JP4492058B2 - 非水電解液二次電池用正極活物質および非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用正極活物質および非水電解液二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池用正極活物質(以下、単に「正極活物質」ともいう。)に関する。詳しくは、電池特性が非常に向上した、層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する正極活物質に関する。
非水電解液二次電池は、従来のニッケルカドミウム二次電池などに比べて作動電圧が高く、かつエネルギー密度が高いという特徴を有し、モバイル電子機器の電源として広く利用されている。この非水電解液二次電池の正極活物質としてはLiCoO、LiNiO、LiMnに代表されるリチウム遷移金属複合酸化物が用いられている。
しかしながら、現在では、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラ等のモバイル機器は、さまざまな機能が付与される等の高機能化や、高温や低温での使用等のため、使用環境がより一層厳しいものとなっている。また、電気自動車用バッテリー等の電源への応用が期待されており、これまでのLiCoOを用いた非水電解液二次電池では、十分な電池特性が得られず、更なる改良が求められている。
特許文献1には、LiMgCo1−x2−y(0<x<1,0<y<0.5,x=2y)を正極活物質として使用することが記載されている。そして、コバルトの一部をマグネシウムで置換することにより、高率放電時に電池の内部抵抗が増大して放電容量が低下するという問題を解決できることが記載されている。
しかしながら、この正極活物質では、十分なサイクル特性および低温特性を得ることができなかった。
特開平6−168722号公報
本発明の目的は、少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物であって電池特性、特に、サイクル特性、低温特性に優れた正極活物質を提供することである。
本発明に記載される非水電解液二次電池用正極活物質は、少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解液二次電池用正極活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、粒子であるとともに、前記粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合が20%以上である。
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルト酸リチウムであるのが好ましい。
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、コバルト酸リチウムであるのが好ましい。
前記コバルト酸リチウムは、一般式LiCoO(aは0.95≦a≦1.10を満たす数を表し、cは1.8≦c≦2.2を満たす数を表す。)で表されるのが好ましい。
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、一般式LiCo1−b(MはCoと同一でない遷移金属ならびに周期表の2族、13族および14族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Xはハロゲン元素から選ばれる少なくとも1種を表し、aは0.95≦a≦1.10を満たす数を表し、bは0≦b≦0.10を満たす数を表し、cは1.8≦c≦2.2を満たす数を表し、dは0≦d≦0.10を満たす数を表し、eは0≦e≦0.015を満たす数を表す。)で表されるのが好ましい。
本発明に記載される非水電解液二次電池用正極活物質は、少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解液二次電池用正極活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、粒子であるとともに、前記粒子の表面にマグネシウムを有する。
前記粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合が20%以上であるのが好ましい。
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、ニッケルおよびコバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルおよびコバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、アルミニウムと同一でない13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むニッケルコバルトアルミン酸リチウム、または、ニッケル、コバルトおよびマンガンと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むニッケルコバルトマンガン酸リチウムであるのが好ましい。
前記ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムまたはニッケルコバルトマンガン酸リチウムは、一般式LiNiCo(1−x−y)(AはAlまたはMnを表し、wは0.95≦w≦1.10を満たす数を表し、xは0.1≦x≦0.9を満たす数を表し、yは0.1≦y≦0.9を満たす数を表し、x+yはx+y≦1を満たす数を表し、zは1.8≦z≦2.2を満たす数を表す。)で表されるのが好ましい。
本発明に記載される非水電解液二次電池は、本発明のいずれかに記載の非水電解液二次電池用正極活物質を正極活物質として用いた正極活物質層を帯状正極集電体の両面にそれぞれ形成させることにより構成した帯状正極と、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物を負極活物質として用いた負極活物質層を帯状負極集電体の両面にそれぞれ形成させることにより構成した帯状負極と、帯状セパレータとを具備し、前記帯状正極と前記帯状負極とを前記帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成してなる。
本発明において、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合が20%以上であることは、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に存在するマグネシウムの偏析が少ないことを表している。つまり、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にマグネシウムが均一に存在していることを表している。
粒子の表面にマグネシウムが均一に存在していることにより、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子と電解液との接触が減少し副反応が抑制されるため、サイクル特性が向上すると考えられる。また、遷移金属のイオンの溶出を抑制することができるため、サイクル特性が向上すると考えられる。
