JP4096208B2 - アルカリ土壌用植物用鉄供給剤及びその製造方法 - Google Patents

アルカリ土壌用植物用鉄供給剤及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルカリ土壌用植物用鉄供給剤及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、水溶液状態で高いFe2+イオン濃度を有し、Fe2+イオンの酸化が抑制されたアルカリ土壌用植物用鉄供給剤及びその製造方法に関する。
鉄は植物にとって微量必須元素であり、欠乏すると、葉が黄白化する、及び蛋白質の合成反応が損なわれる等の特有の症状を生じることが知られている。また、鉄はイオン化された状態で取り込まれる。しかし、Feイオンのうち、Fe3+イオンは、これを供給しても植物に対して満足な効用が得られ難いことが知られている。このため、従来から、鉄をFe2+イオンとして供給する工夫がなされている。しかし、Fe2+イオンは酸化されてFe3+になり易く、Fe2+イオンを長期に亘って安定して供給できることが望まれている。
この植物に対して鉄を供給する組成物として鉄粉や転炉滓、水酸化鉄などの使用が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。更に、硫酸鉄及び硝酸鉄等の水溶性無機鉄塩を用いる方法、及びエチレンジアミン四酢酸(以下、単に「EDTA」という)によるEDTA鉄錯体を用いる方法等が知られている。
特開平8−277183号公報
しかし、特許文献1に記載の鉄含有組成物から溶出される鉄分は大部分がFe3+となり、特にイネ科植物以外の植物が取り込むことは困難であると考えられる。また、上記水溶性無機鉄塩から生成するFeイオンは、Fe2+の状態を保持し難く、Fe3+へと酸化され易い。更に、従来と同様に塩類の蓄積を引き起こすという問題もある。即ち、各種肥料として水溶性無機金属塩類がこれまで長く使用されており、これら水溶性金属塩を構成する強酸陰イオンが土壌中の他の元素と結合して水不溶性の塩を形成して土壌に蓄積することが問題となっている。水溶性無機鉄塩ではこの問題を解消することができない。更に、EDTA鉄錯体として使用されているのは実質上3価鉄である。また、EDTAは強いキレート化剤であり、土壌中の重金属を固定して土壌汚染を引き起こすこと、及び地下水に溶け込んで水汚染を引き起こすこと、等が危惧されている。
本発明は、上記の従来の問題を解決するものであり、水溶液状態で高いFe2+イオン濃度を有し、且つFe2+イオンの酸化が抑制されたアルカリ土壌用植物用鉄供給剤(以下、「植物用鉄供給剤」ということもある。)及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
(1)アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを含む混合物を加熱して、該アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が溶解されて得られた水溶液からなり、
上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
(2)Fe 2+ イオンとFe 3+ イオンとを含有し、該Fe 2+ イオンと該Fe 3+ イオンとの合計を100質量%とした場合に、該Fe 2+ イオンが50〜99質量%であり、且つ、Fe 2+ イオン濃度を、水素イオン指数が7.0以上の領域で測定し、その後、該水溶液を120時間静置し、再びFe 2+ イオン濃度を測定した場合に、静置後の濃度が静置前の濃度の80%以上であり、
上記混合物は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを、質量比60〜90:7〜28:3〜20の割合で含み、
上記FeO粉末は、鉄分を含有するダストを造粒してなる造粒品、及び/又は鉄分を含有するダストと金属鉄とを造粒してなる造粒品、を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末であり、
上記鉄分を含有するダストに含有される鉄分量は、ダスト全体を100質量%とした場合に金属鉄換算で30質量%以上である上記(1)に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
(3)アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを含む混合物を加熱して、該アスコルビン酸粉末及び該FeO粉末が溶解されて得られた水溶液から水を除去してなり、
上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
(4)上記除去は、120℃以下で行う上記(3)に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
(5)上記除去は、120℃以下で行い、
本アルカリ土壌用植物用鉄供給剤を溶解させてなる水溶液は、Fe 2+ イオンとFe 3+ イオンとを含有し、該Fe 2+ イオンと該Fe 3+ イオンとの合計を100質量%とした場合に、該Fe 2+ イオンが50〜99質量%であり、且つ、本アルカリ土壌用植物用鉄供給剤を溶解させてなる水溶液のFe 2+ イオン濃度を、水素イオン指数が7.0以上の領域で測定し、その後、該水溶液を120時間静置し、再びFe 2+ イオン濃度を測定した場合に、静置後の濃度が静置前の濃度の80%以上であり、
上記混合物は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを、質量比60〜90:7〜28:3〜20の割合で含み、
上記FeO粉末は、鉄分を含有するダストを造粒してなる造粒品、及び/又は鉄分を含有するダストと金属鉄とを造粒してなる造粒品、を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末であり、
上記鉄分を含有するダストに含有される鉄分量は、ダスト全体を100質量%とした場合に金属鉄換算で30質量%以上である上記(3)に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
(6) 泥炭からなるマトリックスに、アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が含有された粒状体からなり、
上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
(7)上記(1)に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法であって、
アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを含む混合物を加熱して、該アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が溶解されて得られた水溶液を得る溶解工程を備え、
上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法。
(8)上記混合物は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを、質量比60〜90:7〜28:3〜20の割合で含み、
上記FeO粉末は、鉄分を含有するダストを造粒してなる造粒品、及び/又は鉄分を含有するダストと金属鉄とを造粒してなる造粒品、を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末であり、
上記鉄分を含有するダストに含有される鉄分量は、ダスト全体を100質量%とした場合に金属鉄換算で30質量%以上であり、
上記造粒品の粒径は25mm以下であり、
上記真空加熱における真空度は0.1〜13.3KPaであり且つ加熱温度は600〜1100℃であり、
上記真空急冷における真空度は5.3〜13.3KPaであり、300℃以下の温度まで降温速度5〜150℃/分で冷却する上記(7)に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法。
(9)上記(3)に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法であって、
アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを含む混合物を加熱して、該アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が溶解されて得られた水溶液を得る溶解工程と、
上記水溶液から水を除去する乾燥工程と、を備え、
上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法。
(10)上記除去は、120℃以下で行う上記(9)に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法。
