JP4135268B2 - 無鉛はんだ合金 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無鉛はんだ合金、特に詳しくは、延性が改善されたSn-Bi2元系無鉛はんだ合金に関する。
【0002】
【従来の技術】
JIS Z 3282では電気・電子工業関係用として、42質量%Sn−58質量%Bi共晶はんだ(記号:H42Bi58A)が規定されている。文献(Binary Alloy Phase Diagrams, Ed by B.T.Massalski et al, vol.2(1996))では、Sn−Bi2元系合金の共晶組成は43質量%Sn−57質量%Bi(以下、「Sn−57Bi」と記載)であることから、このSn−58Biの組成をもつはんだは、低融点(溶融温度:139℃)であり、電子用はんだとして多く用いられているSn−37Pb共晶はんだ(溶融温度:183℃)に比べて、より低温で電子部品を実装することが可能である。
【0003】
はんだ付け作業温度の低温化は、電子部品への熱的負荷をより小さくすることができ、より信頼性の高い回路基板の製造が可能となる。また、はんだ付け作業をより低温で行うことは、溶融はんだの酸化によるドロス生成量の低減を可能とし、作業性を改善できる利点をも持ち合わせている。
【0004】
しかしながら、論文(例えば、日本金属学会誌,vol.57(1993),455−462)等で報告されているように、Sn−Bi共晶はんだは延性に乏しいという欠点がある。電子部品の発熱あるいは使用環境の温度変化によって部品や基板が熱膨張・収縮を繰り返すため、はんだ接合部には繰返し応力と歪みが発生し、これによる熱疲労から、はんだにクラックが発生することがある。熱疲労によるはんだ付け部の剥離は、電気的な導通を阻害し、電子機器がその機能を果たせなくなる一因となってしまう。
【0005】
したがって、はんだには、その延性によりはんだ接合部に発生する応力と歪みを緩和し、クラック等の発生を抑制するように機能することが求められる。つまりはんだが良好な延性を有することは、接合部の熱疲労特性を向上させる上で必要不可欠な特性となる。
【0006】
Sn−Bi系のはんだの延性を改善させるための技術として、従来から第3成分を添加するものがあった。例えば、特開平8−252688号公報、特開平10−52791号公報およびJ.Electron.Mater.,vol.26(1997),954−958に示すAgの添加によって組織の微細化を図るもの、特開平7−40079号公報に示すSbの添加によってSnのβ相からα相への変態抑制を図るもの、特開平8−150493号公報に示すInを添加するもの等である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平8−252688号公報、特開平8−150493号公報等のようにAgやInを添加する場合、AgやInは高価な金属であることから、その添加量が多いときには、はんだ合金のコスト上昇が避けられず、さらにInの場合は希少金属であるためその供給性にも問題がある。特に、特開平8−150493号公報に示す技術では、数質量%以上のInの添加によりSn−Bi−In3元系合金を目指すものであり、そのコスト上昇は著しいものとなる。また、特開平8−252688号公報、特開平10−52791号公報等に示すようなAgの添加を本発明者が追試したが、Agの添加による延性の改善効果は見られず、場合によっては逆に延性を損なう結果となった。
【0008】
Sbによる変態抑制は、特開平7−40079号公報に係る出願前からの公知技術であり(例えば、高信頼度マイクロソルダリング技術,(1991),p44に記述あり)、またSbは、環境基本法に基づく水質汚濁に係わる環境基準の中で要監視項目となっており、その点ではんだ合金の添加元素として用いるのは好ましくない。さらに特開平7−40079号公報ではGaを必須の第4成分元素としているが、発明者らはGaがたとえ少量であっても大幅にはんだ付け性を損なうという実験結果を得ており、Gaの添加自体に問題がある。
【0009】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、無鉛はんだ合金であるSn−Bi共晶はんだと同等レベルのはんだ付け性および機械的強度を有しながら、安価でかつ延性を改善した高信頼性のSn−Bi2元系無鉛はんだ合金を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の無鉛はんだ合金は、全体を100質量%としたときに、25質量%以上55質量%以下のBiと、0.01質量%以上0.4質量%以下のCuと、残部がSnおよび不可避不純物とからなることを特徴とする。つまり本発明の無鉛はんだ合金は、SnとBiとCuとの組成割合を適正なものとすることで、はんだの延性を改善するものである。
