JP4090636B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫の運搬用把手に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、冷蔵庫は背面板を打抜いて、その開口縁に運搬用把手を装着することで把手部材が形成されていた。
【０００３】
従来のこの種の冷蔵庫としては、実開平２−１３１１８７号公報に示されているものがある。
【０００４】
以下、図面を参照しながら上記従来の冷蔵庫を説明する。
【０００５】
図１０は従来の冷蔵庫の把手部材の取付け部の要部切欠き側面図である。図１１は同冷蔵庫の要部斜視図である。図１０、図１１において、１は冷蔵庫の断熱箱体を構成する外箱の一部であって、外箱１の内側には合成樹脂の内箱が組合され、その間に発泡断熱材２が一体的に発泡成形される。その背面側の上部には開口３が形成され、運搬用把手部材４が取付けられる。
【０００６】
前記把手部材４は合成樹脂で、周縁には開口３に当接させるフランジ５と前記フランジ５の裏側に開口３縁の内側に係止させるための係止爪部材６が形成されるとともに、前記フランジ５の裏面には肉状の弾性片７が一体的に突設されている。
【０００７】
開口３縁の外側から把手部材４を押圧すると、素材の弾性変形とともに、後部の傾斜を乗り越えて開口３縁の後側に係止爪部材６を引掛けて係止させることができ、開口３縁に前記フランジ５の裏面の弾性片７を当接させることができる。
【０００８】
このように、把手部材４の多少の変形があっても開口３縁に対する密着性を得ることができ、フランジ５の裏面のシール性を確保できるとしている。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成は、フランジ５の裏面に設けた可とう性の弾性片７が開口３縁に当接しているので、把手部材４の多少の変形があっても開口３縁に対して密着性を得られ、フランジ５のシール性を確保できるとしているが、注入された断熱材が発泡形成する際、断熱材の発泡圧により弾性片７では洩れる恐れがある。
【００１０】
また冷蔵庫の背面板に開口３を設けてそこに把手部材を押圧し弾性変形させて把手部材に設けた弾性片７でシールするため、開口３縁に対する弾性片７の当接状態を確認することができず、品質の安定性確保に欠けるという欠点を有していた。
【００１１】
本発明は、従来の課題を解決するもので、その第１の目的は冷蔵庫の背面板の両角部に設けた切欠き部に運搬用把手を係合させたので冷蔵庫の背面板と運搬用把手とを隙間なく係合し、断熱材の洩れを防止でき、また作業組立てが容易な構造を提供することである。
【００１２】
また、本発明の第２の目的は、背面板上部の両角部に設けた運搬用把手により冷蔵庫を横に倒した状態での運搬を可能とした冷蔵庫を提供することである。
【００１３】
また、本発明の第３の目的は、背面板下部の両角部に設けた運搬用把手により冷蔵庫を立てた状態での運搬を可能とした冷蔵庫を提供することである。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は、冷蔵庫本体の背面を形成する背面板の角部に設けた切欠き部に運搬用把手とを設け、前記運搬用把手を前記切欠き部に係合させて断熱材で一体発泡したものである。
【００１５】
これにより、断熱材の発泡時洩れのない、作業組立ての簡単な構造の運搬用把手を取付けた冷蔵庫を提供できる。
【００１６】
また、切欠き部は略Ｌ字形状で、切欠き部には運搬用把手が位置決め固定される孔が設けられているものである。
【００１７】
これにより、断熱材の洩れに対して品質の高い冷蔵庫を提供できる。
【００１８】
また、背面板の上部両角部に主に冷蔵庫本体を倒した状態で運搬できる一方の運搬用把手を設けたものである。
【００１９】
これにより、容易に冷蔵庫を運搬することができる。
【００２０】
また、背面板の下部両角部に主に冷蔵庫本体を立てた状態で運搬できる一方の運搬用把手を設けたものである。
【００２１】
これにより、冷蔵庫をわずかに移動させるときや、床面を転がせたくない時などは、非常に便利である。
【００２２】
