JP2006206660A - ハイドロタルサイトサスペンション、ポリマーブレンド組成物及び熱入れゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ハイドロタルサイト100重量部、界面活性剤3〜20重量部、分散剤0.1〜20重量部及び水からなるハイドロタルサイト濃度5〜40重量%のハイドロタルサイトサスペンション、並びに、該サスペンション、不飽和ニトリル−共役ジエンゴムラテックス及び塩化ビニル樹脂ラテックスの三者を混合して凝固し、次いで乾燥してなり、前記不飽和ニトリル−共役ジエンゴムラテックス中のゴム、及び、前記塩化ビニル樹脂ラテックス中の樹脂の混合割合が重量比で90/10〜40/60であるポリマーブレンド組成物。
【選択図】 なし
Description
一方、ジエン系重合体含有塩化ビニル樹脂組成物の熱安定性の改良にハイドロタルサイトを用いる方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、本研究者らが検討したところによると、ロールを用いてドライ状態で塩化ビニル樹脂とアクリロニトリル−ブタジエンゴム及びハイドロタルサイトを混合したのでは、微細な無機粉末のハイドロタルサイトを均一に分散させることができないため、高温の熱処理を必要とする熱入れには熱安定化性能が不十分であった。
また、特許文献2は、塩化ビニル樹脂を熱安定剤で予備コーティングしてからアクリロニトリル−ブタジエンゴムとブレンドし、次いで熱及び圧力を適用する製造方法を提案しているが、この方法を用いても、熱入れ工程での熱安定化効果は不十分である。
かくして本発明によれば、下記1〜7が提供される。
1. ハイドロタルサイト100重量部、界面活性剤3〜20重量部、分散剤0.1〜20重量部及び水からなるハイドロタルサイト濃度5〜40重量%のハイドロタルサイトサスペンション。
2.ハイドロタルサイト100重量部、界面活性剤3〜20重量部、分散剤0.1〜20重量部及び水150〜1900重量部を容器駆動ミル、媒体撹拌ミル又はコロイドミルで混合することを特徴とするハイドロタルサイトサスペンションの製造方法。
3. 上記1記載のハイドロタルサイトサスペンション、不飽和ニトリル−共役ジエンゴムラテックス及び塩化ビニル樹脂ラテックスの三者を混合して凝固し、次いで乾燥してなり、
前記不飽和ニトリル−共役ジエンゴムラテックス中のゴム、及び、前記塩化ビニル樹脂ラテックス中の樹脂の混合割合が、重量比で90/10〜40/60であるポリマーブレンド組成物。
4. 上記3記載のポリマーブレンド組成物を130〜230℃で混練してなる熱入れゴム組成物。
5. 前記ハイドロタルサイトの量が、前記ゴム及び前記樹脂の合計100重量部に対して0.01〜10重量部である上記3記載のポリマーブレンド組成物。
6. さらに架橋剤を、前記ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部含有してなる上記3又は5記載のポリマーブレンド組成物。
7. さらに架橋剤を、前記ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部含有してなる上記4記載の熱入れゴム組成物。
また、ハイドロタルサイトは、前記ハイドロタルサイト中のMgの一部をZnで置換したZn変性型や、ハイドロタルサイトと過塩素酸とを水中で任意の比率で反応させてハイドロタルサイト中のCO3の一部または全部をClO4に置換した過塩素酸一部導入型または過塩素酸導入型のものを用いてもよい。
ハイドロタルサイトの代表的な市販品の例として、協和化学工業社製のアルカマイザー1、アルカマイザー4、アルカマイザー5等を挙げることができる。
本発明においてハイドロタルサイトは、平均粒径が好ましくは0.01〜2μm、より好ましくは0.01〜1.5μmの比較的微細なものが好適である。ハイドロタルサイトの平均粒径が上記範囲にあると、ハイドロタルサイトサスペンションは均一で安定なので、ポリマーブレンド組成物の熱安定性を十分に向上することができる。
