JP4109493B2 - 画像形成装置および中央管理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像形成装置管理システム(画像形成装置サービスシステム)を構成するデジタル複写機,ファクシミリ装置,プリンタ等の画像形成装置およびその画像形成装置を通信回線を介して遠隔管理する中央管理装置に関し、特に画像形成装置の画像形成に係わる部品あるいは消耗品(サプライ)の発注に係わる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機,ファクシミリ装置,プリンタ等の画像形成装置が多用されているが、これらには画像形成に関わる用紙(転写紙)やトナーなどの消耗品の補給又は交換を必要とする。その消耗品は、必要に応じて使用者が自ら発注する必要がある。一般に、トナーはトナーボトルに収容されており、トナー消費量が予め設定された閾値を越えた時(トナー残量が予め設定された閾値に達した時)に、その旨を示す警告情報が操作表示部上に表示されるため、使用者(ユーザ)はその表示を見てトナーボトルを交換するようにしている。また、用紙は給紙カセット(給紙トレイ)に収納されており、用紙消費量(用紙消費枚数)が予め設定された閾値を越えた時(用紙残量が予め設定された閾値に達した時)又は用紙がなくなった時に、その旨を示す警告情報が操作表示部上に表示されるため、使用者はその表示を見て用紙束を給紙カセットに補給するようにしている。このように、消耗品については、その種類によって消耗品の交換又は補給というが、説明の都合上、消耗品の補給を消耗品の交換ともいう。
【0003】
一方、画像形成に係わる特定の部品(ユニットを含むものとする)によっては、その部品に異常が発生した時やその部品が寿命に達した時に、使用者が自らその部品を発注して交換する必要がある。
それらの交換用の部品又は消耗品を発注する際には、電話やFAX(ファクシミリ装置)で必要な部品や消耗品の品名,数量等の発注内容を発注先に連絡して注文していた。そのため、取扱説明書に記載されている仕様(又は型番)を調べる作業や、発注先の電話番号を確認するなどの作業が必要であった。
また、例えばトナーと言っても、画像形成装置の種類によって専用のものが指定されており、万一間違ったものを発注してしまった場合、発注元および発注先の双方に無駄な作業が発生してしまうという不都合があった。
そこで、上述のような不都合を解消するために、例えば消耗品の残量(消費量)を検出し、その検出結果に基づいて消耗品を自動的に発注するようにした画像形成装置が提案されている(例えば特開平10−301451号公報および特開2001−331069号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような自動発注を行う画像形成装置では、消耗品の残量等を万一誤検出した場合でも、それを認識できずに、重複発注などの誤発注を行ってしまう可能性があり、不必要に在庫を抱えてしまうことがあった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、上記のような画像形成装置において、交換が必要な部品あるいは消耗品のみを正確且つ確実に自動発注できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するため、次の画像形成装置および中央管理装置を提供する。
請求項1の発明による画像形成装置は、中央管理装置と通信回線を介して通信する通信手段を有する画像形成装置であって、当該画像形成装置あるいは該装置を購入した顧客に関する固有情報を記憶する固有情報記憶手段と、画像形成に係わる部品に異常が発生した時,該部品が寿命に達した時,あるいは画像形成に係わる消耗品の消費量が予め設定された閾値を越えた時に、上記部品あるいは上記消耗品の交換を促す警告を発生する交換警告手段と、交換用の部品あるいは消耗品の発注内容を入力させるための発注内容入力手段と、該発注内容入力手段によって交換用の部品あるいは消耗品の発注内容が入力された場合に、その発注内容を上記固有情報記憶手段に記憶されている固有情報と共に上記通信手段により上記中央管理装置へ送信させる発注内容送信手段と、上記交換警告手段によって上記警告が発生した場合にのみ、上記発注内容入力手段を有効にする発注入力有効化手段と、上記発注内容入力手段による前回の発注内容入力時点と今回の発注内容入力時点との間隔である発注間隔を算出する発注間隔算出手段と、上記発注入力有効化手段によって上記発注内容入力手段が有効になった場合に、上記発注間隔算出手段によって算出された発注間隔が予め設定された所定値内かどうかをチェックする発注間隔チェック手段と、該発注間隔チェック手段によって算出された発注間隔が上記所定値内であると判断した場合に、重複発注になる可能性があることを示す警告を発生する重複発注警告手段とを設けたものである。
【0008】
請求項2の発明による画像形成装置は、請求項1の画像形成装置において、上記発注間隔算出手段を、上記発注内容入力手段による前回の発注内容入力時点から今回の発注内容入力時点までの経過時間を算出する手段としたものである。
請求項3の発明による画像形成装置は、請求項1の画像形成装置において、上記発注間隔算出手段を、上記発注内容入力手段による前回の発注内容入力時点から今回の発注内容入力時点までの画像形成枚数を算出する手段としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図2は、この発明による画像形成装置管理システムを構成する画像形成装置の一実施形態であるデジタル複写機の機構部の一例を示す概略構成図である。
このデジタル複写機は、複写機本体の上部に自動原稿給送装置(以下「ADF」という)1を搭載し、側部に後処理装置であるフィニシャ100を接続している。複写機本体の手前側上面には、図3に示す操作表示部30を備えている。
【0014】
まず、このデジタル複写機によるコピー動作(複写動作)について説明する。
このデジタル複写機において、ADF1の原稿台2に画像面を上にして置かれた原稿束は、コピーモード時に操作表示部30上のプリントキー(スタートキー)34が押下されると、一番下の原稿から1枚ずつ順次給送ローラ3および給送ベルト4によってコンタクトガラス6上に給送され、所定の位置にセットされる。そのセットされた原稿は、画像読取手段であるスキャナ(読み取りユニット)50によって画像が読み取られ、その読み取りが終了した後、給送ベルト4および排送ローラ5によって排出される。
【0015】
ここで、1枚の原稿画像の読み取りが終了する毎に、原稿セット検知センサ7にて原稿台2上に次の原稿があるかないかを検知し、あればその原稿を前の原稿と同様にコンタクトガラス6上に給送し、以後上述と同様の動作を行う。
なお、給送ローラ3,給送ベルト4,排送ローラ5は図示しない共通のモータによって駆動される。
【0016】
第1給紙トレイ8,第2給紙トレイ9,第3給紙トレイ10に積載された転写紙(用紙)は、それぞれ第1給紙装置11,第2給紙装置12,第3給紙装置13によって給紙され、縦搬送ユニット14によって感光体ドラム15に当接する位置まで搬送される。実際には、各給紙トレイ8〜10のうちのいずれか1つが選択され、そこから転写紙が給紙される。
スキャナ50による原稿画像の読み取りによって入力された画像データ(画像情報)はそのまま、あるいは画像記憶手段を構成する図5の画像メモリ66に一旦記憶させた後、画像印刷手段(画像形成手段)を構成するプリンタ80内の書き込みユニット57に送られ、その書き込みユニット57によりレーザビームとして感光体ドラム15の予め帯電された面(図示しない帯電器によって帯電される)上に書き込まれ、その部分が現像ユニット27を通過することにより、そこにトナー画像が形成される。
【0017】
そして、選択された給紙トレイから給紙された転写紙は感光体ドラム15の回転と等速で搬送ベルト(転写ベルト)16によって搬送されながら、一方の面に感光体ドラム15上のトナー画像が転写され、そのトナー画像が定着ユニット17によって熱定着される。
その後、その転写紙は片面コピーモード時には排紙ユニット18によって後処理装置であるフィニシャ100に搬送される。
このとき、例えばフェースダウン(転写紙をページ順に揃えるため画像面を下向きにする)排紙のために、一方の面にトナー画像が形成された転写紙を反転したい場合、その転写紙は排紙ユニット18により両面入紙搬送路113に搬送され、反転ユニット112でスイッチバック反転された後、反転排紙搬送路114を通ってフィニシャ100に搬送される。
【0018】
フィニシャ100では、複写機本体から送られてくる一方の面にトナー画像が形成された転写紙、つまり片面コピー済みの転写紙は、分岐偏向板101によりスタッカ搬送ローラ(通常排紙ローラ)102側又はステープラ搬送ローラ105側へ選択的に導かれる。
