JP4085253B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンの冷却装置に関し、より詳しくは、シリンダヘッド表面に開口するウォータージャケットを備えたエンジンの冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置が知られている。
そして、このようなエンジンの冷却装置の一例として、特表2000−502768号公報が知られ、この公報によれば、上記制御板によってウォータージャケット内の冷却水の流れを制御して、効率的にエンジンの冷却を行うものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報におけるエンジンの冷却装置のようにウォータージャケット内の冷却水の流れを制御しても、いまだに以下のような問題が生じている。
第1の問題として、エンジンの燃焼室では、インテークポート側よりもエキゾーストポート側のほうが高温となることが知られており、これはシリンダ壁のエキゾーストポート側でも同様となっている。
このため、シリンダ壁のインテークポート側とエキゾーストポート側には温度差が生じ、十分にエキゾーストポート側が冷却されない場合には、エキゾーストポート側のシリンダ壁は熱膨張のために変形してしまい、シリンダボアの変形によるオイル上がりや、シリンダブロック表面が変形してガスケットのシール不良につながる。
第2の問題として、シリンダブロックには上記ウォータージャケットに冷却水を供給する冷却水通路が設けられているが、この冷却水通路の入口に接近している位置に設けられたシリンダ壁近傍の冷却水温度と、上記入口から離れた位置に設けられたシリンダ壁近傍の冷却水温度とでは、後者の冷却水温度のほうが高くなっており、そのぶんだけ入口から離れた位置に設けられたシリンダ壁の冷却が十分に行われず、熱膨張によってシリンダ壁が変形し、オイル上がりやガスケットのシール不良といった問題が生じてしまう。
第3の問題として、エンジンの始動時、すなわちエンジンが暖気されていない状態ではシリンダボアの温度は高くなっておらず、冷却水によって冷却する必要はない。しかしながらエンジンが始動することで冷却水はシリンダ壁の冷却を始めてしまうので、この冷却水によってシリンダ壁の温度上昇が妨げられ、エンジンが暖気されるのにかかる時間が長くなる。
そして、暖機運転時における燃費は通常時における燃費と比較すると悪いのが一般的であり、暖気運転にかかる時間が長くなればなるほど、燃費が悪化することになる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上のような問題に対し、本発明の第1請求項におけるエンジンの冷却装置は、一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、上記インテークポート側のみに設けられていることを特徴としている。
【0005】
また、本発明の第2請求項におけるエンジンの冷却装置は、一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、上記インテークポート側とエキゾーストポート側とのそれぞれに設けられ、かつエキゾーストポート側における制御板とシリンダ壁との間隔は、インテークポート側における制御板とシリンダ壁との間隔よりも狭く設定されていることを特徴としている。
【0006】
さらに、本発明の第3請求項におけるエンジンの冷却装置は、一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記シリンダボアは複数設けられており、また制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、各シリンダボア毎にインテークポート側とエキゾーストポート側とのそれぞれに設けられ、さらに上記ウォータージャケットに冷却水を供給する冷却水通路の入口に接近している位置に設けられたシリンダボアにおける制御板とシリンダ壁との間隔は、上記入口から離れた位置に設けられたシリンダボアにおける制御板とシリンダ壁との間隔よりも広く設定されていることを特徴としている。
【0007】
そして、本発明の第4請求項におけるエンジンの冷却装置は、一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記シリンダボアは複数設けられており、また制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、各シリンダボア毎にインテークポート側とエキゾーストポート側とのそれぞれに設けられ、かつ各シリンダボア毎に設けられたインテークポート側の制御板は相互に連結されるとともに、各シリンダボア毎に設けられたエキゾーストポート側の制御板は相互に連結されており、
さらに上記ウォータージャケットに冷却水を供給する冷却水通路の入口に接近している位置のインテークポート側の制御板とエキゾーストポート側の制御板との間には、冷却水が所定の温度まであがったら開口するサーモバルブを設けたことを特徴としている。
【0008】
上記請求項1の発明によれば、上記制御板をインテークポート側に設けることで、ウォータージャケットのインテークポート側とエキゾーストポート側とでは、流通する冷却水の流量が異なり、エキゾーストポート側での流量のほうが多くなる。
冷却水の流量が多くなることによって、そのぶんだけ冷却水によるシリンダ壁の冷却効率が上がり、エキゾーストポート側でのシリンダ壁の冷却が効率的に行われ、シリンダ壁のインテークポート側とエキゾーストポート側に生じていた温度差を減少させることができ、エキゾーストポート側のシリンダ壁が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、エキゾーストポート側での制御板とシリンダ壁の間隔をインテークポート側よりも狭くすることで、シリンダ壁面近くの冷却水の流速が壁面との摩擦によって壁面から十分離れたところの流速よりも減速された層(以下この層を境界層という。)の厚さを比較した場合、エキゾーストポート側のシリンダ壁面での境界層が、インテークポート側のシリンダ壁面での境界層よりも薄くなる。
シリンダ壁面での境界層が薄くなると、その部分での冷却水の淀みが減少してエキゾーストポート側でのシリンダ壁の冷却が効率的に行われるので、シリンダ壁のインテークポート側とエキゾーストポート側に生じていた温度差を減少させることができ、エキゾーストポート側のシリンダ壁が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0010】
さらに、請求項3によれば、冷却水通路入口に隣接するシリンダボアにおける制御板とシリンダ壁との間隔を、入口から離隔するシリンダボアにおける制御板とシリンダ壁との間隔よりも広く設定することで、冷却水通路入口より離隔するシリンダボアでの制御板とシリンダ壁との間における冷却水の、シリンダ壁面の境界層が冷却水通路入口に隣接するシリンダボアでの壁面の境界層よりも薄くなる。
