JP4130747B2 - 異方導電性接着シートおよびその製造方法 - Google Patents

異方導電性接着シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート面内に分散配置された導電性微粒子により、シートの厚さ方向のみに導電性を付与する導電性接着シート、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶ディスプレイの配線とフレキシブル基板との接続や、集積回路部品の基板への高密度実装等の際に、厚さ方向のみに導電性を付与する導電性接着シートが使用されている。従来の導電性接着シートの一例を図12に示す。この例では、接着剤層からなるシート20内に導電性微粒子4がランダムに分散配置されている。このシートには以下の問題点がある。
【0003】
近年、接続される配線パターンやランドパターンの寸法は益々微細化されている。接続されるパターンの寸法が小さくなると、導電性微粒子がランダムに分散配置されているシートでは、図12(b)に示すように、接続されるパターンが導電性微粒子の存在しない位置Aに配置される確率が高くなる。その結果、接続されるパターン間が電気的に接続されない恐れがある。
この問題点を解決するためには、より小さな導電性微粒子を高密度でシート内に分散させることが有効であるが、導電性微粒子の寸法を小さくすると、図13(a)に示すように、接続パターンP1,P2の基板B1,B2の面からの突出高さのバラツキを吸収できないという問題点がある。また、シート20内での導電性粒子4の密度を高くすると、図13(b)に示すように、パターンP1,P2がファインピッチで配列されている場合に、隣り合うパターン間にショート(短絡)が生じる確率が高くなる。すなわち、これらの方法では、導電性微粒子がランダムに分散配置されている導電性接着シートの接続信頼性が改善されない。
【0004】
一方、特開平5−67480号公報および特開平10−256701号公報には、シート内に導電性微粒子を所定配置で分散させることが記載されている。
特開平5−67480号公報に記載されている方法では、導電性微粒子をシート(接着剤層)に分散させる前に帯電させ、導電性微粒子間の反発力を利用して導電性微粒子をシート内に均一に分散させている。また、導電性微粒子と支持体の各位置を異なる電荷で帯電させ、支持体上に所定配置で導電性微粒子を配置させた後に、この配置を保持した状態で導電性微粒子を接着剤層に転写することが記載されている。
しかしながら、この方法では、帯電した導電性微粒子同士の反発力によって配置を保持するため、シート面内で隣り合う導電性微粒子間の距離を20μm以下まで接近させることは不可能である。
【0005】
特開平10−256701号公報には、磁性を有する導電性粒子を使用して、ゴム材料と導電性粒子とからなる組成物をシート状に形成し、このシート状物の厚さ方向に磁場をかけて導電性粒子を配向させ、この状態でゴムを硬化させることが記載されている。
しかしながら、この方法には以下の問題点がある。磁場を極めて狭い領域に集中させることが困難であるため、シート面内で隣り合う導電性微粒子間の距離を20μm以下まで接近させることができない。導電性粒子がゴムシートの厚さ方向で重なって配列される場合がある。導電性粒子を規則的に(隣り合う粒子間に所定間隔を保持しながら)配置することが困難である。使用できる導電性粒子が磁性体に限られる。
【0006】
更に、従来の金属微粒子をシート状接着剤内に分散させた構造の導電性接着シートでは、該導電性接着シートを2つの回路基板の間に挟み加熱圧縮して使用する際、回路基板上の接続バンプと該導電性接着シート内の金属微粒子の表面は物理的に接触しているのみであり、その界面において金属・金属結合は形成されず接続信頼性に大きな課題を残していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなされたものであり、シート面内に分散配置された導電性微粒子により、シートの厚さ方向のみに導電性を付与する導電性接着シートにおいて、導電性微粒子がシート面内に、規則的に且つ高密度で(隣り合う導電性微粒子間の距離が20μm以下となるように)配置され、更に接続信頼性を高めた導電性接着シートを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決した導電性接着シートおよびその製造方法である。 1.シート面内に分散配置された導電性微粒子により、シートの厚さ方向のみに導電性を付与する接着シートにおいて、厚さ方向の中央に配置した樹脂性のコアフィルムの両面に接着剤層が配置され、前記コアフィルムおよび接着剤層は絶縁性であり、コアフィルムには厚さ方向に貫通していない孔がフィルム面内に所定配置で複数個形成され、該非貫通孔当該導電性微粒子が配置されており、前記導電性微粒子が実質的に鉛を含まない合金粒子であって、各合金粒子は示差走査熱量測定(DSC)によって吸熱ピークが観察される温度として定義される複数の融点を示し、該複数の融点は初期最低融点および最高融点を含み、各合金粒子は少なくとも表面部分において該初期最低融点を示し、各合金粒子を該初期最低融点またはそれ以上の温度で加熱しそれにより各合金粒子について該初期最低融点を示すその少なくとも表面部分を溶融せしめ、その後各合金粒子を室温まで冷却させ、それによって各合金粒子の溶融部分を固化させると、加熱および固化を経た各合金粒子は初期最低融点より高い上昇最低融点を示す合金粒子であることを特徴とする異方性を有する導電性接着シート。
【0009】
2.導電性微粒子の平均粒子径は0.5μm以上50μm以下であり、導電性微粒子の粒子径分布の標準偏差は平均粒子径の50%以下であり、コアフィルムの厚さは0.5μm以上50μm以下であり、接着剤層の厚さは1μm以上50μm以下であり、孔の大きさは導電性微粒子の平均粒子径の1倍以上1.5倍以下である項1記載の導電性接着シート。
3.導電性微粒子は、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、白金、ガリウム、アンチモン、シリコン、ゲルマニウム、コバルト、タンタル、アルミニウム、マンガン、モリブデン、クロム、マグネシウム、チタン、タングステン、希土類元素から選ばれる3種以上の元素からなる合金微粒子、あるいは当該合金微粒子の表面を上記群から選ばれる1種以上の金属で薄く被覆した金属微粒子、あるいは上記金属群から選ばれる金属の単体からなる金属微粒子の表面を、該金属単体とは異種であって、上記金属群から選ばれる1種以上の金属で被覆した金属微粒子であり、該金属微粒子が複数の融点を有することを特徴とする項1および2に記載の導電性接着シート。
【0010】
4.項1〜3のいずれかに記載の導電性接着シートにおいて、コアフィルムは接着剤層を構成する樹脂よりも20℃以上高い軟化温度を有する樹脂から形成されていることを特徴とする異方性を有する導電性接着シート。
5.項1〜4のいずれかに記載の導電性接着シートを製造する方法において、金属、セラミックスあるいは樹脂から形成された表面に所定配置で配置された凸部を有する型とシート状コアフィルムとを加熱圧着し、その後型からコアフィルムを剥離することによりコアフィルム面内に前記凸部に対応する凹部を形成し、前記フィルム面内に所定配置した凹部に導電性微粒子を入れた後、導電性微粒子を配置したコアフィルムを中央に挟んで両側に接着剤層を形成することを特徴とする導電性接着シートの製造方法。
【0011】
6.項1〜4のいずれかに記載の導電性接着シートを製造する方法において、金属、セラミックスあるいは樹脂から形成された表面に所定配置で配置された凸部を有する型の、凸部の存在する表面に、コアフィルムを形成する樹脂成分を溶解させた樹脂溶液を塗布し、溶剤成分を乾燥除去した後、コアフィルムを型から剥離する工程を経ることにより、型の凸部に対応した凹部をコアフィルム面内に形成し、前記フィルム面内に所定配置した凹部に導電性微粒子を入れた後、導電性微粒子を配置したコアフィルムを中央に挟んで両側に接着剤層を形成することを特徴とする導電性接着シートの製造方法。
【0012】
7.項1〜4のいずれかに記載の導電性接着シートを製造する方法において、貫通していない孔を有するコアフィルムの面と反対側の面に第1の接着剤層を形成し、次いで、前記孔内に導電性微粒子を入れた後に、このコアフィルムの他方の面に第2の接着剤層を形成することを特徴とする導電性接着シートの製造方法。
8.レーザ照射によってコアフィルムに貫通していない孔を形成する工程を含む項7記載の導電性接着シートの製造方法。
【0013】
9.項1〜4のいずれかに記載の導電性接着シートを製造する方法において、シート状あるいは板状の金属、セラミックスあるいは樹脂に所定配置でかつ所定深さの貫通していない孔を形成した冶具を作製し、当該孔に導電性微粒子を入れた後、前記冶具の孔の開いた面上にコアフィルムを押し付けるあるいは加熱しながら押し付けるか、あるいはコアフィルム成分を含有する樹脂溶液を所定厚みで塗布し溶剤を乾燥し、コアフィルムを前記冶具から剥離することにより冶具に所定配置していた導電性微粒子をコアフィルムに転写した後、コアフィルムを中央に挟んで両側に接着剤層を形成することを特徴とする導電性接着シートの製造方法。
【0014】
10.項1〜4のいずれかに記載の導電性接着シートを製造する方法において、配置する導電性微粒子より小さい吸引孔が所定の配置で形成されている吸着面を有する吸着装置を用い、この吸着装置の吸着面に導電性微粒子を吸着させた後、コアフィルムをこの吸着された導電性微粒子側から吸着面に向けて押し付けるか、あるいはコアフィルム成分を含有する樹脂溶液を所定厚みで吸着面上に塗布し溶剤を乾燥することにより、吸着面に吸着された導電性微粒子をコアフィルム内に取り込み、次いで、吸着装置による粒子の吸着を解除して前記コアフィルムを吸着面から外す工程を経た後、コアフィルムを中央に挟んで両側に接着剤層を形成することを特徴とする導電性接着シートの製造方法。
【0015】
[コアフィルムについて]
本発明で用いるコアフィルムは、その両側に形成される接着剤層を構成する樹脂よりも高い軟化温度を有する樹脂から形成されていることが必要である。これは本発明の導電性接着シートを中央に配置して上下から接続する部品あるいは基板を加熱圧着した際に樹脂の流動が起こるが、所定配置させた導電性微粒子が移動し難いようにするための工夫である。すなわち、接着剤層は部品あるいは基板上の接続バンプの凹凸に追従して移動し空隙が発生しないようにコアフィルムが流動化する前に流動化させる必要がある。コアフィルムを構成する樹脂が、接着剤層が流動化するのと同時あるいは以前に流動化した場合、せっかく所定配置させた導電性微粒子が樹脂の流動にともない移動するため、ファインピッチの接続が困難となる。したがって、コアフィルムの軟化温度は接着剤層を形成する接着樹脂の軟化温度よりも20℃以上高くする。この軟化温度の差は50℃以上であることが好ましく、80℃以上高いものであることが更に好ましい。
【0016】
