JP2003180340A - サイクロクラスティカス属に属する微生物の増殖促進法 - Google Patents

サイクロクラスティカス属に属する微生物の増殖促進法

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JP2003180340A JP2001386881A JP2001386881A JP2003180340A JP 2003180340 A JP2003180340 A JP 2003180340A JP 2001386881 A JP2001386881 A JP 2001386881A JP 2001386881 A JP2001386881 A JP 2001386881A JP 2003180340 A JP2003180340 A JP 2003180340A
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Kazuaki Tamatsubo
一晃 珠坪
Yuki Kasai
由紀 笠井
Shigeaki Harayama
重明 原山
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクロクラスティカス属微生物の増殖を特
異的に促進する手段を提供する。 【解決手段】 サイクロクラスティカス属に属する微生
物の存在する培地又は環境に鉄源、あるいは鉄源、窒素
源、リン源の三者の添加を行うことを特徴とするサイク
ロクラスティカス属に属する微生物の増殖促進法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特徴的な海洋性多
環芳香族炭化水素分解菌であるサイクロクラスティカス
Cycloclasticus)属に属する微生物の増殖促進方法に
関する。本発明は、海洋石油汚染の浄化促進に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】石油による海域の汚染は近年増大する傾
向にあり、特に船舶事故等による原油及び燃料油の流出
では、海洋環境の大きな破壊をまねくとともに、水産業
へ甚大な経済的打撃を与えている。実際の海域における
原油流出事故現場では、流出油等の炭化水素化合物の除
去に際しては機械的な汲み上げ、石油分散剤の散布、高
圧熱水洗浄やボランティアの手による物理的な除去が行
われている。これらの方法では、いずれもコストがかか
りすぎる問題があり、また流出油の完全除去は難しい。
【0003】近年、流出油の微生物による浄化技術(バ
イオレメディエーション)に関する研究が活発に行われ
てきている。石油汚染のバイオレメディエーションによ
る浄化技術確立のためには、石油分解に係わる微生物群
集を同定するとともに、それら石油分解微生物の増殖促
進方法を開発する必要がある。
【0004】石油には、様々な種類の化合物が含まれる
が、なかでもアルカン(飽和画分)、多環芳香族炭化水
素(芳香族画分)の含有量が多い。特に、多環芳香族炭
化水素(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons: PAHs)
は、微生物による分解を受けにくく、さらに発ガン性等
多くの悪影響を生物に与えることが知られているため
(Malins, D. C., M. M. Krahn, D. W. Brown, L. D. R
hodes, M. S. Myers, A. B. McCain and S. Chan. Toxi
c chemicals in marine sediment and biota fromMkilt
eo, Washington: relationships with hepatic neoplas
ms and other hepatic lesions in English sole (Paro
phrys vetulus). J. Natl. Cancer Inst. 74: 487-494,
1985, Stegeman, J. J. Polynuclear aromatic hydro
carbons andtheir metabolism in the marine environm
ent, p. 1-60. In H. V. Gelboin and P. O. P. Tso (e
d.), Polycyclic hydrocarbons and cancer, vol.1 Aca