【0011】
本発明の無鉛はんだ合金が延性に優れているのは、以下の理由によるものと考えられる。Sn−Bi2元系合金は共晶組成がSn−57Biである。これに対して本発明の無鉛はんだ合金は、Biの組成割合が25〜55質量%であることから、凝固の過程で、まずSnが初晶として析出し、その後共晶相であるSn−Biが析出する。この初晶SnとSn−Bi共晶との存在割合がはんだの延性に影響を与える。
【0012】
図5に、Biの組成割合に対するはんだ組織中の初晶SnとSn−Bi共晶の存在比率(組織中の面積比)について示す。Sn−40Bi付近は、両相が組織の断面観察においてほぼ1:1の割合で存在している。このような状態の場合が最も延性に優れており、SnまたはSn−Biのいずれかが多くなるにつれてはんだの延性が低下する。したがって本発明の無鉛はんだ合金では、Biの組成割合を25〜55質量%とすることによって、延性に富むはんだ合金が得られるのである。
【0013】
また、本発明の無鉛はんだ合金は、固相線が共晶組成の溶融温度とほぼ同じ温度にあるため、溶融特性においても、共晶組成のSn−57Bi合金と比較してそれ程劣るものではなく、Sn−Bi共晶はんだ合金と同等レベルの溶融特性を示すものとなる。
【0014】
なお、本発明の無鉛はんだ合金では、共晶組成から外れているため、固相線と液相線に囲まれた溶融温度範囲を有している。このことは、部品を基板に搭載してリフロー熱源によって一括はんだ付けする実装プロセスにおいて有利に働く。多数搭載されている電子部品を均一に加熱することは困難であり、例えばチップ部品では部品両端の電極間で加熱ムラが生じると、一方の電極のはんだが先に溶融し、溶融したはんだの表面張力により部品が持ち上げられるいわゆるチップ立ち不良が起こる場合がある。これを抑制するためには、はんだ合金に溶融温度範囲を持たせることが有効であり、本発明の無鉛はんだ合金は、このチップ立ち等のはんだ付け不良の抑制が可能で、共晶組成付近のSn−Bi合金より安定したはんだ付け品質が確保できるという利点をも有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
〈無鉛はんだ合金の製造〉
本発明の無鉛はんだ合金は、当該分野における通常の溶融手段により調整することが可能である。例えば、重量で秤取ったSnおよびBiを加熱中の容器に入れて溶融させればよい。この場合、部分的に合金を用いてもよい。これらの金属は従来のいずれの溶融技術を用いても溶融でき、当該金属をすべて液体になるまで加熱した後、適当な型に流し込んで冷却し製造される。
【0016】
本発明の無鉛はんだ合金は、適当な方法により、線状、棒状、リボン、ワイヤ、粉末、球状など、用途に応じ様々な形状にすることができる。また、急冷法等を用いることにより、リボンや粉末などの作製も可能である。さらにまた、線状のはんだの芯にロジン等のフラックスを入れたやに入りはんだとして用いることも可能であり、粉末状のはんだにフラックス等を混合混練してはんだペーストとして用いることも可能である。また、接合用のみならず、電子部品およびプリント配線板の電極表面処理用のはんだとしても利用可能である。
【0017】
〈SnとBiとの2成分のみからなる無鉛はんだ合金〉
本発明の無鉛はんだ合金の場合、SnとBiとの2つの合金成分からなる無鉛はんだ合金とすることができる。その場合のSnとBiとの割合は、前述したように、SnとBiとの合計を100質量%とした際にBiが25質量%以上55質量%以下とする。この範囲が、はんだの機械的強度、濡れ性、および溶融特性を損なわずに、延性を改善できる範囲だからである。本発明の無鉛はんだ合金に求められるこれらの特性を総合的に考慮し、また後述する本発明者の試験の結果を勘案すれば、Biを40質量%以上50質量%未満とするのがより望ましい。
【0018】
また、試験結果から判断すれば、Biが40質量%〜45質量%の範囲が、最もはんだの延性に優れる範囲であるといえる。前述したように、初晶SnとSn−Bi共晶との存在比が1:1となる組成領域で最もよい延性を示す。組織観察の結果、高延性を示す合金は、初晶SnをSn−Bi共晶がネットワーク状に取り囲む組織を呈し、初晶SnとSn−Bi共晶との境界ですべりが起こっていることが明らかとなった。つまり、Biの含有割合が約40質量%で初晶SnとSn−Bi共晶との存在比が概ね1:1となり、Biの含有割合が40質量%付近のものが最も延性が高くなる。
