JP4359983B2 - 電子部品の実装構造体およびその製造方法 - Google Patents

電子部品の実装構造体およびその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品をはんだを用いて接合した実装構造体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
JIS Z 3282では電気・電子工業関係用として、42重量%Sn−58重量%Bi共晶はんだ(記号:H42Bi58A)が規定されている。文献(Binary Alloy Phase Diagrams, Ed by B.T.Massalski et al, vol.2(1996))では、Sn−Bi二元系合金の共晶組成は43重量%Sn−57重量%Bi(以下、「Sn−57Bi」と記載)であることから、このSn−58Biの組成をもつはんだは、低融点(溶融温度:139℃)であり、電子用はんだとして多く用いられているSn−37Pb共晶はんだ(溶融温度:183℃)に比べて、より低温で電子部品を実装することが可能である。
【0003】
はんだ付け作業温度の低温化は、電子部品への熱的負荷をより小さくすることができ、より信頼性の高い回路基板の製造が可能となる。また、はんだ付け作業をより低温で行うことは、溶融はんだの酸化によるドロス生成量の低減を可能とし、作業性を改善できる利点をも持ち合わせている。
【0004】
しかしながら、論文(たとえば、日本金属学会誌,vol.57(1993),455−462)等で報告されているように、Sn−Bi共晶はんだは延性に乏しいという欠点がある。電子部品の発熱あるいは使用環境の温度変化によって部品や基板が熱膨張・収縮を繰り返すため、はんだ接合部には繰返し応力と歪みが発生し、これによる熱疲労から、はんだにクラックが発生することがある。熱疲労によるはんだ付け部の剥離は、電気的な導通を阻害し、電子機器がその機能を果たせなくなる一因となってしまう。
【0005】
したがって、はんだには、その延性によりはんだ接合部に発生する応力と歪みを緩和し、クラック等の発生を抑制するように機能することが求められる。つまりはんだが良好な延性を有することは、接合部の熱疲労特性を向上させる上で必要不可欠な特性となる。
【0006】
Sn−Bi系のはんだの延性を改善させるための技術として、従来から第3成分を添加するものがあった。たとえば、特開平8−252688号公報、特開平10−52791号公報およびJ.Electron.Mater.,vol.26(1997),954−958に示すAgの添加によって組織の微細化を図るもの、特開平7−40079号公報に示すSbの添加によってSnのβ相からα相への変態抑制を図るもの、特開平8−150493号公報に示すInを添加するもの等である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平8−252688号公報、特開平8−150493号公報等のようにAgやInを添加する場合、AgやInは高価な金属であることから、その添加量が多いときには、はんだ合金のコスト上昇が避けられず、さらにInの場合は希少金属であるためその供給性にも問題がある。特に、特開平8−150493号公報に示す技術では、数重量%以上のInの添加によりSn−Bi−In三元系合金を目指すものであり、そのコスト上昇は著しいものとなる。また、特開平8−252688号公報、特開平10−52791号公報等に示すようなAgの添加を本発明者が追試したが、Agの添加による延性の改善効果は見られず、場合によっては逆に延性を損なう結果となった。
【0008】
Sbによる変態抑制は、特開平7−40079号公報に係る出願前からの公知技術であり(たとえば、高信頼度マイクロソルダリング技術,(1991),p44に記述あり)、またSbは、環境基本法に基づく水質汚濁に係わる環境基準の中で要監視項目となっており、その点ではんだ合金の添加元素として用いるのは好ましくない。さらに特開平7−40079号公報ではGaを必須の第4成分元素としているが、発明者らはGaがたとえ少量であっても大幅にはんだ付け性を損なうという実験結果を得ており、Gaの添加自体に問題がある。
【0009】