また、樹脂で成形された運搬用把手と一体に係合部を成形し、前記係合部で電源電線を固定するものである。
【００２３】
これにより、電源電線の電線処理が容易になり、工数もさがるのでコストを低減できる。
【００２４】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１に記載の発明は、冷蔵庫本体の背面を形成する背面板と前記背面板の角部に設けた切欠き部と前記切欠き部に運搬用把手とを設け、前記運搬用把手を前記切欠き部に係合させて断熱材で一体発泡したことを特徴としたものであり、断熱材の洩れを防ぎ品質の高い冷蔵庫を提供できる。
【００２５】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明にさらに切欠き部は略Ｌ字形状で、前記切欠き部には運搬用把手が位置決め固定される孔が設けられていることを特徴とするものであり、適切な位置に固定できるので、さらに品質を向上させることができる。
【００２６】
請求項３に記載の発明は、請求項２に記載の発明にさらに冷蔵庫本体の下部後方に機械室と前記機械室を覆う機械室カバーとを有す冷蔵庫において、前記機械室カバー上方に位置する背面板の上部両角部に第１の運搬用把手を設けたもので運搬時の使い勝手がよい。
【００２７】
請求項４に記載の発明は、請求項２に記載の発明にさらに冷蔵庫本体の下部後方に機械室と前記機械室を覆う機械室カバーとを有す冷蔵庫において、前記機械室カバー上方に位置する背面板の下部両角部に第２の運搬用把手を設けたもので運搬時の使い勝手がよい。
【００２８】
請求項５に記載の発明は、請求項１に記載の発明にさらに樹脂で成形された運搬用把手と一体に係合部を形成し、前記係合部で電源電線を固定したものであり、電線処理を容易に行うことができるとしたものである。
【００２９】
【実施例】
以下、本発明による冷蔵庫の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【００３０】
（実施例１）
図１は、本発明の実施例１による冷蔵庫の背面斜視図である。図２は実施例１の要部分解図である。図３は図１の点線で囲んだ部分の拡大図である。図４は図３のＡ−Ａ線断面図である。図５は図３のＢ−Ｂ線断面図である。図６は図３のＣ−Ｃ線断面図である。図７は実施例１の冷蔵庫の背面板上部角部の平面図である。図８は実施例１の冷蔵庫の背面板下部角部の平面図である。図９は図１のＤ−Ｄ線断面図である。
【００３１】
図１から図９において、２０は冷蔵庫本体であり鋼板製の外箱２１と背面板２２と樹脂製の内箱２３との間に断熱材２４を発泡充填して構成される。
【００３２】
また、冷蔵庫本体２０の下部後方には機械室２５が配置されており、前記機械室は背面を機械室カバー２６で覆われ、背面板２２の下部に位置している。
【００３３】
２７は背面板２２の上部で両角部に設けられた第１の運搬用把手でありＡＢＳ樹脂で成形されている。２８は背面板２２の上部の角部２９に設けられた切欠き部であり略Ｌ字形状に形成されている。
【００３４】
前記切欠き部２８のフランジ３０には略Ｌ字状の段落ち３１が形成され、前記段落ち３１は第１の運搬用把手２７のほぼ板厚だけ断熱材２４側に段落ちしている。
【００３５】
３２は前記段落ち３１に設けられた略コの字状の溝部であり、３３は前記切欠き部２８の近傍に設けられた第１の孔である。
【００３６】
３４は前記第１の運搬用把手２７の裏側で背面板２２側に設けられたリブであり、３５は弾性変形するようにＪの字状に形成された爪部であり前記第１の運搬用把手２７と一体に成形されている。
【００３７】
３６は前記第１の運搬用把手２７と一体に成形された第１のストッパーリブであり、３７は前記第１のストッパーリブ３６からのびた係止爪である。
【００３８】
３８は前記第１の運搬用把手２７と一体に成形された第２のストッパーリブである。
【００３９】
また背面板２２の下部でその両角部には第２の運搬用把手３９が設けられている。切欠き部４０のフランジ４１には略Ｌ字状に段落ち４２が形成されている。４３は前記段落ち４２に設けられた第２の孔であり、４４は前記切欠き部４０の近傍に設けられた第３の孔である。