demic Press, Inc., New York, N.Y. 1981)、多環芳香
族炭化水素の浄化技術の確立は極めて重要であるといえ
る。
【0005】本発明者らは、海洋環境中に存在するサイ
クロクラスティカス属の微生物が、石油に多く含まれる
多環芳香族炭化水素(ナフタレン、フェナントレン、フ
ルオレン、ジベンゾチオフェン)の分解に有効に作用す
ることを発見しており(珠坪一晃、瀧寛則、原山重明、
石油分解微生物コンソーシアの菌叢構造解析、日本水環
境学会年会講演集、2001、p.307)、サイクロクラステ
ィカス属の微生物の増殖を促進する培養条件を見いだす
ことが出来れば、多環芳香族炭化水素分解微生物を用い
た石油(多環芳香族炭化水素)汚染の有効な浄化技術を
確立することが出来る。
【0006】従来、石油分解細菌の増殖促進法として
は、窒素源、リン源の供給が行われて来たが、この方法
では、特に石油に含まれる易分解性のアルカンを分解す
る微生物が優占化するため(珠坪一晃、瀧寛則、原山重
明、流出油の微生物分解に及ぼす無機栄養塩濃度の影
響、日本水環境学会年会講演集、2000、p.533)、結果
的に多環芳香族炭化水素分解菌の増殖が抑制されること
があった(特に回分式の分解実験系)。もし、多環芳香
族炭化水素分解微生物(サイクロクラスティカス)の特
異的な増殖促進が可能になれば、海洋石油(多環芳香族
炭化水素)汚染の高効率な浄化が可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】石油分解菌であるサイ
クロクラスティカス属の微生物が多環芳香族炭化水素を
炭素源として増殖する場合において、その増殖に必要な
微量無機栄養塩を探索し、サイクロクラスティカス属微
生物の増殖に及ぼす影響を調査することにより、この微
生物の増殖を促す手法を提供することが出来る。
【0008】本発明の目的は、多環芳香族炭化水素分解
菌であるサイクロクラスティカス属微生物の特異的な増
殖促進法、換言すれば石油(多環芳香族炭化水素)汚染
の浄化促進のための手段を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、サイクロク
ラスティカス属の微生物が多環芳香族炭化水素を炭素源
として増殖する場合、その増殖が鉄源の添加によって促
進されることを見いだし、本発明を完成させた。
【0010】即ち、本発明は、サイクロクラスティカス
属に属する微生物の存在する培地又は環境に鉄源の添加
を行うことを特徴とするサイクロクラスティカス属に属
する微生物の増殖促進法である。
【0011】また、本発明は、多環芳香族炭化水素を含
む環境に、鉄源を添加することを特徴とする多環芳香族
炭化水素の分解除去方法である。
【0012】更に、本発明は、窒素源、リン源、及び鉄
源を含むことを特徴とする多環芳香族炭化水素分解除去
剤である。
【0013】
【本発明実施の形態】本発明のサイクロクラスティカス
属に属する微生物の増殖促進法は、サイクロクラスティ
カス属に属する微生物の存在する培地又は環境に鉄源の
添加を行うことを特徴とするものである。
【0014】本発明の方法によって増殖が促進される微
生物としては、実施例で使用したCycloclasticus sp. P
7株やType strainであるCycloclasticus pugetii PS-1
株(ATCC 51542)などを例示することができるが、これ
らに限定されるわけではない。
【0015】サイクロクラスティカス属に属する微生物
の存在する環境には、もともとこの微生物が存在する環
境のほか、本来この微生物が存在しない環境であるが、
人為的に添加することにより、この微生物が存在するよ
うになった環境も含まれる。もともとこの微生物が存在
する環境としては、海水、海浜、底泥(海洋)、汽水域
などを例示することができる。本来この微生物が存在し
ない環境としては、土壌(陸上)、地下水、河川水、湖
水などを例示することができる。土壌、地下水などの塩
濃度の低い環境では、サイクロクラスティカス属に属す
る微生物は増殖することができないので、このような環
境にサイクロクラスティカス属に属する微生物を添加す
る場合は、微生物と共に塩類を含む培地等(例えば、Na
Cl及びMgCl2, CaCl2などの2価のカチオンを含む塩濃度
1〜7%の海水を模した培地)を添加する。また、滅菌
していない天然海水には、サイクロクラスティカス属に
