JP4314960B2 - 難燃性重合体組成物及びその製造方法 - Google Patents

難燃性重合体組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハロゲンフリーの難燃性重合体組成物及びその製造方法に関する。更に詳しくは、粒径の小さな難燃性無機化合物が重合体中に微分散された難燃性重合体組成物及びその製造方法に関する。
アクリル酸エステルを含む単量体を用いてなるアクリル系重合体は、耐熱性、耐油性等に優れた成形体とすることができるため、オイルシール等に広く利用されている。しかしながら、高温下で使用する際等では、難燃性、更には、燃焼時にハロゲンガスのような有毒ガスを発生しないことが要求されている。そのために、難燃剤として、非ハロゲン系の化合物、例えば、リン系化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、アンチモン化合物等を配合した組成物(特許文献1、特許文献2等)が知られている。
特開平6−340856号公報 特開平8−59869号公報
上記水酸化物等を難燃剤として用いる場合、十分な難燃性を得るために配合量を多くする必要があり、これによって機械的特性、特に引張強度が低下し、また、柔軟性、加工性が低下するという問題がある。また、上記水酸化物を配合する際に、大きさがミクロンサイズのものを用いることが多いことも、機械的特性が十分でない要因と考えられている。
一般に、成形体の難燃性を最大限に発揮させるためには、大きさの微小な難燃剤が微分散している組成物が好ましいと考えられている。上記特許文献に開示されている技術によると、重合体成分と、難燃剤とを別々に配合しても、微小な難燃剤を微分散させることが困難である等の問題点がある。
本発明は、ハロゲンフリーであり、機械的特性及び難燃性に優れた成形体を得るべくアルミニウム元素を含有し且つ粒径の小さな難燃性無機化合物が重合体中に微分散された難燃性重合体組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下に示される。
1.アクリル系重合体と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物と、を含む複合体を含有し、上記複合体は、上記アクリル系重合体の水系分散液と、上記アルミニウム含有難燃性無機化合物を形成可能な物質とを混合して混合液とする工程と、上記混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させる工程と、を備える方法により得られたものである難燃性重合体組成物。
2.アクリル系重合体と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物と、を含む複合体を含有し、上記複合体は、上記アクリル系重合体の水系分散液と、上記数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物とを混合して混合液とする工程と、上記混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させる工程と、を備える方法により得られたものである難燃性重合体組成物。
.上記アクリル系重合体は、アルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する上記1又は2記載の難燃性重合体組成物。
.上記アルミニウム含有難燃性無機化合物は、水酸化アルミニウムを含む上記1乃至3に記載の難燃性重合体組成物。
.上記アルミニウム含有難燃性無機化合物の含有量は、上記アクリル系重合体を含む全重合体100質量部に対して、10〜400質量部である上記1乃至のいずれかに記載の難燃性重合体組成物。
.上記アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルから選ばれる化合物を含む単量体を用いてなる重合体である上記1乃至のいずれかに記載の難燃性重合体組成物。
.更に、ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸金属塩、硬化油、アルキルアミン、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤から選ばれる相溶化剤を含有する上記1乃至のいずれかに記載の難燃性重合体組成物。
8.アクリル系重合体と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物と、を含む複合体を含有する難燃性重合体組成物の製造方法であって、上記アクリル系重合体の水系分散液と、上記アルミニウム含有難燃性無機化合物又はを形成可能な物質とを混合して混合液とする工程と、上記混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させる工程と、を備える難燃性重合体組成物の製造方法。
9.アクリル系重合体と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物と、を含む複合体を含有する難燃性重合体組成物の製造方法であって、上記アクリル系重合体の水系分散液と、上記数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物とを混合して混合液とする工程と、上記混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させる工程と、を備える難燃性重合体組成物の製造方法。
本発明の難燃性重合体組成物は、アクリル系重合体と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物と、を含有することにより、機械的特性及び難燃性に優れた成形体を得ることができる。また、ハロゲンフリーであるため、燃焼により有害ガスを放出することがない。
