JP2005050712A - 非水電解液二次電池用正極活物質および非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
電池特性、特に、サイクル特性、低温特性に優れた非水電解液二次電池用正極活物質および非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】
非水電解液二次電池用正極活物質を、少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解液二次電池用正極活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、粒子であるとともに、前記粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合が20%以上である構成とする。
前記リチウム遷移金属複合酸化物はコバルト酸リチウムであるのが好ましい。
【選択図】 なし
Description
粒子の表面にマグネシウムが均一に存在していることにより、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子と電解液との接触が減少し副反応が抑制されるため、サイクル特性が向上すると考えられる。また、遷移金属のイオンの溶出を抑制することができるため、サイクル特性が向上すると考えられる。
さらに、粒子の表面にマグネシウムが均一に存在していることにより、粒子表面のマグネシウムがリチウムイオンの出入り口のような働きをするため、低温特性が向上すると考えられる。
さらに、粒子の表面にマグネシウムが均一に存在していることにより、粒子表面のマグネシウムがリチウムイオンの出入り口のような働きをするため、低温特性が向上すると考えられる。
また、粒子の表面にマグネシウムを有することで、出力特性が向上する。
リチウム遷移金属複合酸化物がニッケルコバルトマンガン酸リチウムであると、本発明の正極活物質を用いた非水電解液二次電池がサイクル特性、低温特性および出力特性に優れたものになるため、携帯電話、電動工具および電気自動車等の用途に好適に用いることができる。
マグネシウムは、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にどのような形で存在していても本発明の効果を発揮する。例えば、マグネシウムが粒子表面の全体を被覆している場合であっても、マグネシウムが粒子表面の一部を被覆している場合であっても、サイクル特性および低温特性を向上させることができる。マグネシウム化合物がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面全体に完全に被覆されていることは好ましくない。放電容量が著しく低下するからである。
粒子の表面におけるマグネシウムの存在状態は、特に限定されない。マグネシウム化合物の状態で存在していてもよい。
マグネシウム化合物としては、酸化マグネシウム、マグネシウム酸リチウムが好ましい。さらに好ましいマグネシウム化合物は、MgO、Li2MgO3である。
マグネシウムが粒子の表面に存在しているかどうかは、種々の方法によって解析することができる。例えば、オージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)で解析することができる。
粒子の内部にマグネシウム化合物が存在することにより、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の結晶構造の安定化が図られ、さらにサイクル特性が向上すると考えられる。
また、マグネシウムが固溶されることにより、ピラー効果が生ずると考えられる。これによりサイクル特性および低温特性の向上を損なうことなく熱安定性が向上する。
また、マグネシウムの定量は種々の方法を用いることができる。例えば、誘導結合高周波プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)分光分析法、滴定法で定量することができる。
まず、波長分散型X線分光装置(WDX)を装備した電子線マイクロアナライザ(EPMA)によって、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子群について、粒子の表面のマグネシウムの存在状態を観察する。ついで、観察視野中、単位面積あたりのマグネシウム量が最も多い部分(マグネシウムのピークが大きい部分)を選択し、この部分を通過する線分(例えば、長さ300μmの線分)に沿ってライン分析を行う。ライン分析において、上記単位面積あたりのマグネシウム量が最も多い部分におけるピークの値を100%としたときのピークが4%以上の部分の長さの合計を、上記線分の長さで除した商を、「リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合」とする。なお、ライン分析を複数回(例えば、10回)行うことによって、「リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合」の平均値を用いるのが好ましい。
上記方法においては、マグネシウムのピークが4%未満の部分は、マグネシウム量が最も多い部分との差が大きいため、マグネシウムが存在しない部分とみなす。
より好ましくはチタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことである。チタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことにより、さらにサイクル特性が向上する。
またマグネシウムを含むことによりこれらの効果に加えて、さらに熱安定性が向上する。
硫黄の含有量は、リチウム遷移金属複合酸化物と硫黄の合計に対して、0.03〜0.7重量%であるのが好ましい。0.03重量%より少ないと、電子の移動抵抗が低減しにくい場合がある。0.7重量%より多いと、水分吸着によりガス発生が生じる場合がある。
硫酸根は、硫酸イオン、硫酸イオンからその電子を除いた原子の集団およびスルホ基を含む。アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、有機硫酸塩ならびに有機スルホン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましい。