アニオン性界面活性剤の例としては、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウムなどのカルボン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルスルホン酸塩類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジトリデシルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸金属塩類;ラウリルリン酸、ノニルフェノールエーテルリン酸エステル、セチルエーテルリン酸エステルナトリウム塩などのリン酸エステル類;アクリル酸系オリゴマー、スチレンスルホン酸系オリゴマー、マレイン酸系オリゴマー、ポリイソプレンスルホン酸系オリゴマーなどの重合型アニオン性界面活性剤類;などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤の例としては、ステアリルアミンアセテートなどの脂肪族アミン類;ラウリルベタインなどの脂肪族ベタイン類;セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンなどのグリシン型両性界面活性剤;N−アルキル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油アルキルベタインなどのベタイン型両性海面活性剤;などが挙げられる。
本発明のハイドロタルサイトサスペンションにおける界面活性剤の含有量は、ハイドロタルサイト100重量部に対して3〜20重量部、好ましくは4〜15重量部、特に好ましくは5〜10重量部である。界面活性剤の配合量が少なすぎるとハイドロタルサイトサスペンションの分散安定性が低下するおそれがあり、逆に、多すぎるとハイドロタルサイトサスペンションを用いた操作を行う時に泡立ちする可能性がある。
ヒドロキシアルキルセルロースとしては、アルキル基がメチル基またはエチル基であることが好ましい。また、平均分子量は好ましくは10,000〜5,000,000、より好ましくは20,000〜3,000,000、特に好ましくは50,000〜2,000,000である。微結晶セルロースとしては、結晶化度が好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上で、平均粒子径が好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下のものである。ポリビニルアルコールとしては、鹸化度が好ましくは60〜99%、より好ましくは70〜99%、特に好ましくは80〜99%であり、平均分子量が好ましくは10,000〜500,000、より好ましくは20,000〜300,000である。
機械的剪断作用のある混合機は、微細なハイドロタルサイト粉末の集合体を衝撃や摩擦により解しながら水媒体に分散させる機能を有する混合機で、例えば、媒体遊星ミル、転動ボールミル、振動ボールミル等の容器駆動ミル;ビーズミル、サンドミル、タワーミル、流通管式ミル、撹拌槽式ミルアニュラー型ミル等の媒体撹拌ミル;オーダーバーガーミル、プレミエールミル等のコロイドミル;などが例示される。
混合機でハイドロタルサイトサスペンションを調製する際の各成分の添加順序に特に限定はない。
共役ジエン単量体としては、α、β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合可能な共役ジエン含有化合物であれば限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの炭素数4〜12の共役ジエン含有化合物が好ましく挙げられ、なかでも1,3−ブタジエンが好ましい。
別の重合法による例としては、溶液重合により前記の単量体をアルカリ金属などの重合開始剤を用いて有機溶媒中でアニオン重合してニトリルゴム含有有機溶媒溶液を得た後、水及び界面活性剤を加えて加温して有機溶媒を留去し、媒体を水に置換することによりラテックスを得ることができる。
乳化重合によると、粒径分布がシャープで平均粒径が好ましくは0.05〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.3μmの樹脂粒子が安定に分散した塩化ビニル樹脂ラテックスが得られる。
播種乳化重合では、乳化重合により得られた樹脂粒子を種子として、水媒体中でこれを単量体の重合により肥大化させるので、通常、肥大化された粒子のモードを0.9〜1.3μmに持つ大きなシャープなピークと、副生粒子のモードを0.1〜0.3μmに持つ小さなシャープなピークを有する粒径分布の樹脂粒子のラテックスが得られる。
