JP4150884B2 - アロイの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマーアロイを効率良く生産する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より2種以上のポリマーを混合して、単独で用いる場合よりもより良い性質を示す高分子材料を得ることが行なわれており、ポリマーアロイとして各種用途に使用されている。例えば、ニトリルゴム(以下、NBRと略す)を主体としてこれに塩化ビニル樹脂(以下、PVCと略す)を混合することによってNBRの耐オゾン性、耐屈曲亀裂性、耐油性、耐磨耗性、加工性などを改良することがなされており、ポリブレンドNBRとして広く知られている。この場合、PVCとNBRとの混合は、双方のラテックスのブレンドにより製造するラテックスブレンド方式と、ロールや密閉式混合機で機械的にブレンドするドライブレンド方式があるが、一般にラテックスブレンド方式の方がPVCが均一に分散し、NBRの耐候性の改良効果が安定している。
【0003】
ラテックスブレンド方式により、ポリブレンドNBRを生産するには、α,β―エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体(A)のラテックスと塩化ビニル重合体(B)のラテックスとをラテックスタンク内で混合し、無機塩の水溶液などの凝固剤を入れた凝固タンクに、攪拌下、ラテックスタンク内のラテックスを徐々に移送し、凝固させる。次いでこの凝固操作で得られた重合体クラムを、たとえば遠心脱水機やスクイザーなどの脱水装置に導入して脱水した後、バンド乾燥機または押し出し乾燥機などの乾燥装置に導入して乾燥することが行なわれている。
【0004】
また、上記ラテックスブレンド方式の別法として、乳化重合で得られた塩化ビニル重合体ラテックスの代わりに、懸濁重合で得られた塩化ビニル重合体スラリーを用いたり固体の塩化ビニル重合体を粉砕して水でスラリー状態にしたものを用いることも行なわれている。
【0005】
しかしながら、重合体ラテックス混合物から重合体を回収するために、上記脱水・乾燥装置を利用したのでは、工程数が多くなるほか、凝固タンク及び付帯設備の装置コストが高くなり、しかも設置スペースが増大する問題がある。また、上記脱水・乾燥装置を利用して得られる一般的なポリブレンドNBR製品においては、共重合体(A)と重合体(B)の均一分散が不十分な傾向があり、バンバリ−等で熱処理を行なわないと、ポリブレンド本来の耐オゾン性、耐油性の向上効果が望めないという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決し、均一分散性に優れたポリマーアロイを効率良く生産する方法及びそのための装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねたところ、乳化重合で得られた重合体のラテックスと、他の重合体のスラリー又はラテックスを特定の押出機に供給して、凝固、脱水および乾燥を連続的に行なうことにより、均一分散性に優れたポリマーアロイが高収率かつ高生産性で得られることを見出し、この知見に基いて本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明に係るポリマーアロイの製造方法は、乳化重合で得られた重合体のラテックスと、他の重合体のスラリー又はラテックスを押出機に供給して、凝固、脱水および乾燥を連続的に行なうことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るポリマーアロイの製造方法は、前記乳化重合で得られた重合体のラテックスがα,β―エチレン性不飽和ニトリル―共役ジエン系共重合体(A)であり、前記他の重合体のスラリー又はラテックスが塩化ビニル重合体(B)のスラリー又はラテックスである場合に好適に適用出来る。
【0010】
さらに、前記押出機が、バレルの内部にスクリューを回転駆動自在に配置した凝固ゾーンを少なくとも有し、該凝固ゾーンに対応する領域に形成された凝固用スクリューブロックの軸方向の長さをL1(mm)とし、その谷の数をn(個)とし、前記スクリューの外径をD(mm)としたときに、H=L1/(D×n)で求められる前記凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hが0.5以下であることが好ましい。
【0011】
また、前記凝固用スクリューブロック長さの10〜60%がニーディングディスクで構成されているスクリューを用いることが好ましい。
【0012】
そして、二軸噛合型で同方向回転型のスクリューを用いることが好ましい。
【0013】
また、本発明のポリマーアロイは、上記いずれかのポリマーアロイ製造方法により製造されたものである。
【0014】
また、本発明の重合体の回収装置は、
乳化重合で得られた重合体のラテックスと、他の重合体のスラリー又はラテックスからポリマーアロイを回収する装置であって、
少なくとも凝固ゾーンが形成されたバレルと、該バレルの内部に回転駆動自在に配置されたスクリューとを有する押出機で構成してあり、
前記スクリューが、前記凝固ゾーンに対応する領域に形成された凝固用スクリューブロックを有し、