上記アルミニウム含有難燃性無機化合物の含有量が、上記アクリル系重合体を含む全重合体100質量部に対して、10〜400質量部である場合には、より難燃性に優れた成形体を得ることができる。
上記アクリル系重合体及び上記アルミニウム含有難燃性無機化合物が、特定の方法により得られ且つこれらを含む複合体として含有する場合には、難燃剤としての無機化合物が重合体中に微分散していることから特に機械的特性及び難燃性に優れた成形体を得ることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の難燃性重合体組成物は、アクリル系重合体と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物と、を含有することを特徴とするものである。
上記アクリル系重合体は、アクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物(以下、両者を合わせて、「(メタ)アクリル酸エステル」ともいう。)を単量体として用いてなる重合体であれば特に限定されない。この重合体は、各化合物の単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。共重合体の場合は、上記化合物と1種以上の他の単量体との共重合体であってもよい。尚、エステルは、アルキル基を有するものであってもよいし、芳香族環、脂肪族環、アリル基を有するものであっても、その他の基を有するものであってもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
その他、(メタ)アクリル酸シクロへキシル等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基等の官能基を有するものを用いることもでき、このような化合物を用いることが好ましい。これらの官能基を有する化合物を単量体として用いてなる重合体は、組成物中において、下記で説明するアルミニウム含有難燃性無機化合物の分散性をより高めることができる。
アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸5−ヒドロキシアミル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシへキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル等が挙げられる。
アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−(ジメチルアミノエトキシ)エチル等が挙げられる。
エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸グリシジル、エポキシ化シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記例示した(メタ)アクリル酸エステルは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
共重合体とする場合の他の単量体としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、更には、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、上記例示した(メタ)アクリル酸エステル以外のエポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、オキサゾリン基等の官能基を有するビニル系化合物等を用いることができる。また、多官能性のビニル系化合物、非共役環状ポリエン、不飽和カルボン酸のジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル基含有エステル等を用いることもできる。
上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、メチル−α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルピリジン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン等の塩素化スチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン等の臭素化スチレン、モノフルオロスチレン等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記「多官能性のビニル系化合物」は、1分子中に2個以上のビニル基を有するものであり、共重合体とする場合、架橋点を導入する等のために用いられる。この多官能性のビニル系化合物としては、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の多官能性芳香族ビニル化合物、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記非共役環状ポリエン及び上記不飽和カルボン酸のジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル基含有エステルも同様の作用を有する。