ここで、コアフィルムおよび接着剤層の軟化温度とは、コアフィルムをなす樹脂および接着剤層をなす接着剤の温度を室温から温度を上昇させた際に粘性率が大きく低下する(粘性率曲線の傾きが変化する)最初の温度を意味する。この軟化温度は、例えばレオメータ等の粘弾性測定装置を用いて、前記樹脂および接着剤の温度を室温から一定速度で上昇させながら、粘性率を測定することによって調べることができる。
【0017】
本発明において用いられるコアフィルムの材質は、例えは、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、不飽和ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂などの樹脂単独あるいはこれらの樹脂を主成分とした熱可塑性樹脂あるいは熱で可塑化した後硬化するタイプの熱硬化性成分を含有した熱硬化性樹脂が好ましい。
【0018】
コアフィルムの厚さは、用いる導電性微粒子の大きさに大きく依存する。すなわち、本発明の導電性接着シートは、使用時に、接続する両パターンに導電性微粒子を接触させる必要がある。本発明において使用されるコアフィルムには貫通した孔は存在しない。すなわち所定配置された導電性微粒子はコアフィルムに形成した貫通していない孔に入っているかあるいは個々の導電性微粒子の一部あるいは全部がコアフィルムに取り込まれた状態にあり、使用時に先ず接着剤層のみが接続パターンの形状に合わせて流動化しその後熱により硬化が開始した後、コアフィルムが熱で軟化し、導電性微粒子周囲の薄いコアフィルムの部分が流動化する。したがって、導電性微粒子の周囲の絶縁体であるコアフィルムが接続の障害とならない厚みに設定する必要がある。コアフィルムの厚さは、導電性接着シートで用いる導電性微粒子の平均粒子径の3倍以下、好ましくは2倍以下にする必要がある。また、図1(a−1)を用いて説明すると、貫通していない孔の底部に存在するコアフィルムの厚さは、好ましくは導電性微粒子の存在しない部分のコアフィルムの厚さの0.5倍以下、更に好ましくは0.25倍以下である。また、貫通していない孔の底部に存在するコアフィルムの厚さの下限は、好ましくは導電性微粒子の存在しない部分のコアフィルムの厚さの0.05倍以上、更に好ましくは0.1倍以上である。これより薄くなると、コアフィルムに貫通していない凹部を形成する際に、凹部に対応する凸部を有する型から該コアフィルムを剥離する際に、物理的強度を維持できず破れる箇所が発生したり、凹部が貫通した孔になってしまう部分が発生するため好ましくない。
【0019】
また、本発明における第1の方法では、コアフィルムには貫通していない孔を形成し、この孔のみに導電性微粒子を入れる。したがって孔以外の場所に吸着した導電性微粒子は圧縮空気等を用いて吹き飛ばすか、あるいは粘着シート等を用いて接着除去する必要がある。この工程において、孔の深さが用いる導電性微粒子の粒子径に比較して浅い場合、孔に入った導電性微粒子が不要な導電性微粒子と一緒に除去されてしまう。そのため、孔の深さは導電性微粒子の平均粒子径の0.5倍以上、好ましくは1倍以上である。したがって、孔の明いていない部分のコアフィルムの好ましい厚さは、用いる導電性微粒子の平均粒子径の0.7倍以上、更に好ましくは1.2倍以上である。
【0020】
本発明における第1の方法では、コアフィルムに形成する貫通していない孔の大きさは、用いる導電性微粒子の大きさに依存するが、導電性粒子の平均粒子径の1〜1.5倍とする。孔の配列については、接続パターンの配列ピッチや配線幅に依存するが、配列ピッチの0.3倍〜1倍の間隔で孔を配列することが好ましい。また、接続する部分のパターンにのみ孔を形成することも可能である。ただし、この場合には、接続パターンと接続部品との位置合わせが必要となる。
【0021】
[導電性微粒子について]
本発明で使用する導電性微粒子の大きさは、好ましくは平均粒子径が0.5μmから50μm、更に好ましくは1μmから20μm、最も好ましくは2μmから10μmとする。導電性微粒子の平均粒子径が0.5μm未満であると、接続パターンの高さのバラツキを吸収できない場合がある。また、50μmを越える大きさでは、ファインパターンの接続には不向きとなる。
本発明で使用する導電性微粒子の形状は、特に球形である必要はなく、多面体、球形粒子に多数の突起状物があるものでも構わない。ただし、扁平状のものは孔に入れ難い、あるいは吸着装置に吸着し難いので好ましくない。圧縮時に潰れやすい、変形し易い導電性微粒子は、接続パターンとの接触面積を大きくでき、接続パターンの高さのバラツキを吸収できるため好ましい。
【0022】
本発明で使用する導電性微粒子の粒子径分布は、標準偏差が平均粒子径の50%以下であることが好ましい。更に好ましくは標準偏差が平均粒子径の20%以下となるように、最も好ましくは10%以下となるようにする。導電性微粒子の粒子径分布が標準偏差が平均粒子径の50%を越えて広く分布すると、孔以外の場所に存在する不要な小さな導電性微粒子を取り除くことが難しくなる。また、接続パターンの高さばらつきを吸収することが難しくなる。そのため、接続パターン間の電気的な接続信頼性の低下につながる。導電性微粒子の平均粒子径が孔径の0.5倍以下である場合、導電性微粒子が1つの孔に複数個存在することが好ましく、また、導電性微粒子の平均粒子径が孔径の0.5倍から0.95倍の大きさである場合には、一つの孔に一つの導電性微粒子が入っている状態でも孔の縦方向に複数個の導電性微粒子が入った状態でも構わないが、コアフィルムの厚さ方向に導電性微粒子が1つ存在する状態がより好ましい。本発明で用いる導電性微粒子は、加熱する過程において一部が融解し、更に冷却する過程において導電性微粒子同士あるいは導電性微粒子と回路基板上の接続バンプとの間で金属・金属結合を形成するという極めて特異的な性質を示すため、1つの孔に複数個の導電性微粒子を入れることが可能となる。したがって、1つの孔に複数個の導電性微粒子が存在する場合においても、金属・金属結合を形成できない導電性微粒子を用いた系において懸念される接続信頼性の低下は、極めて小さい。
【0023】
導電性微粒子の分級方法としては通常の方法、例えばサイクロン、クラシクロン等の遠心分級機、重力分級機、慣性分級機、気流分級機、あるいはふるい分けによる分級機等を用いることができる。粒子径が10μm以下の微細な導電性微粒子を分級するには、まず、気流分級機等を用いて粗く分級し、その後精密に貫通孔を形成されたふるいを用いたふるい分けによる分級方法をとることが好ましい。粒子径が10μm以下の微細な導電性微粒子を精密ふるいにより分級する場合、導電性微粒子が変質しないアルコール等の溶剤中で、超音波を用いることが効果的である。
【0024】
本発明において用いる導電性微粒子は、実質的に鉛を含まない合金粒子であって、各合金粒子は示差走査熱量測定(DSC)によって吸熱ピークが観察される温度として定義される複数の融点を示し、該複数の融点は初期最低融点および最高融点を含み、各合金粒子は少なくとも表面部分において該初期最低融点を示し、各合金粒子を該初期最低融点またはそれ以上の温度で加熱しそれにより各合金粒子について該初期最低融点を示すその少なくとも表面部分を溶融せしめ、その後各合金粒子を室温まで冷却させ、それによって各合金粒子の溶融部分を固化させると、加熱および固化を経た各合金粒子は初期最低融点より高い上昇最低融点を示す。
【0025】
このような金属微粒子を使用することにより、本発明の接着シートを2つの回路基盤の間にはさみ、所定の温度圧力で加熱圧縮する工程で、金属微粒子の一部が溶融し、冷却により再固化する過程で当該金属微粒子と回路基板上の接続バンプを構成する金属と接合することにより金属・金属結合が形成され、接着強度の高い接続が可能となる。また、前記再固化した部分は前記熱処理と同一処理で再度熱処理した場合、溶融により変形することがなく、金属・金属結合が保持される。従来、比較的低温度で融解する合金微粒子として、錫と鉛から成るはんだ粒子があるが、この粒子は融解する際に粒子全体が融解するために粒子の形状を保持することができず、液体として広い範囲に広がってしまう。したがって、異方導電性シート用の導電性微粒子としては不適当である。
【0026】
本発明で用いる金属合金粒子の初期最低融点は40〜250℃の範囲にあることが好ましい。最高融点は1100℃以下であることが好ましい。
本発明で用いる導電性微粒子は、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、白金、ガリウム、アンチモン、シリコン、ゲルマニウム、コバルト、タンタル、アルミニウム、マンガン、モリブデン、クロム、マグネシウム、チタン、タングステン、希土類元素から選ばれる3種以上の元素からなる合金微粒子、あるいは当該合金微粒子の表面を上記群から選ばれる1種以上の金属で薄く被覆した金属微粒子、あるいは上記金属群から選ばれる金属の単体からなる金属微粒子の表面を、該金属単体とは異種であって、上記金属群から選ばれる1種以上の金属で被覆した金属微粒子であることが好ましい。用いる合金微粒子において特に好ましい組成としては、錫を主成分とし、銅、亜鉛、ビスマスのうちいずれか2種類以上を必須添加成分とし、銀、インジウム、アンチモン、アルミニウム、ガリウム、金、シリコン、ゲルマニウム、コバルト、タングステン、タンタル、チタン、ニッケル、白金、パラジウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、クロム、リン、希土類元素を添加金属として添加できる合金微粒子である。更に好ましくは、錫が10〜90重量%、銅が5〜60重量%、亜鉛が1〜80重量%、ビスマスが0.5〜20重量%、添加金属が0.1〜20重量%である合金微粒子である。
【0027】
金属微粒子の作成方法としては、通常の方法、例えばガスアトマイズ法、めっき法、プラズマCVD法、MOCVD法、湿式化学還元法等の方法を用いることができるが、複数の元素からなる合金微粒子の組成をコントロールして作製する必要があるため、溶融させた金属液体を不活性ガス中で急冷却するガスアトマイズ法が好ましい。また、合金微粒子の表面を金属で薄く被覆した金属微粒子において、被覆する金属は合金微粒子を構成する元素であってもよく、また、上記の金属群から選ばれ、かつ合金微粒子を構成する元素とは異なる元素であっても構わない。合金微粒子の表面を金属で被覆する方法としては、電解めっき法、無電解めっき法、置換型めっき法、プラズマCVD法、MOCVD法、湿式化学還元法等を挙げることができる。いずれの手法においても金属微粒子表面に薄い金属層を形成する必要があるので、均一に金属を析出させるためには振動を加えるなどの工夫が必要となる。
【0028】
[接着剤層について]
本発明の導電性接着シートを構成する接着剤層をなす接着剤としては、例えば、熱硬化性接着剤、熱可塑性接着剤あるいは感圧接着剤等を好適に使用することができる。特に、マイクロカプセル中に硬化剤を含有する化合物を閉じ込め、圧力あるいは熱によりマイクロカプセルが潰れることにより硬化が開始するいわゆる潜在性硬化剤を含有するタイプの接着剤を使用することが好ましい。
【0029】
