JP3969145B2 - 共重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定構造のアルキルチオ基を分子内に導入したα,β−エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体の製造方法および回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐油性や耐熱性が要求される分野において使用されているアクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下、NBRと記す)の成型加工には、射出成型が広く普及しており、高速加硫性を有するとともに金型汚染が少ないNBRが求められていた。
【0003】
上記要請に応えるべく、特定構造のアルキルチオ基を分子内に導入した不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体が見出され、加硫性や金型汚染の問題も改善されて来ている(特開平8−67706、特開平8−100030等)。
【0004】
ところで、前記特定構造のアルキルチオ基を分子内に導入した不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体の製造方法としては、特開平8−100030号公報に記載されているように、(1)重合反応後に塩化カルシウム溶液に共重合体ラテックスを加えて凝固させる工程、(2)生成したクラムを取り出す工程、(3)生成したクラムを水洗する工程、(4)加熱下に減圧乾燥する工程から成る方法が記載されている。
【0005】
しかしながら、同公報の製造方法は、工程数も多く、また減圧乾燥方式を使用するためクラム内部に取り込まれた水分がなかなか蒸発せず、乾燥時間が長くなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記事情に鑑み、特定構造のアルキルチオ基を分子内に導入したα,β−エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体を少ない工程数及び短い乾燥時間で効率良く製造する方法及び該重合体の回収装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねたところ、乳化重合で得られた特定構造のアルキルチオ基を分子内に導入したα,β−エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体のラテックスを押出機に供給して、凝固、脱水および乾燥を連続的に行なうことにより、該重合体を少ない工程数及び短い乾燥時間で得られることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明に係る共重合体の製造方法は、少なくとも3個の第3級炭素原子を有し、該炭素原子の少なくとも1つが硫黄原子と直接結合している炭素数12〜16のアルキルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当たり0.03モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘度が15〜150であるα,β−エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体の製造方法であって、前記共重合体のラテックスを押出機に供給して、凝固、脱水、及び乾燥を連続的に行なうことを特徴とする。
【0009】
また、前記押出機が、バレルの内部にスクリューを回転駆動自在に配置した凝固ゾーンを少なくとも有し、該凝固ゾーンに対応する領域に形成された凝固用スクリューブロックの軸方向の長さをL1(mm)とし、その谷の数をn(個)とし、前記スクリューの外径をD(mm)としたときに、H=L1/(D×n)で求められる前記凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hが0.5以下であることが好ましい。
【0010】
さらに、前記スクリューは、凝固用スクリューブロックの10〜60%がニーディングディスクで構成されていることが好ましい。
【0011】
そして、二軸噛合型で同方向回転型のスクリューを用いることが好ましい。
【0012】
また、本発明の共重合体の回収装置は、
前記共共重合体を回収する装置であって、
少なくとも凝固ゾーンが形成されたバレルと、該バレルの内部に回転駆動自在に配置されたスクリューとを有する押出機で構成してあり、
前記スクリューが、前記凝固ゾーンに対応する領域に形成された凝固用スクリューブロックを有し、
該凝固用スクリューブロックの長さをL1(mm)とし、その谷の数をn(個)とし、その外径をD(mm)としたときに、H=L1/(D×n)で求められる前記凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hが0.5以下であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の製造方法は、少なくとも3個の第3級炭素原子を有し、該炭素原子の少なくとも1つが硫黄原子と直接結合している炭素数12〜16のアルキルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当たり0.03モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘度が15〜150であるα,β−エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体に関するものであり、該共重合体のラテックスを押出機に供給して、凝固、脱水及び乾燥を連続的に行なうことを特徴とする。