属する微生物と必要な塩類の両者が含まれているので、
これを土壌、地下水等に添加してもよい。
【0016】鉄源としては、塩化鉄、クエン酸鉄、クエ
ン酸鉄アンモニウム、硫酸鉄、硫酸第一鉄アンモニウ
ム、塩化第二鉄などを挙げることが出来るが、その他の
無機鉄化合物を利用しても良い。また、添加する鉄化合
物は、第一鉄(二価鉄)、第二鉄(三価鉄)のどちらで
も良い。酸化鉄等の非水溶性の鉄を用いることも出来る
が、実際の使用にあたっては、水溶性に優れる鉄化合物
(第一鉄)を用いるのが望ましい。鉄源の添加量は、そ
の濃度が0.01 mg-Fe/L〜50 mg-Fe/Lになるように添加す
るのが好ましく、0.1〜5 mg-Fe/Lになるように添加する
のが更に好ましい。
【0017】鉄源以外には、窒素源及びリン源も添加す
ることが好ましい。窒素源としては、塩化アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アン
モニウム、硫酸第一鉄アンモニウムなどを挙げることが
出来るが、その他の無機アンモニウム化合物を利用して
も良い。また、イソブチルアルデヒド縮合尿素、ホルム
アルデヒド加工尿素などを含有する農業用の肥料を用い
ても良い。堆肥、ペプトン、酵母エキス、コーンスティ
ープリカー、肉エキス等の有機性の窒素源を使用するこ
とも出来るが、それらに含まれる有機物を炭素源として
利用する微生物が増殖することが考えられるため、実際
の使用に当たっては無機性の窒素源を用いることが望ま
しい。窒素源の添加量は、石油等の汚染物質の炭素源濃
度に依存するが、その濃度が0.1〜1000 mg-N/Lになるよ
うに添加するのが好ましく、1〜100mg-N/Lになるように
添加するのが更に好ましい。リン源としては、リン酸カ
リウム、リン酸マグネシウム、リン酸アンモニウム、リ
ン酸カルシウム、リン酸ナトリウムなどを挙げることが
出来るが、その他の無機リン酸化合物を利用しても良
い。また、リン酸二石灰、リン酸苦土(リン酸マグネシ
ア)などを含有する農業用の肥料を用いても良い。堆
肥、ペプトン、酵母エキス、コーンスティープリカー、
肉エキス等の有機性のリン源を使用することも出来る
が、実際の使用に当たっては無機性のリン源を用いるこ
とが望ましい。リン源の添加量は、その濃度が0.1〜100
0 mg-P/Lになるように添加するのが好ましく、0.2〜50
mg-P/Lになるように添加するのが更に好ましい。
【0018】炭素源は添加してもよいが、本発明の増殖
促進法は、主として多環芳香族炭化水素が存在する条件
下で微生物を増殖させるため多環芳香族炭化水素が炭素
源となるので、通常は炭素源の添加の必要はない。炭素
源を添加する場合は、ナフタレン、フェナントレン、フ
ルオレン、ジベンゾチオフェン、アントラセン、ビフェ
ニルなどの多環芳香族炭化水素を添加するのが好ましい
が、ベンゼン、トルエン、キシレン、安息香酸などの単
環の芳香族炭化水素を添加してもよく、また、これら以
外の炭素源(例えば、サリチル酸、酢酸、プロピオン
酸、グルタミン酸)であっても構わない。
【0019】本発明のサイクロクラスティカス属の微生
物の増殖促進法を利用して、環境中の多環芳香族炭化水
素を分解除去することができる。即ち、多環芳香族炭化
水素を含む環境に、鉄源を添加することにより、多環芳
香族炭化水素を分解除去することができる。また、この
際、鉄源とともに、窒素源及びリン源も添加することが
好ましい。鉄源、窒素源、リン源の種類及び添加量は、
上記の微生物の増殖促進法の場合と同様でよい。
【0020】多環芳香族炭化水素の分解除去にあたって
は、サイクロクラスティカス属に属し、多環芳香族炭化
水素分解能を有する微生物を鉄源等とともに添加しても
よいが、添加しなくてもよい。海水等の海洋環境中に
は、このような微生物が普遍的に存在しているので、海
洋環境中の多環芳香族炭化水素を分解除去する場合に
は、通常、微生物を添加しなくてよい。一方、土壌、地
下水等の淡水系の環境中の多環芳香族炭化水素を分解除
去する場合には、必要な塩類等と共に、サイクロクラス
ティカス属に属し、多環芳香族炭化水素分解能を有する
微生物を添加することが通常必要である。
【0021】
【実施例】〔実施例1〕 微生物を添加した培地への鉄
源等の添加 発明者らによって海水より単離されたサイクロクラステ
ィカス属に属する海洋性細菌Cycloclasticus sp. P7株
(以下、単に「P7株」という)が多環芳香族炭化水素を