この非共役環状ポリエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,4−シクロオクタジエン、1,5−シクロオクタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセシル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記不飽和カルボン酸のジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル基含有エステルとしては、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシオキシジエチル等が挙げられる。これらのうち、アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチルが好ましく、この化合物を用いてなるアクリル系重合体は、加工性に優れ、また、得られる成形体の強度にも優れる。また、これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系重合体は、上記(メタ)アクリル酸エステル等を重合して得られたものであれば、樹脂であってもよいし、エラストマー(ゴムを含む)であってもよい。これらを得るための重合方法も特に限定されない。
本発明において、好ましいアクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルから選ばれる化合物を含む単量体を用いてなる重合体である。また、これらの化合物からなる単量体単位の合計が、重合体を構成する単量体単位全量に対して、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜98質量%であるアクリル系重合体が好ましい。具体的には、アクリル酸エチル・アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸エチル・アクリル酸ブチル・アクリル酸メトキシエチルゴム、アクリル酸2−エチルヘキシル・アクリル酸ブチルゴム、メタクリル酸2−エチルヘキシル・アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸ステアリル・アクリル酸ブチルゴム、ジメチルシロキサン・アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸エチル・アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチルゴム等が好ましく、特に、アクリル酸エチル・アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチルゴムが好ましい。
このような共重合ゴムは、上記単量体を、無機あるいは有機の過酸化物、アゾ化合物、レドックス系開始剤等のラジカル重合開始剤の存在下、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法により得ることができる。重合方法としては、乳化重合が好ましい。
乳化重合の際に用いる乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。フッ素系の界面活性剤を使用することもできる。これらの乳化剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。通常、アニオン系界面活性剤が多用され、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪族カルボン酸塩(カリウム塩、ナトリウム塩等)、ロジン酸塩等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。また、アゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化合物、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、及びこれら過酸化物と硫酸第1鉄とを組み合わせたレドックス系触媒等を用いることもできる。これらのラジカル重合開始剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
共重合ゴムの分子量を調節するために連鎖移動剤を使用することもできる。この連鎖移動剤としては、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン類等を用いることができる。
上記アクリル系共重合ゴムの製造工程において、単量体、乳化剤、ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤等は、反応容器にこれらの全量を一括して投入して重合を開始してもよいし、反応継続時に連続的あるいは間欠的に追加し、添加してもよい。この重合は酸素を除去した反応器を用いて0〜100℃で行うことができ、0〜80℃の重合温度で行うことが好ましい。反応途中で温度あるいは攪拌等の製造条件等を適宜に変更することもできる。重合方式は連続式でもよいし、回分式であってもよい。
重合時間は、通常、0.01〜30時間程度で、重合終了後、共重合ゴムを含むラテックスが得られる。固形分とするためには、このラテックスを塩化ナトリウム、塩化カルシウム等の水溶性無機化合物の水溶液に投入して、共重合ゴムを凝固せしめ、水洗、乾燥することにより目的とする共重合ゴムが得られる。
上記のようにして得られる共重合ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は、好ましくは10〜200であり、より好ましくは20〜100である。
次に、本発明の難燃性重合体組成物中にアクリル系重合体と共に含有するアルミニウム含有難燃性無機化合物について説明する。上記アルミニウム含有難燃性無機化合物は、難燃剤として用いるものであり、アルミニウム元素を含む化合物であり且つ数平均粒子径が500nm以下であれば特に限定されない。好ましい数平均粒子径は、1〜500nm、より好ましくは5〜300nm、更に好ましくは5〜200nmである。この数平均粒子径が大きすぎると、得られる成形体の難燃性及び強度が低下する傾向にある。
