JP2002293683A - 高鉄分含有の鶏糞肥料の製造方法 - Google Patents
高鉄分含有の鶏糞肥料の製造方法Info
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Abstract
発酵鶏糞肥料の提供。 【解決手段】 鶏糞原料に、二価の鉄化合物及びL−ア
スコルビン酸及び/又はその塩を混合した後、発酵処理
し、次いで乾燥し、顆粒状化及び/又は粉状化処理した
ことを特徴とする高鉄分含有発酵鶏糞肥料の製造方法。
Description
料及びその製造方法に関する。また、本発明は、二価の
鉄化合物を多く含む肥料効果の高い無臭の鶏糞発酵肥料
の高効率の製造方法に関する。
が必要とする成分を多量に含みことから有機質肥料とし
て、牛糞や豚糞のような畜糞と共に古くから広く用いら
れ、生鶏糞、乾燥鶏糞、発酵・乾燥鶏糞の形態で利用さ
れているが、生鶏糞は含水率が高く取り扱いが不便であ
り、臭気が強く、また土壌中で発酵によってメタンガ
ス、アンモニアガス等の有害ガスを発生し、特に植物の
幼植期において生育障害の原因となりやすく、現在では
生鶏糞の状態ではほとんど使用されていない。
ではあるが、生鶏糞と同様に臭気が強く、土壌へ施肥し
た場合には、土壌中で発酵によってメタンガス、アンモ
ニアガス等の有害ガスを発生し、生鶏糞と同様の問題を
生じている。現在市販されている鶏糞は、発酵させた
後、乾燥処理が施されている発酵鶏糞がほとんどであ
る。発酵鶏糞は、発酵によって、鶏糞中の悪臭成分であ
るアンモニアや硫黄化合物が発生することによって、製
品中のこれらの悪臭成分が低減され、悪臭も低減される
ものであるが、悪臭源のアンモニアや硫黄化合物の揮散
による環境汚染の問題があった。
る脱臭剤を使用するのが普通であるが、その他の脱臭剤
として二価鉄又は三価の鉄を含む化合物を利用すること
も公知である。例えばL−アスコルビン酸(ビタミン
C)及び鉄(II)を含む硫酸第一鉄、塩化第一鉄又は硝
酸第一鉄からなる脱臭剤を糞尿や生ゴミ又は肥料の悪臭
防止に使用すること同じく糞尿に対して硫酸第一鉄と、
L−アスコルビン酸ナトリウムと、フライアッシュ又は
ゼオライト粉末との混合した肥料(特開平3−1266
88号公報)も知られている。
については、鶏糞に天然ゼオライトを加えて悪臭を抑
え、肥料効果を改善すること(後藤逸男・蜷木翠共著
「天然ゼオライトの農業利用に関する基礎研究」、東京
農大農学集24,164−183、1979)、粒状又
は粉状の鶏糞などの有機質肥料に硫酸第一鉄や第二鉄な
どの脱臭剤を付着させた脱臭化した鶏糞肥料(特開昭6
0−180983号公報)及び鶏糞に硫酸鉄(II)粉末
とフライアッシュの混合物を加えて脱臭した鶏糞飼料
(特開昭50−32979号公報)も公知である。ま
た、鶏糞を乾燥させた後、発酵槽で発酵させ、さらに得
られた発酵鶏糞にゼオライトを添加して、ゼオライトに
よって悪臭源のアンモニアを補足せしめて土壌改良効果
を改善する発酵鶏糞肥料(特開平11−217285号
公報)も知られている。
鶏糞から臭気を大幅に低減するためには、長期間の発酵
が必要となり、そ生産性が悪く、経済性の面からも問題
があり、クロ−ズシステムによる発酵であっても、アン
モニアや硫黄化合物の悪臭の漏洩の問題も残っていた。
一方では、最近の養鶏場の規模の拡大があり、鶏糞の発
生量も膨大な量となってはいるが、このような鶏糞の大
量の発生にくらべ肥料としての利用性が乏しく、鶏糞肥
料の需要の拡大が希求されていた。しかしながら、鶏糞
原料に対して肥料の有効成分である二価鉄又は三価鉄の
化合物を多く含有せしめ、さらに補助成分を併用するこ
とによって、悪臭のほとんどない発酵鶏糞肥料及びこの
ような肥料を簡便な方法で、高効率で製造する公知技術
は存在していなかった。上述するように鶏糞肥料の利点