【0014】
共重合体のムーニー粘度は、好ましくは15〜150、特に好ましくは20〜90である。ムーニー粘度が15未満では、強度の低い成型体しか得られず、射出成型においては多量のバリが発生するなどの問題がある。また、ムーニー粘度が150を超えた場合は粘度が増大し、射出成型のみならず成型が困難となる。
【0015】
共重合体が分子中に有する、少なくとも3個の第3級炭素原子およびその中の少なくとも1個の第3級炭素原子に直接結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキルチオ基としては、1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基および1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−(2,2,4,4−テトラメチルペンチル)−1−エチルチオ基が挙げられ、これらは単独でまたは両者が組み合わされて1分子中に含まれ得る。中でも、1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基が特に好ましい。
【0016】
共重合体の分子内には、分子を構成する単量体単位100モル当たり、上記のアルキルチオ基が0.03モル以上、好ましくは0.07モル以上、さらに好ましくは0.09モル以上存在する。また、該アルキルチオ基の量は、通常0.3モル以下である。
【0017】
上記アルキルチオ基の量が過度に低い場合は、射出成型のような高温短時間の加硫において高い架橋効率が得られず、そのために成型体の引張応力や反発弾性が改良されず目的とする高速加硫が達成されない。また、該アルキルチオ基の量が高くなるにつれてスコーチ時間(T)の短縮が顕著となり、さらに、金型汚染性も大幅に改良されることから、生産性の高い射出成型が可能となる。特に0.09モル以上の場合は架橋効率が大幅に改善され、オシレーティング・デイスクレオメータを用いて測定した加硫曲線における最大トルクが飛躍的に増大する。
【0018】
また、共重合体の結合ニトリル量は、好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは20〜50重量%である。また、共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、通常2.3〜5.5、好ましくは2.7〜4である。Mw/Mnが過度に大きいと、たとえ数平均分子量35,000以下の成分が適量含有されていても加工性が不良である。
【0019】
共重合体は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、共役ジエン単量体及びこれと共重合可能な他の単量体を、分子量調節剤の存在下、乳化重合法によって重合して得られる共重合体である。
【0020】
共重合体を重合する際に用いられる分子量調節剤としては、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオールおよび2,2,4,6,6,8,8−ヘプタメチルノナン−4−チオールが挙げられる。なかでも、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオールが特に好ましく、該チオール化合物を使用して製造したα,β−エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体は高速加硫性が極めて良好である。
【0021】
共重合体を重合する際に用いられるα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられる。共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。これらは通常全単量体中に20〜90重量%の範囲で使用することが出来る。
【0022】
また、共重合体を重合する際に、本発明によって得られる効果が損なわれない範囲で、これらの単量体以外に全単量体の一部を必要に応じて他の共重合可能な単量体で置き換えることも可能である。他の共重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどのビニル系単量体;ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエン系単量体;(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの不飽和カルボン酸エステル系単量体;さらに、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどの単量体が挙げられる。これらは通常全単量体中に40重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で使用することが出来る。