中でも、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましく、アルカリ金属の硫酸塩に基づくのがより好ましい。これらは、強酸強塩基の結合からなるため、化学的に安定だからである。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の全体を被覆している場合であっても、硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の一部を被覆している場合であっても、極板充填性の向上を損なうことなく、さらに負荷特性が向上する。
態様(i)と同様の理由により好ましい。
より好ましくはチタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことである。チタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことにより、さらにサイクル特性が向上する。
またマグネシウムを含むことによりこれらの効果に加えて、さらに熱安定性が向上する。
硫黄の含有量は、リチウム遷移金属複合酸化物と硫黄の合計に対して、0.03〜0.7重量%であるのが好ましい。0.03重量%より少ないと、電子の移動抵抗が低減しにくい場合がある。0.7重量%より多いと、水分吸着によりガス発生が生じる場合がある。
硫酸根は、硫酸イオン、硫酸イオンからその電子を除いた原子の集団およびスルホ基を含む。アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、有機硫酸塩ならびに有機スルホン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましい。
中でも、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましく、アルカリ金属の硫酸塩に基づくのがより好ましい。これらは、強酸強塩基の結合からなるため、化学的に安定だからである。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の全体を被覆している場合であっても、硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の一部を被覆している場合であっても、極板充填性の向上を損なうことなく、さらに負荷特性が向上する。
本発明では、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子の表面にマグネシウムを有することにより、ガスの発生を防止し、負荷時の放電電位を高くすることができる。粒子の表面にマグネシウム化合物を有することにより、残留リチウムが減少しガス発生を防止することができると考えられる。マグネシウム化合物は、界面抵抗を減少させることができるため、粒子の表面に均一にマグネシウム化合物が存在することにより負荷時の放電電位が高くなると考えられる。
後述する化合物を各構成元素が所定の組成比となるように混合して、原料混合物を得る。原料混合物に用いられる化合物は、目的とする組成を構成する元素に応じて選択される。
混合の方法は、特に限定されず、例えば、水および/または有機溶媒を用いてスラリー状として混合した後、乾燥させて原料混合物とする方法;上述した化合物の水溶液を混合して沈殿させ、得られた沈殿物を乾燥させて原料混合物とする方法;これらを併用する方法が挙げられる。
リチウム化合物は、特に限定されないが、例えば、Li2CO3、LiOH、LiOH・H2O、Li2O、LiCl、LiNO3、Li2SO4、LiHCO3、Li(CH3COO)、フッ化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過酸化リチウムが挙げられる。中でも、Li2CO3、LiOH、LiOH・H2O、Li2O、LiCl、LiNO3、Li2SO4、LiHCO3、Li(CH3COO)が好ましい。
また、上述した各元素の2種以上を含有する化合物を用いてもよい。
(i)上述したコバルト化合物およびマグネシウム化合物から調製した。所定の組成比のコバルトイオンおよびマグネシウムイオンを含有する水溶液を、攪拌している純水中に滴下する。
ついで、pH7〜11となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、40〜80℃、回転数500〜1500rpmでコバルトおよびマグネシウムを沈殿させ、コバルトおよびマグネシウムの塩を得る。なお、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、炭酸水素アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ溶液を用いることもできる。
ここに、pH8〜11となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、40〜80℃、回転数500〜1500rpmでコバルトおよびニッケルを沈殿させ、コバルトおよびニッケルの塩を得る。なお、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、炭酸水素アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ溶液を用いることもできる。
ついで、原料混合物を焼成する。焼成の温度、時間、雰囲気等は、特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。
焼成温度は、650℃以上であるのが好ましく、700℃以上であるのがより好ましく、750℃以上であるのがさらに好ましい。焼成温度が低すぎると、未反応の原料が正極活物質中に残留し、正極活物質の本来の特徴を生かせない場合がある。また、焼成温度は、1200℃以下であるのが好ましく、1100℃以下であるのがより好ましく、950℃以下であるのがさらに好ましい。焼成温度が高すぎると、副生成物が生成しやすくなり、単位重量当たりの放電容量の低下、サイクル特性の低下、作動電圧の低下を招く。
焼成の時間は、1時間以上であるのが好ましく、6時間以上であるのがより好ましい。上記範囲であると、混合物の粒子間の拡散反応が十分に進行する。
