JPH11291777A - 作業車両用のトランスミッション装置 - Google Patents

作業車両用のトランスミッション装置

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JPH11291777A
JPH11291777A JP10119993A JP11999398A JPH11291777A JP H11291777 A JPH11291777 A JP H11291777A JP 10119993 A JP10119993 A JP 10119993A JP 11999398 A JP11999398 A JP 11999398A JP H11291777 A JPH11291777 A JP H11291777A
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driven shaft
transmission
oil
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Mizuya Matsufuji
瑞哉 松藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 バルブ機構を集約配置できると共に作動油供
給用油通路の形成を容易としたトランスミッション装置
を提供する。 【解決手段】 前後進切替え装置の出力軸19を、原動
軸17と平行させ、第1の駆動軸21を連結し、第1の
従動軸22との間で変速を行う第1の油圧式変速装置2
3を、設けた。第1の駆動軸に対し同心の第2の駆動軸
26を連結し、該駆動軸と第1の従動軸にほぼ同心の第
2の従動軸27との間で変速を行う第2の油圧式変速装
置24を、設けた。第1及び第2の油圧式変速装置の油
圧クラッチ63,64,65及び75,76,77を、
第1の駆動軸及び第2の従動軸上に設ける一方、PTO
系の伝動軸33を、中空軸に形成した第1の従動軸及び
第2の駆動軸を貫通させて設けた。軸端支持用の第1及
び第2の軸受枠体40,41と第1の駆動軸及び第2の
従動軸間に、油路のロータリジョイント部94,95を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、作業車両におい
て走行動力及び作業機駆動力の伝動を行うためのトラン
スミッション装置に関するものである。
【0002】
【発明の背景】走行駆動系及びPTO駆動系に共通する
原動軸を設けて、走行駆動系に、該原動軸と出力軸間で
前進用クラッチ及び後進用クラッチの択一的な作動によ
り車両の進行方向を切替える前後進切替え装置、第1の
駆動軸と第1の従動軸間で複数個の油圧クラッチの択一
的な作動により複数段の変速を行う第1の油圧式変速装
置、及び第2の駆動軸と第2の従動軸間で複数個の油圧
クラッチの択一的な作動により複数段の変速を行う第2
の油圧式変速装置を、順次直列接続して設ける一方、上
記原動軸を、PTOクラッチを介して動力取出し用のP
TO軸に接続してある作業車両用のトランスミッション
装置が、特開平8−20257号公報から公知である。
【0003】上記した前後進切替え装置は前進用及び後
進用のクラッチを共に切り状態とすることで走行駆動系
の伝動を断ち、また上記したPTOクラッチはそれを切
り状態とするとPTO駆動系の伝動を断つから、本構造
のトランスミッション装置は主クラッチを必要としな
い。また上記のように走行駆動系に第1及び第2の油圧
式変速装置といった、それぞれ複数油圧クラッチの択一
的な作動により変速段切替えを行う2組の油圧式変速装
置を直列接続して設けると、油圧クラッチの作動制御が
バルブ操作によって軽快に行えることから、第1の油圧
式変速装置の変速段数と第2の油圧式変速装置の変速段
数とを乗じた多段の車速変更を極く容易に行える。
【0004】ところで上記公報に開示されたトランスミ
ッション装置では、前後進切替え装置において出力軸を
原動軸と同心配置すると共に原動軸と平行するカウンタ
軸を別に設け、前進用クラッチの作動によっては原動軸
と出力軸間が直結されて出力軸が車両前進方向に回転
し、後進用クラッチの作動によっては原動軸からカウン
タ軸を経て出力軸に至る後進用歯車列が作動されて出力
軸が車両後進方向に回転することとしている。そして第
1の油圧式変速装置の駆動軸はこの出力軸と同心配置さ
れて該出力軸に直結され、同変速装置はこの駆動軸上に
設けた複数油圧クラッチにより該駆動軸とそれに平行す
る従動軸間で複数段の変速を得るものに構成されてい
る。第2の油圧式変速装置は、その駆動軸を第1の油圧
式変速装置の従動軸と兼用させ、また従動軸を第1の油
圧式変速装置の従動軸と同心配置する一方、第1の油圧
式変速装置の駆動軸と同心配置したカウンタ軸を設け
て、従動軸上に設置した高速段の油圧クラッチの作動に
より第1の油圧式変速装置の従動軸と第2の油圧式変速
装置の従動軸とを直結して高速変速段を、また従動軸上
に設置した低速段の油圧クラッチの作動によりカウンタ
軸を経る減速歯車列を作動させて低速変速段を、それぞ
れ得ることとした高低2段のものに構成されている。そ
して原動軸と同心的に配置された前後進切替え装置の出
力軸兼第1の油圧式変速装置の駆動軸及び第2の油圧式
変速装置のカウンタ軸は、原動軸からPTOクラッチを
介してPTO軸に伝動するための伝動軸を貫通させて設
けるため、それぞれ中空軸に形成されている。
【0005】上で説明した特開平8−20257号公報
のものによれば、第1の油圧式変速装置と第2の油圧式
変速装置が前後に隣接させて設けられているにも拘わら
ずこれらの変速装置においてそれぞれ複数油圧クラッチ
を装架する第1の駆動軸と第2の従動軸とが段差をおい
て離間しているため、両油圧式変速装置の油圧クラッチ
のためのバルブ機構を集約配置することが困難である
か、集約配置したとすれば長い油圧配管を必要とするこ
とになる。また中空軸とした第1の駆動軸中にその上の
複数油圧クラッチに対する作動油供給用の油通路を形成
することは、精密で困難な機械加工を必要とする。
【0006】したがってこの発明の主たる目的は、直列
接続された第1及び第2の油圧式変速装置の油圧クラッ
チのためのバルブ機構を集約配置できることとすると共
に、両油圧式変速装置とも中実の伝動軸上に複数油圧ク
ラッチを設置してあって伝動軸中の作動油供給用油通路
の形成を容易に行えることとしてある、作業車両用の新
規なトランスミッション装置を提供することである。
【0007】付随する目的は、回転する伝動軸中の油通
路を位置固定側の油通路に接続するための油路ロータリ
ジョイント部の形成を容易とすると共に装置組立てを容
易としてある、新規なトランスミッション装置を提供す
ることである。
【0008】付随する他の目的は第1及び第2の油圧式
変速装置の油圧クラッチのためのバルブ機構を、単純な
構造で集約配置してあるトランスミッション装置を提供
することである。
【0009】
【発明の要約】この発明は走行駆動系及びPTO駆動系
に共通する原動軸(17)を設けて、走行駆動系に、該
原動軸(17)と出力軸(19)間で前進用クラッチ
(50)及び後進用クラッチ(51)の択一的な作動に
より車両の進行方向を切替える前後進切替え装置(2
0)、第1の駆動軸(21)と第1の従動軸(22)間
で複数個の油圧クラッチ(63,64,65)の択一的
な作動により複数段の変速を行う第1の油圧式変速装置
(23)、及び第2の駆動軸(26)と第2の従動軸
(27)間で複数個の油圧クラッチ(75,76,7
7)の択一的な作動により複数段の変速を行う第2の油
圧式変速装置(24)を、順次直列接続して設ける一
方、上記原動軸(17)を、PTOクラッチ(36)を
介して動力取出し用のPTO軸(32)に接続してある
作業車両用のトランスミッション装置に係る。
【0010】この発明のトランスミッション装置は、前
後進切替え装置(20)において、前記出力軸(19)
を前記原動軸(17)に対し平行に配置し、第1の油圧
式変速装置(23)において、前記第1の駆動軸(2
1)を前記出力軸(19)と同心的に配置して該出力軸
に連結する一方、前記第1の従動軸(22)を中空軸に
形成して前記原動軸(17)と同心的に配置し、複数個
の前記油圧クラッチ(63,64,65)を第1の駆動
軸(21)上に設置し、第2の油圧式変速装置(24)
において、前記第2の駆動軸(26)を中空軸に形成す
ると共に前記第1の従動軸(22)と同心的に配置して
該第1の従動軸に連結する一方、前記第2の従動軸(2
7)を前記第1の駆動軸(21)とほぼ同心的に配置
し、複数個の前記油圧クラッチ(75,76,77)を
第2の従動軸(27)上に設置し、前記第1の駆動軸
(21)内と前記第2の従動軸(27)内にそれぞれ、
該各軸上の前記油圧クラッチに対し作動油を供給するた
めの油通路(92A,92B,92C,93A,93
B,93C)を形成する一方、前記PTOクラッチ(3
6)を介し前記PTO軸(32)に伝動するための伝動
軸(33)を、中空の前記第1の従動軸(22)及び第
2の駆動軸(26)を貫通させて設けたことを特徴とし
てなる。
【0011】この発明によれば走行駆動系において、前
後進切替え装置(20)が平行する原動軸(17)及び
出力軸(19)間で前後進切替えを行い、第1の油圧式
変速装置(23)が平行する第1の駆動軸(21)及び
従動軸(22)間で変速伝動を行い、第2の油圧式変速
装置(24)が平行する第2の駆動軸(26)及び従動
軸(27)間で変速伝動を行うこととなり、前後進切替
