JP4140251B2 - 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池のサイクル特性や電気容量、保存特性などの電池特性にも優れたリチウム二次電池を提供することができる非水電解液、およびそれを用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リチウム二次電池は小型電子機器などの駆動用電源として広く使用されている。リチウム二次電池は、主に正極、非水電解液および負極から構成されており、特に、LiCoO2などのリチウム複合酸化物を正極とし、炭素材料又はリチウム金属を負極としたリチウム二次電池が好適に使用されている。そして、そのリチウム二次電池用の非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などのカーボネート類が好適に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電池のサイクル特性および電気容量などの電池特性について、さらに優れた特性を有する二次電池が求められている。
正極として、例えばLiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2などを用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の溶媒が充電時に局部的に一部酸化分解することにより、該分解物が電池の望ましい電気化学的反応を阻害するために電池性能の低下を生じる。これは正極材料と非水電解液との界面における溶媒の電気化学的酸化に起因するものと思われる。
また、負極として例えば天然黒鉛や人造黒鉛などの高結晶化した炭素材料を用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の溶媒が充電時に負極表面で還元分解し、非水電解液溶媒として一般に広く使用されているECにおいても充放電を繰り返す間に一部還元分解が起こり、電池性能の低下が起こる。
このため、電池のサイクル特性および電気容量などの電池特性は必ずしも満足なものではないのが現状である。
【0004】
本発明は、前記のようなリチウム二次電池用非水電解液に関する課題を解決し、電池のサイクル特性に優れ、さらに電気容量や充電状態での保存特性などの電池特性にも優れたリチウム二次電池を構成することができるリチウム二次電池に使用できる非水電解液、およびそれを用いたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、該非水電解液中に下記一般式(I)、
【化3】
(式中、Rは炭素数2〜12のアルキルカルボニル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜18のアリールオキシカルボニル基および炭素数1〜12のアルカンスルホニル基からなる群から選ばれる置換基を示す。ただし、前記置換基が有する水素原子のうち少なくとも1つがハロゲン原子または炭素数6〜18のアリール基で置換されていてもよい。)で表わされるペンタフルオロフェノール化合物が含有されていることを特徴とする非水電解液に関する。
【0006】
また、本発明は、正極、負極および非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなるリチウム二次電池において、該非水電解液中に下記一般式(I)、
【化4】
(式中、Rは炭素数2〜12のアルキルカルボニル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜18のアリールオキシカルボニル基および炭素数1〜12のアルカンスルホニル基からなる群から選ばれる置換基を示す。ただし、前記置換基が有する水素原子のうち少なくとも1つがハロゲン原子または炭素数6〜18のアリール基で置換されていてもよい。)で表わされるペンタフルオロフェノール化合物が含有されていることを特徴とするリチウム二次電池に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、非水電解液中に含有される前記一般式(I)のRは炭素数2〜12のアルキルカルボニル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜18のアリールオキシカルボニル基および炭素数1〜12のアルカンスルホニル基からなる群から選ばれる置換基であるが、その具体例について以下に詳述する。
本発明において、前記置換基が有する水素原子のうち少なくとも1つがハロゲン原子または炭素数6〜18のアリール基で置換されていてもよい。
【0008】
Rが前記炭素数2〜12のアルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、ヘキシルカルボニル基、ヘプチルカルボニル基、オクチルカルボニル基、ノニルカルボニル基、デシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基のような置換基が挙げられる。また、イソプロピルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基のような分枝したアルキルカルボニル基が挙げられる。さらに、前記置換基が有する水素原子のうち少なくとも1つがハロゲン原子または炭素数6〜18のアリール基で置換された置換基が挙げられ、その具体例として、トリフルオロメチルカルボニル基、1,2−ジクロロエチルカルボニル基、ペンタフルオロエチルカルボニル基、ヘプタフルオロプロピルカルボニル基あるいは、ベンジルカルボニル基のようなアルキルカルボニル基が挙げられる。また、メチレン基(CH2=)やアリル基(CH2=CH−CH2−)のような不飽和結合を有するアルキル基が置換したアルキルカルボニル基が挙げられる。その具体例としてビニルカルボニル基、1−メチルビニルカルボニル基が挙げられる。
具体的なアルキルカルボニル基を有するペンタフルオロフェノール化合物としては、酢酸ペンタフルオロフェニル、プロピオン酸ペンタフルオロフェニル、ブタン酸ペンタフルオロフェニル、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル、ペンタフルオロプロピオン酸ペンタフルオロフェニル、アクリル酸ペンタフルオロフェニル、メタクリル酸ペンタフルオロフェニル等が好適に挙げられる。
【0009】
また、Rが前記炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基のような置換基が挙げられる。また、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基のような分枝したアルコキシカルボニル基が挙げられる。さらに、前記置換基が有する水素原子のうち少なくとも1つがハロゲン原子または炭素数6〜18のアリール基で置換された置換基が挙げられ、その具体例として、1−クロロエトキシカルボニル基、2−クロロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、あるいは、ベンジルオキシカルボニル基のようなアルコキシカルボニル基が挙げられる。
具体的なアルコキシカルボニル基を有するペンタフルオロフェノール化合物としては、メチルペンタフルオロフェニルカーボネート、エチルペンタフルオロフェニルカーボネート、tert−ブチルペンタフルオロフェニルカーボネート、9−フルオレニルメチルペンタフルオロフェニルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルペンタフルオロフェニルカーボネート等が好適に挙げられる。