また、この接着剤層の材質としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等を挙げることができる。特に、寸法安定性、耐熱性等の観点からは、使用する接着剤を構成する樹脂が、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ビフェニル、フェニレンエーテル等の芳香族化合物やシクロヘキサン、シクロヘキセン、ビシクロオクタン、ビシクロオクテン、アダマンタン等の脂肪族環状化合物の骨格を分子鎖中に有する化合物からなることが好ましい。
【0030】
また、溶剤に可溶な樹脂からなる接着剤を使用すれば、接着剤を溶剤に溶かした状態で支持体上に塗布した後に乾燥することによって、接着剤層を得ることができる。この乾燥(溶媒除去)後の接着剤層の厚さを1μm〜50μmにすることが好ましい。さらに好ましくは5μm〜20μmである。1μm未満の厚さでは、接着後の密着強度を得ることが難しい。接着剤層の厚さが50μmを越えると、接着剤の量が多すぎて、導電性微粒子と接続パターンとの間の電気的な接続が妨害される。
【0031】
本発明の導電性接着シートでは、コアフィルムを挟んで両面に第1および第2の接着剤層が形成されているが、これらの接着剤層は組成の同じものであっても異なるものであっても構わない。また、第1および第2の接着剤層は、それぞれ機能の異なる複数の接着剤層が積層されたものであってもかまわない。
本発明の導電性接着シートが製造工程において酸性水溶液や水などに曝される場合には、水系処理液で変質や反応が生じない接着剤層を使用する必要がある。また、粘着性あるいはタック性を有する接着剤層を使用することによって、本発明の導電性接着シートを被接続物に対して仮止め可能とすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の導電性接着シートの一実施形態について、図1を用いて説明する。
図1(a−1)に示される導電性接着シートは、厚さ方向の中央に配置したコアフィルム1と、コアフィルム1の両面に配置された接着剤層2,3と、球状の導電性微粒子4とで構成されている。コアフィルム1はポリスルホン・シアネートエステル系熱硬化性樹脂からなり、厚さは10μmである。接着剤層2,3は、潜在性硬化剤を含有するエポキシ系の熱硬化型接着剤からなり、厚さは12μmである。導電性微粒子4は、銅、銀、ビスマス、インジウムの合金微粒子の表面を錫で薄く被覆した粉末であって、平均粒径が6μm、粒子径分布の標準偏差が0.6μmである。コアフィルムとして用いるポリスルホン・シアネートエステル系熱硬化性樹脂の軟化温度は180℃であり、接着剤層として用いるエポキシ系熱硬化型接着剤の軟化温度は120℃である。
【0033】
コアフィルム1には、厚さ方向に貫通していない孔10が、フィルム面内に多数個、規則的に配置されている。この実施形態では、図1(b)に示すように、フィルム面内の格子点(格子の縦線と横線との交点)の位置および単位格子の面心位置に、非貫通孔10が配置されている。縦線に沿って隣り合う格子点の間隔は15μmであり、横線に沿って隣り合う格子点の間隔は15μmである。非貫通孔10の平面形状(フィルム面に沿った断面形状)は円形であり、この円の直径は7.5μm(導電性微粒子4の平均粒径の1.25倍)である。また、コアフィルム1の全ての孔10内に、各1個の導電性微粒子4が配置されている。
【0034】
図1(a−2)の導電性接着シートは、コアフィルム1に所定配置で配列した導電性微粒子が包埋された状態で固定されている例である。コアフィルム1の厚さは4μm、接着剤層2,3の厚みは10μm、導電性微粒子の平均粒径は6μmである。
この導電性接着シートは、使用時に、接続する基板間に挟んで加熱しながら加圧する。これにより、接着剤層2,3を変形させて硬化が開始する。次いで時間的に遅れてコアフィルム1が変形し、接続する両パターンに導電性微粒子4を接触させる。この時、コアフィルム1によって、シート面内での導電性微粒子4の配置が固定される。また、この導電性接着シートでは、上述のように、導電性微粒子4がシート面内に、規則的に且つ高密度で(隣り合う導電性微粒子間の距離が20μm以下となるように)配置されている。
【0035】
したがって、この実施形態の導電性接着シートによれば、接続するパターンの寸法が小さい場合や、ファインピッチで配列されているパターンを接続する場合でも、信頼性の高い接続を行うことができる。特に、非貫通孔10のピッチおよび大きさを、接続するパターンの配列ピッチおよび配線幅に対応させて設定することにより、接続するパターンが導電性微粒子4の存在しない位置(図12に符号Aで表示)に配置される、という恐れがなくなる。
【0036】
なお、この実施形態の導電性接着シートによれば、導電性微粒子が規則的に配置されているため、ランダムに配置されている場合のように導電性微粒子を極端に小さく(例えば、直径2μm以下に)しなくても、接続するパターンが導電性微粒子の存在しない位置(図12に符号Aで表示)に配置される確率が原理的にはゼロになる。したがって、この実施形態の導電性接着シートは、導電性微粒子をある程度の大きさにすることによって、導電性微粒子がランダムに配置されている導電性接着シートよりも、接続パターンの基板面からの突出高さのバラツキを吸収し易くなる。
図1(c)に、コアフィルム1の面内での孔10の配置が上記とは異なる導電性接着シートを示す。この例では、孔10がフィルム面内の格子点の位置に配置されている。これらの全ての孔10内に、各1個の導電性微粒子4が配置されている。
【0037】
本発明の導電性接着シートを製造する第1の方法(請求項5、6の方法)の実施形態について、図2および図3を用いて説明する。
表面に所定配置で配置された凸部を有する型の形成方法について図2を用いて説明する。先ず、基板上に樹脂パターンを形成する。図2(b)がこの状態を示す。基板上に樹脂パターンを形成する方法としては、感光性樹脂をフォトリソグラフィーを用いる方法、樹脂をレーザ光を用いて溶融あるいは結合を切断するアブレーション加工する方法がある。形成した樹脂パターン上にスパッタ蒸着法あるいは無電解めっきにより導体皮膜12を形成し(図2(c)がこの状態を示す。)、その後電解めっき法により金属13を成長させ、形成した金属の型を基板から剥離する。図2(e)がこの状態を示す。本発明で用いる電解めっきにより析出させる金属としては、銅、ニッケル、クロム、あるいは粒子径がサブμmのポリテトラフルオロエチレン微粒子、炭化珪素微粒子、窒化ホウ素微粒子を分散させたニッケルめっきなどを挙げることができる。場合によっては金属の型表面に付着した樹脂を溶剤で洗浄する方法、プラズマ等の高エネルギー雰囲気で除去する方法など通常の方法を取ることができる。また、セラミックスあるいは樹脂板あるいは円筒状基材の表面をレーザ光を用いてパターン化することもできる。10μm以下のパターンを形成するためには、エキシマレーザ、銅蒸気レーザーが好ましい。また10から20μm程度のパターン形成には、エキシマレーザ、YAGレーザの第三高調波あるいは銅蒸気レーザーを用いることができる。
【0038】
コアフィルム表面に凹部パターンを形成する方法として、作製した型にシート状に形成したコアフィルムを加熱しながら押し当て、その後型から剥離する方法と、型の表面にコアフィルムを形成する樹脂成分を溶解した樹脂溶液を所定厚みで塗布し、その後溶剤を乾燥し、型から剥離する方法がある(図3(a))。
コアフィルムが薄い場合、単独で取り扱いのが困難となるため、型から剥離する前に基材上に形成した接着剤層を接着剤側から接着し補強することができる。例えば、プラスチックフィルム等からなる支持体5の上に、接着剤溶液(接着剤を溶剤に溶かした液体)を所定の厚さで塗布した後、溶剤を乾燥除去することにより、第1の接着剤層を形成し、コアフィルムの凹部のない面に接着剤層を接着する。接着剤溶液の塗布方法としては、通常の方法、例えば、ブレードコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ロールコート法などが採用できる。この状態が図3(b)である。
【0039】
次に、図3(c)に示す様に、コアフィルム1の上方から、多数の導電性微粒子4からなる粉末を散布した後、支持体5と第1の接着剤層2とコアフィルム1とからなるシート全体を振動させることにより、コアフィルム1の孔10内に導電性微粒子4を入れる。孔10内に入らず、コアフィルム1の上面に存在する導電性微粒子4aは、接着剤の付いたフィルムなどで押し当てることによって除去する。シート全体を振動させることで、全ての貫通孔10に導電性微粒子4が入り易くなる。また、導電性微粒子の入った容器内にシート全体を複数回くぐらせることによって、コアフィルム1の貫通孔10内に導電性微粒子4を入れてもよい。こうして、図3(d)に示す如く、孔10の一つ一つに導電性粒子4が1個ずつ入った状態になる。
【0040】
次に、コアフィルム1の上に接着剤溶液を所定の厚さで塗布した後、溶剤を乾燥除去することにより、コアフィルム1の上に第2の接着剤層3を形成する。さらに、この第2の接着剤層3の上にカバーフィルム6を被覆する。これにより、導電性接着シートが、図3(e)に示すように、一方の面に支持体5が、他方の面にカバーフィルム6がそれぞれ接合された状態で得られる。
これに代えて、接着剤層3が形成されたカバーフィルム6を、接着剤層3をコアフィルム1側に向けて、コアフィルム1の上に置いて加熱することにより、図3(e)の状態としてもよい。ただし、この場合の加熱温度は、接着剤層3をなす接着剤が硬化しない温度とする必要がある。
【0041】
なお、導電性接着シートは、支持体5とカバーフィルム6を剥離した状態で使用される。そのため、支持体5の第1の接着剤層2を形成する面と、カバーフィルム6の第2の接着剤層3側となる面に、シリコン系等の剥離剤を塗布しておくことが好ましい。
以上説明したように、この第1の方法によれば、表面に所定配置で配置された微細な凸部を有する型を採用することによって、コアフィルム1に直径20μm以下の微小な非貫通孔10を容易に形成することができる。
【0042】
本発明の導電性接着シートを製造する第2の方法(請求項7、8の方法)の実施形態について、図4および5を用いて説明する。
先ず、支持体5の上に接着剤溶液を所定の厚さで塗布した後、乾燥することによって、支持体5の上に第1の接着剤層2を形成する。図4(a)はこの状態を示す。この第1の接着剤層2の上に、図4(b)に示すような、非貫通孔10を有するコアフィルム1を接合する。図4(c)はこの状態を示す。この接合は、第1の接着剤層2の上にコアフィルム1を載せて加熱することで行う。この加熱温度は、接着剤層2をなす接着剤が硬化しない温度とする。
【0043】
次に、第1の方法と同じ方法で、導電性微粒子4をコアフィルム1の非貫通孔10内に充填する。次に、第1の方法と同じ方法で、コアフィルム1上への第2の接着剤層3の形成およびカバーフィルム6の被覆を行う。これにより、導電性接着シートが、図4(e)に示すように、一方の面に支持体5が、他方の面にカバーフィルム6がそれぞれ接合された状態で得られる。
