JP4130856B2 - 電流源回路 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は電流源回路に関するものであり、特に、負の温度係数を有する抵抗を持つ電流源回路において、全体として負の温度係数を持つか、温度依存性がなく熱暴走を防止できる電流源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、本発明の電流源回路が適用される1回路例としての差動増幅回路10と、その電流源回路20の1例を示す回路図である。
差動増幅回路10は、エミッタが共通接続された1対のNPN型バイポーラトランジスタQ11,Q12と負荷抵抗素子R11,R12を有しており、トランジスタQ11,Q12のベースに印加された入力信号IN1,IN2の差に応じた信号がトランジスタQ11,Q12のコレクタに出力される。
電流源回路20は差動増幅回路10に一定の電流を提供する回路である。電流源回路20の従来の回路構成例を図4および図5に図解する。
【0003】
図4の電流源回路20Aは、NPN型バイポーラトランジスタQ20と、抵抗素子R20とが直列接続された回路構成をしている。トランジスタQ20のベースに制御電圧VCSを印加すると、トランジスタQ20のコレクタからエミッタに電流I20が流れ、抵抗素子R20において電圧降下V20=I20×R20が発生する。R20は抵抗器R20の抵抗値である。
トランジスタQ20を流れる電流I20は、差動増幅回路10の1対のトランジスタQ11,Q12それぞれのコレクタからエミッタ(ノードN10)に流れ、さらに、ノードN10を介して電流源回路20A内のトランジスタQ20のコレクタからエミッタに流れ、抵抗素子R20を介して接地電位に流れ込む。このように、トランジスタQ20のコレクタを負荷としての差動増幅回路10のトランジスタQ11,Q12のエミッタが共通接続されたノードN10に接続すれば、トランジスタQ20と抵抗素子R20とは差動増幅回路10の定電流源回路として動作する。
【0004】
図5の電流源回路20Bは、カレントミラー型定電流源回路と呼ばれる電流源回路であり、負荷抵抗素子R22と、1対のNPN型バイポーラトランジスタQ32,Q33を有する。トランジスタQ32のコレクタとベースとが接続されており、トランジスタQ32はダイオードとして機能する。トランジスタQ32のベースとトランジスタQ33のベースとが共通接続されている。
電流源回路20Bにおいて、抵抗素子R22を介してトランジスタQ32のコレクタからエミッタに流れる電流I32と値の同じ電流I33がトランジスタQ33のコレクタからエミッタに流れる。
したがって、トランジスタQ33のコレクタを負荷としての差動増幅回路10のトランジスタQ11,Q12のエミッタが共通接続されたノードN10に接続すれば、ノードN10からトランジスタQ33に向かって、電流I32と同じ電流I33が流れ、安定した電流源回路として使用できる。このように、図5に図解したカレントミラー型定電流源回路20Bは、抵抗素子R22の値によって規定された一定の電流をノードN10に提供する安定な電流源回路として動作する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図4に図解した電流源回路20Aにおいて、抵抗素子R20を拡散抵抗素子またはトランジスタの接合抵抗素子で形成した場合は、抵抗素子R20は正の温度係数を持つ。正の温度係数とは、温度の上昇に伴って抵抗値が増加する温度係数をいう。なお、負の温度係数とは温度の上昇に伴って抵抗値が低下する温度係数をいう。
【0006】
抵抗素子R20を正の温度係数を持つ材料で形成した場合、温度が上昇すると抵抗素子R20の抵抗値R20が増加してトランジスタQ20のコレクタ・エミッタに流れる電流、すなわち、電流I20を減少させる。
トランジスタQ20のベース・エミッタ間電圧VBEは、約−2mV/°Cの負の温度特性を持つ。抵抗素子R20は正の温度係数であるが、トランジスタQ20の温度係数より1桁程度小さい。したがって、図4に図解した電流源回路20A全体の温度係数は負になる。
このように、回路の温度係数が負または0の場合は、温度が上昇しても回路は安全な方法に動作する。
【0007】
しかしながら、最近、抵抗素子R20がポリ(多結晶)シリコンで実現されることが多くなった。ポリシリコンは負の温度係数を示すから、温度が上昇すると抵抗素子R20の抵抗値が低下して、トランジスタQ20のコレクタ・エミッタを流れる電流が増大する。
トランジスタQ20を流れる電流が増大すると抵抗素子R20の抵抗値が低下し、トランジスタQ20を流れる電流が益々増加する。その結果、抵抗素子R20の抵抗値をさらに低下させる。このような現象が反復すると、電流源回路20Aを通して差動増幅回路10のノードN10から電流源回路20Aに過大な電流が流れる。
