JP2010029868A - 無鉛はんだペースト、それを用いた電子回路基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 無鉛はんだ材料による環境上の利点を維持しつつ、ヌレ不足・ツームストン・ボイド発生等のはんだ付け欠陥を生じることなく、より低温での作業環境を実現する。
【解決手段】 はんだペースト10は、はんだ粉体をフラックス3に混合してなるものであって、前記はんだ粉体が、第1の合金(例えば、Sn-Bi系合金)を粉状にしてなる第1のベース合金粉体1と、第1のベース合金粉体とはその配合組成が異なる第2のベース合金粉体(例えば、Sn-Ag-Bi-In系合金)を紛状にしてなる第2のベース合金粉体2とを配合してなるものであり、このはんだ粉体が2点以上の融点を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 はんだペースト10は、はんだ粉体をフラックス3に混合してなるものであって、前記はんだ粉体が、第1の合金(例えば、Sn-Bi系合金)を粉状にしてなる第1のベース合金粉体1と、第1のベース合金粉体とはその配合組成が異なる第2のベース合金粉体(例えば、Sn-Ag-Bi-In系合金)を紛状にしてなる第2のベース合金粉体2とを配合してなるものであり、このはんだ粉体が2点以上の融点を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、主として電子回路基板のはんだ付けに用いられ、はんだ粉体をフラックスに混合してなる鉛を含まない無鉛はんだペースト、それを用いた電子回路基板及びその製造方法に関する。
近年、はんだ付け技術において、面実装部品の拡大.小型化による高密度化が進みより高機能のはんだ接合材料が望まれている。従来の代表的なはんだペーストとしては、Sn−Pb系共晶はんだ粉末とフラックスとを練り合わせペースト状にしたものがある。また、Sn−Pb−Bi系はんだ粉末とフラックスとを練り合わせペースト状にしたもの(融点コントロール品)等もあり、いずれも35〜50重量%ものPb(鉛)を含有している。
ところが、上述したような従来のSn−Pb系はんだでは、鉛(Pb)が含まれていることから、この鉛を含むはんだで接合された電子部品が廃棄され、酸性雨に晒された場合、条件によっては、はんだに含まれた鉛が溶出して周囲の環境を汚染する惧れがあるという問題があった。
これに対して、鉛を使用しないいわゆる無鉛はんだが提供されている。この無鉛はんだとしては、例えば、スズ(Sn)、銀(Ag)及び銅(Cu)とを含むSn−Ag-Cu系をベースとするものなどがある(例えば、特許文献1)。
特開2005−5570号公報
しかしながら、上述した従来の無鉛はんだでは、Sn−Ag-Cu系をベースとしているため、従来の有鉛はんだと比較して融点が高く、作業温度を240〜250℃で行わなければならず、部品への熱損傷が問題となっている。また、この無鉛はんだでは、そのヌレ性がSn−Pb共晶はんだより劣るとともに、ツームストン・ボイドが発生する等のはんだ付け欠陥が問題となっている。
さらに、融点を低くして熱損傷を避け、電子部品にとって安全な温度で作業が可能な低融点組成であるSn−Bi共晶はんだも提案されているが、これは機械的強度に劣り、信頼性に欠けるという問題がある。
そこで、本発明は、無鉛はんだ材料による環境上の利点を維持しつつ、ヌレ不足・ボイド発生等のはんだ付け欠陥を生じることなく、より低温での作業環境を実現できる無鉛はんだペースト、それを用いた電子回路基板及びその製造方法を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、はんだ粉体をフラックスに混合してなる無鉛はんだペーストであって、はんだ粉体が、第1の合金を粉状にしてなる第1ベース合金粉体と、第1ベース合金粉体とは配合組成が異なる第2の合金を粉状にしてなる第2ベース合金粉体とを混合してなるものであり、このはんだ粉体が2点以上の融点を有することを特徴とする。