【0023】
共重合体を重合する際に用いられる乳化剤は、従来公知のものが使用可能であり、特に制限されない。例えば、アニオン型(高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族カルボン酸エステルのスルホン酸塩など)、ノニオン型(ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型など)および両性型界面活性剤(アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、りん酸塩、りん酸エステル塩を、又カチオン部分としてアミン塩、第4級アンモニウム塩を構成する)などが挙げられる。乳化剤の使用量は特に限定されないが、通常は、単量体100重量部当たり、0.05〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。
【0024】
共重合体を重合する際に用いられる重合開始剤も従来公知のラジカル重合開始剤がいずれも使用でき、特に制限されない。例えば、過酸化水素もしくは過硫酸カリウムなどの無機過酸化物、又はクメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドもしくはパラメンタンハイドロパーオキサイドのような有機過酸化物と、二価鉄塩又はテトラエチレンペンタアミンなどの還元剤を組み合わせたレドックス系触媒などが挙げられる。前記レドックス系触媒は、低温での重合を行なう際に好適に用いられる。
【0025】
共重合体を重合する際の乳化重合は、回分式、半回分式、連続式のいずれでも良いが回分式が好ましい。回分式の乳化重合としては、たとえば攪拌機を備えた乳化重合槽に脱イオン水、単量体混合物、乳化剤を投入して混合し、次いで重合開始剤、助触媒および分子量調節剤を加えて乳化重合を行なう。重合は通常0〜70℃、好ましくは5〜50℃の温度範囲で行なわれる。
【0026】
共重合体を重合する際には、乳化重合反応が所定の転化率に達した時にヒドロキシルアミンなどの重合停止剤を加えて重合を停止する。次いで、残存単量体を加熱、水蒸気蒸留などによって除去して得られた共重合体ラテックスを押出機に供給して凝固・脱水・乾燥を行う。
【0027】
押出機に供給する共重合体のラテックスの固形分濃度は、通常5〜50重量%程度、好ましくは10〜40重量%程度である。
【0028】
本発明に使用する押出機の具体例を図1〜図4に示す。
本発明に係わる共重合体の回収装置は、共重合体のラテックスから共重合体を回収する装置であって、少なくとも凝固ゾーンが形成されたバレルと、該バレルの内部に回転駆動自在に配置されたスクリューとを有する押出機で構成してあり、前記スクリューが、前記凝固ゾーンに対応する領域に形成された凝固用スクリューブロックを有し、該凝固用スクリューブロックの軸方向の長さをL1(mm)とし、その谷の数をn(個)とし、前記スクリューの外形をD(mm)とした時に、H=L1/(D×n)で求められる前記凝固用スクリューブロックのピッチ指数が0.5以下であることを特徴とする。
【0029】
凝固用スクリューブロックの軸方向の長さL1とスクリューの外径Dとの比(L1/D)が12以下であるスクリューを用いることが好ましく、8以下であるスクリューを用いることが特に好ましい。
【0030】
スクリューの軸方向の長さをL(mm)とした時に、該長さLと外径Dとの比(L/D)が60以下であるスクリューを用いることが好ましく、48以下であるスクリューを用いることが押出機設置スペースが小さく出来、かつ消費電力が少なくて済むため特に好ましい。
【0031】
凝固用スクリューブロックの長さの10〜60%がニーディングディスクで構成されているスクリューを用いることが、共重合体の凝固をより促進できるため好ましい。
【0032】
バレルの内部に形成された凝固ゾーンの下流側には、排水ゾーンが設けてあることが好ましく、該排水ゾーンの下流側には、洗浄ゾーン、脱水ゾーンおよび乾燥ゾーンが順次設けてあることが特に好ましい。この場合、凝固ゾーンと、脱水ゾーンおよび乾燥ゾーンとは、離間して配置された複数のバレル(複数の装置)の内部にそれぞれ形成してあり、複数のバレル同士がたとえばコンベアなどを介して接続してあってもよい。しかしながら、設置スペースを削減する観点からは、凝固ゾーン、脱水ゾーンおよび乾燥ゾーンが単一のバレル(単一の装置)の内部に形成してあることが好ましい。なお、バレルは、通常、複数のバレルブロックで構成される。
【0033】
また、バレルの内部に形成された凝固ゾーンの下流側であって、洗浄ゾーンの前に、排水ゾーンを設けることにより、凝固ゾーンで得られた高濃度の凝固剤(残留凝固剤)を含むクラムスラリーから、前記凝固剤の大部分を効率的に除去出来る。その結果、その後の洗浄ゾーンで残留する低濃度の凝固剤を確実に除去でき、ひいては脱水ゾーン、乾燥ゾーンを経て最終的に回収される共重合体に含まれる凝固剤残留量を確実に所定の値以下にできる。
【0034】
また、本発明においては、回転数、洗浄水量等の運転条件を変化させることにより、共重合体に残留する凝固剤の量を所望の値にコントロールすることも可能である。
