JP2021036007A - 合成ゴムの製造方法 - Google Patents

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孝文 川中
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Tomonori Ogawa
知則 小川
増田 浩文
Hirofumi Masuda
浩文 増田
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Abstract

【課題】押出乾燥機の押出し量を向上させ、合成ゴムの生産性を高め得る合成ゴムの製造方法を実現する。【解決手段】二軸スクリューによる圧縮脱水後のクラムを加熱し残水分を蒸発させて押し出す押出乾燥機を用いる合成ゴムの製造方法であって、各スクリュー59のうち、バレルの圧縮脱水用排水口と残水分蒸発用ベント口との間の途中区間153内に、逆送りスクリュー161とニーディングディスク162を配置するとともに、途中区間153の上流側に隣接する脱水区間152内に、搬送速度が両区間152、153の前後の搬送区間151、154より低下するよう、上流端側及び下流端側とはリード角の相違するスクリューエレメントを配置しておき、圧縮脱水実行時に、スクリューエレメント間のリード角の相違に応じて、脱水区間152での搬送速度を圧縮脱水前後のスクリュー搬送区間151、154に対し低下させる。【選択図】図4

Description

本発明は、合成ゴムの製造方法に関し、特にアクリルゴムの製造に好適な合成ゴムの製造方法に関する。
合成ゴム、例えばアクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とする重合体であり、一般に耐熱性、耐油性及び耐オゾン性に優れたゴムとして知られ、自動車関連の分野などで広く用いられている。
このような合成ゴムは、通常、ゴムを構成する単量体成分を乳化重合し、得られた乳化重合液と凝固剤を接触させ、得られる含水クラムを所定含水量以下に乾燥した後に、製品として出荷される。
従来のこの種の合成ゴムの製造方法としては、例えば含水クラムを所定含水量以下に脱水・乾燥するために、スクリューを有する押出乾燥機を使用するものが特許文献1に開示されている。この製造方法においては、押出乾燥機のスクリューの脱水用スクリューブロック及び乾燥用スクリューブロックを、ピッチの異なる2種類のスクリューエレメント及び3種類のニーディングディスクを組み合わせて構成することで、シリカ含有ゴム組成物中のシリカの分散性を高めるようにしている。
また、二軸押出機を用い、エネルギー効率を高めるとともに押出し量を高めるようにしたものが提案されている。具体的には含水クラムから所定量の水分を絞り出した後に高圧から低圧に押し出し発泡させ乾燥することでスクリュー回転速度(N)に対する押出量(Q)との比(Q/N)1.5が得られている。
国際公開第2005/000957号 特開2002−3523号公報
しかしながら、前述のように補強充填材の分散性を高めるために混練を強化する必要がある場合、更に前述のような従来の合成ゴムの製造方法において脱水及び発泡によりクラムの水分を蒸発させる必要がある場合、スクリュー搬送の押出し量を十分に高めて合成ゴムの生産性を高めることが容易でないという問題があった。
そこで、本発明は、押出乾燥機の押出し量を十分に向上させて、合成ゴムの生産性を高めることができる合成ゴムの製造方法を実現するものである。
本発明の合成ゴムの製造方法は、上記目的達成のため、含水したクラムを、該クラムが供給される押出乾燥機のバレル内で二軸のスクリューの回転により圧縮脱水しつつ、該脱水後のクラムを前記スクリューにより搬送及び混練しつつ加熱し、残水分を蒸発させて所定含水量以下の合成ゴムを押し出す合成ゴムの製造方法であって、前記二軸のスクリューのうち、前記バレルの前記圧縮脱水用の排水口と前記残水分の蒸発用のベント口との間に位置する途中区間内に、逆送りスクリュー及びニーディングディスクを組み合わせて配置するとともに、該途中区間の上流側に隣接する脱水区間内に、スクリュー搬送速度が両区間の前後のスクリュー搬送速度より低下するよう両区間の上流端側及び下流端側の主搬送用スクリューエレメントとはリード角の相違する脱水区間用スクリューエレメントを配置しておき、前記バレルの上流側に前記含水したクラムを供給して前記二軸のスクリューの回転により前記圧縮脱水を実行させる際に、前記主搬送用スクリューエレメントと前記脱水区間用スクリューエレメントとの前記リード角の相違に応じて、前記脱水区間でのスクリュー搬送速度を前記圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させることを特徴とする。
この構成により、本発明では、所要の含水量までの圧縮脱水や蒸発に必要な脱水時間とクラムを圧縮する推力とを確保しつつ、圧縮脱水前後や蒸発前後のクラムをスクリュー搬送する速度を高めることができ、押出乾燥機の押出し量及び回転数に対する押出し量を格段に向上させて、合成ゴムの生産性を高めることができる。
本発明の合成ゴムの製造方法においては、前記二軸のスクリューのうち前記バレルの前記複数のベント口より下流側に位置する複数の下流側の混練区間内に、それぞれ複数のニーディングディスクを配置するとともに、各下流側の混練区間の上流側に隣接する蒸発区間のスクリュー搬送速度が、前記途中区間の下流側に隣接する脱水直後の搬送区間及び前記複数の下流側の混練区間の下流側に隣接する吐出側搬送区間のスクリュー搬送速度より低下するよう、両搬送区間の主搬送用スクリューエレメントとはリード角の相違する蒸発区間用スクリューエレメントを配置しておき、前記二軸のスクリューの回転により前記圧縮脱水を実行させる際に、前記両搬送区間の主搬送用スクリューエレメントと前記蒸発用区間用スクリューエレメントとの前記リード角の相違に応じて、前記蒸発区間でのスクリュー搬送速度を前記残水分の蒸発前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させる構成とすることができる。
この場合、所要の含水量まで残水分を蒸発させるのに必要な時間を確保しつつ蒸発乾燥前後のスクリュー搬送速度を高めることができ、押出乾燥機の押出し量(kg/h)を向上させることができる。
本発明の合成ゴムの製造方法においては、前記排水口として前記上流側に前記スクリュー搬送の方向に離間する第1及び第2の排水口が形成されたバレルと、前記脱水区間として前記バレルの前記第1、第2の排水口に対応する第1及び第2の脱水区間が形成され、両脱水区間の下流側に隣接する第1及び第2の途中区間内にそれぞれ逆送りスクリュー及びニーディングディスクが組み合わせて配置された二軸のスクリューと、を有する押出乾燥機を使用し、前記二軸のスクリューの回転により前記圧縮脱水を実行させる際に、前記主搬送用スクリューエレメントと前記第1及び第2の脱水区間の各脱水区間用スクリューエレメントとの前記リード角の相違に応じて、前記第1及び第2の脱水区間でのそれぞれのスクリュー搬送速度を前記圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させるようにしてもよい。
このようにすると、所要の含水量まで圧縮脱水するのに必要な脱水時間とクラムを圧縮する推力を確保しつつ圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度を高めることができ、押出乾燥機の押出し量(kg/h)を向上させることができる。
本発明の合成ゴムの製造方法においては、前記合成ゴムが、アクリルゴム、特に反応性基を有するアクリルゴムであるとよい。高温での耐油性などが要求される各種ゴム製品に好適な合成ゴムを、効率よく製造できる。