該凝固用スクリューブロックの長さをL1(mm)とし、その谷の数をn(個)とし、その外径をD(mm)としたときに、H=L1/(D×n)で求められる前記凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hが0.5以下であることを特徴とする重合体の回収装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明のポリマーアロイ製造方法は、通常、乳化重合で得られた重合体のラテックスと、他の重合体のスラリー又はラテックスに適用されるが、α,β―エチレン性不飽和ニトリル―共役ジエン系共重合体(A)のラテックスと塩化ビニル重合体(B)のスラリー又はラテックスに好適に適用される。α,β―エチレン性不飽和ニトリル―共役ジエン系共重合体(A)は、α,β―エチレン性不飽和ニトリル単量体、共役ジエン単量体及びこれと共重合可能な他の単量体を乳化重合法によって重合して得られた重合体であり、結合ニトリル量は10〜80重量%、好ましくは20〜50重量%である。また、上記α,β―エチレン性不飽和ニトリル―共役ジエン系共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、通常2.3〜7.0、好ましくは2.7〜6であり、ムーニー粘度は通常10〜150、好ましくは20〜120である。
【0016】
α,β―不飽和ニトリル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α―クロロアクリロニトリルなどが挙げられる。共役ジエン単量体としては、1,3―ブタジエン、2,3―ジメチルブタジエン、イソプレン、1,3―ペンタジエンなどが挙げられる。前記共役ジエン単量体は、通常全単量体中に20〜90重量%の範囲で使用することが出来る。
【0017】
また、本発明によって得られる効果が損なわれない範囲で、これらの単量体以外に全単量体の一部を必要に応じて他の共重合可能な単量体で置き換えることも可能である。他の共重合可能な単量体としては、スチレン、α―メチルスチレン、ビニルピリジンなどのビニル系単量体;ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4―ヘキサジエンなどの非共役ジエン系単量体;(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの不飽和カルボン酸エステル系単量体;さらにポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどの単量体が挙げられる。これらは通常全単量体中に40重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で使用することが出来る。
【0018】
共重合体(A)の生産に用いられる乳化剤は、従来公知のものが使用可能であり、特に制限されない。例えば、アニオン型(高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族カルボン酸エステルのスルホン酸塩など)、ノニオン型(ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型など)および両性型界面活性剤(アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸塩、リン酸エステル塩を、又カチオン部分としてアミン塩、第4級アンモニウム塩を構成する)などが挙げられる。乳化剤の使用量は特に限定されないが、通常は、単量体100重量部当たり、0.05〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。
【0019】
共重合体(A)の生産に用いられる重合開始剤としては従来公知のラジカル重合開始剤がいずれも使用でき、特に制限されない。例えば、過酸化水素もしくは過硫酸カリウムなどの無機過酸化物、又はクメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドもしくはパラメンタンハイドロパーオキサイドのような有機過酸化物と、二価鉄塩又はテトラエチレンペンタアミンなどの還元剤を組み合わせたレドックス系触媒などが挙げられる。
【0020】
共重合体(A)の生産に用いられる分子量調節剤としては従来公知の分子量調節剤がいずれも使用でき、特に制限されない。例えば2,4,4―トリメチルペンタン―2―チオール、ドデカン―1,2―チオール、2,2,6,6―テトラメチルヘプタン―4―メタンチオール、2,4,6―トリメチルノナン―4―チオールなどのアルキルチオール化合物類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2―エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α―テルピネン、γ―テルピネン、ジペンテン、α―メチルスチレンダイマー(2,4―ジフェニル―4―メチル―1―ペンテンが50重量%以上のものが好ましい)、2,5―ジヒドロフラン、1,2―ブタジエン、1,4―ヘキサジエンなどを挙げることが出来る。
【0021】
共重合体(A)の生産において乳化重合は、回分式、半回分式、連続式のいずれでも良いが回分式が好ましい。回分式の乳化重合としては、たとえば攪拌機を備えた乳化重合槽に脱イオン水、単量体混合物、乳化剤を投入して混合し、次いで重合開始剤、助触媒および分子量調節剤を加えて乳化重合を行なう。重合は通常0〜70℃、好ましくは5〜50℃の温度範囲で行なわれる。
【0022】
共重合体(A)の生産においては、乳化重合反応が所定の転化率に達した時にヒドロキシルアミンなどの重合停止剤を加えて重合を停止する。次いで、残存単量体を加熱、水蒸気蒸留などによって除去して共重合体(A)のラテックスを得る。
【0023】