さらに、粒子の表面にマグネシウムが均一に存在していることにより、粒子表面のマグネシウムがリチウムイオンの出入り口のような働きをするため、低温特性が向上すると考えられる。
リチウム遷移金属複合酸化物がコバルト酸リチウムであると、本発明の正極活物質を用いた非水電解液二次電池がサイクル特性および低温特性に特に優れたものになるため、携帯電話やノートパソコン等の用途に特に好適に用いることができる。
リチウム遷移金属複合酸化物が、コバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、コバルト酸リチウムであることで、サイクル特性および低温特性をさらに向上させることができる。
一般式LiCoO(aは0.95≦a≦1.10を満たす数を表し、cは1.8≦c≦2.2を満たす数を表す。)で表されるコバルト酸リチウムであると、本発明の正極活物質を用いた非水電解液二次電池がサイクル特性および低温特性に特に優れたものになるため、携帯電話やノートパソコン等の用途に特に好適に用いることができる。また、負荷特性にも優れたものになる。
リチウム遷移金属複合酸化物が、一般式LiCo1−b(MはCoと同一でない遷移金属ならびに周期表の2族、13族および14族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Xはハロゲン元素から選ばれる少なくとも1種を表し、aは0.95≦a≦1.10を満たす数を表し、bは0≦b≦0.10を満たす数を表し、cは1.8≦c≦2.2を満たす数を表し、dは0≦d≦0.10を満たす数を表し、eは0≦e≦0.015を満たす数を表す。)で表されることで、サイクル特性および低温特性をさらに向上させることができる。
ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムの粒子の表面にマグネシウムを有することにより、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子と電解液との接触が減少し副反応が抑制されるため、サイクル特性が向上すると考えられる。また、遷移金属のイオンの溶出を抑制することができるため、サイクル特性が向上すると考えられる。
さらに、粒子の表面にマグネシウムが均一に存在していることにより、粒子表面のマグネシウムがリチウムイオンの出入り口のような働きをするため、低温特性が向上すると考えられる。
また、粒子の表面にマグネシウムを有することで、出力特性が向上する。
リチウム遷移金属複合酸化物がニッケルコバルトアルミン酸リチウムであると、本発明の正極活物質を用いた非水電解液二次電池がサイクル特性、低温特性および出力特性に優れたものになるため、電気自動車、携帯電話およびノートパソコン等の用途に好適に用いることができる。
リチウム遷移金属複合酸化物がニッケルコバルトマンガン酸リチウムであると、本発明の正極活物質を用いた非水電解液二次電池がサイクル特性、低温特性および出力特性に優れたものになるため、携帯電話、電動工具および電気自動車等の用途に好適に用いることができる。
粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合が20%以上であり、すなわち、粒子の表面にマグネシウムが均一に存在していることにより、さらにサイクル特性、低温特性および出力特性が向上する。
リチウム遷移金属複合酸化物が、ニッケルおよびコバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルおよびコバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、アルミニウムと同一でない13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むニッケルコバルトアルミン酸リチウム、または、ニッケル、コバルトおよびマンガンと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むニッケルコバルトマンガン酸リチウムであることで、サイクル特性および低温特性をさらに向上させることができる。
ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムまたはニッケルコバルトマンガン酸リチウムは、一般式LiNiCo(1−x−y)(AはAlまたはMnを表し、wは0.95≦w≦1.10を満たす数を表し、xは0.1≦x≦0.9を満たす数を表し、yは0.1≦y≦0.9を満たす数を表し、x+yはx+y≦1を満たす数を表し、zは1.8≦z≦2.2を満たす数を表す。)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物であると、本発明の正極活物質を用いた非水電解液二次電池がサイクル特性、低温特性および出力特性に特に優れたものになる。また、負荷特性にも優れたものになる。
本発明のいずれかに記載の非水電解液二次電池用正極活物質を正極活物質として用いた正極活物質層を帯状正極集電体の両面にそれぞれ形成させることにより構成した帯状正極と、金属リチウム、リチウム合金またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物を負極活物質として用いた負極活物質層を帯状負極集電体の両面にそれぞれ形成させることにより構成した帯状負極と、帯状セパレータとを具備し、帯状正極と帯状負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、帯状正極と帯状負極との間に帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成することで、サイクル特性、低温特性に優れた非水電解液二次電池となる。
以下、本発明に係る非水電解液二次電池用正極活物質を、実施の形態、実施例及び図1〜図7を用いて説明する。ただし、本発明は、この実施の形態、実施例及び図1〜図7に限定されない。
本発明の非水電解液二次電池用正極活物質は、少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物からなる。層状構造とは、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造が層状であることを意味する。層状構造は、特に限定されず、例えば、層状岩塩構造、ジグザグ層状岩塩構造が挙げられる。中でも、層状岩塩構造が好ましい。
層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物は特に限定されない。例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、クロム酸リチウム、バナジン酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムである。好適には、コバルト酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムが挙げられる。