本発明の合成ゴムの製造方法においては、前記押出乾燥機の回転数N(rpm)を10〜1000rpm、好ましくは100〜500rpmとしたときの押出し量Q(kg/hr)との比(Q/N)を、2以上、好ましくは3〜12、より好ましくは4〜8の範囲とするのが好適である。
このようにすることにより、含水したクラムの押出乾燥機における生産効率を格段に高めることができ、合成ゴムのヤケなどを防ぎながら含水クラムの脱水と乾燥を効率よく行うことが可能になる。
本発明の合成ゴムの製造方法においては、前記押出乾燥機の脱水区間の設定温度を100℃±40℃、好ましくは100℃±30℃の範囲内に設定し、且つ前記合成ゴムの100℃における複素粘性率([η]100℃)を1,500〜6,000Pa・s、好ましくは2500〜4000Pa・sの範囲とするのが好適である。このようにすることにより、合成ゴムの脱水及び乾燥の生産性を格段と改善することが可能になる。
本発明の合成ゴムの製造方法においては、前記押出乾燥機に供給される含水したクラムの温度を、40℃以上、好ましくは60℃以上とするのが好適である。このようにすることにより、比熱が大きく押出乾燥機で乾燥しにくいアクリルゴムのような合成ゴムでも確実に所定量の含水量まで脱水及び乾燥が可能になる。これにより、アクリルゴムなどの合成ゴムでも安定的な連続生産が可能になる。
本発明の合成ゴムの製造方法においては、前記押出乾燥機に供給される含水したクラムが、乳化重合した合成ゴムの乳化重合液を凝固させ次いで洗浄したものとすることができる。このようにすることにより、押出乾燥機に供給される含水したクラム(合成ゴム)は灰分を残留するようになり、特にその灰分量を0.001〜1重量%、好ましくは0.005〜0.5重量%の範囲とすることにより、押出乾燥機内で合成ゴムが残留し変質するのを防ぎ且つ脱水及び乾燥を高効率化することが可能となる。また、合成ゴムの灰分量を該範囲とするためには、含水クラムの洗浄を温水で行うことが好ましく、例えば、40℃以上、好ましくは60℃以上の温水にすることが好ましいが、洗浄水を温水にすることは同時に、押出乾燥機に供給にする含水クラムの温度も上記範囲にし押出乾燥機内の脱水及び乾燥効率を格段に向上でき好適である。
本発明は、上記目的達成のため、含水したクラムを、該クラムが供給される押出乾燥機のバレル内で二軸のスクリューの回転により圧縮脱水しつつ、該脱水後のクラムを前記スクリューにより搬送及び混練しつつ加熱し、残水分を蒸発させて所定含水量以下の合成ゴムを押し出す合成ゴムの製造システムであって、前記二軸のスクリューのうち、前記バレルの前記圧縮脱水用の排水口と前記残水分の蒸発用のベント口との間に位置する途中区間内に、逆送りスクリュー及びニーディングディスクを組み合わせて配置するとともに、該途中区間の上流側に隣接する脱水区間内に、スクリュー搬送速度が両区間の前後のスクリュー搬送速度より低下するよう両区間の上流端側及び下流端側の主搬送用スクリューエレメントとはリード角の相違する脱水区間用スクリューエレメントを配置し、前記バレルの上流側に前記含水したクラムを供給して前記二軸のスクリューの回転により前記圧縮脱水を実行させるとき、前記主搬送用スクリューエレメントと前記脱水区間用スクリューエレメントとの前記リード角の相違に応じて、前記脱水区間でのスクリュー搬送速度を前記圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させることを特徴とする合成ゴムの製造システムとして構成することができる。
この構成により、本発明の合成ゴムの製造システムでは、所要の含水量まで圧縮脱水するのに必要な脱水時間とクラムを圧縮する推力とを確保しつつ圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度を高めることができ、押出乾燥機の押出し量及び回転数に対する押出し量を格段に向上させることができる。
本発明によれば、押出乾燥機の押出し量を十分に向上させて、合成ゴムの生産性を高めることができる合成ゴムの製造方法を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る合成ゴム製造システムの概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る合成ゴム製造システムにおけるスクリュー型押出乾燥機の要部概略構成図である。 (a)は図2のスクリュー型押出乾燥機の部分断面図であり、(b)は(a)のB3矢視図である。 図2のスクリュー型押出乾燥機のスクリューの構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る合成ゴム製造方法の概略の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、合成ゴムの製造に用いることができる本発明の実施形態に係る合成ゴム製造システムについて説明する。
本実施形態に係る合成ゴム製造システムは、例えばアクリルゴムの製造に用いることができ、好適には反応性基を有するアクリルゴムの製造に用いることができる。反応性基としては、格別な限定はないが、カルボキシル基、エポキシ基及びハロゲン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性基が好ましく、カルボキシル基、エポキシ基が特に好ましい。アクリルゴム中の反応性基含有量は、通常0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲である。かかる反応性基を有するアクリルゴムは、高温での耐油性を含め様々な架橋物特性に優れる一方、粘着性が強く製造時の脱水及び乾燥性に劣り生産性に劣る欠点も有するが、本発明の合成ゴム製造システムで改善することができる。
本実施形態に係る合成ゴム製造システムは、また、乳化重合で製造されるアクリルゴム、特に乳化重合後に洗浄されアクリルゴム中に残留する灰分量が0.001〜1重量%、特に好ましくは0.005〜0.5重量%であるときに、アクリルゴムの押出乾燥機内での変質を防ぎ且つ製造されるアクリルゴムの保存安定と耐水性が高度にバランスされ好適である。
本実施形態に係る合成ゴム製造システムは、更に、スクリュー型押出乾燥機の脱水区間の設定温度が100℃±40℃の範囲内、好ましくは100℃±20℃の範囲内に調整されるときに脱水及び乾燥が効率的に推進され、用いるアクリルゴムの100℃における複素粘性率([η]100℃)が、1,500〜6,000、好ましくは2,500〜4,000、最も好ましくは2,500〜3,500の範囲にあるときに脱水と乾燥の効率が高度にバランスされ生産性を高度に高められるので好適である。
本実施形態に係る合成ゴム製造システムについて、以下では、上記アクリルゴムを例に説明するが、アクリルゴム以外の他の合成ゴムの製造にも同様に用いることができる。
他の合成ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−イソプレンブロックポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエンブロックポリマー(SBS)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴム、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマーゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴムなどのオレフィン系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。
図1に示すように、本実施形態に係る合成ゴム製造システムは、不図示の乳化重合装置、凝固装置3、洗浄装置4、及びスクリュー型押出乾燥機5を備えている。本実施形態のスクリュー型押出乾燥機5は、本発明の押出乾燥機に対応する。また、後で詳細に説明するが、本発明の実施形態に係る合成ゴムの製造方法は、乳化重合工程、凝固工程、洗浄工程、及び押出乾燥工程を含んでいる。以下、これらの工程で用いられる上記各装置について説明する。