この第2の方法において、図4(b)に示すような、貫通していない孔10を有するコアフィルム1を形成する方法としては、図4に示すように、コアフィルム1にレーザ光照射を行う方法を採用することが好ましい。
【0044】
レーザ光照射の方法の実施形態としては、先ず、図5(a)に示すように、コアフィルム1に形成する孔10に対応させた開口部K1を有する金属マスクKを、支持体5の上に接着剤層を形成し更にその上に固定した熱可塑性ポリイミド樹脂からなるコアフィルム1の上方に配置し、このマスクKの上からエキシマレーザを照射する。これにより、コアフィルム1のエキシマレーザが照射された部分が除去されて、孔10が形成される。図5(b)はこの状態を示す。
【0045】
ここで用いるレーザ光としては、炭酸ガスレーザ、YAGレーザの基本波等のように、赤外線領域に発振波長を持つもの、YAGレーザの第3、第4高調波や、エキシマレーザ、銅蒸気レーザー等のように、紫外線あるいは真空紫外線領域の光を照射できるものが挙げられる。
例えば、YAGレーザの第3、第4高調波あるいはエキシマレーザを用いることにより、直径20μm以下の微小な孔10を容易に形成することができる。孔の断面形状は、テーパー状であっても構わない。
【0046】
以上説明したように、この第2の方法によれば、レーザ照射法を採用することによって、コアフィルム1に直径20μm以下の微小な孔10を容易に形成することができる。
なお、この実施形態では、本発明の第2の方法における、貫通していない孔10を有するコアフィルム1の一方の面に第1接着剤層2を形成する方法として、支持体5の上に形成された第1接着剤層2の上に、非貫通孔10を有するコアフィルム1を接合する方法を採用しているが、これに代えて、例えば、非貫通孔10を有するコアフィルム1の上に接着剤溶液を塗布・乾燥する方法を採用してもよい。
【0047】
この場合、コアフィルム上に第1の接着剤層を形成した後にコアフィルム側を上にして、孔内に導電性微粒子を入れた後、このコアフィルムの上に第2の接着剤層を形成する。
本発明の導電性接着シートを製造する第3の方法(請求項9の方法)の実施形態について、図6を用いて説明する。シート状あるいは板状の金属、セラミックスあるいは樹脂に所定配置でかつ所定深さの貫通していない孔を形成した冶具170を作製し、形成されている孔に導電性微粒子を入れた後(図6(b))、前記冶具の孔の開いた面上にコアフィルムを押し付けるあるいは加熱しながら押し付けるか、あるいはコアフィルム成分を含有する樹脂溶液を所定厚みで塗布し溶剤を乾燥し(図6(c))、コアフィルムを前記冶具から剥離することにより冶具に所定配置していた導電性微粒子をコアフィルムに転写した後(図6(d))、コアフィルムを中央に挟んで両側に接着剤層を形成する(図6(e))。
【0048】
前記冶具の作製方法としては、図2に示したような感光性樹脂をフォトリソグラフィーを用いてパターン化する方法、図7に示したような樹脂をレーザ光を用いて溶融あるいは結合を切断するアブレーション加工する方法がある。形成した樹脂パターン上にスパッタ蒸着法あるいは無電解めっきにより導体皮膜を形成し、その後電解めっき法により金属を成長させ、形成した金属を基板から剥離する。本発明で用いる電解めっきにより析出させる金属としては、銅、ニッケル、クロム、あるいは粒子径がサブμmのポリテトラフルオロエチレン微粒子、炭化珪素微粒子、窒化ホウ素微粒子を分散させたニッケルめっきなどを挙げることができる。場合によっては金属製の冶具表面に付着した樹脂を溶剤で洗浄する方法、プラズマ等の高エネルギー雰囲気で除去する方法など通常の方法を取ることができる。また、セラミックスあるいは樹脂板の表面をレーザ光を用いてパターン化することもできる。10μm以下のパターンを形成するためには、エキシマレーザが好ましい。また10から20μm程度のパターン形成には、エキシマレーザ、銅蒸気レーザあるいはYAGレーザの第三高調波を用いることができる。
作製した冶具の所定配置で配置された貫通していない孔が露出した表面にシリコン系あるいはフッ素系離型剤を被覆すると、コアフィルムを剥離し易い冶具を作製できる。
【0049】
本発明の導電性接着シートを製造する第4の方法(請求項10の方法)の実施形態について、図8を用いて説明する。
図8は本願発明における粒子吸着装置である。図8(a)は該装置の部品を示す。1Aは孔開きシート状部品であり、配置する導電性微粒子より小さい吸引孔10aが所定の配置で形成されている。これが導電性粒子の吸着面となる。100は多孔質部品であり、濾紙、金網等が用いられる。200は吸引漏斗であり、201はその吸引面である。202はポンプへの接続部である。吸引装置を組み立て、202から空気を吸引した状態で、その吸着面に導電性粒子4を散布し、吸着面に導電性微粒子を吸着させて、所定の配置で配列させた後、コアフィルムをこの吸着された導電性微粒子の上側から吸着面に向けて押し付けるか(図8(b))、あるいはコアフィルム成分を含有する樹脂溶液を所定厚みで吸着面上に導電性粒子の上から塗布し溶剤を乾燥することにより、吸着面に吸着された導電性微粒子をコアフィルム内に取り込み、次いで、吸着装置による粒子の吸着を解除して前記コアフィルムを吸着面から外す工程を経た後(図8c))、コアフィルムを中央に挟んで両側に接着剤層を形成する(図8(d))。
【0050】
【実施例1】
[導電性接着シートの作製]
この実施例では、本発明の第1の方法の実施例に相当する方法で導電性接着シートを作製する。この実施例を図3に基づいて説明する。
先ず、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、このPETフィルムの表面に、剥離剤としてポリジメチルシロキサンを約50nmの膜厚で被覆した。このPETフィルム(支持体)5の剥離剤が被覆された面に、ポリスルホン樹脂とシアネートエステル樹脂をテトラヒドロフランに溶解したポリスルホン樹脂組成物をブレードコーターを用いて塗布した。次に、この塗布膜から溶剤を乾燥除去することにより、PETフィルム5上に、厚さ10μmのポリスルホン・シアネートエステル系樹脂からなるフィルムを形成した。用いたポリスルホン系熱硬化性樹脂溶液は、ポリスルホン樹脂(Amoco Polymer社製、Udel P−1700)90重量部、シアネートエステル樹脂(Ciba−Geigy社製、B−30)10重量部、THF400重量部を撹拌混合することにより得た。
【0051】
次に、表面に直径7.5μm、高さ8μmの円柱状の凸パターンが、図1(b)に示す非貫通孔10の配置と同じ配置で、格子点間隔が15μmピッチで規則的に配列し、更に格子の中心にも同じ円柱状の凸パターンが規則配置したニッケル製の板状の型を作製した。
この型の上にポリスルホン・シアネートエステル系樹脂からなる厚さ10μmのコアフィルムを載せ、熱プレス機で、180℃、1MPa、10分間の加熱圧着処理を行った。冷却後、コアフィルムを型から剥離することにより、コアフィルムの片面に型の凸部に対応した貫通していない凹部を形成した。
【0052】
次に、図3(d)に示すように、一方の面にエポキシ接着剤からなる接着剤層(第1の接着剤層)2が形成されているPETフィルム6を、接着剤層2をコアフィルム1の凹部のない面側に向けて、コアフィルム1の上に置いて加熱することにより接合した。
一方の面にエポキシ接着剤からなる接着剤層3が形成されているPETフィルム6は、以下のようにして作製した。先ず、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、このPETフィルムの表面に、剥離剤としてポリジメチルシロキサンを約50nmの膜厚で被覆した。このPETフィルム(カバーフィルム)6の剥離剤が被覆された面に、エポキシ接着剤溶液をブレードコーターを用いて塗布した。次に、この塗布膜から溶剤を乾燥除去することにより、PETフィルム6上に、厚さ10μmのエポキシ接着剤からなる層3を形成した。
【0053】
使用したエポキシ接着剤溶液の組成は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂:10重量部、フェノキシ樹脂:10重量部、マイクロカプセル型のイミダゾール誘導体エポキシ化合物からなる潜在性硬化剤:4.5重量部、およびトルエン/酢酸エチル混合液:5重量部である。
この接着剤層2の上に、ブレードコーターを用いて液状のネガ型感光性樹脂を塗布することによって、感光性樹脂層11を厚さ4μmで形成した。この感光性樹脂層11の上に厚さ10μmのPETフィルムを載せた。
【0054】
次に、コアフィルム1上に、多数の導電性微粒子4からなる粉末を散布した後、超音波振動装置を用いてシート全体に振動を与えることにより、全ての孔10内に導電性微粒子4を入れた。次に、コアフィルム1の表面に、日東電工(株)製の粘着フィルム「SPV−363」を、ローラーを用いて張り付けた後に剥がすことによって、孔10に入らず、コアフィルム1の上面に存在する導電性微粒子4aを取り除いた。
【0055】
導電性微粒子4からなる粉末としては、ガスアトマイズ法を用いて作製した銅、錫、銀、ビスマス、銀、インジウムからなる合金微粒子の表面を置換型錫めっき処理した金属微粒子である。合金微粒子は、銅65重量部、錫15重量部、銀10重量部、ビスマス5重量部、インジウム5重量部を黒鉛るつぼに入れ、高周波誘導加熱装置により800℃に加熱し、99体積%以上のヘリウムガス雰囲気で融解した。次に融解した金属をるつぼの先端よりヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、るつぼ先端付近に設けられたガスノズルからヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度0.1体積%、圧力2.5MPa)を噴射してアトマイズを行い、合金微粒子を得た。用いた金属原料の純度は、いずれの金属も99重量%以上であった。ガスアトマイズ法により得られた合金微粒子の表面を置換型錫めっき液(奥野製薬工業社製、サブスターSN−5)中で50℃、12分間撹拌することにより処理した。合金微粒子表面の薄い錫の被膜は約0.2μmであった。置換型錫めっき処理後の金属微粒子の組成は、銅36重量%、錫44重量%、銀10重量%、ビスマス5重量%、インジウム5重量%へ変化していた。
【0056】
置換型錫めっき後、得られた金属微粒子は、窒素雰囲気下での示差走査熱分析法(DSC)において、146℃、438℃、499℃、566℃に融点を示し、DSCを3回連続繰り返し測定するという熱処理を実施したところ、262℃、439℃、500℃、569℃に融点を示し、熱処理前に存在していた146℃の吸熱ピークが消失し、262℃に新たな吸熱ピークを示した。
気流分級機と精密ふるいを用いて分級することにより、得られた導電性微粒子の平均粒子径は6.0μm、粒子径分布の標準偏差は0.6μmであった。精密ふるいはフォトリソグラフィーとニッケルめっき法を用いて作製した。また、精密ふるいをエタノール中に浸漬した状態で超音波洗浄機を用いて超音波振動を加えることにより作製した金属微粒子の分級を実施した。
【0057】