え装置と第1の油圧式変速装置間の直列接続は出力軸
(19)と第1の駆動軸(21)間の連結により得ら
れ、第1の油圧式変速装置と第2の油圧式変速装置の直
列接続は第1の従動軸(22)と第2の駆動軸(26)
間の連結により得られることになる。そしてほぼ同心的
に配置されると共に前後に隣接している第1の駆動軸
(21)及び第2の従動軸(27)上に第1の油圧式変
速装置の複数油圧クラッチ(63,64,65)及び第
2の油圧式変速装置の複数油圧クラッチ(75,76,
77)が設置される一方、これらの油圧式変速装置にお
いて油圧クラッチを設けられていない第1の従動軸(2
2)と第2の駆動軸(26)とが同心的に配置されると
共に中空軸に形成されていて、その内部をPTO駆動系
の伝動軸(33)が貫通している。
【0012】このように第1及び第2の油圧式変速装置
の複数個宛の油圧クラッチがほぼ同心的に配置されると
共に前後に隣接している2本の伝動軸(21,27)上
に設置されていることから、例えば車体の外面上におい
て車体内の該2本の伝動軸が位置するレベルで両伝動軸
に近接した場所に両変速装置の油圧クラッチのためのバ
ルブ機構を、油圧配管を短くしつつ集約配置できること
になる。そして上記両伝動軸はその内部をPTO駆動系
の伝動軸を通過させず中実軸に形成されることから、こ
れらの各軸内に設ける作動油供給用の油通路(92A,
92B,92C,93A,93B,93C)の形成が、
容易に行えることになる。
【0013】回転する第1の駆動軸(21)及び第2の
従動軸(27)内の作動油通路は、それを位置固定側の
油通路に接続するための油路ロータリジョイント部を必
要とする。トランスミッション装置の組立てを容易とし
つつ必要な油路ロータリジョイント部を提供するために
は、前記原動軸(17)及び出力軸(19)の後端部を
支持すると共に前記第1の駆動軸(21)及び従動軸
(22)の前端部を支持する第1の軸受枠体(40)
と、前記第1の駆動軸(21)及び従動軸(22)の後
端部を支持すると共に前記第2の駆動軸(26)及び従
動軸(27)の前端部を支持する第2の軸受枠体(4
1)とを、車体(2)内に固定設置して、第1の駆動軸
(21)内の前記油通路(92A,92B,92C)を
位置固定側の油通路に接続するための第1の油路ロータ
リジョイント部(94)を上記第1の軸受枠体(40)
に、また第2の従動軸(27)内の前記油通路(93
A,93B,93C)を位置固定側の油通路に接続する
ための第2の油路ロータリジョイント部(95)を上記
第2の軸受枠体(41)に、それぞれ配設するのが好ま
しい。この構造によれば前後進切替え装置(20)及び
第1の油圧式変速装置(23)における伝動軸を支持す
る第1の軸受枠体(40)と第1及び第2の油圧式変速
装置(23,24)における伝動軸を支持する第2の軸
受枠体(41)とにそれぞれ油路ロータリジョイント部
(94,95)が配設されて、軸支持及び油路ロータリ
ジョイント部設置のための構造が単一化され、油路ロー
タリジョイント部が、組立てを容易としつつ設けられ
る。
【0014】組立てを一層容易とするためには前記第1
及び第2の軸受枠体(40,41)を、それぞれ車体
(2)とは別体に形成して該車体に締結して設ける一
方、前記第1の油路ロータリジョイント部(94)を前
記第1の駆動軸(21)と第1の軸受枠体(40)間に
形成した複数個の環状油室(94A,94B,94C)
に、また前記第2の油路ロータリジョイント部(95)
を前記第2の従動軸(27)と第2の軸受枠体(41)
間に形成した複数個の環状油室(95A,95B,95
C)に、それぞれ構成するのが好ましい。上記した環状
油室は第1の駆動軸及び第2の従動軸の各外周面に形成
した環状溝を、各軸受枠体の軸支承穴の内壁面により覆
わせて形成することができ、したがって第1の軸受枠体
に第1の駆動軸の前端部を、また第2の軸受枠体に第2
の従動軸の前端部を、支持させるのと同時に形成でき
る。
【0015】この発明の好ましい実施態様においては、
前記第1の駆動軸(21)上の油圧クラッチ(63,6
4,65)と前記第2の従動軸(27)上の油圧クラッ
チ(75,76,77)とに対する作動油の供給を制御
するための切換弁機構(106A,106B,106
C,106D)を、車両軸線方向でみてほぼ前記第1の
軸受枠体(40)と前記第2の軸受枠体(41)間で車
体の一側壁外面上に設置したバルブブロック(102)
に配設する。このように設けられた切換弁機構はバルブ
ブロックに集約配置されていると共に、第1及び第2の
油路ロータリジョイント部(94,95)に近接位置し
ていて油圧配管を短長で済むこととする。
【0016】この発明の好ましい実施態様においてはさ
らに、前記一側壁に、前記バルブブロック(102)に
より覆われた少なくとも1個の開口(113;113,
205)を形成し、前記第1及び第2の油路ロータリジ
ョイント部(94,95)のうちの少なくとも一方の油
路ロータリジョイント部に作動油を導くための導管部材
(114A,114B,114C;114A,114
B,114C,119A,119B,119C)を、バ
ルブブロック(102)と前記第1及び第2の軸受枠体
(40,41)のうちの少なくとも一方の軸受枠体との
間に架け渡して設ける。本構造によれば導管部材を予
め、開口(113)又は開口(113,205)を通し
て軸受枠体(40)又は軸受枠体(40,41)に支持
させておき、次に該開口を覆わせてバルブブロックを装
着し同時に導管部材を外端側で支持させることによっ
て、バルブブロックと当該油路ロータリジョイント部間
の接続油路を完成できる。
【0017】前記バルブブロック(102)には前記切
換弁機構(106A,106B,106C,106D)
の他に、該切換弁機構の変位操作に連動して前記油圧ク
ラッチのうちの選択された油圧クラッチに対する作用油
圧の立上がり特性を制御する油圧制御弁(107)を配
設するのが、好ましい。油圧クラッチに近接した油圧制
御弁は管路抵抗の影響を受けることが少なくクラッチ作
用油圧を精密に制御し、また本構造によると第1及び第
2の油圧式変速装置用のバルブ機構がユニット化され
る。
【0018】第1の油圧式変速装置の駆動軸、つまり前
記第1の駆動軸(21)と第2の油圧式変速装置の従動
軸、つまり前記第2の従動軸(27)は互いに異なった
速度で回転するが、ほぼ同心的に配置されていて第2の
軸受枠体(41)内で端面同士を対向している。そこで
これらの軸(21,27)上の油圧クラッチに対する潤
滑油の供給構造を単純とするため、この発明の好ましい
実施態様では前記第1の駆動軸(21)及び前記第2の
従動軸(27)内にそれぞれ第1及び第2の潤滑油通路
(92L,93L)を設けて、これらの第1及び第2の
潤滑油通路を、前記第2の軸受枠体(41)内で連通さ
せる一方、前記第1及び第2の軸受枠体(40,41)
のうちの一方の軸受枠体に、該潤滑油通路に連通する潤
滑油供給通路(96)を設ける。
【0019】作業車両の使用にあたり走行条件に応じ予
め大まかな車速レンジを設定するための機械式変速装置
を、油圧式変速装置と直列接続して設け、走行中は操作
容易な油圧式変速装置で車速の変更制御を得るようにす
ることは、好ましいことである。したがってこの発明の
一実施態様においては走行駆動系に、前記第2の駆動軸
(26)の後方に該駆動軸と同心的に配置した中空のカ
ウンタ軸(28)、及び前記第2の従動軸(27)の後
方に該従動軸と同心的に配置した他の従動軸(29)を
設けて、第2の従動軸(27)とカウンタ軸(28)を
同行回転するように接続し、第2の従動軸(27)と他
の従動軸(29)間を直結する変速段とカウンタ軸(2
8)を介し接続する少なくとも1つの変速段とを備えた
走行駆動系の機械式変速装置(25)を設ける一方、P
TO駆動系の前記伝動軸(33)を、上記カウンタ軸
(28)を貫通させる。このように設けられた機械式変
速装置は、第1及び第2の油圧式変速装置を総合して得
られる変速段数を少なくとも倍加した段数の車速変更を
可能とする。
【0020】この発明の他の特徴と長所は、添付図面を
参照して行う以下の説明から明瞭に理解できる。
【0021】
【実施例】図1は、この発明の一実施例を装備するトラ
クタを示している。駆動源としてのエンジン1は機体前
部に搭載され、車体2は、第1ないし前部ハウジング
3、第2ないし中間ハウジング4、及び第3ないし後部
ハウジング5を前後に連接して構成されている。後部ハ
ウジング5の左右の外側面には左右のリヤアクスルハウ
ジング6が装着され、その内部を貫通して左右の後輪ア
クスル7aが、後部ハウジング5内から延出している。
トラクタの走行は左右の後輪7を常時回転駆動する他、
必要に応じ左右の前輪8を回転駆動して得ることとされ
ており、中間ハウジング4の下面に前輪駆動ケース9を
装着し、該ケース9内から前輪アクスルケース10内へ
伝動するための伝動軸11を、カバー筒11a内へ延出
させて設けている。
【0022】座席12は中間ハウジング4の上方位置に
設置され、その前方には、左右の前輪8を旋回させて車
両の操向を得るためのステアリングホィール13を配置
してある。後部ハウジング5の上面上には左右のリフト
アーム14を装備する油圧リフトケース15を設置して
あり、左右のリフトアーム14を昇降回動させる左右の
油圧リフトシリンダ16は、後部ハウジング5の背面側
に左右に振り分けて配置されている。
【0023】図2は、図示トラクタに設けられた伝動機
構を示している。前部ハウジング3内の前端付近には該
ハウジング3と一体形成した支壁部3aが設けられ、該
支壁部3aを貫通させた原動軸17が支壁部3a前方側
でエンジン・フライホィール1aに対し、緩衝用スプリ
ング機構18(図3)によって接続されている。支壁部
3aの後方側で前部ハウジング3内には、原動軸17と
その下方に平行配置した出力軸19との間で車両進行方
向の切替えを行う前後進切替え装置20と、出力軸19
と同心的に配置し該出力軸19に対し連結した駆動軸2
1と原動軸17と同心的に配置した従動軸22との間で
複数段の変速を行う第1の油圧式変速装置23とを、前
後に配して設けてある。
【0024】中間ハウジング4内の中程には該ハウジン
グ4と一体形成した支壁部4aが設けられ、中間ハウジ
ング4内には該支壁部4aをはさんで前方側に位置する
第2の油圧式変速装置24と後方側に位置する機械式変
速装置25とを、設けてある。第2の油圧式変速装置2
4は第1の油圧式変速装置23の従動軸22と同心的に
配置し該従動軸22に対し連結した駆動軸26と、第1
の油圧式変速装置23の駆動軸21と同心的に配置した
従動軸27との間で、複数段の変速を行うものに構成さ
れている。また機械式変速装置25は第2の油圧式変速
装置24の駆動軸26と同心的に配置しその従動軸27
に減速接続されたカウンタ軸28と、第2の油圧式変速
装置24の従動軸27と同心的に配置した従動軸29と
を備え、原動側の従動軸27とプロペラ軸として機能す
る従動軸29との間で複数段の変速を行うものに構成さ
れている。
【0025】プロペラ軸として機能する従動軸29は、
後部ハウジング5の前壁5aを貫通して該ハウジング5
内に臨ませてあり、後端にベベルピニオン30を備えて
いる。ベベルピニオン30は、左右後輪7用の差動装置
(図示せず)の入力用大傘歯車31と噛合わせてある。
【0026】後部ハウジング5内の後寄り位置には該ハ
ウジング5と一体の支壁部5bが設けられ、該支壁部5
bと後部ハウジング5の後端開口を閉鎖する後蓋5cと
に支持させて、作業機駆動力を取出すためのPTO軸3
2が設けられている。第1の油圧式変速装置23の従動
軸22、第2の油圧式変速装置24の駆動軸26、及び
機械式変速装置25のカウンタ軸28はそれぞれ中空軸
に形成されていて、その内部を、前端で原動軸17に対
し連結されたPTO系の伝動軸33を貫通させてある。
この伝動軸33は、それと同心配置された2本の伝動軸
34,35、これらの伝動軸34,35間に配設された
PTOクラッチ36、及び伝動軸35とPTO軸32間
に配設された機械式のPTO変速装置37を介して、P
TO軸32に対し接続してある。
【0027】図2及び図4,5に示すように前部ハウジ
ング3は後端を開放したものに、また中間ハウジング4
は前後端を開放したものに、それぞれ形成され、前部ハ
ウジング3は中間ハウジング4に対しボルト38によっ
て締結され、また中間ハウジング4は後部ハウジング5
に対しボルト39によって締結されている。図2−7に
示すように前部ハウジング3内には前後進切替え装置2
0と第1の油圧式変速装置23との間で第1の軸受枠体
40を固定設置してあり、また中間ハウジング4内には
その最前部で第2の軸受枠体41を固定設置してある。
このうち第1の軸受枠体40は、前部ハウジング3の内
面に突設した複数ボス部3bに対し後方側からボルト4
2によって取付けられ、また第2の軸受枠体41は、中
間ハウジング4の内面に突設した複数ボス部4bに対し
前方側からボルト43によって取付けられている。第1
及び第2の軸受枠体40,41は幅方向中央部で上下の
軸受部を備え、図6,7に示すようにハウジング3,4
の内寸法のほぼ全体を占める縦幅及び横幅を有する。
【0028】図3に明瞭に示すように原動軸17は前部
ハウジング3の支壁部3aと第1の軸受枠体40とに前
後部を支持され、第1の軸受枠体40に支持された第1
の従動軸22の前端部内でカップリング44によりPT
O系の伝動軸23に対し連結されている。前後進切替え
装置20は原動軸17上に遊嵌設置した2個の歯車4
5,46と出力軸19上に固定設置した2個の歯車4
7,48とを備え、このうち前進用の歯車45,47は
直接噛合わされ、また後進用の歯車46,48は、軸受
枠体40に支持させたアイドラ歯車49(図2)を介し
て噛合わされている。出力軸19は前端部で支壁部3a
に支持され、後端部で歯車48のボス部48aを介して
第1の軸受枠体40に支持されている。ボス部48a
は、出力軸19と第1の駆動軸24間を連結するカップ
リング部材として利用されている。
【0029】前後進切替え装置20は油圧式のものに構
成されており、原動軸17上に歯車45,46間で設け
た前進用油圧クラッチ50及び後進用油圧クラッチ51
を備えている。各油圧クラッチ50,51は、原動軸1
7上に固定設置したクラッチ・シリンダ52に摺動のみ
自在に支持させた複数枚の摩擦エレメントと歯車45,
46のボス部45a,46aに摺動のみ自在に支持させ
た複数枚の摩擦エレメントとを交互に配置し、戻しばね
50a,51aにより移動付勢されたピストン50b,
51bを油圧の作用で移動させて摩擦エレメント間の係
合を得て作動させる周知の摩擦多板式のものに構成され
ている。原動軸17内には、油圧クラッチ50,51に
対し作動油を供給するための作動油通路52F,52R
と油圧クラッチ50,51の摩擦エレメント部に対し潤
滑油を供給するための潤滑油通路52Lとを、形成して
ある。これらの油通路52F,52R,52Lは、原動
軸17の外周面に形成した環状溝を支壁部3aにおける
原動軸挿通穴の内壁面で閉鎖して原動軸17と支壁部3
a間に形成された環状油室53F,53R,53Lへと
連通させ、環状油室53F,53R,53Lによって回
転する原動軸17内の油通路52F,52R,52Lを
位置固定側の、支壁部3a内の油通路54F,54R,
54Lに接続するための油路ロータリジョイント部を構
成してある。
【0030】油圧クラッチ50,51に対する給油用の
油圧ポンプ55は原動軸17をポンプ軸に兼用した内接
歯車式のものに構成され、支壁部3aの前面に装着され
ている。前後進切替え装置20用のコントロールバルブ
装置56(図1,2)は、前部ハウジング3の一側壁に
開口を設け該開口を通し前部ハウジング3の内外にまた
がらせて設けられている。具体的な図示を省略するが、
支壁部3a内には油圧ポンプ55とコントロールバルブ
装置56間を接続する油通路及びコントロールバルブ装
置56と環状油室53F,53R,53L間を接続する
上記油通路54F,54R,54Lを、設けてある。こ
れらの油通路の具体構造はコントロールバルブ装置56
の具体構造を含めて、本願発明者を発明者とする米国特
許No.5,599,247に記載されている。
【0031】図4に明瞭に示すように第1の油圧式変速
装置23の駆動軸21は、前端部で第1の軸受枠体40
に支持され前述の通り歯車ボス部48aを利用して前後
進切替え装置20の出力軸19に対し連結され、後端部
で第2の軸受枠体41に支持されている。従動軸22は
前端部で第1の軸受枠体40に、後端部で第2の軸受枠
体41に、それぞれ支持されている。駆動軸21上には
3個の歯車57,58,59が遊嵌設置され、従動軸2
2上には3個の歯車60,61,62が固定設置されて
いて、対応する歯車同士が噛合わされている。駆動軸2
1上には歯車57,58,59を択一的に駆動軸21に
対し結合するための3個の油圧クラッチ63,64,6
5を設けてある。各油圧クラッチ63,64,65は、
駆動軸21上に固定設置したクラッチ・シリンダ66,
67(クラッチ・シリンダ66は油圧クラッチ63,6
5に共用させてある。)と歯車57,58,59のボス
部57a,58a,59aとに交互に配置した複数枚宛
の摩擦エレメントを摺動のみ自在に支持させ、戻しばね
63a,64a,65aにより移動付勢されたピストン
63b,64b,65bを油圧の作用で移動させて摩擦
エレメント間の係合を得て作動させる周知の油圧多板式
のものに構成されている。第1の油圧式変速装置23は
油圧クラッチ63を作動させ歯車57,60を変速伝動
にあずからせることで1速の変速比を、油圧クラッチ6
4を作動させ歯車58,61を変速伝動にあずからせる
ことで2速の変速比を、油圧クラッチ65を作動させ歯
車59,62を変速伝動にあずからせることで3速の変
速比を、それぞれ与える。
【0032】同様に図4に示すように第2の油圧式変速
装置24の駆動軸26は、前端部で第2の軸受枠体41
に支持され該軸受枠体41内でカップリング68によっ
て第1の油圧式変速装置23の従動軸22に対し連結さ
れ、後端部で中間ハウジング4の支壁部4aに支持され
ている。従動軸27は前端部で第2の軸受枠体41に、
後端部で支壁部4aに、それぞれ支持されている。駆動
軸26上には3個の歯車69,70,71が固定設置さ
れ、従動軸27上には3個の歯車72,73,74が遊
嵌設置されていて、対応する歯車同士が噛合わされてい
る。従動軸27上には歯車72,73,74を択一的に
従動軸27に対し結合するための3個の油圧クラッチ7
5,76,77を設けてある。各油圧クラッチ75,7
6,77は、従動軸27上に固定設置したクラッチ・シ
リンダ78,79(クラッチ・シリンダ78は油圧クラ
ッチ75,76に共用させてある。)と歯車72,7
3,74のボス部72a,73a,74aとに交互に配
置した複数枚宛の摩擦エレメントを摺動のみ自在に支持
させ、戻しばね75a,76a,77aにより移動付勢
されたピストン75b,76b,77bを油圧の作用で
移動させて摩擦エレメント間の係合を得て作動させる周
知の摩擦多板式のものに構成されている。第2の油圧式
変速装置24は油圧クラッチ75を作動させ歯車69,
72を変速伝動にあずからせることで1速の変速比を、
油圧クラッチ76を作動させ歯車70,73を変速伝動
にあずからせることで2速の変速比を、油圧クラッチ7
7を作動させ歯車71,74を変速伝動にあずからせる
ことで3速の変速比を、それぞれ与える。
【0033】図5に明瞭に示すように機械式変速装置2
5のカウンタ軸28は、前端部で中間ハウジング4の支
壁部4aに支持され後端部で後部ハウジング5の前壁5
aに支持されている。プロペラ軸として機能する従動軸
29は、第2の油圧式変速装置24の従動軸27の後端
に形成した軸受穴27aに前端部を支承させて該従動軸
27を介し支壁部4aに支持させると共に、後端部で前
壁5aに支持させてある。カウンタ軸28は第2の油圧
式変速装置24の従動軸27に対し、歯車80,81の
噛合わせによって減速接続されている。カウンタ軸28
上には他2個の歯車82,83を固定設置してあり、こ
のうちの小径側の歯車82に対し図2に示す歯車減速機
構84を介し接続された歯車85が、カウンタ軸28外
に設けられている。歯車減速機構84は、中間ハウジン
グ4の開口から挿入して該ハウジング4に支持させるカ
セット式のものとされている。従動軸29上には歯車8
5に対し選択的に噛合わせ得るシフト歯車86を摺動の
み自在に設置すると共に、歯車83に対し噛合わされた
歯車87を遊嵌設置し、さらに従動軸29を第2の油圧
式変速装置24の従動軸27に対し直結する位置と歯車
87を従動軸29に対し結合する位置とに変位させ得る
クラッチ金物88を設けてある。以上により機械式変速
装置25はシフト歯車86を歯車85に対し噛合わせる
ことで1速(クリープ速)の変速比を、またクラッチ金
物88により歯車87を従動軸29に対し結合すること
で2速の変速比を、さらにクラッチ金物88により従動
軸29を第2の油圧式変速装置24の従動軸27に対し
直結することで3速の変速比を、それぞれ選択的に得さ
せるものに構成されている。
【0034】なお図5において、89は従動軸29上に
固定設置された前輪駆動力取出し用の歯車、4cは同歯
車89から前輪駆動ケース9(図1)に伝動する歯車伝
動機構(図示せず)を通過させるために中間ハウジング
4の底壁に形成した開口である。また90は従動軸29
上に固定設置されたプーリーで、図示省略の駐車ブレー
キの被制動体として用いるもの、91はPTO系の伝動
軸33,34間を連結するカップリングである。
【0035】図4,6及び図4の一部を拡大した図8に
示すように第1の駆動軸21内には、その上の油圧クラ
ッチ63,64,65に対し作動油を供給するための油
通路92A,92B,92Cと該油圧クラッチ63,6
4,65の摩擦エレメント部に対し潤滑油を供給するた
めの油通路92Lとを、設けてある。また図4,7及び
図4の他部を拡大した図9に示すように第2の従動軸2
7内には、その上の油圧クラッチ75,76,77に対
し作動油を供給するための油通路93A,93B,93
Cと該油圧クラッチ75,76,77の摩擦エレメント
部に潤滑油を供給するための油通路93Lとを、設けて
ある。第1の駆動軸21内の作動油の通路92A,92
B,92Cを位置固定側の油通路に接続するための油路
ロータリジョイント部94は同駆動軸21と第1の軸受
枠体40間に設けられ、第2の従動軸27内の作動油の
通路93A,93B,93Cを位置固定側の油通路に接
続するための油路ロータリジョイント部95は同従動軸
27と第2の軸受枠体41間に設けられている。すなわ
ち第1の駆動軸21の前端部外周面に形成した環状溝を
第1の軸受枠体40における駆動軸挿通穴の内壁面で閉
鎖して油路ロータリジョイント94を提供する環状油室
94A,94B,94Cを形成する一方、第2の従動軸
27の前端部外周面に形成した環状溝を第2の軸受枠体
41における従動軸挿通穴の内壁面で閉鎖して油路ロー
タリジョイント95を提供する環状油室95A,95
B,95Cを形成している。第1の駆動軸21内の潤滑
油の通路92Lと第2の従動軸27内の潤滑油の通路9
3Lは該両通路92L,93Lを第2の軸受枠体41内
の、両軸21,27間の若干の間隙内に開口させること
によって同間隙を介し互いに連通させる一方、通路92
Lに連らなる潤滑油の供給通路96を第1の軸受枠体4
0内に設けることによって、潤滑油が供給されることと
している。
【0036】図8,9に明瞭に示すように第1及び第2
の油圧式変速装置23,24における各油圧クラッチの
ピストンには、第1の駆動軸21内の潤滑油通路92L
及び第2の従動軸27内の潤滑油通路93Lを各クラッ
チ・シリンダのボス部に形成した油穴97を介して摩擦
エレメント部に連通させるための油穴98を形成してあ
るが、図示の油圧クラッチの切り状態では油穴97,9
8間の連通断面積がピストンによって絞られ、ピストン
が摩擦エレメント方向に移動したクラッチ係合状態では
油穴97,98間の連通断面積が大きくされるように、
油穴97,98を配置してある。これによって係合状態
の油圧クラッチにのみ、同状態に対応した量の潤滑油が
供給され、潤滑油に不足が生じるのを避けてある。また
各油圧クラッチには摩擦エレメント群を係合方向に付勢
する皿ばね99も設けてあって、油圧の作用によるクラ
ッチ係合時に該皿ばね99が圧縮されて緩衝的な係合が
得られることとしてある。
【0037】図6,7及び図10,11に示すように前
部ハウジング3の一側(右側)外面の下方部にはプレー
ト部材101を介して厚手のプレート状バルブブロック
102を、ボルト103によって装着してある。このバ
ルブブロック102は車両軸線方向でみてほぼ第1及び
第2の軸受枠体40,41間に配置されており、さらに
中間ハウジング4の前端部一側(右側)外面の下方部に
は他のプレート部材104を、ボルト105によって装
着してある。バルブブロック102の上面には、第1及
び第2の油圧式変速装置23,24における油圧クラッ
チ63,64,65及び75,76,77に対する作動
油の供給を制御する4個の電磁切換弁106A,106
B,106C,106Dを装着し、その各油路切換えプ
ランジャ106aをバルブブロック102内に突入させ
てある。バルブブロック102の下面前方位置には油圧
クラッチ63,64,65及び75,76,77に対す
る作用油圧を制御するための電磁比例弁107が装着さ
れ、また背面下方位置には同油圧クラッチからの排油を
制御するための電磁制御弁108が装着されている。バ
ルブブロック102にはまた、作動油供給ポート109
と潤滑油供給ポート110とを設けてある。
【0038】バルブブロック102内からプレート部材
101内へ作動油通路111A,111B,111Cが
導かれており、また第1の軸受枠体40内にはロータリ
ジョイント部94の環状油室94A,94B,94Cに
連通する作動油通路112A,112B,112Cを、
前者の作動油通路111A,111B,111Cに対向
させて形成してある。これらの作動油通路の形成領域で
前部ハウジング3の側壁に、プレート部材101及びバ
ルブブロック102によって閉鎖される開口113を形
成してあり、この開口113を通して、作動油通路11
1A,111B,111Cと作動油通路112A,11
2B,112C間を接続する3本の導管部材ないしパイ
プ114A,114B,114Cを、その端部をそれぞ
れ作動油通路端に嵌合して設けてある。またバルブブロ
ック102内からプレート部材101及び前部ハウジン
グ3の側壁内へ導いた作動油通路115A,115B,
115Cを設けて、これらの作動油通路に連通する作動
油通路116A,116B,116Cを中間ハウジング
4の側壁内と他のプレート部材104内に形成して、該
他のプレート部材104の内面に開口させてある。第2
の軸受枠体41内にはロータリジョイント部95の環状
油室95A,95B,95Cに連通する作動油通路11
7A,117B,117Cを、作動油通路116A,1
16B,116Cに対向位置させて形成してある。これ
らの作動油通路の形成領域で中間ハウジング4の側壁
に、プレート部材104によって閉鎖される開口118
を形成してあり、作動油通路116A,116B,11
6Cと作動油通路117A,117B,117C間を接
続する3本の導管部材ないしパイプ119A,119
B,119Cを、その端部をそれぞれ作動油通路端に嵌
合して設けてある。
【0039】これよりしてバルブブロック102の作動
油供給ポート109に供給される作動油は、電磁切換弁
106A,106B,106C,106Dにより流れ方
向を切換えられて環状油室94A,94B或いは94C
と環状油室95A,95B或いは95Cへと供給され
る。一方、潤滑油供給ポート110は、それに連通する
プレート部材101内の油通路120と第1の軸受枠体
40内の前記潤滑油供給通路96間を接続する導管部材
ないしパイプ121を設けることによって潤滑油供給通
路96、したがって第1の駆動軸21内の潤滑油供給通
路92L及び第2の従動軸27内の潤滑油供給通路93
Lに対し、常時連通路させてある。
【0040】図12は、後部ハウジング5内の上半部を
示している。前記PTOクラッチ36は油圧式のものに
構成され、伝動軸34の後端部上に固定設置した回転支
持金物125と伝動軸35の前端部上に固定設置したク
ラッチ・シリンダ126とに複数枚宛の摩擦エレメント
を、交互に配置し摺動のみ自在に支持させてある。戻し
ばね36aにて移動付勢されたピストン36bを設け
て、伝動軸35内の作動油通路127から圧力下の作動
油をピストン36bに作用させ、該ピストン36bを摩
擦エレメント方向に移動させてクラッチ係合を得ること
とされている。伝動軸34の後端に軸受け穴34aを形
成して該軸受け穴34aに伝動軸35の前端部を支承さ
せているが、伝動軸35内には同軸支承部とPTOクラ
ッチ36の摩擦エレメント部に潤滑油を供給するための
油通路128も設けられている。第1及び第2の油圧式
変速装置23,24における油圧クラッチに類似してピ
ストン36bには、摩擦エレメント部に対する潤滑油の
供給量をクラッチ切り状態では絞りクラッチ係合状態で
は増加させる油穴129を、形成してある。作動油通路
127は伝動軸35の後端面と後蓋5c間に形成された
油室130から作動油を供給され、潤滑油通路128は
伝動軸35の外周面と後蓋5c間に形成された環状油室
131から潤滑油を供給される。
【0041】図12及び図2に示すように前記PTO変
速装置37は、伝動軸35上に固定設置した3個の歯車
132,133,134とPTO軸32上に遊嵌設置し
た3個の歯車135,136,137との対応するもの
同士を噛合わせ、PTO軸32上に摺動のみ自在に設け
たクラッチ金物138により歯車135,136,13
7を択一的にPTO軸32に対し結合して、3段の変速
を得るものに構成されている。
【0042】図2に示すように前記油圧リフトケース1
5は、後部ハウジング5の頂壁に形成した開口を閉鎖さ
せて該ハウジング5の上面上に固定設置されているが、
後部ハウジング5内の上方位置には、油圧リフトケース
15に支持させた支持プレート140を設置してある。
伝動軸34の後端近傍部上には歯車141を固定設置し
てあり、この歯車141に噛合わせた歯車142を支持
プレート140に支持させると共に、該歯車142に噛
合わせた歯車143を、油圧リフトケース15に支持さ
せた動力取出し軸144上に固定設置している。油圧リ
フトケース15の前面には動力取出し軸144によって
駆動を受けるタンデム型の2個の油圧ポンプ145,1
46を、装着してある。
【0043】図1に示すように油圧リフトケース15か
ら一体的に前方に張り出した架台部15a上にバルブブ
ロック147を設置して、油圧ポンプ145に接続され
PTOクラッチ36を含むPTO系油圧作動機構に対す
る油の供給を制御するバルブ機構(後述)を、該バルブ
ブロック147に内装させてある。そしてこのバルブブ
ロック147に基端を接続された作動油供給パイプ14
8及び潤滑油供給パイプ149を設けて、該パイプ14
8,149をその先端で、前部ハウジング3外側面上の
バルブブロック102の作動油供給ポート109及び潤
滑油供給ポート110へと接続してある。
【0044】ここで図示トランスミッション装置の組立
て方法に触れておくと、前後進切替え装置20は前部ハ
ウジング3内の前方位置に第1の軸受枠体40の取付け
前に後方から、原動軸17及び出力軸19の前端部を支
壁部3aに支持させた状態で組込まれる。その後に第1
の軸受枠体40を取付けて原動軸17及び出力軸19の
後端部を支持させ、次に前部ハウジング3内の後方位置
に第1の油圧式変速装置23を後方から、第1の駆動軸
21及び従動軸22の前端部を第1の軸受枠体40に支
持させた状態で組込む。カップリング部材として機能す
る歯車ボス部48aは、第1の油圧式変速装置23の組
込みと同時に出力軸19と第1の駆動軸21間を連結す
る。第2の油圧式変速装置24は中間ハウジング4内の
前半部に第2の軸受枠体41の取付け前に前方から、第
2の駆動軸26及び従動軸27の後端部を支壁部4aに
支持させた状態で組込まれる。その後に第2の軸受枠体
41を取付けて第2の駆動軸26及び従動軸27の前端
部を支持させる。ここで第1の駆動軸21及び従動軸2
2の後端部を第2の軸受枠体41に支持させつつ、中間
ハウジング4に対し前部ハウジング3を締結する。カッ
プリング68は予め、第1の従動軸22端又は第2の駆
動軸26端に装備させておくことで該両軸22,26間
を同時に連結する。機械式変速装置25は中間ハウジン
グ4内の後半部に後方から、カウンタ軸28及び従動軸
29の前端部を支壁部4aに支持させた状態で組込まれ
る。この組込みは、第2の油圧式変速装置24の組込み
の前又は後の何れの状態でも行い得る。後部ハウジング
5内のPTOクラッチ36及びPTO変速装置37等
は、後蓋5cの取付け前に後方から行える。それに先立
ちPTO系の伝動軸33をそれぞれ中空の第1の従動軸
22、第2の駆動軸26及びカウンタ軸28に後方から
挿入して行って、原動軸17端に予め装備させておいた
カップリング44により原動軸17に対し連結できる。
中間ハウジング4は後部ハウジング5に対し、カウンタ
軸28及び従動軸29の後端部を後部ハウジング5の前
壁5aに支持させつつ、締結される。
【0045】図6及び図11から明らかなようにパイプ
114A,114B,114C,121は、前部ハウジ
ング3側壁の開口113を通して第1の軸受枠体40に
予め支持させ、プレート部材101及びバルブブロック
102を前部ハウジング3の側壁外面上に装着すること
によりプレート部材101に支持させ得る。同様にパイ
プ119A,119B,119Cは図7,11から明ら
かなように、中間ハウジング4側壁の開口118を通し
て第2の軸受枠体41に予め支持させ、プレート部材1
04を中間ハウジング4の側壁外面上に装着することに
よりプレート部材104に支持させ得る。図2に模式的
に示した油圧ポンプ145,146用の動力取出し機構
は、歯車141を予め伝動軸34に装備させておくと共
に油圧リフトケース15に予め、歯車142を装備する
支持プレート140と歯車143を装備する動力取出し
軸144を支持させておくことで、後部ハウジング5上
面へ油圧リフトケース15を設置するのと同時に組込め
る。
【0046】図13及び図14はそれぞれ、前後進切替
え装置20の油圧クラッチ50,51のための油圧回
路、及び第1及び第2の油圧式変速装置23,24の油
圧クラッチ63,64,65,75,76,77とPT
Oクラッチ36を含むPTO系油圧作動機構のための油
圧回路を、示している。車体内の低部で提供された油溜
まり151から前者の油圧回路には前記油圧ポンプ55
により、また後者の油圧回路には前記油圧ポンプ145
により、それぞれ油が供給される。前記油圧ポンプ14
6は、油圧リフトシリンダ16(図1)に対し作動油を
供給するために使用される。油溜まり151内には、油
圧ポンプ55と油圧ポンプ145,146とに共用の油
フィルタ152が設けられている。PTO系油圧作動機
構は油圧式のPTOクラッチ36の他、該PTOクラッ
チ36の切り状態でクラッチ36従動側を制動する油圧
作動型のPTOブレーキ153とPTOクラッチ36の
係合状態でPTO変速装置37におけるギヤ抜けを防止
する油圧作動型のインターロック機構154とを、含ん
でいる。
【0047】前後進切替え装置20の油圧クラッチ5
0,51のための油圧回路は図13に示すように、油溜
まり152に通じる油路156から油圧ポンプ55によ
り油を供給される給油路157に油路遮断弁158、減
圧弁159、及び方向切換弁160を、この順で直列に
接続してあるものに、構成されている。給油路157に
はラインフィルタ161とバイパス弁162とを、互い
に並列に接続して挿入してある。バイパス弁162は、
ラインフィルタ161に目詰まりが生じ上流側の油圧が
高められたとき、リリーフ動作して必要な給油量を確保
させる。給油路157の油圧は主リリーフ弁163にて
設定され、この主リリーフ弁163の二次側には、低圧
リリーフ弁163Aにて設定される油圧の潤滑油を油圧
クラッチ50,51方向に導く潤滑油供給油路164
が、接続されている。
【0048】油路遮断弁158は、給油路157端を遮
断する遮断位置Iと給油路157を油路遮断弁158と
減圧弁159間の接続油路165に対し導通させる開放
位置IIとを備え、遮断位置Iでは接続油路165を油
溜まり151に接続して該接続油路165から油をドレ
ンさせる。減圧弁159は、方向切換弁160へ導かれ
た油路166の油圧を減圧制御するもので、接続油路1
65を油路166に対し実質的に絞ることなく接続する
非作用位置Aと、接続油路165を油路166に対し可
変に絞って接続し油路166の油圧を可変に減圧する減
圧作用位置Bと、油路166から油をドレンして該油路
166の油圧をアンロードするアンロード位置Cとを、
備えている。方向切換弁160は両油圧クラッチ50,
51を切り状態とする中立位置N、前進用油圧クラッチ
50を係合状態とする前進作用位置F、及び後進用油圧
クラッチ51を係合状態とする後進作用位置Rを備えて
いる。接続油路165に接続して油圧漸増用の周知のモ
ジュレート型リリーフ弁167を設けてあり、同リリー
フ弁167において油圧設定用スプリング167aの基
端を受ける制御ピストン167bの背後の油室は方向切
換弁160を介し、同切換弁160の中立位置Nで迅速
に油がドレンされるように油溜まり151に接続されて
いる。モジュレート型リリーフ弁167は方向切換弁1
60が作用位置F又はRに移されると、接続油路165
から絞り167cを介し制御ピストン167b背後に徐
々に流入する油による該ピストン167bの徐々の前進
によって、スプリング167aを徐々に圧縮し接続油路
165の油圧を、予定した値にまで徐々に高める。方向
切換弁160は、図1に示すようにステアリングホィー
ル13に近接配置してある前後進切替えレバー168に
よって、変位操作される。
【0049】減圧弁159は図1に示すように座席12
の前下方位置に配置してあるペダル169によって操作
され、この減圧弁操作に連動して油路遮断弁158を遮
断位置Iから開放位置IIへと機械的に移すシリンダ機
構170が設けられている。このシリンダ機構170は
油路遮断弁158が一旦開放位置IIへ移されるとペダ
ル169が元位置に戻されても、該遮断弁158を介し
接続油路165の油圧を作用せしめられて油路遮断弁1
58を同開放位置IIに保持するものに、構成されてい
る。車両の停止状態からペダル169を大きく踏み込む
と減圧弁159がアンロード位置Cに移されると同時に
油路遮断弁158が開放位置IIへ移され、事後にペダ
ル169を徐々に解放し減圧弁159を、減圧作用位置
Bを経て非作用位置Aへと戻すことで、車両が徐々に発
進することになる。車両の走行状態ではペダル169を
任意に踏み込んで減圧弁159による任意の減圧状態を
得、油圧クラッチ50又は51のスリップ係合を得て車
両の低速走行を得ることができる。
【0050】同様に図13に示すように、モジュレート
型リリーフ弁167の二次側油路170は潤滑油供給油
路164に合流させてある。潤滑油供給油路164には
開閉弁171を挿入してあり、この開閉弁171は、油
路166の油圧をパイロット圧として作用され同油路1
66に油圧が成立している状態でのみ開放されて、油圧
クラッチ50,51方向へ潤滑油を導くものとされてい
る。開閉弁171の下流側で潤滑油供給油路164はそ
れぞれ、流量制御弁172F,172Rを介して前進用
油圧クラッチ50及び後進用油圧クラッチ51へと接続
されている。これらの流量制御弁172F,172R
は、油圧クラッチ50,51自体を利用して構成されて
いる。すなわち図15に示すように原動軸17内の潤滑
油通路52Lを、クラッチ・シリンダ52のボス部の油
穴173を介し油圧クラッチ50,51の摩擦エレメン
ト部に連通させるために、各ピストン50b,51bに
は大径穴172aと絞り穴172bとを並列させて形成
してあり、クラッチ切り状態では前進用油圧クラッチ5
0について示すように絞り穴172bのみが油穴173
と重なり、クラッチ係合状態では後進用油圧クラッチ5
1について示すように大径穴172aと絞り穴172b
との両者が油穴173と重なるように図って、係合状態
の油圧クラッチ50又は51にのみ十分な量の潤滑油が
供給されることと、しているのである。
【0051】図13に示す油圧回路は前述した米国特許
No.5,599,247に記載されたものと実質的に
等しく、図13に示すバルブ類の具体構造も同特許に記
載されている。
【0052】図14に示す油圧回路について説明する
と、油溜まり152に通じる油路174から油圧ポンプ
145により油を供給され主リリーフ弁175により油
圧を設定される給油路に、第1及び第2の油圧式変速装
置23,24の油圧クラッチ63,64,65,75,
76,77方向に作動油を供給する給油路176と、P
TOクラッチ36、PTOブレーキ153及びインター
ロック機構154方向に作動油を供給する給油路177
とを、並列接続して設けている。油路174にはライン
フィルタ178とバイパス弁179とを、互いに並列に
接続して挿入してある。バイパス弁179は、前記バイ
パス弁162と同様に機能する。主リリーフ弁175の
二次側には、低圧リリーフ弁180にて設定される油圧
の潤滑油をPTOクラッチ36及び走行系の油圧クラッ
チ63,64,65,75,76,77方向に導く潤滑
油供給油路181が、接続されている。
【0053】給油路176には電磁比例弁107が挿入
されている。この電磁比例弁107は電流として与えら
れる指令に応じ、該弁107下流側の給油路176から
油をドレンする図示の非作用位置Nから作用位置Iに変
位すると共に、電流値に応じて給油路176を流れる油
流量を制御することによって該弁107下流側の給油路
176の油圧を、予定した値にまで徐々に立ち上がらせ
て行く。電磁比例弁107の下流側で給油路176を2
つの給油路176a,176bに分岐して、給油路17
6aは2個の電磁切換弁106A,106Bを介し第1
の油圧式変速装置23の3個の油圧クラッチ63,6
4,65に接続し、給油路176bは2個の電磁切換弁
106C,106Dを介し第2の油圧式変速装置24の
3個の油圧クラッチ75,76,77に接続している。
各電磁切換弁106A,106B,106C,106D
に対し逆止弁を介し接続された単一の排油路182が設
けられ、この排油路182に排油制御用の電磁制御弁1
08が挿入されている。この電磁制御弁108は、排油
路182から油を絞ることなく油溜まり152に排出さ
せる位置Aと、ソレノイドの励磁により移される位置B
であって絞り108aにより排油を絞る位置Bとを、有
する。
【0054】各電磁切換弁106A,106B,106
C,106Dは中立位置を有しない4ポート、2ポジシ
ョンのバルブに構成されており、ソレノイドの励磁によ
り位置Iから位置IIに移される。給油路176aは電
磁切換弁106Aに対し接続されており、この電磁切換
弁106Aが油圧クラッチ63と電磁切換弁106Bと
に接続され、後者の電磁切換弁106Bが油圧クラッチ
64,65に対し接続されている。類似して給油路17
6bは電磁切換弁106Cに対し接続されており、この
電磁切換弁106Cが油圧クラッチ75と電磁切換弁1
06Dとに接続され、後者の電磁切換弁106Dが油圧
クラッチ76,77に対し接続されている。電磁切換弁
106A,106B,106C,106Dの位置と第1
の油圧式変速装置23の油圧クラッチ63,64,65
及び第2の油圧式変速装置24の油圧クラッチ75,7
6,77の係合する2個宛のクラッチとの関係は、表1
に示す通りである。
【表1】 ─────────────────────────────────── 電磁切換弁の位置 変速装置 変速装置 106A 106B 106C 106D 23 24 I I I I クラッチ63 クラッチ75 I I II I クラッチ76 I I II II クラッチ77 II I I I クラッチ64 クラッチ75 II I II I クラッチ76 II I II II クラッチ77 II II I I クラッチ65 クラッチ75 II II II I クラッチ76 II II II II クラッチ77
【0055】給油路177には電磁切換弁183が挿入
され、同切換弁183の二次側は、油路184を介して
PTOクラッチ36に接続されると共に油路185を介
して、インターロック機構154の作動シリンダ154
aとPTOブレーキ153を切る作動シリンダ153a
とに接続されている。油路185の油圧を設定するため
の比較的低圧でリリーフ動作するリリーフ弁186が設
けられ、そのリリーフ油をPTOクラッチ36に接続さ
れた油路184に導くようにされている。油路184の
油圧を設定するためには、モジュレート型のリリーフ弁
187が設けられ、そのリリーフ油は潤滑油供給油路1
81へと合流させることとしてある。電磁切換弁183
は油路184,185からの排油を得させる中立位置N
と、油路184,185に対し油を供給する作用位置I
とを有し、中立位置NではPTOクラッチ36を切り、
PTOブレーキ153をスプリング153bの作用で制
動作動させ、またインターロック機構154のロック作
用を解除する。電磁切換弁183がそのソレノイドの励
磁により作用位置Iをとると、モジュレート型リリーフ
弁187により設定される油圧がPTOクラッチ36に
作用して同クラッチ36が係合し、同時に作動シリンダ
153a,154aに対しリリーフ弁186にて設定さ
れる油圧が作用し、PTOブレーキ153によるPTO
クラッチ36従動側の制動が解除されると共にインター
ロック機構154が作動して図2,12に示すPTO変
速装置37におけるギヤ抜けが防止される。
【0056】潤滑油供給油路181は、図12に示す伝
動軸35内の潤滑油通路128を介しPTOクラッチ3
6の摩擦エレメント部等へ、そして図4に示す第1の駆
動軸21内及び第2の従動軸27内の潤滑油通路92
L,93Lを介し走行系の6個の油圧クラッチ63,6
4,65,75,76,77の摩擦エレメント部へ、潤
滑油を供給する。このように同一の潤滑油供給系で多数
個の油圧クラッチに対し潤滑油を供給するのにも拘わら
ず、走行系の各油圧クラッチにおいては図8,9に示す
油穴97,98の配置関係により、またPTOクラッチ
においては図12に示す油穴129の配置により、係合
中の油圧クラッチにのみ十分な量の潤滑油が供給される
こととしているから、潤滑油に不足が生じることはな
い。
【0057】第1及び第2の油圧式変速装置23,24
用の電磁切換弁106A,106B,106C,106
Dは、図1に示すように座席12の一側に配置してある
主変速レバー190によって操作される。図16に示す
ように、該主変速レバー190と一体に回転変位される
筒部190aに可動接点Saを取付けたロータリスイッ
チRSを、設けてある。ロータリスイッチRSの固定接
点は、第1の油圧式変速装置23と第2の油圧式変速装
置24の組合わせによって9段の変速が得られるのに対