を生かした肥料の実現のためには、生産時の悪臭を可及
的に減少せしめ、取り扱いが容易で、且つ付加価値を付
与した鶏糞肥料を高効率で、経済的に、かつ環境汚染の
ない無臭の鶏糞肥料が求められていた。
直接的にゼオライトやフライアッシュのような無機脱臭
剤を使用したのでは、脱臭効果に問題があり、発酵した
乾燥鶏糞が原料の場合には、発酵の工数が増え、効率的
な無臭鶏糞の製造方法とは言えなかった。そこで、本発
明は、多量の二価又は三価鉄化合物を含有せしめた、無
臭性の優れた発酵鶏糞肥料及びこれら高付加価値の発酵
鶏糞肥料を高効率で、経済的に製造する方法の提供を課
題とする。
の製造に当たって、製造工程中の悪臭を防止できるとと
もに、得られた製品も無臭の発酵鶏糞肥料を製造するに
は、脱臭剤を、発酵時に介在させることにより脱臭に要
する発酵時間が短縮され、しかも脱臭剤として特にゼオ
ライトのような吸着による物理的な脱臭よりも化学反応
による脱臭が好ましいという知見に基づいて、作物に対
して根の成長や葉の養分吸収を促進する効果を有する二
価又は三価の鉄化合物、特に二価鉄化合物に対して、L
−アスコルビン酸及び/又はその塩を併用することによ
り、より肥料効果が発揮の発揮せしめるという本発明に
至った。
る二価又は三価の鉄化合物、特に二価鉄化合物は、作物
に対して、光合成を盛んにし、根の成長や葉の養分吸収
を促進する効果を有することを活用して、土壌中には僅
かしか含まれない鉄分を補給するため、本発明者らは、
肥料中に多量の鉄分を含ませるとともに脱臭効果を上げ
るためにアスコルビン酸及び/またはその塩を加えるこ
とによって付加価値の高い鶏糞肥料を提供することがで
きた。
化合物を含有する鶏糞に添加する脱臭剤について検討し
た結果、二価の鉄化合物及びL―アスコルビン酸及び/
又はその塩は、2価の鉄化合物がアンモニアと錯体を形
成し、悪臭源である硫化水素やメルカプタン等の硫黄化
合物との間でFe―S結合を形成し、悪臭成分を固定化
することを利用する。ここで化学的な脱臭反応に使用す
る前記L―アスコルビン酸及び/又はその塩は、この悪
臭成分を固定化作用を活性化するものであり、特にL−
アスコルビン酸ナトリウムは、一般にビタミンCとして
知られるL−アスコルビン酸Naは上述するように硫化
水素やメルカプタン等の硫黄化合物の脱臭に有効なこと
を利用し、鶏糞の悪臭の主成分はアンモニアや硫黄化合
物であることから、鶏糞の脱臭剤として利用できること
につながることとなった。
及びL−アスコルビン酸及び/又はその塩を混合した
後、発酵処理し、次いで乾燥後、顆粒状化及び/又は粉
状化処理することによって上記課題を解決したものであ
る。すなわち、本発明では、脱臭剤中の鉄分はそのまま
鶏糞中に留まるものであるから、本発明では脱臭剤とし
て、二価の鉄化合物及びL−アスコルビン酸及び/又は
その塩を用いることにより、鶏糞の脱臭と鉄分の付与の
両者の機能を発揮することができる。本発明者らの実験
によれば、鶏糞に対して二価の鉄化合物とL―アスコル
ビン酸及び/又はその塩を加えることによって、臭気強
度を大1に減少せしめる、例えば最も臭気の強い鶏糞の
第二生糞層の臭気強度の5〜15%程度に減少せしめる
ことが確認できた。
は、酸化鉄(II)、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一
鉄、硫酸等が挙げられ、L−アスコルビン酸の塩として
はナトリウム塩(ビタミンC)が好ましい。上記二価鉄
化合物の使用量は、原料の発酵鶏糞に対して0.000
02〜0.5重量部程度、L−アスコルビン酸及び/又
はその塩は同じく0.00002〜0.5重量部程度が
よい。鉄化合物が上記0.00001重量部より少ない
と、鉄化合物の本来効果が発揮されないし、0.51重
量部より多いと、鉄分が豊富化過ぎ、植物成長に悪影響