本発明の正極活物質において、リチウム遷移金属複合酸化物は、粒子の形態で存在する。具体的には、上記リチウム遷移金属複合酸化物が、一次粒子およびその凝集体である二次粒子の一方または両方からなる粒子の形態で存在する。即ち、リチウム遷移金属複合酸化物は、粒子の形態で存在し、その粒子は、一次粒子のみからなっていてもよく、一次粒子の凝集体である二次粒子のみからなっていてもよく、一次粒子と二次粒子の両者からなっていてもよい。
本発明の正極活物質においては、少なくとも粒子の表面に、マグネシウムを有するリチウム遷移金属複合酸化物であるのが好ましい。
マグネシウムは、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にどのような形で存在していても本発明の効果を発揮する。例えば、マグネシウムが粒子表面の全体を被覆している場合であっても、マグネシウムが粒子表面の一部を被覆している場合であっても、サイクル特性および低温特性を向上させることができる。マグネシウム化合物がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面全体に完全に被覆されていることは好ましくない。放電容量が著しく低下するからである。
粒子の表面におけるマグネシウムの存在状態は、特に限定されない。マグネシウム化合物の状態で存在していてもよい。
マグネシウム化合物としては、酸化マグネシウム、マグネシウム酸リチウムが好ましい。さらに好ましいマグネシウム化合物は、MgO、LiMgOである。
マグネシウムが粒子の表面に存在しているかどうかは、種々の方法によって解析することができる。例えば、オージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)で解析することができる。
より好ましくは、マグネシウム化合物がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面全体に均一に被覆されている場合である。この場合、さらにサイクル特性、低温特性が向上した正極活物質となる。
また、マグネシウム化合物は少なくともその粒子の表面に存在していればよい。したがって、マグネシウム化合物が粒子の内部に存在していてもよい。この場合、粒子の内部に存在するマグネシウム化合物は、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造中に取り込まれていてもよい。
粒子の内部にマグネシウム化合物が存在することにより、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の結晶構造の安定化が図られ、さらにサイクル特性が向上すると考えられる。
また、マグネシウムが固溶されることにより、ピラー効果が生ずると考えられる。これによりサイクル特性および低温特性の向上を損なうことなく熱安定性が向上する。
本発明の正極活物質において、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面に存在するマグネシウムの割合は、リチウム遷移金属複合酸化物に対し、0.1mol%以上であるのが好ましく、0.5mol%以上であるのがさらに好ましく、1mol%以上であるのがより好ましく、また、5mol%以下であるのが好ましく、4mol%以下であるのがさらに好ましく、3mol%以下であるのがより好ましい。粒子表面に存在するマグネシウムの割合が小さすぎると、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面全体にマグネシウムが存在できないため好ましくない。粒子の表面に存在するマグネシウムの割合が大きすぎると、放電容量低下の原因となり好ましくない。
また、マグネシウムの定量は種々の方法を用いることができる。例えば、誘導結合高周波プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)分光分析法、滴定法で定量することができる。
本発明の正極活物質において、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合は、40%以上であるのが好ましく、50%以上であるのがより好ましく、60%以上であるのがさらに好ましい。この場合、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面にマグネシウム化合物が均一に分散されており、サイクル特性および出力特性の向上した正極活物質を得ることができる。
本発明において、「リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合」は、以下のようにして求められる。
まず、波長分散型X線分光装置(WDX)を装備した電子線マイクロアナライザ(EPMA)によって、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子群について、粒子の表面のマグネシウムの存在状態を観察する。ついで、観察視野中、単位面積あたりのマグネシウム量が最も多い部分(マグネシウムのピークが大きい部分)を選択し、この部分を通過する線分(例えば、長さ300μmの線分)に沿ってライン分析を行う。ライン分析において、上記単位面積あたりのマグネシウム量が最も多い部分におけるピークの値を100%としたときのピークが4%以上の部分の長さの合計を、上記線分の長さで除した商を、「リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合」とする。なお、ライン分析を複数回(例えば、10回)行うことによって、「リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合」の平均値を用いるのが好ましい。
上記方法においては、マグネシウムのピークが4%未満の部分は、マグネシウム量が最も多い部分との差が大きいため、マグネシウムが存在しない部分とみなす。
上述した「リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合」により、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面において、マグネシウムが均一に存在しているか、偏って存在しているかを表すことができる。
本発明の正極活物質においては、リチウム遷移金属複合酸化物の好適な態様として、以下の(i)〜(iii)が挙げられる。
(i)リチウム遷移金属複合酸化物が、チタン、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよび硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、コバルト酸リチウムである態様。
これらの元素が存在することによってピラー効果が生じ、結晶構造が安定することによりサイクル特性が向上すると考えられる。また表面修飾によりサイクル特性が向上すると考えられる。
より好ましくはチタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことである。チタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことにより、さらにサイクル特性が向上する。
またマグネシウムを含むことによりこれらの効果に加えて、さらに熱安定性が向上する。
態様(i)においては、硫黄の存在により電子の通りやすさが向上するため、更に、サイクル特性および負荷特性が向上すると考えられる。