[乳化重合装置]
乳化重合装置(不図示)は、本実施形態に係る合成ゴムの製造方法における乳化重合工程に係る処理に用いられる装置である。具体的には、乳化重合装置は、反応器内でアクリルゴムを形成するための単量体成分に水と乳化剤とを混合して撹拌機で適切に撹拌しながらエマルジョン化し、重合触媒存在下において乳化重合することで乳化重合液を得るようになっている。本実施形態に係る乳化重合装置の反応器は、反応器への原料の投入、反応、生成物の回収を全て同時に行う方式である連続式であるが、回分式や半回分式であってもよい。また、本実施形態に係る乳化重合装置の反応器は、槽型反応器であるが、管型反応器であってもよい。
[凝固装置]
凝固装置3は、本実施形態に係る合成ゴムの製造方法における凝固工程に係る処理に用いられる装置である。具体的には、凝固装置3は、乳化重合装置で得られた乳化重合液を、凝固剤としての凝固液と接触させて凝固させることにより含水クラムを生成するようになっている。図1に示すように、本実施形態に係る凝固装置3は、乳化重合装置で得られた乳化重合液及び凝固液を収容する凝固槽30、凝固槽30内を加熱するとともに所望の温度を維持する加熱装置31、及び凝固槽30内に収容された乳化重合液及び凝固液などを撹拌する撹拌装置34を備えている。
凝固槽30は、例えば閉塞した底部及び円筒状の側壁部により構成されており、乳化重合液及び凝固液を貯留できるようになっている。加熱装置31は、凝固槽30内を加熱する加熱部32、及び凝固槽30内の温度を制御する温度制御部33を備えている。撹拌装置34は、凝固槽30内に配置され所定軸の周囲を回転する部材である撹拌翼35、撹拌翼35を回転させるモータ36、及び撹拌翼35の回転数や回転速度を制御する駆動制御部37を有している。
本実施形態の凝固装置3では、乳化重合液と凝固液との接触は、撹拌している凝固液中に乳化重合液を添加する方法が採用されている。すなわち、凝固装置3の凝固槽30に凝固液を充填しておき、この凝固液に乳化重合液を添加及び接触させて乳化重合液を凝固させることによって含水クラムが生成される。
凝固装置3の加熱装置31は、凝固槽30に充填された凝固液を加熱するよう構成されている。具体的には、加熱装置31は、凝固槽30の外周に設けられた加熱部32としてのジャケットにスチームを送り、スチームと凝固槽30又は凝固槽30内の凝固液とで熱交換することで凝固液を加熱するようになっている。
凝固装置3の温度制御部33は、温度計で計測された凝固槽30内の温度を監視しながら加熱部32による加熱動作を制御することで、凝固槽30内の温度を制御するように構成されている。凝固槽30内の凝固液の温度は、温度制御部33によって、通常40℃以上、好ましくは40〜90℃、より好ましくは50〜80℃の範囲となるよう制御される。
凝固槽30内の液相の温度を設定温度に制御するために、例えば凝固槽30を加熱するスチームの温度及び流量を制御する一方の制御系と、凝固槽30内に供給される温水などの温度を制御する他方の制御系とを併用するカスケード制御方式の液相温度制御系を構成するようにしてもよい。
凝固装置3の撹拌装置34は、凝固槽30に充填された凝固液を撹拌するように構成されている。具体的には、撹拌装置34は、回転動力を生み出すモータ36と、モータ36の回転軸に対して垂直方向に広がる撹拌翼35を備えている。撹拌翼35は、凝固槽30に充填された凝固液内で、モータ36の回転動力により回転軸を中心として回転することで凝固液を流動させるようになっている。撹拌翼35の形状や大きさ、設置数などは所要の撹拌の強さなどを考慮して適宜決定される。
凝固装置3の駆動制御部37は、撹拌装置34のモータ36の回転駆動を制御して、撹拌装置34の撹拌翼35の回転数及び回転速度を所定値に設定するように構成されている。凝固液の撹拌数が、例えば、通常100rpm以上、好ましくは200〜1000rpm、より好ましくは300〜900rpm、特に好ましくは400〜800rpmの範囲となるように、駆動制御部37によって撹拌翼35の回転が制御される。凝固液の周速が、通常0.5m/s以上、好ましくは1m/s以上、より好ましくは1.5m/s以上、特に好ましくは2m/s以上、最も好ましくは2.5m/s以上となるように、駆動制御部37によって撹拌翼35の回転が制御される。さらに、凝固液の周速の上限値が、通常50m/s以下、好ましくは30m/s以下、より好ましくは25m/s以下、最も好ましくは20m/s以下となるように、駆動制御部37によって撹拌翼35の回転が制御される。
凝固装置3は、生成された含水クラムを、温水と共に凝固槽30からオーバーフローさせて凝固槽30外に取り出し、洗浄工程を行う洗浄装置4に供給するようになっている。凝固装置3と洗浄装置4との間には、含水クラムから遊離水を分離することが可能な水切り機39が配置されており、含水クラムが水切り機39を通って洗浄装置4に供給されるようになっている。水切り機39により分離された水は、タンク9aに回収される。タンク9aに貯められた水は、ポンプP3により凝固槽30に送られて再利用される。
[洗浄装置]
洗浄装置4は、本実施形態に係る合成ゴムの製造方法における洗浄工程に係る処理に用いられる装置である。具体的には、洗浄装置4は、凝固装置3で生成した含水クラムを洗浄用水で洗浄するようになっている。図1に示すように、本実施形態に係る洗浄装置4は、凝固装置3で生成された含水クラム及び洗浄用水を収容する洗浄槽40、洗浄槽40内を加熱するとともに所望の温度を維持する加熱装置41、及び洗浄槽40内に収容された含水クラム及び洗浄用水を撹拌する撹拌装置44を備えている。
洗浄槽40は、例えば閉塞した底部及び円筒状の側壁部により構成されており、含水クラム及び洗浄用水を貯留できるようになっている。加熱装置41は、洗浄槽40内を加熱する加熱部42、及び洗浄槽40内の温度を制御する温度制御部43を備えている。撹拌装置44は、洗浄槽40内に配置され所定軸の周囲を回転する部材である撹拌翼45、撹拌翼45を回転させるモータ46、及び撹拌翼45の回転数や回転速度を制御する駆動制御部47を有している。洗浄装置4では、凝固装置3で生成された含水クラムを多量の水と混合して洗浄することにより、最終的に得られるアクリルゴム中の灰分量を効果的に低減することができる。
洗浄装置4の加熱装置41は、洗浄槽40内を加熱するよう構成されている。また、洗浄装置4の温度制御部43は、温度計で計測された洗浄槽40内の温度を監視しながら加熱部42による加熱動作を制御することで、洗浄槽40内の温度を制御するように構成されている。上述したように、洗浄槽40内の洗浄用水の温度は、通常40℃以上、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜90℃、最も好ましくは60〜80℃の範囲となるよう制御される。
洗浄装置4は、洗浄後の含水クラムを、洗浄用水と共に洗浄槽40からオーバーフローさせて洗浄槽40外に取り出し、脱水工程及び乾燥工程を行うスクリュー型押出乾燥機5に供給するようになっている。洗浄装置4とスクリュー型押出乾燥機5との間には、洗浄後の含水クラムから遊離水を分離することが可能な水切り機49が配置されており、含水クラムが水切り機49を通ってスクリュー型押出乾燥機5に供給されるようになっている。本実施形態の水切り機49には、スクリーンが用いられているが、例えば金網、電動篩機などを用いることもできる。水切り機49により分離された遊離水は、タンク9bに回収される。タンク9bに貯められた水は、ポンプP4により凝固槽30に送られて再利用される。
