JP6730833B2 - はんだ合金およびはんだ組成物 - Google Patents
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Description
このはんだ合金としては、例えばSn−Cu系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Bi系、Sn−Zn系はんだ合金等がよく知られている。その中でもテレビ、携帯電話等に使用される民生用電子機器や自動車に搭載される車載用電子機器には、Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金が多く使用されている。
本実施形態のはんだ合金には、40質量%以上58質量%以下のBiを含有させることができる。この範囲内でBiを添加することにより、はんだ合金を高強度化できると共に液相線温度を低くすることができる。
但し、Biの含有量が40質量%未満の場合、はんだ合金組成の液相線温度が上昇するため、実装温度の低温化を考慮すると好ましくない。一方、Biの含有量が58質量%を超えると、はんだ合金の延伸性が阻害され、はんだ接合部の信頼性低下に繋がるため好ましくない。
またBiの含有量を55質量%超え58質量%以下とすると、はんだ合金の液相線温度をより低くすることができ、はんだ接合時におけるリフロー温度のピークを下げることができるため、小型化・薄型化された基板であってもはんだ接合時における反りの発生を抑制することができる。
またCuの好ましい含有量は0.01質量%以上1質量%以下であり、より好ましい含有量は0.1質量%以上0.5質量%以下である。
なおCuの含有量が1質量%を超えると、はんだ接合部の電子部品および電子回路基板との界面近傍にCu6Sn5化合物が析出し易くなり、接合信頼性やはんだ接合部の延伸性を阻害する虞があるため好ましくない。
なおこれらの元素の好ましい含有量は0.01質量以上1質量%以下であり、より好ましい含有量は0.01質量%以上0.5質量%以下である。
但し上記した含有量はいずれもはんだ合金の液相線温度を200℃以下となる範囲内とすることが好ましい。
なおこれらの元素の好ましい含有量は0.01質量以上1質量%以下であり、より好ましい含有量は0.01質量%以上0.5質量%以下である。
但し上記した含有量はいずれもはんだ合金の液相線温度を200℃以下となる範囲内とすることが好ましい。
また当該はんだ合金は特にNi系母材に対して良好な濡れ性を有することから、例えば外部電極がNi系であるものを含む様々な種類の電子部品、被はんだ接合材が用いられるような基板に対しても好適に用いることができる。
なお当該はんだ合金の固相線温度は80℃以上であることが好ましい。
本実施形態のはんだ組成物としては、例えば粉末状にした前記はんだ合金とフラックスとを混練しペースト状にしたソルダペースト組成物が挙げられる。
また前記樹脂の酸価は0mgKOH/g以上500mgKOH/g以下であることが好ましく、その配合量はフラックス全量に対して30質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
またこれらは1種を単独で、または複数種を組合せて使用することができる。前記活性剤の配合量は、フラックス全量に対して5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
前記溶剤の配合量は、フラックス全量に対して0.1質量%から20質量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は0.5質量%から10質量%であり、特に好ましくは1質量%から5質量%である。
前記チクソ剤の配合量は、フラックス全量に対して0.1質量%から10質量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は0.5質量%から8質量%であり、特に好ましくは1質量%から5質量%である。
前記酸化防止剤の配合量は特に限定されないが、フラックス全量に対して0.1質量%から10質量%であることが好ましい。より好ましいその配合量は0.5質量%から8質量%であり、特に好ましくは1質量%から5質量%である。
このような電子回路基板は、基板、外部電極を有する電子部品、基板上に形成される電極部、当該電極部と前記外部電極とを電気的接合するはんだ接合部、当該はんだ接合部に隣接して残存するフラックス残渣を有しており、前記はんだ接合部は本実施形態に係るはんだ合金を用いて形成されている。その形成においては、フロー方法、リフロー方法、はんだボール実装方法等種々のはんだ付け方法を用いることができるが、この中でも上記ソルダペースト組成物を用いたリフロー方法によるはんだ付け方法が好ましく用いられる。