その結果、差動増幅回路10内のトランジスタQ11,Q12のコレクタ・エミッタに過大な電流が流れて、差動増幅回路10および電流源回路20Aを破壊することがある。これを熱暴走という。
【0008】
図5の電流源回路20Bにおいて、抵抗素子R22を拡散抵抗素子またはトランジスタの接合抵抗素子として形成した場合は、抵抗素子R22は正の温度係数を持つから、温度が上昇すると抵抗素子R22の抵抗値が増加して電流I32を制限する。差動増幅回路10のノードN10にコレクタが接続されているトランジスタQ33を流れる電流I33はトランジスタQ32を流れる電流I32に等しいから、差動増幅回路10のノードN10からトランジスタQ33に流れる電流I33も制限される。
トランジスタQ32,Q33のベース・エミッタ間電圧VBEは負の温度係数、約−2mV/°Cを持つが、抵抗素子R22の正の温度係数より大きいから、電流源回路20B全体としては、負の温度係数を示し熱暴走は起きない。
【0009】
しかしながら、上述したように、最近、抵抗素子R22がポリ(多結晶)シリコンで実現されることが多くなった。ポリシリコンは負の温度係数を示すから、温度が上昇すると抵抗素子R22の抵抗値が低下して、トランジスタQ32を流れる電流I32が増大する。トランジスタQ32を流れる電流I32が増大するとポリシリコン製の抵抗素子R22の値が一層低下し、トランジスタQ32を流れる電流I32が益々増加し、抵抗素子R22の抵抗値をさらに低下させる。この動作を反復していくと、トランジスタQ32を流れる電流I32は過大になる。
電流源回路20Bはカレントミラー型定電流源回路であるから、トランジスタQ33を流れる電流I 33 は、トランジスタQ32を流れる電流I33に等しく、トランジスタQ32に流れる電流I32の増加は、トランジスタQ33に流れる電流I33の増加となる。
その結果、電流源回路20Bを通して差動増幅回路10のノードN10に過大な電流が流れ、図4に図解した電流源回路20Aと同様、差動増幅回路10および電流源回路20Bが破壊するという熱暴走が起こる可能性がある。
【0010】
以上、図4および図5を参照して、図3に図解した差動増幅回路10の電流源回路20として基本的な回路構成を有する電流源回路について例示したが、上述した電流源回路に限らず、その他の負の温度係数を持つ抵抗素子とトランジスタとで構成される電流源回路は、上述したと同様の問題に遭遇する。
また、電流源回路の負荷回路としては、図3に図解した差動増幅回路10に限らず、種々の電子回路の電流源回路として用いた場合も上記同様である。
【0011】
本発明は上述した負の温度係数を持つ抵抗器、たとえば、ポリシリコンを用いて形成した抵抗素子を有する電流源回路において、熱暴走が起きず、安定した電流を提供しうる電流源回路を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電流源回路は、ベースとコレクタとが接続されている第1導電型の第1のバイポーラトランジスタと、ベースが上記第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されている第1導電型の第2のバイポーラトランジスタとを有する第1の電流源回路部と、上記第1のバイポーラトランジスタのコレクタと電源端子との間に直列に接続されている第2導電型の第3のバイポーラトランジスタと負の温度特性を持つ第1のポリシリコン抵抗素子とを有する第2の電流源回路部と、上記第2のバイポーラトランジスタのコレクタと上記電源端子との間に直列に接続されている第2導電型の第4のバイポーラトランジスタと負の温度特性を持つ第2のポリシリコン抵抗素子とを有する第3の電流源回路とを含み、上記第3及び第4のバイポーラトランジスタのベースには所定の基準電圧が印加されており、上記第3のバイポーラトランジスタと上記第1のポリシリコン抵抗素子との間又は上記第4のバイポーラトランジスタと上記第2のポリシリコン抵抗素子との間にベースとコレクタとが接続された第2導電型の第5のバイポーラトランジスタが設けられており、上記第1のポリシリコン抵抗素子の抵抗値R1と上記第2のポリシリコン抵抗素子の抵抗値R2との比率R1/R2が約1.6以下であり、上記第2のバイポーラトランジスタと上記第4のバイポーラトランジスタとの接続中点に出力電流を供給する。
【0013】
好適には、上記第1導電型のバイポーラトランジスタはPNP型バイポーラトランジスタであり、上記第2導電型のバイポーラトランジスタはNPN型バイポーラトランジスタである。
【0014】