微細懸濁重合では、媒体となる水、単量体、油溶性重合開始剤、アニオン性界面活性剤及び乳化助剤を二段式高圧ポンプ、コロイドミル、振動攪拌機などのホモジナイザにかけて乳化液滴を調製して緩やかな攪拌下でラジカル重合するので、通常、粒径分布が0.05〜約2μmにわたるブロードな山形で、平均粒径が0.8〜1.2μmである球形の一次粒子を含有するラテックスが得られる。アニオン性界面活性剤としては上記ハイドロタルサイトサスペンションで例示したものが使用される。また、乳化助剤としては、脂肪族高級アルコール;塩素化パラフィン、ソルビタントリエステルなどが使用される。
ハイドロタルサイトサスペンション、ニトリルゴムラテックス及び塩化ビニル樹脂ラテックスの三者間の混合順序は限定されず、また、三者のいずれかが又はいずれもが分割されて三者間で順不動に混合されてもよい。次工程の凝固に進む段階では、三者のいずれもが全量混合されてエマルション混合物が形成されていることが必要である。
ニトリルゴムラテックス中のゴム、及び、塩化ビニル樹脂ラテックス中の樹脂の混合割合は、重量比で90/10〜40/60であり、好ましくは70/30〜50/50である。ニトリルゴムの割合が少なすぎると成形品は弾性に欠けるものとなるおそれがあり、逆に、多すぎると成形品は耐オゾン性に劣る可能性がある。
前記エマルション混合物を調製するための混合装置に限定はないが、調製後にハイドロタルサイトが沈降しないよう混合槽の下層をポンピングできる撹拌機、循環ポンプなどを有する装置が好ましい。
凝固剤は、通常、水、アルコール、またはそれらの混合物に溶解して使用する。凝固剤溶液の濃度は、通常、5〜70重量%、好ましくは20〜50重量%である。凝固剤(純分)の添加量は限定されないが、ニトリルゴムラテックス中のゴム、塩化ビニル樹脂ラテックス中の樹脂、及び、ハイドロタルサイトサスペンション中のハイドロタルサイトの合計100重量部に対して、1〜10重量部が好ましく、2〜5重量部がより好ましい。
熱入れ操作のための混合機としては、通常、ゴム工業でゴム組成物を混練するために使用される、加熱可能な混合機であれば限定されないが、ブラベンダ、バンバリーミキサ、ロール機などが好ましく使用される。
試験、評価は下記によった。
(1)ゴムのムーニー粘度
ニトリルゴムのムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は、JIS K 6300に準じて測定した。
(2)塩化ビニル樹脂の平均重合度
塩化ビニル樹脂の平均重合度は、JIS K6721規定の比粘度法に準じて測定した。
粒経測定器(N4 Plus サブミクロン粒度分布測定装置、コールター社製)を用いて、単分散モード分析を行った測定値をゴムラテックス粒子の平均粒経とした。
塩化ビニル樹脂ラテックスは水で希釈し、また、ハイドロタルサイト粉末は水に添加して、28kHzの超音波振盪器に1分かけ、0.5重量%の分散液を調製した後、レーザ回折散乱法による粒径測定器(SALD2000J、島津製作所社製)にかけて得られる体積基準の累積粒径分布における累積50%相当粒径を平均粒径とした。
ハイドロタルサイトサスペンションの分散安定性は、調整したハイドロタルサイトサスペンションを室温下にて24時間静置した後のハイドロタルサイトサスペンションの状態を目視によって次の基準で評価した。
○:ハイドロタルサイトと水が分離せず均一な状態を保っている。
△:ハイドロタルサイトと水が分離している。または、ハイドロタルサイト
サスペンションが粘土状となり流動状態にない。
×:ハイドロタルサイトが液表面に浮き、サスペンション化されていない。
ポリマーブレンド組成物の熱安定性は、色相と表面肌との二つの試験から評価した。色相は、熱入れ操作を行って得た熱入れゴム組成物のポリマー相(ニトリルゴム及び塩化ビニル樹脂の混合相)の色相を肉眼で観察した。表面肌は、シート状の熱入れゴム組成物の表面肌を肉眼で観察した。
JIS K6259に準じて、40℃、オゾン濃度50pphm、40%伸長で、24時間及び144時間後の状態を次の基準で評価した。