(11)上記除去は、120℃以下で行い、
上記混合物は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを、質量比60〜90:7〜28:3〜20の割合で含み、
上記FeO粉末は、鉄分を含有するダストを造粒してなる造粒品、及び/又は鉄分を含有するダストと金属鉄とを造粒してなる造粒品、を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末であり、
上記鉄分を含有するダストに含有される鉄分量は、ダスト全体を100質量%とした場合に金属鉄換算で30質量%以上であり、
上記造粒品の粒径は25mm以下であり、
上記真空加熱における真空度は0.1〜13.3KPaであり且つ加熱温度は600〜1100℃であり、
上記真空急冷における真空度は5.3〜13.3KPaであり、300℃以下の温度まで降温速度5〜150℃/分で冷却する上記(9)に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法。
アスコルビン酸と鉄成分とが溶解されて得られた水溶液からなる本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤、及びアスコルビン酸と、鉄成分と、が溶解されて得られた水溶液から水を除去してなる他の本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤によれば、特に鉄成分がFeOであるとき、高いFe2+イオン濃度が得られる。即ち、例えば、土壌中で水溶された場合にも高いFe2+イオン濃度を得ることができ、高い確率で鉄分の供給ができる。また、得られるFe2+イオンは効果的に酸化が抑制されるため、高い確率で鉄分の供給ができる。更に、アスコルビン酸を使用しているために、環境負荷がなく、使用上安全である。
また、鉄成分がFeOであり、所定のFe2+イオン割合である場合は、特に高い確率で鉄分の供給ができる。
更に、鉄成分がFeOであり、pHが7.0以上の領域で測定し、その後、所定時間静置後のFe2+イオン濃度が測定開始直後の80%以上である場合は、特に高い抗酸化性を有し、長期的に安定してFe2+イオンを供給できる。
また、生分解性バインダを含有する場合は、Fe2+を長期間に亘って安定して徐々に供給する徐放性を有する植物用鉄供給剤とすることができる。
更に、生分解性増量剤を含有する場合は、Fe2+供給量を適当な範囲に簡便に保つことができ、汎用性に優れる。
泥炭及び/又は粘土からなるマトリックスに、アスコルビン酸及び鉄成分が含有された粒状体からなる更に他の本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤によれば、特に鉄成分がFeOであるとき、Fe2+の酸化がより確実に抑制され、Fe2+を特に安定して徐々に供給する徐放性を有する植物用鉄供給剤とすることができる。
更に、泥炭及び/又は粘土、アスコルビン酸及び鉄成分として含有されたFeOの合計を100質量%とした場合に、アスコルビン酸が1〜30質量%であり、FeOが1〜30質量%である場合は、より確実に徐放性を有する植物用鉄供給剤とすることができる。
溶解工程を備える本発明の製造方法によれば、アスコルビン酸と鉄成分とが溶解されて得られた水溶液からなる前記本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤を安定して、確実に得ることができる。
また、水溶液から水を除去する乾燥工程を備える場合は、アスコルビン酸と鉄成分とが溶解されて得られた水溶液から水を除去してなる前記他の本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤を安定して、確実に得ることができる。
造粒工程を備える更に他の本発明の製造方法によれば、泥炭及び/又は粘土をマトリックスとする徐放性を有するアルカリ土壌用植物用鉄供給剤を安定して、確実に得ることができる。
また、泥炭及び/又は粘土、アスコルビン酸粉末及び鉄成分粉末として配合されたFeO粉末の合計を100質量%とした場合に、アスコルビン酸粉末が1〜30質量%であり、FeO粉末が1〜30質量%である場合は、より確実に徐放性を有する植物用鉄供給剤とすることができる。
更に、本発明の製造方法、他の本発明の製造方法及び更に他の本発明の製造方法において、鉄成分粉末がFeO粉末であり、このFeO粉末が造粒品を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末である場合は、特に抗酸化性の高いFeOを含有する植物用鉄供給剤を確実に安定して得ることができる。
生分解性増量剤をマトリックスとする本他の植物用鉄供給剤を用いた実験例7のイネの生育状況を、肥料のみを用いたときの生育状況とともに示す説明図である。 生分解性増量剤をマトリックスとする本他の植物用鉄供給剤を用いた実験例9〜16のイネの地上部の生育状況を、肥料のみを用いた実験例8の生育状況とともに示す説明図である。 肥料のみを用いた実験例8の地上部の生育状況と、実験例9、10のイネの地上部の生育状況とを比較して示す説明図である。 肥料のみを用いた実験例8の地上部の生育状況と、実験例11、12のイネの地上部の生育状況とを比較して示す説明図である。 肥料のみを用いた実験例8の地上部の生育状況と、実験例13、14のイネの地上部の生育状況とを比較して示す説明図である。 肥料のみを用いた実験例8の地上部の生育状況と、実験例15、16のイネの地上部の生育状況とを比較して示す説明図である。 生分解性増量剤をマトリックスとする本他の植物用鉄供給剤を用いた実験例9〜16のイネの根部の生育状況を、肥料のみを用いた実験例8の生育状況とともに示す説明図である。 肥料のみを用いた実験例8の地上部の生育状況と、実験例9、10のイネの根部の生育状況とを比較して示す説明図である。 肥料のみを用いた実験例8の地上部の生育状況と、実験例11、12のイネの根部の生育状況とを比較して示す説明図である。 肥料のみを用いた実験例8の地上部の生育状況と、実験例13、14のイネの根部の生育状況とを比較して示す説明図である。 肥料のみを用いた実験例8の地上部の生育状況と、実験例15、16のイネの根部の生育状況とを比較して示す説明図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]アルカリ土壌用植物用鉄供給剤
アルカリ土壌用植物用鉄供給剤は、アスコルビン酸と、鉄成分と、が溶解されて得られた水溶液からなるものとすることができる
また、アルカリ土壌用植物用鉄供給剤は、アスコルビン酸と、鉄成分と、が溶解されて得られた水溶液から水を除去してなるものとすることができる。即ち、上記アルカリ土壌用植物用鉄供給剤から水を除去して得ることができる
更にアルカリ土壌用植物用鉄供給剤は、泥炭及び/又は粘土からなるマトリックスに、アスコルビン酸及び鉄成分が含有された粒状体からなるものとすることができる
そして、本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤(以下、単に「本植物用鉄供給剤」という。)は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを含む混合物を加熱して、該アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が溶解されて得られた水溶液からなり、
上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とする。
他の本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤(以下、単に「本他の植物用鉄供給剤」という。)は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを含む混合物を加熱して、該アスコルビン酸粉末及び該FeO粉末が溶解されて得られた水溶液から水を除去してなり、
上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とする。即ち、本他の植物用鉄供給剤は、上記本植物用鉄供給剤から水を除去して得られる。
更に他の本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤(以下、単に「本更に他の植物用鉄供給剤」という。)は、泥炭からなるマトリックスに、アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が含有された粒状体からなり、
上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とする。