また、洗浄後の含水クラムがスクリュー型押出乾燥機5に供給される際、含水クラムの温度は40℃以上、更には60℃以上であることが好ましい。例えば、洗浄装置4における水洗に用いられる水の温度を40℃以上、好ましくは60℃以上(例えば70℃)とすることで、スクリュー型押出乾燥機5に供給された際の含水クラムの温度を40℃以上、好ましくは60℃以上に維持することができるようにしてもよく、洗浄装置4からスクリュー型押出乾燥機5に搬送する際に含水クラムの温度が40℃以上、好ましくは60℃以上となるよう加温してもよい。これにより、後工程である脱水工程における脱水及び乾燥工程における乾燥を効果的に行うことが可能となり、最終的に得られる乾燥ゴムの含水量を大幅に低減させることが可能となる。
[スクリュー型押出乾燥機]
スクリュー型押出乾燥機5は、本実施形態に係る合成ゴムの製造方法における押出乾燥工程(脱水工程及び乾燥工程)に係る処理に用いられる装置である。具体的には、スクリュー型押出乾燥機5は、洗浄装置4で洗浄した含水クラムを、脱水スリットを用いて脱水し、脱水した含水クラムを乾燥して所定含水量以下の乾燥ゴムを得るようになっている。また、スクリュー型押出乾燥機5は、脱水工程及び乾燥工程により得られる乾燥ゴムを所定の形状に成形して排出するように構成されている。
具体的には、後で図2を参照して説明するように、スクリュー型押出乾燥機5は、洗浄装置4で洗浄された含水クラムを脱水する脱水機としての機能を有する脱水バレル部53と、含水クラムを乾燥する乾燥機としての機能を有する乾燥バレル部54とを備えており、さらにスクリュー型押出乾燥機5の下流側に含水クラムを成形する成形機能を有するダイ部11を備えて構成されている。
なお、本実施形態ではスクリュー型押出乾燥機5が用いられているが、脱水工程に係る処理を行う脱水機として遠心分離機やスクイザーなどを用いてもよく、乾燥工程に係る処理を行う乾燥機として熱風乾燥機、減圧乾燥機、エキスパンダー乾燥機、ニーダー型乾燥機などを用いてもよい。以下では、スクリュー型押出乾燥機を押出乾燥機と称することもある。
以下、図2を参照しながら、本実施形態に係るスクリュー型押出乾燥機5の構成について説明する。
図2に示すように、スクリュー型押出乾燥機5は、バレルユニット51内に一対のスクリュー59、59(図3(a)及び(b)参照)を備えてなる二軸スクリュー型のスクリュー型押出乾燥機である。スクリュー型押出乾燥機5は、バレルユニット51内の一対のスクリュー59、59を回転駆動する駆動ユニット50を有している。駆動ユニット50は、バレルユニット51の上流端に取り付けられている。また、スクリュー型押出乾燥機5は、バレルユニット51の下流端にダイ部11を有している。
バレルユニット51は、上流側から下流側にわたり、供給バレル部52、脱水バレル部53、乾燥バレル部54を有している。
供給バレル部52は、1つの供給バレル52aにより構成されている。
脱水バレル部53は、6個の脱水バレル、すなわち、第1の脱水バレル53a、第2の脱水バレル53b、第3の脱水バレル53c、第4の脱水バレル53d、第5の脱水バレル53e、及び第6の脱水バレル53fにより構成されている。例えば、第1の脱水バレル53a及び第3の脱水バレル53cは、水分を液状で除去し(排水)、第5の脱水バレル53eは、水分を蒸気状で除去する(排蒸気)ようにする設定されている。
乾燥バレル部54は、4個の乾燥バレル、すなわち、第1の乾燥バレル54a、第2の乾燥バレル54b、第3の乾燥バレル54c、及び第4の乾燥バレル54dにより構成されている。
このようにバレルユニット51は、分割された11個の各バレル52a、53a〜53f、54a〜54dが上流側から下流側にわたり連結されて構成されている。
スクリュー型押出乾燥機5は、上記各バレルを個別に加熱して、各バレル内の含水クラムをそれぞれ所定温度に加熱するスチーム式の加熱手段を有している。加熱手段は、各バレルに対応する数を備える。本実施形態の加熱手段は、各バレル内に形成されたスチーム流通ジャケットにスチーム供給手段から高温スチームを供給する構成であるが、これに限定はされない。また、スクリュー型押出乾燥機5は、各バレルに対応する各加熱手段の設定温度を制御する不図示の温度制御手段を有している。
なお、バレルユニット51における各バレル部52、53、54をそれぞれ構成する供給バレル、脱水バレル及び乾燥バレルの設置数は、図2に示す態様に限定されるものではなく、乾燥処理するアクリルゴムの含水クラムの含水量などに応じた数に設定することができる。
例えば、供給バレル部52の供給バレルの設置数は例えば1〜3個とされる。また、脱水バレル部53の脱水バレルの設置数は、例えば2〜10個が好ましく、3〜6個とすると、粘着性のアクリルゴムの含水クラムの脱水を効率よく行うことができるのでより好ましい。また、乾燥バレル部54の乾燥バレルの設置数は、例えば2〜10個が好ましく、3〜8個であるとより好ましい。
バレルユニット51内の一対のスクリュー59、59は、駆動ユニット50に格納されたモータなどの駆動手段によって回転駆動される。一対のスクリュー59、59はバレルユニット51内の上流側から下流側にわたって延在しており、回転駆動されることで、供給バレル部52に供給された含水クラムを混合しながら下流側に搬送することができるようになっている。図3(a)に示すように、一対のスクリュー59、59は、互いに山部59aと谷部59bとが噛み合わされる状態とされた二軸噛合型であり、これにより、含水クラムの脱水効率及び乾燥効率を高めることができる。図3(a)の矢印A3は含水クラムの搬送方向を示す。
図3(b)に示すように、本実施形態の一対のスクリュー59、59は、セルフクリーニングの性能面から同方向(矢印C3の方向)に回転する形式のものであるが、これに限定されず、一対のスクリュー59、59が異方向に回転する形式のものであってもよい。一対のスクリュー59、59のスクリュー形状は、各バレル部52、53、54において要求される圧縮脱水性能などを考慮して適宜決められる。
図2に示す供給バレル部52は、含水クラムをバレルユニット51内に供給する領域である。供給バレル部52の供給バレル52aは、バレルユニット51内に含水クラムを供給するフィード口55を有している。
脱水バレル部53は、含水クラムから、凝固剤などが含まれる液体(セラム水)を分離し排出する領域である。脱水バレル部53を構成する第1の脱水バレル53a、第3の脱水バレル53cは、含水クラムの水分を外部に排出する脱水スリット56a、56bをそれぞれ有する。各脱水スリット56a、56bは、各脱水バレル53a、53cにそれぞれ複数形成されている。また、第5脱水バレル53eは、含水クラムの水分を蒸気として外部に排出するベント口57cを有している。
各脱水スリット56a、56bのスリット幅すなわち目開きは、使用条件に応じて適宜選択されればよく、通常で0.01〜5mmとされ、含水クラムの損出が少なく、且つ含水クラムの脱水が効率的にできる点から、好ましくは0.1〜1.0mmであり、0.2〜0.6mmであればより好ましい。
脱水バレル部53の各脱水バレル53a〜53fにおける含水クラムからの水分の除去は、それぞれの脱水スリットから液状で除去する場合と、蒸気状で除去する場合との二通りがある。本実施形態の脱水バレル部53においては、水分を液状で除去する場合を排水と定義し、蒸気状で除去する場合を排蒸気と定義して区別する。
脱水バレル部53においては、排水及び排蒸気を組み合わせることで、粘着性アクリルゴムの含水量を低下させることが効率よくできるので好適である。脱水バレル部53では、脱水バレル53a〜53fのうち、どの脱水バレルで排水又は排蒸気を行うかは、使用目的に応じて適宜に設定すればよいが、通常製造されるアクリルゴム中の灰分量を少なくする場合は、排水を行う脱水バレルを多くするとよい。本実施形態では、図2に示すように、上流側の第1及び第3の脱水バレル53a、53cで排水を行い、第5の脱水バレル53eで排蒸気を行うようになっている。また、例えば脱水バレル部53が4つの脱水バレルを有する場合には、例えば上流側の3つの脱水バレルで排水を行い、下流側の1つの脱水バレルで排蒸気を行うといった態様が考えられる。一方、含水量を低減する場合には、排蒸気を行う脱水バレルを多くするとよい。