本発明において塩化ビニル重合体(B)は、塩化ビニル単量体を公知の方法で重合して得ることができる。重合方式は、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合などが挙げられるが、重合後の反応液を直接使用することが出来ることから懸濁重合又は乳化重合が好ましく、乳化剤残留量が少なくて済むことから懸濁重合が特に好ましい。なお、本発明においては、固体状の重合体(B)を必要に応じて粉砕等の処理を施した後、水と混合してスラリー状態にして使用することも可能である。
【0024】
重合体(B)を懸濁重合で生産するには、予め脱気した重合器に塩化ビニル単量体、水、分散剤、及び重合開始剤を仕込んだ後、重合器の内容物を攪拌下に所定の重合温度に昇温して重合を行なう。
【0025】
重合体(B)を懸濁重合で生産するのに用いられる懸濁剤、界面活性剤等の分散剤としては、通常塩化ビニルの懸濁重合に用いられる部分ケン化ポリ酢酸ビニル、メチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピルセルローズ、ヒドロキシプロピルメチルセルローズ等の水溶性セルローズエーテル;アクリル酸重合体、ゼラチン等の水溶性ポリマー類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、グリセリンモノステアレート、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロックコポリマー等の油溶性乳化剤類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤類が例示され、これらの1種または2種以上の組合せで用いられる。
【0026】
重合体(B)を懸濁重合で生産するのに用いられる重合開始剤は、ジ―2―エチルヘキシルパ―オキシジカーボネート、ジ―(2―エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート系の開始剤;3,5,5―トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド系の開始剤、2,2´―アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物系の開始剤;及び2,4,4―トリメチルペンチルパーオキシ―2―ネオデカノエート、(α,α´―ビス―デカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ターシャリブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリヘキシルパーオキシピバレート等のパーエステル系の開始剤等が例示される。これらの開始剤は必要に応じて、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
【0027】
重合体(B)を懸濁重合で生産するには、必要に応じてメルカプトアルカノール、チオグリコール酸アルキルエステル等の連鎖移動剤、ポリリン酸ソーダ等のpH調節剤を添加することが出来る。
【0028】
重合体(B)を懸濁重合で生産するには、水と塩化ビニル系単量体との重量比は、一般に1:1〜2:1程度で行なわれる。また、重合は通常30〜80℃の温度で行なわれ、重合反応終了後、未反応モノマーを減圧回収し、本発明で用いるスラリー状の塩化ビニル重合体を得る。
【0029】
重合体(B)を乳化重合で生産するには、予め脱気した重合器に塩化ビニル単量体、水、乳化剤、及び重合開始剤を仕込んだ後、重合器の内容物を攪拌下に所定の重合温度に昇温して重合を行なう。
【0030】
重合体(B)を乳化重合で生産するのに用いられる乳化剤としては、例えばラウリル硫酸エステルナトリウム、ミリスチル硫酸エステルナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸エステル塩類;ステアリン酸カリウムなどの脂肪酸塩類;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類などの陰イオン界面活性剤が乳化剤として使用される。乳化剤使用量は、通常単量体100重量部当たり、0.05〜5重量部、好ましくは0.2〜4.0重量部の範囲で適宜選択することができる。0.05重量部未満では安定なラテックスが得られないし、5重量部を越えて用いると余剰となってラテックス移送時や排水処理時の発泡トラブルや熱安定性等の樹脂の品質上の問題を惹起する。
【0031】
重合体(B)を乳化重合で生産するのに用いられる重合触媒としては、過硫酸塩、過酸化水素などの水溶性無機過酸化物又はクメンハイドロパーオキサイドなどの水溶性有機過酸化物が用いられる。過硫酸塩としては過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等が好適に用いられる。重合触媒の使用量は、通常単量体100重量部当り0.005〜1重量部である。また、重合速度を速めるために、還元剤として第一鉄塩、チオ硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウムなどを上記重合触媒と併用したレドックス重合方法を用いることも出来る。
【0032】
重合体(B)を乳化重合で生産するには、回分式、半回分式、連続式のいずれでも良いが回分式が好ましい。回分式の乳化重合としては、たとえば攪拌機を備えた乳化重合槽に脱イオン水、単量体混合物、乳化剤を投入して混合し、次いで重合触媒を加えて乳化重合を行なう。重合は通常5〜80℃の温度範囲で行なわれる。
【0033】
重合体(B)を乳化重合で生産するには、乳化重合反応が所定の転化率に達した時にヒドロキシルアミンなどを加えて重合を停止する。次いで、残存単量体を加熱、水蒸気蒸留などによって除去して塩化ビニル重合体ラテックスを得る。