硫黄の含有量は、リチウム遷移金属複合酸化物と硫黄の合計に対して、0.03〜0.7重量%であるのが好ましい。0.03重量%より少ないと、電子の移動抵抗が低減しにくい場合がある。0.7重量%より多いと、水分吸着によりガス発生が生じる場合がある。
態様(i)においては、硫黄はどのような形で存在していてもよい。例えば、硫酸根の形で存在していてもよい。
硫酸根は、硫酸イオン、硫酸イオンからその電子を除いた原子の集団およびスルホ基を含む。アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、有機硫酸塩ならびに有機スルホン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましい。
中でも、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましく、アルカリ金属の硫酸塩に基づくのがより好ましい。これらは、強酸強塩基の結合からなるため、化学的に安定だからである。
態様(i)においては、硫酸根はリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に存在していることが好ましい。粒子の表面に硫酸根を有することにより、硫酸根が電子を通りやすくすると考えられる。そのため、さらに負荷特性が向上する。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の全体を被覆している場合であっても、硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の一部を被覆している場合であっても、極板充填性の向上を損なうことなく、さらに負荷特性が向上する。
態様(i)においては、コバルト酸リチウムのLi、CoおよびOの組成比を一般式LiCoOで表したときに、xが0.95≦x≦1.10を満たす数を表し、yが1.8≦y≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
(ii)リチウム遷移金属複合酸化物が、一般式LiCo1−b(MはTi、Al、V、Zr、Mg、CaおよびSrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Xはハロゲン元素から選ばれる少なくとも1種を表し、aは0.95≦a≦1.10を満たす数を表し、bは0≦b≦0.10を満たす数を表し、cは1.8≦c≦2.2を満たす数を表し、dは0≦d≦0.10を満たす数を表し、eは0≦e≦0.015を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(i)と同様の理由により好ましい。
(iii)リチウム遷移金属複合酸化物が、チタン、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよび硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムである態様。
これらの元素が存在することによってピラー効果が生じ、結晶構造が安定することによりサイクル特性が向上すると考えられる。また表面修飾によりサイクル特性が向上すると考えられる。
より好ましくはチタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことである。チタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことにより、さらにサイクル特性が向上する。
またマグネシウムを含むことによりこれらの効果に加えて、さらに熱安定性が向上する。
態様(iii)においては、硫黄の存在により電子の通りやすさが向上するため、更に、サイクル特性および負荷特性が向上すると考えられる。
硫黄の含有量は、リチウム遷移金属複合酸化物と硫黄の合計に対して、0.03〜0.7重量%であるのが好ましい。0.03重量%より少ないと、電子の移動抵抗が低減しにくい場合がある。0.7重量%より多いと、水分吸着によりガス発生が生じる場合がある。
態様(iii)においては、硫黄はどのような形で存在していてもよい。例えば、硫酸根の形で存在していてもよい。
硫酸根は、硫酸イオン、硫酸イオンからその電子を除いた原子の集団およびスルホ基を含む。アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、有機硫酸塩ならびに有機スルホン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましい。
中でも、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましく、アルカリ金属の硫酸塩に基づくのがより好ましい。これらは、強酸強塩基の結合からなるため、化学的に安定だからである。
態様(iii)においては、硫酸根はリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に存在していることが好ましい。粒子の表面に硫酸根を有することにより、硫酸根が電子を通りやすくすると考えられる。そのため、さらに負荷特性が向上する。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の全体を被覆している場合であっても、硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の一部を被覆している場合であっても、極板充填性の向上を損なうことなく、さらに負荷特性が向上する。
態様(iii)においては、ニッケルコバルト酸リチウムのLi、Ni、CoおよびOの組成比を一般式LiNiCoで表したときに、kが0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mが0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pが0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、rが1.8≦r≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
態様(iii)においては、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムのLi、Ni、Co、AlおよびOの組成比を一般式LiNiCoAl(1−m−p)で表したときに、kが0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mが0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pが0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、m+pがm+p≦1を満たす数を表し、rが1.8≦r≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