本発明は、上記実状を鑑み、また溶融温度が低いというSn−Bi二元系はんだ合金の特性を活かしつつ、これに他元素であるCuを微量含有させることで、優れた延性および耐熱疲労特性を有するはんだ接合部を持つ電子部品の実装構造体を提供することを課題としている。また、本発明は、上記電子部品の実装構造体を簡便に製造することができる製造方法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品の実装構造体は、2以上の構成部品をはんだで接合した接合部を有する電子部品の実装構造体であって、前記接合部を形成するはんだ合金の組成はBiが40重量%以上50重量%未満、Cuが0.01重量%以上0.4重量%以下、残部がSnおよび不可避の不純物であることを特徴とする。つまり本発明の実装構造体は、Sn−Bi系合金にCuを微量含有させたはんだ合金ではんだ接合部を形成することで、そのはんだ接合部の延性および耐熱疲労特性を改善したものである。
【0011】
本発明の実装構造体のはんだ接合部が延性および耐熱疲労特性に優れているのは、以下の理由によるものと考えられる。含有させた微量のCuは、Cu−Sn系金属間化合物の形でSn−Bi共晶中に微細に分散する。この共晶中の微細な金属間化合物は、初晶SnとSn−Bi共晶との境界ですべりを生じ易くする。この結果、本発明の実装構造体のはんだ接合部は優れた延性を有することになる。電子部品の発熱あるいは使用環境の温度変化によって部品や基板が熱膨張・収縮を繰り返すため、はんだ接合部には繰返し応力と歪みが発生し、これによる熱疲労から、はんだ接合部にクラックが発生および進展することがある。これに対し、本発明の実装構造体のはんだ接合部は、その優れた延性により、上述したようなはんだ接合部のクラックの発生および進展を抑制することができ、耐熱疲労特性が向上するのである。
【0012】
上記本発明の実装構造体は、その製造方法を特に限定するものではない。したがって、上記適正範囲の組成を持つはんだ材料を用いる従来から公知のはんだ接合方法により上記実装構造体を製造することができる。しかし、あらかじめ微量のCuを含有させた接合用はんだ材料を製造し、これを用いて構成部品を接合する場合は、接合用はんだ材料の組成が複雑となるので、組成管理が困難である。したがって、以下に述べる方法を用いて本発明の実装構造体を製造するのが望ましい。
【0013】
本発明の製造方法は上記実装構造体の製造方法であって、前記構成部品の少なくともいずれか1つは接合される部位の少なくとも一部がCuあるいはCu合金からなり、前記構成部品にBi、Snおよび不可避の不純物のみからなる接合用はんだ材料を溶融状態で接触させ、該構成部品の含有するCuを該接合用はんだ材料中に溶出させる工程と、前記接合用はんだ材料を凝固させて接合部を形成する工程とを含んでなることを特徴とする。
【0014】
つまり、本発明の製造方法は、接合用はんだ材料にBiおよびSnからなる合金を用い、接合工程においてこの合金中に前記構成部品からCuが溶出してくるのを利用し、その結果、接合部を形成するはんだ合金の組成を上記適正範囲となるBiが40重量%以上50重量%未満、Cuが0.01重量%以上0.4重量%以下、残部がSnおよび不可避の不純物とするものである。
【0015】
したがって、本発明の製造方法を用いれば、接合用はんだ材料にSn−Bi−Cu系はんだ合金を用いる場合と比較して、接合用はんだ材料の組成を単純化できるのではんだ材料の製造工程を簡略化でき、総合的に見ると本発明の実装構造体の製造が簡単になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〈電子部品の実装構造体〉
本発明の実装構造体は2以上の構成部品をはんだで接合した接合部を有する電子部品の実装構造体である。この実装構造体に該当するものとしては、たとえば、プリント基板にコンデンサ、ダイオード、ICパッケージ等をはんだ付けした実装基板等がある。
【0017】
前記接合部を形成するはんだ合金には、Biを40重量%以上50重量%未満含有させる。Sn−Bi二元系合金は、Bi量が10〜50重量%で良好な濡れ性を有する。また、無鉛はんだによる部品実装で問題になっているリフトオフ等は、Bi量を40重量%以上にすることによりその発生を制御することができる。このことから、Sn−Bi系はんだ合金におけるBi量は40重量%以上50重量%未満にすることが望ましい。一方、Sn−Bi二元系合金は、Bi量が30〜45重量%でもっとも良好な機械的特性(強さ、伸び)を有する。そこで、機械的特性をも考慮すると、Bi量を40重量%〜45重量%とすることがより望ましい。
【0018】