上記の各発明におけるアルカリ土壌とは、風燥した土壌10gに蒸留水25ミリリットルを加えて1時間振とうし、得られた懸濁液のpHを測定した場合に、そのpHが7を越える土壌のことをいう。従って、このアルカリ土壌には、本来的なアルカリ土壌及び非アルカリ土壌が後天的に、例えば、施肥、砂漠化等によりアルカリ化してなるアルカリ土壌が含まれる。上記の本来的なアルカリ土壌としては、貝化石土壌、石灰質土壌、珊瑚質土壌等の各種石灰質成分が含まれる土壌が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、これらの各種石灰質成分が含まれるアルカリ土壌と、非アルカリ土壌との混合土壌であって、全体としてアルカリ土壌であるものも含まれる。
また、上記「鉄成分」は特に限定されず、鉄化合物でもよく、鉄粉等の金属鉄でもよい。鉄化合物は特に限定されないが、分子内に2価鉄を有する化合物がより好ましい。この鉄化合物としては、例えば、FeO等の酸化物、FeSO、Fe(NO、FeCl等の無機塩、トリメトキシ鉄等の有機塩及びFe−EDTA、Fe−EDDHA等のキレート化合物などが挙げられる。この鉄化合物としてはFeOが特に好ましい。鉄化合物は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、金属鉄と1種以上の鉄化合物とを併用してもよい。鉄成分は、金属鉄及び/又はFeOであることが好ましく、FeOであることがより好ましい。
(1)本植物用鉄供給剤
上記「アスコルビン酸」は、ヒドロキシル基を有する有機酸である。このアスコルビン酸は刺激臭がなく、また、アスコルビン酸と鉄成分とを含有する水溶液を調製した場合に、アスコルビン酸濃度に対するFe2+イオン濃度を高くすることができる。
上記「水溶液」は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを含む混合物を加熱して、アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が溶解されて得られた水溶液である。即ち、溶解しきらないアスコルビン酸及び溶解しきらないFeOが含有されない水溶液である。但し、この水溶液は、溶解しきらないアスコルビン酸及び/又は溶解しきらないFeOが含有される固液共存物中における上澄み液であってもよい。
また、アスコルビン酸及びFeOの水溶液中における溶解状態は特に限定されない。即ち、例えば、この水溶液にはアスコルビン酸鉄錯体及びアスコルビン酸イオン等を含有できる。これらのなかでも特にアスコルビン酸鉄錯体が含有されることが好ましい。
この水溶液に溶解されたアスコルビン酸の量は特に限定されないが、通常、水100mlあたりのアスコルビン酸は0.05g以上(好ましくは0.5g〜水溶液の温度におけるアスコルビン酸の溶解度)である。一方、鉄成分は、アスコルビン酸を100質量部とした場合に、10〜25質量部、特に20〜25質量部配合することができる。
また、この水溶液を構成する水は、特に限定されず、種々の水を用いることができる。純水及びイオン交換水等の高度に精製された水であってもよく、水道水、工業用水、農業用水及び地下水等の通常使用される水であってもよい。
この水溶液を得る方法は(1)アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水と、を含有する混合物を加熱して得る。その他、(2)予め全量を溶解させたアスコルビン酸水溶液に、FeO粉末を添加し、加熱して得ることもできる。また、(3)予め所定量を溶解させたアスコルビン酸水溶液に、更にアスコルビン酸粉末とFeO粉末とを添加し、加熱して得ることもできる。更に、(4)加熱せずアスコルビン酸粉末とFeO粉末と水とを混合して得ることもできる。また、(5)上記(1)〜(4)に加えて溶解していないアスコルビン酸及び溶解していないFeOが含有される場合は、これらを濾過等の方法で分離する工程を備える製造方法とすることができる。
本植物用鉄供給剤は、防黴のために木酢液を含有させることができる。木酢液を含有させる場合、木酢液の含有量は本植物用鉄供給剤全体の10質量%以下(通常、5質量%以上)が好ましい。更に、同様な目的で予め紫外線照射を行うことができる。紫外線照射条件等は特に限定されないが、波長200〜380nmの紫外線を用いることが好ましい。また、照射を行う場合には72×10μw・s/cm以上を照射することが好ましい。更に、保存の際には低温で保存することが好ましい。その温度は特に限定されないが15℃以下が好ましい。
本植物用鉄供給剤の性質については後述する。
(2)本他の植物用鉄供給剤
本他の植物用鉄供給剤は、上記水溶液から水を除去して得られる。
上記「除去」は、水溶液から水の一部又は全部を除去する作業を意味するが、通常、本他の植物用鉄供給剤全体に対する水分量は90質量%以下である。特に固形物では水分量は10質量%以下(好ましくは5質量%以下)であり、ペースト状物では水分量は60〜90質量%(好ましくは65〜85質量%)である。本他の植物用鉄供給剤は、水溶液から実質的に全部の水が除去された固形物であってもよく、水溶液から一部の水が除去されたペースト状物であってもよいが、これらのうちでは固形物が好ましい。
また、この水の除去方法は特に限定されず、減圧加熱乾燥、常圧加熱乾燥、非加熱減圧乾燥、及び凍結乾燥等の手段を用いることができる。これらのなかでは、減圧加熱乾燥が好ましい。この水を除去する過程でFe2+が酸化されることを抑制できるからである。また、減圧乾燥以外にも、低酸素分圧下における乾燥でもよい。
水を除去する際に加熱する場合、水溶液の温度は特に限定されないが、120℃以下に保持することが好ましい。120℃を超えるとFe3+イオン濃度が高くなる傾向にあるからである。この加熱による水溶液の温度は、100℃以下がより好ましく、90℃以下が更に好ましく、70℃以下が特に好ましい。一方、下限温度は特に限定されず、水を除去する際の圧力下で水の蒸散を生じる温度であればよい。水溶液の温度は、例えば、45℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、55℃以上が更に好ましく、60℃以上が特に好ましく、65℃以上がとりわけ好ましい。これらの加熱の際の上限温度及び下限温度は各々組合せとすることができる。即ち、例えば、45〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましく、60〜70℃が更に好ましい。これら以外の組合せであってもよい。
更に、水を除去する際に減圧にする場合、その圧力は特に限定されないが、0.1〜50kPaが好ましく、0.1〜20kPaがより好ましく、3〜15kPaが更に好ましく、4〜10kPaが特に好ましい。
本他の植物用鉄供給剤は、通常、15℃以上の温度の水にほぼ全量を溶解させることができる。例えば、温度25℃の純水100mlに対しては0.1g以上(更には0.1〜120g、特に0.1〜50g、とりわけ0.1〜15g)を溶解させることができる。この本他の植物用鉄供給剤を溶解させた水溶液の性質については後述する。
この本他の植物用鉄供給剤におけるアスコルビン酸、水溶液、水及び防黴のための処理等については、前記本植物用鉄供給剤における各々の記載をそのまま適用できる。
本他の植物用鉄供給剤の使用方法も特に限定されない。例えば、土と混合(粉体状で、塊状で)する、土に散布(粉体状で)する、土中に埋める(粉体状で、塊状で)等の使用方法が挙げられる。
(3)本植物用鉄供給剤及び本他の植物用鉄供給剤に共通する事項
本植物用鉄供給剤及び本他の植物用鉄供給剤を水溶させた水溶液には、それぞれFe2+イオンとFe3+イオンとが含有され、特に鉄成分がFeOである場合、Fe2+イオンとFe3+イオンとの合計を100質量%とした場合に、Fe2+イオンが50〜99質量%(更には60〜90質量%、特に70〜90質量%)含有される。即ち、Fe3+イオンは1〜50質量%(更には10〜40質量%、特に10〜30質量%)含有される。即ち、高濃度にFe2+を含有する水溶液を得ることができる。但し、このFe2+イオン濃度は、後述する実施例の測定方法により測定された値である。また、Fe3+イオン濃度は、鉄供給剤を濃度10g/リットル(約1.0質量%)となるように温度20℃のイオン交換水に撹拌混合して溶解させ(およそ5分間撹拌)、その後、メンブランフィルター(孔径1μm)を用いて濾過し、濾過後、直ちに紫外・可視光分光光度計(株式会社島津製作所製、形式「UV1240」)に水質測定パックを装着して、水溶液に含有されるFe2+イオン量及び総Feイオン量を測定し、この総Feイオン量からFe2+イオン量を差し引いて算出した。
また、本植物用鉄供給剤及び本他の植物用鉄供給剤の各々を溶解させた水溶液では、特に鉄成分がFeOである場合、それぞれpHが7.0以上の領域でFe2+イオン濃度(mg/リットル)を測定し、その後、120時間静置し、再び測定したFe2+イオン濃度が、静置前のFe2+イオン濃度の80%以上である。即ち、長期間安定してFe2+イオンを保持することができ、Fe3+へ酸化されることが抑制された抗酸化性に優れた鉄供給剤である。但し、上記静置は実質的に紫外線があたらない温度25℃の暗所におけるものとする。このFe2+イオン含有量は、後述する実施例の測定方法により測定した値である。