脱水バレル部53の設定温度は、通常100℃±40℃、好ましくは100℃±30℃の範囲内で調整される。脱水バレル部53の具体的な設定温度としては、通常60〜140℃、好ましくは70〜130℃の範囲であり、排水状態で水分を絞り出す脱水バレルの設定温度は、通常60℃〜120℃、好ましくは70〜110℃、より好ましくは80〜100℃であり、排蒸気状態で水分を低減する脱水バレルの設定温度は、通常100〜140℃、好ましくは105〜135℃、より好ましくは110〜130℃の範囲である。
乾燥バレル部54は、脱水後の含水クラムを減圧下で乾燥させる領域である。乾燥バレル部54を構成する第1の乾燥バレル54a、第2の乾燥バレル54b、第3の乾燥バレル54c、及び第4の乾燥バレル54d、は、脱気のためのベント口58a、58b、58c、58dをそれぞれ有している。各ベント口58a、58b、58c、58dには、不図示のベント配管がそれぞれ接続されている。
各ベント配管の末端には不図示の真空ポンプがそれぞれ接続されており、それら真空ポンプの作動により、乾燥バレル部54を構成する乾燥バレル54a〜54d内が所定圧力に減圧されるようになっている。スクリュー型押出乾燥機5は、それら真空ポンプの作動を制御して乾燥バレル部54を構成する乾燥バレル54a〜54d内の減圧度を制御する図示せぬ圧力制御手段を有している。
乾燥バレル部54での減圧度は適宜選択されればよいが、上述したように、通常1〜50kPa、好ましくは2〜30kPa、より好ましくは3〜20kPaに設定される。また、乾燥バレル部54内の設定温度は適宜選択されればよいが、上述したように、通常100〜250℃、好ましくは110〜200℃、より好ましくは120〜180℃に設定される。
乾燥バレル部54を構成する各乾燥バレル54a〜54dにおいては、全ての乾燥バレル54a〜54d内の設定温度を近似した値にしてもよいし、異ならせてもよいが、上流側(脱水バレル部53側)の温度よりも下流側(ダイ部11側)の温度の方を高温に設定すると、乾燥効率が向上するので好ましい。
ダイ部11は、バレルユニット51の下流端に配置される金型であり、所定のノズル形状の吐出口を有する。乾燥バレル部54で乾燥処理されたアクリルゴムは、ダイ部11の吐出口を通過することで、所定のノズル形状に応じた形状に押出成形される。ダイ部11を通過するアクリルゴムは、ダイ部11のノズル形状に応じて、粒状、柱状、丸棒状、シート状など、種々の形状に成形される。本実施形態では、ダイ部11の吐出口を幅広の略長方形状としており、アクリルゴムをシート状に押出成形することができる。スクリュー59とダイ部11との間には、ブレーカープレートや金網を設けてもよい。
本実施形態に係るスクリュー型押出乾燥機5によれば、以下のようにして、原料のアクリルゴムの含水クラムが乾燥した合成ゴム15に押し出される。
洗浄工程を経て得られたアクリルゴムの含水クラムは、フィード口55から供給バレル部52に供給される。供給バレル部52に供給された含水クラムは、バレルユニット51内の一対のスクリュー59、59の回転により、供給バレル部52から脱水バレル部53に送られる。脱水バレル部53では、前述したように第1の脱水バレル53a、第3の脱水バレル53cにそれぞれ設けられた脱水スリット56a、56b、及び第5の脱水バレル53eに設けられた排蒸気用のベント口57cから、含水クラムに含まれる水分の排水や排蒸気が行われて、含水クラムが脱水処理される。
脱水バレル部53で脱水された含水クラムは、バレルユニット51内の一対のスクリュー59、59の回転により乾燥バレル部54に送られる。乾燥バレル部54に送られた含水クラムは可塑化混合されて融体となり、発熱して昇温しながら下流側へ運ばれる。そして、このアクリルゴムの融体中に含まれる水分が気化して蒸気となり、その蒸気が排蒸気用のベント口57c及びベント口58a、58b、58c、58dにそれぞれ接続された不図示のベント配管を通じて外部へ排出される。
上述したように乾燥バレル部54を通過することで含水クラムは乾燥処理されてアクリルゴムの融体となり、そのアクリルゴムはバレルユニット51内の一対のスクリュー59、59の回転によりダイ部11に供給され、シート状の合成ゴムとしてダイ部11から押し出される。
ここで、本実施形態に係るスクリュー型押出乾燥機5の操業条件の一例を挙げる。
バレルユニット51内の一対のスクリュー59、59の回転数(N)は、諸条件に応じて適宜選択されればよく、通常で10〜1000rpmとされ、アクリルゴムの含水量とゲル量を効率よく低減できる点から、好ましくは50〜750rpm、より好ましくは100〜500rpmであり、120〜300rpmが最も好ましい。
アクリルゴムの押出量(Q)は、格別限定されないが、通常で100〜1500kg/hrとされ、好ましくは300〜1200kg/hr、より好ましくは400〜1000kg/hrであり、500〜800kg/hrが最も好ましい。
スクリュー型押出乾燥機5の回転数N(rpm)を10〜1000rpm、好ましくは100〜500rpmとしたときのアクリルゴムの押出し量Q(kg/hr)と回転数(N)との比(Q/N)は、格別限定されないが、通常で1以上とされ、好ましくは2以上、より好ましくは2〜20、更により好ましくは3〜12、特に好ましくは4〜8の範囲とされる。
次に、スクリュー型押出乾燥機5のスクリュー59の構成を説明する。
図4は、スクリュー型押出乾燥機5のスクリュー59の構成を模式的に示す図である。図4に示すように、スクリュー型押出乾燥機5のスクリュー59は、上流側から下流側にわたり、供給区間151、脱水区間152、及び蒸発区間155を有している。スクリュー59の供給区間151は、その大半がバレルユニット51の供給バレル部52に収容され、スクリュー59の脱水区間152は、バレルユニット51の脱水バレル部53に収容され、スクリュー59の蒸発区間155は、最上流側の蒸発区間155を除き、バレルユニット51の乾燥バレル部54に収容されている。
脱水区間152の下流側に隣接して、途中区間153があり、蒸発区間155の下流側に隣接して、混錬区間156がある。途中区間153と最初の蒸発区間155の間には、搬送区間154があり、最後の蒸発区間155の下流側に隣接して、吐出側の搬送区間157がある。
スクリュー59の供給区間151、搬送区間154、吐出側の搬送区間157は、主搬送用スクリューエレメント158で構成されている。スクリュー59の脱水区間152は、脱水区間用スクリューエレメント159で構成されている。スクリュー59の蒸発区間155は、蒸発区間用スクリューエレメント160で構成されている。
スクリュー型押出乾燥機5は、二軸のスクリュー59のうち、バレルユニット51の圧縮脱水用の排水口57a、57bと残水分の蒸発用のベント口57cとの間に位置する途中区間153内に、逆送りスクリュー161及びニーディングディスク162を組み合わせて配置している。
また、スクリュー型押出乾燥機5は、該途中区間153の上流側に隣接する脱水区間152内に、脱水区間用スクリューエレメント159を配置している。脱水区間用スクリューエレメント159は、スクリュー搬送速度が両区間152、153の前後のスクリュー搬送速度より低下するように、両区間152、153の上流端側及び下流端側の主搬送用スクリューエレメント158とはリード角が相違している。
そして、スクリュー型押出乾燥機5は、バレルユニット51の上流側に含水したクラムを供給して二軸のスクリュー59の回転により圧縮脱水を実行させるとき、主搬送用スクリューエレメント158と脱水区間用スクリューエレメント159とのリード角αの相違に応じて、脱水区間152でのスクリュー搬送速度を圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させるようになっている。