【0035】
一般に凝固剤残留量は1000ppm以下が好ましい。1000ppmを越える凝固剤が回収された共重合体に残留していると、製品の加硫物性及び腐食性が悪化する。
【0036】
また、本発明においては、凝固ゾーンで凝固が十分行なわれるよう凝固剤の種類、凝固剤の供給量および共重合体の供給量を決定することが好ましい。凝固が不十分だと未凝固のラテックスが、前記排水ゾーンまたは脱水ゾーンから流出し、共重合体の回収率が低下する。
【0037】
さらに、スクリューを二軸噛合型とし、しかも同方向回転型とすることで、セルフクリーニング性を付与でき、従来の凝固タンクにより共重合体の凝固を行う凝固タンク方式と比較して、長期連続運転を実現することも出来る。
【0038】
以下、本発明で使用する押出機を図面に基づいて説明する。
図1は本発明で使用する押出機の一実施形態を示す概略図、図2は図1の押出機の内部に配置されるスクリューを示す概略図、図3は図1のIII−III線と図2のIII−III線に沿う断面図、図4は図2のスクリューの凝固用スクリューブロックを説明するための一部破断概略図である。
【0039】
図1に示すように、本発明で使用する押出機2は、分割された12個のバレルブロック41〜52で構成される単一のバレル4を有する。バレルの内部には、本実施形態では凝固ゾーン100、排水ゾーン102、洗浄ゾーン104、脱水ゾーン106、および乾燥ゾーン108が、バレル4の上流側から下流側にかけて順次形成されている。
【0040】
凝固ゾーン100は、共重合体のラテックスと凝固剤を接触させて共重合体を凝固させ、クラム状の共重合体のスラリー液(クラムスラリー)を形成する領域である。排水ゾーン102は、共重合体の凝固後に生じる液体(セラム水)をクラムスラリーから分離し排出して含水状態のクラムを形成する領域である。洗浄ゾーン104は、前記含水状態のクラムを洗浄する領域である。脱水ゾーン106は、洗浄後のクラムから洗浄水を脱水して排出する領域である。乾燥ゾーン108は、脱水後のクラムを乾燥させる領域である。
【0041】
本実施形態では、バレルブロック41,42の内部が凝固ゾーン100に対応し、バレルブロック43の内部が排水ゾーン102に対応し、バレルブロック44〜47の内部が洗浄ゾーン104に対応し、バレルブロック48,49の内部が脱水ゾーン106に対応し、バレルブロック50〜52の内部が乾燥ゾーン108に対応する。なお、各バレルブロックの設置数は、本実施形態の態様に限定されるものではない。
【0042】
凝固ゾーン100の一部を構成するバレルブロック41には、共重合体ラテックスと凝固剤を受け入れるフィード口412が形成されている。排水ゾーン102を構成するバレルブロック43には凝固後の共重合体の水スラリーから分離されたセラム水を排出する排出スリット432が形成されている。洗浄ゾーン104の一部を構成するバレルブロック44には、洗浄水を受け入れる洗浄水フィード口442が形成されており、バレルブロック47には洗浄排水を外部へ排出する排水スリット472が形成されている。脱水ゾーン106の一部を構成するバレルブロック49には洗浄後のクラムから除かれた脱水排水を外部へ排出する脱水スリット492が形成されている。乾燥ゾーン108の一部を構成するバレルブロック51には、脱気のためのベント口512が形成されている。
【0043】
バレル4の内部には、図2に示すようなスクリュー7が配置されている。スクリュー7の基端には、これを駆動するモータなどの駆動手段が接続されており、これによりスクリュー7は回転駆動自在に保持される。スクリュー7の形状は、特に限定されないが、好ましくは多種のスクリュー構成を持つスクリューブロックとニーディングディスクとを適宜組み合わせて構成することが出来る。
【0044】
本実施形態では、スクリュー7は、バレル4の内部に形成された上述した各ゾーン100〜108に対応する領域に形成される各スクリューブロックを有する。各スクリューブロックの構成は次の通りである。
【0045】
図2および図3に示すように、本実施形態では、凝固用スクリューブロックの軸方向の長さをL1(mm)とし、その谷7B(図4参照)の数をn(個)とし、スクリュー7の外径をD(mm)としたときに、H=L1/(D×n)で求められる凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hが、好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.4以下、さらに好ましくは0.35以下である。このピッチ指数Hが0.5より大きいと、供給する共重合体の性状によって凝固が不十分となり、未凝固の共重合体がラテックスのまま排水スリットから排出されるため、回収率が低下する場合がある。
【0046】
凝固用スクリューブロックの谷の数は、該凝固用スクリューブロックを上から見てカウントしていけばよい。ニーディングディスク8(詳細は後述する)の谷の数をカウントする際には、位相をずらした板同士の間もカウントすることとする(図4参照)。
【0047】
本実施形態では、凝固ゾーン100に対応する領域に形成される凝固用スクリューブロックには、特に凝固を促進させる観点からニーディングディスク8を含めてある。
【0048】