シリンダ壁面の境界層が薄くなると、その部分での冷却水の淀みが減少して冷却水通路入口より離隔するシリンダボアでのシリンダ壁の冷却が効率的に行われるので、シリンダ壁の冷却水通路入口より離隔するシリンダボアと冷却水通路入口に隣接するシリンダボアに生じていた温度差を減少させることができ、冷却水通路入口より離隔するシリンダボアのシリンダ壁が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0011】
そして、請求項4によれば、暖機運転時、すなわちウォータージャケット内の冷却水温度が低いときにはサーモバルブが閉じており、冷却水通路よりウォータージャケットに流入する冷却水は制御板の外周側を流通する。
これに対して制御板よりもシリンダ壁側では、サーモバルブが閉じているために新たな冷却水が流入してこないため、冷却水は殆ど流動することはない。したがって、制御板よりもシリンダ壁側に位置する冷却水の温度は、シリンダ壁が燃焼室内での燃焼によって温度上昇するのに伴って速やか上昇する。
そして、エンジンの暖気がなされて冷却水が所定の温度になったらサーモバルブが開口するので、冷却水通路からの冷却水は制御板よりもシリンダ壁側に流入してシリンダ壁の冷却をするので、シリンダ壁が熱膨張によって変形するといった問題が発生することもない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図示実施例について説明すると、図1は3気筒エンジンにおけるシリンダブロック1の表面を、図示しないシリンダヘッド側から見た平面図である。
上記シリンダブロック1は3つのシリンダ壁3を備えており、各シリンダ壁3の内側がシリンダボア2となっている。また各シリンダ壁3を囲繞して相互に連通するウォータージャケット4が形成されており、このウォータージャケット4はシリンダブロック1の表面に開口し、さらにこのウォータージャケット4に冷却水を供給するための冷却水通路5が形成されている。
そして、シリンダブロック1には潤滑油を流通させる油穴6と、シリンダヘッドとシリンダブロック1とを締結させる際に使用するボルト孔7と、ブローバイガスを流通させるブローバイ孔8とが形成されている。
【0013】
つぎに、図2は本実施例におけるガスケット11を示したものであり、当該ガスケット11はシリンダヘッドとシリンダブロック1とによって挟持されてこれらをシールするようになっている。また、図2に記されている2点鎖線は上記シリンダブロック1におけるウォータージャケット4と冷却水通路5の位置を示している。
ガスケット11には上記シリンダボア2、油穴6、ボルト孔7、ブローバイ孔8にあわせて、それぞれ燃焼室孔12、油穴13、ボルト孔14、ブローバイ孔15が穿設されている。
また、上記冷却水通路5に対して最も離隔した位置の燃焼室孔12の近傍には、ウォータージャケット4と重合する位置に水孔16が設けられ、上記冷却水通路5からウォータージャケット4内に流入した冷却水は、該ウォータージャケット4内を流通してから上記水孔16を介してシリンダヘッド側に流出するようになっている。
【0014】
そして、本実施例では上記ガスケット11に、インテークポート側のウォータージャケット4内にシリンダブロック1側に向けて突出する制御板21が設けられており、本実施例では図2の点線にて示すように、制御板21はウォータージャケット4の形状に沿って円弧状に形成されている。
なお、図に示すように本実施例においては上記水孔17の形成されている位置には制御板21を設けないようになっているが、この水穴に沿って制御板21を設けていてもよい。
そして図3は図2のIII−III断面についての図であり制御板21はウォータージャケット4内に向けて所定量突出するように設けられ、制御板21の上方側の端部はガスケット11に溶接されている。
この制御板21を設けることによって、冷却水通路5よりウォータージャケット4内に流入する冷却水の流量は、インテークポート側における流量よりも、エキゾーストポート側における流量のほうが増大することとなる。
冷却水の流量が増大することによって、エキゾーストポート側での冷却水によるシリンダ壁3の冷却効率が上がるので、シリンダ壁3のインテークポート側とエキゾーストポート側に生じていた温度差が減少し、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0015】
このように、インテークポート側のウォータージャケット4に沿って円弧状の制御板21を突出させることで、制御板21の体積分だけインテークポート側のウォータージャケット4内を流通する冷却水の流量が減少し、そのぶんだけエキゾーストポート側のウォータージャケット4内を流通する冷却水の流量が増大する。
エキゾーストポート側のウォータージャケット4内を流れる冷却水の流量が増大することで、エキゾーストポート側での冷却水の冷却効率が高まり、エキゾーストポート側のシリンダ壁3のほうがインテークポート側のシリンダ壁3よりも冷却されることとなるので、インテークポート側とエキゾーストポート側とで発生するシリンダ壁3の温度差を減少させることができ、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
なお、図2や図3に示した上記制御板21の形状はほんの一例であり、制御板21をウォータージャケットにおいて配置する範囲や、制御板21のウォータージャケット4への突出量などは任意に定めることができ、さらに後述する図6のように制御板21の板厚をガスケット11側とウォータージャケット4の底面側とで異ならせてもよい。
【0016】
つぎに、図4は本発明の第2実施例を示すガスケット11を示し、本実施例では上記ガスケット11に、エンジンのインテークポート側とエキゾースト側の双方のウォータージャケット4内に、シリンダブロック1側に向けて突出する制御板21を設け、本実施例でも図4の点線にて示すように、制御板21はウォータージャケット4の形状に沿って円弧状に形成されている。
また、本実施例では図示左方に位置するシリンダボア2では、インテークポート側の制御板21の端部はインテークポート側に穿設されている水孔17の端部まで形成され、エキゾーストポート側の制御板21の端部はエキゾーストポート側に穿設されている水孔17の端部まで形成され、2つの水孔17の間にはさらに別の制御板21が形成されている。
一方、図示右方側のシリンダボア2の制御板21においては、インテークポート側の制御板21の端部を冷却水通路5の入口付近まで延長し、エキゾーストポート側の制御板21の端部は冷却水通路5の入口付近まで設けることで、冷却水通路5の入口付近にインテークポート側の制御板21とエキゾーストポート側の制御板21による開口部21aが形成される。
【0017】
そして、図5は図4におけるV−V断面を示したものとなっており、この図においてTは制御板21の板厚を、aはシリンダ壁3と制御板21の表面との間の間隔を示し、この図は図4のV−V部に限らず、各制御板21についても同様となっている。