態様(iii)においては、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムのLi、Ni、Co、MnおよびOの組成比を一般式LiNiCoMn(1−m−p)で表したときに、kが0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mが0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pが0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、m+pがm+p≦1を満たす数を表し、rが1.8≦r≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
本発明の正極活物質において、リチウム遷移金属複合酸化物は、ニッケルコバルト酸リチウムとニッケルコバルトアルミン酸リチウムの混合物であっても、ニッケルコバルト酸リチウムとニッケルコバルトマンガン酸リチウムの混合物であっても、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムとニッケルコバルトマンガン酸リチウムの混合物であってもよい。また、これらとコバルト酸リチウムとの混合物であってもよい。
ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムは、コバルト酸リチウムと同様の層状構造の結晶構造を有する。しかしながら、コバルト酸リチウムに比べて、ガスが多量に発生し、放電時の電位も低くなるという欠点がある。
本発明では、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子の表面にマグネシウムを有することにより、ガスの発生を防止し、負荷時の放電電位を高くすることができる。粒子の表面にマグネシウム化合物を有することにより、残留リチウムが減少しガス発生を防止することができると考えられる。マグネシウム化合物は、界面抵抗を減少させることができるため、粒子の表面に均一にマグネシウム化合物が存在することにより負荷時の放電電位が高くなると考えられる。
本発明の正極活物質においては、リチウム遷移金属複合酸化物の体積基準の粒子径が50μm以上の粒子の割合は、全粒子の10体積%以下であることが好ましい。この範囲内の正極活物質であることで、サイクル特性、低温特性の向上を損なうことなく、塗布特性、スラリー性状を向上することができる。
本発明の正極活物質は、製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の(1)および(2)のようにして製造することができる。
(1)原料混合物の作製
後述する化合物を各構成元素が所定の組成比となるように混合して、原料混合物を得る。原料混合物に用いられる化合物は、目的とする組成を構成する元素に応じて選択される。
混合の方法は、特に限定されず、例えば、水および/または有機溶媒を用いてスラリー状として混合した後、乾燥させて原料混合物とする方法;上述した化合物の水溶液を混合して沈殿させ、得られた沈殿物を乾燥させて原料混合物とする方法;これらを併用する方法が挙げられる。
以下に、原料混合物に用いられる化合物を例示する。
リチウム化合物は、特に限定されないが、例えば、LiCO、LiOH、LiOH・HO、LiO、LiCl、LiNO、LiSO、LiHCO、Li(CHCOO)、フッ化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過酸化リチウムが挙げられる。中でも、LiCO、LiOH、LiOH・HO、LiO、LiCl、LiNO、LiSO、LiHCO、Li(CHCOO)が好ましい。
コバルト化合物は、特に限定されないが、例えば、酸化コバルト、水酸化コバルト、炭酸コバルト、塩化コバルト、ヨウ化コバルト、硫酸コバルト、臭素酸コバルト、硝酸コバルトが挙げられる。中でも、CoSO・7HO、Co(NO)・6HOが好ましい。
ニッケル化合物は、特に限定されないが、例えば、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、ギ酸ニッケルが挙げられる。中でも、NiSO・6HO、Ni(NO・6HOが好ましい。
アルミニウム化合物は、特に限定されないが、例えば、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウムが挙げられる。中でも、Al(SO、Al(NOが好ましい。
マンガン化合物は、特に限定されないが、例えば、酸化マンガン、水酸化マンガン、炭酸マンガン、塩化マンガン、ヨウ化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガンが挙げられる。中でも、MnSO、MnClが好ましい。
硫黄含有化合物は、特に限定されないが、例えば、硫化物、ヨウ化硫黄、硫化水素、硫酸とその塩、硫化窒素が挙げられる。中でも、LiSO、MnSO、(NHSO、Al(SO、MgSOが好ましい。
ハロゲン元素を含む化合物は、特に限定されないが、例えば、フッ化水素、フッ化酸素、フッ化水素酸、塩化水素、塩酸、酸化塩素、フッ化酸化塩素、酸化臭素、フルオロ硫酸臭素、ヨウ化水素、酸化ヨウ素、過ヨウ素酸が挙げられる。中でも、NHF、NHCl、NHBr、NHI、LiF、LiCl、LiBr、LiI、MnF、MnCl、MnBr、MnIが好ましい。
マグネシウム化合物は、特に限定されないが、例えば、MgO、MgCO、Mg(OH)、MgCl、MgSO、Mg(NO、Mg(CHCOO)、ヨウ化マグネシウム、過塩素酸マグネシウムが挙げられる。中でも、MgSO、Mg(NOが好ましい。
チタン化合物は、特に限定されない。例えばフッ化チタン、塩化チタン、臭化チタン、ヨウ化チタン、酸化チタン、硫化チタン、硫酸チタン等が挙げられる。中でもTiO、TiO、Ti、TiCl、Ti(SOが好ましい。
ジルコニウム化合物は、特に限定されない。例えば、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム等が挙げられる。中でもZrF、ZrCl、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrO、ZrO、ZrS、Zr(OH)等が好ましい。
また、上述した各元素の2種以上を含有する化合物を用いてもよい。
以下に、原料混合物を得る好適な方法を、具体的に説明する。
(i)上述したコバルト化合物およびマグネシウム化合物から調製した。所定の組成比のコバルトイオンおよびマグネシウムイオンを含有する水溶液を、攪拌している純水中に滴下する。
ついで、pH7〜11となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、40〜80℃、回転数500〜1500rpmでコバルトおよびマグネシウムを沈殿させ、コバルトおよびマグネシウムの塩を得る。なお、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、炭酸水素アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ溶液を用いることもできる。
つぎに、水溶液をろ過して沈殿物を採取し、採取した沈殿物を水洗し、熱処理した後、上述したリチウム化合物と混合して、原料混合物を得る。
