JP4097166B2 - 作業車両用のトランスミッション装置 - Google Patents

作業車両用のトランスミッション装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4097166B2
JP4097166B2 JP11999398A JP11999398A JP4097166B2 JP 4097166 B2 JP4097166 B2 JP 4097166B2 JP 11999398 A JP11999398 A JP 11999398A JP 11999398 A JP11999398 A JP 11999398A JP 4097166 B2 JP4097166 B2 JP 4097166B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
hydraulic
oil
transmission
clutch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11999398A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11291777A (ja
Inventor
瑞哉 松藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd filed Critical Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP11999398A priority Critical patent/JP4097166B2/ja
Publication of JPH11291777A publication Critical patent/JPH11291777A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4097166B2 publication Critical patent/JP4097166B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Arrangement Of Transmissions (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、作業車両において走行動力及び作業機駆動力の伝動を行うためのトランスミッション装置に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
走行駆動系及びPTO駆動系に共通する原動軸を設けて、走行駆動系に、該原動軸と出力軸間で前進用クラッチ及び後進用クラッチの択一的な作動により車両の進行方向を切替える前後進切替え装置、第1の駆動軸と第1の従動軸間で複数個の油圧クラッチの択一的な作動により複数段の変速を行う第1の油圧式変速装置、及び第2の駆動軸と第2の従動軸間で複数個の油圧クラッチの択一的な作動により複数段の変速を行う第2の油圧式変速装置を、順次直列接続して設ける一方、上記原動軸を、PTOクラッチを介して動力取出し用のPTO軸に接続してある作業車両用のトランスミッション装置が、特開平8−20257号公報から公知である。
【0003】
上記した前後進切替え装置は前進用及び後進用のクラッチを共に切り状態とすることで走行駆動系の伝動を断ち、また上記したPTOクラッチはそれを切り状態とするとPTO駆動系の伝動を断つから、本構造のトランスミッション装置は主クラッチを必要としない。また上記のように走行駆動系に第1及び第2の油圧式変速装置といった、それぞれ複数油圧クラッチの択一的な作動により変速段切替えを行う2組の油圧式変速装置を直列接続して設けると、油圧クラッチの作動制御がバルブ操作によって軽快に行えることから、第1の油圧式変速装置の変速段数と第2の油圧式変速装置の変速段数とを乗じた多段の車速変更を極く容易に行える。
【0004】
ところで上記公報に開示されたトランスミッション装置では、前後進切替え装置において出力軸を原動軸と同心配置すると共に原動軸と平行するカウンタ軸を別に設け、前進用クラッチの作動によっては原動軸と出力軸間が直結されて出力軸が車両前進方向に回転し、後進用クラッチの作動によっては原動軸からカウンタ軸を経て出力軸に至る後進用歯車列が作動されて出力軸が車両後進方向に回転することとしている。そして第1の油圧式変速装置の駆動軸はこの出力軸と同心配置されて該出力軸に直結され、同変速装置はこの駆動軸上に設けた複数油圧クラッチにより該駆動軸とそれに平行する従動軸間で複数段の変速を得るものに構成されている。第2の油圧式変速装置は、その駆動軸を第1の油圧式変速装置の従動軸と兼用させ、また従動軸を第1の油圧式変速装置の従動軸と同心配置する一方、第1の油圧式変速装置の駆動軸と同心配置したカウンタ軸を設けて、従動軸上に設置した高速段の油圧クラッチの作動により第1の油圧式変速装置の従動軸と第2の油圧式変速装置の従動軸とを直結して高速変速段を、また従動軸上に設置した低速段の油圧クラッチの作動によりカウンタ軸を経る減速歯車列を作動させて低速変速段を、それぞれ得ることとした高低2段のものに構成されている。そして原動軸と同心的に配置された前後進切替え装置の出力軸兼第1の油圧式変速装置の駆動軸及び第2の油圧式変速装置のカウンタ軸は、原動軸からPTOクラッチを介してPTO軸に伝動するための伝動軸を貫通させて設けるため、それぞれ中空軸に形成されている。
【0005】
上で説明した特開平8−20257号公報のものによれば、第1の油圧式変速装置と第2の油圧式変速装置が前後に隣接させて設けられているにも拘わらずこれらの変速装置においてそれぞれ複数油圧クラッチを装架する第1の駆動軸と第2の従動軸とが段差をおいて離間しているため、両油圧式変速装置の油圧クラッチのためのバルブ機構を集約配置することが困難であるか、集約配置したとすれば長い油圧配管を必要とすることになる。また中空軸とした第1の駆動軸中にその上の複数油圧クラッチに対する作動油供給用の油通路及び潤滑油供給用の油通路を形成することは、精密で困難な機械加工を必要とする。
【0006】
したがってこの発明の主たる目的は、直列接続された第1及び第2の油圧式変速装置の油圧クラッチのためのバルブ機構を集約配置できることとすると共に、両油圧式変速装置とも中実の伝動軸上に複数油圧クラッチを設置してあって伝動軸中の作動油供給用油通路の形成を容易に行え、且つ、第1及び第2の油圧式変速装置の油圧クラッチへの潤滑油供給構造の簡略化を行えることとしてある、作業車両用の新規なトランスミッション装置を提供することである。
【0007】
付随する目的は、回転する伝動軸中の油通路を位置固定側の油通路に接続するための油路ロータリジョイント部の形成を容易とすると共に装置組立てを容易としてある、新規なトランスミッション装置を提供することである。
【0008】
付随する他の目的は第1及び第2の油圧式変速装置の油圧クラッチのためのバルブ機構を、単純な構造で集約配置してあるトランスミッション装置を提供することである。
【0009】
【発明の要約】
この発明は走行駆動系及びPTO駆動系に共通する原動軸(17)を設けて、走行駆動系に、該原動軸(17)と出力軸(19)間で前進用クラッチ(50)及び後進用クラッチ(51)の択一的な作動により車両の進行方向を切替える前後進切替え装置(20)、第1の駆動軸(21)と第1の従動軸(22)間で複数個の油圧クラッチ(63,64,65)の択一的な作動により複数段の変速を行う第1の油圧式変速装置(23)、及び第2の駆動軸(26)と第2の従動軸(27)間で複数個の油圧クラッチ(75,76,77)の択一的な作動により複数段の変速を行う第2の油圧式変速装置(24)を、順次直列接続して設ける一方、上記原動軸(17)を、PTOクラッチ(36)を介して動力取出し用のPTO軸(32)に接続してある作業車両用のトランスミッション装置に係る。
この発明のトランスミッション装置は、前後進切替え装置(20)において、前記出力軸(19)を前記原動軸(17)に対し平行に配置し、第1の油圧式変速装置(23)において、前記第1の駆動軸(21)を前記出力軸(19)と同心的に配置して該出力軸に連結する一方、前記第1の従動軸(22)を中空軸に形成して前記原動軸(17)と同心的に配置し、複数個の前記油圧クラッチ(63,64,65)を第1の駆動軸(21)上に設置し、第2の油圧式変速装置(24)において、前記第2の駆動軸(26)を中空軸に形成すると共に前記第1の従動軸(22)と同心的に配置して該第1の従動軸に連結する一方、前記第2の従動軸(27)を前記第1の駆動軸(21)とほぼ同心的に配置し、複数個の前記油圧クラッチ(75,76,77)を第2の従動軸(27)上に設置し、前記第1の駆動軸(21)内と前記第2の従動軸(27)内にそれぞれ、該各軸上の前記油圧クラッチに対し作動油を供給するための油通路(92A,92B,92C,93A,93B,93C)を形成する一方、前記PTOクラッチ(36)を介し前記PTO軸(32)に伝動するための伝動軸(33)を、中空の前記第1の従動軸(22)及び第2の駆動軸(26)を貫通させて設け、前記原動軸(17)及び出力軸(19)の後端部を支持すると共に前記第1の駆動軸(21)及び従動軸(22)の前端部を支持する第1の軸受枠体(40)と、前記第1の駆動軸(21)及び従動軸(22)の後端部を支持すると共に前記第2の駆動軸(26)及び従動軸(27)の前端部を支持する第2の軸受枠体(41)とを、車体(2)内に固定設置し、前記第1の駆動軸(21)及び前記第2の従動軸(27)内にそれぞれ第1及び第2の潤滑油通路(92L,93L)を設けて、これらの第1及び第2の潤滑油通路を前記第2の軸受枠体(41)内で連通させる一方、前記第1及び第2の軸受枠体(40,41)のうちの一方の軸受枠体に該潤滑油通路に連通する潤滑油供給通路(96)を設けたことを特徴としてなる。
【0010】
この発明によれば走行駆動系において、前後進切替え装置(20)が平行する原動軸(17)及び出力軸(19)間で前後進切替えを行い、第1の油圧式変速装置(23)が平行する第1の駆動軸(21)及び従動軸(22)間で変速伝動を行い、第2の油圧式変速装置(24)が平行する第2の駆動軸(26)及び従動軸(27)間で変速伝動を行うこととなり、前後進切替え装置と第1の油圧式変速装置間の直列接続は出力軸(19)と第1の駆動軸(21)間の連結により得られ、第1の油圧式変速装置と第2の油圧式変速装置の直列接続は第1の従動軸(22)と第2の駆動軸(26)間の連結により得られることになる。そしてほぼ同心的に配置されると共に前後に隣接している第1の駆動軸(21)及び第2の従動軸(27)上に第1の油圧式変速装置の複数油圧クラッチ(63,64,65)及び第2の油圧式変速装置の複数油圧クラッチ(75,76,77)が設置される一方、これらの油圧式変速装置において油圧クラッチを設けられていない第1の従動軸(22)と第2の駆動軸(26)とが同心的に配置されると共に中空軸に形成されていて、その内部をPTO駆動系の伝動軸(33)が貫通している。
【0011】