【0034】
本発明においては、共重合体(A)のラテックスと、重合体(B)のスラリーまたはラテックスとをスクリュー押出機型の脱水・乾燥装置に供給して凝固、脱水、洗浄及び乾燥を連続的に行う。共重合体(A)のラテックスと、重合体(B)のスラリーまたはラテックスは、それぞれをスクリュー押出機型の脱水・乾燥装置に直接供給しても良く、別途設置した混合タンクで混合後供給しても良い。押出機に供給する重合体の固形分濃度は、通常5〜50重量%程度、好ましくは10〜40重量%程度である。
【0035】
本発明における共重合体(A)と重合体(B)からなるポリマーアロイは、重合体(B)を10〜60重量%含有することが好ましい。
【0036】
本発明に使用する押出機の具体例を図1〜図4に示す。
本発明に係わる重合体の回収装置は、共重合体(A)のラテックスと、重合体(B)のスラリーまたはラテックスから重合体を回収する装置であって、少なくとも凝固ゾーンが形成されたバレルと、該バレルの内部に回転駆動自在に配置されたスクリューとを有する押出機で構成してあり、前記スクリューが、前記凝固ゾーンに対応する領域に形成された凝固用スクリューブロックを有し、該凝固用スクリューブロックの軸方向の長さをL1(mm)とし、その谷の数をn(個)とし、前記スクリューの外形をD(mm)とした時に、H=L1/(D×n)で求められる前記凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hが0.5以下であることを特徴とする。
【0037】
凝固用スクリューブロックの軸方向の長さL1とスクリューの外径Dとの比(L1/D)が12以下であるスクリューを用いることが好ましく、8以下であるスクリューを用いることが特に好ましい。
【0038】
スクリューの軸方向の長さをL(mm)とした時に、該長さLと外径Dとの比(L/D)が60以下であるスクリューを用いることが好ましく、48以下であるスクリューを用いることが押出機設置スペースが小さく出来、かつ消費電力が少なくて済むため特に好ましい。
【0039】
凝固用スクリューブロック長さの10〜60%がニーディングディスクで構成されているスクリューを用いることが、重合体の凝固をより促進でき、回収された重合体に含まれる凝固剤残留量を低減出来るため、好ましい。
【0040】
バレルの内部に形成された凝固ゾーンの下流側には、排水ゾーンが設けてあることが好ましく、該排水ゾーンの下流側には、洗浄ゾーン、脱水ゾーンおよび乾燥ゾーンが順次設けてあることが特に好ましい。この場合、凝固ゾーンと、脱水ゾーンおよび乾燥ゾーンとは、離間して配置された複数のバレル(複数の装置)の内部にそれぞれ形成してあり、複数のバレル同士がたとえばコンベアなどを介して接続してあってもよい。しかしながら、設置スペースを削減する観点からは、凝固ゾーン、脱水ゾーンおよび乾燥ゾーンが単一のバレル(単一の装置)の内部に形成してあることが好ましい。なお、バレルは、通常、複数のバレルブロックで構成される。
【0041】
また、バレルの内部に形成された凝固ゾーンの下流側であって、洗浄ゾーンの前に、排水ゾーンを設けることにより、凝固ゾーンで得られた高濃度の凝固剤(残留凝固剤)を含むクラムスラリーから、前記凝固剤の大部分を効率的に除去出来る。その結果、その後の洗浄ゾーンで残留する低濃度の凝固剤を確実に除去でき、ひいては脱水ゾーン、乾燥ゾーンを経て最終的に回収される重合体に含まれる凝固剤残留量を確実に少なくすることができる。一般に凝固剤残留量は1000ppm以下が好ましい。1000ppmを越える凝固剤が回収された重合体に残留していると、製品の加硫物性及び腐食性が悪化する。また、本発明においては、回転数、洗浄水量等の運転条件を変化させることにより、重合体に残留する凝固剤の量を所望の値にコントロールすることも可能である。
【0042】
さらに、スクリューを二軸噛合型とし、しかも同方向回転型とすることで、セルフクリーニング性を付与でき、従来の凝固タンクにより重合体の凝固を行う凝固タンク方式と比較して、長期連続運転を実現することも出来る。
【0043】
以下、本発明で使用する押出機を図面に基づいて説明する。
【0044】
図1は本発明で使用する押出機の一実施形態を示す概略図、図2は図1の押出機の内部に配置されるスクリューを示す概略図、図3は図1のIII―III線と図2のIII―III線に沿う断面図、図4は図2のスクリューの凝固用スクリューブロックを説明するための一部破断概略図である。
【0045】
図1に示すように、本発明で使用する押出機2は、分割された12個のバレルブロック41〜52で構成される単一のバレル4を有する。バレルの内部には、本実施形態では凝固ゾーン100、排水ゾーン102、洗浄ゾーン104、脱水ゾーン106、および乾燥ゾーン108が、バレル4の上流側から下流側にかけて順次形成されている。また、以下の説明において、ラテックス混合物とは、共重合体(A)のラテックスと、重合体(B)のスラリーまたはラテックスとの混合物をいう。なお、共重合体(A)のラテックスと、重合体(B)のスラリーまたはラテックスとの混合は、予め混合したものを押出機2に供給してもよく、別々に押出機2に供給して凝固ゾーンで混合しても良い。
【0046】
凝固ゾーン100は、ラテックス混合物と凝固剤を接触させて重合体を凝固させ、クラム状の重合体のスラリー液(クラムスラリー)を形成する領域である。排水ゾーン102は、重合体の凝固後に生じる液体(セラム水)をクラムスラリーから分離し排出して含水状態のクラムを形成する領域である。洗浄ゾーン104は、前記含水状態のクラムを洗浄する領域である。脱水ゾーン106は、洗浄後のクラムから洗浄水を脱水して排出する領域である。乾燥ゾーン108は、脱水後のクラムを乾燥させる領域である。