すなわち、分岐偏向板101が上向きに切り替えられている場合には、複写機本体からの転写紙をスタッカ搬送ローラ102およびスタッカ排紙ローラ103を経由してスタッカトレイ(通常排紙トレイ)104に排出することができる。スタッカトレイ104は前後方向に移動可能な排紙トレイであり、原稿毎あるいは画像メモリ66を用いてソーティングされたコピー部毎に前後に移動し、排出される転写紙(コピー紙)を簡易的に仕分けするものである。
【0019】
分岐偏向板101が下向きに切り替えられている場合には、複写機本体から送られてくる片面コピー済みの転写紙をステープラ搬送ローラ105およびステープラ排紙ローラ107を経由してステープルトレイ108に排出することができる。
ステープルトレイ108上では、転写紙が1枚排出される毎に、その端部揃え用のジョガー(落下ストッパ)109によって揃えられ、1部のコピー完了によりステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙群は、自重によってステープル完了排紙トレイ(落下トレイ)110に落下して、そこに収納される。
【0020】
一方、両面コピーモード時には、一方の面にトナー画像が形成された転写紙(片面コピー済みの転写紙)は排紙ユニット18により両面入紙搬送路113に搬送され、反転ユニット112でスイッチバック反転された後、両面搬送ユニット111に送られる。
両面搬送ユニット111に送られた転写紙は、再び感光体ドラム15に作像されたトナー画像を転写するために、両面搬送ユニット111から再給紙され、再度縦搬送ユニット14によって感光体ドラム15に当接する位置まで搬送されて、他方の面にトナー画像が転写された後、定着ユニット17によってトナー画像が定着され、排紙ユニット18によってフィニシャ100に搬送され、以後上述と同様の動作が行われる。
【0021】
なお、感光体ドラム15,搬送ベルト16,定着ユニット17,排紙ユニット18,現像ユニット27は図示しないメインモータによって駆動され、各給紙装置11〜13はメインモータの駆動が各々給紙クラッチにより伝達されて駆動される。縦搬送ユニット14は、メインモータの駆動が中間クラッチによって伝達されて駆動される。また、上述した書き込みユニット57を含む画像形成処理用の各部が図5のプリンタ80を構成している。
【0022】
図3は、このデジタル複写機の複写機本体に設けられた操作表示部30の構成例を示すレイアウト図である。
この操作表示部30は、液晶タッチパネル31,テンキー32,クリア/ストップキー33,プリントキー34,モードクリアキー35,および初期設定キー36を備えている。
液晶タッチパネル31は、液晶ディスプレイの表面にタッチパネルを備えており、各種機能キーや部数、機械の状態を示すメッセージ、および画像形成に係わる交換用の部品あるいは消耗品の発注内容を入力させるための情報やキーなどを表示することができる。よって、液晶タッチパネル31は、発注内容入力手段としての機能を果たす。
【0023】
テンキー32は、印刷部数(コピー枚数)や倍率等の数値を入力するためのキーである。
クリア/ストップキー33は、置数(印刷部数)をクリアしたり、実行中の動作(読み取り動作又は印刷動作)をストップさせたりするためのキーである。
プリントキー34は、コピー動作の開始を指示するためのキーである。
モードクリアキー35は、設定した全てのモードの内容を取り消すためのキーである。
初期設定キー36は、機械の初期状態を任意にカスタマイズする際に使用するキーであり、この実施形態ではそのキーの押下によって液晶タッチパネル31に初期設定メニュー画面を表示することができる。
【0024】
図4は、液晶タッチパネル31に電源投入時に表示される操作画面の一例を示す図である。
オペレータ(ユーザ)が、液晶タッチパネル31に表示されている操作画面中のいずれかの機能キーにタッチすることにより、その機能キーの枠内に表示されている機能(モード)が選択され、その白黒表示が反転する(図4では斜線を施して示す)。
また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えば変倍であれば変倍値等)は、その機能キーにタッチすることにより、詳細な機能の設定用操作画面が表示される。
液晶タッチパネル31は、ドット表示器を使用しているため、その時の最適な表示をグラフィカルに行うことが可能である。
【0025】
図4に示す操作画面において、左上側には「コピーできます」「お待ちください」等のメッセージを表示するためのメッセージエリアが設けられており、その右側に、セットされたコピー枚数(印刷部数)を表示するためのコピー枚数表示部が、メッセージエリアの下側に、画像濃度の自動調整を指定(設定)するための自動濃度キー[自動濃度]、転写紙の自動選択を指定するための自動用紙選択キー[自動用紙選択]、コピー倍率として等倍を指定するための等倍キー[等倍]が並んで表示されている。
【0026】
さらに、下から2段目に右側から、コピー(コピー済み転写紙)を一部ずつページ順にそろえる処理を指定するためのソートキー[ソート]、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するためのスタックキー[スタック]、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するためのステープルキー[ステープル]が並んで表示されている。
そして、1番下に右側から、コピー倍率として拡大/縮小倍率を指定するための変倍キー[変倍]、原稿の表裏面の各画像又は2枚の原稿の各画像を転写紙の表裏両面にコピーする両面モードあるいは原稿の表裏面の各画像を2枚の転写紙に分割してコピーする分割モードを指定するための両面/分割キー[両面/分割]、複数枚(複数ページ)の原稿の画像を1枚の転写紙に集約してコピーする集約コピーモードを指定するための集約キー[集約]、スタンプや日付やページ等の印字を指定するための印字キー[印字]がそれぞれ表示されている。
【0027】
次に、図2を用い、スキャナ50によって原稿の画像を読み取り、その画像データに対応する静電潜像を感光体ドラム15の表面に形成するまでの動作を説明する。なお、静電潜像とは感光体ドラム15の表面(帯電器によって帯電された面)に画像データをレーザビームによって書き込むことにより生じる電位分布のことである。
【0028】
スキャナ50は、原稿を載置するコンタクトガラス6と光学走査系とによって構成されており、光学走査系は露光ランプ51,第1ミラー52,レンズ53,CCDイメージセンサ54等で構成されている。
露光ランプ51および第1ミラー52は図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー55および第3ミラー56は図示しない第2キャリッジ上に固定されている。
原稿の画像を読み取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジと第2キャリッジとが2対1の相対速度で機械的に走査される。
光学走査系は、図示しないスキャナ駆動モータを含む駆動部によって駆動される。
【0029】
スキャナ50は、原稿の画像を光学的に読み取って電気信号に変換する(原稿の画像データを読み取る)。すなわち、光学走査系の露光ランプ51によって原稿の画像面を照明し、その画像面からの反射光像を第1ミラー52,第2ミラー55,第3ミラー56,レンズ53を介してCCDイメージセンサ54の受光面に結像させ、そのCCDイメージセンサ54によって電気信号に変換する。
このとき、レンズ53およびCCDイメージセンサ54を図2の左右方向に移動させることにより、原稿の給送方向の画像読み取り倍率が変わる。つまり、予め指定(設定)されたコピー倍率に対応してレンズ53およびCCDイメージセンサ54の左右方向の位置が設定される。
【0030】
書き込みユニット57は、レーザ出力ユニット58,結像レンズ59,ミラー60等で構成され、レーザ出力ユニット58の内部にはレーザ光源であるレーザダイオードおよびモータによって高速で定速回転するポリゴンミラー(回転多面鏡)を備えている。
レーザ出力ユニット58より照射されるレーザビームは、定速回転するポリゴンミラーで偏向され、結像レンズ59を通り、ミラー60で折り返され、感光体ドラム15の帯電面に集光されて結像される。
【0031】
すなわち、ポリゴンミラーで偏向されたレーザビームは感光体ドラム15が回転する方向と直交する方向(主走査方向)に露光走査され、図5に示す画像処理ユニットより出力される画像データ(画像信号)のライン単位の書き込みを行う。感光体ドラム15の回転速度と走査密度(記録密度)に対応する所定の周期で主走査を繰り返すことにより、感光体ドラム15の帯電面に静電潜像(静電画像)が形成される。