そして、本実施例では制御板21の板厚Tを一定とし、インテークポート側とエキゾーストポート側とで制御板21のシリンダ壁3に対する間隔aを異ならせて、シリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止するようになっている。
具体的に述べると、エキゾーストポート側における間隔aをインテークポート側の間隔aよりも小さくすると、エキゾーストポート側におけるシリンダ壁3と制御板21との間を流れる冷却水において、シリンダ壁3の壁面における境界層は、インテークポート側でのシリンダ壁3の壁面での境界層よりも薄くなる。
このように、シリンダ壁3の壁面での境界層が薄くなると、シリンダ壁3近傍での冷却水の淀みが減少してそのぶんだけシリンダ壁3の冷却が効率的に行われることとなる。
従って、エキゾーストポート側におけるシリンダ壁3の冷却効率が高まることとなり、シリンダ壁3のインテークポート側とエキゾーストポート側とで発生する温度差を減少させることができるので、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0018】
また、図5において、制御板21の中心の位置とシリンダ壁3との間隔を一定とし、上記制御板21の板厚Tを異ならせて、エキゾーストポート側の制御板21の板厚Tをインテークポート側の板厚Tよりも大きくしてもよい。
このようにすれば、エキゾーストポート側での制御板21とシリンダ壁3との間隔aのほうがインテークポート側での間隔aよりも小さくなるので、エキゾーストポート側におけるシリンダ壁3の壁面での境界層は、インテークポート側での境界層より薄くなる。
従って、エキゾーストポート側とインテークポート側とで制御板21とシリンダ壁3との間隔を異ならせたときと同様、シリンダ壁3のインテークポート側とエキゾーストポート側とで発生する温度差を減少させることができるので、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0019】
また、図5においては制御板21の板厚Tは一定となっているが、図6のように制御板21の板厚をウォータージャケット4の深さ方向で変化させるようにしてもよい。
すなわち、図6のように制御板21のガスケット11側の板厚Tを厚く設定し、ウォータージャケット4の底面側の板厚Tを薄くすることで、ガスケット11側での間隔aの値はウォータージャケット4の底面側での間隔aの値よりも小さくなる。
このようにする事で、ガスケット11側での冷却水のシリンダ壁3の壁面での境界層はウォータージャケット4の底面側での境界層よりも薄くなり冷却水の淀みが減少し、その分だけシリンダ壁3のシリンダブロック1表面側に対する冷却効果が高まり、燃焼室に近い当該部分がより効果的に冷却されるようになる。
【0020】
図7は本発明の第3実施例におけるガスケット11を示し、本実施例も上記第2実施例同様に制御板21が配置され、インテークポート側とエキゾーストポート側の双方に制御板21が設けられている。
そして、本実施例では冷却水通路5の入口に接近した位置のシリンダボア2での制御板21とシリンダ壁3の間隔を、上記入口から離れた位置のシリンダボア2での制御板21とシリンダ壁3との間隔よりも広く設定するようになっている。
具体的には、全てのシリンダボア2における制御板21の板厚の中心とシリンダ壁3との距離を一定にしたまま、上記冷却水通路5の入口に隣接するシリンダボア2を囲繞する制御板21の板厚を、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダボア2を囲繞する制御板21の板厚よりも薄く設定するようになっている。
【0021】
通常、冷却水通路5よりウォータージャケット4内に流入したばかりの冷却水は、シリンダ壁3等によって加熱されておらず、多少流速が遅くとも十分に冷却効果の高いものとなっている。
一方、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダ壁3に到達した冷却水は既に他のシリンダ壁3を冷却したことで水温が上昇しているので、この位置での冷却水の冷却効率は冷却水通路5の入口近郊における冷却水の冷却効率に比べて低いものとなっている。
このため、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダ壁3は冷却が十分に行われないことで他のシリンダ壁3に比べて高温となってしまい、熱膨張によって変形し、オイル上がりやガスケット11のシール不良を招くことになる。
さらに、本実施例のように多気筒エンジンの場合、そのうちの1つのシリンダボア2だけが高温となると、燃焼室内に噴射される燃料の量が制限されたり、ピストンの進角が制限されたりして、エンジンの性能を十分に発揮することができなくなる。
【0022】
このような問題に対し、本実施例では各シリンダボア2ごとに制御板21とシリンダ壁3との間隔aを異ならせ、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダボア2でのシリンダ壁3と制御板21の間隔を、冷却水通路5に隣接するシリンダボア2でのシリンダ壁3と制御板21の間隔よりも狭くすることで、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダボア2におけるシリンダ壁3の壁面での境界層が薄くなるようにしている。
したがって、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダ壁3を効率的に冷却できるようになるので、各シリンダ壁3間において生じてしまう温度差を減少させることができ、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
また、各シリンダボア2ごとに制御板21の板厚を異ならせる代わりに、上記第2実施例のように制御板21の板厚を一定としたまま制御板21とシリンダ壁との間隔を異ならせても、上述したのと同様の結果を得ることができるし、図5に示すように制御板21のガスケット側とウォータージャケット4の底面側でその板厚を異ならせてもよい。
なお、本実施例においてはエキゾーストポート側とインテークポート側とで制御板21とシリンダ壁3との間隔を異ならせていないが、第2実施例のようにこの間隔を異ならせることによって、本実施例にて得られる効果に追加してさらに上記第2実施例と同様の効果も得ることができる。
【0023】
図8は本発明の第4実施例を示すガスケット11を示し、本実施例においても、制御板21は各シリンダボア2のインテークポート側とエキゾーストポート側とに設けられ、本実施例においては隣接するシリンダボア2のエキゾーストポート側の制御板21は互いに連結され、インテークポート側の制御板21も互いに連結されている。
また、冷却水通路5の入口に隣接する位置の開口部には、冷却水の温度が所定の温度となったら開口するサーモバルブ22が設けられており、ガスケット11の水孔17と重合する位置を除き、ウォータージャケットは制御板21によってシリンダ壁側の内周室と、その外側の外周室とに区画されるようになっている。なお、この際制御板21のウォータージャケット4の底面側での位置は、ウォータージャケット4の底面に達していてもよいが、特に達している必要はない。