また、焼成の時間は、36時間以下であるのが好ましく、30時間以下であるのがより好ましい。上記範囲であると、合成が十分に進む。
非水電解液二次電池は、従来公知の非水電解液二次電池において、正極活物質の少なくとも一部として本発明の正極活物質とすればよく、他の構成は特に限定されない。以下、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。
溶媒としては、例えば、ジメトキシエタン,ジエトキシエタン,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,エチルメチルカーボネート,メチルホルメート,γ−ブチロラクトン,2−メチルテトラヒドロフラン,ジメチルスルホキシド,スルホラン等の有機溶媒が挙げられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
上述した溶媒と電解質とを混合して電解液とする。ここで、ゲル化剤等を添加し、ゲル状として使用してもよい。また、吸湿性ポリマーに吸収させて使用してもよい。更に、無機系または有機系のリチウムイオンの導電性を有する固体電解質を使用してもよい。
着剤を用いて、定法に従い、リチウムイオン二次電池とすることができる。
これにより従来達成できなかった優れた電池特性が実現できる。
小さいとは、粒子径あるいは比表面積径が小さいことを意味する。粒子径には、一次粒子径および二次粒子径が含まれる。二次粒子径には中位径が含まれる。好ましくは二次粒子径、中位径が小さいことである。より好ましくは中位径が小さいことである。
本発明の正極活物質の粉末に、アセチレンブラック、黒鉛等のカーボン系導電剤、結着剤および結着剤の溶媒または分散媒とを混合することにより正極合剤を調製する。得られた正極合剤をスラリーまたは混練物とし、アルミニウム箔等の帯状の集電体に塗布し、または担持させ、プレス圧延して正極活物質層を帯状集電体に形成させる。
図4は、正極の模式的な断面図である。図4に示されているように、正極13は、正極活物質5を結着剤4により帯状集電体12上に保持させてなる。
また、本発明の正極活物質は、結着剤と混練するときも、流動性に優れ、また、結着剤の高分子と絡まりやすく、優れた結着性を有する。
さらに、本発明の正極活物質は、粗大粒子を含まず、球状であるため、作製した正極の塗膜面の表面が平滑性に優れたものになる。このため、正極板の塗膜面は結着性に優れ、剥がれにくくなる。また、表面が平滑で充放電に伴う塗膜面表面のリチウムイオンの出入りが均一に行われるため、サイクル特性において顕著な改善がみられる。
図5は、円筒型電池の模式的な断面図である。図5に示されるように、円筒型電池20においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、集電体12上に負極活物質層を形成させた負極11とがセパレーター14を介して、繰り返し積層されている。
図6は、コイン型電池の模式的な部分断面図である。図6に示されるように、コイン型電池30においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、負極11とが、セパレーター14を介して、積層されている。
図7は、角型電池の模式的な斜視図である。図7に示されるように、角型電池40においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、集電体12上に負極活物質層を形成させた負極11とが、セパレーター14を介して、繰り返し積層されている。
I:本発明に記載の非水電解液二次電池用正極活物質に用いられるリチウム遷移金属複合酸化物と、一般式LiaMn3−aO4+f(aは0.8≦a≦1.2を満たす数を表し、fは−0.5≦f≦0.5を満たす数を表す。)で表されるマンガン酸リチウムを、前記リチウム遷移金属複合酸化物の重量をAとし、前記コバルト酸リチウム及び/又は前記ニッケル酸リチウムの重量をBとした場合に0.2≦B/(A+B)≦0.8の範囲になるように混合する非水電解液二次電池用正極活物質。
II:金属リチウム、リチウム合金およびリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる非水電解液二次電池用負極活物質。
また、照明機器、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、冷蔵庫、オーブン電子レンジ、食器洗浄器、洗濯機、乾燥器、ゲーム機器、玩具、ロードコンディショナ、医療機器、自動車、電気自動車、ゴルフカート、電動カート、電力貯蔵システム等の電源として用いることができる。
さらに、用途は、民生用に限定されず、軍需用または宇宙用とすることもできる。
〔実施例1〕
攪拌している純水中に所定の組成比の硫酸コバルト水溶液と硫酸マグネシウム水溶液を滴下した。硫酸マグネシウムはコバルトに対して2mol%滴下した。ここにpH7となるように水酸化ナトリウムを滴下し、60℃、回転数650rpmでコバルトおよびニッケルを沈殿させ、沈殿物を得た。得られた沈殿物をろ過、水洗後、熱処理したのち、炭酸リチウムと混合し、大気中にて995℃で7時間焼成した。こうして、正極活物質を得た。
硫酸マグネシウムをコバルトに対して4mol%滴下した以外は、実施例1と同様の方法により正極活物質を得た。
原料となる化合物として炭酸リチウム(Li2CO3)、四三酸化コバルト(Co3O4)、酸化マグネシウム(MgO)を使用した。所定の組成比となるように前記原料となる化合物を秤量し、乾式混合して原料混合粉末とした。酸化マグネシウムはコバルトに対して2mol%混合した。得られた原料混合粉末を大気雰囲気中にて995℃で7時間焼成した。このようにして正極活物質を得た。
(1)正極活物質の構成
実施例1、実施例2および比較例1で得られた正極活物質について、ICP分光分析法を行った。
実施例1で得られた正極活物質は、2mol%のマグネシウムが存在するLiCoO2であった。EPMAにより、実施例1で得られた正極活物質の表面のマグネシウムは、均一に存在していることがわかった。粒子表面におけるマグネシウムの存在割合は、56%であった。
実施例2で得られた正極活物質は、4mol%のマグネシウムが存在するLiCoO2であった。EPMAにより、実施例2で得られた正極活物質の表面のマグネシウムは、均一に存在していることがわかった。