好適には、上記第1の導電型のバイポーラトランジスタはPNP型バイポーラトランジスタであり、上記第2導電型のバイポーラトランジスタはNPN型バイポーラトランジスタである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の電流源回路の実施の形態について述べる。
本発明の電流源回路は種々の回路において一定の電流を提供する定電流源回路として使用されるが、本実施の形態においては、図3に図解した差動増幅回路10の電流源回路として好適な実施の形態を例示する。
【0016】
第1の実施の形態
図1は本発明の電流源回路の第1の実施の形態としての電流源回路1を図解する図である。
電流源回路1は、図3に図解した差動増幅回路10の定電流源回路として使用できる。
電流源回路1は、ベースが共通接続された1対のPNP型バイポーラトランジスタQ1,Q2と、ベースに基準電圧Vref が印加されている1対のNPN型バイポーラトランジスタQ3,Q4と、コレクタとベースが接続されてダイオードとして機能するNPN型バイポーラトランジスタ(以下、ダイオードとも言う)Q5と、ポリシリコンで形成した第1の抵抗素子R1と、ポリシリコンで形成した第2の抵抗素子R2を有する。
トランジスタQ2のコレクタとトランジスタQ4のコレクタとの共通接続点(これをノードN1という)が差動増幅回路10のトランジスタQ11,Q12のエミッタが共通接続されているノードN10に接続される。
【0017】
トランジスタQ1のベースとコレクタとが接続されており、トランジスタQ1のベースとトランジスタQ2のベースとが共通接続されている。すなわち、トランジスタQ1とトランジスタQ2とはカレントミラー型定電流源回路を構成しており、第1の電流源回路部11と呼ぶ。
【0018】
カレントミラー型定電流源回路を構成する第1の電流源回路部11の下部に、第1の電流源回路部11の一方の負荷回路として、トランジスタQ3,Q5、抵抗素子R1が接続され、および、他方の負荷回路として、トランジスタQ4および抵抗素子R2が接続されている。
【0019】
トランジスタQ4と抵抗素子R2との直列回路は、図4に図解した電流源回路と同等の回路である。したがって、トランジスタQ4と抵抗素子R2とを組み合わせた直列回路も電流源回路を構成しており、第1の電流源回路部11の電流源回路である。トランジスタQ4と抵抗素子R2との直列回路を第3の電流源回路部13と呼ぶ。
【0020】
トランジスタQ3と、ダイオードQ5と、抵抗素子R1との回路も、第1の電流源回路部11の電流源回路を構成しており、トランジスタQ3とダイオードQ5と抵抗素子R1との直列回路を第2の電流源回路部12と呼ぶ。
【0021】
差動増幅回路10のノードN10に接続されたノードN1からトランジスタQ4のコレクタ・エミッタに流れる電流I4 の値を考察する。電流I4 は下記式で規定される。
【0022】
【0023】
バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間の温度係数は(換言すれば、バイポーラトランジスタの接合部分の温度係数は)約−2mV/°Cであり、ポリシリコン製の抵抗素子R1,R2それぞれの温度係数を4200ppmであるとする。ある温度Tにおける、このような温度係数を考慮した電流I4(T)は下記式で規定される。
【0024】
【0025】
式2において、第2の電流源回路部12はトランジスタQ3と、ダイオード(トランジスタ)Q5との2つの接合部分が存在するので、トランジスタQ4だけの第3の電流源回路部13の2倍の温度変化ΔTの影響を受ける。そのため、式2の右辺、2項の分子は2×ΔTとしている。
【0026】
熱暴走を防止するには、電流源回路1が0か負の温度係数である必要がある。すなわち、下記式が成立しなければならない。
【0027】
I4 −I4(T) ≧ 0 ・・・(3)
【0028】
したがって、下記式が成立する必要がある。
【0029】
【0030】
具体的な数値による考察を行う。
バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間の温度係数は約−2mV/°Cであり、抵抗素子R1,R2それぞれの温度係数を4200ppmとし、25°Cにおけるバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧(接合電圧)VBE≒0.7Vとして、トランジスタQ3,Q4のベースに印加される基準電圧Vref =2.4Vとした時、温度T=25°Cにおける電流I4(25) と、温度T=75°Cにおける電流I4(75) を求める。
【0031】
【0032】
【0033】
式3に則して下記関係を満足する条件を求める。