上記アルミニウム含有難燃性無機化合物としては、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。これらのうち、結晶水を含み、約200℃から脱水分解を開始する性質を有する水酸化アルミニウムが特に好ましい。尚、本発明において、この「水酸化アルミニウム」は、Al(OH)で表されるもののほか、アルミナ水和物(Al・HO、Al・3HO等)も含むものとする。
また、上記無機化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の難燃性重合体組成物中に含有する上記アルミニウム含有難燃性無機化合物の含有量は、上記アクリル系重合体を含む重合体の合計を100質量部とした場合、好ましくは10〜400質量部、より好ましくは20〜200質量部である。上記アルミニウム含有難燃性無機化合物の含有量が少なすぎると、得られる成形体の難燃性に劣る傾向にあり、一方、多すぎると、成形体の機械的強度が低下する傾向にある。
本発明の難燃性重合体組成物は、アクリル系重合体と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物とを含有するものであるが、これらの成分を別々に配合し、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物、好ましくは水酸化アルミニウム等をその大きさで微分散させることは難しい。本発明者らは、上記アクリル系重合体及び上記アルミニウム含有難燃性無機化合物を含む複合体を調製し、これを用いて難燃性重合体組成物とすることで、上記無機化合物を上記重合体中に微分散させ、ハロゲンフリーで且つ難燃性に優れた成形体を得ることができた。
上記複合体を調製する方法としては、以下の方法等が挙げられる。
(1)アクリル系重合体の水系分散液と、アルミニウム含有難燃性無機化合物を形成可能な物質(以下、「無機化合物形成物質」ともいう。)とを混合して混合液とする工程(p1)と、上記混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させる工程(p2)と、を備えた方法。
(2)アクリル系重合体の水系分散液と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物とを混合して混合液とする工程(q1)と、上記混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させる工程(q2)と、を備えた方法。
上記方法(1)において、上記「アクリル系重合体の水系分散液」は、上記例示したアクリル系重合体が、水系媒体に分散されたものである。分散媒は通常、水であるが、水にアルコール等が溶解する水系媒体であってもよい。また、上記例示したアクリル系重合体の分散方法は特に限定されない。
上記分散液としては、乳化重合により得られたラテックスが好ましく、上述のように、アクリル系共重合ゴムを乳化重合によって製造して得られたラテックスをそのまま用いることができる。上記アクリル系重合体の水系分散液は、それぞれ1種単独で、あるいはアクリル系重合体の種類若しくは水系分散液の種類を問わず、2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、アルミニウム含有難燃性無機化合物を形成可能な物質(無機化合物形成物質)は、好ましくは水酸化アルミニウム等を形成可能な物質である。上記アクリル系重合体の水系分散体と混合するに際しては、この無機化合物形成物質は固体状態であってもよいし、媒体に溶けた溶液であってもよいし、媒体に分散した分散体であってもよい。
水酸化アルミニウムを形成可能な物質としては、無機物質、有機系物質のいずれでもよい。この無機物質としては、(i)アルミニウム元素を含む硫酸塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、次亜硝酸塩、塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、臭素酸塩、亜臭素酸塩、次亜臭素酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、塩酸塩(塩化物、ポリ塩化物)等の金属塩、(ii)アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの化合物は、水、酸、アルカリ等に溶解又は分散した形で用いることができる。
また、有機系物質としては、アルミニウム元素を含む有機金属化合物、有機酸塩等を用いることができる。有機金属化合物としては、アルミニウム元素を含む金属のアルコキシドが好ましく、トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、又はそれらの少なくとも1つが塩素等の加水分解可能なハロゲン等が置換された化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの有機金属化合物は、通常、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性アルコールに例示される有機溶媒に溶解した状態で用いられる。従って、この有機金属化合物の溶解液に水を加えることにより、有機金属化合物を加水分解させ、次いで、その加水分解物を縮合することにより、無機化合物形成物質を含む溶液が得られる。有機金属化合物と水との反応においては、縮合反応を促進するために、必要に応じて酸性物質又はアルカリ性物質を添加してもよい。これらは、酸又はアルカリの水溶液として添加することもできる。
また、有機酸塩としては、酢酸塩、コハク酸塩、フタル酸塩、ヘキサン酸塩等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のようにして得られた有機系物質、あるいはこの有機系物質を含む溶液又は分散液は、上記無機物質を含む溶液又は分散液と混合して用いることもできる。使用時には、必要に応じてpH等の調整を行ってもよい。