上記構成により、スクリュー型押出乾燥機5は、所要の含水量までの圧縮脱水や蒸発に必要な脱水時間とクラムを圧縮する推力とを確保しつつ、圧縮脱水前後や蒸発前後のクラムをスクリュー搬送する速度を高めることができ、スクリュー型押出乾燥機5の押出し量及び回転数に対する押出し量を格段に向上させて、合成ゴムの生産性を高めることができる。
また、図4に示すように、スクリュー型押出乾燥機5は、二軸のスクリュー59のうちバレルの複数のベント口58a〜58dの各々より下流側に位置する複数の下流側の混練区間156内に、それぞれ複数のニーディングディスク162を配置している。
また、スクリュー型押出乾燥機5は、各下流側の混練区間156の上流側に隣接する蒸発区間155に、蒸発区間用スクリューエレメント160を配置している。蒸発区間用スクリューエレメント160は、各下流側の混練区間156の上流側に隣接する蒸発区間155のスクリュー搬送速度が、途中区間153の下流側に隣接する脱水直後の搬送区間154及び複数の下流側の混練区間156の下流側に隣接する吐出側の搬送区間157のスクリュー搬送速度より低下するように、両搬送区間154、157の主搬送用スクリューエレメント158とはリード角が相違している。
そして、スクリュー型押出乾燥機5は、二軸のスクリュー59の回転により圧縮脱水を実行させる際に、両搬送区間154、157の主搬送用スクリューエレメント158と蒸発区間用スクリューエレメント160とのリード角αの相違に応じて、蒸発区間155でのスクリュー搬送速度を残水分の蒸発前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させるようになっている。
上記構成により、スクリュー型押出乾燥機5は、所要の含水量まで残水分を蒸発させるのに必要な時間を確保しつつ蒸発乾燥前後のスクリュー搬送速度を高めることができ、スクリュー型押出乾燥機5の押出し量(kg/h)及び回転数に対する押出し量を各段に向上させることができる。
また、図4に示すように、スクリュー型押出乾燥機5は、排水口として上流側にスクリュー搬送の方向に離間する第1及び第2の排水口57a、57bが形成された脱水バレル53a、53cと、脱水区間152としてバレルユニット51の第1、第2の排水口57a、57bに対応する第1及び第2の脱水区間152、152が形成され、両脱水区間152の下流側に隣接する第1及び第2の途中区間153、153内にそれぞれ逆送りスクリュー161及びニーディングディスク162が組み合わせて配置された二軸のスクリュー59とを有している。
そして、スクリュー型押出乾燥機5は、二軸のスクリュー59の回転により圧縮脱水を実行させる際に、主搬送用スクリューエレメント158と第1及び第2の脱水区間152の各脱水区間用スクリューエレメント159とのリード角αの相違に応じて、第1及び第2の脱水区間152でのそれぞれのスクリュー搬送速度を圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させるようになっている。
上記構成により、所要の含水量まで圧縮脱水するのに必要な脱水時間とクラムを圧縮する推力を確保しつつ圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度を高めることができ、スクリュー型押出乾燥機5の押出し量(kg/h)及び回転数に対する押出し量を格段に向上させることができる。
<合成ゴムの製造方法>
次に、上述した合成ゴム製造システムを用いてアクリルゴムなどの合成ゴムを製造する方法について説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る合成ゴム製造方法のフローチャートである。図5に示すように、本実施形態に係る合成ゴム製造方法は、乳化重合工程S1、凝固工程S2、洗浄工程S3、及び押出乾燥工程S4を含んでいる。以下、各工程について説明する。
[乳化重合工程]
乳化重合工程S1では、乳化重合装置において、合成ゴムを形成するための単量体成分に水と乳化剤とを混合して撹拌機で適切に撹拌しながらエマルジョン化し、重合触媒存在下において乳化重合することで乳化重合液(重合体ラテックス)を得る。
[凝固工程]
凝固工程S2では、重合体ラテックス、凝固剤、及び水をそれぞれ設定温度の凝固槽30内に供給し、撹拌装置34で撹拌して含水クラムを生成する。凝固槽30内の設定温度(凝固剤水溶液の温度)は、温度制御部33によって、通常40℃以上、好ましくは40〜90℃、より好ましくは50〜80℃の範囲となるように制御する。
具体的には、凝固工程S2にて、重合体ラテックス、凝固剤、及び水をそれぞれの供給温度及び設定供給量で凝固槽30内に連続的に供給しつつ撹拌下で流動させ、設定供給量及び撹拌の強さと供給温度及び設定温度とに応じて凝固槽30中に含水クラムを生成する。本実施形態では、凝固槽30内で撹拌されている凝固剤水溶液に乳化重合液(重合体ラテックス)を添加するようにする。生成した含水クラムは、温水と共に凝固槽30からオーバーフローさせて凝固槽30外に取り出す。
撹拌の強さは、撹拌装置34の撹拌翼35の回転数、回転速度などにより決められる。撹拌の強さが強い、すなわち激しく撹拌する方が生成する含水クラム粒径を小さく且つ均一にでき好適である。撹拌の強さが過度に強いと、大きいクラム粒径のものと小さいクラム粒径のものができてしまい、過度に弱いと凝固反応の制御が困難になりいずれも好ましくない。生成された含水クラムの形状及びクラム粒径が、均一で且つ所望範囲内に集束化されていれば、洗浄及び脱水時の乳化剤や凝固剤の除去が格段に向上し好適である。
本実施形態では、凝固工程S2にて、重合体ラテックス、凝固剤及び水をそれぞれの供給温度及び設定供給量で凝固槽30内に連続的に供給しつつ撹拌し、設定供給量及び撹拌の強さと供給温度及び設定温度とに応じて凝固槽30中に含水クラムを連続的に生成することができ、生成された含水クラムを温水と共に凝固槽30からオーバーフローさせて槽外に効率よく取り出すことができる。
また、凝固槽30からオーバーフローさせた供給水を含水クラムから分離させて不図示のタンクに貯留し、凝固槽30に再度供給するよう還流させている。これにより、重合体ラテックスを凝固させて含水クラム化する際に使用した水を再利用でき、合成ゴム製造中の廃水量を抑えることができる。この場合、オーバーフローさせた温水を凝固槽30側に還流させる構成とすることができるが、オーバーフローさせた含水クラム及び温水を通過させる滞留タンクを設け、その滞留タンクから流出し含水クラムから分離された温水を滞留タンクに還流させる構成とすることもできる。
[洗浄工程]
洗浄工程S3では、含水クラムと洗浄用水とを設定洗浄温度の洗浄槽40に供給し、撹拌装置44により撹拌して含水クラムを洗浄する。洗浄槽40内の洗浄用水の温度は、温度制御部によって、通常40℃以上、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜90℃、最も好ましくは60〜80℃の範囲となるように制御する。
さらに洗浄工程S3では、洗浄された含水クラムを洗浄用水と共に洗浄槽40からオーバーフローさせて洗浄槽40外に取り出し、水切り機49により水切りしつつ設定洗浄温度に対し所定温度範囲内の含水クラムをスクリュー型押出乾燥機5の材料供給ゾーン150に供給する(クラム供給工程)。スクリュー型押出乾燥機5に供給される含水したクラムの温度は、40℃以上、好ましくは60℃以上とするのが好適である。このようにすることにより、比熱が大きくスクリュー型押出乾燥機5で乾燥しにくいアクリルゴムのような合成ゴムでも確実に所定量の含水量まで脱水及び乾燥が可能になる。これにより、アクリルゴムなどの合成ゴムでも安定的な連続生産が可能になる。
含水クラムの温度は、加熱装置41を用いて含水クラムを直接加温することにより調節するが、洗浄用水の温度を調節するようにしてもよいし、あるいは加熱装置41を用いて含水クラムを直接加温することにより調節し、且つ洗浄用水の温度を調節するようにしてもよい。