【００４０】
４５は前記第２の運搬用把手３９に設けられたリブで、４６は弾性変形するようにＪの字状に形成された爪部であり前記第２の運搬用把手３９と一体に成形されている。
【００４１】
４７は前記第２の運搬用把手３９と一体に成形された第３のストッパーリブであり、４８は前記ストッパーリブ４７からのびた係止爪である。
【００４２】
４９は前記第２の運搬用把手３９と一体に成形された第４のストッパーリブである。
【００４３】
次に第１の運搬用把手２７と背面板２２との取付け構造について説明する。
【００４４】
第１の運搬用把手２７に設けたリブ３４は背面板２２に設けた第１の孔３３に嵌め込まれ位置決めされた後、背面板２２の段落ち３１に設けられた溝３２に第１の運搬用把手２７の爪部３５を係合させ、前記爪部３５は弾性変形しながら溝３２に嵌め込まれる。
【００４５】
この時、第１の運搬用把手２７に設けた第２のストッパーリブ３８に背面板２２の端面を当接させ、段落ち部３１と第１の運搬用把手２７のフランジと重なって、背面板２２と第１の運搬用把手２７とはほぼ略同一面に形成され外観的に見栄えがよい。
【００４６】
そして、背面板２２を係止爪３７と第１の運搬用把手２７のフランジとで挟み第１のストッパーリブ３６に背面板２２の端面を当接させて仮固定させる。
【００４７】
そして背面板２２と第１の運搬用把手２７とをビス等で固定させ外箱２１に嵌め込んだ後、断熱材２４を充填させるので背面板２２と第１の運搬用把手２７とは密着した状態で取付いているので断熱材２４が洩れることはない。
【００４８】
また、第２の運搬用把手３９も第１の運搬用把手２７と同様に、第２の運搬用把手３９に設けたリブ４５は背面板２２に設けた第３の孔４４に嵌め込まれ位置決めされた後、背面板２２の段落ち４２に設けられた第２の孔４３に第２の運搬用把手３９の爪部４６を係合させ、前記爪部４６は弾性変形しながら第２の孔４３に嵌め込まれるので一旦嵌め込まれると簡単には外れないので作業時など背面板２２から第２の運搬用把手３９が外れ落ちることはない。
【００４９】
この時、第２の運搬用把手３９に設けた第４のストッパーリブ４９に背面板２２の端面を当接させ、段落ち４２と第２の運搬用把手３９のフランジとが重なって、背面板２２と第２の運搬用把手３９とはほぼ略同一面に形成されるので外観的に見栄えがよい。
【００５０】
そして、背面板２２を係止爪４８と第２の運搬用把手３９のフランジとで挟み第３のストッパーリブ４７に背面板２２の端面を当接させて仮固定させる。
【００５１】
そして背面板２２と第２の運搬用把手３９とをビス等で固定させ外箱２１に嵌め込んだ後、断熱材２４を充填させるので背面板２２と第２の運搬用把手３９とは密着した状態で取付いているので断熱材２４が洩れることはない。
【００５２】
また、第１、第２の運搬用把手２７、３９には冷蔵庫本体２０の機械室２５から配線された電源電線５０を引っ掛けたり固定したりする係合部５１が一体に成形されており工数が減じられ、作業性も簡素化される。
【００５３】
【発明の効果】
以上説明したように請求項１に記載の発明は、冷蔵庫本体の背面を形成する背面板と前記背面板の角部に設けた切欠き部と前記切欠き部に運搬用把手とを設け、前記運搬用把手を前記切欠き部に係合させて断熱材で一体発泡したものであり、運搬用把手取付け部となる背面板の成形が簡素化されコスト低減を図ることができる。
【００５４】
また、運搬用把手の取付け構造が簡素化されかつ断熱材を充填しても洩れない構造の冷蔵庫を提供することができる。
【００５５】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明にさらに、切欠き部は略Ｌ字形状で、前記切欠き部には運搬用把手が位置決め固定される孔が設けられているものであり運搬用把手取付け時のバラツキを防止し品質の安定した冷蔵庫を提供することができる。
【００５６】
請求項３に記載の発明は、請求項２に記載の発明にさらに、冷蔵庫本体の下部後方に機械室と前記機械室を覆う機械室カバーとを有す冷蔵庫において、前記機械室カバー上方に位置する背面板の上部両角部に第１の運搬用把手を設けたものであり、冷蔵庫を倒して運搬する時、持ち運びに便利である。