なお、感光体ドラム15上を走査する直前のレーザビームは図示しない同期検知センサによって検知される。そして、図示しないレーザ書込制御部が同期検知センサから出力される主走査同期信号を用い、1走査毎にレーザダイオードの点灯開始タイミングおよび画像データの入出力を行うための制御信号の生成を行う。
【0032】
図5は、このデジタル複写機における画像処理ユニット(IPU)の構成例を示すブロック図である。
原稿面からの反射光像(画像)はCCDイメージセンサ54によって受光され、電気信号としての画像データに変換され(光電変換され)、更にA/Dコンバータ61によってアナログ値からデジタル値(2値又は多値のデジタル信号)に変換され、量子化される。デジタル値に変換された画像データは、シェーディング補正部62によってシェーディング補正がなされた後、画像処理部63によってMTF補正およびγ補正等の画像処理がなされる。
【0033】
なお、シェーディング補正とは、原稿面を照明する露光ランプ51(光源)の照明ムラや、CCDイメージセンサ54の感度のバラツキを補正することである。MTF補正とは光学系によるボケを補正することであり、γ補正とはCCDイメージセンサ54の感度の非直線性を補正することである。
【0034】
セレクタ64は、画像データの送り先を切り替えるものであり、画像処理部63からの画像データを変倍部71又はメモリコントローラ65へ選択的に送出する。セレクタ64とメモリコントローラ65との間は、双方向に画像データを入出力可能な構成となっている。
変倍部71は、セレクタ64からの画像データを予め設定された変倍率(コピー倍率)に合わせて変倍処理(拡大処理又は縮小処理)し、プリンタ80の書き込みユニット57へ出力する。ここでの変倍率は、原稿の幅方向(原稿の給送方向と直交する方向)の変倍率となる。なお、この変倍部71が、原稿の幅方向と給送方向の変倍率に合わせてセレクタ64からの画像データ(スキャナ50側から入力される画像データ)を変倍することもできる。
【0035】
CPU68は中央処理装置であり、メモリコントローラ65によって画像メモリ66に対する画像データの書き込みおよび読み出しを行わせたり、スキャナ50および書き込みユニット57の制御を行うなど、このデジタル複写機全体を統括的に制御する。
ROM69は読み出し専用のメモリであり、CPU68を動作させるための制御プログラムを含む各種固定データを記憶している。
RAM70は読み書き可能なメモリであり、固有情報,仕様情報,履歴情報を含む各種情報を記憶する。このRAM70は、図示しない電池によってバックアップされている。
【0036】
固有情報としては、このデジタル複写機およびそれを購入した顧客に関する固有情報、つまりこのデジタル複写機を識別する情報(機種機番,製造番号等)、このデジタル複写機を購入した顧客先を識別する情報(顧客名,顧客ID等)、このデジタル複写機の納入年月日,納入場所(画像形成に係わる部品又は消耗品の配送先)、このデジタル複写機を購入した顧客先の連絡先(住所,電話番号等)、このデジタル複写機の管理担当者名がある。
仕様情報としては、このデジタル複写機の画像形成に係わる各種部品および消耗品の仕様情報(品種,品番,型番等を含むものとする)がある。
履歴情報としては、このデジタル複写機で過去に発生した異常の内容を示す異常履歴情報や、交換用の部品又は消耗品の発注年月日を含む過去に送信した交換用の部品又は消耗品の発注内容(送信済みの過去の発注内容)を示す発注履歴情報がある。
【0037】
I/Oポート75は、操作表示部30等とのデータの入出力を制御するものである。
SCSIコントローラ(SCSIドライバ)76は、他のデジタル複写機あるいはパーソナルコンピュータ等の端末装置(ホスト)と通信する通信手段であり、スキャナ50から入力される画像データを直接又はLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等のネットワーク経由で他のデジタル複写機又は端末装置へ送信したり、あるいは他のデジタル複写機又は端末装置から直接又はネットワーク経由で送られてくる画像データを受信することができる。なお、SCSIコントローラ76以外の通信手段を設け、他のデジタル複写機又は端末装置と通信可能にすることもできる。
【0038】
印字ユニット74は、CPUバスに接続され、ページ印字用のキャラクタ(文字)イメージデータ,任意のスタンプ用イメージデータ等の印字イメージデータを発生する。
この印字ユニット74で発生された印字イメージデータは、印字合成部72,73に入力され、画像処理部63又はメモリコントローラ65からの画像データに任意の印字イメージデータを合成することができる。
なお、この画像処理ユニットには、後述する中央管理装置やファクシミリ装置等の外部装置と公衆回線等の通信回線を介して通信する通信手段としての機能も備えている。その機能は、画像処理ユニットが単独で実現するようにしてもよいが、後述する通信コントロール装置とによって実現するようにしてもよい。
【0039】
ここで、この画像処理ユニット内のCPU68,ROM69,RAM70を含む各部および操作表示部30が、この発明による機能(固有情報記憶手段,交換警告手段,発注内容送信手段,発注入力有効化手段,発注履歴記憶手段,発注履歴報知手段,発注間隔算出手段,発注間隔チェック手段,重複発注警告手段,仕様情報記憶手段,仕様情報更新手段,応答情報報知手段としての機能)を実現することができる。
【0040】
次に、図6を用いて、セレクタ64における1ページ分の画像データおよび制御信号について説明する。
図6は、セレクタ64における1ページ分の画像データおよび制御信号の一例を示すタイミング図である。
/FGATE(「/」はローアクティブを示す)はフレームゲート信号であり、1ページの画像データの副走査方向の有効期間を表わしている。
/LSYNCは1ライン毎の主走査同期信号であり、この信号が立ち上がった後の所定クロックで画像データが有効となる。
【0041】
/LGATEはラインゲート信号であり、画像データの主走査方向の有効期間を示す。
これらの信号は、画素クロック信号VCLKに同期しており、その1周期に対して1画素のデータが送られてくる。
画像処理ユニット(IPU)は、画像データの入力および出力に対してそれぞれ別個の/FGATE,/LSYNC,/LGATE,VCLKの発生回路を有しており、読み取った画像データの直接出力を行う場合などの位相調整等を行うことより、様々な画像データの入出力の組み合わせが実現可能になる。
【0042】
図7は、メモリコントローラ65および画像メモリ66の構成例を示すブロック図である。なお、この図ではアドレスバスの図示を省略している。
メモリコントローラ65は、入力データセレクタ81,画像合成部82,1次圧縮/伸長部83,出力データセレクタ84,および2次圧縮/伸長部85を設けている。それらへの制御データの設定はCPU68より行われる。
画像メモリ66は、1次記憶装置86および2次記憶装置87からなる。
1次記憶装置86には、画像データ入力時のメモリの指定した領域へのデータ書き込み、または画像データ出力時のメモリの指定した領域からのデータ読み出しが、画像データ入力又は出力時に要求されるデータ転送速度に略同期して行えるように、例えばDRAM等の高速アクセスが可能なメモリを使用する。
【0043】
また、1次記憶装置86は、処理を行う画像データの大きさにより、複数のエリアに分割して画像データの入出力を同時に実行可能な回路(メモリコントローラ65とのインタフェース部)を有している。
すなわち、各分割エリアに対する画像データの入力(書き込み)および出力(読み出し)をそれぞれ並行して行えるように、メモリコントローラ65との間に書き込み用と読み出し用の2組のアドレスバスおよびデータバスからなるインタフェース部を接続している。それによって、一方の分割エリアに画像データを書き込む動作と他方の分割エリア内の画像データを読み出す動作とを並行して行うことができる。
【0044】
2次記憶装置87は、スキャナ50から入力される画像データや他のデジタル複写機又は端末装置から送られてくる(入力される)画像データを順次蓄積して、これらの画像データの合成,ソーティング,並べ換え等の処理を行うための大容量メモリである。
ここで、1次記憶装置86,2次記憶装置87とも高速アクセス可能な記憶媒体(メモリ)を使用すれば、その各記憶装置の区別なくデータの処理を行え、制御も比較的簡単になる。
【0045】
ところが、DRAM等のメモリは高価なため、この実施形態では2次記憶装置87にはアクセス速度はそれほど速くないが、安価で大容量の記憶媒体(例えばハードディスク装置や光ディスク装置)を使用し、入出力データの処理を1次記憶装置86を介して行うようにしている。このような構成により、大量の画像データの入出力,保存,加工等の処理が可能なデジタル複写機を安価で且つ比較的簡単な構成で実現することが可能になる。