次に、図3(d)に示すように、一方の面にエポキシ接着剤からなる接着剤層(第2の接着剤層)3が形成されているPETフィルム6を、接着剤層3をコアフィルム1側に向けて、コアフィルム1の上に置いて加熱することにより接合した。
以上のようにして、不飽和ポリエステル樹脂からなるコアフィルム1の一方の面に熱可塑性ポリイミドからなる接着剤層2が配置され、他方の面にエポキシ接着剤からなる接着剤層3が配置され、コアフィルム1には、直径7.5μmの円形の孔10が、図1(b)に示す配置で15μmピッチ(格子点間隔)で規則的に形成され、各孔10に各1個の導電性微粒子4が配置されている導電性接着シートが得られた。この導電性接着シートの両面にはPETフィルム5,6が接合されている。
【0058】
接着剤層として用いたエポキシ接着剤の軟化点は、約80℃であったが、コアフィルムのポリスルホン・シアネートエステル系樹脂の軟化点は160℃であった。軟化点の測定には、レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー社製の粘弾性測定装置、回転型のレオメーターを用いて測定した。測定周波数は10rad/秒、昇温速度は10℃/分で室温から加熱を開始し、最初に粘製率が大きく低下する温度を軟化点として求めた。
また、銅板の上に前記導電性微粒子をばら撒き、下記の性能評価で用いた加熱条件である230℃で5分間保持した。その後、室温まで冷却し銅板上の粒子を圧縮空気を吹き付けることにより、吹き飛ばすことを試みたが、導電性微粒子は銅板上に固定されており、除去することができなかった。また、導電性微粒子は粒子の形態を保持していることを走査型電子顕微鏡で確認した。
【0059】
[型の作製]
アルミニウムの表面を亜鉛置換めっきを行い、その上に厚さ3μmの銅層をピロリン酸銅めっき浴を用いて形成した。更に銅表面を黒化処理することにより低反射率の導電性基板を作製した。
この導電性基板上に厚さ10μmの感光性樹脂層を形成し、図1(b)に示した孔の配列パターンに対応したガラスクロムマスクを通して、フォトリソグラフィーを用いて樹脂パターンを得た。
使用した感光性樹脂は、数平均分子量が2000である不飽和ポリエステルプレポリマー:100重量部に、テトラエチレングリコールジメタクリレート:10.7重量部、ジエチレングリコールジメタクリレート:4.3重量部、ペンタエリスリトールトリメタクリレート:15重量部、リン酸(モノメタクリロイルオキシエチル):3.6重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン:2重量部、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール:0.04重量部、およびオリヱント化学製「OPLASイエロー140」:0.11重量部を加えて、攪拌混合することにより得られたものである。
【0060】
数平均分子量が2000である不飽和ポリエステルプレポリマーは、アジピン酸、イソフタル酸、イタコン酸、フマル酸と、ジエチレングリコールとの仕込み比を調整し、脱水重縮合反応により得た。数平均分子量は、島津製作所社製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置を用いて測定し、ポリスチレン標準品で検量化した。
次に、露光マスクMとして、直径7.5μmである円形のクロムパターンが、図1(b)に示す貫通孔10の配置と同じ配置で、格子点間隔が15μmピッチで、格子点および格子の中心に規則的に配列されているガラス製フォトマスクを用意した。この露光マスクMを感光性樹脂層11の上に配置し、この露光マスクMの上から超高圧水銀ランプの光を照射した。この照射光は、光源からの光を光学系で平行にした平行光線である。図2(a)はこの状態を示す。但し、この図では、厚さ10μmのPETカバーフィルムが省略されている。
【0061】
次に、PETカバーフィルムを剥離し、現像処理を行った。その結果、感光性樹脂層11の光の当たらなかった部分が除去されて、図2(b)に示すように、多数の孔10を有するコアフィルム1が、導電性基板上に形成された。
次に、樹脂パターンを形成した基板表面にパラジウム触媒付与処理を行い、続いて無電解ニッケルめっきを実施し、厚さ数μmのニッケル層を形成した。更に、スルファミン酸ニッケルめっき浴で電解ニッケルめっきを実施し、厚さ70μmのニッケル層を形成した。図2(d)はこの状態を示す。
その後、形成したニッケル層を基板から剥離することにより、直径7.5μm、高さ10μmの円筒状の凸部が表面に規則配列したニッケル製の型を得た。得られた型の表面は、シリコーン離型剤(信越化学工業社製、SEPA−COATSP)で処理した。
【0062】
[性能評価]
図9(a)は試験用基板の一部を示す平面図であり、図9(b)は図9(a)のa−a線断面図である。
試験用基板30は、絶縁性基板31の上に、200個の配線32を有し、配線32は厚さが15μmで絶縁基板31上に凸状に露出している。配線32の幅は15μmであり、配列ピッチpは30μmである。
先ず、上述の方法で得られた導電性接着シートの両面からPETフィルム5,6を剥がして、試験用基板30の全ての配線32部分と、図11(a)にパターンの平面図を示したガラス基板上に凸状の1本の直線パターン22と凸状の円形パターン21および検査端子26を有する基板Dとの間に挟み、50MPaの圧力をかけた状態で230℃に加熱して1分間保持した。基板Dのパターンは全て銅めっきを用いて作製されており、直線パターン22の幅は15μm、厚さは15μmであり、この直線パターン22の両側に配置した円形パターンの直径は15μm、高さ15μmであり、ピッチ30μmで配置している。ガラス基板と銅めっき被膜との間には、密着性を向上させる目的で薄いクロムの層を形成してある。円形パターン21は、接続評価時の安定性確保のためのダミーパターンである。このとき、試験用基板30の配線32と基板Dの直線パターンは直交するように配置した。その結果、試験用基板30の配線32部分と基板Dとが、導電性接着シートによって接着された。
【0063】
図10は、試験用基板30の配線32部分と図11(a)にパターンの平面図を示したガラス基板上に凸状の導体パターンを形成した基板Dとが、導電性接着シートによって接着された状態を示す断面図である。この断面図は図9(a)のb−b線断面図に相当する。この接着時に、導電性接着シートのコアフィルム1とその両面の接着剤層2,3は変形するため、これらをまとめて図10では符号23で示してある。
このようにして得られた2個のテストピースを用いて、実施例1の導電性接着シートによる接続確認試験を行った。すなわち、各テストピースについて、200個の検査用パッド35と基板Dの検査パッドとの間の抵抗を測定した。その結果、2個のテストピースの合計400箇所の接続点のうち、銅板Dと電気的に接続されていないものは無いことが分かった。
【0064】
次に、上述の方法で得られた導電性接着シートの両面からPETフィルム5,6を剥がして、試験用基板30の全ての配線32部分と、図11(c)に断面構造を示したガラス板Eとの間に挟み、50MPaの圧力をかけた状態で230℃に加熱して5分間保持した。このガラス基板E上には図11(a)に示したパターンと同じパターンで表面に凹凸を付けてある。すなわち、図11(a)の斜線で示した部分が凸となるように、エキシマレーザを用いてアブレーション加工した。凸部の高さは15μmであった。その結果、試験用基板30の配線32部分とガラス基板とが、導電性接着シートによって接着された。接続確認試験と同様、検査用基板の配線32とガラス基板E上の直線パターンとが直交するように、両基板を配置した。
【0065】
このようにして得られた2個のテストピースを用いて、隣接する検査用パッド35間の絶縁抵抗を測定した。その結果、2個のテストピースの合計398組の検査用パッド35について、全ての絶縁抵抗が1012Ω以上であった。これにより、2個のテストピースの合計398組の全ての接続箇所について、隣接する全ての接続箇所にショートが発生していないことが分かった。
これらの試験結果から、この実施例の導電性接着シートによって、図10に示すように、試験用基板30の配線32と基板Dが、導電性接着シートの導電性微粒子4によって接続され、隣り合う配線32間が導電性微粒子4で接続されていない状態になることが分かる。
【0066】
【実施例2】
[導電性接着シートの作製]
コアフィルムを形成する樹脂が、熱可塑性ポリイミド樹脂であること意外は、実施例1と同じ方法により異方導電性を有する導電性接着シートを作製した。
熱可塑性ポリイミド溶液としては、宇部興産社製熱可塑性ポリイミド溶液「UPA−N−221」を使用した。
熱可塑性ポリイミド樹脂の軟化点は、170℃であった。測定は実施例1と同じ方法を用いた。
【0067】
[性能評価]
この実施例2で作製された導電性接着シートと、実施例1と同じ試験用基板30、基板D、およびガラス基板Eとを用いて、実施例1と同じ方法で各2個のテストピースを作製し、実施例1と同じ方法で接続確認試験とショート確認試験を行った。
その結果、接続確認試験では、2個のテストピースの合計400個の全ての接続箇所について、基板Dと電気的に接続されていないものは無いことが確認された。
また、ショート確認試験では、2個のテストピースの合計400個の検査用パッド35について、全ての絶縁抵抗が1012Ω以上であった。これにより、2個のテストピースの合計398組の全ての接続箇所について、隣接する全ての接続配線32間にショートが発生していないことが確認された。
【0068】
【実施例3】
[導電性接着シートの作製]
この実施例では、本発明の第2の方法の実施例に相当する方法により、導電性接着シートを作製する。この実施例を図4および5に基づいて説明する。
先ず、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、このPETフィルムの表面に、剥離剤としてポリジメチルシロキサンを約50nmの膜厚で被覆した。このPETフィルムの剥離剤が被覆された面に、エポキシ接着剤溶液をブレードコーターを用いて塗布した。次に、この塗布膜から溶剤を乾燥除去することにより、PETフィルム上に、厚さ12μmのエポキシ接着剤からなる接着剤層を形成した。このPETフィルムと接着剤層とからなるシートを2枚用意した。
【0069】
使用したエポキシ接着剤溶液の組成は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂:10重量部、フェノキシ樹脂:10重量部、マイクロカプセル型のイミダゾール誘導体エポキシ化合物からなる潜在性硬化剤:4.5重量部、およびトルエン/酢酸エチル混合液:5重量部である。
一方、上記と同じPETフィルムの表面に、剥離剤としてポリジメチルシロキサンを約50nmの膜厚で被覆した。このPETフィルムの剥離剤が被覆された面に、熱可塑性ポリイミド樹脂溶液(宇部興産社製の「UPA−N−111C」)をブレードコーターを用いて塗布した。次に、この塗布膜から溶剤を乾燥除去することにより、図4(a)に示すように、PETフィルム(支持体)上に、熱可塑性ポリイミド樹脂からなるコアフィルム1を厚さ10μmで形成し、既に作製済の接着剤層の上にコアフィルム側から接着し、その後PETフィルムを剥離した。