【0024】
そして、図9は上記サーモバルブ22の拡大図を示したものであり、実線がサーモバルブ22の開口している状態を示したものであり、2点鎖線がサーモバルブ22の閉鎖された状態を示している。
このサーモバルブは2枚のバイメタル材によって構成されており、各バイメタル材の一方の端部はインテークポート側とエキゾーストポート側の制御板21の端部に固定され、もう一方の端部はサーモバルブ22が閉鎖された状態となったときに互いに接するように設けられている。
そしてこのサーモバルブ22周辺の冷却水温度が所定の温度に達したら、上記バイメタル材がシリンダ壁3に向けて変形し、サーモバルブ22が開口状態となる。また、冷却水が所定の温度に達していないときにはサーモバルブ22は閉鎖された状態となっている。
【0025】
通常、エンジンの始動時、すなわちエンジンが暖気されていない状態ではシリンダボア2の温度は高くなっておらず、冷却水によって冷却する必要はない。しかしながらエンジンが始動してしまうと冷却水はウォーターポンプによってウォータージャケット内に流入し、シリンダ壁の冷却を始めてしまう。
すると、この冷却水によってシリンダ壁の温度上昇が妨げられ、エンジンが暖気されるのにかかる時間が長くなってしまい、暖機運転時における燃費は暖気終了後における燃費と比較すると悪いのが一般的であり、暖気運転にかかる時間が長くなればなるほど、燃費が悪化することになる。
【0026】
これに対し、本実施例によれば、エンジンが始動されてシリンダボア2の温度が上昇し、内周室4aにおけるシリンダ壁3周辺の冷却水が所定の温度に達するまでは、サーモバルブ22が閉じた状態となっているので、冷却水は殆ど流動せず、何らシリンダ壁3を冷却する効果をもっていないので、シリンダ壁3は冷却水によって冷却されることなく速やかに温度上昇し、エンジンの暖気が速やかに行われる。
この暖気が行われる間、サーモバルブ22は閉鎖した状態を保つので、冷却水が冷却水通路5よりウォータージャケット4内に流入しても、冷却水は上記内周室4aに流入することなく外周室4bを流通し、そのまま水孔17を介してシリンダヘッド側へと流れてゆくようになっている。
そして、シリンダ壁3の温度が上昇してその周辺の冷却水が所定の温度となったら、バイメタル材が変形してサーモバルブ22が開口するので、冷却水通路5からの冷却水がサーモバルブ22を介して内周室4aに流入する。
そして、一度サーモバルブ22が開口すると、その後冷却水はサーモバルブ22から内周室4a内に直接的に流入し、この冷却水はそのまま内周室4a内を流通することとなるので、シリンダボア2の冷却が良好に行われることとなる。
以上のことから、本実施例によればエンジンの暖気にかかる時間を短縮させることができるとともに、エンジンが暖気された後は内周室4a側に冷却水を流通させることで効果的にシリンダボア2の冷却を行うことができる。
【0027】
なお、本実施例においても、上記第2、第3実施例のように、シリンダ壁3と制御板21と間隔を異ならせてインテークポート側とエキゾーストポート側とでシリンダ壁3近傍における冷却水の速度勾配を異ならせたり、冷却水通路5の入口に隣接するシリンダボア2と離隔するシリンダボア2とでのシリンダ壁3近傍おける冷却水の速度勾配を異ならせて、シリンダ壁が熱膨張によって変形するのを防止させることも可能である。
【0028】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、シリンダボアのエキゾーストポート側における冷却水の流量を増大させることで、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
請求項2の発明によれば、シリンダボアのエキゾーストポート側におけるシリンダ壁の壁面での境界層を薄くすることで、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
請求項3の発明によれば、冷却水通路5より離隔した位置のシリンダボアにおけるシリンダ壁の壁面での境界層を薄くすることで、冷却水通路5より離隔した位置のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
請求項4の発明によれば、ウォータージャケットを制御板によってシリンダ壁側とその外周側とに分けることで、エンジンの暖機運転が速やかに行われるとともに、暖気がなされた後はシリンダボアの冷却が効果的に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダブロック1の表面を示す平面図。
【図2】本発明の第1実施例のガスケット11を示す平面図。
【図3】図2のIII−III部に関する断面図。
【図4】本発明の第2実施例のガスケット11を示す平面図。
【図5】図4のV−V部に関する断面図。
【図6】図5とは異なる態様を示す図4のB−B部に関する断面図。
【図7】本発明の第3実施例のガスケット11を示す平面図。
【図8】本発明の第4実施例のガスケット11を示す平面図。
【図9】図8のサーモバルブ22を示す拡大図。
【符号の説明】
1 シリンダブロック 2 シリンダボア
3 シリンダ壁 4 ウォータージャケット
4a 内周室 4b 外周室
5 冷却水通路 11 ガスケット
21 制御板 22 サーモバルブ
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンの冷却装置に関し、より詳しくは、シリンダヘッド表面に開口するウォータージャケットを備えたエンジンの冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置が知られている。
そして、このようなエンジンの冷却装置の一例として、特表2000−502768号公報が知られ、この公報によれば、上記制御板によってウォータージャケット内の冷却水の流れを制御して、効率的にエンジンの冷却を行うものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報におけるエンジンの冷却装置のようにウォータージャケット内の冷却水の流れを制御しても、いまだに以下のような問題が生じている。
第1の問題として、エンジンの燃焼室では、インテークポート側よりもエキゾーストポート側のほうが高温となることが知られており、これはシリンダ壁のエキゾーストポート側でも同様となっている。
このため、シリンダ壁のインテークポート側とエキゾーストポート側には温度差が生じ、十分にエキゾーストポート側が冷却されない場合には、エキゾーストポート側のシリンダ壁は熱膨張のために変形してしまい、シリンダボアの変形によるオイル上がりや、シリンダブロック表面が変形してガスケットのシール不良につながる。