【0019】
SnとBiとの2成分のみからなる無鉛はんだ合金とするメリットの1つは、SnおよびBiのいずれも比較的安価であり、高価な第3成分を添加していないため、はんだ合金自体が安価である点にある。そして、もう1つのメリットは、組成管理が極めて容易になる点にある。合金は多元化するにつれてその組成管理が難しく、特に添加成分割合が小さいほどその管理が困難になる。つまり、SnとBiとの2成分のみからなる無鉛はんだ合金では、組成管理面での煩雑さが解消される。
【0020】
〈Cuを微量添加した無鉛はんだ合金〉
本発明の無鉛はんだ合金では、延性を改善するために、微量のCuを添加した無鉛はんだ合金とすることが望ましい。Cuを微量添加した場合、添加したCuは、Cu−Sn系金属間化合物の形でSn−Bi共晶中に微細に分散する。この共晶中の微細な金属間化合物は、上述した初晶SnとSn−Bi共晶との境界ですべりを生じ易くする。このことから、Cuを微量添加したSn-Bi2元系無鉛はんだ合金では、延性がより向上する。
【0021】
微量とは、具体的には、合金全体を100質量%とした場合の、0.4質量%以下である。実質的な延性向上効果を得るためには、0.01質量%以上のCu添加をすることが望ましい。逆に0.5質量%以上添加する場合、添加したCuは初晶として晶出し、粗大粒子となって合金中に分散することで、かえって合金の延性が失われることとなる。実験の結果明らかになったことであるが、合金中のCu含有割合が0.1質量%程度のときが延性の改善効果が最も大きい。したがって、より望ましいCuの含有割合は0.05質量%以上0.2質量%以下となる。
【0022】
ここで、第3の成分を上記のような微量添加した場合であっても、Sn−Bi合金は、2元系の特性をそのまま維持する。したがって、微量の他成分を添加した合金であっても、2元系合金というのを妨げるものではない。そこで、本明細書においては、このような合金をも、Sn-Bi2元系無鉛はんだ合金という。
【0023】
〈Inを微量添加した無鉛はんだ合金〉
本発明の無鉛はんだ合金では、はんだ表面の腐食を抑制し電気化学的信頼性を向上するために、微量のInを添加した無鉛はんだ合金とすることが望ましい。Inは、酸化しやすい金属であり、Inを添加した合金では、その表面にIn酸化物の被膜が形成される。この酸化物皮膜は、一種の不動態膜となり、はんだの表面の腐食が防止される。したがって、微量のInを添加したSn-Bi2元系無鉛はんだ合金は、電子部品等の接合に用いられる場合の電気化学的信頼性が向上する。
【0024】
また、Sn−Bi系はんだ合金によりCu系材料からなる部材を接合する場合、はんだとCu系材料との界面には、硬くて脆いCu−Sn系金属間化合物の層が形成される。Inを添加した場合、そのInは、Cu−Sn系金属間化合物中に固溶したりまたCu−In系金属間化合物を形成することにより、Cu−Sn系金属間化合物層の成長を抑制するように作用する。このことから、Inを添加したSn-Bi2元系無鉛はんだ合金では、接合における強度的信頼性の向上をも図ることができる。
【0025】
微量とは、具体的には、合金全体を100質量%とした場合の、1質量%以下である。実質的な電気化学的信頼性の向上効果を得るためには、0.01質量%以上のIn添加をすることが望ましい。逆に1質量%を超えて添加する場合、Inが極めて高価な材料であるため、はんだ合金自体のコストが上昇し、また、2元系であることの特性が失われる結果となる。合金コスト等と信頼性向上効果とを総合的に勘案すれば、より望ましいInの含有割合は0.01質量%以上0.05質量%以下となる。
【0026】
なお、Inの添加は、上記Cuの添加とともに行うことができる。両者を添加したSn-Bi2元系無鉛はんだ合金は、延性向上の効果と電気化学的信頼性向上の効果の2つの効果が得られるものとなる。また、本Sn-Bi2元系無鉛はんだ合金は、他の特性向上のために、既に公知の技術に従い、他の合金元素を微量添加することを妨げるものではない。例えばNi、Zn、Fe、Ge等の添加による引張強度の改善、P等の添加による耐酸化特性の向上等を挙げることができる。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明の無鉛はんだ合金の特性を評価するために、種々の組成のSn−Bi系無鉛はんだ合金を調製し、種々の試験を行い、それらの特性の評価を行った。以下に、実施例および参考例として示す。