ニーディングディスク8は、その断面形状が擬似楕円形、小判形または切頂三角形などの形状と(図3では擬似楕円形)、一定の厚みとを有し、その断面形状の対称軸を所定角度(図3では30度)づつずらしながら、複数枚(図3では6枚)積み重ね、かつスクリュー軸がその断面形状の回転中心軸と対応するように固定されて使用するものである。ここで擬似楕円形とは楕円の長径の両端部を、小判形とは平行条の両端を、また切頂三角形とは正三角形の各頂点を含む部分を、それぞれの図形の回転中心を中心とする円弧でカットした形状を指す。いずれの形状の場合も、バレル4の内壁面4aに各該ディスクの端部が所定(1〜5mm程度の)のクリアランス(間隙)を保持するように設けられる。小判形又は切頂三角形の場合は、各辺を凹形として鼓形又は三角糸巻形としても良い。
【0049】
本実施形態では、凝固用スクリューブロックの軸方向の長さL1に対するニーディングディスク8の長さの占める割合は、好ましくは10〜60%、より好ましくは20〜50%、特に好ましくは30〜40%であり、該ディスク枚数は3〜9枚程度が好適である。凝固用スクリューブロックでのニーディングディスク8の割合が多すぎると、送り量が不足し、少なすぎると凝固が不十分となる。なお、ニーディングディスクの代わりに、3条以上のピッチ間隔の狭いスクリューを用いても本発明は実施出来るが、一般に条数が増加すると、製作が困難になり製作費も高くなるので、ニーディングディスク8を使用することが好適である。
【0050】
排水ゾーン102から乾燥ゾーン108までに対応する領域に形成される排水用スクリューブロック、洗浄用スクリューブロック、脱水用スクリューブロック、乾燥用スクリューブロックは、例えば通常の正送りスクリューで構成すればよい。なお、必要に応じて逆送りスクリューやニーディングディスクを含ませても良い。
【0051】
図3に示すように、本実施形態ではこのようなスクリュー7を2本用いて、軸芯を平行にして互いに噛み合った状態とした二軸押出機としている。すなわち、2本のスクリュー7,7では、一方のスクリュー7の山部7A(図4参照)を他方のスクリュー7の谷部7B(図4参照)に噛み合わせ、一方のスクリュー7の谷部7Bを他方のスクリュー7の山部7Aに噛み合わせる状態とした二軸噛合型である。しかしながら、それ以上の多軸式(3本以上)であってもよく、あるいは単軸式(1本)であってもよい。ただし凝固ゾーン100の混合性の面からは、本実施形態の如き二軸噛合型とすることが好ましい。2本のスクリュー7の回転方向は、同方向でも異方向でもよいが、セルフクリーニングの性能面からは同方向に回転する形式のものが好ましい。
【0052】
なお、本実施形態では、上述したバレルブロック52の下流側には、バレル4内で凝固・脱水・乾燥処理された共重合体が所定形状に押し出されて製品化されるダイ6が接続されている。ダイ6には、カッティング機構(図示省略)が取り付けてあり、ダイから押し出されるストランド状の共重合体を、適当な大きさに切断し、所定状のペレットとする。カッティング機構としては、押し出されたストランドをホットカット装置により直ちに切断するか、あるいは冷却槽で冷却してカッターで切断する等の機構を採用すればよい。
【0053】
次に、押出機2を用いた共重合体の製造方法を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。共役ジエン単量体、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体及びこれと共重合可能な他の単量体を乳化重合した後、残留単量体を除去して、少なくとも3個の第3級炭素原子を有し、該炭素原子の少なくとも1つが硫黄原子と直接結合している炭素数12〜16のアルキルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当たり0.03モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘度が15〜150であるα,β−エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体のラテックスを得る。得られた共重合体のラテックスを凝固剤とともにフィード口412から凝固ゾーン100に導入する。
【0054】
導入される凝固剤としては、特に限定されず、例えば無機酸類(硫酸、塩酸など)、有機酸類(酢酸など)、無機塩類(塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、高分子凝集剤など)、およびこれらの混合物などが挙げられるが、凝固剤の使用量とともに共重合体のラテックスに使用されている乳化剤の種類および量などにより適宜決定すればよい。中でも、凝固剤としては、無機塩類が好ましく、より好ましくは塩化カルシウムである。
【0055】
凝固剤は、必ずしもフィード口412から凝固ゾーン100に直接供給される必要はなく、共重合体のラテックスと予め混合した後に供給しても良い。
【0056】
凝固ゾーン100に導入された共重合体のラテックスと凝固剤は、スクリュー7の回転により接触させられ、重合体は凝固されて直径約5〜30mm程度のクラムとなって水中に懸濁し、クラム濃度が20重量%程度のスラリー液(クラムスラリー)を形成する。このクラムスラリーには、凝固剤(残留凝固剤)が0.4重量%程度以上の高濃度で含有される。
