JP3347512B2 - 低温接合用はんだ合金、これを用いた電子機器およびその製造方法 - Google Patents
低温接合用はんだ合金、これを用いた電子機器およびその製造方法Info
- Publication number
- JP3347512B2 JP3347512B2 JP05933495A JP5933495A JP3347512B2 JP 3347512 B2 JP3347512 B2 JP 3347512B2 JP 05933495 A JP05933495 A JP 05933495A JP 5933495 A JP5933495 A JP 5933495A JP 3347512 B2 JP3347512 B2 JP 3347512B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solder
- same
- alloy
- low
- solder alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
Description
金、これを用いた電子機器およびその製造方法に関す
る。本発明は、特に、電子機器産業における回路配線基
板アセンブリにおいて使用されるはんだ合金に関し、こ
のはんだ合金は構成元素としてPbを含まず、しかもそ
れを用いた時のはんだ付け温度が従来の63Sn−37
Pbはんだの融点よりも低いものである。
まりから、廃電子部品からのPbの溶出による水質汚染
がクローズアップされている。Pbは、Snとの合金で
ある融点183℃の63Sn−37Pbはんだとして、
電子機器の製造に広く用いられていることから、その代
替はんだ合金を開発することが急務となっている。ま
た、はんだ付け温度を低くすることは、吸湿した樹脂封
止LSIがはんだ接合時にパーケージクラックを生じる
のを防止することもできることから、電子機器の信頼性
の点でメリットがある。したがって、Pbを構成元素に
含まない低温接合用はんだ合金を開発することは、極め
て有意義である。
として、Sn,In,Biなどを構成元素とする66I
n−34Bi(融点72℃)、52In−48Sn(融
点117℃)、57Bi−43Sn(融点139℃)な
どが知られている。これらのうちで、66In−34B
iは、電子機器稼働時の内部温度が80℃に達すること
を考慮するとはんだ合金としては実用に適さない。ま
た、52In−48Snは、Inが産出量に乏しく、高
価であることから、はんだ合金としての安定供給や価格
の点で問題が残る。57Bi−43Snは、融点、安定
供給性および価格の点では問題ないが、それ自体が硬く
て脆いという、望ましくない物性を有している。
子機器内でLSIパッケージと回路配線基板とを電気的
に接合するだけではなく、LSIが発熱して熱膨張した
時に、はんだ自体が歪んで(弾塑性変形して)、LSI
パッケージと回路配線基板との間の応力を緩和するとい
う役割をも担っている。したがって、はんだが十分な緩
和作用を発揮するには、負荷に応じて柔軟に弾塑性変形
するように、低いヤング率が求められる。もちろん、ヤ
ング率が低すぎると、はんだの引張強さも小さくなっ
て、接合強度が不足するようになる。したがって、通常
の電子機器で用いられている63Sn−37Pbはんだ
のヤング率が450kg/mm2 程度であることから、63
Sn−37Pbからの代替を行うには、低温接合用はん
だ合金のヤング率もこれと同等であることが求められ
る。
による素子の熱膨張および収縮によりはんだが塑性変形
を繰り返すと、最悪の場合には、はんだ接合部に亀裂が
生じて断線することもある。したがって、はんだが塑性
変形の繰り返しに対して十分な耐久性を有するには、引
張試験時に大きく塑性変形して高い破断伸びを示すこと
が望まれる。63Sn−37Pbはんだの破断伸びが3
0%程度であることから、低温接合用はんだ合金の破断
伸びは30%以上であることが望ましい。
い低温接合用はんだ合金には、63Sn−37Pbはん
だの代替用途として、450kg/mm2 程度のヤング率と
30%以上の破断伸び値が要求される。
引張試験時のヤング率および破断伸びはそれぞれ500
kg/mm2 および20%程度であり、63Sn−37Pb
よりもヤング率が大きく、破断伸びが小さい。したがっ
て、57Bi−43SnのLSIと回路配線基板との間
のミスマッチ緩和能力や繰り返し塑性変形時の耐久能力
は、63Sn−37Pbよりも劣り、これを63Sn−
37Pbに代替して用いた場合、電子機器の長期的信頼
性低下が懸念される。
はんだ接合部のミスマッチ緩和能力や繰り返し塑性変形
時の耐久能力が63Sn−37Pbはんだと同等以上で
あって、63Sn−37Pbはんだの融点よりも低い温
度で接合可能なはんだ合金を提供することを目的とす
る。
題を解決するため、重量%表示で、 Sn 37〜46 Ag 0.1以上1.0未満 Bi 残部 からなることを特徴とする低温接合用はんだ合金が提供
される。
合金において、Agを0.1〜2.5重量%の範囲で添
加することによって、63Sn−37Pbはんだと同等
のヤング率と破断伸びを有し、はんだ接合部の応力緩和
性や繰り返し塑性変形時の耐久性の高いはんだ合金を実
現することができる。驚くべきことに、本発明者らは、
Bi−Sn合金に第3元素としてAgを添加し、しかも
その添加量を2.5重量%以下にすることにより、融点
上昇を起こすことなくヤング率を所望のレベルまで低下
でき、破断伸びを著しく増加できることを見出したので
ある。この効果は、Agを付加成分として用いた場合だ
けに限られた特異の効果であり、Agに代えてSb,Z
n,Cu等を添加した場合には、同様な効果は認められ
なかった(表2)。
元素としてAgを添加することは、従来より知られてい
ることではあるが、この添加の目的は高ヤング率化およ
び高強度化を図ることであり、本発明がAgの添加によ
って達成しようとする課題とは全く異なっている。Ag
添加によるはんだの高強度化を教示する文献として、R.