(ii)上述したコバルト化合物およびニッケル化合物から調製した。所定の組成比のコバルトイオンおよびニッケルイオンを含有する水溶液を、攪拌している純水中に滴下する。
ここに、pH8〜11となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、40〜80℃、回転数500〜1500rpmでコバルトおよびニッケルを沈殿させ、コバルトおよびニッケルの塩を得る。なお、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、炭酸水素アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ溶液を用いることもできる。
つぎに、水溶液をろ過して沈殿物を採取し、採取した沈殿物を水洗し、熱処理した後、上述したアルミニウム化合物、マグネシウム化合物およびリチウム化合物と混合して、原料混合物を得る。
(2)原料混合物の焼成および粉砕
ついで、原料混合物を焼成する。焼成の温度、時間、雰囲気等は、特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。
焼成温度は、650℃以上であるのが好ましく、700℃以上であるのがより好ましく、750℃以上であるのがさらに好ましい。焼成温度が低すぎると、未反応の原料が正極活物質中に残留し、正極活物質の本来の特徴を生かせない場合がある。また、焼成温度は、1200℃以下であるのが好ましく、1100℃以下であるのがより好ましく、950℃以下であるのがさらに好ましい。焼成温度が高すぎると、副生成物が生成しやすくなり、単位重量当たりの放電容量の低下、サイクル特性の低下、作動電圧の低下を招く。
焼成の時間は、1時間以上であるのが好ましく、6時間以上であるのがより好ましい。上記範囲であると、混合物の粒子間の拡散反応が十分に進行する。
また、焼成の時間は、36時間以下であるのが好ましく、30時間以下であるのがより好ましい。上記範囲であると、合成が十分に進む。
焼成の雰囲気は、例えば、大気、酸素ガス、これらと窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスとの混合ガス、酸素濃度(酸素分圧)を制御した雰囲気、弱酸化雰囲気が挙げられる。
焼成後、所望により、らいかい乳鉢、ボールミル、振動ミル、ピンミル、ジェットミル等を用いて粉砕し、目的とする粒度の粉体とすることもできる。
上述した製造方法により、本発明の正極活物質を得ることができる。
本発明の正極活物質は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等の非水電解液二次電池に好適に用いられる。
非水電解液二次電池は、従来公知の非水電解液二次電池において、正極活物質の少なくとも一部として本発明の正極活物質とすればよく、他の構成は特に限定されない。以下、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。
負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物が使用することができる。リチウム合金としては、例えば、LiAl合金,LiSn合金,LiPb合金が挙げられる。リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料としては、例えば、グラファイト,黒鉛等の炭素材料が挙げられる。リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物としては、例えば、酸化スズ、酸化チタン等の酸化物が挙げられる。
電解液としては、作動電圧で変質したり、分解したりしない化合物であれば特に限定されない。
溶媒としては、例えば、ジメトキシエタン,ジエトキシエタン,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,エチルメチルカーボネート,メチルホルメート,γ−ブチロラクトン,2−メチルテトラヒドロフラン,ジメチルスルホキシド,スルホラン等の有機溶媒が挙げられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム,四フッ化ホウ酸リチウム,四フッ化リン酸リチウム,六フッ化リン酸リチウム,トリフルオロメタン酸リチウム等のリチウム塩が挙げられる。
上述した溶媒と電解質とを混合して電解液とする。ここで、ゲル化剤等を添加し、ゲル状として使用してもよい。また、吸湿性ポリマーに吸収させて使用してもよい。更に、無機系または有機系のリチウムイオンの導電性を有する固体電解質を使用してもよい。
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン製、ポリプロピレン製等の多孔性膜等が挙げられる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミドアクリル樹脂等が挙げられる。
本発明の正極活物質と、上述した負極活物質、電解液、セパレーターおよび結
着剤を用いて、定法に従い、リチウムイオン二次電池とすることができる。
これにより従来達成できなかった優れた電池特性が実現できる。
正極活物質として、本発明の正極活物質とともにマンガン酸リチウムを用いることにより、サイクル特性および出力特性が向上するだけでなく、過充電特性および安全性にも優れた非水電解液二次電池を得ることができる。
一般式LiMn3−a4+f(aは0.8≦a≦1.2を満たす数を表し、fは−0.5≦f≦0.5を満たす数を表す。)で表されるマンガン酸リチウムが好ましい。前記マンガン酸リチウムは、その一部がマグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ホウ素およびスズからなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。
正極活物質として本発明の正極活物質とともに次のリチウム遷移金属複合酸化物を用いることがより好ましい。第1のマンガン酸リチウム及び第2のマンガン酸リチウムを有するリチウム遷移金属複合酸化物であって、第1のマンガン酸リチウムは、ホウ素を含有する第2のマンガン酸リチウムよりも小さいリチウム遷移金属複合酸化物である。本発明の正極活物質とともにこのリチウム遷移金属複合酸化物を用いることにより両者の相乗効果により極板密度が非常に向上し、過充電特性、安全性にも優れる非水電解液二次電池を得ることができる。
小さいとは、粒子径あるいは比表面積径が小さいことを意味する。粒子径には、一次粒子径および二次粒子径が含まれる。二次粒子径には中位径が含まれる。好ましくは二次粒子径、中位径が小さいことである。より好ましくは中位径が小さいことである。
本発明の正極活物質を用いて正極を製造する好ましい方法を以下に説明する。
本発明の正極活物質の粉末に、アセチレンブラック、黒鉛等のカーボン系導電剤、結着剤および結着剤の溶媒または分散媒とを混合することにより正極合剤を調製する。得られた正極合剤をスラリーまたは混練物とし、アルミニウム箔等の帯状の集電体に塗布し、または担持させ、プレス圧延して正極活物質層を帯状集電体に形成させる。
図4は、正極の模式的な断面図である。図4に示されているように、正極13は、正極活物質5を結着剤4により帯状集電体12上に保持させてなる。