炭素源として増殖する場合において、その増殖に及ぼす
鉄源の添加の影響を調査するために、フェナントレン
(石油に多く含まれる難分解性の三員環芳香族炭化水
素)を単一炭素源とする回分式の培養実験を行った。培
地には滅菌した海水を用い、炭素源としてフェナントレ
ンを100 mg/L加えた。また、窒素源、リン源、鉄源とし
て、アンモニア性窒素(70 mg-N/L)、リン酸水素ナトリ
ウム(20 mg-P/L)、塩化第一鉄(0.56 mg-Fe/L)をそ
れぞれ加えた。25℃温度条件下で、振とう培養を行い、
経時的に細菌数を計測することによりP7株の増殖の様子
を調査した。
【0022】図1に、P7株のフェナントレンでの増殖の
様子を示した。培養実験開始時(0日目)には、各試験
管に細菌数が106 cells/mLとなるようにP7株を植菌し
た。滅菌海水に窒素、リンのみを添加した系列では、培
養に伴いP7株の菌数は増加し、培養開始後6日目には1.5
5×108 cells/mLとなった。一方、窒素、リンに加えて
鉄源の添加も行った系列では、窒素、リンのみの添加の
系列よりも明らかにP7株の増殖が促進され、最終的に全
菌数は鉄無添加系の約13倍(2.08×109 cells/mL)に
まで達した。すなわち、培地(滅菌海水)に窒素源、リ
ン源に加え鉄源を添加することにより、サイクロクラス
ティカス属に属する多環芳香族炭化水素分解菌P7株のフ
ェナントレンでの増殖、換言すれば多環芳香族炭化水素
の分解を促進出来ることが分かった。 〔実施例2〕 天然海水への鉄源等の添加 海洋環境における窒素、リン、鉄の濃度は、それぞれ1
mg-TN/L, 0.1 mg-TP/L, 0.002 mg-Fe/Lと著しく低いた
め(岡部史郎、広田致、清水和雄、海洋の化学、東海大
学出版会、1980)、窒素、リン、鉄の添加により他の微
生物群の増殖も促進される可能性がある。また天然環境
中では、多種多様な微生物群が存在しているため、それ
らの多様な微生物群が存在する群集(微生物コンソーシ
ア)内では、微生物群の間で基質などをめぐる競合が生
じ、サイクロクラスティカス属微生物単独の純粋培養系
とは窒素源、リン源、鉄源の添加による増殖促進の様子
が異なることが予測される。
【0023】そこで、土着の海洋性細菌が存在する天然
海水を用いた石油分解実験を行い、窒素源、リン源、鉄
源を添加することにより、海水土着のサイクロクラステ
ィカス属細菌が特異的に増殖するかどうかを調べた。岩
手県釜石市平田湾より採取した天然海水に、炭素源とし
て原油の芳香族画分を100 mg/L、さらに炭素源(多環芳
香族炭化水素)がサイクロクラスティカス属微生物増殖
の律速とならないように三員環の多環芳香族炭化水素で
あるフェナントレンを20 mg/L添加した。バイオレメデ
ィエーションを施行するために、窒素源、リン源、鉄源
として、アンモニア性窒素(70 mg-N/L)、リン酸水素ナ
トリウム(20 mg-P/L)、塩化第一鉄(0.56 mg-Fe/L)
をそれぞれ加えた。この実験系では天然海水中に存在す
る土着のサイクロクラスティカス微生物の増殖の様子を
しらべるため、サイクロクラスティカス属微生物の添加
は行わなかった。25℃温度条件下で、振とう培養を行
い、全細菌数およびサイクロクラスティカス属細菌の細
菌数を計測した。なお、サイクロクラスティカス属の細
菌数の計測は、サイクロクラスティカス属細菌に特異的
な遺伝子プローブを用いたin situ (生体内原位置)ハ
イブリダイゼーション法によって行った。図2に各培養
条件下における培養7日目の全細菌数と、微生物コンソ
ーシア内に存在するサイクロクラスティカス属細菌の菌
数を示した。培地(植種源)として用いた天然海水中の
全細菌数は7.94×105 cells/mLであり、またサイクロク
ラスティカス属細菌の存在割合はin situハイブリダイ
ゼーション法での検出限界以下(0.3%未満)であった
が、石油(原油の芳香族画分、フェナントレン)及び窒
素源、リン源を添加した系列では、培養後7日目には、
石油を炭素源として利用する微生物群の増殖により全細
菌数は5.03×107 cells/mLと実験開始時の約60倍になっ
た。この微生物コンソーシア内での多環芳香族炭化水素
分解菌サイクロクラスティカス属細菌の菌数は4.93×10
6 cells/mLであり、全細菌に対する割合は9.8%にまで
増加した。窒素源、リン源に加え鉄源も添加した条件で