試験片(試験シート)の作製については、先ず、50℃に加温したバンバリーミキサで、熱入れゴム組成物100部、加硫促進剤の酸化亜鉛5部及びステアリン酸1部、補強剤のカーボンブラック(SRFカーボン、東海カーボン社製)60部、並びに、可塑剤のアルキルスルホン酸フェニルエステル(メザモール、バイエル社製)20部を5分間混練した後、50℃に加温したロール機に移して加硫剤の硫黄0.5部、加硫促進剤のテトラメチルイウラムジスルフィド(ノクセラーTT、大内新興化学社製)1.5部及びN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(ノクセラーCZ、大内新興化学社製)1.5部を加えて5分間混練して成形用ゴム組成物を調製した。次いで該組成物を160℃、20分間のプレスによって成形、一次架橋して厚み2mm、縦150mm、横150mmのシートを得、これを試験片に用いた。
クラックが小さいほど、また、クラック数が少ないほど耐オゾン性に優れる。
NC:クラックの発生が認められない。
A1、B3、C2等:アルファベットはクラック数を表し、Aに比べてBが
多く、Bに比べてCが多い。数字が大きいほどクラックの大きさが大きい。
Cut:クラックが大きくなり、試験シートが切断された
攪拌機付き反応器に、水180部、ロジン酸カリウム4部、及び、連鎖移動剤のt−ドデシルメルカプタン0.5部を仕込んで気相を窒素置換、減圧脱気した後、アクリロニトリル35部及び1,3−ブタジエン65部を仕込み、撹拌しつつ内容物を30℃にし、重合開始剤である過硫酸カリウム0.3部を添加して乳化重合を開始した。その後、重合添加率90%の時点で硫酸ヒドロキシルアミン0.3部を添加して反応を停止し、ニトリルゴムラテックスを得た。ラテックス中のニトリルゴム粒子含有量は32%で、ゴム粒子の平均粒径は0.15μmであった。同ラテックスのサンプルを塩化カルシウムで凝固し、ろ過、洗浄、乾燥して得たニトリルゴムのアクリロニトリル単量体単位は33%、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は63であった。
攪拌機付耐圧反応器に、水120部、ラウリル硫酸ナトリウム0.8部、ラウリルアルコール1部、ラウロイルパーオキサイド0.04部を仕込んで窒素置換、減圧脱気した後、塩化ビニル100部を仕込んで攪拌、混合した。この混合物をホモジナイザで均質化した後、別の脱気された耐圧反応器に移し、ジャケットより加温して58℃にて微細懸濁重合を開始した。重合転化率が90%に達した後、未反応単量体を放出した。得られた塩化ビニル樹脂ラテックスの樹脂濃度は40%、樹脂粒子の平均粒径は1.0μmであった。少量採取したサンプルを乾燥して測定した樹脂の平均重合度は1,000であった。
ハイドロタルサイト(アルカマイザー1、協和化学社製、平均粒径0.5μm)100部、直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(テイカパワーLN2450、テイカ社製)7.5部、含水アルミニウムケイ酸塩(オスモスN、白石工業社製)5部及び水387.5部をボールミルで8時間混合してから取り出した。濃度は20%であった。該サスペンションの分散安定性を試験した結果を表1に記す。
表1に記す成分及び量を用いて実施例1と同様にしてハイドロタルサイトサスペンションを調製した。それらの分散安定性の試験結果を表1に記す。
塩化ビニル樹脂ラテックス75部(塩化ビニル樹脂に換算すると30部)と、実施例1で調製したハイドロタルサイトサスペンション1.5部(ハイドロタルサイトに換算すると0.3部)とをよく混合しておき、これにニトリルゴムラテックス218.75部(ニトリルゴムに換算すると70部)を注ぎ入れて混合した。次いで、このエマルション混合物に撹拌下で塩化カルシウム3.5部を添加して凝固し、ろ別してから真空乾燥機に入れ、60℃にて水分含有率1%以下になるまで乾燥してポリマーブレンド組成物を得た。
ポリマーブレンド組成物をブラベンダにて200℃に昇温するまで5分間混練して熱入れゴム組成物を得た後、50℃に加温したロール機に移し、5分間混練した後、引出して熱入れゴム組成物を厚さ2mmのシート状にした。
ポリマーブレンド組成物の熱安定性について、ロール機にてシート出しした直後の熱入れゴム組成物の色相と、シートの表面肌を評価した。また、成形用ゴム組成物を用いて圧縮成形して得た試験シートについて耐オゾン性試験を行った。結果を表2に記す。