【0070】
熱可塑性ポリイミド樹脂の軟化点は、210℃であった。測定は実施例1と同じ方法を用いた。
次に、コアフィルム1に形成する非貫通孔10を形成できるように設計した開口部K1を有するニッケル製の金属マスクKを用意し、この金属マスクKをコアフィルム1の上方に配置し、この金属マスクKの上からエキシマレーザを照射した。図5(a)はこの状態を示す。金属マスクKには、直径7.5μm径の円形の孔が、図1(b)に示す貫通孔の配置と同じ配置で、15μmピッチ(格子点間隔)で規則的に形成されている。
【0071】
エキシマレーザの照射は、LUMONICS社製のエキシマレーザ「INDEX800」と住友重機械工業社製の搬送系「SIL300H」とからなるエキシマレーザ加工装置を用いて行った。レーザの波長は248nm(フッ化クリプトンガス)であり、レーザビームの寸法は8mmx25mmであり、発振周波数は200Hzであった。
これにより、コアフィルム1のエキシマレーザが照射された部分(開口部K1の下側の部分)が除去されて、コアフィルム1の所定位置に非貫通孔10が形成された。このコアフィルム1には、直径が7.5μm、深さ8μmである円形の非貫通孔10が、図1(b)に示す配置で15μmピッチ(格子点間隔)で規則的に配列されている。図4(c)はこの状態を示す。
【0072】
このコアフィルム1上に、多数の導電性微粒子4からなる粉末を散布した後、超音波振動装置を用いてシート全体に振動を与えることにより、全ての貫通孔10内に導電性微粒子4を入れた。この状態を図4(d)に示す。次に、コアフィルム1の表面に、日東電工(株)製の粘着フィルム「SPV−363」を、ローラーを用いて張り付けた後に剥がすことによって、貫通孔10に入らず、コアフィルム1の上面に存在する導電性微粒子を取り除いた。
【0073】
導電性微粒子4からなる粉末としては、実施例1と同じものを用いた。
次に、上述の方法で予め用意した、PETフィルム上にエポキシ接着剤からなる接着剤層が形成されたシートを、図4(e)に示すように、接着剤層(第2の接着剤層)3側を下側に向けてコアフィルム1の上に載せて、加熱により接合した。
これにより、ポリイミド樹脂からなる厚さ10μmのコアフィルム1の両面に、厚さ12μmのエポキシ接着剤からなる接着剤層2,3が配置され、コアフィルム1には直径7.5μmの円形の非貫通孔10が、図1(b)に示す配置で15μmピッチ(格子点間隔)で規則的に形成され、各貫通孔10に各1個の銅−銀合金製の導電性微粒子4が配置されている導電性接着シートが得られた。この導電性接着シートの両面にはPETフィルム5,6が接合されている。
【0074】
[性能評価]
この実施例3で作製された導電性接着シートと、実施例1と同じ試験用基板30、基板D、およびガラス基板とを用いて、実施例1と同じ方法で各2個のテストピースを作製し、実施例1と同じ方法で接続確認試験とショート確認試験を行った。
その結果、接続確認試験では、2個のテストピースの合計400個の全ての接続箇所について、基板Dと電気的に接続されていないものは無いことが確認された。
また、ショート確認試験では、2個のテストピースの合計398組の配線32について、全ての絶縁抵抗が1012Ω以上であった。これにより、2個のテストピースの合計398組の全ての接続箇所について、隣接する全ての配線32間にショートが発生していないことが確認された。
【0075】
【実施例4】
[導電性微粒子配列冶具の作製]
図7(b)に示す導電性微粒子配列冶具を以下の方法で作製した。
先ず、図2(b)に示すように、導電性基板13の上にネガ型の感光性樹脂層8を形成し、その上に、導電性微粒子が入る孔に対応させた光透過部を有するフォトマスクM1を配置して、このフォトマスクM1の上から光を照射する。次に、所定の現像処理を行うことによって、感光性樹脂層8の光が当たらなかった部分を除去する。これにより、導電性基板上に四角柱状の樹脂パターンが形成される。図2(c)はこの状態を示す。
【0076】
次に、この導電性基板上の樹脂パターンの存在していない部分に電解めっき法により金属を析出させ、円柱状の樹脂パターンの高さを越えて更に金属を成長させる。これにより円柱状の樹脂パターンに対応した凹部を有する金属13を成長させる。図2(d)はこの状態を示す。次に、金属体13を導電性基板7から剥離する。更に光が当たって硬化された円柱状樹脂パターンが金属体13の表面に残存していることがあるため、酸素雰囲気下での反応性イオンエッチング法により残存感光性樹脂層を除去する。これにより、図7(b)に示すような、貫通していない孔171を有する金属体13が形成されている導電性微粒子配列冶具170が得られる。
【0077】
導電性微粒子配列冶具の作製には、実施例1において型作製に用いた感光性樹脂と同じ組成のものを用いた。
電解めっき法で金属体13を形成する前に、めっき前処理として反応性イオンエッチングを行った。また、アルミニウム基板7の裏面を粘着フィルムで覆った。スルファミン酸ニッケルめっき浴を用い、若干ホウ素を含んだニッケルめっき被膜からなる金属体13を得た。金属体13の厚さは100μmとした。
導電性微粒子配列冶具の凹部の存在す側の表面を、スプレー式シリコーン離型剤で薄く被覆し、その後熱処理することにより定着させた。
【0078】
[導電性接着シートの作製]
この実施例では、本発明の第3の方法の実施例に相当する方法により、導電性接着シートを作製する。この実施例を図6に基づいて説明する。
先ず、PETフィルム(支持体)5と接着剤層2、3とからなるシートを、以下の方法で作製した。厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、このPETフィルムの表面に、剥離剤としてポリジメチルシロキサンを約50nmの膜厚で被覆した。このPETフィルムの剥離剤が被覆された面に、エポキシ接着剤溶液をブレードコーターを用いて塗布した。次に、この塗布膜から溶剤を乾燥除去することにより、PETフィルム上に、厚さ30μmのエポキシ接着剤からなる接着剤層を形成した。支持体上に接着剤層を被覆したものを2枚形成した。
【0079】
使用したエポキシ接着剤溶液の組成は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂:10重量部、フェノキシ樹脂:10重量部、マイクロカプセル型のイミダゾール誘導体エポキシ化合物からなる潜在性硬化剤:4.5重量部、およびトルエン/酢酸エチル混合液:5重量部である。
実施例1で用いたポリスルホン樹脂組成物と同じ組成のものを用意し、コアフィルムの形成に用いた。
【0080】
上述の導電性微粒子配列冶具の非貫通孔に、導電性微粒子4を入れ、更に導電性微粒子が配列した面にポリスルホン樹脂組成物を塗布した後、溶剤であるテトラヒドロフランを乾燥除去し厚さ5μmの被膜を得た。
次に、既に形成してある支持体上に接着剤層を被覆したシートを接着剤層の面を導電性微粒子を包埋したポリスルホン樹脂被膜とを加熱圧縮して接着した。その後、ポリスルホン樹脂層と接着剤層が接着したシートを導電性微粒子配列冶具から剥離した。
更に導電性微粒子を包埋したコアフィルム上に、もう1枚の接着剤シートを接着剤層を下にして載せ、加熱圧縮し接着した。
【0081】
導電性微粒子4としては、実施例1と同じものを用いた。
導電性微粒子配列冶具に超音波振動を加えて動かすことにより、全ての非貫通孔10に導電性微粒子4が入るようにした。また、冶具の非貫通孔10以外の面に付着した導電性微粒子を、日東電工(株)製の粘着フィルム「SPV−363」を用いて取り除いた。接着剤層23を50℃に加熱した状態で導電性微粒子が配列した面に押し付けた。
以上のようにして、導電性微粒子を包埋したコアフィルムを中央に挟んで2層のエポキシ接着剤からなる接着剤層を接着した導電性接着シートを得た。コアフィルム内では平均粒子径6μmの銅−銀合金製の導電性微粒子4が15μmピッチで、図1(b)に示すように配置されていた。
【0082】
[性能評価]
この実施例4で作製された導電性接着シートと、実施例1と同じ試験用基板30、基板D、およびガラス基板Eとを用いて、実施例1と同じ方法で各2個のテストピースを作製し、実施例1と同じ方法で接続確認試験とショート確認試験を行った。
その結果、接続確認試験では、2個のテストピースの合計400個の全ての接続箇所について、基板Dと電気的に接続されていないものは無いことが確認された。
また、ショート確認試験では、2個のテストピースの合計398組の検査用パッド35について、全ての絶縁抵抗が1012Ω以上であった。これにより、2個のテストピースの合計398組の全ての配線32について、隣接する全ての配線32間にショートが発生していないことが確認された。
【0083】
【実施例5】
[孔開きシート状部品の作製]
図8に示す孔開きシート状部品1Aを以下の方法で作製した。
先ず、図14(a)に示すように、導電性基板7の上にネガ型の感光性樹脂層8を膜厚15μmで形成し、その上に、孔10の位置に対応させた円形の光透過部を有するフォトマスクM1を配置して、このフォトマスクM1の上から光を照射する。次に、所定の現像処理を行うことによって、感光性樹脂層8の光が当たらなかった部分を除去する。これにより、導電性基板7上に円柱状体12を配置する部分に直径6μmの貫通孔8aが形成される。図14(b)はこの状態を示す。貫通孔8aの配置は、図1(b)に示した配置であり、単位格子の長さは12μmとした。
【0084】
次に、この導電性基板上の貫通孔8a内に、電解めっき法により金属層13を成長させる。このとき電解めっき法により析出させる金属層の厚さは、感光性樹脂層の厚さを越えて20μmとした。図14(c)はこの状態を示す。これにより、金属層が感光性樹脂層を越えてオーバーハングした状況となり、オーバーハングした部分の孔の直径を小さくすることができる。次に、光が当たって硬化された感光性樹脂層8と導電性基板7を除去する。これにより、図8に示すような、貫通孔10を有する孔開きシート状部品1Aが得られる。得たれた孔開きシート状部品の片面の孔の直径は6μmであり、もう一方の側の孔の直径は3μmであった。
【0085】
孔明きシート状部品の作製には、実施例1において型作製に用いた感光性樹脂と同じ組成のものを用いた。
電解めっき法で金属層13を形成する前に、めっき前処理として反応性イオンエッチングを行った。また、アルミニウム基板7の裏面を粘着フィルムで覆った。ニッケルめっき浴を用い、若干ホウ素を含有するニッケルめっき被膜からなる金属層を得た。
また、光で硬化した感光性樹脂の除去には、酸素プラズマ中での反応性イオンエッチング法を用いた。
【0086】
[粒子吸着装置の作製]
図8の孔開きシート状部品1に代えてこの孔開きシート状部品1Aを用い、その直径が6μmの孔の開いている面を多孔質部品100に固定した。多孔質部品100としては濾紙(ADVANTEC社製)を用いた。これにより図8に示す粒子吸着装置300を作製した。