J. Klein Wassink著、「ソルダリング イン エレクト
ロニクス」に、60Sn−40Pbはんだの20℃での
剪断強さが20N/mm2 であるのに対し、62Sn−3
6Pb−2Agのそれが28N/mm2 と、Agの添加に
よって剪断強さが1.4倍になることが報告されてい
る。
してBi−Sn合金に2.5重量%以下の量で添加する
ことにより、ヤング率を所望のレベルまで低下でき、破
断伸びを著しく増加できるということは、全く予想外の
ことである。Agの添加によって破断伸びが増加する挙
動は、0.1重量%という微量添加時から観察され、1
重量%添加時に破断伸びが最大値を示し、2.5重量%
添加時までその効果が得られることが確認された(図
1)。Ag添加量が2.5重量%を超えると、破断伸び
はAg未添加のBi−Sn合金よりも小さくなる。な
お、Ag添加量が1重量%である点を境に破断伸びが減
少し始めるのは、Ag量の増加によって、硬くて脆いA
g−Sn相が生成するためであると考えられる。また、
Ag添加Bi−Sn合金の内部金属組織においては、A
g添加によって組織が微細化するとともに、空隙も減少
することが確認された。
し、しかもその添加量を2.5重量%以下に抑えること
で、融点上昇を起こすことなく、ヤング率を63Sn−
37Pbはんだと同等のレベルまで低下させ、破断伸び
を63Sn−37Pbはんだ以上に大きくすることがで
きた。
Ag合金を用いて引張試験片を作製し、引張試験を行っ
て、破断伸びとヤング率を求めた。得られた破断伸びを
図1および図2に示し、それらの融点とともにヤング率
を併せて表1に示す。また、これらのうち、実験番号2
〜7および9〜11(本発明例)のはんだ合金を用いて
回路配線基板を組み立てたところ、パッケージクラック
の発生もなく、良好にはんだ接合を行うことができた。
ZnおよびCuを用いた場合のヤング率および破断伸び
を表2に示す。
融点が63Sn−37Pbはんだより低く、しかも63
Sn−37Pbはんだを代替するに十分なヤング率、破
断伸びを有するはんだを作製できることから、従来より
も低い温度でのプリント板アセンブリが可能となり、L
SIのプラスチックパッケージへのストレスを軽減で
き、製造する電子機器の信頼性を向上できる。また、こ
のはんだ合金は、はんだ成分中にPbを含んでいないた
め、人体や地球環境に対して安全である。
との関係を示すグラフ。
と破断伸びとの関係を示すグラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%表示で、 Sn 37〜46 Ag 0.1以上1.0未満 Bi 残部 からなることを特徴とする低温接合用はんだ合金。
- 【請求項2】 請求項1記載の低温接合用はんだ合金を
用いて接合された部分を含む電子機器。 - 【請求項3】 請求項1記載の低温接合用はんだ合金を
用いて所定部分を接合することを含む電子機器の製造方
法。 - 【請求項4】 180℃以下の温度ではんだ接合が行わ
れる請求項3記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05933495A JP3347512B2 (ja) | 1995-03-17 | 1995-03-17 | 低温接合用はんだ合金、これを用いた電子機器およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05933495A JP3347512B2 (ja) | 1995-03-17 | 1995-03-17 | 低温接合用はんだ合金、これを用いた電子機器およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08252688A JPH08252688A (ja) | 1996-10-01 |
JP3347512B2 true JP3347512B2 (ja) | 2002-11-20 |
Family
ID=13110335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05933495A Expired - Lifetime JP3347512B2 (ja) | 1995-03-17 | 1995-03-17 | 低温接合用はんだ合金、これを用いた電子機器およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3347512B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7604152B2 (en) | 2005-10-25 | 2009-10-20 | Fujitsu Limited | Method for manufacturing a printed circuit board for electronic devices and an electronic device using the same |
WO2021049437A1 (ja) | 2019-09-11 | 2021-03-18 | 株式会社新菱 | Sn-Bi-In系低融点接合部材およびその製造方法、ならびに半導体電子回路およびその実装方法 |
WO2022050185A1 (ja) | 2020-09-04 | 2022-03-10 | 株式会社新菱 | 低融点接合部材およびその製造方法ならびに半導体電子回路およびその実装方法 |
Families Citing this family (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5833921A (en) * | 1997-09-26 | 1998-11-10 | Ford Motor Company | Lead-free, low-temperature solder compositions |
JP3580731B2 (ja) | 1999-06-11 | 2004-10-27 | 和美 松重 | 鉛フリー半田の半田付け方法、及び当該半田付け方法にて半田付けされた接合体 |
JP4351107B2 (ja) * | 2004-04-05 | 2009-10-28 | パナソニック株式会社 | はんだ材料およびはんだ付け物品 |
JP2006199833A (ja) * | 2005-01-20 | 2006-08-03 | Sekisui Chem Co Ltd | 異方性導電接着剤 |
JP4975342B2 (ja) * | 2005-03-15 | 2012-07-11 | パナソニック株式会社 | 導電性接着剤 |
JP2010029868A (ja) * | 2006-11-06 | 2010-02-12 | Victor Co Of Japan Ltd | 無鉛はんだペースト、それを用いた電子回路基板及びその製造方法 |
JP2008183590A (ja) * | 2007-01-30 | 2008-08-14 | Oki Electric Ind Co Ltd | 半導体装置 |