また、本植物用鉄供給剤及び本他の植物用鉄供給剤は、生分解性バインダを含有することができる。生分解性バインダを含有することにより、このバインダが分解されるに従って徐々に鉄供給剤が放出されてFe2+を生じる。このため長期に亘って安定してFe2+イオンを供給することができる。即ち、本植物用鉄供給剤及び本他の植物用鉄供給剤に徐放性を付与できる。
この生分解性バインダとしては、生分解性プラスチックを用いることができる。生分解性プラスチックとしてはポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、尿素樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、セルロース系樹脂、澱粉系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
この生分解性バインダの含有量は特に限定されないが、本植物用鉄供給剤及び本他の植物用鉄供給剤全体を100質量%とした場合に10質量%以下(より好ましくは2〜7質量%、通常1質量%以上)とすることが好ましい。
また、本植物用鉄供給剤及び本他の植物用鉄供給剤は、生分解性増量剤を含有することができる。生分解性増量剤は、生分解性を有する上記バインダ以外の成分である。この生分解性増量剤としては、籾殻、雪花菜、糠、焼酎粕、酒粕、クエン酸粕、葦、泥炭、腐葉土、鶏糞、堆肥、牛糞及び骨粉等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。尚、生分解性増量剤は、植物に対する所定の機能を有していてもよく、有していなくてもよい。所定の機能を有する成分とは、例えば、植物に対して栄養分となる成分が挙げられる。
この生分解性増量剤の含有量は特に限定されないが、本植物用鉄供給剤及び本他の植物用鉄供給剤全体を100質量%とした場合に50〜94質量%(好ましくは70〜94質量%)とすることができる。この範囲であれば、多量の土に対して微量の植物用鉄供給剤を混合した場合にも、適切な量を混合することができる。
本植物用鉄供給剤及び本他の植物用鉄供給剤は、生分解性バインダ及び生分解性増量剤以外にも他の成分を含有することができる。他の成分としては、リポ酸、オリザ油、各種ビタミン類、Mn、Zn、Cu、Cr、Si、Mg、Ca、Co、Mo、Ni、B等の各成分(例えば、金属状態、金属酸化物等)、S及びCl等の化合物等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。その他の成分は、本植物用鉄供給剤及び本他の植物用鉄供給剤に含有される生分解性バインダと生分解性増量剤との合計を100質量部とした場合に10質量部以下とすることが好ましい。
本植物用鉄供給剤及び本他の植物用鉄供給剤の使用方法は特に限定されない。例えば、液状である場合は、散布する(土、対象植物の根元等へ灌水、葉面散布等)、浸漬する(水耕栽培用の培養液等として使用、対象植物の根を浸漬する等)、土に混合する等の使用方法が挙げられる。また、固形状である場合は、土と混合(粉体状で、塊状で)する、土に散布(粉体状で)する、土中に埋める(粉体状で、塊状で)等の使用方法が挙げられる。
(4)生分解性増量剤をマトリックスとする本更に他の植物用鉄供給剤
生分解性増量剤をマトリックスとする植物用鉄供給剤には、生分解性増量剤のうちでも特に泥炭及び/又は粘土が含有できる。これらの生分解性増量剤は撥水性であり、植物用鉄供給剤をアルカリ土壌において用いたときに、周囲からのpHの高い水溶液等の植物用鉄供給剤への侵入が抑制され、pHが低く保たれるため、FeOの溶解性の低下が抑えられ、且つFe2+イオンの酸化もより抑制される。そのため、長期に亘って安定してFe2+イオンを供給することができる。即ち、植物用鉄供給剤により優れた徐放性を付与できる。
また、この本更に他の植物用鉄供給剤は、撥水性を有する生分解性増量剤である泥炭からなるマトリックスに、アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が含有された粒状体からなる。この粒状体を構成する粒子の形状は特に限定されず、球体、楕円体、半球体、立方体、直方体、円柱体及びブリケット等のいずれでもよい。更に、粒状体は緻密体でもよく、多孔質体であってもよい。また、その粒径(球体であるときは直径、その他の形状であるときは最大差し渡し寸法)は50mm以下(より好ましくは10mm以下、更に好ましくは6mm以下、通常0.5mm以上)が好ましい。
更に、生分解性増量剤をマトリックスとする本更に他の植物用鉄供給剤では、アスコルビン酸、鉄成分として含有されたFeO並びに生分解性増量剤である泥炭の合計を100質量%とした場合に、アスコルビン酸は1〜30質量%含有され、FeOは1〜30質量%含有されていることが好ましい。このアスコルビン酸の含有量は3〜20質量%、特に7〜13質量%であることがより好ましく、FeOの含有量は3〜20質量%、特に7〜8質量%であることがより好ましい。これにより、FeOの溶解性の低下が十分に抑えられ、且つFe2+イオンの酸化もより十分に抑制され、長期に亘って安定してFe2+イオンを供給することができる。
上記のように、撥水性の生分解性増量剤により、アスコルビン酸及びFeO等の鉄成分と、外部環境との接触を抑制することにより、本更に他の植物用鉄供給剤をアルカリ土壌において用いたときに、粒状体の内部のpHの上昇が抑えられる。これによりFeOの溶解性の低下が抑えられる。更に、空気中の酸素等によるアスコルビン酸の酸化も抑制されるため、このアスコルビン酸によるFeO等の鉄成分の酸化抑制の効果も併せて得られ、長期に亘ってより安定してFe2+イオンを供給することができる。
生分解性増量剤をマトリックスとした本更に他の植物用鉄供給剤の使用方法も特に限定されない。例えば、土と混合(粉体状で、塊状で)する、土に散布(粉体状で)する、土中に埋める(粉体状で、塊状で)等の使用方法が挙げられる。
[4]アルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法
(1)本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法
本発明の製造方法は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水と、を含有する混合物を加熱して、アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が溶解されて得られた水溶液を得る溶解工程を備える。
上記「アスコルビン酸粉末」は、上記アスコルビン酸を主成分(通常、純度99%以上)とする粉末であり、その純度は特に限定されない。また、粉末形態であるとき、その粒子形状等は特に限定されない。
上記「FeO粉末」は、前記のFeOを主成分とする粉末である。このFeO粉末に含有されるFeOの量は、通常、FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上(好ましくは65質量%以上、100質量%であってもよい)である。このFeO粉末はどのようなFeO粉末を用いてもよく、後述するFeO粉末(鉄分を含有するダスト(以下、「ダスト」ということもある。)を造粒してなる造粒品、及び/又はこのダストと還元剤とを造粒してなる造粒品、を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末)、及び各種市販のFeO粉末を用いることができる。これらのなかでは、上記造粒品を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末が好ましい。
上記「水」は、前述のごとくどのような水も用いることができる。
上記「混合物」におけるアスコルビン酸粉末とFeO粉末と水との仕込み量は特に限定されないが、アスコルビン酸粉末(純度100%と仮定):FeO粉末(純度100%と仮定):水(純度100%と仮定)の質量比で、60〜90:7〜28:3〜20の割合で用いることが好ましく、65〜85:10〜24:5〜17.5の割合で用いることがより好ましく、68〜72:10〜22:10〜15の割合で用いることが特に好ましい。
上記混合物には、アスコルビン酸粉末、FeO粉末及び水以外に他の成分が含有されていてもよく、含有されていなくてもよい。他の成分を含有する場合は、水に溶解した状態で含有されてもよく、水に溶解されない状態で含有されてもよい。他の成分としては、例えば、メタノール及びエタノールが挙げられる。これらを含有させることで減圧環境下においても水をよりスムーズに除去することができる。これらは1種のみが含有されていてもよく、2種以上が含有されていてもよい。
上記「加熱」における条件は特に限定されないが、加熱温度は120℃以下に保持することが好ましい。120℃を超えるとFe3+イオン濃度が高くなる傾向にあるからである。この加熱による水溶液の温度は、110℃以下がより好ましく、105℃以下が更に好ましく、100℃以下が特に好ましい。一方、下限温度は特に限定されず、例えば、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上が特に好ましい。これらの加熱の際の上限温度及び下限温度は各々組合せとすることができる。即ち、例えば、40〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましく、60〜100℃が更に好ましい。これら以外の組合せであってもよい。尚、加熱の際の圧力条件は特に限定されない。