【0034】
I4(25) −I4(75) ≧ 0・・・(7)
【0035】
R1 /R2 ≦ 1.628 ・・・(8)
【0036】
すなわち、抵抗素子R1とR2の抵抗値を式8の条件に設定すると、電流源回路1は負の温度係数を持ち、熱暴走は起きない。
なお、式8の右辺の値1.628 は、バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間の温度係数、抵抗素子R1,R2の温度係数、バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧(接合電圧)VBE、トランジスタQ3,Q4のベースに印加される基準電圧Vref 、評価温度などの条件によって、異なるが、トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用い、抵抗素子R1,R2をポリシリコンで作製した場合は、式8の所定値は、ほぼ1.6程度となる。
【0037】
図1に図解した電流源回路1と、図4に図解した電流源回路20Aとの比較評価を行う。
バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間の温度係数は約−2mV/°Cであり、抵抗素子R1,R2それぞれの温度係数を4200ppmとし、25°Cにおけるバイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧(接合電圧)VBE≒0.7Vとして、基準電圧Vref =2.4Vとした。
図1における抵抗素子R1の抵抗値をR1 =70KΩ、抵抗素子R2の抵抗値をR1 =50KΩとした。したがって、R1 /R2 =1.4(≦ 1.62)である。
図4における抵抗素子R20の抵抗値をR20=90KΩとした。
上記条件において、温度T=25°Cと温度T=75°Cにおける、図4の電流源回路20Aと図1の電流源回路1の、差動増幅回路10のノードN10に流れる電流を計算した。
【0038】
図1の電流源回路
I4(25) = 20.04μA
I4(75) = 20.02μA
【0039】
図4の電流源回路
I20(25)= 19.18μA
I20(75)= 20.7 μA
【0040】
図1の電流源回路は、−0.1%程度しか電流変化はなく、温度依存性がほとんどなく、安定な電流源回路として動作する。また、図1の電流源回路1は、幾分、負の温度係数を示す。したがって、熱暴走は起きない。
【0041】
それに対して、図4の電流源回路は、+7%程度の電流変化があり、図1の電流源回路より温度依存性が大きく、正の温度係数を示している。
【0042】
なお、図1に図解した電流源回路1において、R1 /R2 ≦ 1.628の条件を満足させて、抵抗素子R1の抵抗値R1 と抵抗素子R2の抵抗値R2 を適切に選択することにより、図1に図解した電流源回路1を負の温度係数を持つ回路とすることができる。
【0043】
図1の電流源回路1によれば、ポリシリコンなどの負の温度係数を有する抵抗素子を用いて電流源回路を構成した場合でも、抵抗素子の値を適切に設定することにより、負〜0の温度係数を示す電流源回路を提供できる。また、抵抗素子をポリシリコンで形成した場合は、差動増幅回路などの電流を供給する相手の回路とともに、集積回路として形成することができる。
【0044】
第2の実施の形態
図2は本発明の電流源回路の第2の実施の形態としての電流源回路1Aを図解する図である。
電流源回路1Aも、図1に図解した電流源回路1と同様、図3に図解した差動増幅回路10の電流源回路20として使用する。
【0045】
図2に図解した電流源回路1Aは、図1に図解した電流源回路1に類似しているが下記の構成をしている。
すなわち、電流源回路1Aは、PNP型バイポーラトランジスタQ1とPNP型バイポーラトランジスタQ2とでカレントミラー型定電流源回路を構成している第1の電流源回路部11と、NPN型バイポーラトランジスタQ3と抵抗素子R1Aとの直列回路であり図4と同等の電流源回路を構成している第2の電流源回路部12Aと、NPN型バイポーラトランジスタQ4とNPN型バイポーラトランジスタQ6と抵抗素子R2Aとの直列回路であり第2の電流源回路部12と同等の電流源回路を構成している第3の電流源回路部13Aとを有する。トランジスタQ6はコレクタとベースとが接続されているから、ダイオードとして動作する。
【0046】
電流源回路1Aにおいては、図1に示した電流源回路1における第2の電流源回路部12と第3の電流源回路部13との位置が逆になっている。