また、上記化合物のうち、水、酸、アルカリ等の媒体に溶解しないものは、これらの媒体中で分散させた状態で用いることができる。その際には、コロイドミル、ホモジナイザー等を用いることができる。
上記方法(1)の工程(p1)において、上記アクリル系重合体の水系分散液と、上記無機化合物形成物質とを混合する方法は特に限定されないが、混合液とした場合に、上記無機化合物形成物質の含有量を、上記アクリル系重合体100質量部に対し、形成されることとなる無機化合物(水酸化アルミニウムを主とするもの)の生成量が好ましくは10〜400質量部、より好ましくは20〜200質量部となるように選択する。上記無機化合物形成物質を用いて水酸化アルミニウムを含有する複合体とする場合には、副生成物を含有することがあるため、それを考慮して使用量を選択すればよい。
また、混合液とする段階で、上記アクリル系重合体の水系分散液及び上記無機化合物形成物質以外に、水酸化アルミニウム粒子又はその分散液を更に用いてもよい。この場合、上記アクリル系重合体の水系分散液及び上記無機化合物形成物質の使用量も上記と同様にして選択すればよい。
尚、上記工程(p1)における混合方法は特に限定されない。
次いで、上記混合液より、複合体を凝固物として生成させるために、工程(p2)へ進む。この工程(p2)は、混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させるものであり、通常のラテックスからゴム成分を凝固させる方法を適用して凝固物を形成させることができる。
共凝固に用いる上記水溶性無機化合物としては、電解質が好ましく、(i)塩化ナトリウム、塩化カリウム、(ii)カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等の多価金属の塩が挙げられる。後者の(ii)としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛、硝酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム等が挙げられる。上記例示した化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物は、固体状態のまま用いてもよいし、水溶液として用いてもよい。
また、共凝固に用いることができる酸としては、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられる。
上記工程(p2)における共凝固の際の温度、混合液のpH等は特に限定されないが、製造される複合体に残留する無機塩を低減するためには、温度を10℃以上、好ましくは10〜80℃、より好ましくは10〜50℃とし、混合液をpH4〜11、好ましくはpH5〜10の範囲内に制御することが好ましい。共凝固の際の温度が10℃未満では、工業的に適さない傾向にあり、一方、温度が高すぎると、アルミニウム含有難燃性無機化合物の分散が悪化する傾向にある。
共凝固を行った後、通常、凝固物を水洗する等により、電解質等を除去し、次いで、熱風乾燥、真空乾燥等により水分を除去して乾燥を行う。以上より、アクリル系重合体中に水酸化アルミニウムを主とする無機化合物が均一に微分散した複合体が得られる。
上記方法(1)によって製造された複合体に含まれるアルミニウム含有難燃性無機化合物の数平均粒子径は、好ましくは、1〜500nmであり、より好ましくは5〜300nmである。
また、上記方法(1)によって製造された複合体の数平均粒子径は、通常、10μm〜20mmであり、好ましくは100μm〜10mmである。
次に、上記方法(2)について説明する。工程(q1)で用いるアクリル系重合体の水系分散液は、上記方法(1)の工程(p1)において説明したものをそのまま適用することができる。
また、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物、例えば、水酸化アルミニウムを用いる場合には、固体状態であってもよいし、媒体に溶けた溶液であってもよいし、媒体に分散した分散体であってもよい。
上記方法(2)の工程(q1)において、上記アクリル系重合体の水系分散液と、上記アルミニウム含有難燃性無機化合物とを混合する方法は特に限定されないが、混合液とした場合に、上記アルミニウム含有難燃性無機化合物の含有量を、上記アクリル系重合体100質量部に対し、好ましくは10〜400質量部、より好ましくは20〜200質量部となるように選択する。
尚、上記工程(q1)における混合方法も特に限定されない。但し、より微分散された複合体を得るために、混合液の攪拌を十分に行うことが好ましい。
次いで、上記混合液より、複合体を凝固物として生成させるために、工程(q2)へ進む。この工程(q2)は、混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させるものであり、上記方法(1)の工程(p2)において説明した方法を適用することができる。
上記方法(2)によって製造された複合体に含まれるアルミニウム含有難燃性無機化合物の数平均粒子径は、好ましくは、1〜500nmであり、より好ましくは5〜300nmである。
また、上記方法(2)によって製造された複合体の数平均粒子径は、通常、10μm〜20mmであり、好ましくは100μm〜10mmである。
本発明の難燃性重合体組成物は、上記複合体をそのまま混練することにより得ることができる。また、本発明の難燃性重合体組成物は、上記複合体と、上記複合体を構成するアクリル系重合体、他の重合体、各種添加剤等から選ばれる成分とを適宜組み合わせて混練することによって得ることもできる。