【0028】
参考例1:Biの含有割合によるはんだ合金の特性評価〉
純度99.9%以上のSnおよびBiを用いて、これらを種々の割合で混合し、各種組成のSn−Bi2元系無鉛はんだ合金を調製した。それぞれ、Biが30質量%のものを参考例1−1と、Biが40質量%のものを参考例1−2と、Biが45質量%のものを参考例1−3と、Biが50質量%のものを参考例1−4と、Biが55質量%のものを参考例1−5とした。
【0029】
また同時に、上記参考例の無鉛はんだ合金との性能比較を行うため、それらと異なる組成の合金をも調製した。これらをそれぞれ、Biが57質量%のものを比較例1−1と、Biが20質量%のものを比較例1−2と、Biが10質量%のものを比較例1−3と、Biが5質量%のものを比較例1−4と、Biが3質量%のものを比較例1−5と、Biが1質量%のものを比較例1−6と、そしてBiを含まないSnだけのものを比較例1−7とした。
【0030】
これら参考例および比較例の無鉛はんだ合金に対して、機械的特性および濡れ性について、試験を行って評価した。また、溶融温度については、文献(BinaryAlloy Phase Diagrams, Ed by B.T.Massalski et al, vol.2(1996))に記載されているデータにより考察した。
【0031】
機械的特性は、引張試験を行ない強さ(最大引張強さ)と伸び(破断伸び)を求めて評価した。引張試験片は、金型鋳造した20×15×60(mm)のインゴットから、機械加工により図6に示す形状に成形した。試験片は、1つのインゴットから3本採取した。機械加工後、加工による歪みを除去するために、50℃で24時間の熱処理を行い、その後1週間以上室温にて放置してから、引張試験に供した。引張試験における歪み速度は、はんだ接合部での状態を再現するため1×10-4s-1とし、試験温度は室温(25℃)および125℃で、それぞれn数を3としてこれらの平均を求めた。
【0032】
はんだの濡れ性は、広がり試験(JIS Z 3197)を行い、広がり率を求めて評価した。広がり率(単位:%)は、次の(1)式より求めた。
【0033】
S=(D−H)/D×100 (1)式D:試験前のはんだを球形とみなしたときの高さH:試験後のはんだの高さ広がり試験に用いたはんだの形状は円板状(φ6mm×t2mm)であり、基板にはCuを、フラックスは市販品(千住金属:P0−Z−7)を用いた。雰囲気は大気、加熱温度は液相線温度+50℃の条件で行った。
【0034】
下記表1に、各参考例および比較例の無鉛はんだ合金の、機械的特性、濡れ性、および溶融特性に関する試験データを示す。そして、表2には、表1のデータについて評価を行った評価結果を示す。評価結果において、◎は極めて良好、○は良好、△は普通、×は不良を意味する。
【0035】
【表1】
Figure 0004135268
【0036】
【表2】
Figure 0004135268
【0037】
これらの特性についてわかりやすく表すために、図1にSn−Bi2元系無鉛はんだ合金の室温での引張特性を、図2にSn−Bi2元系無鉛はんだ合金の125℃での引張特性を、図3にSn−Bi2元系無鉛はんだ合金の広がり率を、図4にSn−Bi2元系無鉛はんだ合金の固相線、液相線温度および溶融範囲を、それぞれグラフの形式で図示する。
【0038】
図1および図2から明らかなように、Biの含有割合が25質量%以上55質量%以下の無鉛はんだ合金は、Bi57質量%という共晶組成の無鉛はんだ合金に比べて、格段に延性が改善されていることが判る。伸びは、Bi量が30質量%と45質量%との間の領域で極大になり、特に、Biが40〜45質量%付近の組成の合金は、室温での伸びは110%を超え、125℃では300%以上伸びても破断しない。
【0039】
また図3から、本発明の無鉛はんだ合金は、濡れ性においても、共晶組成の無鉛はんだ合金より優れていることが判る。
【0040】
さらに図4から、本発明の無鉛はんだ合金は、溶融特性についても、共晶組成の無鉛はんだ合金と同等レベルであることが確認でき、共晶組成付近の無鉛はんだ合金の利点であるはんだ付け作業温度の低温化を阻害するものではないことが判る。また、本発明の無鉛はんだ合金は、いずれも溶融範囲を有しており、チップ立ち等のはんだ付け不良を抑制可能であることも明らかである。なお、溶融範囲が大きい場合には、「はんだの溶け分かれ」現象により、はんだ接合部の組織が不均一になって、充分な特性が得られない場合があるため、Bi量を40質量%以上とすることがより好ましい。