【0047】
本実施形態では、バレルブロック41,42の内部が凝固ゾーン100に対応し、バレルブロック43の内部が排水ゾーン102に対応し、バレルブロック44〜47の内部が洗浄ゾーン104に対応し、バレルブロック48,49の内部が脱水ゾーン106に対応し、バレルブロック50〜52の内部が乾燥ゾーン108に対応する。なお、各バレルブロックの設置数は、本実施形態の態様に限定されるものではない。
【0048】
凝固ゾーン100の一部を構成するバレルブロック41には、共重合体(A)のラテックス、重合体(B)のスラリーまたはラテックスと凝固剤を受け入れるフィード口412が形成されている。排水ゾーン102を構成するバレルブロック43には凝固後の重合体の水スラリーから分離されたセラム水を排出する排出スリット432が形成されている。洗浄ゾーン104の一部を構成するバレルブロック44には、洗浄水を受け入れる洗浄水フィード口442が形成されており、バレルブロック47には洗浄排水を外部へ排出する排水スリット472が形成されている。脱水ゾーン106の一部を構成するバレルブロック49には洗浄後のクラムから除かれた脱水排水を外部へ排出する脱水スリット492が形成されている。乾燥ゾーン108の一部を構成するバレルブロック51には、脱気のためのベント口512が形成されている。
【0049】
バレル4の内部には、図2に示すようなスクリュー7が配置されている。スクリュー7の基端には、これを駆動するモータなどの駆動手段が接続されており、これによりスクリュー7は回転駆動自在に保持される。スクリュー7の形状は、特に限定されないが、好ましくは多種のスクリュー構成を持つスクリューブロックとニーディングディスクとを適宜組み合わせて構成することが出来る。
【0050】
本実施形態では、スクリュー7は、バレル4の内部に形成された上述した各ゾーン100〜108に対応する領域に形成される各スクリューブロックを有する。各スクリューブロックの構成は次の通りである。
【0051】
図2および図3に示すように、本実施形態では、凝固用スクリューブロックの軸方向の長さをL1(mm)とし、その谷7B(図4参照)の数をn(個)とし、スクリュー7の外径をD(mm)としたときに、H=L1/(D×n)で求められる凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hが、好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.4以下、さらに好ましくは0.35以下である。このピッチ指数Hが0.5より大きいと、供給する重合体の性状によって凝固が不十分となり、未凝固の重合体がラテックスのまま排水スリットから排出されるため、回収率が低下する場合がある。
【0052】
凝固用スクリューブロックの谷の数は、該凝固用スクリューブロックを上から見てカウントしていけばよい。ニーディングディスク8(詳細は後述する)の谷の数をカウントする際には、位相をずらした板同士の間もカウントすることとする(図4参照)。
【0053】
本実施形態では、凝固ゾーン100に対応する領域に形成される凝固用スクリューブロックには、特に凝固を促進させる観点からニーディングディスク8を含めてある。
【0054】
ニーディングディスク8は、その断面形状が擬似楕円形、小判形または切頂三角形などの形状と(図3では擬似楕円形)、一定の厚みとを有し、その断面形状の対称軸を所定角度(図3では30度)づつずらしながら、複数枚(図3では6枚)積み重ね、かつスクリュー軸がその断面形状の回転中心軸と対応するように固定されて使用するものである。ここで擬似楕円形とは楕円の長径の両端部を、小判形とは平行条の両端を、また切頂三角形とは正三角形の各頂点を含む部分を、それぞれの図形の回転中心を中心とする円弧でカットした形状を指す。いずれの形状の場合も、バレル4の内壁面4aに各該ディスクの端部が所定(1〜5mm程度の)のクリアランス(間隙)を保持するように設けられる。小判形又は切頂三角形の場合は、各辺を凹形として鼓形又は三角糸巻形としても良い。
【0055】
本実施形態では、凝固用スクリューブロックの軸方向の長さL1に対するニーディングディスク8の占める長さの割合は、好ましくは10〜60%、より好ましくは20〜50%、特に好ましくは30〜40%であり、該ディスク枚数は3〜9枚程度が好適である。凝固用スクリューブロックでのニーディングディスク8の割合が多すぎると、送り量が不足し、少なすぎると凝固が不十分となる。なお、ニーディングディスクの代わりに、3条以上のピッチ間隔の狭いスクリューを用いても本発明は実施出来るが、一般に条数が増加すると、製作が困難になり製作費も高くなるので、ニーディングディスク8を使用することが好適である。
【0056】
排水ゾーン102から乾燥ゾーン108までに対応する領域に形成される排水用スクリューブロック、洗浄用スクリューブロック、脱水用スクリューブロック、乾燥用スクリューブロックは、例えば通常の正送りスクリューで構成すればよい。なお、必要に応じて逆送りスクリューやニーディングディスクを含ませても良い。
【0057】
図3に示すように、本実施形態ではこのようなスクリュー7を2本用いて、軸芯を平行にして互いに噛み合った状態とした二軸押出機としている。すなわち、2本のスクリュー7,7では、一方のスクリュー7の山部7A(図4参照)を他方のスクリュー7の谷部7B(図4参照)に噛み合わせ、一方のスクリュー7の谷部7Bを他方のスクリュー7の山部7Aに噛み合わせる状態とした二軸噛合型である。しかしながら、それ以上の多軸式(3本以上)であってもよく、あるいは単軸式(1本)であってもよい。ただし凝固ゾーン100の混合性の面からは、本実施形態の如き二軸噛合型とすることが好ましい。2本のスクリュー7の回転方向は、同方向でも異方向でもよいが、セルフクリーニングの性能面からは同方向に回転する形式のものが好ましい。