【0057】
凝固ゾーン100で形成されたクラムスラリーは、スクリュー7の回転により排水ゾーン102に送られる。排水ゾーン102では、バレルブロック43に設けられたスリット432から前記クラムスラリーに含まれる高濃度の凝固剤をセラム水として排出させ、凝固剤濃度が0.15重量%程度以下に低減され、6〜31重量%程度の水分を含有する含水状態のクラムが得られる。
【0058】
排水ゾーン102で得られた含水状態のクラムは、スクリュー7の回転により洗浄ゾーン104に送られる。洗浄ゾーン104では、バレルブロック44に設けられた洗浄水フィード口442から内部に洗浄水が導入され、上記クラムは洗浄され、洗浄済みの排水はバレルブロック47に設けられたスリット472から排出される。そして、凝固剤濃度が0.05重量%程度以下にさらに低減され、5〜30重量%程度の水分を含有するクラムが得られる。
【0059】
洗浄ゾーン104で得られたクラムは、スクリュー7の回転により脱水ゾーン106に送られる。脱水ゾーン106では、バレルブロック49に形成されたスリット492より水分を排出して、水分量が2〜9重量%程度に調整されたクラムが得られる。
【0060】
脱水ゾーン106で得られたクラムは、スクリュー7の回転により乾燥ゾーン108に送られる。乾燥ゾーン108に送られたクラムは、スクリュー7の回転により可塑化混錬されて融体となり、発熱して昇温しながら下流側へ運ばれる。前記融体がバレルブロック51に設けられたベント口512に達すると、圧力が解放されるために、融体中に含まれる水分が分離気化される。この分離気化された水分(蒸気)はベント配管(図示省略)を通じて外部へ排出される。乾燥ゾーン108内部の温度は120〜180℃程度であり、その圧力は1000〜5000KPa程度である。
【0061】
乾燥ゾーン108を通過した水分が分離されたクラムは、スクリュー7により出口側へ送り出され、実質的に水分をほとんど含まない状態(水分含有量は0.5重量%以下)でダイ6に導入され、ここで、たとえばストランド状で排出された後、ペレタイザー(図示省略)に導入されて切断され、適当な長さとされて製品(ペレット)化される。
【0062】
本実施形態に係る押出機2では、該押出機2の内部に配置されるスクリュー7,7の凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hを0.5以下にし、しかも凝固用スクリューブロックの軸方向の長さL1と外径Dとの比(L1/D)を好ましくは12以下とする。このため、スクリュー7の軸方向の長さをL(mm)としたときの該長さLと外径Dとの比(L/D)を60以下と小さくしても、共重合体のラテックスから凝固剤残留量の少ない共重合体を高収率で回収することができる。特に、凝固用スクリューブロックにニーディングディスク8を所定割合で含ませることにより、共重合体の凝固をより促進でき、回収された共重合体に含まれる凝固剤残留量をより一層少なくすることが可能である。
【0063】
本実施形態では、スクリュー7,7を二軸噛合型とし、しかも同方向回転型とすることで、セルフクリーニング性を付与でき、従来の凝固タンクにより共重合体の凝固を行う凝固タンク方式と比較して、長期連続運転を実現することも出来る。本実施形態では、凝固ゾーン100、脱水ゾーン106および乾燥ゾーン108を単一のバレル4内に形成してあるので、省スペース・省コストの面からも有利である。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得る。
【0065】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってその範囲を限定されるものではない。また、特に記載しない限り、部および%は、重量基準のものである。
【0066】
なお、各測定値は下記のように測定した。
(1) ムーニー粘度
日本工業規格JIS K6383に従い、共重合体約40グラムを用いて100℃で測定した。
(2) 結合ニトリル量
日本工業規格JIS K6384に従い、ケルダール法によって共重合体中の窒素含量を測定し、計算により結合ニトリル量を求めた(単位:%)
(3) 分子量
ゲルパーミエーション(溶媒:テトラヒドロフラン)により、標準ポリスチレンに換算した数平均分子量(Mn)を測定した。
【0067】
(4) 共重合体中の1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基濃度
共重合体をベンゼンに溶解した後、メチルアルコール中で凝固する操作を3回繰り返して精製し、精製共重合体についてNMR測定を行なった。H−NMR測定(400MHz)により、該エチルチオ基中の末端メチル基のプロトンに起因するピークが1.05ppm付近に検出され、さらに、13C−NMR測定(100MHz)により、該エチルチオ基中のメチレン基の炭素に起因するピークが54.6ppm付近に検出される。共重合体中の該エチルチオ基濃度の定量はH−NMR測定における末端メチル基に起因するピークの積分値と、4.8〜5.8ppm付近に検出されるブタジエンの不飽和結合に結合するプロトンに起因するピークの積分値との比を用いて計算により求めた(単位:モル%)。