上記他の重合体としては、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・アクリルゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリフッ化ビニリデン、スチレン・酢酸ビニリデン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、メタクリル酸メチル・スチレン共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記他の重合体を用いる場合の配合量は、上記アクリル系重合体100質量部に対して、好ましくは0〜50質量部、より好ましくは0〜30質量部である。
上記添加剤としては、相溶化剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、抗菌剤、充填剤、他の難燃剤、耐候剤、着色剤(顔料、染料)等が挙げられる。
上記相溶化剤としては、ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸金属塩、硬化油、アルキルアミン、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。この相溶化剤を用いる場合の配合量は、上記アクリル系重合体を含む重合体の合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.2〜10質量部である。
上記酸化防止剤としては、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン類、ヒンダードフェノール類、硫黄含有化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記老化防止剤としては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系、ビス−、トリス−、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダードフェノール系、亜リン酸エステル系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記熱安定剤としては、乳酸、ヒドロキシ酪酸等のナトリウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、亜鉛、鉛、銀、銅等の塩等の脂肪族カルボン酸塩等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記可塑剤としては、脂肪族二塩基酸エステル、フタル酸エステル、ヒドロキシ多価カルボン酸エステル、ポリエステル系可塑剤、脂肪酸エステル、エポキシ系可塑剤等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記滑剤としては、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂、パラフィン、高級脂肪酸,オキシ脂肪酸、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪族アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、金属石鹸、変性シリコーン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記抗菌剤としては、ゼオライト系抗菌剤、シリカゲル系抗菌剤、ガラス系抗菌剤、リン酸カルシウム系抗菌剤、リン酸ジルコニウム系抗菌剤、ケイ酸塩系抗菌剤、酸化チタン系抗菌剤、セラミック系抗菌剤、ウィスカー系抗菌剤等の無機系抗菌剤、及び、ホルムアルデヒド放出剤、ハロゲン化芳香族化合物、ロードプロパルギル誘導体、チオシアナト化合物、イソチアゾリノン誘導体、トリハロメチルチオ化合物、第四アンモニウム塩、ビグアニド化合物、アルデヒド類、フェノール類、ベンズイミダゾール誘導体、ピリジンオキシド、カルバニリド、ジフェニルエーテル、カルボン酸、有機金属化合物等の有機系抗菌剤、天然抗菌剤のいずれをも用いることができる。
上記充填剤としては、有機フィラー、無機フィラー、有機無機複合フィラーのいずれであってもよく、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、カーボンブラック、タルク、ワラストナイト、ロックフィラー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドファイバー、二硫化モリブデン、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の難燃性重合体組成物は、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を用い、各成分を混練りすることによって得られる。混練りするに際しては、各成分を一括して混練りしてもよく、多段添加方式で混練りしてもよい。このようにして得られた組成物を用いて、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、シート押出、真空成形、発泡成形、ブロー成形等によって所定形状を有する成形品を製造することができる。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り質量基準である。
1.複合体の製造
1−1.アクリル系重合体の調製
窒素置換したステンレス容器に、アクリル酸エチル95部、アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル(DCPOEA)5部、ラウリル硫酸ナトリウム4部、及び水200部を仕込んだ。その後、重合開始剤として過硫酸カリウム0.2部を加え、50℃で重合を開始した。重合転化率がほぼ100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を添加し、共重合反応を停止させ、固形分濃度が21%であるラテックス(A)を得た。反応時間は15時間であった。