この粒子吸着装置300Aは、孔開きシート状部品1Aに形成された柱状体19によって、孔開きシート状部品1Aと多孔質部品100との間に空気の通路19aが形成される。これにより、貫通孔10による粒子の吸着の確実性が向上する。
【0087】
[導電性接着シートの作製]
この実施例では、本発明の第4の方法の実施例に相当する方法により、導電性接着シートを作製する。この実施例を図8に基づいて説明する。
先ず、PETフィルム(支持体)5と接着剤層2、3とからなるシートを、以下の方法で作製した。厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、このPETフィルムの表面に、剥離剤としてポリジメチルシロキサンを約50nmの膜厚で被覆した。このPETフィルムの剥離剤が被覆された面に、エポキシ接着剤溶液をブレードコーターを用いて塗布した。次に、この塗布膜から溶剤を乾燥除去することにより、PETフィルム上に、厚さ10μmのエポキシ接着剤からなる接着剤層を形成した。支持体上に接着剤層を被覆したものを2枚形成した。
使用したエポキシ接着剤溶液の組成は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂:10重量部、フェノキシ樹脂:10重量部、マイクロカプセル型のイミダゾール誘導体エポキシ化合物からなる潜在性硬化剤:4.5重量部、およびトルエン/酢酸エチル混合液:5重量部である。
また、実施例1で用いたポリスルホン樹脂組成物と同じ組成のものを用意し、コアフィルムの形成に用いた。
【0088】
上述の粒子吸着装置300Aの貫通孔に、導電性微粒子4を真空吸着させ、更に導電性微粒子が真空吸着した面にポリスルホン・シアネートエステル系熱硬化性樹脂組成物を塗布した後、溶剤であるテトラヒドロフランを乾燥除去し厚さ5μmの被膜を得た。
次に、既に形成してある支持体上に接着剤層を被覆したシートを接着剤層の面を導電性微粒子を包埋したポリスルホン・シアネートエステル系熱硬化性樹脂被膜とを加熱圧縮して接着した。その後、真空を解除してポリスルホン・シアネートエステル系熱硬化性樹脂層と接着剤層が接着したシートを粒子吸着装置300Aから剥離した。
【0089】
更に導電性微粒子を包埋したコアフィルム上に、もう1枚の接着剤シートを接着剤層を下にして載せ、加熱圧縮し接着した。
導電性微粒子4としては、実施例1と同じものを用いた。
導電性微粒子4を入れた容器内で粒子吸着装置に振動を加えて動かすことにより、吸着面の全ての貫通孔10に導電性微粒子4が吸着されるようにした。また、吸着面の貫通孔10以外の面に付着した導電性微粒子を、日東電工(株)製の粘着フィルム「SPV−363」を用いて取り除いた。接着剤層23を50℃に加熱した状態で吸着面に押し付けた。
以上のようにして、導電性微粒子を包埋したコアフィルムを中央に挟んで2層のエポキシ接着剤からなる接着剤層を接着した導電性接着シートを得た。コアフィルム内では平均粒子径6μmの銅−銀合金製の導電性微粒子4が15μmピッチで、図1(b)に示すように配置されていた。
【0090】
[性能評価]
この実施例5で作製された導電性接着シートと、実施例1と同じ試験用基板30、基板D、およびガラス基板とを用いて、実施例1と同じ方法で各2個のテストピースを作製し、実施例1と同じ方法で接続確認試験とショート確認試験を行った。
その結果、接続確認試験では、2個のテストピースの合計400個の全ての接続箇所について、基板Dと電気的に接続されていないものは無いことが確認された。
また、ショート確認試験では、2個のテストピースの合計398組の検査用パッド35について、全ての絶縁抵抗が1012Ω以上であった。これにより、2個のテストピースの合計398組の全ての接続箇所について、隣接する全ての配線32間にショートが発生していないことが確認された。
【0091】
【実施例6】
[導電性接着シートの作製]
用いた導電性微粒子が、錫、亜鉛、ビスマス、インジウムからなるガスアトマイズ法を用いて作製した金属微粒子であること以外は、実施例1と同様にして導電性接着シートを得た。
錫60重量部、亜鉛30重量部、ビスマス5重量部、インジウム5重量部を、黒鉛るつぼに入れ、高周波誘導加熱装置により800℃に加熱し、99体積%以上のヘリウムガス雰囲気で融解した。次に融解した金属をるつぼの先端よりヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、るつぼ先端付近に設けられたガスノズルからヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度0.1体積%、圧力2.5MPa)を噴射してアトマイズを行い、合金微粒子を得た。用いた金属原料の純度は、いずれの金属も99重量%以上であった。ガスアトマイズ法で得られた合金微粒子を気流式分級装置(日清エンジニアリング社製、ターボクラッシファイアーTC15)を用いて5回に渡り分級し、粒子径分布を徐々に狭めていった。更に、フォトリソグラフィーと電解ニッケルめっき法を用いて作製した精密ふるいを用いて分級することにより得られた平均粒子径が6μm、粒子径分布の標準偏差が0.6μmである粉末を得た。
【0092】
得られた合金微粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−2700)で観察したところ球状微粒子であった。また、合金微粒子の組成比は、前記原料仕込み比と同一であった。示差走査型熱分析法(島津製作所社製、DSC−50)により窒素雰囲気下で吸熱ピーク温度(融点を示す)を測定した。その結果、172℃、268℃、335℃に吸熱ピークが存在し、複数の融点が存在することを確認した。合金微粒子について、示差走査熱分析法を3回連続で行う熱処理を実施した後、示差走査熱分析法により前記と同一条件で融点の測定を測定した結果、187℃、270℃、339℃に吸熱ピークが存在する合金微粒子に変化していることを確認した。示差走査型熱分析法では、アルミナセル中に金属微粒子を入れ、窒素雰囲気下(流量50ml/分)、昇温速度2℃/分、720℃まで昇温し、この温度で10分間保持した。吸熱ピークの内、熱量が1J/g以上であるピークは全て金属微粒子由来のピークとして定量し、それ以下の熱量については分析精度の観点から定量していない。
【0093】
また、銅板の上に前記導電性微粒子をばら撒き、性能評価で用いた加熱条件である230℃で5分間保持した。その後、室温まで冷却し銅板上の粒子を圧縮空気を吹き付けることにより、吹き飛ばすことを試みたが、導電性微粒子は銅板上に固定されており、除去することができなかった。また、導電性微粒子は粒子の形態を保持していることを走査型電子顕微鏡で確認した。
【0094】
[性能評価]
この実施例6で作製された導電性接着シートと、実施例1と同じ試験用基板30、基板D、およびガラス基板とを用いて、実施例1と同じ方法で各2個のテストピースを作製し、実施例1と同じ方法で接続確認試験とショート確認試験を行った。
その結果、接続確認試験では、2個のテストピースの合計400個の全ての接続箇所について、基板Dと電気的に接続されていないものは無いことが確認された。
また、ショート確認試験では、2個のテストピースの合計398組の検査用パッド35について、全ての絶縁抵抗が1012Ω以上であった。これにより、2個のテストピースの合計398組の全ての接続箇所について、隣接する全ての配線32間にショートが発生していないことが確認された。
【0095】
【比較例1】
[導電性接着シートの作製]
実施例1で使用したエポキシ接着剤溶液に、実施例1で使用した導電性微粒子4を、1.2体積%の割合で添加して混合した。この液体を、剥離剤としてポリジメチルシロキサンが被覆されたPETフィルムの表面に、ブレードコーターを用いて塗布した。次に、この塗布膜から溶剤を乾燥除去することにより、PETフィルム上に、厚さ28μmの導電性接着シートを形成した。この導電性接着シートはPETフィルムを剥がして使用する。
なお、導電性微粒子4のエポキシ接着剤溶液への添加率は、導電性接着シート内での導電性微粒子4の含有率が実施例1と同程度となるように設定した。
【0096】
[性能評価]
この比較例1で作製された導電性接着シートと、実施例1と同じ試験用基板30、基板D、およびガラス基板とを用いて、実施例1と同じ方法で各2個のテストピースを作製し、実施例1と同じ方法で接続確認試験とショート確認試験を行った。
その結果、接続確認試験では、2個のテストピースの合計400個の接続パッド34のうち4箇所が基板Dと電気的に接続されていないことが確認された。
また、ショート確認試験では、2個のテストピースの合計398組の検査用パッド35について、全ての絶縁抵抗が1012Ω以上であった。これにより、2個のテストピースの合計398組の全ての接続箇所について、隣接する全ての配線32間にショートが発生していないことが確認された。
【0097】
【比較例2】
導電性微粒子4のエポキシ接着剤溶液への添加率を20体積%とした以外は、比較例1と同じ方法で、同じ構成の導電性接着シートを作製した。
この比較例2で作製された導電性接着シートと、実施例1と同じ試験用基板30、銅板D、およびガラス基板とを用いて、実施例1と同じ方法で各2個のテストピースを作製し、実施例1と同じ方法で接続確認試験とショート確認試験を行った。
その結果、接続確認試験では、2個のテストピースの合計400個の全ての接続箇所について、基板Dと電気的に接続されていないものは無いことが確認された。
また、ショート確認試験では、2個のテストピースの合計398組の検査用パッド35のうち10箇所で、絶縁抵抗が108Ω以下となった。これにより、2個のテストピースの合計398組の内10箇所について、隣接する接続パッド34間にショートが発生していることが分かった。
【0098】
【比較例3】
用いた導電性微粒子4が銀―銅合金微粒子であること以外は、比較例2と同様にして導電性接着シートを作製した。
導電性微粒子4からなる粉末としては、特開平6−223633号公報に記載された、組成がAgx Cu(1-x)(0.008≦x≦0.4)であって粒子表面の銀濃度が平均の銀濃度の2.2倍より高く、表面近傍で粒子表面に向かって銀濃度が増加する領域を有する球状の導電性粒子からなり、平均粒子径が6μm、粒子径分布の標準偏差が0.5μmである粉末を使用した。
【0099】
また、実施例1と同様に銅板の上に前記導電性微粒子をばら撒き、性能評価で用いた加熱条件である230℃で5分間保持した。その後、室温まで冷却し銅板上の粒子に圧縮空気を吹き付けることにより、吹き飛ばすことを試みた。導電性微粒子は銅板上に固定されておらず、除去されてしまった。
この比較例3で作製された導電性接着シートと、実施例1と同じ試験用基板30、銅板D、およびガラス基板とを用いて、実施例1と同じ方法で各2個のテストピースを作製し、実施例1と同じ方法で接続確認試験とショート確認試験を行った。
【0100】
その結果、接続確認試験では、2個のテストピースの合計400個の全ての接続箇所について、基板Dと電気的に接続されていないものは無いことが確認された。