ニトリルゴムラテックス100部を撹拌しつつ、これに塩化カルシウム3.5部を添加して凝固し、ろ別してから真空乾燥機に入れ、60℃にて水分含有率1%以下になるまで乾燥して、ニトリルゴム乾燥クラムを得た。一方、塩化ビニル樹脂ラテックスの一部を噴霧乾燥機で熱風入り口温度150℃、熱風出口温度55℃の条件で乾燥して水分含有率0.3%の塩化ビニル樹脂粉末を得た。
ヘンシェルミキサに塩化ビニル樹脂粉末30部及びハイドロタルサイト0.3部を入れ、撹拌して70〜80℃として5分間混合した後、ブラベンダに移してニトリルゴム乾燥クラム70部を加えて200℃に昇温するまで5分間混練して熱入れゴム組成物を得た後、50℃に加温したロール機に移し、5分間混練した後、引出して熱入れゴム組成物を厚さ2mmのシート状にした。実施例5と同様の試験を行った結果を表1に記す。
比較例4において、ハイドロタルサイト、塩化ビニル樹脂粉末及びニトリルゴム乾燥クラムの比較例4における混合操作に代えて、ロール機でニトリルゴム乾燥クラム及びハイドロタルサイトを70℃で5分間混合した後、ブラベンダに移して塩化ビニル樹脂粉末を加えて200℃に昇温するまで5分間混練する操作を採った他は、総て比較例4と同様に行った。実施例5と同様の試験を行った結果を表2に記す。
比較例4において、ハイドロタルサイト、塩化ビニル樹脂粉末及びニトリルゴム乾燥クラムの比較例4における混合操作に代えて、ロール機でニトリルゴム乾燥クラム及び塩化ビニル樹脂粉末を70℃で5分間混合した後、ブラベンダに移してハイドロタルサイトを加えて200℃に昇温するまで5分間混練する操作を採った他は総て比較例4と同様に行った。実施例5と同様の試験を行った結果を表2に記す。
実施例5において、ハイドロタルサイトサスペンションを使用せず、塩化ビニル樹脂ラテックス及びニトリルゴムラテックスの混合後にカルシウム/亜鉛系熱安定剤(SC−71、旭電化工業社製)0.3部を添加して混合した他は、総て実施例5と同様に行った。実施例5と同様の試験を行った結果を表2に記す。
一方、ハイドロタルサイト、ニトリルゴム及び塩化ビニル樹脂の三者をドライブレンドした組成物は、その混合順序如何によらず、200℃で溶融混練されると色調が橙色、茶色ないし褐色であり、また、シート表面は祖面で、いずれも熱安定性の劣る組成物となった。また、それらを用いた成形品はいずれも耐オゾン性が劣った(比較例4〜6)。
ハイドロタルサイトサスペンションを添加せずに、ニトリルゴムラテックス及び塩化ビニル樹脂ラテックスの混合物にカルシウム/亜鉛系熱安定剤を添加して凝固し、乾燥、200℃混練した場合は、成形品の耐オゾン性は良好であったが、該組成物は熱安定性に劣った(比較例7)。
Claims (7)
- ハイドロタルサイト100重量部、界面活性剤3〜20重量部、分散剤0.1〜20重量部及び水からなるハイドロタルサイト濃度5〜40重量%のハイドロタルサイトサスペンション。
- ハイドロタルサイト100重量部、界面活性剤3〜20重量部、分散剤0.1〜20重量部及び水150〜1900重量部を容器駆動ミル、媒体撹拌ミル又はコロイドミルで混合することを特徴とするハイドロタルサイトサスペンションの製造方法。
- 請求項1記載のハイドロタルサイトサスペンション、不飽和ニトリル−共役ジエンゴムラテックス及び塩化ビニル樹脂ラテックスの三者を混合して凝固し、次いで乾燥してなり、
前記不飽和ニトリル−共役ジエンゴムラテックス中のゴム、及び、前記塩化ビニル樹脂ラテックス中の樹脂の混合割合が、重量比で90/10〜40/60であるポリマーブレンド組成物。 - 請求項3記載のポリマーブレンド組成物を130〜230℃で混練してなる熱入れゴム組成物。
- 前記ハイドロタルサイトの量が、前記ゴム及び前記樹脂の合計100重量部に対して0.01〜10重量部である請求項3記載のポリマーブレンド組成物。
- さらに架橋剤を、前記ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部含有してなる請求項3又は5記載のポリマーブレンド組成物。
- さらに架橋剤を、前記ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部含有してなる請求項4記載の熱入れゴム組成物。
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