次いで、このラテックス(A)476部に0.25%の塩化カルシウム水溶液1900部を添加し重合体を凝固させた後、この凝固物を十分に水洗した。その後、得られた凝固物をデカンテーションし、約90℃で3時間乾燥させることにより、粉末状のアクリル系重合体(ACM−1)を得た。この重合体(ACM−1)のムーニー粘度ML1+4(100℃)は50であった(表1参照)。
1−2.複合体の製造並びに組成物の調製及び評価
実施例1
2.4%のアルミン酸ナトリウム水溶液(Al換算では0.9%)5140部に10%の硫酸760部を添加し、混合液をpH7に調整して水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム含有スラリー溶液を得た。その後、このアルミニウム含有スラリー溶液に、上記で調製した21%のラテックス(A)476部(固形ゴムとして100部)を加え、攪拌機を用いて混合し、クラムスラリーを生成させた。このクラムスラリーはpH7.5であった。
次いで、10%の硫酸を用いて混合液をpH7に調整し、凝固を完結させ、平均径が約0.3mmのアクリル系重合体及び無機化合物からなるクラムが共凝固により生成していることが確認できた。クラムは全て沈殿し、液の上澄みは透明であった。
得られたクラムを水洗後、熱風乾燥機を用いて90℃で乾燥させ、複合体(I)を得た。この複合体(I)を構成する無機化合物の数平均粒子径を、透過型電子顕微鏡(型式「H−7500」日立製作所社製)により測定したところ、20nmであった。また、上記複合体(I)を灰化させ、灰分から算出される無機化合物の含有量及びX線マイクロアナライザー(XMA)の測定結果から、複合体(I)は、上記アクリル重合体(ACM−1)100部に対して、水酸化アルミニウム60部及び硫酸アルミニウム20部を含むことが分かった(表1参照)。
Figure 0004314960
上記複合体(I)180部、FEFカーボンブラック(東海カーボン社製、商品名「シーストSO」)10部、亜鉛華(正同化学工業社製、商品名「酸化亜鉛」)5部、ステアリン酸(花王社製、商品名「ルナックS−30」)1部、及び、シランカップリング剤(ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、デグサ社製、商品名「Si69」)5部をバンバリーミキサー(神戸製鋼社製)により混練した。その後、混練物を冷却し、更に、架橋剤としてジクミルパーオキサイド(日本油脂社製、商品名「パークミルD−40」)4部、及び、架橋助剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレート(精工化学社製、商品名「ハイクロスM」)2部を、10インチオープンロールにより配合し、シート用金型(150mm×150mm×2mm)を用いて成形体とし、170℃に加熱されたプレス成形機により20分プレス架橋し、厚さ2mmのゴムシートを得た。
上記ゴムシートを以下の項目に合わせて加工し評価した。その結果を表2に示す。
(1)引張破断強度及び引張破断伸び
JIS−K6251に準拠して測定した。
(2)硬度
柔軟性の指標として、JIS−K6253に準拠して測定した。
(3)難燃性
JIS−K6269に準拠して酸素指数(LOI)を測定した。単位は%である。尚、この酸素指数は、継続燃焼に必要な雰囲気中の酸素の限界濃度、即ち、所定の試験条件下において材料が燃焼を持続するのに必要な酸素中の容量パーセントで表される最低酸素濃度の数値であり、この値が大きいほど難燃性に優れる。
(4)耐候性
JIS−K6259に準拠し、オゾン濃度500pphmで、40℃、200時間、静的40%伸張の条件で亀裂の有無を調べた。亀裂が認められなかった場合を「NC」とした。
(5)耐油性
JIS−K6258に準拠し、IRM903試験油(No.3オイル)を用い、100℃、70時間浸漬試験による体積変化率(ΔV)を求めた。
Figure 0004314960
実施例2
2.4%のアルミン酸ナトリウム水溶液5140部に10%の硫酸680部を添加し、混合液をpH9に調整して水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム含有スラリー溶液を得た。その後、このアルミニウム含有スラリー溶液に、上記で調製した21%のラテックス(A)476部を加え、攪拌機を用いて混合し、クラムスラリーを生成させた。このクラムスラリーはpH9.5であった。
次いで、10%の硫酸を添加することにより混合液をpH7に調整し、凝固を完結させ、平均径が約0.4mmのアクリル重合体及び無機化合物からなるクラムが共凝固により生成していることが確認できた。クラムは全て沈殿し、液の上澄みは透明であった。
得られたクラムを水洗後、熱風乾燥機を用いて90℃で乾燥させ、複合体(II)を得た。この複合体(II)は、上記アクリル重合体(ACM−1)100部に対して、水酸化アルミニウム68部及び硫酸アルミニウム12部を含むことが分かった(表1参照)。
上記複合体(II)を用い、実施例1と同様にして各評価を行った。その結果を表2に併記した。
実施例3
2.4%のアルミン酸ナトリウム水溶液5140部に10%の硫酸840部を添加し、混合液をpH4に調整して水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム含有スラリー溶液を得た。その後、このアルミニウム含有スラリー溶液に、上記で調製した21%のラテックス(A)476部を加え、攪拌機を用いて混合し、クラムスラリーを生成させた。このクラムスラリーはpH4.5であった。その結果、平均径が約0.3mmのアクリル系重合体及び無機化合物からなるクラムが共凝固により生成していることが確認できた。クラムは全て沈殿し、液の上澄みは透明であった。