上記発明では、第1ベース合金粉体を、Sn(スズ)とBi(ビスマス)を基本構成としたSn−Biの無鉛共晶組成粉末とし、第2ベース合金粉体を、Snを主成分とするSn−Ag(銀)−Bi(ビスマス)−In(インジューム)からなる無鉛はんだ組成粉末とすることができる。この場合において、かかるはんだ粉体は、その溶融後においてAgが0.05〜2.4重量%、Inが0.25〜1.5重量%となるように調整してあることが好ましい。
上記発明において、はんだ粉末における第1ベース合金粉体は、70〜95重量%であり、その残部である第2ベース合金粉体は、0.3〜3.5重量%のAg及び0.5〜8.0重量%のInを含有してなることが好ましい。
上記発明の無鉛はんだペーストを用いて、リフロー作業ピーク温度を205℃以下として、電子回路基板を製造することができ、また、上記発明のはんだペーストを用いて電子部品を接続することにより電子回路装置を構成することができる。
本発明によれば、はんだ粉体が溶融する際、配合組成が異なる第1及び第2のベース合金粉体のうち融点の低い一方のベース合金粉体の合金が先に溶融し、この溶融した合金が、他のベース合金粉体に接触することによって、他のベース合金粉体の融点を低下させる。本発明の無鉛はんだペーストではこのような作用を利用し、異なる配合組成のベース合金粉体を適宜配合することによって、2点以上の融点を有するように調節されている。
具体的には、Sn−Bi系(第1ベース合金粉体)粉末とSn−Ag−Bi−In系(第2ベース合金粉体)粉末を、Sn−Bi系70〜95重量%とし、Sn−Ag−Bi−In系5〜30重量%の混合比率で混合することにより、混合はんだペースト中のSn−Bi系はんだ粉末(第1ベース合金粉体)が共晶温度である138℃から溶融を開始する。それに伴い溶融温度200〜210℃であるSn−Ag−Bi−In系はんだ粉末(第2ベース合金粉体)が溶融したSn−Bi系合金に取り込まれる形で溶け出す。このとき、溶融金属は部分的に比率の違うSn−Ag−Bi−In合金となり本来の液相温度より溶融温度が降下する。また、逆にSn−Bi系合金(第1ベース合金粉体)から見ると徐々に上昇する。
通常であると融点より温度設定を高めに設定(融点プラス20℃程度アップ)しなければ安定したはんだ付けは望めないが、本発明の無鉛はんだペーストを用いて電子部品をはんだ付けした電子回路基板では、リフローはんだ付け炉において、炉内雰囲気温度がSn−Ag−Bi−In合金の溶融温度200〜210℃に至らなくても、全ての無鉛はんだ粉末の液体化を完了させることができる。
したがってリフロー作業ピーク温度を従来より低い205°C以下に設定しても、溶融時間が長く、更に実際の融点より十分高い温度であるため、はんだには十分な加熱をすることができ、溶融したはんだの流動性が良くなり内部に閉じ込められたガスの脱気がスムーズに行われ、ボイドの少ない接合面を得ることができ、内部応力・歪が小さい。これは、実際の溶融温度の低さによることが大きい。また作業温度が従来よりも低いため、搭載部品を熱損傷から守ることができる。
なお、上記発明における溶融後の合金組成は、例えば、第1ベース合金粉体としてSn−58Biを75重量%とし、第2ベース合金粉体としてSn−3.0Ag−0.5Bi−5.0Inを25重量%とする。この比率の場合、最終合金組成は、Bi43.6重量%−Ag0.75重量%−In1.25重量%とし、残りをSnとすることができる。
以下に、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る無鉛はんだペーストを模式的に示す説明図である。図1に示すように、本実施形態に係る無鉛はんだペースト10は、はんだ粉体をフラックス3に混合してなるものであり、同図においては、このはんだペースト10が、基板等の母材4上に転写成形等によって印刷された状態を示している。