このように第1及び第2の油圧式変速装置の複数個宛の油圧クラッチがほぼ同心的に配置されると共に前後に隣接している2本の伝動軸(21,27)上に設置されていることから、例えば車体の外面上において車体内の該2本の伝動軸が位置するレベルで両伝動軸に近接した場所に両変速装置の油圧クラッチのためのバルブ機構を、油圧配管を短くしつつ集約配置できることになる。そして上記両伝動軸はその内部をPTO駆動系の伝動軸を通過させず中実軸に形成されることから、これらの各軸内に設ける作動油供給用の油通路(92A,92B,92C,93A,93B,93C)及び潤滑油供給用の油通路(92L,93L)の形成が、容易に行えることになる。さらに、前記原動軸(17)及び出力軸(19)の後端部を支持すると共に前記第1の駆動軸(21)及び従動軸(22)の前端部を支持する第1の軸受枠体(40)と、前記第1の駆動軸(21)及び従動軸(22)の後端部を支持すると共に前記第2の駆動軸(26)及び従動軸(27)の前端部を支 持する第2の軸受枠体(41)とを、車体(2)内に固定設置し、前記第1の駆動軸(21)及び前記第2の従動軸(27)内にそれぞれ形成した前記第1及び第2の潤滑油通路(92L,93L)を前記第2の軸受枠体(41)内で連通させる一方、前記第1及び第2の軸受枠体(40,41)のうちの一方の軸受枠体に該潤滑油通路に連通する潤滑油供給通路(96)を設けたので、潤滑油供給構造の簡略化を図ることができる。
【0012】
回転する第1の駆動軸(21)及び第2の従動軸(27)内の作動油通路は、それを位置固定側の油通路に接続するための油路ロータリジョイント部を必要とする。トランスミッション装置の組立てを容易としつつ必要な油路ロータリジョイント部を提供するためには、第1の駆動軸(21)内の前記油通路(92A,92B,92C)を位置固定側の油通路に接続するための第1の油路ロータリジョイント部(94)を上記第1の軸受枠体(40)に、また第2の従動軸(27)内の前記油通路(93A,93B,93C)を位置固定側の油通路に接続するための第2の油路ロータリジョイント部(95)を上記第2の軸受枠体(41)に、それぞれ配設するのが好ましい。この構造によれば前後進切替え装置(20)及び第1の油圧式変速装置(23)における伝動軸を支持する第1の軸受枠体(40)と第1及び第2の油圧式変速装置(23,24)における伝動軸を支持する第2の軸受枠体(41)とにそれぞれ油路ロータリジョイント部(94,95)が配設されて、軸支持及び油路ロータリジョイント部設置のための構造が単一化され、油路ロータリジョイント部が、組立てを容易としつつ設けられる。
【0013】
組立てを一層容易とするためには前記第1及び第2の軸受枠体(40,41)を、それぞれ車体(2)とは別体に形成して該車体に締結して設ける一方、前記第1の油路ロータリジョイント部(94)を前記第1の駆動軸(21)と第1の軸受枠体(40)間に形成した複数個の環状油室(94A,94B,94C)に、また前記第2の油路ロータリジョイント部(95)を前記第2の従動軸(27)と第2の軸受枠体(41)間に形成した複数個の環状油室(95A,95B,95C)に、それぞれ構成するのが好ましい。上記した環状油室は第1の駆動軸及び第2の従動軸の各外周面に形成した環状溝を、各軸受枠体の軸支承穴の内壁面により覆わせて形成することができ、したがって第1の軸受枠体に第1の駆動軸の前端部を、また第2の軸受枠体に第2の従動軸の前端部を、支持させるのと同時に形成できる。
【0014】
この発明の好ましい実施態様においては、前記第1の駆動軸(21)上の油圧クラッチ(63,64,65)と前記第2の従動軸(27)上の油圧クラッチ(75,76,77)とに対する作動油の供給を制御するための切換弁機構(106A,106B,106C,106D)を、車両軸線方向でみてほぼ前記第1の軸受枠体(40)と前記第2の軸受枠体(41)間で車体の一側壁外面上に設置したバルブブロック(102)に配設する。このように設けられた切換弁機構はバルブブロックに集約配置されていると共に、第1及び第2の油路ロータリジョイント部(94,95)に近接位置していて油圧配管を短長で済むこととする。
【0015】
この発明の好ましい実施態様においてはさらに、前記一側壁に、前記バルブブロック(102)により覆われた少なくとも1個の開口(113;113,205)を形成し、前記第1及び第2の油路ロータリジョイント部(94,95)のうちの少なくとも一方の油路ロータリジョイント部に作動油を導くための導管部材(114A,114B,114C;114A,114B,114C,119A,119B,119C)を、バルブブロック(102)と前記第1及び第2の軸受枠体(40,41)のうちの少なくとも一方の軸受枠体との間に架け渡して設ける。本構造によれば導管部材を予め、開口(113)又は開口(113,205)を通して軸受枠体(40)又は軸受枠体(40,41)に支持させておき、次に該開口を覆わせてバルブブロックを装着し同時に導管部材を外端側で支持させることによって、バルブブロックと当該油路ロータリジョイント部間の接続油路を完成できる。
【0016】
前記バルブブロック(102)には前記切換弁機構(106A,106B,106C,106D)の他に、該切換弁機構の変位操作に連動して前記油圧クラッチのうちの選択された油圧クラッチに対する作用油圧の立上がり特性を制御する油圧制御弁(107)を配設するのが、好ましい。油圧クラッチに近接した油圧制御弁は管路抵抗の影響を受けることが少なくクラッチ作用油圧を精密に制御し、また本構造によると第1及び第2の油圧式変速装置用のバルブ機構がユニット化される。
【0017】
作業車両の使用にあたり走行条件に応じ予め大まかな車速レンジを設定するための機械式変速装置を、油圧式変速装置と直列接続して設け、走行中は操作容易な油圧式変速装置で車速の変更制御を得るようにすることは、好ましいことである。したがってこの発明の一実施態様においては走行駆動系に、前記第2の駆動軸(26)の後方に該駆動軸と同心的に配置した中空のカウンタ軸(28)、及び前記第2の従動軸(27)の後方に該従動軸と同心的に配置した他の従動軸(29)を設けて、第2の従動軸(27)とカウンタ軸(28)を同行回転するように接続し、第2の従動軸(27)と他の従動軸(29)間を直結する変速段とカウンタ軸(28)を介し接続する少なくとも1つの変速段とを備えた走行駆動系の機械式変速装置(25)を設ける一方、PTO駆動系の前記伝動軸(33)を、上記カウンタ軸(28)を貫通させる。このように設けられた機械式変速装置は、第1及び第2の油圧式変速装置を総合して得られる変速段数を少なくとも倍加した段数の車速変更を可能とする。
【0018】
この発明の他の特徴と長所は、添付図面を参照して行う以下の説明から明瞭に理解できる。
【0019】
【実施例】
図1は、この発明の一実施例を装備するトラクタを示している。駆動源としてのエンジン1は機体前部に搭載され、車体2は、第1ないし前部ハウジング3、第2ないし中間ハウジング4、及び第3ないし後部ハウジング5を前後に連接して構成されている。後部ハウジング5の左右の外側面には左右のリヤアクスルハウジング6が装着され、その内部を貫通して左右の後輪アクスル7aが、後部ハウジング5内から延出している。トラクタの走行は左右の後輪7を常時回転駆動する他、必要に応じ左右の前輪8を回転駆動して得ることとされており、中間ハウジング4の下面に前輪駆動ケース9を装着し、該ケース9内から前輪アクスルケース10内へ伝動するための伝動軸11を、カバー筒11a内へ延出させて設けている。
【0020】
座席12は中間ハウジング4の上方位置に設置され、その前方には、左右の前輪8を旋回させて車両の操向を得るためのステアリングホィール13を配置してある。後部ハウジング5の上面上には左右のリフトアーム14を装備する油圧リフトケース15を設置してあり、左右のリフトアーム14を昇降回動させる左右の油圧リフトシリンダ16は、後部ハウジング5の背面側に左右に振り分けて配置されている。
【0021】
図2は、図示トラクタに設けられた伝動機構を示している。前部ハウジング3内の前端付近には該ハウジング3と一体形成した支壁部3aが設けられ、該支壁部3aを貫通させた原動軸17が支壁部3a前方側でエンジン・フライホィール1aに対し、緩衝用スプリング機構18(図3)によって接続されている。支壁部3aの後方側で前部ハウジング3内には、原動軸17とその下方に平行配置した出力軸19との間で車両進行方向の切替えを行う前後進切替え装置20と、出力軸19と同心的に配置し該出力軸19に対し連結した駆動軸21と原動軸17と同心的に配置した従動軸22との間で複数段の変速を行う第1の油圧式変速装置23とを、前後に配して設けてある。
【0022】
中間ハウジング4内の中程には該ハウジング4と一体形成した支壁部4aが設けられ、中間ハウジング4内には該支壁部4aをはさんで前方側に位置する第2の油圧式変速装置24と後方側に位置する機械式変速装置25とを、設けてある。第2の油圧式変速装置24は第1の油圧式変速装置23の従動軸22と同心的に配置し該従動軸22に対し連結した駆動軸26と、第1の油圧式変速装置23の駆動軸21と同心的に配置した従動軸27との間で、複数段の変速を行うものに構成されている。また機械式変速装置25は第2の油圧式変速装置24の駆動軸26と同心的に配置しその従動軸27に減速接続されたカウンタ軸28と、第2の油圧式変速装置24の従動軸27と同心的に配置した従動軸29とを備え、原動側の従動軸27とプロペラ軸として機能する従動軸29との間で複数段の変速を行うものに構成されている。
【0023】
プロペラ軸として機能する従動軸29は、後部ハウジング5の前壁5aを貫通して該ハウジング5内に臨ませてあり、後端にベベルピニオン30を備えている。ベベルピニオン30は、左右後輪7用の差動装置(図示せず)の入力用大傘歯車31と噛合わせてある。
【0024】
後部ハウジング5内の後寄り位置には該ハウジング5と一体の支壁部5bが設けられ、該支壁部5bと後部ハウジング5の後端開口を閉鎖する後蓋5cとに支持させて、作業機駆動力を取出すためのPTO軸32が設けられている。第1の油圧式変速装置23の従動軸22、第2の油圧式変速装置24の駆動軸26、及び機械式変速装置25のカウンタ軸28はそれぞれ中空軸に形成されていて、その内部を、前端で原動軸17に対し連結されたPTO系の伝動軸33を貫通させてある。この伝動軸33は、それと同心配置された2本の伝動軸34,35、これらの伝動軸34,35間に配設されたPTOクラッチ36、及び伝動軸35とPTO軸32間に配設された機械式のPTO変速装置37を介して、PTO軸32に対し接続してある。
【0025】
図2及び図4,5に示すように前部ハウジング3は後端を開放したものに、また中間ハウジング4は前後端を開放したものに、それぞれ形成され、前部ハウジング3は中間ハウジング4に対しボルト38によって締結され、また中間ハウジング4は後部ハウジング5に対しボルト39によって締結されている。図2−7に示すように前部ハウジング3内には前後進切替え装置20と第1の油圧式変速装置23との間で第1の軸受枠体40を固定設置してあり、また中間ハウジング4内にはその最前部で第2の軸受枠体41を固定設置してある。このうち第1の軸受枠体40は、前部ハウジング3の内面に突設した複数ボス部3bに対し後方側からボルト42によって取付けられ、また第2の軸受枠体41は、中間ハウジング4の内面に突設した複数ボス部4bに対し前方側からボルト43によって取付けられている。第1及び第2の軸受枠体40,41は幅方向中央部で上下の軸受部を備え、図6,7に示すようにハウジング3,4の内寸法のほぼ全体を占める縦幅及び横幅を有する。