この加熱により、アスコルビン酸がより多く水に溶解され、これに従いFeOの溶解量も増え、目的とするFe2+イオン又はFe2+イオン錯体の濃度が高くなるものと考えられる。
本発明の製造方法では、上記溶解工程の後に水不溶性成分を除去する工程を備えることができる。この水不溶性成分としては、溶解しきらないアスコルビン酸粉末及び溶解しきらないFeO粉末等が挙げられる。除去方法は特に限定されないが、通常、濾過により行うことができる。即ち、濾過工程を備えることができる。この際の濾過条件は特に限定されないが、例えば、濾過フィルターには孔径10μm以下(より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下)のメンブランフィルターを用いることが好ましい。
また、本他の植物用鉄供給剤を得る場合は、上記溶解工程の後に、又は上記溶解工程及び上記濾過工程の後に、更に、上記水溶液から水を除去する乾燥工程を備えることができる。この乾燥工程における乾燥条件は特に限定されず、自然乾燥をさせてもよいが、前述した除去方法及び乾燥条件を用いることが好ましい。即ち、減圧加熱により水を除去することが好ましい。加熱し、且つ水分を徐々に減ずることで、水溶性であり、且つ抗酸化性に優れたFe2+イオン成分(Fe2+錯体等)が濃縮され、本他の植物用鉄供給剤が得られるものと考えられる。
更に、前記本他の植物用鉄供給剤を得る際には、更に、精製工程を備えることもできる。精製工程は、水溶性成分を精製する工程である。即ち、例えば、上記水溶液から水を除去して得られる植物用鉄供給剤を水と接触させて溶解可能部分を溶解させた後、上記と同様にして水不溶性成分を除去して抽出する抽出工程と、この抽出工程で得られた抽出水溶液から水を除去する再乾燥工程と、を備えることができる。
(2)生分解性増量剤をマトリックスとするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法
生分解性増量剤をマトリックスとする植物用鉄供給剤の製造方法は特に限定されないが、例えば、撥水性を有する生分解性増量剤(通常、粉体又は粒体である。)である泥炭及び/又は粘土と、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末とを混合し、造粒して得ることができる。
混合の方法は特に限定されず、モルタルミキサ及びオムニミキサ等を用いたドライブレンドでもよく、ニーダー及びウェットパン等により混合してもよい。更に、造粒の方法も特に限定されないが、通常、押出成形法により造粒される。また、押出成形により混合と造粒とを連続して行えば、工程が簡略化でき好ましい。このドライブレンド及び押出成形等の温度は特に限定されず、室温(例えば、15〜35℃)でもよく、必要に応じて40〜90℃程度に加熱してもよい。
アスコルビン酸粉末及びFeO粉末については、上記(1)本発明の植物用鉄供給剤の製造方法における各々の記載をそのまま適用できる。但し、泥炭及び/又は粘土、アスコルビン酸粉末及びFeO粉末の合計を100質量%とした場合に、アスコルビン酸粉末は1〜30質量%、FeO粉末は1〜30質量%配合される。
本更に他の植物用鉄供給剤は、泥炭及び/又は粘土と、前記本他の植物用鉄供給剤とを混合し、造粒して得ることもできる。このときの混合及び造粒は上記と同様にして行うことができる。
また、前記本他の植物用鉄供給剤を用いる場合、泥炭及び/又は粘土と、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末との質量割合は上記と同様であり、この質量割合は、本他の植物用鉄供給剤を製造する際に用いるアスコルビン酸粉末及びFeO粉末の各々の質量割合、並びに泥炭及び/又は粘土と、本他の植物用鉄供給剤との質量割合によって調整することができる。
(3)FeO粉末の製造方法
本発明の製造方法及び他の本発明の製造方法で、鉄成分粉末として特にFeO粉末を用いる場合、このFeO粉末は、鉄分を含有するダストを造粒してなる造粒品、及び/又はこのダストと還元剤とを造粒してなる造粒品、を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末であることが好ましい。
このFeO粉末は、FeO以外に、CaAl、FeAl、CaFeSi、CaSi及びMgFeのうちの少なくとも1種の複酸化物を含有する。これらの複酸化物は1種のみが含有されてもよく、2種以上が含有されてもよい。また、複酸化物の含有量は、FeO粉末全体を100質量%とした場合に0.5〜10質量%が好ましい。この範囲であれば抗酸化性に特に優れた鉄供給剤を得ることができる。
更に、このFeO粉末を構成する粒子の粒子径は特に限定されないが、例えば、粒径が5000μm以下であり、多種の粒径の粉末が混在したFeO粉末であればよい。更には、多孔性の粒子が含まれていてもよい。
上記「鉄分を含有するダスト」は鉄分を含有するもの(集塵粉等)である。この鉄分としては、酸化鉄、その他の鉄化合物及び金属鉄が挙げられる。これらは1種のみが含有されてもよく、2種以上が含有されてもよい。このダストに含有される鉄分量は特に限定されないが、通常、ダスト全体を100質量%とした場合に金属鉄換算で30質量%以上(より好ましくは35〜90質量%、更に好ましくは40〜80質量%)である。また、ダストには、鉄分以外にも他の成分が含有されてもよい。他の成分としてはZn、Ni、Cu及びMn等が挙げられる。これらは単体金属でもよく、酸化物等の化合物でもよい。更に、これらは1種のみが含有されてもよく、2種以上が含有されてもよい。
鉄分を含有するダストの形状は特に限定されず、小片又は粉体と小片との混合物等であってもよいが、通常、粉体である。この粉体の平均粒径は特に限定されないが3〜10μmが好ましい。
この鉄分を含有するダストとしては、鍛造工程で発生する鍛造ショット集塵粉、及び製鋼工程で発生する電気炉ダスト、高炉ダスト、転炉ダスト、キュポラダスト等の製鋼ダストが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に塩素分を予め水洗除去(一部又は全部)したダストが好ましい。特にダストに含有される塩素分は0.5質量%以下(より好ましくは0.4質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下)が好ましい。
上記「造粒品」は、鉄分を含有するダスト、又はこのダストと還元剤とを含有する。造粒により、真空加熱の際にFe、Fe及びFe(単体)からFeOへの還元又は酸化が促進される。
造粒品を構成する粒子の形状は特に限定されず、球体、楕円体、半球体、立方体、直方体、円柱体及びブリケット等のいずれでもよい。更に、造粒品は緻密体でもよく、多孔質体であってもよい。またその粒径(球形であるときは直径、その他の形状であるときは最短寸法)は25mm以下(より好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下、通常3mm以上)が好ましい。
上記「還元剤」は、2価以上に酸化された鉄化合物を還元する成分である。還元剤としては、金属鉄、その混合物、カーボン、その混合物等を用いることができる。特に、鉄切削屑、鉄研磨屑、鉄粉、銑鉄及び鋼等に用いられる還元剤、各種廃材(タイヤ屑、木材廃材等)等が好ましい。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
還元剤の形状は特に限定されないが、ダストとの接触面積が大きいことが好ましいため粉末、顆粒及び小片等が好ましく、特に粉末が好ましい。更に平均粒径は200μm以下(好ましくは180μm以下)が好ましい。
造粒品中の還元剤の含有量は特に限定されないが、ダストを100質量部とした場合に100質量部以下(より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、通常30質量部以上)が好ましい。
また、造粒品には、通常、バインダが含有される。バインダの種類は特に限定されないが、アルミナセメントが好ましい。その配合量は、鉄分を含有するダスト、又はこのダストと還元剤との合計を100質量部とした場合に3〜20質量部(より好ましくは3〜15質量部、更に好ましくは3〜12質量部)であることが好ましい。この範囲では、造粒をスムーズに行うことができ、造粒品の脆化も抑制できる。
上記「真空加熱」を行うことでFeO粉末中のFeO濃度を高くすることができる。この真空加熱を行う際の真空度は特に限定されないが0.1〜13.3kPa(より好ましくは2.6〜13.3kPa、特に好ましくは4.0〜6.7kPa)が好ましい。この範囲では金属鉄の残留やFeOがFe等へ酸化されることを効果的に抑制できる。尚、この真空雰囲気における酸素分圧と同等の酸素分圧の不活性ガス雰囲気下で、真空加熱に変えて同様に加熱することで同様にFeO濃度の高いFeO粉末を得ることができる。