【0058】
なお、本実施形態では、上述したバレルブロック52の下流側には、バレル4内で凝固・脱水・乾燥処理された重合体が所定形状に押し出されて製品化されるダイ6が接続されている。ダイ6には、カッティング機構(図示省略)が取り付けてあり、ダイから押し出されるストランド状の重合体を、適当な大きさに切断し、所定状のペレットとする。カッティング機構としては、押し出されたストランドをホットカット装置により直ちに切断するか、あるいは冷却槽で冷却してカッターで切断する等の機構を採用すればよい。
【0059】
次に、押出機2を用いたポリマーアロイの製造方法を、ポリブレンドNBRを例にとり説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。ブタジエン、α,β―エチレン性不飽和ニトリル単量体及びこれと共重合可能な他の単量体を乳化重合した後、残留単量体を除去して結合ニトリル量10〜80重量%のNBRのラテックスを得る。得られたNBRラテックスと別途製造したスラリー状のPVCを凝固剤とともにフィード口412から凝固ゾーン100に導入する。導入される凝固剤としては、特に限定されず、例えば無機酸類(硫酸、塩酸など)、有機酸類(酢酸など)、無機塩類(塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化バリウムなど)、およびこれらの混合物などが挙げられるが、凝固剤の使用量とともに重合体ラテックスに使用されている乳化剤の種類および量などにより適宜決定すればよい。中でも、凝固剤としては、無機塩類が好ましく、より好ましくは塩化カルシウムである。
【0060】
NBRのラテックスとPVCのスラリーは、予め混合してからフィード口412に供給してもよく、それぞれ別々にフィード口412に供給しても良い。
【0061】
凝固剤は、必ずしもフィード口412から凝固ゾーン100に直接供給される必要はなく、NBRのラテックスまたはPVCのスラリーと予め混合した後に供給しても良い。
【0062】
凝固ゾーン100に導入されたNBRのラテックス、PVCのスラリー及び凝固剤は、スクリュー7の回転により接触させられ、NBRは凝固するとともにPVCと均一に混合されて直径約5〜30mm程度のクラムとなって水中に懸濁し、クラム濃度が20重量%程度のスラリー液(クラムスラリー)を形成する。この凝固ゾーンにおいて、スクリューの回転により激しく混合されるため、従来の凝固タンク方式に比べて、NBRとPVCがより均一に分散したポリブレンドNBRのクラムのスラリーが得られる。このクラムスラリーには、凝固剤(残留凝固剤)が0.4重量%程度以上の高濃度で含有される。なお、PVCのスラリーの代わりに、PVCのラテックスが使用される場合には、凝固ゾーン100内において、NBRとPVCの凝固と混合が同時に行なわれる。
【0063】
凝固ゾーン100で形成されたクラムスラリーは、スクリュー7の回転により排水ゾーン102に送られる。排水ゾーン102では、バレルブロック43に設けられたスリット432から前記クラムスラリーに含まれる高濃度の凝固剤をセラム水として排出させ、凝固剤濃度が0.15重量%程度以下に低減され、6〜31重量%程度の水分を含有する含水状態のクラムが得られる。
【0064】
排水ゾーン102で得られた含水状態のクラムは、スクリュー7の回転により洗浄ゾーン104に送られる。洗浄ゾーン104では、バレルブロック44に設けられた洗浄水フィード口442から内部に洗浄水が導入され、上記クラムは洗浄され、洗浄済みの排水はバレルブロック47に設けられたスリット472から排出される。そして、凝固剤濃度が0.05重量%程度以下にさらに低減され、5〜30重量%程度の水分を含有するクラムが得られる。
【0065】
洗浄ゾーン104で得られたクラムは、スクリュー7の回転により脱水ゾーン106に送られる。脱水ゾーン106では、バレルブロック49に形成されたスリット492より水分を排出して、水分量が2〜9重量%程度に調整されたクラムが得られる。
【0066】
脱水ゾーン106で得られたクラムは、スクリュー7の回転により乾燥ゾーン108に送られる。乾燥ゾーン108に送られたクラムは、スクリュー7の回転により可塑化混錬されて融体となり、発熱して昇温しながら下流側へ運ばれる。前記融体がバレルブロック51に設けられたベント口512に達すると、圧力が解放されるために、融体中に含まれる水分が分離気化される。この分離気化された水分(蒸気)はベント配管(図示省略)を通じて外部へ排出される。乾燥ゾーン108内部の温度は120〜180℃程度であり、その圧力は1000〜5000KPa程度である。
【0067】
乾燥ゾーン108を通過した水分が分離されたクラムは、スクリュー7により出口側へ送り出され、実質的に水分をほとんど含まない状態(水分含有量は0.5重量%以下)でダイ6に導入され、ここで、たとえばストランド状で排出された後、ペレタイザー(図示省略)に導入されて切断され、適当な長さとされて製品(ペレット)化される。
【0068】