そして特に、本実施形態において、上記はんだ粉体は、第1の合金を粉状にしてなる第1ベース合金粉体1と、第1ベース合金粉体1とは配合組成が異なる第2の合金を粉状にしてなる第2ベース合金粉体2とを混合してなり、2点以上の融点を有するものである。これらの第1、第2のベース合金粉体1、2は、例えば、粉末製造装置の中で溶融はんだを霧化することで球状の粉末を製造することが出来る。
また、上記フラックス3は、一般に接合部材の金属表面の酸化膜(高融点)と反応し,接合表面を清浄化してフラックス成分と接合部材の金属との反応を容易にすることで液状化金属塩(低融点)を生成させる。接合面が液状化しているために本発明のはんだとの溶融金属間反応が容易になる。フラックス3は、ロジン、活性剤、溶剤、チクソ剤などを成分として、加熱混溶しペースト化したものである。
そして、本実施形態では、第1ベース合金粉体1が、Sn(スズ)とBi(ビスマス)を基本構成としたSn−Biの共晶組成粉末であり、第2ベース合金粉体2が、Snを主成分とするSn−Ag(銀)−Bi(ビスマス)−In(インジューム)からなる無鉛はんだ組成粉末であり、これら第1、第2のベース合金粉体1、2を混合してなるはんだ粉体が、その溶融後においてAg及びInの含有量が所望の重量%となるように調整してある。
この第1、第2のベース合金粉体1,2の配合比は、本実施形態では、はんだ粉末における第1ベース合金粉体1が70〜95重量%となり、その残部である第2ベース合金粉体2が5〜30重量%となるように調整されている。
図2(a)は、第1ベース合金粉体1(Sn−Bi系はんだ)において、Biの含有量と温度によるはんだの状態を示す2元状態図である。本同図において、範囲(イ)ではSnが固体の状態にあり、範囲(ロ)では半溶融の状態にある。範囲(ハ)ではSn、Biともに固体の状態にあり、範囲(ホ)では共に液体の状態にある。また、(ニ)ではBiが半溶融の状態にある。
実施形態において、第1ベース合金粉体1は、図2(a)に示すように、共晶点(E)の温度は、138.5℃となっている。
詳述すると、同図において、Biの含有量が微量でSnが100重量%に近い範囲(イ)では、はんだの融点は232.0℃となるが、Biの含有量が増加するにつれてその融点は低下する。一方、Biの含有量が100重量%に近いときははんだの融点は271.4℃となるが、Biの含有量が減少するにつれて融点は低下する。これら双方のはんだの融点の最低温度が一致する温度Eは共晶温度と呼ばれる。
この共晶点Eにおいては、温度を上昇させた場合に半溶融の状態となることなく固体から液体へと状態を変化させることができ、作業性が良好となる。かかるSn−Bi系はんだでは、Biの含有量が57重量%前後にあるときに共晶点Eが生じ、その温度は138.5℃となる。一方、第2ベース合金粉体2については、例えばSn−3.0Ag−0.5Bi−5.0Inの場合、融点が200〜210℃前後である。
そして、本実施形態では、上述した第1ベース合金粉体1及び第2ベース合金粉体2の混合無鉛合金粉末を、リフロー炉中において第1ベース合金粉体1(Sn−Bi系)から第2ベース合金粉体2(Sn−Ag−Bi−In系)の順で徐々に溶融させ、最終的には、所望のSn−Bi−Ag−Inの4元無鉛合金を得るものである。
図2(b)は、本実施形態に係るSn−Bi系粉末合金(第1ベース合金粉体1)にAgを添加したときの、Agの添加量と、合金の延性との関係を示すものである。図2(b)では、Sn−Bi系合金へのAg添加量が0.8重量%のときの3元合金の伸び率は約40%となり延性が向上されていることが判る。このAgの供給は第2ベース合金粉体2が溶融されることにより行われ、さらにこの第2ベース合金粉体2の溶融によりInの供給も同様に行われる。第2ベース合金粉体2によるAgの添加は、最終的な合金の延性確保・組織の微細化を得ることができ、一方、Inの添加は、さらなる融点の降下とSn拡散の抑制効果を得ることができる。これらの結果、第1ベース合金粉体1と第2ベース合金粉体2とが融合して得られる最終合金では、柔軟性確保・ウイスカーの抑制等の効果を得ることができる。