すなわち、図1に図解した第2の電流源回路部12におけるトランジスタ(ダイオード)Q5が削除されて、図1の第3の電流源回路部13にトランジスタ(ダイオード)Q6が追加されている。そのため、図1の抵抗素子R1と同じ抵抗値の抵抗素子R2Aが第3の電流源回路部13Aに設けられ、図1の第3の電流源回路部13の抵抗素子R2と同じ抵抗値の抵抗素子R1Aが第2の電流源回路部12Aに設けられている。
【0047】
差動増幅回路10のノードN10に接続されたノードN1に流れ込む電流IN1を考察する。電流IN1は図1に図解した電流源回路1における考察と同様、式1と同様、下記式9で規定される。
【0048】
【0049】
図2の電流源回路1Aにおいては、ノードN1からノードN10に電流I2 が流れる。すなわち、第2の電流源回路部12と第3の電流源回路部13との位置を逆にしたので、電流源回路1AのノードN1からノードN10に電流I2 が流れるという電流の向きの相違がある。
【0050】
図2に図解した電流源回路1Aにおける温度変化があった場合の考察は、式2〜式8を参照して、図1の電流源回路1について考察したものと同様である。
図2の電流源回路1Aにおいても、温度T1と温度T2における電流IN1(電流I2 )について下記式が成立する。
【0051】
IN1(T1)−IN1(T2)≧ 0・・・(10)
【0052】
R2A/R1A≦ α・・・(11)
【0053】
すなわち、抵抗素子R1AとR2Aの抵抗値を式10の条件に設定すると、電流源回路1Aは負の温度係数を持ち、熱暴走は起きない。
すなわち、図2の電流源回路1Aも温度依存性がほとんどなく、安定な電流源回路として動作する。
【0054】
図1に図解した電流源回路1および図2に図解した電流源回路1Aにおいて、トランジスタQの導電性を図解と逆にすることができる。
その他、本発明の電流源回路の実施に則しては、実施の形態として例示した図1および図2の電流源回路の種々の変形態様をとることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、負の温度係数を有する抵抗素子を用いて電流源回路を構成した場合でも、抵抗素子の値を適切に設定することにより、負〜0の温度係数を示す電流源回路を提供できる。
【0056】
本発明において、抵抗素子をポリシリコンで形成した場合は、差動増幅回路などの電流を供給する相手の回路とともに、集積回路として形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の電流源回路の第1の実施の形態の電流源回路の回路構成図である。
【図2】図2は本発明の電流源回路の第2の実施の形態の電流源回路の回路構成図である。
【図3】図3は本発明の電流源回路が適用される1回路例としての差動増幅回路と電流源回路との接続関係を示す回路図である。
【図4】図4は従来の第1例の電流源回路の回路構成図である。
【図5】図5は従来の第2例の電流源回路の回路構成図である。
【符号の説明】
1,1A・・電流源回路
11・・第1の電流源回路部
12,12A・・第2の電流源回路部
13,13A・・第3の電流源回路部
Claims (2)
- ベースとコレクタとが接続されている第1導電型の第1のバイポーラトランジスタと、ベースが上記第1のバイポーラトランジスタのベースに接続されている第1導電型の第2のバイポーラトランジスタとを有する第1の電流源回路部と、
上記第1のバイポーラトランジスタのコレクタと電源端子との間に直列に接続されている第2導電型の第3のバイポーラトランジスタと負の温度特性を持つ第1のポリシリコン抵抗素子とを有する第2の電流源回路部と、
上記第2のバイポーラトランジスタのコレクタと上記電源端子との間に直列に接続されている第2導電型の第4のバイポーラトランジスタと負の温度特性を持つ第2のポリシリコン抵抗素子とを有する第3の電流源回路と、
を含み、
上記第3及び第4のバイポーラトランジスタのベースに所定の基準電圧が印加されており、
上記第3のバイポーラトランジスタと上記第1のポリシリコン抵抗素子との間又は上記第4のバイポーラトランジスタと上記第2のポリシリコン抵抗素子との間に、ベースとコレクタとが接続された第2導電型の第5のバイポーラトランジスタが設けられており、
上記第1のポリシリコン抵抗素子の抵抗値R1と上記第2のポリシリコン抵抗素子の抵抗値R2との比率R1/R2が約1.6以下であり、
上記第2のバイポーラトランジスタと上記第4のバイポーラトランジスタとの接続中点に出力電流を供給する、
電流源回路。 - 上記第1導電型のバイポーラトランジスタはPNP型バイポーラトランジスタであり、上記第2導電型のバイポーラトランジスタはNPN型バイポーラトランジスタである請求項1記載の電流源回路。
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