【0068】
(重合例)
重合反応槽に脱イオン水160部、アクリロニトリル36部、ブタジエン64部、乳化剤としてオレイン酸カリウム2部、安定剤としてリン酸カリウム0.1部、分子量調節剤として2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール(以下、PMHTと記す)を0.27部、活性剤として硫酸第一鉄0.015部および重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.05部を入れて均一になるように十分攪拌しながら、9℃で乳化重合を開始した。次いで重合転化率50%の時点でPMHTを0.07部添加し重合を継続した。12時間後に重合転化率が85%に達したので、ヒドロキシルアミン硫酸塩を0.2部添加して反応を停止させ、水蒸気を吹き込むことにより残留単量体を加熱・除去した後、老化防止剤としてアルキル化フェノールを2部添加した。得られた共重合体のムーニー粘度は85、結合アクリルニトリル量は34%、1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基濃度0.08モル%であった。
【0069】
実施例1
本実施例では、図1に示すように、バレル4内に2本のスクリュー(全長1920mm、外径D=40mm、L/D=48)7,7を平行に設け、これらのスクリュー7,7を同方向に回転駆動させるとともに、一方のスクリュー7の山部7A(図4参照)を他方のスクリュー7の谷部7B(図4参照)に噛み合わせる状態とした、同方向に回転する二軸噛合型のスクリュー押出機2を用いた。
【0070】
スクリュー7は、単一のバレル4の内部に形成された凝固ゾーン100に対応する領域に形成された凝固用スクリューブロックを有しており、本実施例ではこの凝固用スクリューブロックを、4枚のニーディングディスク8と2条のフルフライト組み合わせて構成した。凝固用スクリューブロックの長さの30%はニーディングディスク8で構成されていた。凝固用スクリューブロックの軸方向の長さL1は320mm、その外径Dは40mm、その谷の数は28個であった。したがって、凝固用スクリューブロックのピッチ指数H(L1/(D×n))は0.28であり、(L1/D)は8であった。
【0071】
また、スクリュー7は、単一のバレル4の内部に形成された排水ゾーン102、洗浄ゾーン104、脱水ゾーン106および乾燥ゾーン108にそれぞれ対応する領域に形成された排水用スクリューブロック、洗浄用スクリューブロック、脱水用スクリューブロックおよび乾燥用スクリューブロックを、いずれも2条のフルフライトおよびニーディングディスクで構成した。
【0072】
また、スクリュー7は、単一のバレル4の内部に形成された排水ゾーン102、洗浄ゾーン104、脱水ゾーン106および乾燥ゾーン108にそれぞれ対応する領域に形成された排水用スクリューブロック、洗浄用スクリューブロック、脱水用スクリューブロックおよび乾燥用スクリューブロックを、いずれも2条のフルフライトおよびニーディングディスクで構成した。
【0073】
このような構成の押出機2のフィード口412に、重合例により得られた共重合体のラテックス(固形分30重量%)を300kg/hrのレートで供給した。その際、凝固剤としての5重量%の塩化カルシウム水溶液を40kg/hrのレートで供給した。そして、洗浄ゾーン104に洗浄水を250kg/hrのレートで供給しながら、スクリュー回転数360rpmで共重合体の回収を行なった。
【0074】
その結果、バレルの下流側に接続されたダイ6から、シート状の乾燥した共重合体が88.9kg/hrのレートで回収された(回収率98.5%)。回収された共重合体の含水率は0.3重量%、残留する凝固剤(無機塩)の量は420ppmであり、製品として満足できる性状であった。なお、残留する凝固剤の量は、電位差滴定により測定した。
【0075】
本実施例において、共重合体の製品を100kg得るのに要した時間は、67分であった。
実施例2
凝固用スクリューブロックのニーディングディスク以外の部分のピッチを広げ、谷の数を18個とした。すなわち凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hを0.44とした以外は、実施例1と同様にして共重合体の回収を行なった。
【0076】
その結果、バレルの下流側に接続されたダイ6から、シート状の乾燥した共重合体が87.4kg/hrのレートで回収された(回収率96.7%)。回収された共重合体の含水率は0.4重量%、残留する凝固剤(無機塩)の量は570ppmであり、製品として満足できる性状であった。なお、残留する凝固剤の量は、電位差滴定により測定した。
【0077】
本実施例において、共重合体の製品を100kg得るのに要した時間は、69分であった。
【0078】
比較例
攪拌機を備えた1m3タンクに5重量%の塩化カルシウム水溶液183kgを入れ、攪拌状態を保ちながら、重合例で得られた共重合体のラテックス345kg(固形分30重量%)を345kg/hrのレートで全量投入して凝固操作を行なった。(凝固工程所用時間65分)
【0079】
次いで、生成したクラムスラリーを振動スクリーンに供給して水と分離し、洗浄水345kgで洗浄することにより、残存する塩化カルシウム、乳化剤等を除去した。