第2の問題として、シリンダブロックには上記ウォータージャケットに冷却水を供給する冷却水通路が設けられているが、この冷却水通路の入口に接近している位置に設けられたシリンダ壁近傍の冷却水温度と、上記入口から離れた位置に設けられたシリンダ壁近傍の冷却水温度とでは、後者の冷却水温度のほうが高くなっており、そのぶんだけ入口から離れた位置に設けられたシリンダ壁の冷却が十分に行われず、熱膨張によってシリンダ壁が変形し、オイル上がりやガスケットのシール不良といった問題が生じてしまう。
第3の問題として、エンジンの始動時、すなわちエンジンが暖気されていない状態ではシリンダボアの温度は高くなっておらず、冷却水によって冷却する必要はない。しかしながらエンジンが始動することで冷却水はシリンダ壁の冷却を始めてしまうので、この冷却水によってシリンダ壁の温度上昇が妨げられ、エンジンが暖気されるのにかかる時間が長くなる。
そして、暖機運転時における燃費は通常時における燃費と比較すると悪いのが一般的であり、暖気運転にかかる時間が長くなればなるほど、燃費が悪化することになる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上のような問題に対し、本発明の第1請求項におけるエンジンの冷却装置は、一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、上記インテークポート側のみに設けられていることを特徴としている。
【0005】
また、本発明の第2請求項におけるエンジンの冷却装置は、一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、上記インテークポート側とエキゾーストポート側とのそれぞれに設けられ、かつエキゾーストポート側における制御板とシリンダ壁との間隔は、インテークポート側における制御板とシリンダ壁との間隔よりも狭く設定されていることを特徴としている。
【0006】
さらに、本発明の第3請求項におけるエンジンの冷却装置は、一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記シリンダボアは複数設けられており、また制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、各シリンダボア毎にインテークポート側とエキゾーストポート側とのそれぞれに設けられ、さらに上記ウォータージャケットに冷却水を供給する冷却水通路の入口に接近している位置に設けられたシリンダボアにおける制御板とシリンダ壁との間隔は、上記入口から離れた位置に設けられたシリンダボアにおける制御板とシリンダ壁との間隔よりも広く設定されていることを特徴としている。
【0007】
そして、本発明の第4請求項におけるエンジンの冷却装置は、一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記シリンダボアは複数設けられており、また制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、各シリンダボア毎にインテークポート側とエキゾーストポート側とのそれぞれに設けられ、かつ各シリンダボア毎に設けられたインテークポート側の制御板は相互に連結されるとともに、各シリンダボア毎に設けられたエキゾーストポート側の制御板は相互に連結されており、
さらに上記ウォータージャケットに冷却水を供給する冷却水通路の入口に接近している位置のインテークポート側の制御板とエキゾーストポート側の制御板との間には、冷却水が所定の温度まであがったら開口するサーモバルブを設けたことを特徴としている。
【0008】
上記請求項1の発明によれば、上記制御板をインテークポート側に設けることで、ウォータージャケットのインテークポート側とエキゾーストポート側とでは、流通する冷却水の流量が異なり、エキゾーストポート側での流量のほうが多くなる。
冷却水の流量が多くなることによって、そのぶんだけ冷却水によるシリンダ壁の冷却効率が上がり、エキゾーストポート側でのシリンダ壁の冷却が効率的に行われ、シリンダ壁のインテークポート側とエキゾーストポート側に生じていた温度差を減少させることができ、エキゾーストポート側のシリンダ壁が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、エキゾーストポート側での制御板とシリンダ壁の間隔をインテークポート側よりも狭くすることで、シリンダ壁面近くの冷却水の流速が壁面との摩擦によって壁面から十分離れたところの流速よりも減速された層(以下この層を境界層という。)の厚さを比較した場合、エキゾーストポート側のシリンダ壁面での境界層が、インテークポート側のシリンダ壁面での境界層よりも薄くなる。
シリンダ壁面での境界層が薄くなると、その部分での冷却水の淀みが減少してエキゾーストポート側でのシリンダ壁の冷却が効率的に行われるので、シリンダ壁のインテークポート側とエキゾーストポート側に生じていた温度差を減少させることができ、エキゾーストポート側のシリンダ壁が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0010】
さらに、請求項3によれば、冷却水通路入口に隣接するシリンダボアにおける制御板とシリンダ壁との間隔を、入口から離隔するシリンダボアにおける制御板とシリンダ壁との間隔よりも広く設定することで、冷却水通路入口より離隔するシリンダボアでの制御板とシリンダ壁との間における冷却水の、シリンダ壁面の境界層が冷却水通路入口に隣接するシリンダボアでの壁面の境界層よりも薄くなる。
シリンダ壁面の境界層が薄くなると、その部分での冷却水の淀みが減少して冷却水通路入口より離隔するシリンダボアでのシリンダ壁の冷却が効率的に行われるので、シリンダ壁の冷却水通路入口より離隔するシリンダボアと冷却水通路入口に隣接するシリンダボアに生じていた温度差を減少させることができ、冷却水通路入口より離隔するシリンダボアのシリンダ壁が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0011】
そして、請求項4によれば、暖機運転時、すなわちウォータージャケット内の冷却水温度が低いときにはサーモバルブが閉じており、冷却水通路よりウォータージャケットに流入する冷却水は制御板の外周側を流通する。
これに対して制御板よりもシリンダ壁側では、サーモバルブが閉じているために新たな冷却水が流入してこないため、冷却水は殆ど流動することはない。したがって、制御板よりもシリンダ壁側に位置する冷却水の温度は、シリンダ壁が燃焼室内での燃焼によって温度上昇するのに伴って速やか上昇する。
そして、エンジンの暖気がなされて冷却水が所定の温度になったらサーモバルブが開口するので、冷却水通路からの冷却水は制御板よりもシリンダ壁側に流入してシリンダ壁の冷却をするので、シリンダ壁が熱膨張によって変形するといった問題が発生することもない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図示実施例について説明すると、図1は3気筒エンジンにおけるシリンダブロック1の表面を、図示しないシリンダヘッド側から見た平面図である。