【0026】
図3に明瞭に示すように原動軸17は前部ハウジング3の支壁部3aと第1の軸受枠体40とに前後部を支持され、第1の軸受枠体40に支持された第1の従動軸22の前端部内でカップリング44によりPTO系の伝動軸23に対し連結されている。前後進切替え装置20は原動軸17上に遊嵌設置した2個の歯車45,46と出力軸19上に固定設置した2個の歯車47,48とを備え、このうち前進用の歯車45,47は直接噛合わされ、また後進用の歯車46,48は、軸受枠体40に支持させたアイドラ歯車49(図2)を介して噛合わされている。出力軸19は前端部で支壁部3aに支持され、後端部で歯車48のボス部48aを介して第1の軸受枠体40に支持されている。ボス部48aは、出力軸19と第1の駆動軸24間を連結するカップリング部材として利用されている。
【0027】
前後進切替え装置20は油圧式のものに構成されており、原動軸17上に歯車45,46間で設けた前進用油圧クラッチ50及び後進用油圧クラッチ51を備えている。各油圧クラッチ50,51は、原動軸17上に固定設置したクラッチ・シリンダ52に摺動のみ自在に支持させた複数枚の摩擦エレメントと歯車45,46のボス部45a,46aに摺動のみ自在に支持させた複数枚の摩擦エレメントとを交互に配置し、戻しばね50a,51aにより移動付勢されたピストン50b,51bを油圧の作用で移動させて摩擦エレメント間の係合を得て作動させる周知の摩擦多板式のものに構成されている。原動軸17内には、油圧クラッチ50,51に対し作動油を供給するための作動油通路52F,52Rと油圧クラッチ50,51の摩擦エレメント部に対し潤滑油を供給するための潤滑油通路52Lとを、形成してある。これらの油通路52F,52R,52Lは、原動軸17の外周面に形成した環状溝を支壁部3aにおける原動軸挿通穴の内壁面で閉鎖して原動軸17と支壁部3a間に形成された環状油室53F,53R,53Lへと連通させ、環状油室53F,53R,53Lによって回転する原動軸17内の油通路52F,52R,52Lを位置固定側の、支壁部3a内の油通路54F,54R,54Lに接続するための油路ロータリジョイント部を構成してある。
【0028】
油圧クラッチ50,51に対する給油用の油圧ポンプ55は原動軸17をポンプ軸に兼用した内接歯車式のものに構成され、支壁部3aの前面に装着されている。前後進切替え装置20用のコントロールバルブ装置56(図1,2)は、前部ハウジング3の一側壁に開口を設け該開口を通し前部ハウジング3の内外にまたがらせて設けられている。具体的な図示を省略するが、支壁部3a内には油圧ポンプ55とコントロールバルブ装置56間を接続する油通路及びコントロールバルブ装置56と環状油室53F,53R,53L間を接続する上記油通路54F,54R,54Lを、設けてある。これらの油通路の具体構造はコントロールバルブ装置56の具体構造を含めて、本願発明者を発明者とする米国特許No.5,599,247に記載されている。
【0029】
図4に明瞭に示すように第1の油圧式変速装置23の駆動軸21は、前端部で第1の軸受枠体40に支持され前述の通り歯車ボス部48aを利用して前後進切替え装置20の出力軸19に対し連結され、後端部で第2の軸受枠体41に支持されている。従動軸22は前端部で第1の軸受枠体40に、後端部で第2の軸受枠体41に、それぞれ支持されている。駆動軸21上には3個の歯車57,58,59が遊嵌設置され、従動軸22上には3個の歯車60,61,62が固定設置されていて、対応する歯車同士が噛合わされている。駆動軸21上には歯車57,58,59を択一的に駆動軸21に対し結合するための3個の油圧クラッチ63,64,65を設けてある。各油圧クラッチ63,64,65は、駆動軸21上に固定設置したクラッチ・シリンダ66,67(クラッチ・シリンダ66は油圧クラッチ63,65に共用させてある。)と歯車57,58,59のボス部57a,58a,59aとに交互に配置した複数枚宛の摩擦エレメントを摺動のみ自在に支持させ、戻しばね63a,64a,65aにより移動付勢されたピストン63b,64b,65bを油圧の作用で移動させて摩擦エレメント間の係合を得て作動させる周知の油圧多板式のものに構成されている。第1の油圧式変速装置23は油圧クラッチ63を作動させ歯車57,60を変速伝動にあずからせることで1速の変速比を、油圧クラッチ64を作動させ歯車58,61を変速伝動にあずからせることで2速の変速比を、油圧クラッチ65を作動させ歯車59,62を変速伝動にあずからせることで3速の変速比を、それぞれ与える。
【0030】
同様に図4に示すように第2の油圧式変速装置24の駆動軸26は、前端部で第2の軸受枠体41に支持され該軸受枠体41内でカップリング68によって第1の油圧式変速装置23の従動軸22に対し連結され、後端部で中間ハウジング4の支壁部4aに支持されている。従動軸27は前端部で第2の軸受枠体41に、後端部で支壁部4aに、それぞれ支持されている。駆動軸26上には3個の歯車69,70,71が固定設置され、従動軸27上には3個の歯車72,73,74が遊嵌設置されていて、対応する歯車同士が噛合わされている。従動軸27上には歯車72,73,74を択一的に従動軸27に対し結合するための3個の油圧クラッチ75,76,77を設けてある。各油圧クラッチ75,76,77は、従動軸27上に固定設置したクラッチ・シリンダ78,79(クラッチ・シリンダ78は油圧クラッチ75,76に共用させてある。)と歯車72,73,74のボス部72a,73a,74aとに交互に配置した複数枚宛の摩擦エレメントを摺動のみ自在に支持させ、戻しばね75a,76a,77aにより移動付勢されたピストン75b,76b,77bを油圧の作用で移動させて摩擦エレメント間の係合を得て作動させる周知の摩擦多板式のものに構成されている。第2の油圧式変速装置24は油圧クラッチ75を作動させ歯車69,72を変速伝動にあずからせることで1速の変速比を、油圧クラッチ76を作動させ歯車70,73を変速伝動にあずからせることで2速の変速比を、油圧クラッチ77を作動させ歯車71,74を変速伝動にあずからせることで3速の変速比を、それぞれ与える。
【0031】
図5に明瞭に示すように機械式変速装置25のカウンタ軸28は、前端部で中間ハウジング4の支壁部4aに支持され後端部で後部ハウジング5の前壁5aに支持されている。プロペラ軸として機能する従動軸29は、第2の油圧式変速装置24の従動軸27の後端に形成した軸受穴27aに前端部を支承させて該従動軸27を介し支壁部4aに支持させると共に、後端部で前壁5aに支持させてある。カウンタ軸28は第2の油圧式変速装置24の従動軸27に対し、歯車80,81の噛合わせによって減速接続されている。カウンタ軸28上には他2個の歯車82,83を固定設置してあり、このうちの小径側の歯車82に対し図2に示す歯車減速機構84を介し接続された歯車85が、カウンタ軸28外に設けられている。歯車減速機構84は、中間ハウジング4の開口から挿入して該ハウジング4に支持させるカセット式のものとされている。従動軸29上には歯車85に対し選択的に噛合わせ得るシフト歯車86を摺動のみ自在に設置すると共に、歯車83に対し噛合わされた歯車87を遊嵌設置し、さらに従動軸29を第2の油圧式変速装置24の従動軸27に対し直結する位置と歯車87を従動軸29に対し結合する位置とに変位させ得るクラッチ金物88を設けてある。以上により機械式変速装置25はシフト歯車86を歯車85に対し噛合わせることで1速(クリープ速)の変速比を、またクラッチ金物88により歯車87を従動軸29に対し結合することで2速の変速比を、さらにクラッチ金物88により従動軸29を第2の油圧式変速装置24の従動軸27に対し直結することで3速の変速比を、それぞれ選択的に得させるものに構成されている。
【0032】
なお図5において、89は従動軸29上に固定設置された前輪駆動力取出し用の歯車、4cは同歯車89から前輪駆動ケース9(図1)に伝動する歯車伝動機構(図示せず)を通過させるために中間ハウジング4の底壁に形成した開口である。また90は従動軸29上に固定設置されたプーリーで、図示省略の駐車ブレーキの被制動体として用いるもの、91はPTO系の伝動軸33,34間を連結するカップリングである。
【0033】
図4,6及び図4の一部を拡大した図8に示すように第1の駆動軸21内には、その上の油圧クラッチ63,64,65に対し作動油を供給するための油通路92A,92B,92Cと該油圧クラッチ63,64,65の摩擦エレメント部に対し潤滑油を供給するための油通路92Lとを、設けてある。また図4,7及び図4の他部を拡大した図9に示すように第2の従動軸27内には、その上の油圧クラッチ75,76,77に対し作動油を供給するための油通路93A,93B,93Cと該油圧クラッチ75,76,77の摩擦エレメント部に潤滑油を供給するための油通路93Lとを、設けてある。第1の駆動軸21内の作動油の通路92A,92B,92Cを位置固定側の油通路に接続するための油路ロータリジョイント部94は同駆動軸21と第1の軸受枠体40間に設けられ、第2の従動軸27内の作動油の通路93A,93B,93Cを位置固定側の油通路に接続するための油路ロータリジョイント部95は同従動軸27と第2の軸受枠体41間に設けられている。すなわち第1の駆動軸21の前端部外周面に形成した環状溝を第1の軸受枠体40における駆動軸挿通穴の内壁面で閉鎖して油路ロータリジョイント94を提供する環状油室94A,94B,94Cを形成する一方、第2の従動軸27の前端部外周面に形成した環状溝を第2の軸受枠体41における従動軸挿通穴の内壁面で閉鎖して油路ロータリジョイント95を提供する環状油室95A,95B,95Cを形成している。第1の駆動軸21内の潤滑油の通路92Lと第2の従動軸27内の潤滑油の通路93Lは該両通路92L,93Lを第2の軸受枠体41内の、両軸21,27間の若干の間隙内に開口させることによって同間隙を介し互いに連通させる一方、通路92Lに連らなる潤滑油の供給通路96を第1の軸受枠体40内に設けることによって、潤滑油が供給されることとしている。
【0034】
図8,9に明瞭に示すように第1及び第2の油圧式変速装置23,24における各油圧クラッチのピストンには、第1の駆動軸21内の潤滑油通路92L及び第2の従動軸27内の潤滑油通路93Lを各クラッチ・シリンダのボス部に形成した油穴97を介して摩擦エレメント部に連通させるための油穴98を形成してあるが、図示の油圧クラッチの切り状態では油穴97,98間の連通断面積がピストンによって絞られ、ピストンが摩擦エレメント方向に移動したクラッチ係合状態では油穴97,98間の連通断面積が大きくされるように、油穴97,98を配置してある。これによって係合状態の油圧クラッチにのみ、同状態に対応した量の潤滑油が供給され、潤滑油に不足が生じるのを避けてある。また各油圧クラッチには摩擦エレメント群を係合方向に付勢する皿ばね99も設けてあって、油圧の作用によるクラッチ係合時に該皿ばね99が圧縮されて緩衝的な係合が得られることとしてある。