【００５７】
請求項４に記載の発明は、請求項２に記載の発明にさらに、冷蔵庫本体の下部後方に機械室と前記機械室を覆う機械室カバーとを有す冷蔵庫において、前記機械室カバー上方に位置する背面板の下部両角部に第２の運搬用把手を設けたものであり、冷蔵庫を倒して運べない時や少し移動させるときなど持ち運ぶのに便利である。
【００５８】
請求項５に記載の発明は、請求項１に記載の発明にさらに、樹脂で成形された運搬用把手と一体に係合部を形成し、前記係合部で電源電線を固定するものであり工数が減じられ作業性も簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例１による冷蔵庫の背面斜視図
【図２】実施例１の要部分解図
【図３】図１の点線で囲んだ部分の拡大図
【図４】図３のＡ−Ａ線断面図
【図５】図３のＢ−Ｂ線断面図
【図６】図３のＣ−Ｃ線断面図
【図７】実施例１の冷蔵庫の背面板上部角部の平面図
【図８】実施例１の冷蔵庫の背面板下部角部の平面図
【図９】図１のＤ−Ｄ線断面図
【図１０】従来の冷蔵庫の把手部材の取付け部の要部切欠き側面図
【図１１】同冷蔵庫の要部斜視図
【符号の説明】
２０ 冷蔵庫本体
２２ 背面板
２４ 断熱材
２５ 機械室
２６ 機械室カバー
２７ 第１の運搬用把手
２８ 切欠き部（略Ｌ字形状）
２９ 角部
３３ 第１の孔
３９ 第２の運搬用把手
４３ 第２の孔
４４ 第３の孔
５０ 電源電線
５１ 係合部
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫の運搬用把手に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、冷蔵庫は背面板を打抜いて、その開口縁に運搬用把手を装着することで把手部材が形成されていた。
【０００３】
従来のこの種の冷蔵庫としては、実開平２−１３１１８７号公報に示されているものがある。
【０００４】
以下、図面を参照しながら上記従来の冷蔵庫を説明する。
【０００５】
図１０は従来の冷蔵庫の把手部材の取付け部の要部切欠き側面図である。図１１は同冷蔵庫の要部斜視図である。図１０、図１１において、１は冷蔵庫の断熱箱体を構成する外箱の一部であって、外箱１の内側には合成樹脂の内箱が組合され、その間に発泡断熱材２が一体的に発泡成形される。その背面側の上部には開口３が形成され、運搬用把手部材４が取付けられる。
【０００６】
前記把手部材４は合成樹脂で、周縁には開口３に当接させるフランジ５と前記フランジ５の裏側に開口３縁の内側に係止させるための係止爪部材６が形成されるとともに、前記フランジ５の裏面には肉状の弾性片７が一体的に突設されている。
【０００７】
開口３縁の外側から把手部材４を押圧すると、素材の弾性変形とともに、後部の傾斜を乗り越えて開口３縁の後側に係止爪部材６を引掛けて係止させることができ、開口３縁に前記フランジ５の裏面の弾性片７を当接させることができる。
【０００８】
このように、把手部材４の多少の変形があっても開口３縁に対する密着性を得ることができ、フランジ５の裏面のシール性を確保できるとしている。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成は、フランジ５の裏面に設けた可とう性の弾性片７が開口３縁に当接しているので、把手部材４の多少の変形があっても開口３縁に対して密着性を得られ、フランジ５のシール性を確保できるとしているが、注入された断熱材が発泡形成する際、断熱材の発泡圧により弾性片７では洩れる恐れがある。
【００１０】
また冷蔵庫の背面板に開口３を設けてそこに把手部材を押圧し弾性変形させて把手部材に設けた弾性片７でシールするため、開口３縁に対する弾性片７の当接状態を確認することができず、品質の安定性確保に欠けるという欠点を有していた。
【００１１】
本発明は、従来の課題を解決するもので、その第１の目的は冷蔵庫の背面板の両角部に設けた切欠き部に運搬用把手を係合させたので冷蔵庫の背面板と運搬用把手とを隙間なく係合し、断熱材の洩れを防止でき、また作業組立てが容易な構造を提供することである。
【００１２】