本発明の実装構造体では、延性を改善するために、はんだ接合部に微量のCuを含有させている。Cuを微量含有させた場合、含有させたCuは、Cu−Sn系金属間化合物の形でSn−Bi共晶中に微細に分散する。この共晶中の微細な金属間化合物は、上述したように、初晶SnとSn−Bi共晶との境界ですべりを生じ易くする。このことから、Cuを微量含有させたはんだ接合部は、延性がより向上する。
【0019】
Cuを微量含有させることによる延性向上効果は極微量から発生するが、実質的な延性向上効果を得るためには、0.01重量%以上のCuを含有させることが望ましい。逆に0.5重量%以上Cuを含有させる場合、Cuは初晶として晶出し、粗大粒子となって合金中に分散することで、かえってはんだ接合部の延性が失われることとなる。実施例として後述する実験結果から明らかになったことであるが、はんだ接合部中のCu含有割合が0.1重量%程度のときをピークとして延性の改善効果が最も大きくなる。したがって、より大きな延性向上効果を得るためにはCuの含有割合は0.05重量%以上0.2重量%以下とするのがより望ましい。
【0020】
〈実装構造体の製造方法〉
前述したように、上記本発明の実装構造体は、その製造方法を特に限定するものではないが、あらかじめ微量のCuを含有させた接合用はんだ合金を製造し、これを用いて構成部品を接合する場合、接合用はんだ合金の組成が複雑で、組成管理が困難である。そこで、以下に本発明の実装構造体の簡便な製造方法を述べる。
【0021】
本発明の製造方法は、本発明の実装構造体の製造方法であって、前記構成部品の少なくともいずれか1つは接合される部位の少なくとも一部がCuあるいはCu合金からなり、前記構成部品にBiおよびSnからなる接合用はんだ材料を溶融状態で接触させ、前記構成部品の含有するCuを該接合用はんだ材料中に溶出させる工程と、前記接合用はんだ材料を凝固させて接合部を形成する工程とを含んでなることを特徴とする。
【0022】
接合される構成部品のうち、いずれか1つの構成部品の接合される部位にCuを含んでさえすれば、それも、溶融したはんだ材料に接触する表面の部分にCuを含んでさえすれば、本発明の製造方法を適用できる。例えば、エッチングにより表面にCuまたはCu合金からなる電流通路を形成したプリント基板に電子部品をはんだ付けする場合には基板側からCuが溶出することになる。また、リードにCuを含む電子部品をプリント基板にはんだ付けする場合には電子部品側からCuが溶出することになる。さらに、いずれの構成部品本体にもCuを含んでいない場合であっても、接合される部位の表面にCuあるいはCuを含むはんだ等が被覆されていれば本発明の製造方法を適用できる。
【0023】
なお、本製造方法では、構成部品の接合される部位にCu以外の元素を含む場合、その元素も溶融状態の接合用はんだ材料中に溶出し得る。本発明の実装構造体およびその製造方法では、接合部を形成するはんだ合金中にCuを微量含有させることを目的としていることから、上記Cu以外の元素が溶出した場合、その元素の存在がはんだ接合部の延性等に影響を与えない限り、本発明の実装構造体およびその製造方法においては、当該Cu以外の微量含有元素は不可避の不純物として取り扱う。
【0024】
構成部品にBiおよびSnからなる接合用はんだ材料を溶融状態で接触させ、構成部品の含有するCuをその接合用はんだ材料中に溶出させ、その後その接合用はんだ材料を凝固させて接合部を形成するという工法には、通常行われるはんだ接合工法を用いればよい。この工法には、フローはんだ付けやリフローはんだ付け、手はんだ付け、BGA接合等があり、これらの工法においては、線状、棒状、リボン、ワイヤ、粉末、球状等、用途に応じ様々な形状のはんだ材料を用いることができる。
【0025】
BiおよびSnからなる接合用はんだ材料は、当該分野における通常の溶融手段により調製することが可能である。たとえば、重量で秤取ったSnおよびBiを加熱中の容器に入れて溶融させればよい。この場合、部分的に合金を用いてもよい。これらの金属は従来のいずれの溶融技術を用いても溶融でき、当該金属をすべて液体になるまで加熱した後、適当な型に流し込んで冷却し製造される。
【0026】