【0035】
図6,7及び図10,11に示すように前部ハウジング3の一側(右側)外面の下方部にはプレート部材101を介して厚手のプレート状バルブブロック102を、ボルト103によって装着してある。このバルブブロック102は車両軸線方向でみてほぼ第1及び第2の軸受枠体40,41間に配置されており、さらに中間ハウジング4の前端部一側(右側)外面の下方部には他のプレート部材104を、ボルト105によって装着してある。バルブブロック102の上面には、第1及び第2の油圧式変速装置23,24における油圧クラッチ63,64,65及び75,76,77に対する作動油の供給を制御する4個の電磁切換弁106A,106B,106C,106Dを装着し、その各油路切換えプランジャ106aをバルブブロック102内に突入させてある。バルブブロック102の下面前方位置には油圧クラッチ63,64,65及び75,76,77に対する作用油圧を制御するための電磁比例弁107が装着され、また背面下方位置には同油圧クラッチからの排油を制御するための電磁制御弁108が装着されている。バルブブロック102にはまた、作動油供給ポート109と潤滑油供給ポート110とを設けてある。
【0036】
バルブブロック102内からプレート部材101内へ作動油通路111A,111B,111Cが導かれており、また第1の軸受枠体40内にはロータリジョイント部94の環状油室94A,94B,94Cに連通する作動油通路112A,112B,112Cを、前者の作動油通路111A,111B,111Cに対向させて形成してある。これらの作動油通路の形成領域で前部ハウジング3の側壁に、プレート部材101及びバルブブロック102によって閉鎖される開口113を形成してあり、この開口113を通して、作動油通路111A,111B,111Cと作動油通路112A,112B,112C間を接続する3本の導管部材ないしパイプ114A,114B,114Cを、その端部をそれぞれ作動油通路端に嵌合して設けてある。またバルブブロック102内からプレート部材101及び前部ハウジング3の側壁内へ導いた作動油通路115A,115B,115Cを設けて、これらの作動油通路に連通する作動油通路116A,116B,116Cを中間ハウジング4の側壁内と他のプレート部材104内に形成して、該他のプレート部材104の内面に開口させてある。第2の軸受枠体41内にはロータリジョイント部95の環状油室95A,95B,95Cに連通する作動油通路117A,117B,117Cを、作動油通路116A,116B,116Cに対向位置させて形成してある。これらの作動油通路の形成領域で中間ハウジング4の側壁に、プレート部材104によって閉鎖される開口118を形成してあり、作動油通路116A,116B,116Cと作動油通路117A,117B,117C間を接続する3本の導管部材ないしパイプ119A,119B,119Cを、その端部をそれぞれ作動油通路端に嵌合して設けてある。
【0037】
これよりしてバルブブロック102の作動油供給ポート109に供給される作動油は、電磁切換弁106A,106B,106C,106Dにより流れ方向を切換えられて環状油室94A,94B或いは94Cと環状油室95A,95B或いは95Cへと供給される。一方、潤滑油供給ポート110は、それに連通するプレート部材101内の油通路120と第1の軸受枠体40内の前記潤滑油供給通路96間を接続する導管部材ないしパイプ121を設けることによって潤滑油供給通路96、したがって第1の駆動軸21内の潤滑油供給通路92L及び第2の従動軸27内の潤滑油供給通路93Lに対し、常時連通路させてある。
【0038】
図12は、後部ハウジング5内の上半部を示している。前記PTOクラッチ36は油圧式のものに構成され、伝動軸34の後端部上に固定設置した回転支持金物125と伝動軸35の前端部上に固定設置したクラッチ・シリンダ126とに複数枚宛の摩擦エレメントを、交互に配置し摺動のみ自在に支持させてある。戻しばね36aにて移動付勢されたピストン36bを設けて、伝動軸35内の作動油通路127から圧力下の作動油をピストン36bに作用させ、該ピストン36bを摩擦エレメント方向に移動させてクラッチ係合を得ることとされている。伝動軸34の後端に軸受け穴34aを形成して該軸受け穴34aに伝動軸35の前端部を支承させているが、伝動軸35内には同軸支承部とPTOクラッチ36の摩擦エレメント部に潤滑油を供給するための油通路128も設けられている。第1及び第2の油圧式変速装置23,24における油圧クラッチに類似してピストン36bには、摩擦エレメント部に対する潤滑油の供給量をクラッチ切り状態では絞りクラッチ係合状態では増加させる油穴129を、形成してある。作動油通路127は伝動軸35の後端面と後蓋5c間に形成された油室130から作動油を供給され、潤滑油通路128は伝動軸35の外周面と後蓋5c間に形成された環状油室131から潤滑油を供給される。
【0039】
図12及び図2に示すように前記PTO変速装置37は、伝動軸35上に固定設置した3個の歯車132,133,134とPTO軸32上に遊嵌設置した3個の歯車135,136,137との対応するもの同士を噛合わせ、PTO軸32上に摺動のみ自在に設けたクラッチ金物138により歯車135,136,137を択一的にPTO軸32に対し結合して、3段の変速を得るものに構成されている。
【0040】
図2に示すように前記油圧リフトケース15は、後部ハウジング5の頂壁に形成した開口を閉鎖させて該ハウジング5の上面上に固定設置されているが、後部ハウジング5内の上方位置には、油圧リフトケース15に支持させた支持プレート140を設置してある。伝動軸34の後端近傍部上には歯車141を固定設置してあり、この歯車141に噛合わせた歯車142を支持プレート140に支持させると共に、該歯車142に噛合わせた歯車143を、油圧リフトケース15に支持させた動力取出し軸144上に固定設置している。油圧リフトケース15の前面には動力取出し軸144によって駆動を受けるタンデム型の2個の油圧ポンプ145,146を、装着してある。
【0041】
図1に示すように油圧リフトケース15から一体的に前方に張り出した架台部15a上にバルブブロック147を設置して、油圧ポンプ145に接続されPTOクラッチ36を含むPTO系油圧作動機構に対する油の供給を制御するバルブ機構(後述)を、該バルブブロック147に内装させてある。そしてこのバルブブロック147に基端を接続された作動油供給パイプ148及び潤滑油供給パイプ149を設けて、該パイプ148,149をその先端で、前部ハウジング3外側面上のバルブブロック102の作動油供給ポート109及び潤滑油供給ポート110へと接続してある。
【0042】
ここで図示トランスミッション装置の組立て方法に触れておくと、前後進切替え装置20は前部ハウジング3内の前方位置に第1の軸受枠体40の取付け前に後方から、原動軸17及び出力軸19の前端部を支壁部3aに支持させた状態で組込まれる。その後に第1の軸受枠体40を取付けて原動軸17及び出力軸19の後端部を支持させ、次に前部ハウジング3内の後方位置に第1の油圧式変速装置23を後方から、第1の駆動軸21及び従動軸22の前端部を第1の軸受枠体40に支持させた状態で組込む。カップリング部材として機能する歯車ボス部48aは、第1の油圧式変速装置23の組込みと同時に出力軸19と第1の駆動軸21間を連結する。第2の油圧式変速装置24は中間ハウジング4内の前半部に第2の軸受枠体41の取付け前に前方から、第2の駆動軸26及び従動軸27の後端部を支壁部4aに支持させた状態で組込まれる。その後に第2の軸受枠体41を取付けて第2の駆動軸26及び従動軸27の前端部を支持させる。ここで第1の駆動軸21及び従動軸22の後端部を第2の軸受枠体41に支持させつつ、中間ハウジング4に対し前部ハウジング3を締結する。カップリング68は予め、第1の従動軸22端又は第2の駆動軸26端に装備させておくことで該両軸22,26間を同時に連結する。機械式変速装置25は中間ハウジング4内の後半部に後方から、カウンタ軸28及び従動軸29の前端部を支壁部4aに支持させた状態で組込まれる。この組込みは、第2の油圧式変速装置24の組込みの前又は後の何れの状態でも行い得る。後部ハウジング5内のPTOクラッチ36及びPTO変速装置37等は、後蓋5cの取付け前に後方から行える。それに先立ちPTO系の伝動軸33をそれぞれ中空の第1の従動軸22、第2の駆動軸26及びカウンタ軸28に後方から挿入して行って、原動軸17端に予め装備させておいたカップリング44により原動軸17に対し連結できる。中間ハウジング4は後部ハウジング5に対し、カウンタ軸28及び従動軸29の後端部を後部ハウジング5の前壁5aに支持させつつ、締結される。
【0043】
図6及び図11から明らかなようにパイプ114A,114B,114C,121は、前部ハウジング3側壁の開口113を通して第1の軸受枠体40に予め支持させ、プレート部材101及びバルブブロック102を前部ハウジング3の側壁外面上に装着することによりプレート部材101に支持させ得る。同様にパイプ119A,119B,119Cは図7,11から明らかなように、中間ハウジング4側壁の開口118を通して第2の軸受枠体41に予め支持させ、プレート部材104を中間ハウジング4の側壁外面上に装着することによりプレート部材104に支持させ得る。図2に模式的に示した油圧ポンプ145,146用の動力取出し機構は、歯車141を予め伝動軸34に装備させておくと共に油圧リフトケース15に予め、歯車142を装備する支持プレート140と歯車143を装備する動力取出し軸144を支持させておくことで、後部ハウジング5上面へ油圧リフトケース15を設置するのと同時に組込める。
【0044】
図13及び図14はそれぞれ、前後進切替え装置20の油圧クラッチ50,51のための油圧回路、及び第1及び第2の油圧式変速装置23,24の油圧クラッチ63,64,65,75,76,77とPTOクラッチ36を含むPTO系油圧作動機構のための油圧回路を、示している。車体内の低部で提供された油溜まり151から前者の油圧回路には前記油圧ポンプ55により、また後者の油圧回路には前記油圧ポンプ145により、それぞれ油が供給される。前記油圧ポンプ146は、油圧リフトシリンダ16(図1)に対し作動油を供給するために使用される。油溜まり151内には、油圧ポンプ55と油圧ポンプ145,146とに共用の油フィルタ152が設けられている。PTO系油圧作動機構は油圧式のPTOクラッチ36の他、該PTOクラッチ36の切り状態でクラッチ36従動側を制動する油圧作動型のPTOブレーキ153とPTOクラッチ36の係合状態でPTO変速装置37におけるギヤ抜けを防止する油圧作動型のインターロック機構154とを、含んでいる。
【0045】