比較例1で得られた正極活物質は、2mol%のマグネシウムが存在するLiCoO2であった。EPMAにより、比較例1で得られた正極活物質の表面に存在するマグネシウムの偏析が激しいことがわかった。粒子表面におけるマグネシウムの存在割合は、3%であった。
比較例1で得られた正極活物質についてEPMAによるライン分析をして得られた、マグネシウムの存在状態を示すチャート図を図2に示す。図2から比較例1の正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にマグネシウムがほとんど存在せず、存在しているとしても偏析していることが分かる。
3.正極活物質の評価
(1)リチウムイオン二次電池の作製
正極活物質の粉末90重量部と、導電剤となる炭素粉末5重量部と、ポリフッ化ビニリデンのノルマルメチルピロリドン溶液(ポリフッ化ビニリデン量として5重量部)とを混練してペーストを調製した。得られたペーストを正極集電体に塗布し、負極がリチウム金属である試験用二次電池を得た。
2 6cサイト
3 3bサイト
4 結着剤
5 活物質
11 負極
12 集電体
13 正極
14 セパレーター
20 円筒型電池
30 コイン型電池
40 角型電池
Claims (10)
- 少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解液二次電池用正極活物質であって、
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、粒子であるとともに、
前記粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合が20%以上である非水電解液二次電池用正極活物質。 - 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルト酸リチウムである請求項1に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
- 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、コバルト酸リチウムである請求項1に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
- 前記コバルト酸リチウムは、一般式LiaCoOc(aは0.95≦a≦1.10を満たす数を表し、cは1.8≦c≦2.2を満たす数を表す。)で表される請求項2または3に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
- 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、一般式LiaCo1−bMbOcXdSe(MはCoと同一でない遷移金属ならびに周期表の2族、13族および14族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Xはハロゲン元素から選ばれる少なくとも1種を表し、aは0.95≦a≦1.10を満たす数を表し、bは0≦b≦0.10を満たす数を表し、cは1.8≦c≦2.2を満たす数を表し、dは0≦d≦0.10を満たす数を表し、eは0≦e≦0.015を満たす数を表す。)で表される請求項1に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
- 少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解液二次電池用正極活物質であって、
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、粒子であるとともに、
前記粒子の表面にマグネシウムを有する非水電解液二次電池用正極活物質。 - 前記粒子の表面におけるマグネシウムの存在割合が20%以上である請求項6に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
- 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、
ニッケルおよびコバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルト酸リチウム、
ニッケルおよびコバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、アルミニウムと同一でない13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム、
またはニッケル、コバルトおよびマンガンと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムである
請求項6または7に記載の非水電解液二次電池用正極活物質。 - 前記ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムまたはニッケルコバルトマンガン酸リチウムは、一般式LiwNixCoyA(1−x−y)Oz(AはAlまたはMnを表し、wは0.95≦w≦1.10を満たす数を表し、xは0.1≦x≦0.9を満たす数を表し、yは0.1≦y≦0.9を満たす数を表し、x+yはx+y≦1を満たす数を表し、zは1.8≦z≦2.2を満たす数を表す。)で表される請求項6〜8のいずれかに記載の非水電解液二次電池用正極活物質。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の非水電解液二次電池用正極活物質を正極活物質として用いた正極活物質層を帯状正極集電体の両面にそれぞれ形成させることにより構成した帯状正極と、
金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物を負極活物質として用いた負極活物質層を帯状負極集電体の両面にそれぞれ形成させることにより構成した帯状負極と、
帯状セパレータとを具備し、
前記帯状正極と前記帯状負極とを前記帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成してなる非水電解液二次電池。
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