また、ショート確認試験では、2個のテストピースの合計398組の検査用パッド35のうち15箇所で、絶縁抵抗が108Ω以下となった。これにより、2個のテストピースの合計398組の内15箇所について、隣接する接続パッド34間にショートが発生していることが分かった。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の導電性接着シートによれば、コアフィルム面内に所定配置で複数個の貫通孔を形成し、この貫通孔に導電性微粒子を配置するため、貫通孔のピッチおよび大きさを、接続するパターンの配列ピッチおよび配線幅等に対応させて設定することが可能となる。また、使用時に、コアフィルムによってシート面内での導電性微粒子の配置が固定される。
そのため、貫通孔のピッチおよび大きさを、接続するパターンの配列ピッチおよび配線幅等に対応させて設定することによって、ファインピッチで配列されているパターンを接続する場合でも、隣り合うパターン間にショートが生じないようにすることができる。また、接続するパターンが導電性微粒子の存在しない位置に配置される、という恐れを無くすことができる。
その結果、本発明の導電性接着シートによれば、接続するパターンの寸法が小さい場合や、ファインピッチで配列されているパターンを接続する場合でも、信頼性の高い接続を行うことができる。
【0102】
また、本発明の導電性接着シートの製造方法によれば、導電性微粒子がシート面内に、規則的に且つ高密度で(隣り合う導電性微粒子間の距離が20μm以下となるように)配置された導電性接着シートを容易に製造することができる。
更に、本発明の導電性微粒子を用いることにより、本発明の接着シートを2つの回路基盤の間にはさみ、所定の温度圧力で加熱圧縮する工程で、金属微粒子の一部が溶融し、冷却により再固化する過程で当該金属微粒子と回路基板上の接続バンプを構成する金属と接合することにより金属・金属結合が形成され、接着強度の高い接続が可能となる。また、前記再固化した部分は前記熱処理と同一処理で再度熱処理した場合、溶融により変形することがなく、金属・金属結合が保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性接着シートの一実施形態を示す断面図(a−1、a−2)と平面図(b,c)である。
【図2】本発明の導電性接着シートを製造する第1の方法において用いる型の製造方法を説明する図である。
【図3】本発明の導電性接着シートを製造する第1の方法(請求項5、6の方法)の実施形態、および実施例1を説明する図である。
【図4】本発明の導電性接着シートを製造する第2の方法(請求項7の方法)の実施形態、および実施例3を説明する図である。
【図5】本発明の導電性接着シートを製造する第2の方法(請求項8の方法)の実施形態、および実施例2を説明する図である。
【図6】本発明の導電性接着シートを製造する第3の方法(請求項9の方法)の実施形態、および実施例4を説明する図である。
【図7】本発明の導電性接着シートを製造する第3の方法において用いる導電性微粒子を所定の位置に配置するための治具の製造方法を説明する図である。
【図8】本発明の導電性接着シートを製造する第4の方法(請求項10)の実施形態、および実施例5を説明する図である。
【図9】本発明の実施例1〜5および比較例1,2で性能評価に使用した試験用基板を示す平面図(a)と断面図(b)である。
【図10】試験用基板の配線部分と基板Dとが、実施例1〜5の導電性接着シートによって接着された状態を示す図であって、図9(a)のb−b線断面図に相当する。
【図11】性能評価で用いる基板Dおよび基板Eのパターンを示す平面図(a)であって、(b)は基板Dの(c)は基板Eのc−c線断面図に相当する。
【図12】従来の導電性接着シートの一例を示す断面図(a)と平面図(b)である。
【図13】従来の導電性接着シートの問題点を説明するための断面図である。
【図14】本発明の導電性接着シートを製造する第4の方法において用いる導電性微粒子を所定の位置に配置するための孔開きシート状部品の製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 コアフィルム
2 接着剤層(第1の接着剤層)
3 接着剤層(第2の接着剤層)
4 導電性微粒子
5 支持体
6 カバーフィルム
7 導電性基板
8 感光性樹脂層
10 貫通孔
11 感光性樹脂層
12 無電解めっき層
13 金属層
20 接着剤層からなるシート
21 銅製円柱状凸部
22 銅製直線状凸部
23 コアフィルムと接着剤層
24 ガラスからなる円柱状凸部
25 ガラス板
26 電気検査用パッド
30 試験用基板
31 絶縁性基板
32 配線
35 検査用パッド
170 導電性微粒子配列用治具
171 凹部
100 多孔質部品
300 粒子吸着装置
A 導電性微粒子の存在しない位置
B1 基板
B2 基板
D 基板
h 配線の高さ
K1 開口部
K 金属マスク
M 露光マスク
P1 接続パターン
P2 接続パターン
p 配線の配列ピッチ
p10 円柱状凸部の配列ピッチ
W 配線の幅
W1 銅製直線状凸部の幅
W2 銅製円柱状凸部の直径

Claims (10)

  1. シート面内に分散配置された導電性微粒子により、シートの厚さ方向のみに導電性を付与する接着シートにおいて、厚さ方向の中央に配置した樹脂性のコアフィルムの両面に接着剤層が配置され、前記コアフィルムおよび接着剤層は絶縁性であり、コアフィルムには厚さ方向に貫通していない孔がフィルム面内に所定配置で複数個形成され、該非貫通孔当該導電性微粒子が配置されており、前記導電性微粒子が実質的に鉛を含まない合金粒子であって、各合金粒子は示差走査熱量測定(DSC)によって吸熱ピークが観察される温度として定義される複数の融点を示し、該複数の融点は初期最低融点および最高融点を含み、各合金粒子は少なくとも表面部分において該初期最低融点を示し、各合金粒子を該初期最低融点またはそれ以上の温度で加熱しそれにより各合金粒子について該初期最低融点を示すその少なくとも表面部分を溶融せしめ、その後各合金粒子を室温まで冷却させ、それによって各合金粒子の溶融部分を固化させると、加熱および固化を経た各合金粒子は初期最低融点より高い上昇最低融点を示す合金粒子であることを特徴とする異方性を有する導電性接着シート。
  2. 導電性微粒子の平均粒子径は0.5μm以上50μm以下であり、導電性微粒子の粒子径分布の標準偏差は平均粒子径の50%以下であり、コアフィルムの厚さは0.5μm以上50μm以下であり、接着剤層の厚さは1μm以上50μm以下であり、孔の大きさは導電性微粒子の平均粒子径の1倍以上1.5倍以下である請求項1記載の導電性接着シート。
  3. 導電性微粒子は、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、白金、ガリウム、アンチモン、シリコン、ゲルマニウム、コバルト、タンタル、アルミニウム、マンガン、モリブデン、クロム、マグネシウム、チタン、タングステン、希土類元素から選ばれる3種以上の元素からなる合金微粒子、あるいは当該合金微粒子の表面を上記群から選ばれる1種以上の金属で薄く被覆した金属微粒子、あるいは上記金属群から選ばれる金属の単体からなる金属微粒子の表面を、該金属単体とは異種であって、上記金属群から選ばれる1種以上の金属で被覆した金属微粒子であることを特徴とする請求項1および2に記載の導電性接着シート。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の導電性接着シートにおいて、コアフィルムは接着剤層を構成する樹脂よりも20℃以上高い軟化温度を有する樹脂から形成されていることを特徴とする異方性を有する導電性接着シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性接着シートを製造する方法において、金属、セラミックスあるいは樹脂から形成された表面に所定配置で配置された凸部を有する型とシート状コアフィルムとを加熱圧着し、その後型からコアフィルムを剥離することによりコアフィルム面内に前記凸部に対応する凹部を形成し、前記フィルム面内に所定配置した凹部に導電性微粒子を入れた後、導電性微粒子を配置したコアフィルムを中央に挟んで両側に接着剤層を形成することを特徴とする導電性接着シートの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性接着シートを製造する方法において、金属、セラミックスあるいは樹脂から形成された表面に所定配置で配置された凸部を有する型の、凸部の存在する表面に、コアフィルムを形成する樹脂成分を溶解させた樹脂溶液を塗布し、溶剤成分を乾燥除去した後、コアフィルムを型から剥離する工程を経ることにより、型の凸部に対応した凹部をコアフィルム面内に形成し、前記フィルム面内に所定配置した凹部に導電性微粒子を入れた後、導電性微粒子を配置したコアフィルムを中央に挟んで両側に接着剤層を形成することを特徴とする導電性接着シートの製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性接着シートを製造する方法において、貫通していない孔を有するコアフィルムの面と反対側の面に第1の接着剤層を形成し、次いで、前記孔内に導電性微粒子を入れた後に、このコアフィルムの他方の面に第2の接着剤層を形成することを特徴とする導電性接着シートの製造方法。
  8. レーザ照射によってコアフィルムに貫通していない孔を形成する工程を含む請求項7記載の導電性接着シートの製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性接着シートを製造する方法において、シート状あるいは板状の金属、セラミックスあるいは樹脂に所定配置でかつ所定深さの貫通していない孔を形成した冶具を作製し、当該孔に導電性微粒子を入れた後、前記冶具の孔の開いた面上にコアフィルムを押し付けるあるいは加熱しながら押し付けるか、あるいはコアフィルム成分を含有する樹脂溶液を所定厚みで塗布し溶剤を乾燥し、コアフィルムを前記冶具から剥離することにより冶具に所定配置していた導電性微粒子をコアフィルムに転写した後、コアフィルムを中央に挟んで両側に接着剤層を形成することを特徴とする導電性接着シートの製造方法。
  10. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性接着シートを製造する方法において、配置する導電性微粒子より小さい吸引孔が所定の配置で形成されている吸着面を有する吸着装置を用い、この吸着装置の吸着面に導電性微粒子を吸着させた後、コアフィルムをこの吸着された導電性微粒子側から吸着面に向けて押し付けるか、あるいはコアフィルム成分を含有する樹脂溶液を所定厚みで吸着面上に塗布し溶剤を乾燥することにより、吸着面に吸着された導電性微粒子をコアフィルム内に取り込み、次いで、吸着装置による粒子の吸着を解除して前記コアフィルムを吸着面から外す工程を経た後、コアフィルムを中央に挟んで両側に接着剤層を形成することを特徴とする導電性接着シートの製造方法。
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