前後進切替え装置20の油圧クラッチ50,51のための油圧回路は図13に示すように、油溜まり152に通じる油路156から油圧ポンプ55により油を供給される給油路157に油路遮断弁158、減圧弁159、及び方向切換弁160を、この順で直列に接続してあるものに、構成されている。給油路157にはラインフィルタ161とバイパス弁162とを、互いに並列に接続して挿入してある。バイパス弁162は、ラインフィルタ161に目詰まりが生じ上流側の油圧が高められたとき、リリーフ動作して必要な給油量を確保させる。給油路157の油圧は主リリーフ弁163にて設定され、この主リリーフ弁163の二次側には、低圧リリーフ弁163Aにて設定される油圧の潤滑油を油圧クラッチ50,51方向に導く潤滑油供給油路164が、接続されている。
【0046】
油路遮断弁158は、給油路157端を遮断する遮断位置Iと給油路157を油路遮断弁158と減圧弁159間の接続油路165に対し導通させる開放位置IIとを備え、遮断位置Iでは接続油路165を油溜まり151に接続して該接続油路165から油をドレンさせる。減圧弁159は、方向切換弁160へ導かれた油路166の油圧を減圧制御するもので、接続油路165を油路166に対し実質的に絞ることなく接続する非作用位置Aと、接続油路165を油路166に対し可変に絞って接続し油路166の油圧を可変に減圧する減圧作用位置Bと、油路166から油をドレンして該油路166の油圧をアンロードするアンロード位置Cとを、備えている。方向切換弁160は両油圧クラッチ50,51を切り状態とする中立位置N、前進用油圧クラッチ50を係合状態とする前進作用位置F、及び後進用油圧クラッチ51を係合状態とする後進作用位置Rを備えている。接続油路165に接続して油圧漸増用の周知のモジュレート型リリーフ弁167を設けてあり、同リリーフ弁167において油圧設定用スプリング167aの基端を受ける制御ピストン167bの背後の油室は方向切換弁160を介し、同切換弁160の中立位置Nで迅速に油がドレンされるように油溜まり151に接続されている。モジュレート型リリーフ弁167は方向切換弁160が作用位置F又はRに移されると、接続油路165から絞り167cを介し制御ピストン167b背後に徐々に流入する油による該ピストン167bの徐々の前進によって、スプリング167aを徐々に圧縮し接続油路165の油圧を、予定した値にまで徐々に高める。方向切換弁160は、図1に示すようにステアリングホィール13に近接配置してある前後進切替えレバー168によって、変位操作される。
【0047】
減圧弁159は図1に示すように座席12の前下方位置に配置してあるペダル169によって操作され、この減圧弁操作に連動して油路遮断弁158を遮断位置Iから開放位置IIへと機械的に移すシリンダ機構170が設けられている。このシリンダ機構170は油路遮断弁158が一旦開放位置IIへ移されるとペダル169が元位置に戻されても、該遮断弁158を介し接続油路165の油圧を作用せしめられて油路遮断弁158を同開放位置IIに保持するものに、構成されている。車両の停止状態からペダル169を大きく踏み込むと減圧弁159がアンロード位置Cに移されると同時に油路遮断弁158が開放位置IIへ移され、事後にペダル169を徐々に解放し減圧弁159を、減圧作用位置Bを経て非作用位置Aへと戻すことで、車両が徐々に発進することになる。車両の走行状態ではペダル169を任意に踏み込んで減圧弁159による任意の減圧状態を得、油圧クラッチ50又は51のスリップ係合を得て車両の低速走行を得ることができる。
【0048】
同様に図13に示すように、モジュレート型リリーフ弁167の二次側油路170は潤滑油供給油路164に合流させてある。潤滑油供給油路164には開閉弁171を挿入してあり、この開閉弁171は、油路166の油圧をパイロット圧として作用され同油路166に油圧が成立している状態でのみ開放されて、油圧クラッチ50,51方向へ潤滑油を導くものとされている。開閉弁171の下流側で潤滑油供給油路164はそれぞれ、流量制御弁172F,172Rを介して前進用油圧クラッチ50及び後進用油圧クラッチ51へと接続されている。これらの流量制御弁172F,172Rは、油圧クラッチ50,51自体を利用して構成されている。すなわち図15に示すように原動軸17内の潤滑油通路52Lを、クラッチ・シリンダ52のボス部の油穴173を介し油圧クラッチ50,51の摩擦エレメント部に連通させるために、各ピストン50b,51bには大径穴172aと絞り穴172bとを並列させて形成してあり、クラッチ切り状態では前進用油圧クラッチ50について示すように絞り穴172bのみが油穴173と重なり、クラッチ係合状態では後進用油圧クラッチ51について示すように大径穴172aと絞り穴172bとの両者が油穴173と重なるように図って、係合状態の油圧クラッチ50又は51にのみ十分な量の潤滑油が供給されることと、しているのである。
【0049】
図13に示す油圧回路は前述した米国特許No.5,599,247に記載されたものと実質的に等しく、図13に示すバルブ類の具体構造も同特許に記載されている。
【0050】
図14に示す油圧回路について説明すると、油溜まり152に通じる油路174から油圧ポンプ145により油を供給され主リリーフ弁175により油圧を設定される給油路に、第1及び第2の油圧式変速装置23,24の油圧クラッチ63,64,65,75,76,77方向に作動油を供給する給油路176と、PTOクラッチ36、PTOブレーキ153及びインターロック機構154方向に作動油を供給する給油路177とを、並列接続して設けている。油路174にはラインフィルタ178とバイパス弁179とを、互いに並列に接続して挿入してある。バイパス弁179は、前記バイパス弁162と同様に機能する。主リリーフ弁175の二次側には、低圧リリーフ弁180にて設定される油圧の潤滑油をPTOクラッチ36及び走行系の油圧クラッチ63,64,65,75,76,77方向に導く潤滑油供給油路181が、接続されている。
【0051】
給油路176には電磁比例弁107が挿入されている。この電磁比例弁107は電流として与えられる指令に応じ、該弁107下流側の給油路176から油をドレンする図示の非作用位置Nから作用位置Iに変位すると共に、電流値に応じて給油路176を流れる油流量を制御することによって該弁107下流側の給油路176の油圧を、予定した値にまで徐々に立ち上がらせて行く。電磁比例弁107の下流側で給油路176を2つの給油路176a,176bに分岐して、給油路176aは2個の電磁切換弁106A,106Bを介し第1の油圧式変速装置23の3個の油圧クラッチ63,64,65に接続し、給油路176bは2個の電磁切換弁106C,106Dを介し第2の油圧式変速装置24の3個の油圧クラッチ75,76,77に接続している。各電磁切換弁106A,106B,106C,106Dに対し逆止弁を介し接続された単一の排油路182が設けられ、この排油路182に排油制御用の電磁制御弁108が挿入されている。この電磁制御弁108は、排油路182から油を絞ることなく油溜まり152に排出させる位置Aと、ソレノイドの励磁により移される位置Bであって絞り108aにより排油を絞る位置Bとを、有する。
【0052】
各電磁切換弁106A,106B,106C,106Dは中立位置を有しない4ポート、2ポジションのバルブに構成されており、ソレノイドの励磁により位置Iから位置IIに移される。給油路176aは電磁切換弁106Aに対し接続されており、この電磁切換弁106Aが油圧クラッチ63と電磁切換弁106Bとに接続され、後者の電磁切換弁106Bが油圧クラッチ64,65に対し接続されている。類似して給油路176bは電磁切換弁106Cに対し接続されており、この電磁切換弁106Cが油圧クラッチ75と電磁切換弁106Dとに接続され、後者の電磁切換弁106Dが油圧クラッチ76,77に対し接続されている。電磁切換弁106A,106B,106C,106Dの位置と第1の油圧式変速装置23の油圧クラッチ63,64,65及び第2の油圧式変速装置24の油圧クラッチ75,76,77の係合する2個宛のクラッチとの関係は、表1に示す通りである。
【表1】
Figure 0004097166
【0053】
給油路177には電磁切換弁183が挿入され、同切換弁183の二次側は、油路184を介してPTOクラッチ36に接続されると共に油路185を介して、インターロック機構154の作動シリンダ154aとPTOブレーキ153を切る作動シリンダ153aとに接続されている。油路185の油圧を設定するための比較的低圧でリリーフ動作するリリーフ弁186が設けられ、そのリリーフ油をPTOクラッチ36に接続された油路184に導くようにされている。油路184の油圧を設定するためには、モジュレート型のリリーフ弁187が設けられ、そのリリーフ油は潤滑油供給油路181へと合流させることとしてある。電磁切換弁183は油路184,185からの排油を得させる中立位置Nと、油路184,185に対し油を供給する作用位置Iとを有し、中立位置NではPTOクラッチ36を切り、PTOブレーキ153をスプリング153bの作用で制動作動させ、またインターロック機構154のロック作用を解除する。電磁切換弁183がそのソレノイドの励磁により作用位置Iをとると、モジュレート型リリーフ弁187により設定される油圧がPTOクラッチ36に作用して同クラッチ36が係合し、同時に作動シリンダ153a,154aに対しリリーフ弁186にて設定される油圧が作用し、PTOブレーキ153によるPTOクラッチ36従動側の制動が解除されると共にインターロック機構154が作動して図2,12に示すPTO変速装置37におけるギヤ抜けが防止される。
【0054】
潤滑油供給油路181は、図12に示す伝動軸35内の潤滑油通路128を介しPTOクラッチ36の摩擦エレメント部等へ、そして図4に示す第1の駆動軸21内及び第2の従動軸27内の潤滑油通路92L,93Lを介し走行系の6個の油圧クラッチ63,64,65,75,76,77の摩擦エレメント部へ、潤滑油を供給する。このように同一の潤滑油供給系で多数個の油圧クラッチに対し潤滑油を供給するのにも拘わらず、走行系の各油圧クラッチにおいては図8,9に示す油穴97,98の配置関係により、またPTOクラッチにおいては図12に示す油穴129の配置により、係合中の油圧クラッチにのみ十分な量の潤滑油が供給されることとしているから、潤滑油に不足が生じることはない。
【0055】