また、本発明の第２の目的は、背面板上部の両角部に設けた運搬用把手により冷蔵庫を横に倒した状態での運搬を可能とした冷蔵庫を提供することである。
【００１３】
また、本発明の第３の目的は、背面板下部の両角部に設けた運搬用把手により冷蔵庫を立てた状態での運搬を可能とした冷蔵庫を提供することである。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は、冷蔵庫本体の背面を形成する背面板の角部に設けた切欠き部に運搬用把手とを設け、前記運搬用把手を前記切欠き部に係合させて断熱材で一体発泡したものである。
【００１５】
これにより、断熱材の発泡時洩れのない、作業組立ての簡単な構造の運搬用把手を取付けた冷蔵庫を提供できる。
【００１６】
また、切欠き部は略Ｌ字形状で、切欠き部には運搬用把手が位置決め固定される孔が設けられているものである。
【００１７】
これにより、断熱材の洩れに対して品質の高い冷蔵庫を提供できる。
【００１８】
また、背面板の上部両角部に主に冷蔵庫本体を倒した状態で運搬できる一方の運搬用把手を設けたものである。
【００１９】
これにより、容易に冷蔵庫を運搬することができる。
【００２０】
また、背面板の下部両角部に主に冷蔵庫本体を立てた状態で運搬できる一方の運搬用把手を設けたものである。
【００２１】
これにより、冷蔵庫をわずかに移動させるときや、床面を転がせたくない時などは、非常に便利である。
【００２２】
また、樹脂で成形された運搬用把手と一体に係合部を成形し、前記係合部で電源電線を固定するものである。
【００２３】
これにより、電源電線の電線処理が容易になり、工数もさがるのでコストを低減できる。
【００２４】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１に記載の発明は、冷蔵庫本体の背面を形成する背面板と前記背面板の角部に設けた切欠き部と前記切欠き部に運搬用把手とを設け、前記運搬用把手を前記切欠き部に係合させて断熱材で一体発泡したことを特徴としたものであり、断熱材の洩れを防ぎ品質の高い冷蔵庫を提供できる。
【００２５】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明にさらに切欠き部は略Ｌ字形状で、前記切欠き部には運搬用把手が位置決め固定される孔が設けられていることを特徴とするものであり、適切な位置に固定できるので、さらに品質を向上させることができる。
【００２６】
請求項３に記載の発明は、請求項２に記載の発明にさらに冷蔵庫本体の下部後方に機械室と前記機械室を覆う機械室カバーとを有す冷蔵庫において、前記機械室カバー上方に位置する背面板の上部両角部に第１の運搬用把手を設けたもので運搬時の使い勝手がよい。
【００２７】
請求項４に記載の発明は、請求項２に記載の発明にさらに冷蔵庫本体の下部後方に機械室と前記機械室を覆う機械室カバーとを有す冷蔵庫において、前記機械室カバー上方に位置する背面板の下部両角部に第２の運搬用把手を設けたもので運搬時の使い勝手がよい。
【００２８】
請求項５に記載の発明は、請求項１に記載の発明にさらに樹脂で成形された運搬用把手と一体に係合部を形成し、前記係合部で電源電線を固定したものであり、電線処理を容易に行うことができるとしたものである。
【００２９】
【実施例】
以下、本発明による冷蔵庫の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【００３０】
（実施例１）
図１は、本発明の実施例１による冷蔵庫の背面斜視図である。図２は実施例１の要部分解図である。図３は図１の点線で囲んだ部分の拡大図である。図４は図３のＡ−Ａ線断面図である。図５は図３のＢ−Ｂ線断面図である。図６は図３のＣ−Ｃ線断面図である。図７は実施例１の冷蔵庫の背面板上部角部の平面図である。図８は実施例１の冷蔵庫の背面板下部角部の平面図である。図９は図１のＤ−Ｄ線断面図である。
【００３１】
図１から図９において、２０は冷蔵庫本体であり鋼板製の外箱２１と背面板２２と樹脂製の内箱２３との間に断熱材２４を発泡充填して構成される。
【００３２】