【0046】
次に、メモリコントローラ65の動作例を説明する。
<1>画像データの入力(画像メモリ66への保存)
入力データセレクタ81は、スキャナ50から入力される画像データや他のデジタル複写機又は端末装置から送られてくる画像データのうち、画像メモリ66(1次記憶装置86)への書き込みを行う画像データの選択を行う。
入力データセレクタ81によって選択された画像データは画像合成部82に供給され、そこで必要に応じて既に画像メモリ66に記憶されている画像データと合成された後、1次圧縮/伸長部83によって圧縮(可変長圧縮)処理が行われ、1次記憶装置86に書き込まれる。1次記憶装置86に書き込まれた画像データは、必要に応じて2次圧縮/伸長部85によって更に圧縮処理が行われた後、2次記憶装置87に書き込まれて保存される。
【0047】
<2>画像データの出力(画像メモリ66からの読み出し)
出力対象画像データとして指定された画像データが1次記憶装置86に記憶されている場合は、その画像データが読み出された後、1次圧縮/伸長部83によって伸長処理が行われ、伸長後の画像データ、もしくはその画像データとスキャナ50から入力される画像データや他のデジタル複写機又は端末装置から送られてくる画像データとの合成処理が行われた後の画像データが出力データセレクタ84により選択され、出力される。
【0048】
画像合成部82は、1次記憶装置86から入力される画像データと、スキャナ50から入力される画像データや他のデジタル複写機又は端末装置から送られてくる画像データとの合成(画像データの位相調整機能を有する)、合成後の画像データの出力先の選択(画像データの出力,1次記憶装置86へのライトバック,両方の出力先への同時出力等)等の処理を行う。
出力対象画像データとして指定された画像データが1次記憶装置86にではなく2次記憶装置87に記憶されている場合は、その画像データが読み出された後、2次圧縮/伸長部85により伸長処理が行われ、その伸長後の画像データが一旦1次記憶装置86に書き込まれ、以後上述と同様の出力動作が行われる。
【0049】
ここで、このように構成されたデジタル複写機において、「動作予約」とは、図2に示したような定着ユニットの加熱中などの時はコピー動作を開始できないが、モード設定および原稿のセットを終了させて予約することにより、定着ユニットが加熱終了後、コピー動作可能になった時点で自動的にコピー動作を開始する機能のことである。
このようなデジタル複写機では、定着ユニットの加熱中を動作予約可能対象としているが、これ以外にも時間の経過とともに動作可能になるものについては、対象にすることができる。大量給紙装置における給紙トレイの上昇時間、書き込み装置におけるポリゴンモータの回転が安定するまでの時間、現像ユニットへのトナー補給動作中などが考えられる。
【0050】
図8および図9は、この発明を実施する他の画像形成装置(デジタル複写機)のハード構成図である。これらの画像形成装置は、画像読み取り部A(図2に示したスキャナ50および図5に示した画像処理ユニット中のA/Dコンバータ61を含む画像処理に直接係わる部分に相当する)、画像書き込み部B(図5のプリンタ80に相当する)、システムコントローラC(図5に示した画像処理ユニット中のCPU68,ROM69,RAM70,I/Oポート75に相当する)、メモリユニットD(図5のメモリコントローラ65および画像メモリ66に相当する)、利用者制限器機E、人体検知センサF、操作部(図3に示した操作表示部30に相当する)G、遠隔診断装置(CSS)H、および時計Iから構成されている。
【0051】
ここで、メモリユニットDはメモリ機能を実現する場合にのみ必要であり、通常のコピー機能を実現することだけを考えれば必要ではない。
時計Iは、ある特定の時間になったら装置をブートしたり、シャットダウンするようなウィークリタイマ機能を実現する場合にのみ必要である。
人体検知センサFは、予熱モード時にこの画像形成装置の前にユーザが近づいてきたときに、自動的に予熱モードを解除する機能を実現する場合にのみ必要である。
【0052】
遠隔診断装置(CSS)Hは、遠隔診断、つまり機械内で異常事象又は異常事前事象等の通報要因が発生した場合に、その通報要因を遠隔地のサービスセンタ(顧客情報管理センタ)の中央管理装置へ通報したり、機械の実行状態や使用状態を中央管理装置からモニタ(監視)する際に必要な通信機能(中央管理装置およびファクシミリ装置を含む外部装置と通信回線を介して通信する通信手段としての機能を有する)であるため、このような機能が必要な場合のみ装着されればよい。しかし、これを設けない場合でも、外部装置と通信回線を介して通信する通信手段としての機能は備える必要がある。
さらにまた、図示は省略するが、他のデジタル複写機や端末装置と通信する通信手段(図5のSCSIコントローラ76に相当する)としての機能も備えるが、それらの機能をメモリユニットDに備えるようにしてもよい。
【0053】
システムコントローラCは、コピーモード(複写モード)を実行する上で、画像書き込み部Bで印刷(画像形成)を行うために、紙搬送処理、電子写真プロセス処理、異常状態や給紙カセット状態(転写紙の有無の検知など)等の監視を行い、また画像読み取り部Aで原稿の画像を読み取るために、スキャナ動作や光源のON/OFFなどを制御するコントローラの総称である。
デジタル複写機(デジタルPPC)の大きな特徴に、原稿の画像を電気信号に変換して画像データとして読み込み、その画像データを画像書き込み部Bで復元することである。
このとき、読み込んだ画像データを様々に変化させて伝達する手段を持つことによって、従来のアナログ複写機では実現できなかった分野に応用できるようになった。
【0054】
例えば、FAX,ページプリンタ,スキャナ,ファイルシステムなどの機能を実現できるほか、最近ではコピー機能の実行時においても、読み取った画像データを一旦DRAMなどの記憶装置に記憶させ、必要に応じてその画素データを読み出すことによって、1回のスキャンで複数枚の印刷(プリント)を実行したり、複数枚の原稿の画像を1枚の転写紙に印刷したりすることも実現されている。
これらのデジタル複写機ならでは実現できる機能を「拡張機能」あるいは「アプリ」と表現する。
【0055】
さらに、最近のデジタル複写機では拡張機能を1つ搭載するだけではなく、複数のアプリケーションを同時に搭載するようになってきた。このように、1つの資源を共有するデジタル複写機を「システム」と表現し、このシステムを制御するコントローラを「システムコントローラ」と呼ぶ。
予熱とは、定着温度を一定温度(例えば10℃)下げて制御し、操作部Gの表示を消すことにより、消費電力を節約するモードである。このモードの設定は、操作部Gでのキー入力や、設定によっては動作および操作がなくなってから一定時間経過後に自動的になされる。このモードの解除は、操作部Gでのキー入力や、設定によっては人体検知センサFにより装置の前に人が立ったことを検知したときに解除される。
【0056】
図8および図9中のメモリユニットD内のDRAMブロックは、画像読み取り部Aで読み取った画像データを記憶するためのもので、システムコントローラCからの要求に応じて、画像書き込み部Bに保存されている画像データを転送することができる。
メモリユニットD内の圧縮ブロックは、MH,MR,MMR方式などの圧縮機能を具備しており、一旦読み取った画像データを圧縮して、メモリ(DRAM)の使用効率の向上を図るために設けている。また、画像書き込み部Bからの読み出しアドレスとその方向を変えることにより、画像データの回転を実現できる。
【0057】
利用者制限器機Eは、電子写真プロセスを使用している複写機は消耗品の消費量が多いため、利用者を特定あるいは限定したり、利用者毎あるいは利用部署毎に転写紙の使用枚数を管理したりするために設けられるものであり、「コインラック」,「キーカウンタ」,「キーカード」,「プリペイドカード」等を使用するものや、暗証コードを使用するものなどがある。
図8のハード構成では、画像読み取り部A,画像書き込み部B,メモリユニットD,および遠隔診断装置Hの制御は、システムコントローラC内のCPUのみで行っている。
一方、図9のハード構成では、画像読み取り部A、画像書き込み部B、およびメモリユニットDにそれぞれCPUを持たせ、システムコントローラCから各部のCPUへのコマンドを制御信号線で伝達するようにしている。このように、この発明を実施する画像形成装置のハード構成は自由にできる。
【0058】