第1及び第2の油圧式変速装置23,24用の電磁切換弁106A,106B,106C,106Dは、図1に示すように座席12の一側に配置してある主変速レバー190によって操作される。図16に示すように、該主変速レバー190と一体に回転変位される筒部190aに可動接点Saを取付けたロータリスイッチRSを、設けてある。ロータリスイッチRSの固定接点は、第1の油圧式変速装置23と第2の油圧式変速装置24の組合わせによって9段の変速が得られるのに対応して9個S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8,S9、設けられている。ロータリスイッチRSに接続してコントローラが設けられ、このコントローラはシフトアップ・シフトダウン判定部191、及び電磁切換弁106A,106Bの励解磁制御部192a,電磁切換弁106C,106Dの励解磁制御部192b,電磁比例弁107の励解磁制御部192c,電磁制御弁108の励解磁制御部192dを有する。判定部191は何れの変速段から他の何れの変速段へとシフトアップ或いはシフトダウンがなされたかを判定して、判定結果に応じた信号を励解磁制御部192a,192b,192c,192dに出力する。励解磁制御部192a,192bは、変速操作に対応した電磁切換弁106A−106Dの励解磁制御を行う。励解磁制御部192cは選択された変速段に応じ予定したクラッチ作用油圧の立ち上がり特性が得られるように、電磁比例弁107に対し指令信号を与える。励解磁制御部192dは変速操作時に排油制御用の電磁制御弁108を一旦、位置Aから位置Bに変位させ予定された油圧低下特性が得られるように、シフト前の油圧クラッチからの排油流量の制限を行わせる。
【0056】
図17はコントローラ191,192a−192dによる油圧の制御態様を、模式的に示している。コントローラは電磁比例弁107に、何れの変速段から他の何れの変速段にシフトアップ或いはシフトダウンがなされたかに応じシフト後の時間tに対しクラッチ作用油圧Pを、例えばカーブC1,C2或いはC3のように立ち上がらせる。一方コントローラは電磁制御弁108に、シフト前の油圧クラッチからの排油流量を制限させることでその油圧クラッチに対する作用油圧Pを経時的に、例えばカーブCdのように低下させる。シフト前の油圧クラッチは作用油圧の低下によってスリップ状態を経て切れ、シフト後の油圧クラッチは作用油圧の上昇によってスリップ状態を経て係合するが、高速域でのシフトか低速域でのシフトか、シフトアップかシフトダウンかに応じて油圧の低下特性と上昇特性とを、円滑な車速変更が得られるように選択する。
【0057】
図18は、バルブブロック102内の油路と第2の軸受枠体41内の油路間の接続構造に係る第2の実施例を示している。本実施例におけるバルブブロック102内の油路と第1の軸受枠体40内の作動油通路間の接続構造は前述実施例におけるのと同様であるが、第1の軸受枠体40内には他3個の作動油通路201A,201B,201Cを、一側面と背面とに開口させて形成してある。そして第2の軸受枠体41内に第2の油路ロータリジョイント部95に連なる作動油通路117A,117B,117Cを、該軸受枠体41の前面に開口させて設け、作動油通路201A,201B,201Cと作動油通路117A,117B,117Cとを、第1及び第2の軸受枠体40,41間に架け渡したパイプ202A,202B,202Cによって接続している。プレート部材101には対応してバルブブロック102内に連通する他3個の作動油通路を形成してあり、該通路が作動油通路201A,201B,201Cに対し、前部ハウジング3側壁の開口113を通しプレート部材101と第1の軸受枠体40間に架け渡したパイプ203A,203B,203Cによって接続されている。
【0058】
図19,20は第2の軸受枠体41の配置、及びバルブブロック102内の油路と第2の軸受枠体41内の油路間の接続構造に係る第3の実施例を示している。本実施例における第2の軸受枠体41は図19に示す通り、前述実施例の場合同様に中間ハウジング4に支持させてあるが、前部ハウジング3内に張り出して配置されている。そして図20に示すようにバルブブロック102に後方向き延長部102aを設け、バルブブロック102内に連通する作動油通路115A,115B,115Cを、同延長部102aとプレート部材101との合わせ面間に形成している。前部ハウジング3の側壁には他1個の開口205を設けてあり、第2の油路ロータリジョイント部95に連なる軸受枠体41内の作動油通路117A,117B,117Cを、開口205を通過させたパイプ119A,119B,119Cによって前者の作動油通路115A,115B,115Cに対し接続している。なお第3の実施例では図19に示すように、前後切替え装置20の前進歯車列45,47を後側に配置し、歯車47のボス部47aを利用して出力軸19と第1の駆動軸21間を連結している。
【0059】
図21は、第2の軸受枠体41の支持及び配置に係る第4の実施例を示している。本実施例の第2の軸受枠体41は前部ハウジング3の後端内面に突設したボス部3cに、中間ハウジング4側からボルト43により取付けられて、前部ハウジング3内に張り出させて設けられている。組立てにあたっては、前部ハウジング3の後半部内への第1の油圧式変速装置23の組込み後に第2の軸受枠体41を、第1の駆動軸21及び従動軸22の後端部を同軸受枠体41に支持させつつ前部ハウジング3に取付け支持させ、前半部に第2の油圧式変速装置24を組込んだ中間ハウジング4に対し前部ハウジング3を、第2の駆動軸26及び従動軸27の前端部を第2の軸受枠体41に支持させつつ、且つ、同時にカップリング68により第1の従動軸22と第2の駆動軸26間の連結を行いつつ、締結する。何れの実施例も、軸受枠体40,41を設けていることで組立てが極く容易となっている。
【0060】
図示のトラクタはエンジン1の始動後に一旦、図13に示すペダル169を大きく踏込んで油路遮断弁150を開放位置に移し前後進切替え装置20の油圧クラッチ50,51方向に作動油が供給される状態を得なければ発進させることができず、事後にペダル169を徐々に解放して行くことで減圧弁159によりクラッチ作用油圧を徐々に高めて、油圧クラッチ50又は51をスリップ状態を経て係合させ車両の徐々の発進を得ることができるから、前後進切替え装置20を主クラッチとして用いることができる。第1及び第2の油圧式変速装置23,24のシフト操作は前後進切替え装置20を作動させたままで行われ、機械式変速装置25は予め車両の走行条件に応じた変速段にセットしておくが、必要であれば前後進切替えレバー168により方向切換弁160を中立位置Nに操作するかペダル169により減圧弁159をアンロード位置Cに操作して、前後進切替え装置20の油圧クラッチ50,51を一旦切ることで、車両走行中にもシフト操作できる。
【0061】
主クラッチとしても用いる前後進切替え装置20は車両発進時の大きなトルク変動を制御することとなり、また減圧弁159により油圧クラッチ50又は51をスリップ運転して車両を微速走行させるためにも用いられるが、その油圧クラッチ50,51の潤滑系統を独立させて設けていること、また図13に示す流量制御弁172F,172Rによって作動中の油圧クラッチ50又は51にのみ潤滑油が、他1個の油圧クラッチへの潤滑油供給量が制限されつつ、多量に供給されることから、摩擦エレメントの摩耗が十分に抑制される。油圧クラッチ50,51が前後進切替え装置20において上段側の原動軸17上に配置されていることにより、同クラッチ50,51が車体内に収容された油に浸漬せず、クラッチ中立時に摩擦エレメントが伝達し得るドラグトルクが低減される。他方、第1及び第2の油圧式変速装置23,24の油圧クラッチ63,64,65及び75,76,77は、これらの変速装置において下段側の第1の駆動軸21及び第2の従動軸27上に配置されていることにより、車体内の油に浸漬して冷却が促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例を装備したトラクタの一部切欠き概略側面図である。
【図2】 同トラクタに設けられたトランスミッション機構を示す、模式的な一部展開縦断側面図である。
【図3】 図1に示したトラクタの前部ハウジングの前半部を示す縦断側面図である。
【図4】 図1に示したトラクタの前部ハウジングの後半部と中間ハウジングの前半部とを示す縦断側面図である。
【図5】 図1に示したトラクタの中間ハウジングの後半部と後部ハウジングの前半部とを示す縦断側面図である。
【図6】 図4のVI−VI線にほぼ沿った断面図である。
【図7】 図4のVII−VII線にほぼ沿った断面図である。
【図8】 図4の一部を拡大した縦断側面図である。
【図9】 図4の他の一部を拡大した縦断側面図である。
【図10】 図1に示したトラクタの一部を示す一部縦断側面図である。
【図11】 図1に示したトラクタの一部を示す横断平面図である。
【図12】 図1に示したトラクタの後部ハウジングの後半部上方部分を示す縦断側面図である。
【図13】 図2,3に示した前後進切替え装置のための油圧回路を示す回路図である。
【図14】 図2,4に示した第1及び第2の油圧式変速装置と図2,12に一部を示したPTO機構のための油圧回路を示す回路図である。
【図15】 図2,3に示した前後進切替え装置の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【図16】 図2,4に示した第1及び第2の油圧式変速装置のためのコントローラを示すブロック図である。
【図17】 図16に示したコントローラによる油圧の制御態様を例示する模式的なグラフである。
【図18】 図11に類似の横断平面図で、第2の実施例を示している。
【図19】 図4の一部に類似の縦断側面図で、第3の実施例を示している。
【図20】 図11に類似の横断平面図で、第3の実施例を示している。
【図21】 図4の一部に類似の縦断側面図で、第4の実施例を示している。
【符号の説明】
1 エンジン
2 車体
3 前部ハウジング
3b,3c ボス部
4 中間ハウジング
4a ボス部
5 後部ハウジング
17 原動軸
19 出力軸
20 前後進切替え装置
21 第1の駆動軸
22 第1の従動軸
23 第1の油圧式変速装置
24 第2の油圧式変速装置
25 機械式変速装置
26 第2の駆動軸
27 第2の従動軸
28 カウンタ軸
29 従動軸(プロペラ軸)
32 PTO軸
33 伝動軸
36 PTOクラッチ
40 第1の軸受枠体
41 第2の軸受枠体
42,43 ボルト
44 カップリング
45,46 歯車
47,48 歯車
47a,48a ボス部
50 前進用油圧クラッチ
51 後進用油圧クラッチ
57,58,59 歯車
60,61,62 歯車
63,64,65 油圧クラッチ
69,70,71 歯車
72,73,74 歯車
75,76,77 油圧クラッチ
80,81 歯車
82,83,85 歯車
86 シフト歯車
87 歯車
88 クラッチ金物
92A,92B,92C 油通路
92L 油通路
93A,93B,93C 油通路
93L 油通路
94 第1の油路ロータリジョイント部
94A,94B,94C 環状油室
95 第2の油路ロータリジョイント部
95A,95B,95C 環状油室
96 潤滑油供給通路
101 プレート部材
102 バルブブロック
106A,106B,106C,106D 電磁切換弁
107 電磁比例弁
108 電磁制御弁
112A,112B,112C 作動油通路
113,205 開口
114A,114B,114C パイプ(導管部材)
117A,117B,117C 作動油通路
119A,119B,119C パイプ(導管部材)
168 前後進切替えレバー
190 主変速レバー
191 シフトアップ・シフトダウン判定部
192a,192b,192c,192d 電磁弁制御部