JP2009111065A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-21 | Opnext Japan Inc | 光半導体装置 |
JP5389887B2 (ja) * | 2011-10-11 | 2014-01-15 | 株式会社白金 | 低融点無鉛ハンダ及びその製造方法 |
US9402321B2 (en) | 2012-10-15 | 2016-07-26 | Senju Metal Industry Co., Ltd. | Soldering method using a low-temperature solder paste |
JP6548537B2 (ja) * | 2015-09-10 | 2019-07-24 | 株式会社弘輝 | はんだ合金及びはんだ組成物 |
JP2018122322A (ja) * | 2017-01-31 | 2018-08-09 | 株式会社タムラ製作所 | 鉛フリーはんだ合金、ソルダペースト、電子回路基板及び電子制御装置 |
JP6619387B2 (ja) * | 2017-06-08 | 2019-12-11 | 株式会社タムラ製作所 | 鉛フリーはんだ合金 |
WO2021043708A1 (en) | 2019-09-06 | 2021-03-11 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Solder alloy and solder paste containing said alloy |
-
1995
- 1995-03-17 JP JP05933495A patent/JP3347512B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7604152B2 (en) | 2005-10-25 | 2009-10-20 | Fujitsu Limited | Method for manufacturing a printed circuit board for electronic devices and an electronic device using the same |
WO2021049437A1 (ja) | 2019-09-11 | 2021-03-18 | 株式会社新菱 | Sn-Bi-In系低融点接合部材およびその製造方法、ならびに半導体電子回路およびその実装方法 |
KR20220055494A (ko) | 2019-09-11 | 2022-05-03 | 가부시키가이샤 신료 | Sn-Bi-In계 저융점 접합 부재 및 그 제조 방법, 및 반도체 전자 회로 및 그 실장 방법 |
WO2022050185A1 (ja) | 2020-09-04 | 2022-03-10 | 株式会社新菱 | 低融点接合部材およびその製造方法ならびに半導体電子回路およびその実装方法 |
KR20230056047A (ko) | 2020-09-04 | 2023-04-26 | 가부시키가이샤 신료 | 저융점 접합 부재와 그 제조 방법 및 반도체 전자 회로와 그 실장 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08252688A (ja) | 1996-10-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3347512B2 (ja) | 低温接合用はんだ合金、これを用いた電子機器およびその製造方法 | |
JP2885773B2 (ja) | 半田付け用無鉛合金 | |
JP3220635B2 (ja) | はんだ合金及びクリームはんだ | |
KR101167549B1 (ko) | 차재 전자 회로용 In 함유 무납 땜납 | |
WO2010122764A1 (ja) | はんだ材料および電子部品接合体 | |
JP4770733B2 (ja) | はんだ及びそれを使用した実装品 | |
JPH0550286A (ja) | 高温はんだ | |
JP2000190090A (ja) | 鉛フリ―はんだ合金 | |
JP4401671B2 (ja) | 高温鉛フリーはんだ合金および電子部品 | |
JP3353662B2 (ja) | はんだ合金 | |
JP2722917B2 (ja) | 高温はんだ | |
JP2001071173A (ja) | 無鉛はんだ | |
JP3643008B2 (ja) | はんだ付け方法 | |
JP5140644B2 (ja) | はんだ付け組成物および電子部品 | |
JP3299091B2 (ja) | 鉛フリーはんだ合金 | |
JP3036636B1 (ja) | 無鉛半田合金 | |
JP4595877B2 (ja) | 半導体パワーモジュール | |
JPH01237095A (ja) | はんだ材 | |
JP3107483B2 (ja) | 無ないし低含鉛半田合金 | |
JP2008221330A (ja) | はんだ合金 | |
JP2002178191A (ja) | 低温系鉛フリーはんだ組成及びそれを用いた電子部品実装構造体 | |
JP3815865B2 (ja) | 鉛フリーはんだ合金 | |
JP2003326386A (ja) | 無鉛はんだ合金 | |
JP3423387B2 (ja) | 電子部品用はんだ合金 | |
JP3254857B2 (ja) | はんだ合金 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020430 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020730 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080906 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080906 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100906 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100906 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110906 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120906 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120906 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130906 Year of fee payment: 11 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |