JP4096754B2 - 非水電解液二次電池用正極活物質 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は非水電解液二次電池及びその正極活物質、特に層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物に関する。例えば、携帯電話、パソコン、電気自動車に使用される。
【0002】
【従来の技術】
非水電解液二次電池は、従来のニッケルカドミウム二次電池などに比べて作動電圧が高く、かつエネルギー密度が高いという特徴を有し、電子機器の電源として広く利用されている。この非水電解液二次電池の正極活物質としてはLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4に代表されるリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。
【0003】
電子機器は、具体的には携帯電話やノート型パソコンに代表されるモバイル電子機器である。このような電子機器において、これまではLiCoO2を用いた非水電解液二次電池で十分な電池特性が得られていた。
【0004】
しかしながら、現在では、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラ等のモバイル機器は、さまざまな機能が付与される等の高機能化や、高温や低温での使用等のため、使用環境がより一層厳しいものとなっている。また、電気自動車用バッテリー等の電源への応用が期待されており、これまでのLiCoO2を用いた非水電解液二次電池では、十分な電池特性が得られず、更なる改良が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、より一層厳しい使用環境下においても優れた電池特性を有する非水電解液二次電池用正極活物質を提供することにある。すなわち優れた出力特性、サイクル特性および熱安定性を有する非水電解液二次電池用正極活物質を提供することにある。
【0006】
本発明に記載される非水電解液二次電池用正極活物質は、層状構造のリチウムニッケル複合酸化物を有する非水電解液二次電池用正極活物質であって、
所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン、またはアルミニウムイオンを含む水溶液に水酸化ナトリウムを滴下することによって得られる共沈物の熱処理物と、リチウム化合物と、の原料混合物を焼成することによって得られ、一般式:LikNimCopAl(1−m−p)Or(但し、式中、k、m、p、rは、0.95≦k≦1.10、0.1≦m≦0.9、0.1≦p≦0.9、1.8≦r≦2.2を満たす)で表され、かつ、Ni/Co(モル比)が、2.33、3.0、3.25、3.5のいずれかである前記リチウムニッケル複合酸化物は、外側の外殻部と、該外殻部の内側の空間部とを有する中空粒子であり、前記粒子の断面出しを行ったときの、前記外殻部と前記空間部の合計に対する前記空間部の面積割合は、7%以上16%以下であることを特徴とする。
【0007】
リチウム遷移金属複合酸化物は充放電に伴い粒子界面及び粒子内部の拡散によりリチウムイオンが挿入脱離する。また充放電を重ねることにより、粒子内部と粒子界面においてリチウムイオンの挿入脱離に不均一が生じサイクル特性は劣化すると考えられる。本発明は、外殻部の内側に空間部を有するため、外殻部の表面よりリチウムイオンが均一に挿入脱離しやすくなりサイクル特性が向上すると考えられる。
【0008】
前記粒子の断面出しを行ったときの、前記外殻部と前記空間部の合計に対する前記空間部の面積割合は、7%以上16%以下であることが好ましい。高負荷の場合リチウムイオンは直線的に拡散し負極に移動するため、空間部が存在することによりリチウムイオンの移動経路が長くなり出力特性が低下すると考えられる。外殻部と空間部の合計に対する空間部の面積割合をこの範囲に規定することで優れた出力特性、低温出力特性とサイクル特性、高温サイクル特性の両立を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る非水電解液二次電池用正極活物質を、実施の形態、実施例及び図1〜図8を用いて説明する。ただし、本発明は、この実施の形態、実施例及び図1〜図8に限定されない。
【0013】
(非水電解液二次電池用正極活物質)
本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は、少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物からなる。層状構造とは、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造が層状であることを意味する。層状構造は、α−NaFeO2型構造と呼ばれ、立方密充填酸素配列の固体マトリックス中の全ての六配位サイトをリチウムイオンと遷移金属イオンが、各々半分ずつ規則正しく占めている。リチウムは3bサイト3を占有し、酸素は6cサイト2を占有し、遷移金属は3aサイト1を占有する。
【0014】
層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物は特に限定されない。例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、クロム酸リチウム、バナジン酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムである。好適には、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムである。ニッケルコバルトマンガン酸リチウムの場合、携帯電話や電動工具等に用いられる優れたサイクル特性、熱安定性を有する非水電解液二次電池用正極活物質が得られる。さらに、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムの場合、電気自動車に用いられる優れたサイクル特性、高温サイクル特性、サイクル後の出力特性及び低温出力特性を有する非水電解液二次電池用正極活物質が得られる。
【0015】
リチウム遷移金属複合酸化物は、一般式がLikNimCopZ(1−m−p)Or(式中、ZはAlまたはMnを表し、kは0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mは0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pは0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、rは1.8≦r≦2.2を満たす数を表す。)で表されることが好ましい。LikNimCopMn(1−m−p)Orの場合、携帯電話や電動工具等に用いられる優れたサイクル特性、熱安定性を有する非水電解液二次電池用正極活物質が得られる。さらに、LikNimCopAl(1−m−p)Orの場合、電気自動車に用いられる優れたサイクル特性、高温サイクル特性、サイクル後の出力特性及び低温出力特性を有する非水電解液二次電池用正極活物質が得られる。
【0016】
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、外側の外殻部と、該外殻部の内側の空間部とを有する中空粒子からなる。本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、例えば、図7及び図8のFIB加工部における二次イオン像からわかるように、表面層を形成する外殻部と、その外殻部の内側に形成された空間部とを有した中空粒子からなる。図8からわかるように空間部は中空粒子内に1箇所だけでなく数カ所存在していてもよい。中空粒子の最大径と最小径との比は、0.8〜1.2の範囲にある。中空粒子は、ほぼ球状の外観を有する。中空粒子が、ほぼ球状の外観を有することにより、正極板を作製する際、カーボン材料で代表される導電剤粉末との混合性が良くなり、電池の内部抵抗が減少し、放電容量が向上すると考えられる。
【0017】
FIB加工部とは、集束イオンビーム加工観察装置により断面出しをされたリチウム遷移金属複合酸化物粒子の断面部分をいう。サブミクロンオーダーに絞られた集束イオンビームで、本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物のFIB加工部の表面を走査し、このとき表面から放出される二次電子を検出して走査イオン像として観察し、これを二次イオン像とする。
【0018】
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物について断面出しを行ったときの、前記空間部の、前記外殻部と前記空間部の合計に対する面積割合は、0%より大きく20%より小さいことが好適である。本発明において、断面出しは次のように行う。本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物の数ある粒子の中から、平均粒子径のリチウム遷移金属複合酸化物を選択する。ここで平均粒子径は中位径を意味する。選択したリチウム遷移金属複合酸化物の粒子断面像が最大粒径となる部分まで断面出しを行う。断面出しの方法は、特に限定されない。例えば、樹脂に埋包してその粒子断面を削り出す方法、FIBにて加工する方法によって行うことができる。粒子断面像は、特に限定されない。例えば、SEM像、SIM像、TEM像、STEM像を用いることができる。
【0019】
リチウム遷移金属複合酸化物について断面出しを行ったときの、空間部の、外殻部と空間部の合計に対する面積割合は、1%〜18%であることが好ましい。より好ましくは、2%〜15%であり、さらに好ましくは、5%〜10%である。
このとき、優れたサイクル特性及び高温サイクル特性と、優れた出力特性及び低温出力特性を両立させることができる。
空間部が複数存在する場合には、本発明における空間部とは、複数存在する空間部の合計を意味する。
【0020】
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムの量が化学量論比よりも多いことが好ましい。リチウムの量が化学量論比より少なければ、リチウムイオンサイトへ遷移金属イオンが入り局所的に岩塩層ができやすい。これは不活性であるためリチウムの拡散を阻害し好ましくない。
【0021】
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物において、リチウムの量は、化学量論比の1.00倍より多く1.10倍以下であることが好ましい。リチウムの量が化学量論比の1.10倍より多くなれば、未反応のリチウムが残存しやすく放電容量が少なくなるため好ましくない。より好ましくは1.01倍〜1.08倍である。
【0022】
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、少なくともアルミニウムを有し、前記アルミニウムの含有量は、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対して、1mol%〜20mol%であることが好ましい。アルミニウムの含有量がリチウム遷移金属複合酸化物に対して、この範囲外であるなら結晶構造が不安定となり熱安定性、サイクル後の出力特性において好ましくない。
【0023】
アルミニウムの含有量は、リチウム遷移金属複合酸化物に対して、3mol%〜15mol%であることがより好ましい。このときさらに結晶構造の安定化が図られ、さらに熱安定性、サイクル後の出力特性が向上する。
【0024】
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、前記層状構造における(104)面の垂線方向の結晶子径が400Å〜800Åであることが好ましい。結晶子は単結晶と考えられる最大限の集合を示す。このため結晶子径が大きいほど結晶性に優れ、結晶構造の歪みが少ないことになる。層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物では、特に(104)面の垂線方向の結晶子径を用いることによって単位格子の規則的な配列度が分かる。層状構造における(104)面の垂線方向の結晶子径は500Å〜700Åであることがより好ましい。
【0025】
(非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法)
次に、本発明に係る非水電解液二次電池用正極活物質(Li0.95Ni0.7Co0.3O2)の製造方法を説明するが、本製造方法に限定されない。
【0026】
攪拌している純水中に所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオンを含む水溶液を滴下する。さらにpH8〜pH11となるように水酸化ナトリウムを滴下し、40℃〜80℃、回転数500rpm〜1500rpmでコバルトとニッケルを共沈させ、共沈物を得る。
【0027】
コバルト源は特に限定されない。基本的には水溶液を作りうる塩であればいずれも使用可能である。例えば塩化コバルト、ヨウ化コバルト、硫酸コバルト、臭素酸コバルト、硝酸コバルト等が用いられる。好適には、CoSO4・7H2O、Co(NO3)・6H2O等が用いられる。
【0028】
ニッケル源は特に限定されない。基本的には水溶液を作りうる塩であればいずれも使用可能である。例えば塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、ギ酸ニッケル等が用いられる。好適には、NiSO4・6H2O、Ni(NO3)2・6H2O等が用いられる。
【0029】
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物がニッケルコバルトアルミン酸リチウムの場合はコバルト、ニッケルとともに、アルミニウム等を共沈させる。ニッケルコバルトマンガン酸リチウムの場合はコバルト、ニッケルとともに、マンガン等を共沈させる。
【0030】
アルミニウム源は特に限定されない。基本的には水溶液を作りうる塩であればいずれも使用可能である。例えば塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等が用いられる。好適には、Al2(SO4)3、Al(NO3)3等が用いられる。
【0031】
マンガン源は特に限定されない。基本的には水溶液を作りうる塩であればいずれも使用可能である。例えば塩化マンガン、ヨウ化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン等が用いられる。好適には、MnSO4、MnCl2等が用いられる。
【0032】
また、水酸化ナトリウム水溶液を加えているが、これに限られるわけではなく、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ溶液であればよい。
【0033】
次に、得られる共沈物を濾過、水洗後、乾燥したのち、水酸化リチウムと混合し、酸素分圧を制御した雰囲気中にて、650℃〜1100℃の温度で1〜24時間焼成を行い、本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物を合成する。
【0034】
共沈物と混合するものは水酸化リチウムに限定されない。基本的にはリチウム化合物であればいずれも使用可能である。例えばフッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、酸化リチウム、過酸化リチウム、炭酸リチウム等が用いられる。好適にはLi2CO3、LiOH、LiOH・H2O、Li2O、LiCl、LiNO3、Li2SO4、LiHCO3、Li(CH3COO)等が用いられる。
【0035】
共沈物、リチウム化合物とともに、硫黄含有化合物、ハロゲン元素を含む化合物、ホウ素化合物等を混合してもよい。
【0036】
硫黄含有化合物は特に限定されない。例えば硫化物、ヨウ化硫黄、硫化水素、硫酸とその塩、硫化窒素等が用いられる。好適にはLi2SO4、MnSO4、(NH4)2SO4、Al2(SO4)3、MgSO4等が用いられる。
【0037】
ハロゲン元素を含む化合物は特に限定されない。例えば、フッ化水素、フッ化酸素、フッ化水素酸、塩化水素、塩酸、酸化塩素、フッ化酸化塩素、酸化臭素、フルオロ硫酸臭素、ヨウ化水素、酸化ヨウ素、過ヨウ素酸等が用いられる。好適には、NH4F、NH4Cl、NH4Br、NH4I、LiF、LiCl、LiBr、LiI、MnF2、MnCl2、MnBr2、MnI2等が用いられる。
【0038】
ホウ素化合物としては、特に限定されない。例えば、ホウ化物、酸化ホウ素、リン酸ホウ素等が用いられる。好適には、B2O3(融点460℃)、H3BO3(分解温度173℃)が用いられる。
【0039】
焼成の温度は、好適には700℃〜1050℃であり、また焼成の時間は6〜12時間が好ましい。焼成温度が700℃よりも低い場合、未反応の原料が非水電解液二次電池用正極活物質中に残留し、本発明の目的を達成できる十分な特性が得られない場合がある。また、1100℃よりも高い温度で焼成した場合、副生成物が生成しやすくなり、単位重量当たりの放電容量の低下、サイクル充放電特性の低下、作動電圧の低下を招く。焼成の時間は、1時間未満では原料混合物の粒子間の拡散反応が進行せず、目的とする非水電解液二次電池用正極活物質が得られない。また24時間より長く焼成を行うと焼結による粗大粒子が形成され、好ましくない。
【0040】
上記焼成により得られるリチウム遷移金属複合酸化物を乳鉢やボールミル、振動ミル、ピンミルおよびジェットミル等により粉砕しても構わない。上記方法によって比表面積が0.2〜3m2/gである本発明の非水電解液二次電池用正極活物質を得ることができる。
【0041】
以上の製造方法を使用することにより、目的とする非水電解液二次電池用正極活物質を得ることが可能である。
【0042】
なお、コバルトとニッケルの共沈により、Li0.95Ni0.7Co0.3O2を製造したが、コバルト化合物、ニッケル化合物を所定の組成比となるように混合し、焼成して製造してもよい。
【0043】
(非水電解液二次電池)
本発明に係る非水電解液二次電池用正極活物質は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等の非水電解液二次電池に好適に用いられる。
【0044】
非水電解液二次電池は、従来公知の非水電解液二次電池において、正極活物質を本発明の正極活物質とすればよく、他の構成は特に限定されない。本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物を主成分とする正極活物質層を備えた非水電解液二次電池であればよい。
【0045】
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物を主成分とする正極活物質を使用する正極は、好ましくは次のように製造される。本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粉末に、アセチレンブラック、黒鉛等のカーボン系導電剤、結着剤及び結着剤の溶媒または分散媒とを混合することにより正極合剤が形成される。前記正極合剤をスラリーまたは混練物とし、アルミニウム箔等の集電体12に塗布又は担持し、プレス圧延して正極活物質層を集電体12に形成する。
【0046】
結着剤にはポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミドアクリル樹脂等が使用できる。
【0047】
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、導電剤粉末との混合性が良く、電池の内部抵抗は減少すると考えられる。このため充放電特性、特に放電容量が向上する。また結着剤と混練するときも、本発明のリチウム遷移金属複合酸化物は、流動性に優れ、また結着剤の高分子と絡まりやすく、優れた結着性を有する。さらに粗大粒子を含まず、球状であるため、作製した正極13の塗膜面の表面は平滑性に優れる。このため正極板の塗膜面は結着性に優れ剥がれにくく、また表面が平滑で充放電に伴う塗膜面表面のリチウムイオンの出入りが均一に行われるため、サイクル特性において顕著な改善が得られる。
【0048】
例えば、負極活物質には金属リチウム、リチウム合金、又はリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物が使用できる。リチウム合金としては例えばLiAl合金,LiSn合金,LiPb合金などが使用できる。リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物としては例えばグラファイト,黒鉛などの炭素材料が使用できる。また酸化スズ、酸化チタン等のリチウムイオンを挿入・脱離することができる酸化物を用いてもよい。
【0049】
電解液としては作動電圧で変質、分解しない化合物であれば特に限定されず使用できる。溶媒として例えばジメトキシエタン,ジエトキシエタン,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,エチルメチルカーボネート,メチルホルメート,γ−ブチロラクトン,2−メチルテトラヒドロフラン,ジメチルスルホキシド,スルホランなどの有機溶媒が使用でき、また前記した有機溶媒群から選ばれた2種類以上を混合して使用しても構わない。
【0050】
電解質としては例えば過塩素酸リチウム,四フッ化ホウ酸リチウム,六フッ化リン酸リチウム,トリフルオロメタン酸リチウムなどのリチウム塩などが使用できる。上記した溶媒と電解質とを混合して電解液として使用する。ここでゲル化剤などを添加し、ゲル状として使用してもよく、また吸湿性ポリマーに吸収させて使用しても構わない。更に無機系又は有機系のリチウムイオンの導電性を有する固体電解質を使用しても構わない。
【0051】
更にセパレーター14としてポリエチレン製、ポリプロピレン製等の多孔性膜等が使用できる。本発明に係る非水電解液二次電池用正極活物質、上記した負極活物質、電解液、セパレーターを用いて定法に従い非水電解液二次電池とする。これにより従来達成できなかった優れた電池特性が実現できる。
【0052】
また、本発明に係る非水電解液二次電池用正極活物質を正極活物質として用いた正極活物質層を帯状正極集電体の両面にそれぞれ形成することにより構成した帯状正極と、上記の負極活物質層の負極活物質層を帯状負極集電体の両面にそれぞれ形成することにより構成した帯状負極とをそれぞれ具備し、帯状正極と帯状負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で多数回巻回することにより帯状正極と帯状負極との間に帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成して非水電解液二次電池とすることができる。このように構成することで、製造工程が簡単であるとともに、正極活物質層および負極活物質層の割れや帯状セパレータからの剥離を生じ難く、電池容量を大きく、エネルギー密度を高くすることができる。特に本発明に係る非水電解液二次電池用正極活物質は、出力特性およびサイクル特性に優れる。そのため高い充放電容量を有し、かつ出力特性およびサイクル特性に優れた非水電解液二次電池を得ることができる。
【0053】
非水電解液二次電池の形状としては、円筒型でも、コイン型でも、角型でも、ラミネート型等でもよい。
【0054】
(非水電解液二次電池の用途)
本発明に係る非水電解液二次電池用正極活物質を用いた非水電解液二次電池の用途は特に限定されない。例えばノートパソコン、ペン入力パソコン、ポケットパソコン、ノート型ワープロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤ、携帯電話、コードレスフォン子機、電子手帳、電卓、液晶テレビ、電気シェーバ、電動工具、電子翻訳機、自動車電話、携帯プリンタ、トランシーバ、ページャ、ハンディターミナル、携帯コピー、音声入力機器、メモリカード、バックアップ電源、テープレコーダ、ラジオ、ヘッドホンステレオ、ハンディクリーナ、ポータブルCD、ビデオムービ、ナビゲーションシステムなどの機器用の電源に用いることができる。また照明機器、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、冷蔵庫、オーブン電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、ゲーム機器、玩具、ロードコンディショナ、医療機器、自動車、電気自動車、ゴルフカート、電動カート、電力貯蔵システムなどの電源として使用することができる。また、民生用の他、軍需用、宇宙用としても使用することができる。
【0055】
以下、本発明に係る非水電解液二次電池用正極活物質について実施例を挙げて説明するが、この実施例に限定されるものではない。
【0056】
【実施例】
〔実施例1〕
攪拌している純水中に所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオンを含む水溶液を滴下した。さらにpH9となるように水酸化ナトリウムを滴下し、80℃、回転数650rpmでコバルトとニッケルを共沈させ、共沈物を得た。得られた共沈物を濾過、水洗後、熱処理したのち、水酸化リチウムと混合し、酸素分圧を制御した雰囲気中にて750℃で10時間焼成した。そして乳鉢にて粉砕しLi0.95Ni0.7Co0.3O2が得られた。
【0057】
(非水電解液二次電池用正極活物質の評価)
本発明に係る非水電解液二次電池用正極活物質は、以下の方法により組成分析、比表面積、粒度分布の測定を行う。また試験電池を作製し、各評価を行う。
【0058】
(組成分析)
所定量の非水電解液二次電池用正極活物質を硝酸に溶解し、プラズマ発光分光(ICP)分析法により、ハロゲン元素、酸素以外の各構成元素の含有量の定量を行った。また所定量の非水電解液二次電池用正極活物質を純水に投入して撹拌し、上澄み水溶液を得た。アニオン選択性電極を指示電極に用いたイオンメーターにより、上澄み水溶液中のハロゲン元素を定量した。
【0059】
(粉末の評価)
非水電解液二次電池用正極活物質の比表面積は、窒素ガスを用いた定圧式BET吸着法により測定した。
【0060】
(結晶子径の測定)
理学電気(株)社製のUltimaを用いて測定した。X線源にはCuKα1を用い、管電流100mA、管電圧40kVにてX線回折パターンを測定した。(104)面に起因する回折ピークより以下の式で表されるシェラーの式によって算出された。
【0061】
【数1】
【0062】
なお式中のDは結晶子の大きさ(オングストローム)、Kは定数(βを積分幅より算出した場合はK=1.05)、λはX線源の波長(CuKα1=1.540562オングストローム)、βは積分幅(radian)、θは回折角2θ/2(degree)を示す。
【0063】
(リチウムイオン二次電池の作製)
正極活物質である本発明のリチウム遷移金属複合酸化物粉末90重量部、導電剤として炭素粉末5重量部、ポリフッ化ビニリデン5重量部になるようにノルマルメチルピロリドン溶液に溶解させたをポリフッ化ビニリデンとを混練してペーストを調製し、これを正極集電体に塗布し、乾燥して正極板とした。また負極活物質に炭素材料を用いて同様にして負極集電体に塗布し、負極板を作製した。セパレーターに多孔性プロピレンフィルムを用い、電解液としてエチレンカーボネイト:ジエチルカーボネイト=1:1(体積比)の混合溶媒にLiPF6を1mol/lの濃度で溶解した溶液を用いた。シート状に成形した正極板、負極板及びセパレーターを巻回し、金属円筒形の電池ケースに収納し、円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
【0064】
(インピーダンスの測定)
測定にはSI1287及びSI1260(SOLARTRON社製)を使用した。円筒型リチウムイオン二次電池の正負極に設けたリード線に測定機のクリップを取り付け、交流インピーダンス法により内部インピーダンスを測定した。逢坂哲彌、2D16、電池討論会予稿集(1999)と同形状のCole−Coleプロットが得られた。図3に示した等価回路に従って解析し、正極抵抗を算出した。
【0065】
(出力特性の測定)
満充電後の電池を所定の放電深度(DOD)まで放電させた後、まず1Cの電流で10秒間放電させた時の電圧を測定する。10分間放置後、今度は1Cレートの電流で10秒間充電した時の電圧を測定する。次に10分間放置後3Cの電流で10秒間放電した時の電圧を測定する。10分間放置後3Cの電流で10秒間充電した時の電圧を測定する。10分間放置後、充放電レートをnC(n=5,7,…)として同様な繰り返し測定を行い、V−I直線を求め、この直線の傾きから内部直流抵抗を求める。
【0066】
(サイクル充放電特性・高温サイクル充放電特性の評価)
サイクル充放電特性は、作製した円筒型リチウムイオン二次電池を常温にて充電密度1Cで4.2Vまで定電流充電後、1Cで2.75Vまで放電する充放電を400サイクル行い、400サイクル目の容量維持率(%)を下記の式から求めた。
【0067】
【数2】
【0068】
高温サイクル充放電特性は、作製した円筒型リチウムイオン二次電池を60℃にて充電密度1Cで4.2Vまで定電流充電後、1Cで2.75Vまで放電する充放電を400サイクル行い、400サイクル目の容量維持率(%)を下記の式から求めた。
【0069】
【数3】
【0070】
(熱安定性の評価)
正極活物質粉末90重量部と、導電剤としてのカーボン5重量部と、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)5重量部になるようにノルマルメチルピロリドン溶液に溶解させたをPVDFとを混練してペーストを調製した。得られたペーストを正極集電体に塗布し、負極がリチウム金属である試験用二次電池を作製し、定電流による充放電を行いなじませた。その後、試験用二次電池を一定電流の下で電池電圧が4.3Vになるまで充電を行った。充電が完了した後、試験用二次電池から正極を取り出し、洗浄して乾燥し、正極から正極活物質を削り取った。電解液に使用するエチレンカーボネートをAlセルに約2mgと、正極から削り取った正極活物質約5mgを秤量し、示差走査熱量を測定した。
示差走査熱量分析は、物質及び基準物質の温度をプログラムに従って変化させながら、その物質と基準物質に対するエネルギー入力の差を温度の関数として測定する方法で、低温部では温度が上昇しても示差走査熱量は変化しないが、ある温度以上では示差走査熱量が大きく増大する。この時の温度を発熱開始温度とし、この温度が高いほど熱安定性が良い。
【0071】
(面積割合の測定)
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物の数ある粒子の中から、中位径のリチウム遷移金属複合酸化物を選択した。選択したリチウム遷移金属複合酸化物の粒子断面像(SIM像)が最大粒径となる部分まで集束イオンビーム加工観察装置により断面出しを行った。この粒子断面像の空間部の、外殻部と空間部の合計に対する面積の割合をSIM像から計算した。
【0072】
結果を表1に示す。
【0073】
〔実施例2〕
攪拌している純水中に所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン及びアルミニウムイオンを含む水溶液を滴下した。さらにpH9となるように水酸化ナトリウムを滴下し、80℃、回転数650rpmでコバルト、ニッケル及びアルミニウムを共沈させ、共沈物を得た。得られた共沈物を濾過、水洗後、熱処理したのち、水酸化リチウムと混合し、酸素分圧を制御した雰囲気中にて750℃で10時間焼成した。そして乳鉢にて粉砕しLi0.98Ni0.7Co0.2Al0.1O2が得られた。
【0074】
以下、実施例1と同様にして非水電解液二次電池用正極活物質の評価を行う。結果を表1に示す。
【0075】
〔実施例3〕
攪拌している純水中に所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン及びアルミニウムイオンを含む水溶液を滴下した。さらにpH9となるように水酸化ナトリウムを滴下し、80℃、回転数650rpmでコバルト、ニッケル及びアルミニウムを共沈させ、共沈物を得た。得られた共沈物を濾過、水洗後、熱処理したのち、水酸化リチウムと混合し、酸素分圧を制御した雰囲気中にて750℃で10時間焼成した。そして乳鉢にて粉砕しLi0.95Ni0.6Co0.2Al0.2O2が得られた。
【0076】
以下、実施例1と同様にして非水電解液二次電池用正極活物質の評価を行う。結果を表1に示す。
【0077】
〔実施例4〕
攪拌している純水中に所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオンを含む水溶液を滴下した。さらにpH9となるように水酸化ナトリウムを滴下し、80℃、回転数650rpmでコバルトとニッケルを共沈させ、共沈物を得た。得られた共沈物を濾過、水洗後、熱処理したのち、水酸化リチウムと混合し、酸素分圧を制御した雰囲気中にて750℃で10時間焼成した。そして乳鉢にて粉砕しLi1.02Ni0.7Co0.3O2が得られた。
【0078】
以下、実施例1と同様にして非水電解液二次電池用正極活物質の評価を行う。結果を表1に示す。
【0079】
〔実施例5〕
攪拌している純水中に所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン及びアルミニウムイオンを含む水溶液を滴下した。さらにpH9となるように水酸化ナトリウムを滴下し、80℃、回転数650rpmでコバルト、ニッケル及びアルミニウムを共沈させ、共沈物を得た。得られた共沈物を濾過、水洗後、熱処理したのち、水酸化リチウムと混合し、酸素分圧を制御した雰囲気中にて750℃で10時間焼成した。そして乳鉢にて粉砕しLi1.02Ni0.7Co0.2Al0.1O2が得られた。
【0080】
以下、実施例1と同様にして非水電解液二次電池用正極活物質の評価を行う。結果を表1に示す。
【0081】
〔実施例6〕
攪拌している純水中に所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン及びアルミニウムイオンを含む水溶液を滴下した。さらにpH9となるように水酸化ナトリウムを滴下し、80℃、回転数650rpmでコバルト、ニッケル及びアルミニウムを共沈させ、共沈物を得た。得られた共沈物を濾過、水洗後、熱処理したのち、水酸化リチウムと混合し、酸素分圧を制御した雰囲気中にて750℃で10時間焼成した。そして乳鉢にて粉砕しLi1.02Ni0.65Co0.2Al0.15O2が得られた。
【0082】
以下、実施例1と同様にして非水電解液二次電池用正極活物質の評価を行う。結果を表1に示す。
【0083】
〔実施例7〕
攪拌している純水中に所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン及びアルミニウムイオンを含む水溶液を滴下した。さらにpH9となるように水酸化ナトリウムを滴下し、80℃、回転数1200rpmでコバルト、ニッケル及びアルミニウムを共沈させ、共沈物を得た。得られた共沈物を濾過、水洗後、熱処理したのち、水酸化リチウムと混合し、酸素分圧を制御した雰囲気中にて750℃で10時間焼成した。そして乳鉢にて粉砕しLi1.04Ni0.65Co0.2Al0.15O2が得られた。
【0084】
以下、実施例1と同様にして非水電解液二次電池用正極活物質の評価を行う。結果を表1に示す。
【0085】
表1から明らかなように、本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は、サイクル特性、高温サイクル特性が優れていることがわかる。またインピーダンス、低温インピーダンスも小さいことから出力特性、低温出力特性に優れていることがわかる。さらに熱安定性も向上していることがわかる。
【0086】
実施例1乃至7に係るリチウム遷移金属複合酸化物の空間部の、前記外殻部と前記空間部の合計に対する面積割合と、インピーダンスおよびサイクル特性の関係から次のことがわかる。面積割合が大きい程(実施例7)、サイクル特性、高温サイクル特性は向上するものの、インピーダンスは大きくなり出力特性、低温出力特性は低下する。面積割合が小さい程、インピーダンスは小さくなり出力特性、低温出力特性は向上するものの、サイクル特性、高温サイクル特性は低下する。したがって、面積割合は、7%〜16%が最適であることがわかる。
【0087】
【表1】
【0088】
前記各実施の形態から把握できる請求項記載以外の技術思想(発明)について、以下にその効果とともに記載する。
【0089】
(1)請求項1乃至請求項5の少なくともいずれか1項に記載の発明において、
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、ニッケルおよびコバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、アルミニウムと同一でない13族および14族の元素ならびにハロゲン元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムまたはニッケル、コバルトおよびマンガンと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素ならびにハロゲン元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムであることがより好ましい。これらの元素を含むことで、さらに優れたサイクル特性と負荷特性の向上が実現できる。
【0090】
(2)請求項1乃至請求項5及び(1)の少なくともいずれか1項に記載の発明において、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、Co、Niおよび下記式においてZがMnの場合はMnと同一でない遷移金属、周期表の2族、下記式においてZがAlの場合はAlと同一でない13族および14族の元素ならびにハロゲン元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、一般式がLikNimCopZ(1−m−p)Or(式中、ZはAlまたはMnを表し、kは0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mは0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pは0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、rは1.8≦r≦2.2を満たす数を表す。)で表されることがより好ましい。これらの元素を含むことで、さらに優れたサイクル特性と負荷特性の向上が実現できる。
【0091】
(3)請求項1乃至請求項5及び(1)又は(2)の少なくともいずれか1項に記載の発明において、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、マグネシウム、チタン及びジルコニウムから選ばれた少なくとも一種類の元素と、硫黄を含む、一般式がLixMyX1−yOz(MはCo,Niから選ばれる少なくとも一種類の元素を表し、XはAl,Mnから選ばれる少なくとも一種類の元素を表し、xは0.95≦x≦1.10を満たす数を表し、yは0.5≦y≦1.0を満たす数を表し、zは1.8≦z≦2.2を満たす数を表す。)で表されることがより好ましい。マグネシウム、チタン及びジルコニウムから選ばれた少なくとも一種類の元素と、硫黄という元素を含むことによって、サイクル特性、出力特性及び熱安定性の向上を損なうことなく、電池の膨張率が低減し、容量維持率が高くなるからである。
【0092】
(4)請求項1乃至請求項5及び(1)乃至(3)の少なくともいずれか1項に記載の発明において、前記リチウム遷移金属複合酸化物の比表面積は、0.2〜3m2/gであることがより好ましい。比表面積が3m2/gより大きいと、正極活物質表面あるいはその近傍で起こる電解液の酸化分解反応の反応性が増し、発生するガス量が増えるため好ましくない。比表面積が0.2m2/gより小さいと正極活物質の粒径が大きくなり過ぎて電池特性が低下するため好ましくない。このように規定することで、サイクル特性、出力特性及び熱安定性の向上を損なうことなく、ガス発生が低減でき、さらに優れたサイクル特性、負荷特性が得られる。
【0093】
(5)請求項1乃至請求項5及び(1)乃至(4)の少なくともいずれか1項に記載の発明において、前記リチウム遷移金属複合酸化物の体積基準の粒子径が50μm以上の粒子の割合は、全粒子の10体積%以下であることがより好ましい。この範囲内の正極活物質であることで、サイクル特性、出力特性及び熱安定性の向上を損なうことなく、電池膨張率を低減することができる。
【0094】
(6)粉末本体と、該粉末本体の表面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを有する粉末からなる非水電解液二次電池用正極活物質であって、
該粉末本体が請求項1乃至請求項5及び(1)乃至(5)の少なくともいずれか1項に記載の非水電解液二次電池用正極活物質に用いられるリチウム遷移金属複合酸化物であり、
該被覆層が、Al2O3及び/又はLiTiO2の粉末からなる、非水電解液二次電池用正極活物質であることが好ましい。前記被覆層がAl2O3の粉末からなることにより、電気二重層中の移動速度を多少低下することができ、結晶格子中のリチウムイオンの移動速度とバランスを保つことができると考えられる。したがって、サイクル特性、出力特性及び熱安定性の向上を損なうことなく、電圧降下を改善することができる。また、前記被覆層がLiTiO2の粉末からなることにより、充放電時にリチウムイオンの授受を行う際、特異な現象が起きているためサイクル特性、出力特性及び熱安定性の向上を損なうことなく、負荷特性を向上させることができる。前記LiTiO2は空間群Fm3mに属することが好ましい。
【0095】
(7)請求項1乃至請求項5及び(1)乃至(6)の少なくともいずれか1項に記載の発明において、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、粒子形状であると共に、その表面に硫酸根を有することがより好ましい。層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に硫酸根を有することにより、硫酸根が電子を通しやすくすると考えられる。そのためサイクル特性、出力特性及び熱安定性の向上を損なうことなく、負荷特性が向上する。
【0096】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は、サイクル特性、出力特性及び熱安定性等の電池特性に優れる。したがって、本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は、リチウムイオン二次電池等に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電池の等価回路を示す図である。
【図2】層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を示す図である。
【図3】活物質の結着模式図である。
【図4】円筒型電池の断面図である。
【図5】コイン型電池の構造を示す図である。
【図6】角型電池の構造を示す図である。
【図7】実施例7の非水電解液二次電池用正極活物質のFIB加工部における二次イオン像を示す図である。
【図8】実施例4の非水電解液二次電池用正極活物質のFIB加工部における二次イオン像を示す図である。
【符号の説明】
1…Co及び/又はNi層
2…酸素層
3…Li層
4…結着剤
5…活物質
11…負極
12…集電体
13…正極
14…セパレーター
21…外殻部
22…空間部
Claims (1)
- 層状構造のリチウムニッケル複合酸化物を有する非水電解液二次電池用正極活物質であって、
所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン、またはアルミニウムイオンを含む水溶液に水酸化ナトリウムを滴下することによって得られる共沈物の熱処理物と、リチウム化合物と、の原料混合物を焼成することによって得られ、
一般式:LikNimCopAl(1−m−p)Or(但し、式中、k、m、p、rは、0.95≦k≦1.10、0.1≦m≦0.9、0.1≦p≦0.9、1.8≦r≦2.2を満たす)で表され、
かつ、Ni/Co(モル比)が、2.33、3.0、3.25、3.5のいずれかである前記リチウムニッケル複合酸化物は、外側の外殻部と、該外殻部の内側の空間部とを有する中空粒子であり、
前記粒子の断面出しを行ったときの、前記外殻部と前記空間部の合計に対する前記空間部の面積割合は、7%以上16%以下であることを特徴とする非水電解液二次電池用正極活物質。
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