本実施形態に係る押出機2では、該押出機2の内部に配置されるスクリュー7,7の凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hを0.5以下にし、しかも凝固用スクリューブロックの軸方向の長さL1と外径Dとの比(L1/D)を好ましくは12以下とする。このため、スクリュー7の軸方向の長さをL(mm)としたときの該長さLと外径Dとの比(L/D)を60以下と小さくしても、重合体のラテックスから凝固剤残留量の少ない重合体を高収率で回収することができる。特に、凝固用スクリューブロックにニーディングディスク8を所定割合で含ませることにより、重合体の凝固をより促進でき、回収された重合体に含まれる凝固剤残留量をより一層少なくすることが可能である。
【0069】
本実施形態では、スクリュー7,7を二軸噛合型とし、しかも同方向回転型とすることで、セルフクリーニング性を付与でき、従来の凝固タンクにより重合体の凝固を行う凝固タンク方式と比較して、長期連続運転を実現することも出来る。本実施形態では、凝固ゾーン100、脱水ゾーン106および乾燥ゾーン108を単一のバレル4内に形成してあるので、省スペース・省コストの面からも有利である。
【0070】
また、例えば、一般なポリブレンドNBR製品においては、凝固・脱水・乾燥後においてもバンバリー等で熱処理を行なわないと、ポリブレンド本来の耐オゾン性、耐油性の向上効果は望めない。この熱処理は、NBR中に分散しているPVC粒子を150℃〜190℃で数分間加熱・溶解させ、NBR中にナノメーターオーダーで分散・溶解させる工程であるが、本発明によれば、押出機による処理中の温度・滞留時間をコントロールすることにより、前記熱処理工程を省略することも可能である。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得る。
【0072】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってその範囲を限定されるものではない。また、特に記載しない限り、部および%は、重量基準のものである。
【0073】
なお、各測定値は下記のように測定した。
(1) ムーニー粘度
日本工業規格JIS K6383に従い、共重合体約40グラムを用いて100℃で測定した。
(2) 結合ニトリル量
日本工業規格JIS K6384に従い、ケルダール法によって共重合体中の窒素含量を測定し、計算により結合ニトリル量を求めた(単位:%)
【0074】
(重合例1)
重合反応槽に脱イオン水270部、アクリロニトリル45部、ブタジエン55部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部、硫酸鉄0.1部、ソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.1部およびクメンハイドロパーオキサイド0.01部を入れ、さらに分子量調節剤であるドデシルメルカプタン0.57部を加えて均一になるように十分攪拌しながら、10℃に維持し、約8時間後、重合転化率が90%になった時点で、硫酸ヒドロキシルアミン0.1部と水酸化ナトリウム0.1部とを加えて反応を停止させた。次に、水蒸気を吹き込むことにより残留単量体を除去し、NBR(ムーニー粘度=80、結合アクリロニトリル量=42%)のラテックスを得た。
【0075】
(重合例2)
重合反応槽に脱気水170部、塩化ビニル単量体100部、部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.070部、2,4,4―トリメチルペンチル―2―パーオキシネオデカノエート0.060部を入れ、均一になるように十分攪拌しながら、重合器の内温を56℃に昇温し重合を開始した。重合温度を56℃に維持し、約4時間後、重合転化率が85%になった時点で、未反応単量体を除去することにより反応を停止させた。次に、水蒸気を吹き込むことにより残留単量体を加熱・除去し、PVCのスラリーを得た。
【0076】
実施例1
本実施例では、図1に示すように、バレル4内に2本のスクリュー(全長1920mm、外径D=40mm、L/D=48)7,7を平行に設け、これらのスクリュー7,7を同方向に回転駆動させるとともに、一方のスクリュー7の山部7A(図4参照)を他方のスクリュー7の谷部7B(図4参照)に噛み合わせる状態とした、同方向に回転する二軸噛合型のスクリュー押出機2を用いた。
【0077】
スクリュー7は、単一のバレル4の内部に形成された凝固ゾーン100に対応する領域に形成された凝固用スクリューブロックを有しており、本実施例ではこの凝固用スクリューブロックを、4枚のニーディングディスク8と2条のフルフライト組み合わせて構成した。凝固用スクリューブロックの長さの30%はニーディングディスク8で構成されていた。凝固用スクリューブロックの軸方向の長さL1は320mm、その外径Dは40mm、その谷の数は28個であった。したがって、凝固用スクリューブロックのピッチ指数H=L1/(D×n)は0.28であり、(L1/D)は8であった。
【0078】
また、スクリュー7は、単一のバレル4の内部に形成された排水ゾーン102、洗浄ゾーン104、脱水ゾーン106および乾燥ゾーン108にそれぞれ対応する領域に形成された排水用スクリューブロック、洗浄用スクリューブロック、脱水用スクリューブロックおよび乾燥用スクリューブロックを、いずれも2条のフルフライトおよびニーディングディスクで構成した。
【0079】
また、スクリュー7は、単一のバレル4の内部に形成された排水ゾーン102、洗浄ゾーン104、脱水ゾーン106および乾燥ゾーン108にそれぞれ対応する領域に形成された排水用スクリューブロック、洗浄用スクリューブロック、脱水用スクリューブロックおよび乾燥用スクリューブロックを、いずれも2条のフルフライトおよびニーディングディスクで構成した。
【0080】