得られたクラムを水洗後、熱風乾燥機を用いて90℃で乾燥させ、複合体(III)を得た。この複合体(III)は、アクリル重合体(ACM−1)100部に対して、水酸化アルミニウム48部及び硫酸アルミニウム32部を含むことが分かった(表1参照)。
上記複合体(III)を用い、実施例1と同様にして各評価を行った。その結果を表2に併記した。
比較例1
上記アクリル重合体(ACM−1)100部、水酸化アルミニウム粉末(商品名「ハイジライトH−42M」)80部、上記FEFカーボンブラック10部、上記亜鉛華5部、上記ステアリン酸1部、及び、上記シランカップリング剤5部をバンバリーミキサー(神戸製鋼社製)により混練した以外は、上記実施例1と同様にして各評価を行った。その結果を表2に併記した。
比較例2
上記水酸化アルミニウム粉末に代えて、水酸化マグネシウム粉末(商品名「キスマ5B」、協和化学社製、平均粒子径0.8μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして各評価を行った。その結果を表2に併記した。
2.評価結果について
表2より、比較例1及び2は、粒径の大きな難燃剤を含有する例であり、耐油性は18%を超えるものの、引張強度は、それぞれ3.4MPa及び3.2MPaと劣る。また、難燃性が27%及び28%と低かった。
一方、実施例1〜3は、各複合体に含まれる水酸化アルミニウムの含有量が80部に達しないのにもかかわらず、すべてにおいて比較例1よりも優れた引張強度及び難燃性を示した。これらの実施例は、難燃剤としての無機化合物が微分散しているために優れた性質を示すものと思われる。
本発明の難燃性重合体組成物は、耐油性、耐熱性を有し、耐燃料油性、引張強度に優れた成形体とすることができ、この効果を生かしてオイルクーラーホース、エアーダクトホース、パワーステアリングホース、コントロールホース、インタークーラーホース、トルコンホース、オイルリターンホース、耐熱ホース等の各種ホース材、燃料ホース材、ベアリングシール、バルクステムシール、各種オイルシール、O−リング、パッキング、ガスケット等のシール材、各種ダイヤフラム、ゴム板、ベルト、オイルレベルゲージ、ホースマスキング、配管断熱材等の被覆材、複写機等のロール等に好適に利用することができる。

Claims (9)

  1. アクリル系重合体と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物と、を含む複合体を含有し、
    上記複合体は、上記アクリル系重合体の水系分散液と、上記アルミニウム含有難燃性無機化合物を形成可能な物質とを混合して混合液とする工程と、上記混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させる工程と、を備える方法により得られたものである難燃性重合体組成物。
  2. アクリル系重合体と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物と、を含む複合体を含有し、
    上記複合体は、上記アクリル系重合体の水系分散液と、上記数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物とを混合して混合液とする工程と、上記混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させる工程と、を備える方法により得られたものである難燃性重合体組成物。
  3. 上記アクリル系重合体は、アルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する請求項1又は2記載の難燃性重合体組成物。
  4. 上記アルミニウム含有難燃性無機化合物は、水酸化アルミニウムを含む請求項1乃至3のいずれかに記載の難燃性重合体組成物。
  5. 上記アルミニウム含有難燃性無機化合物の含有量は、上記アクリル系重合体を含む全重合体100質量部に対して、10〜400質量部である請求項1乃至のいずれかに記載の難燃性重合体組成物。
  6. 上記アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルから選ばれる化合物を含む単量体を用いてなる重合体である請求項1乃至のいずれかに記載の難燃性重合体組成物。
  7. 更に、ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸金属塩、硬化油、アルキルアミン、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤から選ばれる相溶化剤を含有する請求項1乃至のいずれかに記載の難燃性重合体組成物。
  8. アクリル系重合体と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物と、を含む複合体を含有する難燃性重合体組成物の製造方法であって、
    上記アクリル系重合体の水系分散液と、上記アルミニウム含有難燃性無機化合物を形成可能な物質とを混合して混合液とする工程と、
    上記混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させる工程と、
    を備える難燃性重合体組成物の製造方法。
  9. アクリル系重合体と、数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物と、を含む複合体を含有する難燃性重合体組成物の製造方法であって、
    上記アクリル系重合体の水系分散液と、上記数平均粒子径が500nm以下のアルミニウム含有難燃性無機化合物とを混合して混合液とする工程と、
    上記混合液に水溶性無機化合物及び/又は酸を添加してアクリル系重合体を共凝固させる工程と、
    を備える難燃性重合体組成物の製造方法。
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