以下の各成分を混練し、実施例および比較例に係るフラックスを得た。
ビスフェノールA型エポキシジアクリレート(製品名:Miramer PE2100P、東洋ケミカルズ(株)製) 82質量%
マロン酸 0.4質量%
アジピン酸 2質量%
グルタル酸 3質量%
2−フェニル−4−メチルイミダゾール(製品名:2P4MZ、四国化成(株)製) 10質量%
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル 2.6質量%
※2−フェニル−4−メチルイミダゾールは活性剤として作用すると共にビスフェノールA型エポキシジアクリレートの硬化剤としても作用する。
前記フラックス14.5質量%と、表1に記載の各はんだ合金の粉末85.5質量%とを混合し、実施例3、4、7、参考例1、2、5、6および比較例1から5に係る各はんだ組成物を作製した。なお、特に記載のない限り、表1に記載の数値は質量%を意味するものとする。
Niめっきのなされた基板(30mm×30mm×0.3mmt)、ステンレスマスク(開口直径6.5mm、2穴、厚さ0.10mmt)を用意した。
メタルスキージを使い、前記基板上に前記ステンレスマスクを用いて各はんだ組成物を印刷した。次いで印刷後の各基板をホットプレートに入れ、使用したはんだ合金の液相線温度+50℃±2℃の温度下にて30秒加熱した。その後、ホットプレートから各基板を取り出し室温まで冷却して各試験基板を作製した。
前記各試験基板におけるはんだの広がり度合いを観察し、以下の基準にて評価した。その結果を表2に表す。
1 はんだがはんだ組成物の塗布面積以上の範囲に広がっている
2 はんだが組成物の塗布面積の8割以上10割未満の範囲に広がっている
3 はんだが組成物の塗布面積の6割以上8割未満の範囲に広がっている
4 はんだが組成物の塗布面積の4割以上6割未満の範囲に広がっている
5 はんだが組成物の塗布面積の2割以上4割未満の範囲に広がっている
6 はんだが組成物の塗布面積の2割未満の範囲に広がっている
7 はんだが1つまたは複数のソルダーボールとなった状態にある(ノンウェッティング)
無電解Au/Niめっきのなされた基板(30mm×30mm×0.3mmt)を用いる以外は上記(1)ディウェッティング試験と同じ条件にて各試験基板を作製し、且つこれと同じ条件にてはんだの広がり度合いを評価した。
洋白めっきのなされた基板(30mm×30mm×0.3mmt)を用いる以外は上記(1)ディウェッティング試験と同じ条件にて各試験基板を作製し、且つこれと同じ条件にてはんだの広がり度合いを評価した。
各はんだ合金につき、示差走査熱量測定機(DSC)を用いて固相線温度/液相線温度を測定した。なお液相線温度/液相線温度は得られた吸熱ピークを基に計算した。なお当該測定は、試料量は5〜10mg、昇温速度は5〜10℃/minとし、N2を70±10mL注入した条件下で行った。その結果を表2に表す。
従って実施例に係るはんだ合金は、Ni系母材であるものを含む様々な種類の電子部品、被はんだ接合材が実装される基板、特に薄型、微小サイズの基板に好適に用いることができる。更にこのような電子回路基板は、より一層高い信頼性が要求される電子制御装置に好適に使用することができる。
Claims (6)
- Biを55質量%超え58質量%以下と、Cuを0.01質量%以上0.1質量%以下と、In、Ag、Sb、Zn、Coから選ばれる少なくとも1種を合計で0.01質量%以上1質量%以下含み、残部がSnからなることを特徴とするはんだ合金。
- Biを55質量%超え56質量%以下と、Cuを0.01質量%以上0.1質量%以下含み、残部がSnからなることを特徴とするはんだ合金。
- 更にIn、Ag、Sb、Zn、Coから選ばれる少なくとも1種を合計で0.01質量%以上1質量%以下含むことを特徴とする請求項2に記載のはんだ合金。
- 液相線温度が200℃未満であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のはんだ合金。
- Ni系母材の接合に用いられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のはんだ合金。
- 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のはんだ合金と、フラックスとを含むことを特徴とするはんだ組成物。
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