真空加熱を行う際の加熱温度(造粒品自体を測定した測定値)は600〜1100℃(より好ましくは800〜950℃)が好ましい。但し、造粒品が還元剤を含有する場合は800℃以上とすることが好ましい。この範囲では、FeO含有量が特に高いFeO粉末が得られ、加熱過程で鉄分を含有するダストが溶融することも防止できる。
また、加熱時間は特に限定されないが30分以上(より好ましくは30分以上、且つ6時間以内)が好ましい。
尚、ダストに酸化亜鉛等が含有される場合は、還元されて金属亜鉛となり、600℃以上、且つ1.56kPa程度の真空下で蒸発して回収できる。これによりFeOの純度を更に向上させることができる。
造粒品の加熱は、通常、熱処理炉を用いてなされる。この熱処理炉は、少なくともヒータを備え、投入される造粒品を均一に加熱できるものであれば、特に限定されない。熱処理炉としては、例えば、ローラーハース炉及びロータリーキルン等が挙げられる。造粒品は、熱処理炉内を移動しながら、例えば、攪拌翼を備える攪拌手段等により粉末化される。この熱処理炉は、還元によって生成した金属亜鉛等を回収するための回収器を備えていてもよい。熱処理炉への造粒品の投入量は特に限定されないが、熱処理炉で加熱される造粒品全体への熱伝導を考慮し、炉床に散布された造粒品の平均高さが、通常、100mm以下、特に80mm以下、更に30mm以下となる投入量であることが好ましい。
上記「真空急冷」により真空加熱で生成された高温のFeO粉末を酸化させることなく冷却できる。この真空急冷の際の真空度は特に限定されないが13.3kPa以下(より好ましくは6.7kPa以下、通常5.3kPa以上)が好ましい。また、降温速度は特に限定されないが5〜150℃/分とすることが好ましい。この真空急冷では300℃以下(より好ましくは200℃以下、特に好ましくは150℃以下)に冷却することが好ましい。
特にFeO含有量のより多いFeO粉末を得る目的においては、金属鉄を含有する造粒品を用いることが好ましい。金属鉄の含有量は、造粒品に含有される鉄分の全量を100質量%とした場合に5質量%以上(より好ましくは5〜85質量%、更に好ましくは8〜50質量%)が好ましい。この造粒品を用いた場合には、例えば、鉄分全量に対するFeOの含有量が80質量%以上(更には85質量%以上、特に90質量%以上)のFeO粉末を得ることができる。
上記のような金属鉄を含有する造粒品を構成する鉄分を含有するダスト[下記(1)及び(5)]及びこのダストと還元剤との組合せ[下記(2)、(3)及び(4)]としては(1)鍛造ショット集塵粉のみ、(2)鍛造ショット集塵粉と金属鉄(鉄粉等)との混合物、(3)電気炉ダストと金属鉄(鉄粉等)との混合物、(4)高炉ダストと金属鉄(鉄粉等)との混合物、(5)転炉ダストのみ、等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上併用してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
[1]FeO粉末の製造
Fe80質量%(以下、%と略記する。)、Zn0.02%、Ca0.01%、Mn0.06%及びSi0.06%等が含有され、平均粒径が100μmの鍛造ショット集塵粉82%と、平均粒径が75μmの鉄粉10%と、アルミナセメント5%と、ベントナイト3%とを用いて直径8mm且つ長さ約20mmの円柱形に造粒した。得られた造粒品を真空加熱槽(ローラーハース炉)により800℃で30分間、次いで850℃で30分間、その後、900℃で1時間、各々真空加熱した。
次いで、真空急冷槽で降温速度20℃/分で400℃まで真空急冷し、更に、真空冷却槽内の雰囲気を窒素置換して、更に降温速度13℃/分で200℃まで冷却し、その後、室温にまで降温させてFeO粉末を得た。
このFeO粉末に含有されるFeOを、試薬FeO粉末とシリコン粉末とを所定割合で混合してなる混合粉末を用いてX線回折法により予め作成した検量線により定量したところ、含有量は90質量%であった。
[2]アスコルビン酸鉄水溶液におけるFe2+イオンの安定性
実験例1〜3
(1)アスコルビン酸鉄水溶液のpHとFe2+イオン濃度の相関
500ミリリットルの蒸留水に2.5gのアスコルビン酸を溶解させ、アスコルビン酸水溶液を作製した。その後、この水溶液に上記[1]で製造したFeO粉末を1.0g投入し、30分間攪拌し、次いで、濾過し、挟雑物を除いた。その後、濾過後の水溶液から20ミリリットルづつ分取し、それぞれ5個の容器に投入し、これらのうちの4個の容器中の水溶液のpHを水酸化ナトリウム水溶液により、各々7.0、8.0及び9.0に調整した。尚、pH調整をしていないアスコルビン酸水溶液のpHは3.4であった。
上記のようにして調製したそれぞれpHの異なる3種類のアスコルビン酸水溶液について、水溶液調製時、又はpH調整時、並びに24時間、48時間及び120時間経過後の各々のFe2+イオン濃度を測定した。併せてそれぞれの水溶液のpHも測定した。Fe2+イオン濃度はJIS K0102に基づくフェナントロリン吸光光度法により測定した。尚、この測定では常に直射日光の差し込まない室内において作業を行った。結果を表1に記載する。
表1の結果によれば、実験例1〜3のいずれにおいても経時とともにpHが低下する傾向にあり、Fe2+イオン濃度が高濃度に保たれていることが分かる。アスコルビン酸はアルカリ条件下で酸化されてデヒドロアスコルビン酸となるが、これによって水溶液のpHが低下したものと考えられ、pHの低下によってFeOの溶解性が高くなり、より多くのFeOが水に溶解し、且つ還元性を有するアスコルビン酸によりFe2+のFe3+への酸化が抑えられ、これらの相乗効果によって初期のpHの高い場合であってもFe2+イオン濃度が高濃度に保たれるものと考えられる。
(2)上記(1)において120時間経過後の水溶液のpHを調整した場合のFe2+イオン濃度
実験例4〜6
上記(1)における初期pHの異なる3種類の水溶液について、各々120時間経過後、低下したpHを水酸化ナトリウム水溶液により初期pHに近似の値となるように調整し、それぞれのFe2+イオン濃度を測定した。また、pH調整した各々の水溶液のpHが24時間には再び低下したため、水酸化ナトリウム水溶液により再度pHを初期pHに近似の値に調整し、それぞれのFe2+イオン濃度を測定した。このpH調整とそれぞれのFe2+イオン濃度の測定とを3回繰り返した。結果を表2に記載する。
実験例4〜6のpH調整1〜2回目のpH及びFe2+イオン濃度の各々の値は、pH調整時の値(初期値)/pH調整から24時間経過後の値、である。また、pH調整3回目では、初期値のみを測定した。
表2の結果によれば、繰り返しアルカリ領域にpH調整した場合、pHがより高い領域ほどFe2+イオン濃度が低下する傾向がみられるが、経時とともにpHが低下し、十分に高いFe2+イオン濃度が保たれる傾向は上記(1)の場合と同様であることが分かる。
[3]アルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造及びその評価(その1)
実験例7
(1)アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(A)
10%のアスコルビン酸(純度99.8%以上)と、7.5%の上記[1]で製造したFeO粉末と、82.5%の泥炭加工土壌改良剤(日本肥糧社製、商品名「くみあいハイフミン特号A」)とを混合し、押出成形により造粒し、粒径3〜6mmの略球体のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤(A)を製造した。
(2)アルカリ土壌用植物用鉄供給剤の評価
(A)イネの生育
5個の栽培用ポットの各々に、下記の育苗用培土を投入し、シャーレを用いて発芽させたイネ(品種;日本晴れ)の苗を発芽から3日後に植え付け、人工気象器を用いて生育させ、上記の植物成長促進剤(A)の成長促進の作用、効果を評価した。
育苗用培土(a);約70質量%のCaCOを含有する貝化石土壌100質量部(以下、部と略記する。)に、肥料(チッソ旭肥料社製、商品名「ロングトータル70」)1部を配合した。
育苗用培土(b);上記貝化石土壌100部に、上記肥料1部と上記植物用鉄供給剤(A)0.1部とを配合した。
育苗用培土(c);上記貝化石土壌100部に、上記肥料1部と上記植物用鉄供給剤(A)1部とを配合した。
人工気象器(日本医科器械製作所製、型式「LH−100S」)は、日照を14時間(照度は1500ルクス、温度は25℃)、夜間を10時間(温度は20℃)に調整して運転した。また、水は蒸発分の補充のみとした。即ち、アルカリ土壌における陸稲の生育を模した運転条件とした。
(B)評価結果
図1は、上記(A)のイネの生育における各々の苗の生育状況を発芽して10日後にデジタル撮影して得られた画像による説明図である[図1における(a)、(b)及び(c)は、それぞれ上記育苗用培土(a)、(b)及び(c)を用いた場合の結果を表している。]である。この説明図によれば、アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(A)を用いた(b)の場合は、配合量が0.1部と少量であるにもかかわらず、肥料のみが配合された(a)と比べて苗の背が高く、順調に成長していることが分かる。また、アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(A)の配合量が1部である(c)では、(b)と比べてより苗の背が高く、特に順調に成長していることが分かる。
尚、各々の苗の色調にも明らかに差があり、(a)から(b)、特に(c)の順に苗の緑色がより強かった。これによって葉緑素量がより多いことが推察される。
[4]アルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造及びその評価(その2)
実験例8〜16
(1)アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(B)
上記[3]、(1)で製造したアルカリ土壌用植物用鉄供給剤(A)を目開き1.0mmの篩を通過させ、粒径1.0mm以下のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤(B)を得た。
(2)アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(C)
アスコルビン酸(純度99.8%)800gと水2リットルとをステンレス鋼製ビーカーに投入し、室温(20℃)で攪拌し、アスコルビン酸を水に溶解させた。その後、上記[1]で製造したFeO粉末を100g投入し、更に30分間攪拌を継続した。次いで、このFeO粉末分散液を濾紙を用いて濾過し、濾液を90℃に調温された乾燥機により72時間乾燥させた。その後、得られたペースト状物を室温まで冷却して塊状物とし、これを乳鉢で十分に粉砕し、次いで、目開き1.0mmの篩を通過させ、粒径1.0mm以下のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤(C)を製造した。
(2)アルカリ土壌用植物用鉄供給剤の評価
(A)イネの生育
栽培用ポットの各々に、下記の育苗用培土を投入し、シャーレを用いて催芽させたイネ(品種;日本晴れ)の籾を1ポット当たり20粒づつ直播きした。籾は表面から約0.5cmの深さの培土中に埋め込んだ。その後、人工気象器を用いて生育させ、前記の植物用鉄供給剤(A)及び上記の植物用鉄供給剤(B)及び(C)の成長促進の作用、効果を評価した。
苗は人工気象器(日本医科器械製作所製、型式「LH−100S」)を用いて生育させた。人工気象器は、日照を14時間(照度は1500ルクス、温度は25℃)、夜間を10時間(温度は20℃)に調整して運転した。また、貝化石土壌300mlに対して50mlの蒸留水を添加したものを圃場容水量とし、生育期間を通じて毎日ポットと内容物との全重量が400gに維持されるように灌水した。更に、生育期間を通じて13個のポットを毎日ランダムに位置換えし、照明(日照)が均等に照射されるようにした。
実験例8;上記ポット中の貝化石土壌に、肥料(チッソ旭肥料社製、商品名「ロングトータル70」)1gを配合し、育苗用培土とした。
実験例9;上記ポット中の貝化石土壌に、上記肥料1gと、前記アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(A)(表1では種類の欄にA、性状の欄に粒体と表記する。以下、同様である。)0.1gとを配合し、育苗用培土とした。
実験例10;上記ポット中の貝化石土壌に、上記肥料1gと、上記アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(B)(表1では種類の欄にB、性状の欄に粉体と表記する。以下、同様である。)0.1gとを配合し、育苗用培土とした。
実験例11;上記ポット中の貝化石土壌に、上記肥料1gと、前記アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(A)1.0gとを配合し、育苗用培土とした。
実験例12;上記ポット中の貝化石土壌に、上記肥料1gと、上記アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(B)1.0gとを配合し、育苗用培土とした。
実験例13;上記ポット中の貝化石土壌に、上記肥料1gと、前記アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(A)2.0gとを配合し、育苗用培土とした。
実験例14;上記ポット中の貝化石土壌に、上記肥料1gと、上記アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(B)2.0gとを配合し、育苗用培土とした。
実験例15;上記ポット中の貝化石土壌に、上記肥料1gと、上記アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(C)(表1では種類の欄にC、性状の欄に粉体と表記する。以下、同様である。)0.1gとを配合し、育苗用培土とした。
実験例16;上記ポット中の貝化石土壌に、上記肥料1gと、上記アルカリ土壌用植物用鉄供給剤(C)1.0gとを配合し、育苗用培土とした。
上記のようにして生育させ、籾の直播きから54日経過後に写真撮影をし、苗を収穫した。また、収穫に先立ち各々のポットのそれぞれ20本の苗の草丈を測定した。更に、SPAD値(葉緑素量の指標である緑色濃度である。)を、葉緑素計(ミノルタ株式会社製、型式「SPAD−502」)を用いて測定した。また、収穫時に根の土をふるい、その後、7日間乾燥させ、次いで、再度根の土をふるい、ほぼ全量をふるい落とし、その後、写真撮影するとともに、地上部乾物重と根部乾物重(根乾物重と籾重との合計)とを測定した。
結果を表3及び図2〜11に記載する。
尚、苗の草丈とSPAD値については、各々のポットのそれぞれ20本の苗の平均値と標準偏差とを記載した。
(B)評価結果
実験例9、10によれば、実験例10のSPAD値を除いて、植物用鉄供給剤が投与されていない実験例8に比べて良好な結果となっている(図2、3、7及び8参照)。また、この実験例9、10では、実験例11〜14に比べて生育促進が十分ではなく、更に多くの植物用鉄供給剤の投与が望ましいことが分かる。
実験例11、12によれば、地上部乾物重及び根部乾物重は同等であるが(図2、3及び9参照)、実験例12ではSPAD値のばらつきが小さく(標準偏差値が低く)安定している。即ち、粒体より粉体で投与したほうが土壌における鉄の溶解量が高くなり、各々の苗の根と均等に接触し易く、苗間のばらつきが小さくなったと推察される。一方、実験例13、14によれば、地上部乾物重及びSPAD値は同程度であるが、実験例14では実験例13より草丈がやや低い。これは、投与量が同じ2gであっても、粉体である実験例14では鉄が溶解し過ぎ、やや過剰であることが理由であるのかもしれない。しかし、外見では鉄過剰症であるネクロシスを呈するほどではない(図2及び5参照)。また、実験例11、12では、投与量が実験例13、14の半分量であるにもかかわらず、地上部乾物重はほぼ等しく、根部乾物重は投与量の少ない実験例11、12のほうが多く優れている(図7参照)。これは、植物用鉄供給剤(B)の投与量が2gでは過剰であることを示唆している。
実験例16では、草丈及びSPAD値ともに実験例のうちで最もよい結果となっている(図2及び6参照)。この実験例16に比べて植物用鉄供給剤(C)の投与量が1/10である実験例15では、草丈、SPAD値、地上部乾物重及び根部乾物重のすべてが実験例16に比べて低下した(図2、6、7及び11参照)。従って、実験例15の投与量では鉄の供給が十分ではないと推察される。一方、実験例16では、鉄の過剰症はみられないため、植物用鉄供給剤(C)を更に多量に投与した場合、より生育が促進される可能性がある。
尚、実験例15では、SPAD値は低いものの、草丈、地上部乾物重及び根部乾物重は十分であり、優れている。これは、実験例15では投与量が実験例16の1/10であるにもかかわらず、根の生育は実験例16と同等であることを意味している。即ち、鉄は根部の生育に優先的に利用され、その後、地上部の生育に利用されるのではないかと推察される。
尚、例えば、アスコルビン酸粉末とFeO粉末とを混合し、この混合物に少量の水を添加し、その後、水を除去することにより得られる混合物をアルカリ土壌用植物用鉄供給剤として用いることもできる。この場合、アスコルビン酸粉末に対する水の量は特に限定されないが、通常、アスコルビン酸粉末100質量部に対して水は5〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部である。一方、FeO粉末は、アスコルビン酸粉末を100質量部とした場合に、10〜25質量部、特に20〜25質量部配合することができる。