【0041】
上記結果を総合的に判断すれば、Sn−Bi2元系無鉛はんだ合金において、Biの含有割合は、25質量%以上55質量%以下とするのがよく、その範囲の中でも40質量%以上50質量%未満とするのが望ましく、さらに、40質量%以上45質量%以下とするのがより望ましいことが確認できる。
【0042】
〈実施例2:Cu添加効果の評価〉
純度99.9%以上のSn、BiおよびCuを用いて、これらを種々の割合で混合し、各種組成のSn−Bi2元系無鉛はんだ合金を調製した。そして、Biを40質量%含有し、Cuを含有しないもの、それぞれ0.05質量%、0.1質量%、0.2質量%、0.3質量%含有するものを、それぞれ参考例1−2および実施例2−〜実施例2−5とした。また、Biを45質量%含有し、Cuを含有しないもの、0.3質量%含有するものを、それぞれ参考例1−3および実施例2−7とし、Biを50質量%含有し、Cuを含有しないもの、0.3質量%含有するものを、それぞれ参考例1−4および実施例2−9とした。
【0043】
また同時に、上記実施例の無鉛はんだ合金との性能比較を行うため、それらと異なる組成の合金をも調製した。そして、Biを40質量%含有し、Cuを0.5質量%、1質量%、2質量%含有するものを、それぞれ比較例2−1〜比較例2−3とし、Biを45質量%含有し、Cuを0.5質量%含有するものを比較例2−4とした。さらに、Ag添加の効果を確認すべく、Biを40質量%含有しAgを0.3質量%含有するもの、および、Biを40質量%含有しCuおよびAgをそれぞれ0.3質量%含有するものを調製し、それらをそれぞれ比較例2−5、比較例2−6とした。
【0044】
これら実施例および比較例の無鉛はんだ合金に対して、機械的特性を評価すべく引張試験を行い、強さ(最大引張強さ)と伸び(破断伸び)を求めた。引張試験片および引張試験の要領、条件については、上記参考例1に示すものと同様とした。
【0045】
この試験の結果として、下記表3に、各実施例および比較例の無鉛はんだ合金の機械的特性(強さおよび伸び)に関する試験データを示す。また、機械的特性についてわかりやすく表すために、Biを40質量%含有した場合におけるCuの含有量と引張強さおよび伸びとの関係を、図7に、グラフの形式で図示する。
【0046】
【表3】
Figure 0004135268
【0047】
表3および図7から明らかなように、Sn−Bi2元系合金へのCu添加量を制御することにより、Cu無添加の場合に比べて,機械的強度に影響を与えず、格段に延性が改善されることが判る。例えば,Biを40質量%含有した合金においては、Cu添加割合は0.1質量%程度にした場合に最も延性が改善され、室温での伸びはCu無添加の場合の約1.4倍に達することが明らかとなった。しかし、Cu添加割合が大きすぎると、逆に延性改善効果は失われることが判る。例えば、Cu添加割合を0.5質量%以上にすると、Cu無添加の場合よりも伸びが小さくなり,延性が損なわれている。
【0048】
上記結果を総合的に判断すれば、Sn−Bi2元系無鉛はんだ合金において、Cuを0.4質量%以下の割合で含有することで、延性改善の効果が得られることが確認できる。また、より改善効果の大きいCuの含有割合は、0.05質量%以上0.2質量%以下であることも確認できる。
【0049】
なお、比較例2−5および比較例2−6のものは、Agによる特性改善を意図した前述の従来技術に示されている合金である。しかし、それぞれ参考例1−2、実施例2−5と比較して判るように、延性改善効果は認められないばかりか、逆に延性を損なう結果となった。したがって、Sn−Bi2元系無鉛はんだ合金においては、高延性を確保するためには、Agの添加を避けるべきであると判断できる。
【0050】
〈実施例3:In添加効果の評価〉
純度99.9%以上のSn、Bi、CuおよびInを用いて、これらを種々の割合で混合し、各種組成のSn−Bi2元系無鉛はんだ合金を調製した。そして、Biを40質量%、Cuを0.1質量%含有し、Inを含有しないもの、それぞれ0.1質量%、0.5質量%含有するものを、それぞれ実施例3−1〜実施例3−3とした。また、Biを45質量%、Cuを0.05質量%含有し、Inそれぞれ0.1質量%、0.5質量%含有するものを、それぞれ実施例3−4〜実施例3−5とした。