応して9個S1,S2,S3,S4,S5,S6,S
7,S8,S9、設けられている。ロータリスイッチR
Sに接続してコントローラが設けられ、このコントロー
ラはシフトアップ・シフトダウン判定部191、及び電
磁切換弁106A,106Bの励解磁制御部192a,
電磁切換弁106C,106Dの励解磁制御部192
b,電磁比例弁107の励解磁制御部192c,電磁制
御弁108の励解磁制御部192dを有する。判定部1
91は何れの変速段から他の何れの変速段へとシフトア
ップ或いはシフトダウンがなされたかを判定して、判定
結果に応じた信号を励解磁制御部192a,192b,
192c,192dに出力する。励解磁制御部192
a,192bは、変速操作に対応した電磁切換弁106
A−106Dの励解磁制御を行う。励解磁制御部192
cは選択された変速段に応じ予定したクラッチ作用油圧
の立ち上がり特性が得られるように、電磁比例弁107
に対し指令信号を与える。励解磁制御部192dは変速
操作時に排油制御用の電磁制御弁108を一旦、位置A
から位置Bに変位させ予定された油圧低下特性が得られ
るように、シフト前の油圧クラッチからの排油流量の制
限を行わせる。
【0058】図17はコントローラ191,192a−
192dによる油圧の制御態様を、模式的に示してい
る。コントローラは電磁比例弁107に、何れの変速段
から他の何れの変速段にシフトアップ或いはシフトダウ
ンがなされたかに応じシフト後の時間tに対しクラッチ
作用油圧Pを、例えばカーブC1,C2或いはC3のよ
うに立ち上がらせる。一方コントローラは電磁制御弁1
08に、シフト前の油圧クラッチからの排油流量を制限
させることでその油圧クラッチに対する作用油圧Pを経
時的に、例えばカーブCdのように低下させる。シフト
前の油圧クラッチは作用油圧の低下によってスリップ状
態を経て切れ、シフト後の油圧クラッチは作用油圧の上
昇によってスリップ状態を経て係合するが、高速域での
シフトか低速域でのシフトか、シフトアップかシフトダ
ウンかに応じて油圧の低下特性と上昇特性とを、円滑な
車速変更が得られるように選択する。
【0059】図18は、バルブブロック102内の油路
と第2の軸受枠体41内の油路間の接続構造に係る第2
の実施例を示している。本実施例におけるバルブブロッ
ク102内の油路と第1の軸受枠体40内の作動油通路
間の接続構造は前述実施例におけるのと同様であるが、
第1の軸受枠体40内には他3個の作動油通路201
A,201B,201Cを、一側面と背面とに開口させ
て形成してある。そして第2の軸受枠体41内に第2の
油路ロータリジョイント部95に連なる作動油通路11
7A,117B,117Cを、該軸受枠体41の前面に
開口させて設け、作動油通路201A,201B,20
1Cと作動油通路117A,117B,117Cとを、
第1及び第2の軸受枠体40,41間に架け渡したパイ
プ202A,202B,202Cによって接続してい
る。プレート部材101には対応してバルブブロック1
02内に連通する他3個の作動油通路を形成してあり、
該通路が作動油通路201A,201B,201Cに対
し、前部ハウジング3側壁の開口113を通しプレート
部材101と第1の軸受枠体40間に架け渡したパイプ
203A,203B,203Cによって接続されてい
る。
【0060】図19,20は第2の軸受枠体41の配
置、及びバルブブロック102内の油路と第2の軸受枠
体41内の油路間の接続構造に係る第3の実施例を示し
ている。本実施例における第2の軸受枠体41は図19
に示す通り、前述実施例の場合同様に中間ハウジング4
に支持させてあるが、前部ハウジング3内に張り出して
配置されている。そして図20に示すようにバルブブロ
ック102に後方向き延長部102aを設け、バルブブ
ロック102内に連通する作動油通路115A,115
B,115Cを、同延長部102aとプレート部材10
1との合わせ面間に形成している。前部ハウジング3の
側壁には他1個の開口205を設けてあり、第2の油路
ロータリジョイント部95に連なる軸受枠体41内の作
動油通路117A,117B,117Cを、開口205
を通過させたパイプ119A,119B,119Cによ
って前者の作動油通路115A,115B,115Cに
対し接続している。なお第3の実施例では図19に示す
ように、前後切替え装置20の前進歯車列45,47を
後側に配置し、歯車47のボス部47aを利用して出力
軸19と第1の駆動軸21間を連結している。
【0061】図21は、第2の軸受枠体41の支持及び
配置に係る第4の実施例を示している。本実施例の第2
の軸受枠体41は前部ハウジング3の後端内面に突設し
たボス部3cに、中間ハウジング4側からボルト43に
より取付けられて、前部ハウジング3内に張り出させて
設けられている。組立てにあたっては、前部ハウジング
3の後半部内への第1の油圧式変速装置23の組込み後
に第2の軸受枠体41を、第1の駆動軸21及び従動軸
22の後端部を同軸受枠体41に支持させつつ前部ハウ
ジング3に取付け支持させ、前半部に第2の油圧式変速
装置24を組込んだ中間ハウジング4に対し前部ハウジ
ング3を、第2の駆動軸26及び従動軸27の前端部を
第2の軸受枠体41に支持させつつ、且つ、同時にカッ
プリング68により第1の従動軸22と第2の駆動軸2
6間の連結を行いつつ、締結する。何れの実施例も、軸
受枠体40,41を設けていることで組立てが極く容易
となっている。
【0062】図示のトラクタはエンジン1の始動後に一
旦、図13に示すペダル169を大きく踏込んで油路遮
断弁150を開放位置に移し前後進切替え装置20の油
圧クラッチ50,51方向に作動油が供給される状態を
得なければ発進させることができず、事後にペダル16
9を徐々に解放して行くことで減圧弁159によりクラ
ッチ作用油圧を徐々に高めて、油圧クラッチ50又は5
1をスリップ状態を経て係合させ車両の徐々の発進を得
ることができるから、前後進切替え装置20を主クラッ
チとして用いることができる。第1及び第2の油圧式変
速装置23,24のシフト操作は前後進切替え装置20
を作動させたままで行われ、機械式変速装置25は予め
車両の走行条件に応じた変速段にセットしておくが、必
要であれば前後進切替えレバー168により方向切換弁
160を中立位置Nに操作するかペダル169により減
圧弁159をアンロード位置Cに操作して、前後進切替
え装置20の油圧クラッチ50,51を一旦切ること
で、車両走行中にもシフト操作できる。
【0063】主クラッチとしても用いる前後進切替え装
置20は車両発進時の大きなトルク変動を制御すること
となり、また減圧弁159により油圧クラッチ50又は
51をスリップ運転して車両を微速走行させるためにも
用いられるが、その油圧クラッチ50,51の潤滑系統
を独立させて設けていること、また図13に示す流量制
御弁172F,172Rによって作動中の油圧クラッチ
50又は51にのみ潤滑油が、他1個の油圧クラッチへ
の潤滑油供給量が制限されつつ、多量に供給されること
から、摩擦エレメントの摩耗が十分に抑制される。油圧
クラッチ50,51が前後進切替え装置20において上
段側の原動軸17上に配置されていることにより、同ク
ラッチ50,51が車体内に収容された油に浸漬せず、
クラッチ中立時に摩擦エレメントが伝達し得るドラグト
ルクが低減される。他方、第1及び第2の油圧式変速装
置23,24の油圧クラッチ63,64,65及び7
5,76,77は、これらの変速装置において下段側の
第1の駆動軸21及び第2の従動軸27上に配置されて
いることにより、車体内の油に浸漬して冷却が促進され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を装備したトラクタの一部
切欠き概略側面図である。
【図2】同トラクタに設けられたトランスミッション機
構を示す、模式的な一部展開縦断側面図である。
【図3】図1に示したトラクタの前部ハウジングの前半
部を示す縦断側面図である。
【図4】図1に示したトラクタの前部ハウジングの後半
部と中間ハウジングの前半部とを示す縦断側面図であ
る。
【図5】図1に示したトラクタの中間ハウジングの後半
部と後部ハウジングの前半部とを示す縦断側面図であ
る。
【図6】図4のVI−VI線にほぼ沿った断面図であ
る。
【図7】図4のVII−VII線にほぼ沿った断面図で
ある。
【図8】図4の一部を拡大した縦断側面図である。
【図9】図4の他の一部を拡大した縦断側面図である。
【図10】図1に示したトラクタの一部を示す一部縦断
側面図である。
【図11】図1に示したトラクタの一部を示す横断平面
図である。
【図12】図1に示したトラクタの後部ハウジングの後
半部上方部分を示す縦断側面図である。
【図13】図2,3に示した前後進切替え装置のための
油圧回路を示す回路図である。
【図14】図2,4に示した第1及び第2の油圧式変速
装置と図2,12に一部を示したPTO機構のための油
圧回路を示す回路図である。
【図15】図2,3に示した前後進切替え装置の一部を
拡大して示す縦断側面図である。
【図16】図2,4に示した第1及び第2の油圧式変速
装置のためのコントローラを示すブロック図である。
【図17】図16に示したコントローラによる油圧の制
御態様を例示する模式的なグラフである。
【図18】図11に類似の横断平面図で、第2の実施例
を示している。
【図19】図4の一部に類似の縦断側面図で、第3の実
施例を示している。
【図20】図11に類似の横断平面図で、第3の実施例