上記シリンダブロック1は3つのシリンダ壁3を備えており、各シリンダ壁3の内側がシリンダボア2となっている。また各シリンダ壁3を囲繞して相互に連通するウォータージャケット4が形成されており、このウォータージャケット4はシリンダブロック1の表面に開口し、さらにこのウォータージャケット4に冷却水を供給するための冷却水通路5が形成されている。
そして、シリンダブロック1には潤滑油を流通させる油穴6と、シリンダヘッドとシリンダブロック1とを締結させる際に使用するボルト孔7と、ブローバイガスを流通させるブローバイ孔8とが形成されている。
【0013】
つぎに、図2は本実施例におけるガスケット11を示したものであり、当該ガスケット11はシリンダヘッドとシリンダブロック1とによって挟持されてこれらをシールするようになっている。また、図2に記されている2点鎖線は上記シリンダブロック1におけるウォータージャケット4と冷却水通路5の位置を示している。
ガスケット11には上記シリンダボア2、油穴6、ボルト孔7、ブローバイ孔8にあわせて、それぞれ燃焼室孔12、油穴13、ボルト孔14、ブローバイ孔15が穿設されている。
また、上記冷却水通路5に対して最も離隔した位置の燃焼室孔12の近傍には、ウォータージャケット4と重合する位置に水孔16が設けられ、上記冷却水通路5からウォータージャケット4内に流入した冷却水は、該ウォータージャケット4内を流通してから上記水孔16を介してシリンダヘッド側に流出するようになっている。
【0014】
そして、本実施例では上記ガスケット11に、インテークポート側のウォータージャケット4内にシリンダブロック1側に向けて突出する制御板21が設けられており、本実施例では図2の点線にて示すように、制御板21はウォータージャケット4の形状に沿って円弧状に形成されている。
なお、図に示すように本実施例においては上記水孔17の形成されている位置には制御板21を設けないようになっているが、この水穴に沿って制御板21を設けていてもよい。
そして図3は図2のIII−III断面についての図であり制御板21はウォータージャケット4内に向けて所定量突出するように設けられ、制御板21の上方側の端部はガスケット11に溶接されている。
この制御板21を設けることによって、冷却水通路5よりウォータージャケット4内に流入する冷却水の流量は、インテークポート側における流量よりも、エキゾーストポート側における流量のほうが増大することとなる。
冷却水の流量が増大することによって、エキゾーストポート側での冷却水によるシリンダ壁3の冷却効率が上がるので、シリンダ壁3のインテークポート側とエキゾーストポート側に生じていた温度差が減少し、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0015】
このように、インテークポート側のウォータージャケット4に沿って円弧状の制御板21を突出させることで、制御板21の体積分だけインテークポート側のウォータージャケット4内を流通する冷却水の流量が減少し、そのぶんだけエキゾーストポート側のウォータージャケット4内を流通する冷却水の流量が増大する。
エキゾーストポート側のウォータージャケット4内を流れる冷却水の流量が増大することで、エキゾーストポート側での冷却水の冷却効率が高まり、エキゾーストポート側のシリンダ壁3のほうがインテークポート側のシリンダ壁3よりも冷却されることとなるので、インテークポート側とエキゾーストポート側とで発生するシリンダ壁3の温度差を減少させることができ、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
なお、図2や図3に示した上記制御板21の形状はほんの一例であり、制御板21をウォータージャケットにおいて配置する範囲や、制御板21のウォータージャケット4への突出量などは任意に定めることができ、さらに後述する図6のように制御板21の板厚をガスケット11側とウォータージャケット4の底面側とで異ならせてもよい。
【0016】
つぎに、図4は本発明の第2実施例を示すガスケット11を示し、本実施例では上記ガスケット11に、エンジンのインテークポート側とエキゾースト側の双方のウォータージャケット4内に、シリンダブロック1側に向けて突出する制御板21を設け、本実施例でも図4の点線にて示すように、制御板21はウォータージャケット4の形状に沿って円弧状に形成されている。
また、本実施例では図示左方に位置するシリンダボア2では、インテークポート側の制御板21の端部はインテークポート側に穿設されている水孔17の端部まで形成され、エキゾーストポート側の制御板21の端部はエキゾーストポート側に穿設されている水孔17の端部まで形成され、2つの水孔17の間にはさらに別の制御板21が形成されている。
一方、図示右方側のシリンダボア2の制御板21においては、インテークポート側の制御板21の端部を冷却水通路5の入口付近まで延長し、エキゾーストポート側の制御板21の端部は冷却水通路5の入口付近まで設けることで、冷却水通路5の入口付近にインテークポート側の制御板21とエキゾーストポート側の制御板21による開口部21aが形成される。
【0017】
そして、図5は図4におけるV−V断面を示したものとなっており、この図においてTは制御板21の板厚を、aはシリンダ壁3と制御板21の表面との間の間隔を示し、この図は図4のV−V部に限らず、各制御板21についても同様となっている。
そして、本実施例では制御板21の板厚Tを一定とし、インテークポート側とエキゾーストポート側とで制御板21のシリンダ壁3に対する間隔aを異ならせて、シリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止するようになっている。
具体的に述べると、エキゾーストポート側における間隔aをインテークポート側の間隔aよりも小さくすると、エキゾーストポート側におけるシリンダ壁3と制御板21との間を流れる冷却水において、シリンダ壁3の壁面における境界層は、インテークポート側でのシリンダ壁3の壁面での境界層よりも薄くなる。
このように、シリンダ壁3の壁面での境界層が薄くなると、シリンダ壁3近傍での冷却水の淀みが減少してそのぶんだけシリンダ壁3の冷却が効率的に行われることとなる。
従って、エキゾーストポート側におけるシリンダ壁3の冷却効率が高まることとなり、シリンダ壁3のインテークポート側とエキゾーストポート側とで発生する温度差を減少させることができるので、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0018】
また、図5において、制御板21の中心の位置とシリンダ壁3との間隔を一定とし、上記制御板21の板厚Tを異ならせて、エキゾーストポート側の制御板21の板厚Tをインテークポート側の板厚Tよりも大きくしてもよい。
このようにすれば、エキゾーストポート側での制御板21とシリンダ壁3との間隔aのほうがインテークポート側での間隔aよりも小さくなるので、エキゾーストポート側におけるシリンダ壁3の壁面での境界層は、インテークポート側での境界層より薄くなる。