を及ぼす。また、L−アスコルビン酸及び/又はその塩
はついては、使用鉄化合物に対して0.00002〜
0.5重量部であれば、十分である。
に制限されるものではない。
びL−アスコルビン酸を1g添加して、混合し、発酵槽
で発酵を250時間以上行った。得られた発酵鶏糞を乾
燥し、10μmの粒度まで粉砕して製品とした。得られ
た発酵鶏糞は、完全に無臭であった。この製品を分析し
たところ、全N1.8%、全P4.5%、全K2.3
%、全Fe0.01%であった。なお、硫酸第一鉄が1
5gの使用の場合は、脱臭効果が乏しかった。
びL−アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンC)を1g
添加して混合し、発酵槽で発酵を500時間を行った。
この発酵された発酵鶏糞を乾燥し、10μmの粒度まで
粉砕して製品とした。この製品を分析したところ、全N
2.0%、全P4.8%、全K2.4%、全Fe0.0
2%であった。なお、硫酸第一鉄に代えて酸化鉄を使用
した場合にも同等以上の効果が認められた。
合物とL−アスコルビン酸及び/又はその塩を脱臭剤と
して用いているので、脱臭された発酵鶏糞肥料を短期間
で製造でき、しかも、同時に土壌中に不足しがちな鉄分
を多く含有させることができ、そのため、施肥に際し
て、鶏糞本来の養分と共に鉄分も作物に供給できるの
で、両成分の作用と相まって、作物の光合成を盛んに
し、根の成長や葉の養分吸収を向上させて作物の育成を
大幅に向上できるという優れた効果を奏するものであ
り、社会的な寄与は大きき。
Claims (2)
- 【請求項1】 鶏糞原料に、二価の鉄化合物及びL−ア
スコルビン酸及び/又はその塩を混合してなる高鉄分含
有の発酵鶏糞肥料。 - 【請求項2】 鶏糞原料に、2価の鉄化合物及びL−ア
スコルビン酸及び/又はその塩を混合した後、発酵処理
し、次いで乾燥後、顆粒状化及び/又は粉状化処理した
ことを特徴とする請求項1の発酵鶏糞肥料の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001105750A JP2002293683A (ja) | 2001-04-04 | 2001-04-04 | 高鉄分含有の鶏糞肥料の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001105750A JP2002293683A (ja) | 2001-04-04 | 2001-04-04 | 高鉄分含有の鶏糞肥料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=18958385
Family Applications (1)
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JP2001105750A Pending JP2002293683A (ja) | 2001-04-04 | 2001-04-04 | 高鉄分含有の鶏糞肥料の製造方法 |
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JP (1) | JP2002293683A (ja) |
Cited By (5)
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US10314299B2 (en) | 2014-12-05 | 2019-06-11 | Shikoku Cage Co., Ltd. | Insect trap |
-
2001
- 2001-04-04 JP JP2001105750A patent/JP2002293683A/ja active Pending
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