はんだ付けの際は、接合用はんだを溶融状態とし、Cuを一定量接合用はんだに溶出させ、接合部のはんだ組成を、前述の適正範囲にする必要がある。つまり、接合部において、構成部品から接合用はんだ材料中にCuを溶出させ、接合部のはんだ組成が、適切な組成であるBiが40重量%以上50重量%未満、Cuが0.01重量%以上0.4重量%以下、残部がSnとなるようにするために、はんだ付けの際の温度、時間、接合用はんだ量等を管理すればよい。なお、本製造方法においては、はんだ付けの際の温度を接合用はんだ材料であるSn−Bi系合金の固相線温度+20℃以上280℃以下とすればよい。
【0027】
以上、電子部品の実装構造体およびその製造方法の実施形態について説明したが、上述した実施形態は一実施形態にすぎず、本発明の電子部品の実装構造体およびその製造方法は、上記実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
【0028】
【実施例】
本発明の実装構造体の接合部を形成するはんだ合金の特性を評価するために、種々の組成のSn−Bi系はんだ合金にCuを含有させたはんだ合金を調製し、種々の試験を行い、それらの特性の評価を行った。以下に、実施例として示す。
【0029】
〈機械的特性の評価〉
純度99.9%以上のSn、BiおよびCuを用いて、これらを種々の割合で混合し、各種組成のSn−Bi−Cu系はんだ合金を調製した。Biを40重量%含有し、Cuをそれぞれ0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%含有するものを、それぞれ実施例1−1、実施例1−2、実施例1−3、実施例1−4とした。また同時に、上記実施例のはんだ合金との性能比較を行うため、それらと異なる組成の合金をも調製した。そして、Biを40重量%含有しCuを含有しないもの、およびCuを0.5重量%、1.0重量%、2.0重量%含有するものを、それぞれ比較例1−1、比較例1−2、比較例1−3、比較例1−4とした。下記表1に、これらの合金の組成を示す。
【0030】
【表1】
Figure 0004359983
【0031】
これら実施例および比較例の機械的特性は、引張試験を行ない強さ(最大引張強さ)と伸び(破断伸び)を求めて評価した。引張試験片は、金型鋳造した20×15×60(mm)のインゴットから、機械加工により図1示す形状に成形した。試験片は、1つのインゴットから3本採取した。機械加工後、加工による歪みを除去するために、50℃で24時間の熱処理を行い、その後1週間以上室温にて放置してから、引張試験に供した。引張試験における歪み速度は、はんだ接合部での状態を再現するため1×10-4-1とし、試験温度は室温(25℃)で、それぞれn数を3としてこれらの平均を求めた。
【0032】
この試験の結果として、Biを40重量%含有した場合におけるCuの含有量と引張強さおよび伸びとの関係を図2に示す。図2から明らかなように、Sn−Bi二元系合金に対するCu含有量を制御することにより、Cuを含有しない場合に比べて、機械的強度に影響を与えず、延性が改善されることが判る。たとえば、Biを40重量%含有した合金においては、Cu含有割合は0.1重量%程度にした場合に最も延性が改善され、室温での伸びはCuを含有しない場合の約1.4倍に達することが明らかとなった。しかし、Cu含有割合が大きすぎると、逆に延性改善効果は失われることが判る。たとえば、Cu含有割合を0.5重量%以上にすると、Cuを含有しない場合よりも伸びが小さくなり、延性が損なわれている。
【0033】
上記結果を総合的に判断すれば、Sn−Bi二元系はんだ合金において、Cuを0.4重量%以下の割合で含有することで、延性改善の効果が得られることが確認できる。また、より改善効果の大きいCuの含有割合は、0.05重量%以上0.2重量%以下であることも確認できる。
【0034】
〈熱疲労特性の評価〉
Sn−40BiおよびSn−45Bi合金を接合用はんだ材料として用い、接合される部位がCuからなる基板と、接合される部位にNiメッキを施したチップ部品(形状4532)とを接合し、接合部のはんだ組成がSn−40Bi−0.1CuおよびSn−45Bi−0.1Cuからなる実装構造体を作成した。これと比較すべく、Sn−37Pb合金を接合用はんだ材料として用いた試料をも作成した。例として、Sn−40Bi合金およびSn−37Pb合金を接合用はんだ材料として用いて接合した際の温度プロファイルを図3に示す。
【0035】
評価したチップ部品点数は各はんだにつき5点であり、温度サイクル試験は−30℃〜80℃で3000サイクルまで行った。1サイクルは1時間とし、その内訳は、−30℃から80℃に昇温する時間を約5分、80℃にて実装構造体を保持する時間を約25分、80℃から−30℃に降温する時間を約5分、−30℃にて実装構造体を保持する時間を約25分とした。なお接合後のはんだ中のCu含有量の分析はEPMA(Electronprobemicroanalysis)により行った。