図10は、遠隔診断装置(CSS)を用いた画像形成装置管理システムの構成例を示している。サービスセンタに設置されている中央管理装置(以下「管理装置」ともいう)Qとユーザの元に設置されているデジタル複写機(PPC)等の複数の画像形成装置Pによるネットワークシステムとを公衆回線網(他の通信回線でもよい)Nを介して接続している。ユーザ側には管理装置Qとの通信を制御するための通信コントロール装置Rが設置されており、ユーザ元の各画像形成装置Pはこの通信コントロール装置Rに接続されている。
【0059】
通信コントロール装置Rには、電話機TELやファクシミリ装置FAXが接続可能になっており、ユーザの既存の回線に挿入する形で設置が可能になっている。通信コントロール装置Rには複数の画像形成装置Pが接続可能になっているが、もちろん単数の場合もある。これらの画像形成装置Pは同型のものである必要はなく、異なる機種でも構わない。さらには、デジタルPPC以外のものでも構わない。ここでは説明の便宜上、1台の通信コントロール装置Rには最大5台の画像形成装置Pが接続可能であるとする。
【0060】
通信コントロール装置Rと複数の画像形成装置Pとは、ここではRS−485規格によるマルチドロップ接続によってネットワーク化しているが、SCSI等の各種インタフェース(総称して「ネットワークインタフェース」という)によるマルチドロップ接続又はバス接続等の各種接続によってネットワーク化することが可能である。
通信コントロール装置Rと各画像形成装置Pとの間の通信制御は、基本型データ伝送制御手段により行われる。通信コントロール装置Rを制御局としたセントラライズド制御のポーリング/セレクティング方式でデータリンクの確立を行うことにより、任意の画像形成装置との通信が可能になっている。各画像形成装置Pはアドレス設定スイッチによって固有の識別値を設定できるようになっており、これによって各画像形成装置Pのポーリングアドレス、セレクティングアドレスが決定される。
【0061】
この画像形成装置管理システムを利用して、管理装置Qに画像形成に係わる(必要な)部品や消耗品(サプライ)の受注機能を持たせ、各画像形成装置Pの操作表示部から画像形成に係わる部品や消耗品の発注内容を入力し、その発注内容を通信コントロール装置Rおよび公衆回線網Nを通して、画像形成に係わる部品や消耗品の受注センタを兼ねたサービスセンタの管理装置Qへ送信できるようにすることにより、この発明を簡単に実施することができる。なお、各顧客先の画像形成装置Pを地区別に管轄し、その通報情報に対する処置を行うサービスマンを派遣するサービスステーション(サービス拠点)が、実際には受注センタを兼ねているが、説明の都合上、サービスセンタが受注センタを兼ねることとしている。各顧客先の通信コントロール装置Rとサービスセンタの管理装置Qとサービスステーションのパーソナルコンピュータ等の端末装置とは公衆回線等の通信回線を介して通信可能にしている。
【0062】
図11は、この発明を実施する画像形成装置ネットワークシステムの一例であるネットワークコピーのシステム構成例を示したものである。同図では8台のデジタル複写機を、ネットワークインタフェースによって接続してネットワーク化しているが、当然接続するデジタル複写機の台数は限定する必要はない。このネットワークを図10に示した画像形成装置管理システムの場合と同様に、通信コントロール装置を介して公衆回線網に接続することができる。あるいは、各デジタル複写機を直接公衆回線網に接続することもできる。この場合、各デジタル複写機の内部に通信コントロール装置としての機能を備える必要がある。
【0063】
次に、図12を用いて、この発明を実現するためのハード構成例についてさらに説明する。
この図12に示す各デジタルPPC(デジタル複写機)−I,IIのハード構成は、図8に示したものと略同様な構成をとっており、図8の各部の同一の符号を付してその説明は省略する。但し、各デジタルPPCのメモリユニットD内には、読み取った画像データを外部のネットワーク上に転送し、あるいはネットワーク上からの画像データをメモリユニット内のDRAMブロック部に保存するために、それぞれSCSIコントローラを設け、それをネットワーク手段としてのSCSIで接続している。
【0064】
当然のことながらネットワーク通信手段には、例えばイーサネット(登録商標)を物理手段として用い、データ通信にOSI(Open System Interface)参照モデルのTCP/IP通信を用いるなど、種々の手段が考えられる。また、図12のような構成を用いることにより、上述のように画像データの転送は勿論のこと、ネットワーク上に存在する各デジタルPPCの機内状態の通知、あるいは後述するリモート出力コマンドのような制御コマンドや設定コマンドなどの転送も行える。
【0065】
次に、この図12のデジタルPPC−Iの画像読み取り部Aで読み取った画像を、デジタルPPC−IIの画像書き込み部Bに転送する連結動作(リモート出力)について説明する。
図13は、そのソフトウェアの概念図である。図13中に示す「コピーアプリ」はコピー動作を実行するためのコピーシーケンスを実行するアプリケーション、「入出力制御」はデータを論理/物理変換するレイア(デバイスドライバ)である。
【0066】
操作部コントローラは、MMI(Man Machine Interface)を実行するレイア(LCD表示やLED点灯/消灯、キー入力スキャンなどを論理レベルで行うレイア)であり、「周辺機コントローラ」は自動両面ユニットやソータ、ADFなどのデジタルPPCに装着される周辺機のコントロールを論理レベルで実行するレイアである。「画像形成装置コントローラ」,「画像読取装置コントローラ」,「メモリユニット」は前述の通りである。
【0067】
また、「デーモンプロセス」は、ネットワーク上にある他の装置からプリント要求が依頼された場合に、メモリユニット内に保存されている画像データ読み出し、「画像形成装置」に画像データを転送する役目を行うアプリケーションとして存在している。当然のことながら、「デーモンプロセス」がメモリユニットから画像データを読み出し、プリント動作(印刷動作)を実行する前に、ネットワーク上の他の装置からの画像データの転送は終了しておかなければならない。
【0068】
ここで、操作部,周辺機,画像形成装置,画像読取装置,メモリユニットは、それぞれのデジタルPPCが保有するリソース(資源)として扱われる。
図12の「デジタルPPC−I」が自身の各リソースを使用して複写動作(コピー動作)を実行する場合(プリントスタートキー押下時)には、システム制御を実行する「システムコントローラ」に対して、「画像形成装置」,「画像読取装置」,あるいは必要に応じて「周辺機」,「メモリユニット」の各リソースを要求する。
【0069】
「システムコントローラ」は「コピーアプリ」からの要求に対して、リソースの使用権の調停を行い、「コピーアプリ」にその調停結果(使用可否)を通知する。「デジタルPPC−I」がスタンドアローンで使用される場合(ネットワーク接続されない状態)には、システムが保有するすべてのリソースはすべて「コピーアプリ」が占有可能な状態であるため、即時に複写動作(画像形成動作)が実行される。
【0070】
一方、この実施形態のようにネットワーク上に存在する別のデジタルPPC(以下「遠隔デジタルPPC」ともいう)のリソースを使用してプリント動作を実行する場合には、遠隔デジタルPPCの「システム制御部」に対してリソースの使用権を要求する。
遠隔デジタルPPCの「システムコントローラ」は、要求に従ってリソースの調停を行い、その結果を要求元のデジタルPPCの「コピーアプリ」に通知する。その「コピーアプリ」は、使用権が許可された場合は原稿画像の読み取りを実行し、自身のメモリユニット内への画像データの記憶が終了すると、外部インタフェース(この実施形態ではSCSI)を介して、リモート出力先のデジタルPPCのメモリユニットに画像データの転送を行う。
【0071】
画像データの転送が終了すると、リモート出力先のデジタルPPCの「デーモンプロセス」に対してプリントを実行するための各条件(給紙口,排紙口,プリント枚数など)を送信した後に、「プリント開始」コマンドを送信する。リモート出力先の「デーモンプロセス」は、「プリント開始」コマンドを受信すると、自身(リモート出力を実行するデジタルPPC)の「システムコントローラ」に対してプリント開始を要求し、リモート出力が「システムコントローラ」によって実行される。
「デジタルPPC−I」によって「デジタルPPC−II」のメモリユニットが使用されている場合は、「デジタルPPC−II」のメモリユニットは、「デジタルPPC−II」(あるいは図11に示したように複数のデジタルPPCがネットワーク上に接続される場合は「デジタルPPC−I」以外のデジタルPPC)のアプリケーションの使用は不可状態となる。
【0072】
図14は、図10の中央管理装置Qの概略構成例を示すブロック図である。
中央管理装置Qは、モデム装置201と通信端末装置202とによって構成されている。
通信端末装置202は、装置本体203およびディスプレイ204の他に、図示しないキーボード,マウス等の操作部を備えている。