本発明の正極活物質は、導電剤粉末との混合性に優れ、電池の内部抵抗が小さいと考えられる。したがって、充放電特性、特に放電容量に優れる。
また、本発明の正極活物質は、結着剤と混練するときも、流動性に優れ、また、結着剤の高分子と絡まりやすく、優れた結着性を有する。
さらに、本発明の正極活物質は、粗大粒子を含まず、球状であるため、作製した正極の塗膜面の表面が平滑性に優れたものになる。このため、正極板の塗膜面は結着性に優れ、剥がれにくくなる。また、表面が平滑で充放電に伴う塗膜面表面のリチウムイオンの出入りが均一に行われるため、サイクル特性において顕著な改善がみられる。
リチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されず、円筒型、コイン型、角型、ラミネート型等とすることができる。
図5は、円筒型電池の模式的な断面図である。図5に示されるように、円筒型電池20においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、集電体12上に負極活物質層を形成させた負極11とがセパレーター14を介して、繰り返し積層されている。
図6は、コイン型電池の模式的な部分断面図である。図6に示されるように、コイン型電池30においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、負極11とが、セパレーター14を介して、積層されている。
図7は、角型電池の模式的な斜視図である。図7に示されるように、角型電池40においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、集電体12上に負極活物質層を形成させた負極11とが、セパレーター14を介して、繰り返し積層されている。
正極、負極、セパレーターおよび非水電解液を有する非水電解液二次電池であって、下記Iを正極の正極活物質として、下記IIを負極の負極活物質として用いる非水電解液二次電池を得ることができる。
I:本発明に記載の非水電解液二次電池用正極活物質に用いられるリチウム遷移金属複合酸化物と、一般式LiMn3−a4+f(aは0.8≦a≦1.2を満たす数を表し、fは−0.5≦f≦0.5を満たす数を表す。)で表されるマンガン酸リチウムを、前記リチウム遷移金属複合酸化物の重量をAとし、前記コバルト酸リチウム及び/又は前記ニッケル酸リチウムの重量をBとした場合に0.2≦B/(A+B)≦0.8の範囲になるように混合する非水電解液二次電池用正極活物質。
II:金属リチウム、リチウム合金およびリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる非水電解液二次電池用負極活物質。
この非水電解液二次電池は、サイクル特性および出力特性が向上するだけでなく、過充電特性、安全性にも優れている。正極活物質は、0.4≦B/(A+B)≦0.6の範囲になるように混合することが好ましい。0.4≦B/(A+B)≦0.6の範囲であれば、サイクル特性および出力特性が向上するだけでなく、過充電特性、安全性の向上が著しいからである。負極活物質に用いられるリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物としては、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含むスピネル構造からなる一般式がLiTi4+c(aは0.8≦a≦1.5を満たす数を表し、bは1.5≦b≦2.2を満たす数を表し、cは−0.5≦c≦0.5を満たす数を表す。)で表される非水電解液二次電池用負極活物質が好ましい。このとき、さらにサイクル特性および出力特性が向上した非水電解液二次電池を得ることができる。
本発明の正極活物質を用いた非水電解液二次電池の用途は特に限定されない。例えばノートパソコン、ペン入力パソコン、ポケットパソコン、ノート型ワープロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤ、携帯電話、コードレスフォン子機、電子手帳、電卓、液晶テレビ、電気シェーバ、電動工具、電子翻訳機、自動車電話、携帯プリンタ、トランシーバ、ページャ、ハンディターミナル、携帯コピー、音声入力機器、メモリカード、バックアップ電源、テープレコーダ、ラジオ、ヘッドホンステレオ、ハンディクリーナ、ポータブルコンパクトディスク(CD)プレーヤ、ビデオムービ、ナビゲーションシステム等の機器の電源として用いることができる。
また、照明機器、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、冷蔵庫、オーブン電子レンジ、食器洗浄器、洗濯機、乾燥器、ゲーム機器、玩具、ロードコンディショナ、医療機器、自動車、電気自動車、ゴルフカート、電動カート、電力貯蔵システム等の電源として用いることができる。
さらに、用途は、民生用に限定されず、軍需用または宇宙用とすることもできる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
1.正極活物質の作製
〔実施例1〕
攪拌している純水中に所定の組成比の硫酸コバルト水溶液と硫酸マグネシウム水溶液を滴下した。硫酸マグネシウムはコバルトに対して2mol%滴下した。ここにpH7となるように水酸化ナトリウムを滴下し、60℃、回転数650rpmでコバルトおよびマグネシウムを沈殿させ、沈殿物を得た。得られた沈殿物をろ過、水洗後、熱処理したのち、炭酸リチウムと混合し、大気中にて995℃で7時間焼成した。こうして、正極活物質を得た。
〔実施例2〕
硫酸マグネシウムをコバルトに対して4mol%滴下した以外は、実施例1と同様の方法により正極活物質を得た。
〔比較例1〕
原料となる化合物として炭酸リチウム(LiCO)、四三酸化コバルト(Co)、酸化マグネシウム(MgO)を使用した。所定の組成比となるように前記原料となる化合物を秤量し、乾式混合して原料混合粉末とした。酸化マグネシウムはコバルトに対して2mol%混合した。得られた原料混合粉末を大気雰囲気中にて995℃で7時間焼成した。このようにして正極活物質を得た。
2.正極活物質の性状
(1)正極活物質の構成
実施例1、実施例2および比較例1で得られた正極活物質について、ICP分光分析法を行った。
実施例1で得られた正極活物質は、2mol%のマグネシウムが存在するLiCoOであった。EPMAにより、実施例1で得られた正極活物質の表面のマグネシウムは、均一に存在していることがわかった。粒子表面におけるマグネシウムの存在割合は、56%であった。
実施例2で得られた正極活物質は、4mol%のマグネシウムが存在するLiCoOであった。EPMAにより、実施例2で得られた正極活物質の表面のマグネシウムは、均一に存在していることがわかった。
比較例1で得られた正極活物質は、2mol%のマグネシウムが存在するLiCoOであった。EPMAにより、比較例1で得られた正極活物質の表面に存在するマグネシウムの偏析が激しいことがわかった。粒子表面におけるマグネシウムの存在割合は、3%であった。
実施例1で得られた正極活物質についてEPMAによるライン分析をして得られた、マグネシウムの存在状態を示すチャート図を図1に示す。図1から本発明の正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にマグネシウムが均一に分散しており偏析が少ないことが分かる。