従って、エキゾーストポート側とインテークポート側とで制御板21とシリンダ壁3との間隔を異ならせたときと同様、シリンダ壁3のインテークポート側とエキゾーストポート側とで発生する温度差を減少させることができるので、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
【0019】
また、図5においては制御板21の板厚Tは一定となっているが、図6のように制御板21の板厚をウォータージャケット4の深さ方向で変化させるようにしてもよい。
すなわち、図6のように制御板21のガスケット11側の板厚Tを厚く設定し、ウォータージャケット4の底面側の板厚Tを薄くすることで、ガスケット11側での間隔aの値はウォータージャケット4の底面側での間隔aの値よりも小さくなる。
このようにする事で、ガスケット11側での冷却水のシリンダ壁3の壁面での境界層はウォータージャケット4の底面側での境界層よりも薄くなり冷却水の淀みが減少し、その分だけシリンダ壁3のシリンダブロック1表面側に対する冷却効果が高まり、燃焼室に近い当該部分がより効果的に冷却されるようになる。
【0020】
図7は本発明の第3実施例におけるガスケット11を示し、本実施例も上記第2実施例同様に制御板21が配置され、インテークポート側とエキゾーストポート側の双方に制御板21が設けられている。
そして、本実施例では冷却水通路5の入口に接近した位置のシリンダボア2での制御板21とシリンダ壁3の間隔を、上記入口から離れた位置のシリンダボア2での制御板21とシリンダ壁3との間隔よりも広く設定するようになっている。
具体的には、全てのシリンダボア2における制御板21の板厚の中心とシリンダ壁3との距離を一定にしたまま、上記冷却水通路5の入口に隣接するシリンダボア2を囲繞する制御板21の板厚を、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダボア2を囲繞する制御板21の板厚よりも薄く設定するようになっている。
【0021】
通常、冷却水通路5よりウォータージャケット4内に流入したばかりの冷却水は、シリンダ壁3等によって加熱されておらず、多少流速が遅くとも十分に冷却効果の高いものとなっている。
一方、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダ壁3に到達した冷却水は既に他のシリンダ壁3を冷却したことで水温が上昇しているので、この位置での冷却水の冷却効率は冷却水通路5の入口近郊における冷却水の冷却効率に比べて低いものとなっている。
このため、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダ壁3は冷却が十分に行われないことで他のシリンダ壁3に比べて高温となってしまい、熱膨張によって変形し、オイル上がりやガスケット11のシール不良を招くことになる。
さらに、本実施例のように多気筒エンジンの場合、そのうちの1つのシリンダボア2だけが高温となると、燃焼室内に噴射される燃料の量が制限されたり、ピストンの進角が制限されたりして、エンジンの性能を十分に発揮することができなくなる。
【0022】
このような問題に対し、本実施例では各シリンダボア2ごとに制御板21とシリンダ壁3との間隔aを異ならせ、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダボア2でのシリンダ壁3と制御板21の間隔を、冷却水通路5に隣接するシリンダボア2でのシリンダ壁3と制御板21の間隔よりも狭くすることで、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダボア2におけるシリンダ壁3の壁面での境界層が薄くなるようにしている。
したがって、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダ壁3を効率的に冷却できるようになるので、各シリンダ壁3間において生じてしまう温度差を減少させることができ、冷却水通路5より最も離隔した位置のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
また、各シリンダボア2ごとに制御板21の板厚を異ならせる代わりに、上記第2実施例のように制御板21の板厚を一定としたまま制御板21とシリンダ壁との間隔を異ならせても、上述したのと同様の結果を得ることができるし、図5に示すように制御板21のガスケット側とウォータージャケット4の底面側でその板厚を異ならせてもよい。
なお、本実施例においてはエキゾーストポート側とインテークポート側とで制御板21とシリンダ壁3との間隔を異ならせていないが、第2実施例のようにこの間隔を異ならせることによって、本実施例にて得られる効果に追加してさらに上記第2実施例と同様の効果も得ることができる。
【0023】
図8は本発明の第4実施例を示すガスケット11を示し、本実施例においても、制御板21は各シリンダボア2のインテークポート側とエキゾーストポート側とに設けられ、本実施例においては隣接するシリンダボア2のエキゾーストポート側の制御板21は互いに連結され、インテークポート側の制御板21も互いに連結されている。
また、冷却水通路5の入口に隣接する位置の開口部には、冷却水の温度が所定の温度となったら開口するサーモバルブ22が設けられており、ガスケット11の水孔17と重合する位置を除き、ウォータージャケットは制御板21によってシリンダ壁側の内周室と、その外側の外周室とに区画されるようになっている。なお、この際制御板21のウォータージャケット4の底面側での位置は、ウォータージャケット4の底面に達していてもよいが、特に達している必要はない。
【0024】
そして、図9は上記サーモバルブ22の拡大図を示したものであり、実線がサーモバルブ22の開口している状態を示したものであり、2点鎖線がサーモバルブ22の閉鎖された状態を示している。
このサーモバルブは2枚のバイメタル材によって構成されており、各バイメタル材の一方の端部はインテークポート側とエキゾーストポート側の制御板21の端部に固定され、もう一方の端部はサーモバルブ22が閉鎖された状態となったときに互いに接するように設けられている。
そしてこのサーモバルブ22周辺の冷却水温度が所定の温度に達したら、上記バイメタル材がシリンダ壁3に向けて変形し、サーモバルブ22が開口状態となる。また、冷却水が所定の温度に達していないときにはサーモバルブ22は閉鎖された状態となっている。
【0025】
通常、エンジンの始動時、すなわちエンジンが暖気されていない状態ではシリンダボア2の温度は高くなっておらず、冷却水によって冷却する必要はない。しかしながらエンジンが始動してしまうと冷却水はウォーターポンプによってウォータージャケット内に流入し、シリンダ壁の冷却を始めてしまう。
すると、この冷却水によってシリンダ壁の温度上昇が妨げられ、エンジンが暖気されるのにかかる時間が長くなってしまい、暖機運転時における燃費は暖気終了後における燃費と比較すると悪いのが一般的であり、暖気運転にかかる時間が長くなればなるほど、燃費が悪化することになる。
【0026】