Claims (7)

  1. 走行駆動系及びPTO駆動系に共通する原動軸(17)を設けて、走行駆動系に、該原動軸(17)と出力軸(19)間で前進用クラッチ(50)及び後進用クラッチ(51)の択一的な作動により車両の進行方向を切替える前後進切替え装置(20)、第1の駆動軸(21)と第1の従動軸(22)間で複数個の油圧クラッチ(63,64,65)の択一的な作動により複数段の変速を行う第1の油圧式変速装置(23)、及び第2の駆動軸(26)と第2の従動軸(27)間で複数個の油圧クラッチ(75,76,77)の択一的な作動により複数段の変速を行う第2の油圧式変速装置(24)を、順次直列接続して設ける一方、上記原動軸(17)を、PTOクラッチ(36)を介して動力取出し用のPTO軸(32)に接続してある作業車両用のトランスミッション装置において、
    前後進切替え装置(20)において、前記出力軸(19)を前記原動軸(17)に対し平行に配置し、
    第1の油圧式変速装置(23)において、前記第1の駆動軸(21)を前記出力軸(19)と同心的に配置して該出力軸に連結する一方、前記第1の従動軸(22)を中空軸に形成して前記原動軸(17)と同心的に配置し、複数個の前記油圧クラッチ(63,64,65)を第1の駆動軸(21)上に設置し、
    第2の油圧式変速装置(24)において、前記第2の駆動軸(26)を中空軸に形成すると共に前記第1の従動軸(22)と同心的に配置して該第1の従動軸に連結する一方、前記第2の従動軸(27)を前記第1の駆動軸(21)とほぼ同心的に配置し、複数個の前記油圧クラッチ(75,76,77)を第2の従動軸(27)上に設置し、
    前記第1の駆動軸(21)内と前記第2の従動軸(27)内にそれぞれ、該各軸上の前記油圧クラッチに対し作動油を供給するための油通路(92A,92B,92C,93A,93B,93C)を形成する一方、
    前記PTOクラッチ(36)を介し前記PTO軸(32)に伝動するための伝動軸(33)を、中空の前記第1の従動軸(22)及び第2の駆動軸(26)を貫通させて設け 前記原動軸(17)及び出力軸(19)の後端部を支持すると共に前記第1の駆動軸(21)及び従動軸(22)の前端部を支持する第1の軸受枠体(40)と、前記第1の駆動軸(21)及び従動軸(22)の後端部を支持すると共に前記第2の駆動軸(26)及び従動軸(27)の前端部を支持する第2の軸受枠体(41)とを、車体(2)内に固定設置し、
    前記第1の駆動軸(21)及び前記第2の従動軸(27)内にそれぞれ第1及び第2の潤滑油通路(92L,93L)を設けて、これらの第1及び第2の潤滑油通路を前記第2の軸受枠体(41)内で連通させる一方、前記第1及び第2の軸受枠体(40,41)のうちの一方の軸受枠体に該潤滑油通路に連通する潤滑油供給通路(96)を設けたことを特徴とするトランスミッション装置。
  2. 1の駆動軸(21)内の前記油通路(92A,92B,92C)を位置固定側の油通路に接続するための第1の油路ロータリジョイント部(94)を上記第1の軸受枠体(40)に、また第2の従動軸(27)内の前記油通路(93A,93B,93C)を位置固定側の油通路に接続するための第2の油路ロータリジョイント部(95)を上記第2の軸受枠体(41)に、それぞれ配設してある請求項1のトランスミッション装置。
  3. 前記第1及び第2の軸受枠体(40,41)を、それぞれ車体(2)とは別体に形成して該車体に締結して設ける一方、前記第1の油路ロータリジョイント部(94)を前記第1の駆動軸(21)と第1の軸受枠体(40)間に形成した複数個の環状油室(94A,94B,94C)に、また前記第2の油路ロータリジョイント部(95)を前記第2の従動軸(27)と第2の軸受枠体(41)間に形成した複数個の環状油室(95A,95B,95C)に、それぞれ構成してある請求項2のトランスミッション装置。
  4. 前記第1の駆動軸(21)上の油圧クラッチ(63,64,65)と前記第2の従動軸(27)上の油圧クラッチ(75,76,77)とに対する作動油の供給を制御するための切換弁機構(106A,106B,106C,106D)を、車両軸線方向でみてほぼ前記第1の軸受枠体(40)と前記第2の軸受枠体(41)間で車体の一側壁外面上に設置したバルブブロック(102)に配設してある請求項2のトランスミッション装置。
  5. 前記一側壁に、前記バルブブロック(102)により覆われた少なくとも1個の開口(113;113,205)を形成し、前記第1及び第2の油路ロータリジョイント部(94,95)のうちの少なくとも一方の油路ロータリジョイント部に作動油を導くための導管部材(114A,114B,114C;114A,114B,114C,119A,119B,119C)を、バルブブロック(102)と前記第1及び第2の軸受枠体(40,41)のうちの少なくとも一方の軸受枠体との間に架け渡して設けてある請求項4のトランスミッション装置。
  6. 前記切換弁機構(106A,106B,106C,106D)の変位操作に連動して前記油圧クラッチ(63,64,65,75,76,77)のうちの選択された油圧クラッチに対する作用油圧の立上がり特性を制御する油圧制御弁(107)を、前記バルブブロック(102)に配設してある請求項4のトランスミッション装置。
  7. 走行駆動系に、前記第2の駆動軸(26)の後方に該駆動軸と同心的に配置した中空のカウンタ軸(28)、及び前記第2の従動軸(27)の後方に該従動軸と同心的に配置した他の従動軸(29)を設けて、第2の従動軸(27)と他の従動軸(29)間を直結する変速段とカウンタ軸(28)を介し接続する少なくとも1つの変速段とを備えた走行駆動系の機械式変速装置(25)を設ける一方、PTO駆動系の前記伝動軸(33)を、上記カウンタ軸(28)を貫通させてある請求項1のトランスミッション装置。
JP11999398A 1998-04-13 1998-04-13 作業車両用のトランスミッション装置 Expired - Lifetime JP4097166B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11999398A JP4097166B2 (ja) 1998-04-13 1998-04-13 作業車両用のトランスミッション装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11999398A JP4097166B2 (ja) 1998-04-13 1998-04-13 作業車両用のトランスミッション装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11291777A JPH11291777A (ja) 1999-10-26
JP4097166B2 true JP4097166B2 (ja) 2008-06-11