は、全細菌数は1.97×108 cells/mLと実験開始時の約25
0倍、また鉄添加を行わなかった系列の約4倍にまで細菌
数が増加した。この鉄源の添加を行った系列では、サイ
クロクラスティカス属細菌の増殖が顕著であり、サイク
ロクラスティカス属細菌の菌数は、1.23×108 cells/mL
と鉄無添加系の25倍にまで達した。この時の、サイクロ
クラスティカス属細菌の全細菌数に対する割合は62.2%
であり、窒素源、リン源に加え鉄源を添加することによ
り、サイクロクラスティカス属に属する微生物を選択的
に増殖促進出来ることが明らかになった。
【0024】
【発明の効果】本発明のサイクロクラスティカス属に属
する微生物の増殖促進法により、石油(多環芳香族炭化
水素)汚染された海洋環境において、サイクロクラステ
ィカス属微生物の増殖を選択的に促進出来る。石油に含
まれる多環芳香族炭化水素の効率的な微生物分解(バイ
オレメディエーション)を行うためには、天然環境中に
存在する土着の有用な石油分解微生物(サイクロクラス
ティカス属微生物)の増殖を制御する必要があり、本発
明は石油汚染のバイオレメディエーションによる浄化に
極めて有益な効果をもたらすようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】P7株がフェナントレンを炭素源として増殖する
場合における窒素、リン、鉄の添加が増殖に与える影響
を表す図
【図2】石油のバイオレメディエーション実験における
全細菌数およびサイクロクラスティカス属細菌の菌数
(培養7日目)を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 1/20 B09B 3/00 E C12R 1:01) (72)発明者 笠井 由紀 岩手県釜石市平田第3地割75番1 株式会 社海洋バイオテクノロジー研究所釜石研究 所内 (72)発明者 原山 重明 岩手県釜石市平田第3地割75番1 株式会 社海洋バイオテクノロジー研究所釜石研究 所内 Fターム(参考) 4B065 AA01X AC20 BA22 BB02 BB03 BB04 BB22 BC03 BC26 CA56 4D004 AA41 AB02 AC07 CA18 CC07 CC11 4D040 DD01 DD11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイクロクラスティカス属に属する微生
    物の存在する培地又は環境に鉄源の添加を行うことを特
    徴とするサイクロクラスティカス属に属する微生物の増
    殖促進法。
  2. 【請求項2】 鉄源とともに、窒素源及びリン源の添加
    も行うことを特徴とする請求項1記載のサイクロクラス
    ティカス属に属する微生物の増殖促進法。
  3. 【請求項3】 サイクロクラスティカス属に属する微生
    物の存在する培地又は環境が、多環芳香族炭化水素を含
    むことを特徴とする請求項1又は2記載のサイクロクラ
    スティカス属に属する微生物の増殖促進法。
  4. 【請求項4】 多環芳香族炭化水素を含む環境に、鉄源
    を添加することを特徴とする多環芳香族炭化水素の分解
    除去方法。
  5. 【請求項5】 鉄源とともに、窒素源及びリン源も添加
    することを特徴とする請求項4記載の多環芳香族炭化水
    素の分解除去方法。
  6. 【請求項6】 鉄源、窒素源、及びリン源とともに、サ
    イクロクラスティカス属に属し、多環芳香族炭化水素分
    解能を有する微生物も添加することを特徴とする請求項
    5記載の多環芳香族炭化水素の分解除去方法。
  7. 【請求項7】 窒素源、リン源、及び鉄源を含むことを
    特徴とする多環芳香族炭化水素分解除去剤。
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WO2007013218A1 (ja) * 2005-07-29 2007-02-01 Aichi Steel Corporation 鉄供給剤、これを含有する植物用鉄供給剤並びにその製造方法
WO2007013217A1 (ja) * 2005-07-29 2007-02-01 Aichi Steel Corporation 酸化第一鉄含有組成物及びこれを含有する植物成長促進剤

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