[押出乾燥工程]
押出乾燥工程S4では、洗浄後の含水クラムをスクリュー型押出乾燥機5の材料供給ゾーン150に取り込み、スクリュー型押出乾燥機5により圧縮脱水した後、加熱及び混練により水分を蒸発させて、所定含水量以下の合成ゴムを連続的に例えば厚さ50mm以下のシート状に押し出させる。
押出乾燥工程S4においてスクリュー型押出乾燥機5に供給される含水したクラムは、乳化重合した合成ゴムの乳化重合液を凝固させ次いで洗浄したものである。このようにすることにより、スクリュー型押出乾燥機5に供給される含水したクラム(合成ゴム)は灰分を残留するようになり、特にその灰分量を0.001〜1重量%、好ましくは0.005〜0.5重量%の範囲とすることにより、スクリュー型押出乾燥機5内で合成ゴムが残留し変質するのを防ぎ且つ脱水及び乾燥を高効率化することが可能となる。また、合成ゴムの灰分量を該範囲とするためには、洗浄工程S3における含水クラムの洗浄を温水で行うことが好ましく、例えば、40℃以上、好ましくは60℃以上の温水にすることが好ましいが、洗浄水を温水にすることは同時に、スクリュー型押出乾燥機5に供給にする含水クラムの温度も上記範囲にしスクリュー型押出乾燥機5内の脱水及び乾燥効率を格段に向上でき好適である。
押出乾燥工程S4において、スクリュー型押出乾燥機5の回転数N(rpm)を10〜1000rpm、好ましくは100〜500rpmとしたときの押出し量Q(kg/hr)との比(Q/N)は、2以上、好ましくは3〜12、より好ましくは4〜8の範囲とするのが好適である。このようにすることにより、含水したクラムのスクリュー型押出乾燥機5における生産効率を格段に高めることができ、合成ゴムのヤケなどを防ぎながら含水クラムの脱水と乾燥を効率よく行うことが可能になる。
スクリュー型押出乾燥機5の脱水区間152の設定温度を100℃±40℃、好ましくは100℃±30℃の範囲内に設定し、且つ合成ゴムの100℃における複素粘性率([η]100℃)を1,500〜6,000Pa・s、好ましくは2500〜4000Pa・sの範囲とするのが好適である。このようにすることにより、合成ゴムの脱水及び乾燥の生産性を格段と改善することが可能になる。
また、押出乾燥工程S4での圧縮脱水により含水クラムから分離された水は、タンクに供給するようにする。これより、含水クラムを脱水するために生じる凝固剤濃度の低い水を再利用でき、廃水量を十分に抑えることができる。
また、スクリュー型押出乾燥機5を用いる合成ゴムの製造方法では、含水したクラムを、該クラムが供給されるスクリュー型押出乾燥機5のバレルユニット51内で二軸のスクリュー59の回転により圧縮脱水しつつ、該脱水後のクラムをスクリュー59により搬送及び混練しつつ加熱し、残水分を蒸発させて所定含水量以下の合成ゴムを押し出させるようにする。
具体的には、スクリュー型押出乾燥機5の二軸のスクリュー59のうち、バレルユニット51の圧縮脱水用の排水口57a、57bと残水分の蒸発用のベント口57cとの間に位置する途中区間153内に、逆送りスクリュー161及びニーディングディスク162を組み合わせて配置しておく。
一方、スクリュー型押出乾燥機5の該途中区間153の上流側に隣接する脱水区間152内に、スクリュー搬送速度が両区間152、153の前後のスクリュー搬送速度より低下するよう両区間152、153の上流端側及び下流端側の主搬送用スクリューエレメント158とはリード角の相違する脱水区間用スクリューエレメント159を配置しておく。
そして、バレルユニット51の上流側に含水したクラムを供給して二軸のスクリュー59の回転により圧縮脱水を実行させるとき、主搬送用スクリューエレメント158と脱水区間用スクリューエレメント159とのリード角の相違に応じて、脱水区間152でのスクリュー搬送速度を圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させる。これにより、所要の含水量まで圧縮脱水するのに必要な脱水時間とクラムを圧縮する推力とを確保しつつ圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度を高めることができ、スクリュー型押出乾燥機5の押出し量(kg/h)及び回転数に対する押出し量を格段に向上させることができる。
また、スクリュー型押出乾燥機5の二軸のスクリュー59のうちバレルユニット51の複数のベント口58a〜58dの各々より下流側に位置する複数の下流側の混練区間156内に、それぞれ複数のニーディングディスク162を配置しておく。
一方、スクリュー型押出乾燥機5の各下流側の混練区間156の上流側に隣接する蒸発区間155のスクリュー搬送速度が、途中区間153の下流側に隣接する脱水直後の搬送区間154及び複数の下流側の混練区間156の下流側に隣接する吐出側の搬送区間157のスクリュー搬送速度より低下するよう、両搬送区間154、157の主搬送用スクリューエレメント158とはリード角の相違する蒸発区間用スクリューエレメント160を蒸発区間155内に配置しておく。
そして、二軸のスクリュー59の回転により圧縮脱水を実行させる際に、両搬送区間154、157の主搬送用スクリューエレメント158と蒸発用区間用スクリューエレメント160とのリード角の相違に応じて、蒸発区間155でのスクリュー搬送速度を残水分の蒸発前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させる。これにより、所要の含水量まで残水分を蒸発させるのに必要な時間を確保しつつ蒸発乾燥前後のスクリュー搬送速度を高めることができ、スクリュー型押出乾燥機5の押出し量(kg/h)及び回転数に対する押出し量を格段に向上させることができる。
また、押出乾燥工程S4では、排水口として上流側にスクリュー搬送の方向に離間する第1及び第2の排水口57a、57bが形成されたバレルユニット51と、脱水区間152としてバレルの第1及び第2の排水口57a、57bに対応する第1及び第2の脱水区間152、152が形成され、両脱水区間152の下流側に隣接する第1及び第2の途中区間153、153内にそれぞれ逆送りスクリュー161及びニーディングディスク162が組み合わせて配置された二軸のスクリュー59とを有するスクリュー型押出乾燥機5を使用する。
そして、二軸のスクリュー59の回転により圧縮脱水を実行させる際に、主搬送用スクリューエレメント158と第1及び第2の脱水区間152、152の各脱水区間用スクリューエレメント159とのリード角の相違に応じて、第1及び第2の脱水区間152、152でのそれぞれのスクリュー搬送速度を圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させる。これにより、所要の含水量まで圧縮脱水するのに必要な脱水時間とクラムを圧縮する推力を確保しつつ圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度を高めることができ、スクリュー型押出乾燥機5の押出し量(kg/h)及び回転数に対する押出し量を格段に向上させることができる。
なお、脱水工程及び乾燥工程はそれぞれ異なる工程として行われてもよい。例えば、遠心分離機やスクイザーなどの脱水機を用いて脱水工程が行われ、熱風乾燥機、減圧乾燥機、エキスパンダー乾燥機、ニーダー型乾燥機などの乾燥機を用いて乾燥工程が行われてもよい。
本実施形態に係る合成ゴムの製造方法によると、高温での耐油性や耐水性、保存安定性などが要求される各種ゴム製品に好適なアクリルゴムなどの合成ゴムを効率よく製造できる。特に、反応性基含有単量体を含む単量体成分を2価リン酸系乳化剤存在下に乳化重合した乳化重合液をマグネシウム塩で凝固すると、保存安定性や耐水性に優れたアクリルゴムを製造することができる。
以下に、特許請求の範囲に記載の物理量の測定法について説明する。
[含水量]
アクリルゴムの含水量(%)は、例えば、JIS K6238−1:オーブンA(揮発分測定)法に準じて測定する。
[灰分量]
アクリルゴム中に含まれる灰分量(%)は、例えば、JIS K6228 A法に準じて測定する。
[複素粘性率]
アクリルゴムの複素粘性率ηは、例えば、動的粘弾性測定装置「ラバープロセスアナライザRPA−2000」(アルファテクノロジー社製)を用いて、歪み473%、1Hzにて温度分散(40〜120℃)を測定し、各温度における複素粘性率ηを求める。
以上述べたように、本発明は、押出乾燥機の押出し量を十分に向上させて、合成ゴムの生産性を高めることができるという効果を有し、合成ゴムの製造方法の全般に有用である。
3 凝固装置
4 洗浄装置
5 スクリュー型押出乾燥機(押出乾燥機)
11 ダイ部
15 シート状の合成ゴム
30 凝固槽
40 洗浄槽
50 駆動ユニット
51 バレルユニット
52 供給バレル部
53 脱水バレル部
54 乾燥バレル部
55 フィード口
59 スクリュー
59a 山部
59b 谷部
150 材料供給ゾーン
151 供給区間
152 脱水区間
152a 第1の脱水区間
152b 第2の脱水区間
153 途中区間
154 搬送区間
155 蒸発区間
156 混錬区間
157 吐出側の搬送区間
158 主搬送用スクリューエレメント
159 脱水区間用スクリューエレメント
160 蒸発区間用スクリューエレメント
161 逆送りスクリュー
162 ニーディングディスク

Claims (11)

  1. 含水したクラムを、該クラムが供給される押出乾燥機のバレル内で二軸のスクリューの回転により圧縮脱水しつつ、該脱水後のクラムを前記スクリューにより搬送及び混練しつつ加熱し、残水分を蒸発させて所定含水量以下の合成ゴムを押し出す合成ゴムの製造方法であって、
    前記二軸のスクリューのうち、前記バレルの前記圧縮脱水用の排水口と前記残水分の蒸発用のベント口との間に位置する途中区間内に、逆送りスクリュー及びニーディングディスクを組み合わせて配置するとともに、該途中区間の上流側に隣接する脱水区間内に、スクリュー搬送速度が両区間の前後のスクリュー搬送速度より低下するよう両区間の上流端側及び下流端側の主搬送用スクリューエレメントとはリード角の相違する脱水区間用スクリューエレメントを配置しておき、
    前記バレルの上流側に前記含水したクラムを供給して前記二軸のスクリューの回転により前記圧縮脱水を実行させる際に、
    前記主搬送用スクリューエレメントと前記脱水区間用スクリューエレメントとの前記リード角の相違に応じて、前記脱水区間でのスクリュー搬送速度を前記圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させることを特徴とする合成ゴムの製造方法。
  2. 前記二軸のスクリューのうち前記バレルの前記複数のベント口より下流側に位置する複数の下流側の混練区間内に、それぞれ複数のニーディングディスクを配置するとともに、各下流側の混練区間の上流側に隣接する蒸発区間のスクリュー搬送速度が、前記途中区間の下流側に隣接する脱水直後の搬送区間及び前記複数の下流側の混練区間の下流側に隣接する吐出側搬送区間のスクリュー搬送速度より低下するよう、両搬送区間の主搬送用スクリューエレメントとはリード角の相違する蒸発区間用スクリューエレメントを配置しておき、
    前記二軸のスクリューの回転により前記圧縮脱水を実行させる際に、
    前記両搬送区間の主搬送用スクリューエレメントと前記蒸発用区間用スクリューエレメントとの前記リード角の相違に応じて、前記蒸発区間でのスクリュー搬送速度を前記残水分の蒸発前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させることを特徴とする請求項1に記載の合成ゴムの製造方法。
  3. 前記排水口として前記上流側に前記スクリュー搬送の方向に離間する第1及び第2の排水口が形成されたバレルと、前記脱水区間として前記バレルの前記第1、第2の排水口に対応する第1及び第2の脱水区間が形成され、両脱水区間の下流側に隣接する第1及び第2の途中区間内にそれぞれ逆送りスクリュー及びニーディングディスクが組み合わせて配置された二軸のスクリューと、を有する押出乾燥機を使用し、
    前記二軸のスクリューの回転により前記圧縮脱水を実行させる際に、
    前記主搬送用スクリューエレメントと前記第1及び第2の脱水区間の各脱水区間用スクリューエレメントとの前記リード角の相違に応じて、前記第1及び第2の脱水区間でのそれぞれのスクリュー搬送速度を前記圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成ゴムの製造方法。
  4. 前記押出乾燥機の回転数N(rpm)を10〜1000rpmとしたときの押出量Q(kg/hr)との比(Q/N)が、2以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の合成ゴムの製造方法。
  5. 前記押出乾燥機の脱水区間の設定温度を100℃±40℃の範囲内に設定し、前記合成ゴムの100℃における複素粘性率([η]100℃)が1,500〜6,000Pa・sの範囲である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の合成ゴムの製造方法。
  6. 前記押出乾燥機に供給される含水したクラムの温度が、40℃以上である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の合成ゴムの製造方法。
  7. 前記押出乾燥機に供給される含水したクラムが、乳化重合した合成ゴムの乳化重合液を凝固させ次いで洗浄したものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の合成ゴムの製造方法。
  8. 前記合成ゴムの灰分量が、0.001〜1重量%の範囲である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の合成ゴムの製造方法。
  9. 前記合成ゴムが、アクリルゴムであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の合成ゴムの製造方法。
  10. 前記押出乾燥機により所定含水量以下に乾燥させた合成ゴムを前記押出乾燥機からシート状に押し出した後、所定長さのカットシート状に切断し、該カットシート状の合成ゴムを積層してベール化することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の合成ゴムの製造方法。
  11. 含水したクラムを、該クラムが供給される押出乾燥機のバレル内で二軸のスクリューの回転により圧縮脱水しつつ、該脱水後のクラムを前記スクリューにより搬送及び混練しつつ加熱し、残水分を蒸発させて所定含水量以下の合成ゴムを押し出す合成ゴムの製造システムであって、
    前記二軸のスクリューのうち、前記バレルの前記圧縮脱水用の排水口と前記残水分の蒸発用のベント口との間に位置する途中区間内に、逆送りスクリュー及びニーディングディスクを組み合わせて配置するとともに、該途中区間の上流側に隣接する脱水区間内に、スクリュー搬送速度が両区間の前後のスクリュー搬送速度より低下するよう両区間の上流端側及び下流端側の主搬送用スクリューエレメントとはリード角の相違する脱水区間用スクリューエレメントを配置し、
    前記バレルの上流側に前記含水したクラムを供給して前記二軸のスクリューの回転により前記圧縮脱水を実行させるとき、
    前記主搬送用スクリューエレメントと前記脱水区間用スクリューエレメントとの前記リード角の相違に応じて、前記脱水区間でのスクリュー搬送速度を前記圧縮脱水前後のスクリュー搬送速度に対し相対的に低下させることを特徴とする合成ゴムの製造システム。
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