そして、上記無鉛はんだペーストを使用し電子部品を接続することにより、電子回路基板を構成することができる。図10は、かかる電子回路装置50a若しくは50bの外観を示すものである。
すなわち、図8において、81はプリント基板(プリント配線板)、82はBGA(Ball Grid Array)パッケージIC、83はBGAパッケージICの電極であるBGAボール、84はSOP(Small Outline Package)パッケージIC、85はSOPパッケージICのリード、86はトランジスタ、87はトランジスタ86のリード、88は抵抗などのチップ部品、89はチップ部品88のチップ電極、80はプリント基板81に電子部品を実装した電子回路基板(実装済基板)である。
はんだペースト10をメタルマスクとスキージを用いてプリント基板81のはんだ接合パッド上に印刷し、その上に接合するBGAパッケージIC82、SOPパッケージIC84、トランジスタ86、チップ部品88などの表面実装用部品(SMD:Surface Mounting Device)を装着(配置)し、大気中または、窒素雰囲気中のリフロー炉(加熱炉)において例えばリフロー作業ピーク温度205℃の条件下ではんだ付けを行うことにより、プリント基板81のはんだ接合パッドとBGAボール82、リード85、87、チップ電極89などの電子部品の接合部がはんだペーストの溶融によって接合する。これにより環境負荷の少ない電子回路基板80を製造することができる。
以下に、本発明に係る無鉛はんだペーストの実施例について説明する。ここでは、第1ベース合金粉体をSn−Biの共晶組成70〜95重量%とし、残部を第2の合金であるSn−Bi−Ag−In系無鉛はんだ粉末を5〜30重量%の混合粉末を用い、溶融後の重量%比率が0.3〜2.0重量%のAg及び0.5〜1.5重量%のInを含有してなるように調整する。そして、このような第1ベース合金粉体及び第2ベース合金粉体の混合粉末であるはんだ粉末を、フラックスと練り合わせペースト状に混合し、次式の関係を満たすような組成となるように配合する。
図4は、Sn−Bi系のリフロー温度とはんだ溶融性(DSC)を示すグラフ図及び観察写真である。また、図5〜7は、混合無鉛合金粉末混合比率によるリフロー温度とはんだ溶融性(DSC)を示すグラフ図及び観察写真である。図8は、図5〜7のグラフ図のみを表したものである。図9は、本実施形態の無鉛はんだが溶融して得られる最終合金の断面拡大写真である。
図3は、本実施例の第1ベース合金粉体に用いているSn−Bi系のリフロー温度と、はんだ溶融性(DSC:Differencial Sacnning Calorimetory)を示すグラフ図及び観察写真であるが、この図3からわかるように第1ベース合金粉体の融点は約140℃である。
そして、Sn−Bi系(第1ベース合金粉体)とSn−Ag−Bi−In系(第2ベース合金粉体)をそれぞれ75重量%及び25重量%で混合してなる本実施例のはんだペーストのリフロー温度とはんだ溶融性(DSC)を示すグラフ図及び観察写真が図4であるが、図4のDSC曲線からわかるように、140°Cの第1融点と210°Cの第2融点の2つ融点を有している。
このようなペーストの初期状態が図5の写真51である。これを徐々に加熱していくと、図5の写真52でわかるように第1の融点である約140℃で第1ベース合金粉体が溶融を開始する。次に、写真53のように徐々に第2ベース合金粉体が第1ベース溶融合金に取り込まれるかたちで溶融する。更に第2融点である210℃に達する前の160℃付近で完全に溶融する溶融挙動を確認できる。その後温度の上昇とともにヌレ拡がり、リフロー作業ピーク温度約200°Cで写真54のように良好なはんだ付けができる。
