JP2004097167A

JP2004097167A - 海苔養殖用の品質向上剤

Info

Publication number: JP2004097167A
Application number: JP2002267588A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiko Okuzono; 奥薗　一彦
Original assignee: Daiichi Seimo Co Ltd
Current assignee: Daiichi Seimo Co Ltd
Priority date: 2002-09-13
Filing date: 2002-09-13
Publication date: 2004-04-02

Abstract

【構成】鉄化合物を主成分とする海苔養殖用の品質向上剤。
【効果】鉄化合物を含有する処理液にて、海苔を浸漬又は散布することにより、海苔の成長を促進でき、かつ海苔の味・色艶を予くっっっすることができる。
【選択図】　　　なし

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、海苔の成長促進・色艶の向上させる品質向上剤に関する。
【０００２】
【従来の技術】
海苔が利用する海水中の栄養塩類（窒素・リン等）は、河川や干潟から供給されてくる。最近では、河川水の減少、干潟の減少により、海水中の栄養塩類が減少してきている。従って、海苔の味や色艶・伸びが以前より悪くなってきている。
又、海苔の生産が１０月から翌年の３月までの約６ヶ月間であったのが、現在では１月位に栄養塩が低下し海苔養殖が終漁するようになり海苔の生産量も減少してきている。
そのため、海苔の黒みが増し、成長促進効果のある品質向上剤の開発が切望されている。
又、海苔の品質向上に関する鉄の効果を記載した先行技術文献は無い。
【０００３】
【特許文献１】
特開平１０−１３８４号公報（２頁〜３頁）
【０００４】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、海苔の成長を促進するとともに、海苔の色艶を良くする品質向上剤に関する。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、鉄化合物を主成分とする処理液中に海苔を浸漬、又は散布することにより、海苔の品質を向上させることができることを見出した。
即ち、本発明は次の通りである。
（１）鉄化合物を主成分とする海苔養殖用の品質向上剤。
（２）鉄化合物が硫酸第一鉄・硫酸第二鉄・乳酸鉄・クエン酸鉄・クエン酸鉄アンモニウム・グルコン酸鉄・鉄クロロフィリンナトリウム・乳酸鉄・ピロリン酸第一鉄・ピロリン酸第二鉄・フェロシアン化ナトリウム・塩化第一鉄・塩化第二鉄・クエン酸第一鉄ナトリウム・フマル酸第一鉄・リン酸第二鉄の中の１種以上であることを特徴とする海苔養殖用の品質向上剤。
（３）（１）〜（２）に記載の処理剤に海苔を浸漬するか、または海苔処理剤を海苔に散布することを特徴とする海苔の処理方法。
【０００６】
試験例からわかるように、鉄化合物を含有する処理液で、海苔を処理することにより、海苔の成長を促進し、海苔の黒みを増し、海苔の旨み成分が増大することがわかる。鉄濃度１〜５０００ｐｐｍの範囲での処理を行うと、特に顕著な効果が認められる。
【０００７】
本発明の品質向上剤は、鉄化合物を主成分とする海苔養殖用の品質向上剤である。本発明の製剤は、固形状でも液状でも良いが、液状の方が海水にすぐに溶解し使いやすいので好ましい。海苔が付着した海苔網を処理する時は、鉄化合物を溶解もしくは希釈して使用する。
【０００８】
本発明で使用する鉄化合物は、特に限定されるものではないが、硫酸第一鉄・乳酸鉄・クエン酸鉄・クエン酸鉄アンモニウム・グルコン酸鉄・鉄クロロフィリンナトリウム・乳酸鉄・ピロリン酸第一鉄・ピロリン酸第二鉄・フェロシアン化ナトリウム・塩化第二鉄・クエン酸第一鉄ナトリウムは食品添加物として認められているので、これらの中の１種以上を用いる方が安全・環境面で好ましいと考えられる
【０００９】
海苔を処理する時の鉄化合物の濃度は、鉄として１〜５０００ｐｐｍであることが好ましい。何故なら、０．１ｐｐｍ以下もしくは１００００ｐｐｍ以上であると、海苔の成長促進効果が小さくなるからである。
処理時間は、特に限定されないが、作業性を考慮すると、１０秒から２０分の処理が好ましい。海苔養殖中には、酸処理を行い、病害・雑珪藻を駆除する作業が行われているため、その酸処理剤と併用処理しても良い。
【００１０】
肥料成分として、アミノ酸・塩化アンモニウム・硝酸ナトリウム・硝酸ソーダ・硝酸カリウム・リン酸ナトリウム・リン酸アンモニウム・リン酸カリウム・硝酸アンモニウム・糖類を添加することもできる。
【００１１】
（試験１）
冷凍網を出庫した３日後に１回目の処理を行い、１回摘採毎に処理を行い３回摘採海苔について、乾海苔の収量及び海苔の品質（黒さ・旨み）について調査した。処理条件は、表１に記載。処理時間は、１分である。
黒さはクロロフィルａ量に比例するので乾海苔中のクロロフィル量で評価し、旨みは乾海苔中の遊離アミノ酸量を分析し旨みの評価とした。結果は表１に示す。
【００１２】
【表１】

【００１３】
（試験２）
表２に示す鉄化合物をそれぞれ鉄として２００ｐｐｍとなるように溶解して、試験１と同様にして試験を行った。結果を表２に示す。
【００１４】
【表２】

【００１５】
【発明の効果】
鉄化合物を含有する処理液にて、海苔を浸漬又は散布することにより、海苔の品質を向上できることを見出した。

Claims

鉄化合物を主成分とする海苔養殖用の品質向上剤。
鉄化合物が硫酸第一鉄・硫酸第二鉄・乳酸鉄・クエン酸鉄・クエン酸鉄アンモニウム・グルコン酸鉄・鉄クロロフィリンナトリウム・乳酸鉄・ピロリン酸第一鉄・ピロリン酸第二鉄・フェロシアン化ナトリウム・塩化第一鉄・塩化第二鉄・クエン酸第一鉄ナトリウム・フマル酸第一鉄・リン酸第二鉄の中の１種以上であることを特徴とする海苔養殖用の品質向上剤。
請求項１〜２に記載の処理剤に海苔を浸漬するか、または海苔処理剤を海苔に散布することを特徴とする海苔の処理方法。