また、冷蔵庫本体２０の下部後方には機械室２５が配置されており、前記機械室は背面を機械室カバー２６で覆われ、背面板２２の下部に位置している。
【００３３】
２７は背面板２２の上部で両角部に設けられた第１の運搬用把手でありＡＢＳ樹脂で成形されている。２８は背面板２２の上部の角部２９に設けられた切欠き部であり略Ｌ字形状に形成されている。
【００３４】
前記切欠き部２８のフランジ３０には略Ｌ字状の段落ち３１が形成され、前記段落ち３１は第１の運搬用把手２７のほぼ板厚だけ断熱材２４側に段落ちしている。
【００３５】
３２は前記段落ち３１に設けられた略コの字状の溝部であり、３３は前記切欠き部２８の近傍に設けられた第１の孔である。
【００３６】
３４は前記第１の運搬用把手２７の裏側で背面板２２側に設けられたリブであり、３５は弾性変形するようにＪの字状に形成された爪部であり前記第１の運搬用把手２７と一体に成形されている。
【００３７】
３６は前記第１の運搬用把手２７と一体に成形された第１のストッパーリブであり、３７は前記第１のストッパーリブ３６からのびた係止爪である。
【００３８】
３８は前記第１の運搬用把手２７と一体に成形された第２のストッパーリブである。
【００３９】
また背面板２２の下部でその両角部には第２の運搬用把手３９が設けられている。切欠き部４０のフランジ４１には略Ｌ字状に段落ち４２が形成されている。４３は前記段落ち４２に設けられた第２の孔であり、４４は前記切欠き部４０の近傍に設けられた第３の孔である。
【００４０】
４５は前記第２の運搬用把手３９に設けられたリブで、４６は弾性変形するようにＪの字状に形成された爪部であり前記第２の運搬用把手３９と一体に成形されている。
【００４１】
４７は前記第２の運搬用把手３９と一体に成形された第３のストッパーリブであり、４８は前記ストッパーリブ４７からのびた係止爪である。
【００４２】
４９は前記第２の運搬用把手３９と一体に成形された第４のストッパーリブである。
【００４３】
次に第１の運搬用把手２７と背面板２２との取付け構造について説明する。
【００４４】
第１の運搬用把手２７に設けたリブ３４は背面板２２に設けた第１の孔３３に嵌め込まれ位置決めされた後、背面板２２の段落ち３１に設けられた溝３２に第１の運搬用把手２７の爪部３５を係合させ、前記爪部３５は弾性変形しながら溝３２に嵌め込まれる。
【００４５】
この時、第１の運搬用把手２７に設けた第２のストッパーリブ３８に背面板２２の端面を当接させ、段落ち部３１と第１の運搬用把手２７のフランジと重なって、背面板２２と第１の運搬用把手２７とはほぼ略同一面に形成され外観的に見栄えがよい。
【００４６】
そして、背面板２２を係止爪３７と第１の運搬用把手２７のフランジとで挟み第１のストッパーリブ３６に背面板２２の端面を当接させて仮固定させる。
【００４７】
そして背面板２２と第１の運搬用把手２７とをビス等で固定させ外箱２１に嵌め込んだ後、断熱材２４を充填させるので背面板２２と第１の運搬用把手２７とは密着した状態で取付いているので断熱材２４が洩れることはない。
【００４８】
また、第２の運搬用把手３９も第１の運搬用把手２７と同様に、第２の運搬用把手３９に設けたリブ４５は背面板２２に設けた第３の孔４４に嵌め込まれ位置決めされた後、背面板２２の段落ち４２に設けられた第２の孔４３に第２の運搬用把手３９の爪部４６を係合させ、前記爪部４６は弾性変形しながら第２の孔４３に嵌め込まれるので一旦嵌め込まれると簡単には外れないので作業時など背面板２２から第２の運搬用把手３９が外れ落ちることはない。
【００４９】
この時、第２の運搬用把手３９に設けた第４のストッパーリブ４９に背面板２２の端面を当接させ、段落ち４２と第２の運搬用把手３９のフランジとが重なって、背面板２２と第２の運搬用把手３９とはほぼ略同一面に形成されるので外観的に見栄えがよい。
【００５０】
そして、背面板２２を係止爪４８と第２の運搬用把手３９のフランジとで挟み第３のストッパーリブ４７に背面板２２の端面を当接させて仮固定させる。
【００５１】
そして背面板２２と第２の運搬用把手３９とをビス等で固定させ外箱２１に嵌め込んだ後、断熱材２４を充填させるので背面板２２と第２の運搬用把手３９とは密着した状態で取付いているので断熱材２４が洩れることはない。
