして機能するカムシャフト34,35の軸受71が形成される。
【0038】
ところで、本実施形態に用いられるエンジン3は、吸・排気バルブ31,32の少なくとも一方の、本実施形態においては吸気バルブ31の開閉タイミングをエンジン3の回転数に応じて変化させることにより高性能を得る可変バルブタイミング機構72(以下、VVTと略する)を備えており、図4および図8に示すように、両方の吸気用カムシャフト34の下端にVVT72が設けられる。
【0039】
VVT72は、図4に示すように、例えばエンジンの下面に設けられて一方の排気用カムシャフト35によって駆動されるオイルポンプ73から圧送される作動油によって駆動されるものであり、この作動油は油圧回路であるオイルコントロールバルブ(以下、OCV74と略する)によって制御される。
【0040】
OCV74は、図8に示すように、吸気用カムシャフト34と平行に配置され、図5〜図9に示すように、ロアーカムハウジング37の一側に一体に形成された取付座75に固定される。なお、詳細には図示しないが、OCV74は吸気用カムシャフト34と直交させて配置してもよい。
【0041】
OCV74の取付座75には作動油のオイル回路76が一体に形成されると共に、ロアーカムハウジング37をシリンダヘッド18に固定する際に用いられる固定用ボルト77のボルト座面78も一体に形成され、このボルト座面78はOCV74によってシールされる。なお、ロアーカムハウジング37の他側には通常形状のボルト座面79が一体に形成され、このボルト座面79はプラグ80によって塞がれてシールされる。
【0042】
シリンダヘッドカバー36のシリンダヘッド18との合せ面のうち、上部と左右両側部は平面で接合されるヘッドフランジ面81に形成される。また、シリンダヘッドカバー36の下部はロアーカムハウジング37の上縁に台形形状に曲成された立体シール部82にオーバーラップするよう、台形形状に曲成された立体シール面83に形成される。
【0043】
図10に示すように、シリンダヘッドカバー36のシリンダヘッド18およびロアーカムハウジング37との合せ面、すなわちヘッドフランジ面81および立体シール面83には周溝84が形成され、この周溝84に図示しないシール部材が装着される。
【0044】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0045】
カムシャフトの一端、本実施形態においては吸気用カムシャフト34の下端にVVT72を設け、シリンダヘッド18のVVT72が設けられた側、本実施形態においては下側にロアーカムハウジング37を外部に露出させて設け、このロアーカムハウジング37にOCV74を設けたことにより、VVT72とOCV74との距離が短くなって作動油のオイル回路76が簡素化、且つ短縮化される。また、ロアーカムハウジング37にシリンダヘッドカバー36の機能を持たせると共に、OCV74をシリンダヘッドカバー36内に収納しないので、シリンダヘッドカバー36を小型化することができる。
【0046】
ところで、ロアーカムハウジング37をシリンダヘッド18に固定する際、ボルト77が用いられるが、ロアーカムハウジング37は外部に露出しているため、通常のボルト締め付け方法では吸気用カムシャフト34を潤滑する高圧の潤滑オイルがボルト穴から洩れる虞がある。そこで、ロアーカムハウジング37に形成されるOCV74固定用の取付座75に作動油のオイル回路76とロアーカムハウジング37固定用ボルト77のボルト座面78とを一体に形成し、このボルト座面78をOCV74によってシールするように構成すれば、ロアーカムハウジング37固定用ボルト77専用のシール構造が不要になる。
【0047】
また、シリンダヘッドカバー36の下部とロアーカムハウジング37の上縁とのシール面を立体シール面としたことにより、ヘッドフランジ面では複雑であった加工が不要となる。
【0048】
さらに、シリンダヘッド18と同時に一体加工されるロアーカムハウジング37にエンジンホルダ2とのシール機能を持たせたことにより、シリンダヘッド18、エンジンホルダ2およびシリンダヘッドカバー36から成る三面シール構造が無くなって、エンジン3とエンジンホルダ2とのシール性が向上する。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る船外機のエンジン構造によれば、VVTとOCVとの距離が短くなって作動油のオイル回路が簡素化、且つ短縮化されると共に、シリンダヘッドカバーの小型化が可能になる。
【0050】
また、カムハウジング固定用ボルト専用のシール構造が不要になる。さらに、エンジン各部のシール性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る船外機のエンジン構造の一実施形態を示す船外機の左側面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】図4のV−V線に沿うシリンダヘッドのシリンダヘッドカバーとの合せ面を示す図。
【図6】図5VI−VI線に沿う断面図。
【図7】図5のVII−VII線に沿う断面図。
【図8】図4のVIII−VIII線に沿う断面図。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図。
【図10】シリンダヘッドカバーのシリンダヘッドとの合せ面を示す図。
【図11】図10のXI矢視図。
【図12】シリンダヘッドカバーをシリンダヘッドに取り付ける状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 船外機
2 エンジンホルダ
3 エンジン
18 シリンダヘッド
19 シリンダブロック
20 クランクケース
31 吸気バルブ
32 排気バルブ
33 カムハウジング
34 吸気用カムシャフト
35 排気用カムシャフト
36 シリンダヘッドカバー
37 ロアーカムハウジング
72 VVT(可変バルブタイミング機構)
74 OCV(オイルコントロールバルブ)
75 OCV固定用の取付座
77 カムハウジング固定用ボルト
78,79 ボルト座面
82 立体シール部
83 立体シール面
Claims (4)
- シリンダヘッド、シリンダブロックおよびクランクケース等を組み合わせて構成され、上記シリンダヘッドと一体加工されたカムハウジング内に吸・排気バルブ開閉用のカムシャフトを備えた船外機のエンジン構造において、上記カムシャフトの一端に可変バルブタイミング機構を設け、上記シリンダヘッドの可変バルブタイミング機構が設けられた側に上記カムハウジングを外部に露出させて設けると共に、このカムハウジングに上記可変バルブタイミング機構を制御するオイルコントロールバルブを設けたことを特徴とする船外機のエンジン構造。
- 上記カムハウジングに上記オイルコントロールバルブ固定用の取付座を形成すると共に、この取付座に上記カムハウジング固定用ボルトのボルト座面を一体に形成し、このボルト座面を上記オイルコントロールバルブによってシールするように構成した請求項1記載の船外機のエンジン構造。
- 上記シリンダヘッドと一体加工されたカムハウジングと上記オイルコントロールバルブが固定されるカムハウジングとを別体に形成し、上記シリンダヘッドと一体加工されたカムハウジングをシリンダヘッドカバーで覆う一方、このシリンダヘッドカバーの一部を、上記オイルコントロールバルブが固定されるカムハウジングの縁部に曲成される立体シール部にオーバーラップするよう、立体シール面に形成した請求項1または2記載の船外機のエンジン構造。
- 上記エンジンはエンジンホルダ上に載置されると共に、上記シリンダヘッドと同時に一体加工される上記カムハウジングに上記エンジンホルダとのシール機能を持たせた請求項1、2または3記載の船外機のエンジン構造。
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