比較例1で得られた正極活物質についてEPMAによるライン分析をして得られた、マグネシウムの存在状態を示すチャート図を図2に示す。図2から比較例1の正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にマグネシウムがほとんど存在せず、存在しているとしても偏析していることが分かる。
3.正極活物質の評価
(1)リチウムイオン二次電池の作製
正極活物質の粉末90重量部と、導電剤となる炭素粉末5重量部と、ポリフッ化ビニリデンのノルマルメチルピロリドン溶液(ポリフッ化ビニリデン量として5重量部)とを混練してペーストを調製した。得られたペーストを正極集電体に塗布し、負極がリチウム金属である試験用二次電池を得た。
このような試験用二次電池を用いて、本発明の正極活物質を評価した結果、サイクル特性、低温特性、熱安定性に優れていることが分かった。
図1は、実施例1で得られた正極活物質についてEPMAによって300μm間の2点についてライン分析をした結果を示す図である。 図2は、比較例1で得られた正極活物質についてEPMAによって300μm間の2点についてライン分析をした結果を示す図である。 層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を示す図である。 活物質の結着模式図である。 円筒型電池の断面図である。 コイン型電池の構造を示す図である。 角型電池の構造を示す図である。
符号の説明
1 3aサイト
2 6cサイト
3 3bサイト
4 結着剤
5 活物質
11 負極
12 集電体
13 正極
14 セパレーター
20 円筒型電池
30 コイン型電池
40 角型電池

Claims (9)

  1. 少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解液二次電池用正極活物質であって、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物は、粒子であるとともに、遷移金属化合物およびマグネシウム化合物の水溶液にアルカリ水溶液を滴下して沈殿させた沈殿物をリチウム化合物と混合、焼成して得られるリチウム遷移金属複合酸化物であり、
    前記粒子の電子線マイクロアナライザによるライン分析において、単位面積あたりのマグネシウム量が最も多い部分におけるピークの値を100%としたときのピークが4%以上の部分の長さの合計を、上記部分を通過する線分の長さで除した商である、「リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合」が20%以上であり、
    前記マグネシウムは、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に均一に存在しており、且つリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面全体に完全に被覆されていないことを特徴とする非水電解液二次電池用正極活物質。
  2. 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルト酸リチウムである請求項1に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
  3. 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、コバルト酸リチウムである請求項1に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
  4. 前記コバルト酸リチウムは、一般式LiCoO(aは0.95≦a≦1.10を満たす数を表し、cは1.8≦c≦2.2を満たす数を表す。)で表される請求項2または3に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
  5. 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、一般式LiCo1−b(MはCoと同一でない遷移金属ならびに周期表の2族、13族および14族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Xはハロゲン元素から選ばれる少なくとも1種を表し、aは0.95≦a≦1.10を満たす数を表し、bは0≦b≦0.10を満たす数を表し、cは1.8≦c≦2.2を満たす数を表し、dは0≦d≦0.10を満たす数を表し、eは0≦e≦0.015を満たす数を表す。)で表される請求項1に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
  6. 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
  7. 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、
    ニッケルおよびコバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルト酸リチウム、
    ニッケルおよびコバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、アルミニウムと同一でない13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム、
    またはニッケル、コバルトおよびマンガンと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムである
    請求項6に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
  8. 前記ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムまたはニッケルコバルトマンガン酸リチウムは、一般式LiNiCo(1−x−y)(AはAlまたはMnを表し、wは0.95≦w≦1.10を満たす数を表し、xは0.1≦x≦0.9を満たす数を表し、yは0.1≦y≦0.9を満たす数を表し、x+yはx+y≦1を満たす数を表し、zは1.8≦z≦2.2を満たす数を表す。)で表される請求項6または7に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の非水電解液二次電池用正極活物質を正極活物質として用いた正極活物質層を帯状正極集電体の両面にそれぞれ形成させることにより構成した帯状正極と、
    金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物を負極活物質として用いた負極活物質層を帯状負極集電体の両面にそれぞれ形成させることにより構成した帯状負極と、
    帯状セパレータとを具備し、
    前記帯状正極と前記帯状負極とを前記帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成してなる非水電解液二次電池。
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