上記のアスコルビン酸粉末及びFeO粉末については、前記の記載をそのまま適用することができる。また、上記のように少量の水を用いて得られた固形物又はペースト状物における水分量は、本他の植物用鉄供給剤と同程度とすることができる。更に、水の除去方法も本他の植物用鉄供給剤のときと同様とすることができ、減圧加熱乾燥が好ましい。また、水を除去する際に加熱する場合の温度、及び水を除去する際に減圧にする場合の圧力も、本他の植物用鉄供給剤のときと同様とすることができる。
本発明のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤は、農林分野において広く利用される。即ち、例えば、農産物の生産、水耕栽培、園芸植物の生産、公園及びゴルフ場の植生の保持、森林保持等に幅広く利用される。また、特に各種農産物の生産分野における植物成長促進剤として有用である。更に、世界各地の不毛の土地での植物の成長による食料問題の解決、及び二酸化炭素の吸収促進による地球環境の改善等に利用することもできる。

Claims (11)

  1. アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを含む混合物を加熱して、該アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が溶解されて得られた水溶液からなり、
    上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
    上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
  2. Fe 2+ イオンとFe 3+ イオンとを含有し、該Fe 2+ イオンと該Fe 3+ イオンとの合計を100質量%とした場合に、該Fe 2+ イオンが50〜99質量%であり、且つ、Fe 2+ イオン濃度を、水素イオン指数が7.0以上の領域で測定し、その後、該水溶液を120時間静置し、再びFe 2+ イオン濃度を測定した場合に、静置後の濃度が静置前の濃度の80%以上であり、
    上記混合物は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを、質量比60〜90:7〜28:3〜20の割合で含み、
    上記FeO粉末は、鉄分を含有するダストを造粒してなる造粒品、及び/又は鉄分を含有するダストと金属鉄とを造粒してなる造粒品、を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末であり、
    上記鉄分を含有するダストに含有される鉄分量は、ダスト全体を100質量%とした場合に金属鉄換算で30質量%以上である請求項1に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
  3. アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを含む混合物を加熱して、該アスコルビン酸粉末及び該FeO粉末が溶解されて得られた水溶液から水を除去してなり、
    上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
    上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
  4. 上記除去は、120℃以下で行う請求項に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
  5. 上記除去は、120℃以下で行い、
    本アルカリ土壌用植物用鉄供給剤を溶解させてなる水溶液は、Fe2+イオンとFe3+イオンとを含有し、該Fe2+イオンと該Fe3+イオンとの合計を100質量%とした場合に、該Fe2+イオンが50〜99質量%であり、且つ、本アルカリ土壌用植物用鉄供給剤を溶解させてなる水溶液のFe2+イオン濃度を、水素イオン指数が7.0以上の領域で測定し、その後、該水溶液を120時間静置し、再びFe2+イオン濃度を測定した場合に、静置後の濃度が静置前の濃度の80%以上であり、
    上記混合物は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを、質量比60〜90:7〜28:3〜20の割合で含み、
    上記FeO粉末は、鉄分を含有するダストを造粒してなる造粒品、及び/又は鉄分を含有するダストと金属鉄とを造粒してなる造粒品、を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末であり、
    上記鉄分を含有するダストに含有される鉄分量は、ダスト全体を100質量%とした場合に金属鉄換算で30質量%以上である請求項に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
  6. 泥炭からなるマトリックスに、アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が含有された粒状体からなり、
    上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
    上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤。
  7. 請求項1に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法であって、
    アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを含む混合物を加熱して、該アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が溶解されて得られた水溶液を得る溶解工程を備え、
    上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
    上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法。
  8. 上記混合物は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを、質量比60〜90:7〜28:3〜20の割合で含み、
    上記FeO粉末は、鉄分を含有するダストを造粒してなる造粒品、及び/又は鉄分を含有するダストと金属鉄とを造粒してなる造粒品、を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末であり、
    上記鉄分を含有するダストに含有される鉄分量は、ダスト全体を100質量%とした場合に金属鉄換算で30質量%以上であり、
    上記造粒品の粒径は25mm以下であり、
    上記真空加熱における真空度は0.1〜13.3KPaであり且つ加熱温度は600〜1100℃であり、
    上記真空急冷における真空度は5.3〜13.3KPaであり、300℃以下の温度まで降温速度5〜150℃/分で冷却する請求項7に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法。
  9. 請求項に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法であって、
    アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを含む混合物を加熱して、該アスコルビン酸粉末及びFeO粉末が溶解されて得られた水溶液を得る溶解工程と、
    上記水溶液から水を除去する乾燥工程と、を備え、
    上記FeO粉末は、該FeO粉末全体に対してFeOが50質量%以上であり、
    上記FeO粉末は、CaAl 、FeAl 、CaFe Si 、CaSi 及びMgFe のうちの少なくとも1種の複酸化物を含有することを特徴とするアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法。
  10. 上記除去は、120℃以下で行う請求項に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法。
  11. 上記除去は、120℃以下で行い、
    上記混合物は、アスコルビン酸粉末と、FeO粉末と、水とを、質量比60〜90:7〜28:3〜20の割合で含み、
    上記FeO粉末は、鉄分を含有するダストを造粒してなる造粒品、及び/又は鉄分を含有するダストと金属鉄とを造粒してなる造粒品、を真空加熱したのち真空急冷して得られたFeO粉末であり、
    上記鉄分を含有するダストに含有される鉄分量は、ダスト全体を100質量%とした場合に金属鉄換算で30質量%以上であり、
    上記造粒品の粒径は25mm以下であり、
    上記真空加熱における真空度は0.1〜13.3KPaであり且つ加熱温度は600〜1100℃であり、
    上記真空急冷における真空度は5.3〜13.3KPaであり、300℃以下の温度まで降温速度5〜150℃/分で冷却する請求項に記載のアルカリ土壌用植物用鉄供給剤の製造方法。
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