装置本体203は、制御プログラムを格納したROM,その制御プログラムによって各種制御を実行するCPU,およびデータの読み書きが可能なRAM等からなるマイクロコンピュータを用いた制御部の他に、ハードディスク205を設けている。
【0073】
この通信端末装置202は、モデム装置201とRS232C等のシリアルインタフェースによって接続されており、モデム装置201および公衆回線網Nを介して通信コントロール装置Rと通信可能に接続し、その通信コントロール装置Rとの間でデータ通信を行う。
ディスプレイ204は、通信コントロール装置Rから受信したデータを含む各種データを表示する。
ハードディスク205は、各顧客先別の固有情報および仕様情報を含む管理データを保存するデータベース(DB)を格納する。
【0074】
固有情報としては、各顧客別の画像形成装置P,通信コントロール装置R,それらを購入した顧客に関する固有情報、つまり各顧客先にそれぞれ設置されている画像形成装置Pを識別する情報(機種機番,製造番号等)、それらの画像形成装置Pに接続されている通信コントロール装置Rの電話番号(発呼先電話番号)やその通信コントロール装置Rを識別する情報(機種機番,製造番号等)、それらの画像形成装置Pおよび通信コントロール装置Rを購入した顧客先を識別する情報(顧客名,顧客ID等)、それらの画像形成装置Pおよび通信コントロール装置Rの納入年月日,納入場所(画像形成に係わる部品又は消耗品の配送先),それらの画像形成装置Pおよび通信コントロール装置Rの納入場所(画像形成に係わる部品又は消耗品の配送先),それらの画像形成装置Pおよび通信コントロール装置Rを購入した顧客先の連絡先(住所,電話番号等),それらの画像形成装置Pおよび通信コントロール装置Rの管理担当者名がある。
【0075】
仕様情報としては、上記各顧客先にそれぞれ設置されている画像形成装置Pの画像形成に係わる各種部品および消耗品の仕様情報(品種,品番,型番等を含むものとする)がある。
ここで、中央管理装置Q内の通信端末装置202を含む各部が、この発明による機能(仕様情報記憶手段,仕様情報更新手段,仕様情報送信手段,応答情報送信手段としての機能)を実現することができる。
【0076】
以下、画像形成装置Pおよび中央管理装置Qにおけるこの発明に係わる処理動作について、図1,図15〜図18も参照して具体的に説明する。ここでは、画像形成装置Pを図2に示したデジタル複写機とし、そのトナーボトル内のトナー残量が少なくなった場合を例にとって説明する。また、説明の都合上、交換用の部品および消耗品をここではまとめてサプライと称することにする。
図1は、画像形成装置Pにおけるこの発明に係わる処理動作の一例を示すフローチャートである。
図15〜図18は、画像形成装置Pの操作表示部30の液晶タッチパネル31に表示される発注機能を説明するための各操作画面の一例を示す図である。
【0077】
各顧客先の画像形成装置PのCPU68(図5)はそれぞれ、消耗品であるトナーボトル内のトナーの残量が予め設定された閾値(所定値)以下になった場合、トナー残量検知センサによってトナーニアエンドを検知し、図1のステップS1でトナーの消費量が予め設定された閾値を越えたと判断し、ステップS2で図示しないスピーカ又はブザーからトナーボトルの交換を促すトナーニアエンドの警告音を一定時間発生させる。この警告音は、自機に接続されている端末装置のスピーカ又はブザーから発生させるようにしてもよい。
【0078】
次に、ステップS3で操作表示部30上の操作画面(液晶タッチパネル31の表示画面)にトナーボトルの交換を促すトナーニアエンドの警告情報を表示させる。この警告情報や後述する発注履歴情報等の各情報は、自機に接続されているパーソナルコンピュータ等の端末装置の表示部(ディスプレイ)に表示させ、その端末装置のキーボードやマウス等の操作部による操作によってサプライ(交換用の部品あるいは消耗品)の発注内容(交換用の部品あるいは消耗品別の発注番号,個数を含む)の入力を行えるようにしてもよいが、以降のその発注内容の入力に関して、端末装置についての説明は省略し、画像形成装置Pの操作表示部30についてのみ説明する。
【0079】
上記のようなトナーニアエンドの警告を発生させることにより、ステップS4で図15に示すように操作表示部30上の操作画面に発注キー[発注]を表示させ、サプライの発注内容を入力させるための発注機能(発注内容入力手段としての機能)を有効にする。発注キー[発注]は、通常は表示しない(図4参照)。つまり、不必要なときに不要なキーを表示させることで、誤入力(誤操作)による発注が行われないようにするために、トナーニアエンドの警告を発した場合に限って発注キー[発注]の押下(タッチ)によって発注機能を有効にする。なお、図示の都合上、図15に示した操作画面へのトナーニアエンドの警告情報の表示は省略している。
【0080】
発注キー[発注]が押下されると、発注機能を有効にし、ステップS5で発注内容入力処理を行う。
すなわち、操作表示部30上の操作画面を、図16に示すようなサプライの発注内容の入力を可能にする発注画面に切り替える。
その発注画面上の操作によってサプライ(交換用の部品あるいは消耗品)の発注内容を入力することができる。
トナー(トナーボトル)の発注内容を入力する場合には、図16の発注画面の対応する発注操作開始キー[はい]を押下することにより、操作表示部30上の操作画面をトナーの発注内容を入力するためのサプライ発注画面に切り替える。その後の発注内容の入力に関する操作手順およびCPU68による処理動作の内容は、特開平10−301451号公報に記載されている内容と略同様なので、ここでは説明を省略する。発注操作停止キー[いいえ]を押下することにより、発注機能が無効になり、操作画面が図4に示した通常の操作画面に戻る。
【0081】
画像形成装置PのCPU68は、発注内容の入力後、ステップS6で発注操作が実行される(図示しない発注実行キー[はい]が押下される)と、ステップS7へ移行し、その発注内容にRAM70(本体メモリ)に記憶されている固有情報,仕様情報,および履歴情報を添付して通信コントロール装置Rおよび公衆回線網N経由で受注センタを兼ねたサービスセンタの中央管理装置Qへ送信した後、ステップS8で操作表示部30上の操作画面を図4に示した通常の操作画面に戻し、処理を終了する。
【0082】
なお、入力された発注内容に添付する仕様情報は実際に発注すべきサプライの仕様情報(この例ではトナーの仕様情報)であり、それをRAM70から取得する。また、その仕様情報は、発注の必要性を警告した時点(この例ではトナーニアエンドの警告を発した時点)で認識しており、発注キー[発注]が押下された時点(使用者が発注作業をする時点)で所定の発注フォーマット上に自動的に配置して操作表示部30上に発注画面として表示させる。
【0083】
ここで、画像形成装置PのCPU68は、ステップS5の発注内容入力処理において、操作表示部30上の操作画面を図16に示す発注画面に切り替えた後、発注履歴キー[発注履歴]の押下により、操作表示部30上の操作画面を、図17又は図18に示すような送信済みの過去の発注内容を示す発注履歴情報(RAM70に記憶されている)とサプライ別の前回の発注内容入力時点と今回の発注内容入力時点との間隔である発注間隔(前回の発注内容入力時点から今回の発注内容入力時点までの経過日数およびコピー枚数)を示す情報を示す画面(発注履歴画面)に切り替える。発注履歴画面上の下スクロールキー「↓」又は上スクロールキー「↑」を押下することにより、サプライの項目をスクロールし、各サプライの送信済みの過去の発注内容,仕様情報,および発注年月日を示す発注履歴情報を参照することができる。
【0084】
このとき、発注品として選択されたサプライ(最初はこの例ではトナー)の発注間隔を算出し、その発注間隔が予め設定された所定値内かどうかをチェックし、その発注間隔がその所定値内であると判断した場合に、重複発注になる可能性があることを示す警告を発生させる。図18の発注履歴画面では、発注間隔が所定の日数以下のため、「前回発注後の経過日数が少ないです。発注操作を実行しますか?」という警告情報を表示している。
この問いに対して、発注操作開始キー[はい]を押下すると、操作表示部30上の操作画面をトナーの発注内容を入力するためのサプライ発注画面に切り替えることにより、発注内容の入力作業が継続可能となるが、発注操作停止キー[いいえ]を押下することにより、発注機能が無効になり、操作画面が図4の操作画面に戻る。
【0085】
図18の発注履歴画面上のプリントキー[プリント]が押下されると、画像形成部を稼動して発注履歴画面の情報(RAM70に記憶されている発注履歴情報,発注間隔を示す情報,重複発注になる可能性があることを示す警告情報)を一覧表示でプリント出力させる(転写紙上に画像形成させる)。