また、図6の最終合金の断面観察拡大写真で凝固したはんだの断面を観察すると、大きなボイドもなくSnとBiが緻密に分散し、微細さを保っていることがわかる。
また、本実施例のはんだペーストを用いてはんだ付けされた電子回路基板を熱疲労試験(−40〜+110°C/各10分保持)にかけたときの拡大写真が図7である。
図7の初期状態を示す写真71でわかるように、はんだヌレ性が良いためチップ左右が均等にはんだ付けされておりツームストーン発生も抑制できる。 更に500サイクル後の写真72、1000サイクル後の写真73からわかるように、熱疲労試験後もはんだ表面にはシワ等の発生もなく良好な状態を保っている。
このように、本実施例のはんだペーストは従来の無鉛はんだペーストに比べ、低融点で均質に溶融し、凝固後は緻密な組成を形成しツームストーンやボイドの少ない接合面を得ることができる等、優れた信頼性を有している。
次に、2つの合金粉体の配合比を変化させたときの溶融温度・接合特性・経済性について評価した結果を表1に示す。
表1からわかるように、第1ベース合金粉体が50重量%(In 2.5重量%)のときは経済性が劣る。ここで、経済性について説明する。
Inはレアメタルでありコストの高い材料である。そのため、Inの含有量が大きい合金はInの含有量が小さい合金よりも材料コストが高くなる。ここでいう経済性とはこの材料コストを称し、例えば、経済性がよいとは材料コストが安いことをいう。
そして、第1ベース合金粉体が75〜95重量%(In 1.25〜0.25重量%)のときは接合特性(ツームストンやボイドが少なく、耐疲労や延性に優れる)や経済性がよく、第1ベース合金粉体が75〜82重量%(In 1.25〜0.9重量%)のときはボイド、延性が更に優れている。
また、第1ベース合金粉体が95重量%(In 0.25重量%)のときは、延性がやや劣るもののその他の項目では良好な結果が得られており、更に経済性に優れている。
しかし、第1ベース合金粉体が100重量%のときは接合特性(ツームストン、ボイド、耐疲労、延性)で大きく劣っている。特に延性は図2(b)でわかるようにAgの含有量の変化で変化するので、Agを含まない100%のときは延性が大きく劣ることがわかる。
次に、2つの合金粉体の配合比を変化させたときのInの比率と溶融温度を表2に示す。
一般的にはんだリフローの作業温度は、接合特性をよくするために、はんだの溶融温度プラス40°Cが望ましいとされている。一方部品の耐熱温度からみると、十分な部品の信頼性を確保するためにはリフローの作業温度を205°C以下に設定することが望ましい。
そこで表2をみると、第1ベース合金粉体が70重量%(In 1.5重量%)のときは溶融温度が165°Cであり、リフローの作業温度ははんだの溶融温度プラス40°Cとしたときに205°Cでよいことがわかる。しかし第1ベース合金粉体が65重量%(In 1.75重量%)のときは溶融温度が170°Cであるので、リフローの作業温度ははんだの溶融温度プラス40°Cとしたときに210°Cとなってしまう。したがって、第1ベース合金粉体は70重量%以上、Inは1.5重量%以下であることが望ましい。
また、図2(b)から、延性を従来のSn−Pb系はんだと同等にするためには、Agの比率を0.05〜2.4重量%とするのがよいことがわかる。
以上述べたことを総合すると、本発明の無鉛はんだペーストにおいて第1ベース合金粉体の配合比は70〜95重量%とすることが好ましい。また、溶融後におけるInの比率を0.25〜1.5重量%、Agの比率を0.05〜2.4重量%となるよう調整することが好ましい。