(洗浄工程所用時間30分)
【0080】
洗浄後の含水クラム(含水率53%)215kgを、大型の減圧乾燥機に入れ、50℃、−600mmHgの条件で乾燥を行い、10時間後含水率が0.5%となったため運転を停止し、乾燥した共重合体100kgを得た。(回収率96.1%、乾燥工程所用時間600分)
【0081】
回収された共重合体の含水率は0.5重量%、残留する凝固剤(無機塩)の量は650ppmであり、製品として満足できる性状であったが、凝固・脱水・洗浄に695分を要し、極めて生産性が悪いものであり、かつ凝固タンク、振動スクリーン、大型の減圧乾燥機といった多数の機器の設置が必要で、装置コスト及び設置面積が増大した。なお、残留する凝固剤の量は、電位差滴定により測定した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に使用する押出機を示す概略図である。
【図2】 図2は図1の押出機の内部に配置されるスクリューを示す概略図である。
【図3】 図3は図1のIII−III線と図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】 図4は図2のスクリューの凝固用スクリューブロックを説明するための一部破断概略図である。
【符号の説明】
2… 押出機
4… バレル
4a… 内壁面
41〜52… バレルブロック
432,472… 排水スリット
492… 脱水スリット
512… ベント口
6… ダイ
7… スクリュー
7A… 山部
7B… 谷部
8… ニーディングディスク

Claims (5)

  1. 少なくとも3個の第3級炭素原子を有し、該炭素原子の少なくとも1つが硫黄原子と直接結合している炭素数12〜16のアルキルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当たり0.03モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘度が15〜150であるα,β−エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体製造する方法であって、
    前記共重合体は、前記共重合体のラテックスを押出機に供給して、凝固、脱水及び乾燥を連続的に行なうことにより製造され、
    前記押出機が、バレルの内部にスクリューを回転駆動自在に配置した凝固ゾーンを少なくとも有し、
    該凝固ゾーンに対応する領域に形成された凝固用スクリューブロックの軸方向の長さをL1(mm)とし、その谷の数をn(個)とし、前記スクリューの外径をD(mm)としたときに、H=L1/(D×n)で求められる前記凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hが0.35以下であり、
    該凝固用スクリューブロックには、前記長さL1に対して、20〜50%の割合でニーディングディスクが含まれており、かつ、
    前記凝固ゾーンの下流側には、排水ゾーン、洗浄ゾーン、脱水ゾーン及び乾燥ゾーンが順次設けてあることを特徴とする共重合体の製造方法。
  2. 凝固用スクリューブロックの軸方向の長さL1とスクリューの外径Dとの比(L1/D)が12以下であるスクリューを用いる請求項1に記載の製造方法。
  3. スクリューの軸方向の長さをL(mm)としたときに、該長さLと外径Dとの比(L/D)が60以下であるスクリューを用いる請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 二軸噛合型で同方向回転型のスクリューを用いる請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 少なくとも3個の第3級炭素原子を有し、該炭素原子の少なくとも1つが硫黄原子と直接結合している炭素数12〜16のアルキルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当たり0.03モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘度が15〜150であるα,β−エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体のラテックスから共重合体を回収する装置であって、少なくとも凝固ゾーンが形成されたバレルと、該バレルの内部に回転駆動自在に配置されたスクリューとを有する押出機で構成してあり、前記スクリューが、前記凝固ゾーンに対応する領域に形成された凝固用スクリューブロックを有し、該凝固用スクリューブロックの長さをL1(mm)とし、その谷の数をn(個)とし、その外径をD(mm)としたときに、H=L1/(D×n)で求められる前記凝固用スクリューブロックのピッチ指数Hが0.35以下であり、
    前記凝固用スクリューブロックには、前記長さL1に対して、20〜50%の割合でニーディングディスクが含まれており、かつ、
    前記凝固ゾーンの下流側に、排水ゾーン、洗浄ゾーン、脱水ゾーンおよび乾燥ゾーンを順次有していることを特徴とする重合体の回収装置。
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