【0010】
また、Rが前記炭素数7〜18のアリールオキシカルボニル基としては、フェニルオキシカルボニル基、o−,m−又はp−トリルオキシカルボニル基などの置換基が挙げられる。
具体的なアリールオキシカルボニル基を有するペンタフルオロフェノール化合物としては、フェニルペンタフルオロフェニルカーボネート、ジペンタフルオロフェニルカーボネート等が好適に挙げられる。
【0011】
また、Rが前記炭素数1〜12のアルカンスルホニル基としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ペンタンスルホニル基、ヘキサンスルホニル基、ヘプタンスルホニル基、オクタンスルホニル基、ノナンスルホニル基、デカンスルホニル基、ドデカンスルホニル基にような置換基が挙げられる。また、2−プロパンスルホニル基のような分枝したアルカンスルホニル基が挙げられる。さらに、前記置換基が有する水素原子のうち少なくとも1つがハロゲン原子で置換された置換基が挙げられ、その具体例として、トリフルオロメタンスルホニル基、2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基が挙げられる。
具体的なアルカンスルホニル基を有するペンタフルオロフェノール化合物としては、ペンタフルオロフェニルメタンスルホネート、ペンタフルオロフェニルエタンスルホネート、ペンタフルオロフェニルプロパンスルホネート、ペンタフルオロフェニルトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロフェニル−2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート等が好適に挙げられる。
【0012】
本発明において、前記ペンタフルオロフェノール化合物のうち1種または2種以上が非水電解液中に含有される。非水電解液中に含有される前記一般式(I)で表わされるペンタフルオロフェノール化合物の含有量は、過度に多いと電池性能が低下することがあり、また、過度に少ないと期待した十分な電池性能が得られない。したがって、その含有量は非水電解液の重量に対して0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の範囲がサイクル特性が向上するのでよい。
【0013】
本発明で使用される非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類や、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類、プロピオン酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸オクチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類が挙げられる。
【0014】
これらの非水溶媒は、1種類で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。非水溶媒の組み合わせは特に限定されないが、例えば、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせ、環状カーボネート類とラクトン類との組み合わせ、環状カーボネート類3種類と鎖状カーボネート類との組み合わせなど種々の組み合わせが挙げられる。
【0015】
本発明で使用される電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、LiPF3(iso−C3F7)3、LiPF5(iso−C3F7)などが挙げられる。これらの電解質塩は、1種類で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら電解質塩は、前記の非水溶媒に通常0.1〜3M、好ましくは0.5〜1.5Mの濃度で溶解されて使用される。
【0016】
本発明の電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記の電解質塩を溶解し、前記一般式(I)で表わされるペンタフルオロフェノール化合物のうち少なくとも1種を溶解することにより得られる。
【0017】
本発明の非水電解液は、二次電池、特にリチウム二次電池の構成部材として使用される。二次電池を構成する非水電解液以外の構成部材については特に限定されず、従来使用されている種々の構成部材を使用できる。
【0018】
例えば、正極活物質としてはコバルトまたはニッケルを含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種類だけを選択して使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。このような複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiCo1-xNixO2(0.01<x<1)などが挙げられる。また、LiCoO2とLiMn2O4、LiCoO2とLiNiO2、LiMn2O4とLiNiO2のように適当に混ぜ合わせて使用しても良い。
【0019】
正極は、前記の正極活物質をアセチレンブラック、カーボンブラックなどの導電剤およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結着剤と混練して正極合剤とした後、この正極材料を集電体としてのアルミニウム箔やステンレス製のラス板に圧延して、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製される。
【0020】
負極(負極活物質)としては、リチウム金属やリチウム合金、およびリチウムを吸蔵・放出可能な炭素材料〔熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類(人造黒鉛、天然黒鉛など)、有機高分子化合物燃焼体、炭素繊維〕、または複合スズ酸化物などの物質が使用される。特に、格子面(002)の面間隔(d002)が0.335〜0.340nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好ましい。これらの負極活物質は、1種類だけを選択して使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。なお、炭素材料のような粉末材料はエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結着剤と混練して負極合剤として使用される。負極の製造方法は、特に限定されず、上記の正極の製造方法と同様な方法により製造することができる。
【0021】
リチウム二次電池の構造は特に限定されるものではなく、正極、負極および単層又は複層のセパレータを有するコイン型電池、さらに、正極、負極およびロール状のセパレータを有する円筒型電池や角型電池などが一例として挙げられる。なお、セパレータとしては公知のポリオレフィンの微多孔膜、織布、不織布などが使用される。
【0022】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
実施例1
〔非水電解液の調製〕
PC:DMC(容量比)=1:2の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した後、さらにペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを非水電解液に対して0.5重量%となるように加えた。