【００５２】
また、第１、第２の運搬用把手２７、３９には冷蔵庫本体２０の機械室２５から配線された電源電線５０を引っ掛けたり固定したりする係合部５１が一体に成形されており工数が減じられ、作業性も簡素化される。
【００５３】
【発明の効果】
以上説明したように請求項１に記載の発明は、冷蔵庫本体の背面を形成する背面板と前記背面板の角部に設けた切欠き部と前記切欠き部に運搬用把手とを設け、前記運搬用把手を前記切欠き部に係合させて断熱材で一体発泡したものであり、運搬用把手取付け部となる背面板の成形が簡素化されコスト低減を図ることができる。
【００５４】
また、運搬用把手の取付け構造が簡素化されかつ断熱材を充填しても洩れない構造の冷蔵庫を提供することができる。
【００５５】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明にさらに、切欠き部は略Ｌ字形状で、前記切欠き部には運搬用把手が位置決め固定される孔が設けられているものであり運搬用把手取付け時のバラツキを防止し品質の安定した冷蔵庫を提供することができる。
【００５６】
請求項３に記載の発明は、請求項２に記載の発明にさらに、冷蔵庫本体の下部後方に機械室と前記機械室を覆う機械室カバーとを有す冷蔵庫において、前記機械室カバー上方に位置する背面板の上部両角部に第１の運搬用把手を設けたものであり、冷蔵庫を倒して運搬する時、持ち運びに便利である。
【００５７】
請求項４に記載の発明は、請求項２に記載の発明にさらに、冷蔵庫本体の下部後方に機械室と前記機械室を覆う機械室カバーとを有す冷蔵庫において、前記機械室カバー上方に位置する背面板の下部両角部に第２の運搬用把手を設けたものであり、冷蔵庫を倒して運べない時や少し移動させるときなど持ち運ぶのに便利である。
【００５８】
請求項５に記載の発明は、請求項１に記載の発明にさらに、樹脂で成形された運搬用把手と一体に係合部を形成し、前記係合部で電源電線を固定するものであり工数が減じられ作業性も簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例１による冷蔵庫の背面斜視図
【図２】実施例１の要部分解図
【図３】図１の点線で囲んだ部分の拡大図
【図４】図３のＡ−Ａ線断面図
【図５】図３のＢ−Ｂ線断面図
【図６】図３のＣ−Ｃ線断面図
【図７】実施例１の冷蔵庫の背面板上部角部の平面図
【図８】実施例１の冷蔵庫の背面板下部角部の平面図
【図９】図１のＤ−Ｄ線断面図
【図１０】従来の冷蔵庫の把手部材の取付け部の要部切欠き側面図
【図１１】同冷蔵庫の要部斜視図
【符号の説明】
２０ 冷蔵庫本体
２２ 背面板
２４ 断熱材
２５ 機械室
２６ 機械室カバー
２７ 第１の運搬用把手
２８ 切欠き部（略Ｌ字形状）
２９ 角部
３３ 第１の孔
３９ 第２の運搬用把手
４３ 第２の孔
４４ 第３の孔
５０ 電源電線
５１ 係合部
Claims (5)
- 冷蔵庫本体の背面を形成する背面板と前記背面板の角部に設けた切欠き部と前記切欠き部に運搬用把手とを設け、前記運搬用把手を前記切欠き部に係合させて断熱材で一体発泡したことを特徴とする冷蔵庫。
- 切欠き部は略Ｌ字形状で、前記切欠き部には運搬用把手が位置決め固定される孔が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の冷蔵庫。
- 冷蔵庫本体の下部後方に機械室と前記機械室を覆う機械室カバーとを有する冷蔵庫において、前記機械室カバー上方に位置する背面板の上部両角部に第１の運搬用把手を設けたことを特徴とする請求項２記載の冷蔵庫。
- 冷蔵庫本体の下部後方に機械室と前記機械室を覆う機械室カバーとを有す冷蔵庫において、前記機械室カバー上方に位置する背面板の下部両角部に第２の運搬用把手を設けたことを特徴とする請求項２記載の冷蔵庫。
- 樹脂で成形された運搬用把手と一体に係合部を形成し、前記係合部で電源電線を固定することを特徴とする請求項１に記載の冷蔵庫。
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