なお、サプライ別の前回の発注内容入力時点と今回の発注内容入力時点との間隔である発注間隔(前回の発注内容入力時点から今回の発注内容入力時点までの経過日数およびコピー枚数)と比較する所定値は、操作表示部30上のキー操作によって任意に設定することができる。また、発注間隔を経過日数で表示するかコピー枚数で表示するかの選択も操作表示部30上のキー操作によって任意に設定することができる。
【0086】
一方、中央管理装置Qの装置本体203内のCPUは、各顧客先の画像形成装置Pからそれぞれ発注内容(付加情報および固有情報が添付されている)を受信すると、その固有情報に基づいてその発注内容の送信元へその発注内容を受け付けた旨を示す応答情報を送信すると共に、受信した情報をディスプレイ204に表示させる。
また、キーボード,マウス等の操作部による操作によって顧客先およびその画像形成装置Pのいずれかのサプライの仕様情報の更新が指示された場合に、ハードディスク205に記憶されている管理データ中の該当する仕様情報(指示された顧客先の画像形成装置Pのサプライの仕様情報)を更新指示に従って更新し、その更新後の仕様情報をモデム装置201により公衆回線網Nおよび該当する顧客先の通信コントロール装置R経由でその画像形成装置Pへ送信する。
【0087】
その仕様情報の送信タイミングであるが、その使用情報を更新した後直ちに該当する顧客先の通信コントロール装置R経由でその画像形成装置Pへ送信するか、あるいは各顧客先の画像形成装置Pからそれぞれ発注内容(固有情報および発注サプライの仕様情報が添付されている)を受信したとき、上述と同様の処理を行う以外に、その固有情報に基づいてその仕様情報とハードディスク205に記憶されている対応する仕様情報(この例ではトナーの仕様情報)とを照合して両仕様情報が一致するか否かをチェックし、そのチェック結果から上記受信した仕様情報とハードディスク205に記憶されている対応する仕様情報とが異なると判断した場合に、その対応する仕様情報を更新後の仕様情報として上記発注内容の送信元へ送信する。
【0088】
各顧客先の画像形成装置PのCPU68はそれぞれ、中央管理装置Qへの発注内容の送信に対して、その中央管理装置Qからその発注内容を受け付けた旨を示す応答情報を受信した場合に、その応答情報を報知する(操作表示部30上の操作画面に表示したりスピーカ又はブザーによって音声出力する)。
また、中央管理装置Qから任意のタイミングで送られてくる各種サプライのいずれかの更新後の仕様情報を受信すると、その仕様情報に合わせてRAM70に記憶されている該当する仕様情報を更新する。
あるいは、中央管理装置Qへの発注内容の送信に対して、その中央管理装置Qから発注したサプライの更新後の仕様情報を受信すると、その仕様情報に合わせてRAM70に記憶されている該当する仕様情報を更新する。
【0089】
なお、この実施形態においては、画像形成装置Pが、入力された発注内容を通信コントロール装置Rおよび公衆回線網Nを通してサプライ(画像形成に係わる部品や消耗品)の受注センタを兼ねるサービスセンタの管理装置Qへ送信するようにしたが、自装置を管轄するサービスステーションが受注センタを兼ねる場合、あるいはサプライの受注,配送を行うサービスステーションが指定されている場合には、入力された発注内容をそのサービスステーションの端末装置へ直接あるいはサービスセンタの管理装置Qを介して送信すればよい。
この場合、サービスセンタの管理装置Qの装置本体203内のCPUが、操作部による操作によって顧客先およびその画像形成装置Pを管轄するサービスステーション又はサプライの受注を行うサービスステーションが変更になった場合に、その旨を示す情報をモデム装置201により公衆回線網Nおよび該当する顧客先の通信コントロール装置R経由でその画像形成装置Pへ送信する。
【0090】
このように、この実施形態によれば、(1)〜(8)に示すような作用効果を得ることができる。
(1)各顧客先の画像形成装置Pはそれぞれ、自装置あるいは自装置を購入した顧客に関する固有情報(例えば交換用の部品あるいは消耗品の配送先を含む)をメモリに記憶し、画像形成に係わる部品に異常が発生した時,その部品が寿命に達した時,あるいは画像形成に係わる消耗品の消費量が予め設定された閾値を越えた時に、その部品あるいはその消耗品の交換を促す警告を発生し、交換用の部品あるいは消耗品の発注内容が入力された場合に、その発注内容をメモリに記憶されている固有情報と共に中央管理装置Qへ送信する。
それによって、交換が必要な部品あるいは消耗品のみを正確且つ確実に自動発注できることになり、交換用の部品あるいは消耗品の配送先間違え等の人為的なミスを発生する可能性が少なくなるため、発注,受注側双方にとって作業の効率化を図ることができる。
【0091】
(2)各顧客先の画像形成装置Pはそれぞれ、部品あるいは消耗品の交換を促す警告を発生した場合にのみ、発注内容を入力するための発注機能を有効にする。それによって、人為的なミスによる交換用の部品あるいは消耗品の不必要な発注を防ぐことができる。
(3)各顧客先の画像形成装置Pはそれぞれ、送信済みの過去の発注内容を示す発注履歴情報をメモリに記憶し、発注内容を入力するための発注機能が有効になった場合に、メモリに記憶されている発注履歴情報を報知する。
【0092】
それによって、トナー残量検知センサ等のいずれかのセンサに異常が生じ、画像形成に係わる部品に異常が発生した時,その部品が寿命に達した時,あるいは画像形成に係わる消耗品の消費量が予め設定された閾値を越えた時に、その状態を検知できず、他のタイミングでその状態を検知するような誤動作が発生した場合でも、使用者(発注作業者)が過去の発注履歴情報と比較することで、今回の発注作業が適切であるか否かをおおよそ判断することができるため、交換用の部品あるいは消耗品の不必要な発注をより確実に防ぐことが可能になる。
【0093】
この場合、発注内容を入力するための発注機能が有効になった場合に、メモリに記憶されている発注履歴情報を操作表示部30上に表示するようにすれば、使用者が発注作業を実行する際に操作表示部30上の過去の発注履歴情報を確認することにより、無駄な発注を防ぐことができる。
あるいは、発注内容を入力するための発注機能が有効になった場合に、メモリに記憶されている発注履歴情報をパーソナルコンピュータ等の端末装置へ送信させてその表示部に表示させるようにしても、使用者が発注作業を実行する際に端末装置の表示部上の過去の発注履歴情報を確認することにより、無駄な発注を防ぐことができる。
【0094】
あるいはまた、発注内容を入力するための発注機能が有効になった場合に、メモリに記憶されている発注履歴情報を転写紙上に画像形成するようにしても、使用者が発注作業を実行する際に転写紙上の過去の発注履歴情報を確認することにより、無駄な発注を防ぐことができる。しかも、仮に発注履歴情報を表示できる表示部が存在しない場合でも、使用者が過去の発注履歴情報を確認しながら発注作業を行うことができる。
【0095】
(4)各顧客先の画像形成装置Pはそれぞれ、前回の発注内容入力時点と今回の発注内容入力時点との間隔である発注間隔、つまり前回の発注内容入力時点から今回の発注内容入力時点までの経過日数(経過時間)あるいは前回の発注内容入力時点から今回の発注内容入力時点までのコピー枚数(画像形成枚数)を算出し、発注内容を入力するための発注機能が有効になった場合に、その算出した発注間隔が予め設定された所定値内かどうかをチェックし、その発注間隔が所定値内であると判断した場合に、重複発注になる可能性があることを示す警告を発生する。
それによって、上述したような誤動作による交換用の部品あるいは消耗品の不必要な発注をより一層確実に防ぐことが可能になる。
【0096】
(5)各顧客先の画像形成装置Pはそれぞれ、画像形成に係わる部品あるいは消耗品の仕様情報をメモリに記憶し、交換用の部品あるいは消耗品の発注内容が入力された場合に、その交換用の部品あるいは消耗品の仕様情報をメモリから取得し、入力された発注内容をメモリに記憶されている固有情報および取得した仕様情報と共に中央管理装置Qへ送信させる。
それによって、顧客が使用していて、且つ交換が必要な部品あるいは消耗品の仕様情報(品番,型番等)を煩わしい作業をすることなく正確に中央管理装置Qへ伝えることができるため、受注先で交換が必要な部品あるいは消耗品を間違えることがなくなり、人為的なミスの発生を極力回避することができる。
【0097】
(6)中央管理装置Qが、各顧客先の画像形成装置Pの画像形成に係わる部品あるいは消耗品の仕様情報をメモリ(ハードディスク)に記憶し、いずれかの顧客先の画像形成装置P(該当する画像形成装置P)の画像形成に係わる部品あるいは消耗品の仕様情報が更新になった場合に、その更新後の仕様情報を該当する画像形成装置Pへ送信し、その画像形成装置Pが、中央管理装置Qから画像形成に係わる部品あるいは消耗品の更新後の仕様情報を受信した場合に、その仕様情報に合わせてメモリに記憶されている仕様情報を更新する。