Family

ID=14775252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11999398A Expired - Lifetime JP4097166B2 (ja) 1998-04-13 1998-04-13 作業車両用のトランスミッション装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4097166B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2273146A3 (en) 2004-03-16 2011-02-02 Yanmar Co., Ltd. Working vehicle with hydraulic valve equipment
JP4923710B2 (ja) * 2006-05-01 2012-04-25 井関農機株式会社 移動農機のミッションケース
JP5065810B2 (ja) * 2007-08-27 2012-11-07 株式会社クボタ 変速伝動装置
WO2008108017A1 (ja) 2007-03-05 2008-09-12 Kubota Corporation 変速伝動装置
FR3027852B1 (fr) * 2014-11-04 2016-12-09 Technoboost Transmission mecanique de vehicule automobile avec machine hydraulique

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50153364U (ja) * 1974-06-10 1975-12-19
JPS58146193U (ja) * 1982-03-26 1983-10-01 株式会社クボタ 同芯2軸の潤滑構造
JPS63312233A (ja) * 1987-06-11 1988-12-20 Iseki & Co Ltd パワ−シフト変速装置における油圧バルブの配設装置
JPH0624586Y2 (ja) * 1987-12-08 1994-06-29 株式会社クボタ 農用トラクタの圧油供給構造
JP2530397Y2 (ja) * 1988-05-24 1997-03-26 株式会社クボタ 作業車の走行用操作構造
JPH0723644Y2 (ja) * 1988-09-30 1995-05-31 三菱農機株式会社 トラクタにおける油圧クラッチの油路構造
JP3445366B2 (ja) * 1994-06-15 2003-09-08 株式会社 神崎高級工機製作所 トラクタの伝動構造
JP3164734B2 (ja) * 1994-07-08 2001-05-08 株式会社クボタ 作業車の走行変速構造
JP3474705B2 (ja) * 1996-06-18 2003-12-08 株式会社クボタ トラクタのミッション

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11291777A (ja) 1999-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4043096B2 (ja) 作業車両用の走行駆動トランスミッション
US8105203B2 (en) Dual clutch transmission
JP5097880B2 (ja) デュアルクラッチ式変速装置
JP2002079839A (ja) 作業車両のトランスミッション
JPS6219625B2 (ja)
JPS6251768B2 (ja)
EP2221512A1 (en) Hydraulic control device of automatic transmission
JP4902075B2 (ja) 作業車の動力取出し装置
JPH10217784A (ja) トラクタの動力取出し装置
JP4097166B2 (ja) 作業車両用のトランスミッション装置
JPH03143737A (ja) 車両のミッション
JPH11311267A (ja) 走行駆動トランスミッションの制御方法
JP4443022B2 (ja) トラクタのトランスミッション
JPH11294580A (ja) 作業車両用の走行駆動トランスミッション
JP4182336B2 (ja) 動力車両の油圧回路
JP2530102Y2 (ja) トラクタ用トランスミツシヨン装置
CN220910376U (zh) 双离合多档位传动箱
JPH0520622B2 (ja)
JPH056444Y2 (ja)
JP2003301868A (ja) 作業車の走行トランスミッション
JP2000352446A (ja) 作業車両における変速装置
JPH0249139Y2 (ja)
JPS6343144Y2 (ja)
JPH094699A (ja) 動力伝達系の油圧装置
JPS585671Y2 (ja) 走行作業車における走行動力伝達装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20020531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20030122

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20030122

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20031126

A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20040514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080307

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110321

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110321

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110321

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120321

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120321

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130321

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130321

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130321

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130321

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140321

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140321

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150321

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term