このような構成の押出機2のフィード口412に、重合例1により得られたNBRのラテックス(固形分22重量%)を300kg/hrのレートで、重合例2により得られたPVCのスラリー(固形分28重量%)を100kg/hrのレートで供給した。その際、凝固剤としての5重量%の塩化カルシウム水溶液を50kg/hrのレートで供給した。そして、洗浄ゾーン104に洗浄水を400kg/hrのレートで供給しながら、スクリュー回転数280rpmで重合体の回収を行なった。
【0081】
その結果、バレルの下流側に接続されたダイ6から、シート状の乾燥した重合体が92.5kg/hrのレートで回収された(回収率98.2%)。回収された重合体の含水率は0.2重量%、残留する凝固剤(無機塩)の量は420ppmであり、製品として満足できる性状であり、PVCとNBRの均一分散性が優れていたためバンバリーによる熱処理を行なわなくても、ポリブレンド本来の耐オゾン性、耐油性の向上効果を示した。また、製品を100kg得るのに要した時間は、65分であった。なお、残留する凝固剤の量は、電位差滴定により測定した。
【0082】
実施例2
凝固用スクリューブロックのニーディングディスク以外の部分のピッチを広げ、谷の数を19個とした。すなわち凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hを0.42とした以外は、実施例1と同様にして重合体の回収を行なった。
【0083】
その結果、バレルの下流側に接続されたダイ6から、シート状の乾燥した重合体が91.2kg/hrのレートで回収された(回収率96.6%)。回収された重合体の含水率は0.4重量%、残留する凝固剤(無機塩)の量は530ppmであり、製品として満足できる性状であり、PVCとNBRの均一分散性が優れていたためバンバリーによる熱処理を行なわなくても、ポリブレンド本来の耐オゾン性、耐油性の向上効果を示した。また、製品を100kg得るのに要した時間は、66分であった。なお、残留する凝固剤の量は、電位差滴定により測定した。
【0084】
比較例1
攪拌機を備えた0.5m3の凝固タンクに、凝固剤としての5重量%の塩化カルシウム水溶液を50kg入れ、攪拌状態にした。次いで、重合例1により得られたNBRのラテックス(固形分22重量%)329kgと重合例2により得られたPVCのスラリー(固形分28重量%)110kgを別途設置した0.5m3の攪拌機付きタンクで混合し、混合物を凝固タンクへ439kg/hrの速度で全量供給し、凝固操作を行なった。(所用時間65分)
【0085】
凝固終了後、生成したクラムを抜き出し、振動スクリーンで水切り及び洗浄を行い、含水率45重量%のクラム183kgを得た。(所用時間40分) この含水クラムを、押出式の脱水・乾燥機に183kg/hrのレート供給し、乾燥した重合体100kgを得た。(所用時間65分、回収率96.5%)。
【0086】
得られた重合体の含水率は0.4重量%、残留する凝固剤(無機塩)の量は600ppmであった。製品を100kg得るのに要した時間は、170分と長時間を要し、かつ、凝固タンク、混合タンク、振動スクリーン、押出式の脱水・乾燥機といった多数の機器の設置が必要で、装置コスト、設置面積ともに増大した。また、製品中のPVCとNBRの均一分散性が不十分で、ポリブレンド本来の耐オゾン性、耐油性の向上効果を出すにはバンバリーにより170℃で熱処理する必要があった。なお、残留する凝固剤の量は、電位差滴定により測定した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に使用する押出機を示す概略図である。
【図2】 図2は図1の押出機の内部に配置されるスクリューを示す概略図である。
【図3】 図3は図1のIII―III線と図2のIII―III線に沿う断面図である。
【図4】 図4は図2のスクリューの凝固用スクリューブロックを説明するための一部破断概略図である。
【符号の説明】
2… 押出機
4… バレル
4a… 内壁面
41〜52… バレルブロック
432,472… 排水スリット
492… 脱水スリット
512… ベント口
6… ダイ
7… スクリュー
7A… 山部
7B… 谷部
8… ニーディングディスク

Claims (4)

  1. 乳化重合で得られたα,β―エチレン性不飽和ニトリル―共役ジエン系共重合体(A)のラテックス、他の重合体のスラリー又はラテックス、および凝固剤を
    バレルの内部にスクリューを回転駆動自在に配置した凝固ゾーン、排水ゾーン及び洗浄ゾーンを有し、
    前記凝固ゾーンの下流側であって、前記洗浄ゾーンの前に前記排水ゾーンを設け、
    前記凝固ゾーンに対応する領域に形成された凝固用スクリューブロックの軸方向の長さをL1(mm)とし、その谷の数をn(個)とし、前記スクリューの外径をD(mm)としたときに、H=L1/(D×n)で求められる前記凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hが0.5以下である押出機に供給して、
    凝固、脱水および乾燥を連続的に行なうことを特徴とするポリマーアロイ製造方法。
  2. 前記他の重合体のスラリー又はラテックスが塩化ビニル重合体(B)のスラリー又はラテックスである請求項1記載のポリマーアロイ製造方法。
  3. 前記凝固用スクリューブロック長さの10〜60%がニーディングディスクで構成されているスクリューを用いる請求項1記載のポリマーアロイ製造方法。
  4. 二軸噛合型で同方向回転型のスクリューを用いる請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーアロイ製造方法。
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