【0036】
接合部のはんだ組成がSn−40Bi−0.1Cuからなる実装構造体を実施例2−1とし、接合部のはんだ組成がSn−45Bi−0.1Cuからなる実装構造体を実施例2−2とした。また、同時に上記実装構造体との比較を行うため、それらと異なる組成の接合部を有する実装構造体をも作成した。そして、接合用はんだ材料がSn−37Pbからなる実装構造体を比較例2−1とした。
【0037】
この実験の結果として図4に、実施例2−1の実装構造体および比較例2−1の実装構造体のはんだ接合部の温度サイクル試験後の外観および断面組織を示す。なお、図4(a)は実施例2−1のはんだ接合部の外観を示しており、図4(b)は実施例2−1のはんだ接合部の断面組織を示している。また、図4(c)は比較例2−1のはんだ接合部の外観を示しており、図4(d)は比較例2−1のはんだ接合部の断面組織を示している。さらに、図4(e)は比較例2−1のクラックの拡大図である。下記表2に、実施例2−1、実施例2−2および比較例2−1のはんだ接合部のクラック進展率を示す。クラック進展率は、断面においてそのクラックがはんだ接合部を貫通すると仮定した状態を100%とするものとする。
【0038】
【表2】
Figure 0004359983
【0039】
図4および表2から明らかなように、はんだ組成がSn−40Bi−0.1Cuである実施例2−1と、、はんだ組成がSn−45Bi−0.1Cuである実施例2−2の接合部のクラック進展率は−30℃〜80℃、3000サイクル後においても5%以下である。一方、接合用はんだ材料がSn−37Pbである比較例2−1の接合部のクラック進展率は50%以上である。これより、本発明の実装方法によるはんだ接合部は優れた耐熱疲労特性を有することがわかる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、実装構造体のはんだ接合部をSn−Bi系はんだ合金にCuを含有させたはんだ合金とし、Biを40重量%以上50重量%未満、Cuを0.01重量%以上0.4重量%以下の組成割合となるように構成したものである。このような構成としたことにより、本発明の実装構造体のはんだ接合部は、Sn−Bi共晶はんだ合金と同等レベルの機械的強度を有しながら、延性が大幅に向上しており、優れた耐熱疲労特性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 引張試験に供した試験片の形状を示す図。
【図2】 Cuを含有させたSn−Bi系はんだ合金のCu含有量と引張特性との関係を示す図。
【図3】 接合用はんだ材料にSn−40Bi、Sn−37Pbを使用して基板とチップ部品を接合する際の温度プロファイルを示す図。
【図4】 基板とチップ部品を接合した実装構造体の温度サイクル試験後におけるはんだ接合部の外観および断面組織を示す写真。

Claims (3)

  1. 2以上の構成部品をはんだで接合した接合部を有する電子部品の実装構造体であって、
    前記接合部を形成するはんだ合金の組成は、Biが40重量%以上50重量%未満、Cuが0.01重量%以上0.4重量%以下、残部がSnおよび不可避の不純物であることを特徴とする電子部品の実装構造体。
  2. 前記Cuは0.05重量%以上0.2重量%以下である請求項1に記載の電子部品の実装構造体。
  3. 2以上の構成部品をはんだで接合した接合部を有し、該接合部を形成するはんだ合金の組成は、Biが40重量%以上50重量%未満、Cuが0.01重量%以上0.4重量%以下、残部がSnおよび不可避の不純物となる電子部品の実装構造体の製造方法であって、
    前記構成部品の少なくともいずれか1つは、接合される部位の少なくとも一部がCuあるいはCu合金からなり、
    前記構成部品にBi、Snおよび不可避の不純物のみからなる接合用はんだ材料を溶融状態で接触させ、該構成部品の含有するCuを該接合用はんだ材料中に溶出させる工程と、
    前記接合用はんだ材料を凝固させて接合部を形成する工程とを含んでなることを特徴とする電子部品の実装構造体の製造方法。
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