【0098】
それによって、画像形成装置Pが、仕様情報が更新になった交換用の部品あるいは消耗品の発注内容が入力された場合、その交換用の部品あるいは消耗品の更新後の仕様情報をメモリから取得し、入力された発注内容をメモリに記憶されている固有情報および取得した仕様情報と共に中央管理装置Qへ送信させることができるため、仕様情報が更新になった交換用の部品あるいは消耗品の発注を行うような場合でも、その仕様情報を正確に中央管理装置Qへ伝えることができ、受注先で交換が必要な部品あるいは消耗品を間違える可能性が更に少なくなる。
【0099】
(7)中央管理装置Qが、各顧客先の画像形成装置Pの画像形成に係わる部品あるいは消耗品の仕様情報をメモリ(ハードディスク)に記憶し、いずれかの顧客先の画像形成装置P(該当する画像形成装置P)の画像形成に係わる部品あるいは消耗品の仕様情報が更新になった後、各顧客先の画像形成装置Pのいずれかから発注内容を固有情報および仕様情報と共に受信した場合に、その固有情報に基づいてその仕様情報とメモリに記憶されている対応する仕様情報とを照合して両仕様情報が一致するか否かをチェックし、そのチェック結果から上記受信した仕様情報とメモリに記憶されている対応する仕様情報とが異なると判断した場合に、その対応する仕様情報を更新後の仕様情報として上記発注内容の送信元へ送信すし、その送信元の画像形成装置Pが、中央管理装置Qから上記更新後の仕様情報を受信した場合に、その仕様情報に合わせてメモリに記憶されている仕様情報を更新する。
【0100】
それによって、上述と同様の効果を得ることができる。また、中央管理装置Qが管理すべき仕様情報やサプライ発注番号がむやみに増えることなく、簡素化できるという効果も得ることができる。
ここで、例えば画像形成装置Pに搭載するサプライであるトナーは、次機種の製品化などによってトナーボトルサイズ等の仕様情報の変更によって品種が増えてしまうことがある。また、新機種にも従来機種にも使用可能な互換性を持ったトナーを開発した場合には、部品番号などの変更に伴ってサプライ発注番号も変更される場合がある。このような場合にも、画像形成装置Pのメモリ内の中央管理装置Qに送信すべきトナーの古い仕様情報を最新の仕様情報(互換性を持った最新機種用のトナーの仕様情報)に更新することにより、発注元が使用している従来機種に対して互換性のある最新機種用のトナーを発注することができる。それによって、上述したように中央管理装置Q側が管理すべき仕様情報やサプライ発注番号がむやみに増えることがなくなる。
【0101】
(8)中央管理装置Qが、各顧客先の画像形成装置Pから発注内容を固有情報と共に受信した場合に、その固有情報に基づいてその発注内容の送信元へその発注内容を受け付けた旨を示す応答情報を送信し、その送信元の画像形成装置Pが、中央管理装置Qへの発注内容の送信に対して、その中央管理装置Qからその発注内容を受け付けた旨を示す応答情報を受信した場合に、その応答情報を報知する。
それによって、発注側では入力した発注内容が受注側で受け付けられたかどうかを確認することができるため、通信障害等で入力した発注内容が受け付けられてない場合に、再度その発注内容を中央管理装置Qへ送信することにより、発注内容を中央管理装置Qへ確実に送信することができる。
【0102】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、画像形成装置の交換が必要な部品あるいは消耗品のみを正確且つ確実に自動発注することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、図10の画像形成装置Pにおけるこの発明に係わる処理動作の一例を示すフロー図である。
【図2】この発明による画像形成装置管理システムを構成する画像形成装置の一実施形態であるデジタル複写機の機構部の一例を示す概略構成図である。
【図3】図2に示したデジタル複写機の複写機本体に設けられた操作表示部30の構成例を示すレイアウト図である。
【図4】図3の液晶タッチパネル31に電源投入時に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図5】図2に示したデジタル複写機における画像処理ユニット(IPU)の構成例を示すブロック図である。
【図6】図5のセレクタ64における1ページ分の画像データおよび制御信号の一例を示すタイミング図である。
【図7】図5のメモリコントローラ65および画像メモリ66の構成例を示すブロック図である。
【図8】この発明を実施する他の画像形成装置のハード構成図である。
【図9】この発明を実施する更に他の画像形成装置のハード構成図である。
【図10】この発明を実施するのに利用できる画像形成装置管理システムの構成図である。
【図11】この発明を実施できるネットワークコピーのシステム構成図である。
【図12】この発明を実施する2台のデジタルPPCを接続したシステムの構成図である。
【図13】同じくそのソフトウェアの概念図である。
【図14】図10の中央管理装置Qの概略構成例を示すブロック図である。
【図15】トナーニアエンドの警告発生時に図3の液晶タッチパネル31に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図16】図15の発注キー[発注]の押下時に図3の液晶タッチパネル31に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図17】図16の発注履歴キー[発注履歴]の押下時に図3の液晶タッチパネル31に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図18】図16の発注履歴キー[発注履歴]の押下時に図3の液晶タッチパネル31に表示される操作画面の他の例を示す図である。
【符号の説明】
30:操作表示部 31:液晶タッチパネル
50:スキャナ 65:メモリコントローラ
66:画像メモリ 68:CPU
69:ROM 70:RAM
75:I/Oポート 76:SCSIコントローラ
80:プリンタ 200:メインユニット
201:モデム装置 202:通信端末装置
203:装置本体 204:ディスプレイ
A:画像読み取り部 B:画像書き込み部
C,C′:システムコントローラ
D:メモリユニット E:利用者制限器機
F:人体検知センサ G,G′:操作部(操作表示部)
H:遠隔診断装置(CSS) I:時計
P,P′:画像形成装置(デジタルPPC)
Q:中央管理装置 R:通信コントロール装置
N:公衆回線網
Claims (3)
- 中央管理装置と通信回線を介して通信する通信手段を有する画像形成装置であって、
当該画像形成装置あるいは該装置を購入した顧客に関する固有情報を記憶する固有情報記憶手段と、
画像形成に係わる部品に異常が発生した時,該部品が寿命に達した時,あるいは画像形成に係わる消耗品の消費量が予め設定された閾値を越えた時に、前記部品あるいは前記消耗品の交換を促す警告を発生する交換警告手段と、
交換用の部品あるいは消耗品の発注内容を入力させるための発注内容入力手段と、
該発注内容入力手段によって交換用の部品あるいは消耗品の発注内容が入力された場合に、その発注内容を前記固有情報記憶手段に記憶されている固有情報と共に前記通信手段により前記中央管理装置へ送信させる発注内容送信手段と、
前記交換警告手段によって前記警告が発生した場合にのみ、前記発注内容入力手段を有効にする発注入力有効化手段と、
前記発注内容入力手段による前回の発注内容入力時点と今回の発注内容入力時点との間隔である発注間隔を算出する発注間隔算出手段と、
前記発注入力有効化手段によって前記発注内容入力手段が有効になった場合に、前記発注間隔算出手段によって算出された発注間隔が予め設定された所定値内かどうかをチェックする発注間隔チェック手段と、
該発注間隔チェック手段によって算出された発注間隔が前記所定値内であると判断した場合に、重複発注になる可能性があることを示す警告を発生する重複発注警告手段と
を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記発注間隔算出手段が、前記発注内容入力手段による前回の発注内容入力時点から今回の発注内容入力時点までの経過時間を算出する手段であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記発注間隔算出手段が、前記発注内容入力手段による前回の発注内容入力時点から今回の発注内容入力時点までの画像形成枚数を算出する手段であることを特徴とする画像形成装置。
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