【0023】
〔リチウム二次電池の作製および電池特性の測定〕
LiCoO2(正極活物質)を90重量%、アセチレンブラック(導電剤)を5重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して正極を調製した。人造黒鉛(負極活物質)を90重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加え、混合したものを銅箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して負極を調製した。そして、ポリプロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記の非水電解液を注入させてコイン電池(直径20mm、厚さ3.2mm)を作製した。
このコイン電池を用いて、室温(20℃)下、1.1mAの定電流および定電圧で、終止電圧4.2Vまで5時間充電し、次に1.1mAの定電流下、終止電圧2.7Vまで放電し、この充放電を繰り返した。初期充放電容量は、ペンタフルオロフェノール化合物を添加しない1M LiPF6−EC/DEC(容量比3/7)を非水電解液として用いた場合(比較例2)とほぼ同等であり、50サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持率は88.8%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0024】
実施例2
添加剤として、ペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを非水電解液に対して1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は91.9%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0025】
実施例3
添加剤として、ペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを非水電解液に対して2重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は90.3%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0026】
実施例4
添加剤として、酢酸ペンタフルオロフェニルを非水電解液に対して1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は90.6%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0027】
実施例5
添加剤として、メチルペンタフルオロフェニルカーボネートを非水電解液に対して1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は89.7%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0028】
実施例6
非水溶媒として、EC/MEC(容量比3/7)を使用し、添加剤として、ペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを非水電解液に対して1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は92.2%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0029】
実施例7
非水溶媒として、EC/MEC(容量比3/7)を使用し、添加剤として、酢酸ペンタフルオロフェニルを非水電解液に対して1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は91.7%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0030】
実施例8
非水溶媒として、EC/MEC(容量比3/7)を使用し、添加剤として、メチルペンタフルオロフェニルカーボネートを非水電解液に対して1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は91.4%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0031】
実施例9
非水溶媒として、EC/DEC(容量比1/2)を使用し、添加剤として、ペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを非水電解液に対して1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は92.3%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0032】
実施例10
正極活物質として、LiCoO2に代えてLiMn2O4を使用し、添加剤として、ペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを非水電解液に対して1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は88.1%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0033】
実施例11
負極活物質として、人造黒鉛に代えて天然黒鉛を使用し、添加剤として、ペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを非水電解液に対して1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は90.5%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0034】
比較例1
PC:DMC(容量比)=1:2の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解した。このときペンタフルオロフェノール化合物は全く添加しなかった。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定したが、全く充放電しなかった。
【0035】
比較例2
EC:DEC(容量比)=3:7の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解した。このときペンタフルオロフェノール化合物は全く添加しなかった。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定した。初期放電容量に対し、50サイクル後の放電容量維持率は82.1%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
なお、本発明は記載の実施例に限定されず、発明の趣旨から容易に類推可能な様々な組み合わせが可能である。特に、上記実施例の溶媒の組み合わせは限定されるものではない。更には、上記実施例はコイン電池に関するものであるが、本発明は円筒形、角柱形の電池にも適用される。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、電池のサイクル特性、電気容量、保存特性などの電池特性に優れたリチウム二次電池を提供することができる。
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