以上詳細に述べたように、本発明のはんだペーストは、はんだ粉体が溶融する際、配合組成が異なる第1及び第2のベース合金粉体のうち融点の低い一方のベース合金粉体の合金が先に溶融し、この溶融した合金が他のベース合金粉体に接触することによって、他のベース合金粉体の融点を低下させる作用を利用し、更にそれぞれの合金にBi、Ag、Inを適切に含有させることによって、無鉛はんだ材料による環境上の利点を維持しつつ、ヌレ不足、ツームストン、ボイド発生等のはんだ付け欠陥を生じることなく、より低温での作業環境を実現するものである。
10…はんだペースト
11…第1のベース合金粉体粉末(Sn−Bi)
12…第2のベース合金粉体粉末(Sn−Ag−Bi−In)
13…フラックス
14…母材
51…130°Cのときのはんだペーストの写真
52…141°Cのときのはんだペーストの写真
53…160°Cのときのはんだペーストの写真
54…200°Cのときのはんだペーストの写真
71…熱疲労試験の初期状態を示す写真
72…熱疲労試験の500サイクル後の写真
73…熱疲労試験の1000サイクル後の写真
80…電子回路基板(実装済基板)
81…プリント基板(プリント配線板)
82…BGAパッケージIC
83…BGAボール
84…SOPパッケージIC
85…リード
86…トランジスタ
87…リード
88…チップ部品
89…チップ電極
11…第1のベース合金粉体粉末(Sn−Bi)
12…第2のベース合金粉体粉末(Sn−Ag−Bi−In)
13…フラックス
14…母材
51…130°Cのときのはんだペーストの写真
52…141°Cのときのはんだペーストの写真
53…160°Cのときのはんだペーストの写真
54…200°Cのときのはんだペーストの写真
71…熱疲労試験の初期状態を示す写真
72…熱疲労試験の500サイクル後の写真
73…熱疲労試験の1000サイクル後の写真
80…電子回路基板(実装済基板)
81…プリント基板(プリント配線板)
82…BGAパッケージIC
83…BGAボール
84…SOPパッケージIC
85…リード
86…トランジスタ
87…リード
88…チップ部品
89…チップ電極
Claims (5)
- はんだ粉体をフラックスに混合してなる無鉛はんだペーストであって、
前記はんだ粉体が、第1の合金を粉状にしてなる第1ベース合金粉末と、該第1ベース合金粉体とは配合組成が異なる第2の合金を粉状にしてなる第2ベース合金粉体と、を混合してなり、
前記はんだ粉体が2点以上の融点を有することを特徴とする無鉛はんだペースト。 - 請求項1に記載の無鉛はんだペーストであって、
前記第1ベース合金粉体が、Sn(スズ)とBi(ビスマス)を基本構成とした、Sn−Biの共晶組成粉末であり、
前記第2ベース合金粉体が、Snを主成分とするSn−Ag(銀)−Bi(ビスマス)−In(インジューム)からなる無鉛はんだ組成粉末であり、
前記はんだ粉体が、その溶融後においてAgが0.05〜2.4重量%、Inが0.25〜1.5重量%となるように調整してあることを特徴とする無鉛はんだペースト。 - 請求項2に記載の無鉛はんだペーストであって、
前記はんだ粉末における前記第1ベース合金粉体が70〜95重量%であり、
その残部である前記第2ベース合金粉体は、0.3〜3.5重量%のAg及び0.5〜8.0重量%のInを含有してなることを特徴とする無鉛はんだペースト。 - 請求項1乃至3のいずれか一つの請求項に記載の無鉛はんだペーストを用い、リフロー作業ピーク温度を205℃以下とすることを特徴とする電子回路基板の製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれか一つの請求項に記載のはんだペーストを用いて電子部品を接続してなることを特徴とする電子回路基板。
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