を示している。
【図21】図4の一部に類似の縦断側面図で、第4の実
施例を示している。
【符号の説明】
1 エンジン 2 車体 3 前部ハウジング 3b,3c ボス部 4 中間ハウジング 4a ボス部 5 後部ハウジング 17 原動軸 19 出力軸 20 前後進切替え装置 21 第1の駆動軸 22 第1の従動軸 23 第1の油圧式変速装置 24 第2の油圧式変速装置 25 機械式変速装置 26 第2の駆動軸 27 第2の従動軸 28 カウンタ軸 29 従動軸(プロペラ軸) 32 PTO軸 33 伝動軸 36 PTOクラッチ 40 第1の軸受枠体 41 第2の軸受枠体 42,43 ボルト 44 カップリング 45,46 歯車 47,48 歯車 47a,48a ボス部 50 前進用油圧クラッチ 51 後進用油圧クラッチ 57,58,59 歯車 60,61,62 歯車 63,64,65 油圧クラッチ 69,70,71 歯車 72,73,74 歯車 75,76,77 油圧クラッチ 80,81 歯車 82,83,85 歯車 86 シフト歯車 87 歯車 88 クラッチ金物 92A,92B,92C 油通路 92L 油通路 93A,93B,93C 油通路 93L 油通路 94 第1の油路ロータリジョイント部 94A,94B,94C 環状油室 95 第2の油路ロータリジョイント部 95A,95B,95C 環状油室 96 潤滑油供給通路 101 プレート部材 102 バルブブロック 106A,106B,106C,106D 電磁切換弁 107 電磁比例弁 108 電磁制御弁 112A,112B,112C 作動油通路 113,205 開口 114A,114B,114C パイプ(導管部材) 117A,117B,117C 作動油通路 119A,119B,119C パイプ(導管部材) 168 前後進切替えレバー 190 主変速レバー 191 シフトアップ・シフトダウン判定部 192a,192b,192c,192d 電磁弁制御

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行駆動系及びPTO駆動系に共通する
    原動軸(17)を設けて、走行駆動系に、該原動軸(1
    7)と出力軸(19)間で前進用クラッチ(50)及び
    後進用クラッチ(51)の択一的な作動により車両の進
    行方向を切替える前後進切替え装置(20)、第1の駆
    動軸(21)と第1の従動軸(22)間で複数個の油圧
    クラッチ(63,64,65)の択一的な作動により複
    数段の変速を行う第1の油圧式変速装置(23)、及び
    第2の駆動軸(26)と第2の従動軸(27)間で複数
    個の油圧クラッチ(75,76,77)の択一的な作動
    により複数段の変速を行う第2の油圧式変速装置(2
    4)を、順次直列接続して設ける一方、上記原動軸(1
    7)を、PTOクラッチ(36)を介して動力取出し用
    のPTO軸(32)に接続してある作業車両用のトラン
    スミッション装置において、 前後進切替え装置(20)において、前記出力軸(1
    9)を前記原動軸(17)に対し平行に配置し、 第1の油圧式変速装置(23)において、前記第1の駆
    動軸(21)を前記出力軸(19)と同心的に配置して
    該出力軸に連結する一方、前記第1の従動軸(22)を
    中空軸に形成して前記原動軸(17)と同心的に配置
    し、複数個の前記油圧クラッチ(63,64,65)を
    第1の駆動軸(21)上に設置し、 第2の油圧式変速装置(24)において、前記第2の駆
    動軸(26)を中空軸に形成すると共に前記第1の従動
    軸(22)と同心的に配置して該第1の従動軸に連結す
    る一方、前記第2の従動軸(27)を前記第1の駆動軸
    (21)とほぼ同心的に配置し、複数個の前記油圧クラ
    ッチ(75,76,77)を第2の従動軸(27)上に
    設置し、 前記第1の駆動軸(21)内と前記第2の従動軸(2
    7)内にそれぞれ、該各軸上の前記油圧クラッチに対し
    作動油を供給するための油通路(92A,92B,92
    C,93A,93B,93C)を形成する一方、 前記PTOクラッチ(36)を介し前記PTO軸(3
    2)に伝動するための伝動軸(33)を、中空の前記第
    1の従動軸(22)及び第2の駆動軸(26)を貫通さ
    せて設けたことを特徴とするトランスミッション装置。
  2. 【請求項2】 前記原動軸(17)及び出力軸(19)
    の後端部を支持すると共に前記第1の駆動軸(21)及
    び従動軸(22)の前端部を支持する第1の軸受枠体
    (40)と、前記第1の駆動軸(21)及び従動軸(2
    2)の後端部を支持すると共に前記第2の駆動軸(2
    6)及び従動軸(27)の前端部を支持する第2の軸受
    枠体(41)とを、車体(2)内に固定設置して、第1
    の駆動軸(21)内の前記油通路(92A,92B,9
    2C)を位置固定側の油通路に接続するための第1の油
    路ロータリジョイント部(94)を上記第1の軸受枠体
    (40)に、また第2の従動軸(27)内の前記油通路
    (93A,93B,93C)を位置固定側の油通路に接
    続するための第2の油路ロータリジョイント部(95)
    を上記第2の軸受枠体(41)に、それぞれ配設してあ
    る請求項1のトランスミッション装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の軸受枠体(40,4
    1)を、それぞれ車体(2)とは別体に形成して該車体
    に締結して設ける一方、前記第1の油路ロータリジョイ
    ント部(94)を前記第1の駆動軸(21)と第1の軸
    受枠体(40)間に形成した複数個の環状油室(94
    A,94B,94C)に、また前記第2の油路ロータリ
    ジョイント部(95)を前記第2の従動軸(27)と第
    2の軸受枠体(41)間に形成した複数個の環状油室
    (95A,95B,95C)に、それぞれ構成してある
    請求項2のトランスミッション装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の駆動軸(21)上の油圧クラ
    ッチ(63,64,65)と前記第2の従動軸(27)
    上の油圧クラッチ(75,76,77)とに対する作動
    油の供給を制御するための切換弁機構(106A,10
    6B,106C,106D)を、車両軸線方向でみてほ
    ぼ前記第1の軸受枠体(40)と前記第2の軸受枠体
    (41)間で車体の一側壁外面上に設置したバルブブロ
    ック(102)に配設してある請求項2のトランスミッ
    ション装置。
  5. 【請求項5】 前記一側壁に、前記バルブブロック(1
    02)により覆われた少なくとも1個の開口(113;
    113,205)を形成し、前記第1及び第2の油路ロ
    ータリジョイント部(94,95)のうちの少なくとも
    一方の油路ロータリジョイント部に作動油を導くための
    導管部材(114A,114B,114C;114A,
    114B,114C,119A,119B,119C)
    を、バルブブロック(102)と前記第1及び第2の軸
    受枠体(40,41)のうちの少なくとも一方の軸受枠
    体との間に架け渡して設けてある請求項4のトランスミ
    ッション装置。
  6. 【請求項6】 前記切換弁機構(106A,106B,
    106C,106D)の変位操作に連動して前記油圧ク
    ラッチ(63,64,65,75,76,77)のうち
    の選択された油圧クラッチに対する作用油圧の立上がり
    特性を制御する油圧制御弁(107)を、前記バルブブ
    ロック(102)に配設してある請求項4のトランスミ
    ッション装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の駆動軸(21)及び前記第2
    の従動軸(27)内にそれぞれ第1及び第2の潤滑油通
    路(92L,93L)を設けて、これらの第1及び第2
    の潤滑油通路を、前記第2の軸受枠体(41)内で連通
    させる一方、前記第1及び第2の軸受枠体(40,4
    1)のうちの一方の軸受枠体に、該潤滑油通路に連通す
    る潤滑油供給通路(96)を設けてある請求項2のトラ
    ンスミッション装置。
  8. 【請求項8】 走行駆動系に、前記第2の駆動軸(2
    6)の後方に該駆動軸と同心的に配置した中空のカウン
    タ軸(28)、及び前記第2の従動軸(27)の後方に
    該従動軸と同心的に配置した他の従動軸(29)を設け
    て、第2の従動軸(27)とカウンタ軸(28)を同行
    回転するように接続し、第2の従動軸(27)と他の従
    動軸(29)間を直結する変速段とカウンタ軸(28)
    を介し接続する少なくとも1つの変速段とを備えた走行
    駆動系の機械式変速装置(25)を設ける一方、PTO
    駆動系の前記伝動軸(33)を、上記カウンタ軸(2
    8)を貫通させてある請求項1のトランスミッション装
    置。
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