【0051】
上記実施例のはんだ合金に対して、電気化学的信頼性を評価するための試験を行った。試験は、以下の要領にて行った。まず、基板( JIS2型くし歯基板、材質:FR−4、ピッチ間隔:0.318mm)に、水溶性フラックス(WF2050:千住金属製)を塗布し、90℃で30秒間の予備加熱を行なった後、220℃で溶融した各はんだ浴槽に基板を5秒間浸漬し、はんだ付けした。本試験では、はんだ合金の電気化学的信頼性を評価することを目的としているため、はんだ付後、超音波水洗→流水洗浄→金ブラシ洗浄→イソプロパノールで超音波洗浄→乾燥の手順で基板を洗浄し、フラックス残渣を除去した。この試料に、85℃、相対湿度85%の雰囲気中で1000時間、直流のバイアス電圧16Vを印加した。
【0052】
試験終了後、はんだ表面の組織観察を行ない、電気化学的信頼性の評価を行なった。評価結果を、下記表4に示す。また、Inを添加した場合として、実施例3−3の試験後のはんだ合金表面の外観を図8(a)に、Inを添加していない場合として、実施例3−1の試験後のはんだ合金表面の外観を図8(b)にそれぞれ示す。
【0053】
【表4】
Figure 0004135268
【0054】
図8(b)に示すように、Inを添加していない場合、試験によりはんだ合金の表面に、腐食生成物が観察される。これに対し、図8(a)に示すように、Inを微量添加した実施例3−3のはんだ合金は、試験による腐食生成物は生成されていない。Inを添加した他の実施例についても、同様に、腐食生成物は生成されていなかった。このように腐食生成物が生成されないものが、電気化学的信頼性が高いはんだ合金であるといえる。したがって、上記表4にまとめた結果の様に、Inを1質量%以下という微量で含有する場合であっても、Sn−Bi2元系はんだ合金は、電気化学的信頼性が向上することが確認できる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、Sn−Bi2元系無鉛はんだ合金を、Biを25質量%以上55質量%以下の組成割合とするように構成したものである。このような構成としたことにより、本発明の無鉛はんだ合金は、Sn−Bi共晶はんだ合金と同等レベルのはんだ付け性および機械的強度を有しながら、安価で、かつ延性を大幅に改善した無鉛はんだ合金となっている。そして本無鉛はんだ合金を使用してはんだ付けを行ったはんだ接合部は、延性に富み、熱疲労特性の良好な信頼性のある接合部となる。
【0056】
またBiの含有割合をさらに40質量%以上50質量%未満に限定することで、より延性が高いものとなる。また、0.4質量%以下のCuを含有させることで、さらに延性を改善することができ、1質量%以下のInを含有させることで、合金コストの大幅増加なしに電気化学的信頼性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Sn−Bi2元系無鉛はんだ合金の室温での引張特性を示す図
【図2】 Sn−Bi2元系無鉛はんだ合金の125℃での引張特性を示す図
【図3】 Sn−Bi2元系無鉛はんだ合金の広がり率を示す図
【図4】 Sn−Bi2元系無鉛はんだ合金の固相線、液相線温度および溶融範囲を示す図
【図5】 Biの含有量に対するはんだ組織中の初晶SnとSn−Bi共晶との存在比率を示す図
【図6】 引張試験に供した試験片の形状を示す図
【図7】 Cuを添加したSn−Bi2元系無鉛はんだ合金のCu含有量と引張特性との関係を示す図
【図8】 電気化学的信頼性を確認する試験後のはんだ合金表面の外観を示す写真

Claims (5)

  1. 全体を100質量%としたときに、
    25質量%以上55質量%以下のBiと、0.01質量%以上0.4質量%以下のCuと、残部がSnおよび不可避不純物とからなることを特徴とする無鉛はんだ合金。
  2. さらに0.01質量%以上1質量%以下のInを含有する請求項1に記載する無鉛はんだ合金。
  3. 前記Biは、30質量%以上50質量%未満である請求項1または2に記載の無鉛はんだ合金。
  4. 前記Biは、40質量%以上50質量%未満である請求項1〜3のいずれかに記載の無鉛はんだ合金。
  5. 前記Biは、40〜45質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の無鉛はんだ合金。
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