これに対し、本実施例によれば、エンジンが始動されてシリンダボア2の温度が上昇し、内周室4aにおけるシリンダ壁3周辺の冷却水が所定の温度に達するまでは、サーモバルブ22が閉じた状態となっているので、冷却水は殆ど流動せず、何らシリンダ壁3を冷却する効果をもっていないので、シリンダ壁3は冷却水によって冷却されることなく速やかに温度上昇し、エンジンの暖気が速やかに行われる。
この暖気が行われる間、サーモバルブ22は閉鎖した状態を保つので、冷却水が冷却水通路5よりウォータージャケット4内に流入しても、冷却水は上記内周室4aに流入することなく外周室4bを流通し、そのまま水孔17を介してシリンダヘッド側へと流れてゆくようになっている。
そして、シリンダ壁3の温度が上昇してその周辺の冷却水が所定の温度となったら、バイメタル材が変形してサーモバルブ22が開口するので、冷却水通路5からの冷却水がサーモバルブ22を介して内周室4aに流入する。
そして、一度サーモバルブ22が開口すると、その後冷却水はサーモバルブ22から内周室4a内に直接的に流入し、この冷却水はそのまま内周室4a内を流通することとなるので、シリンダボア2の冷却が良好に行われることとなる。
以上のことから、本実施例によればエンジンの暖気にかかる時間を短縮させることができるとともに、エンジンが暖気された後は内周室4a側に冷却水を流通させることで効果的にシリンダボア2の冷却を行うことができる。
【0027】
なお、本実施例においても、上記第2、第3実施例のように、シリンダ壁3と制御板21と間隔を異ならせてインテークポート側とエキゾーストポート側とでシリンダ壁3近傍における冷却水の速度勾配を異ならせたり、冷却水通路5の入口に隣接するシリンダボア2と離隔するシリンダボア2とでのシリンダ壁3近傍おける冷却水の速度勾配を異ならせて、シリンダ壁が熱膨張によって変形するのを防止させることも可能である。
【0028】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、シリンダボアのエキゾーストポート側における冷却水の流量を増大させることで、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
請求項2の発明によれば、シリンダボアのエキゾーストポート側におけるシリンダ壁の壁面での境界層を薄くすることで、エキゾーストポート側のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
請求項3の発明によれば、冷却水通路5より離隔した位置のシリンダボアにおけるシリンダ壁の壁面での境界層を薄くすることで、冷却水通路5より離隔した位置のシリンダ壁3が熱膨張によって変形するのを防止することができる。
請求項4の発明によれば、ウォータージャケットを制御板によってシリンダ壁側とその外周側とに分けることで、エンジンの暖機運転が速やかに行われるとともに、暖気がなされた後はシリンダボアの冷却が効果的に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダブロック1の表面を示す平面図。
【図2】本発明の第1実施例のガスケット11を示す平面図。
【図3】図2のIII−III部に関する断面図。
【図4】本発明の第2実施例のガスケット11を示す平面図。
【図5】図4のV−V部に関する断面図。
【図6】図5とは異なる態様を示す図4のB−B部に関する断面図。
【図7】本発明の第3実施例のガスケット11を示す平面図。
【図8】本発明の第4実施例のガスケット11を示す平面図。
【図9】図8のサーモバルブ22を示す拡大図。
【符号の説明】
1 シリンダブロック 2 シリンダボア
3 シリンダ壁 4 ウォータージャケット
4a 内周室 4b 外周室
5 冷却水通路 11 ガスケット
21 制御板 22 サーモバルブ
Claims (7)
- 一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、上記インテークポート側のみに設けられていることを特徴とするエンジンの冷却装置。 - 一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、上記インテークポート側とエキゾーストポート側とのそれぞれに設けられ、かつエキゾーストポート側における制御板とシリンダ壁との間隔は、インテークポート側における制御板とシリンダ壁との間隔よりも狭く設定されていることを特徴とするエンジンの冷却装置。 - 一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記シリンダボアは複数設けられており、また制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、各シリンダボア毎にインテークポート側とエキゾーストポート側とのそれぞれに設けられ、さらに上記ウォータージャケットに冷却水を供給する冷却水通路の入口に接近している位置に設けられたシリンダボアにおける制御板とシリンダ壁との間隔は、上記入口から離れた位置に設けられたシリンダボアにおける制御板とシリンダ壁との間隔よりも広く設定されていることを特徴とするエンジンの冷却装置。 - 一側にインテークポートを形成するとともに他側にエキゾーストポートを形成したシリンダヘッドと、シリンダブロックに形成されてシリンダボアを区画するシリンダ壁の周囲を囲繞するとともに、該シリンダブロックの表面に開口されたウォータージャケットと、上記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されて両者間をシールするガスケットと、このガスケットに設けられて上記ウォータージャケット内に挿入される制御板とを備えたエンジンの冷却装置において、
上記シリンダボアは複数設けられており、また制御板はウォータージャケットの形状に沿って円弧状に形成されるとともに、各シリンダボア毎にインテークポート側とエキゾーストポート側とのそれぞれに設けられ、かつ各シリンダボア毎に設けられたインテークポート側の制御板は相互に連結されるとともに、各シリンダボア毎に設けられたエキゾーストポート側の制御板は相互に連結されており、
さらに上記ウォータージャケットに冷却水を供給する冷却水通路の入口に接近している位置のインテークポート側の制御板とエキゾーストポート側の制御板との間には、冷却水が所定の温度まであがったら開口するサーモバルブを設けたことを特徴とするエンジンの冷却装置。 - 上記サーモバルブは2枚のバイメタル材によって構成され、これらバイメタル材は一方の端部同士が隣接するように設けられると共に、もう一方の端部はインテークポート側とエキゾーストポート側の制御板の端部にそれぞれ固定され、冷却水が所定の温度まであがったらバイメタル材が変形して2枚のバイメタル材の間に隙間が生じて開口することを特徴とする請求項4に記載のエンジンの冷却装置。
- 上記制御板の板厚を異ならせることによって上記間隔を異ならせたことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のエンジンの冷却装置。
- 上記制御板の板厚は、制御板のガスケット側とウォータージャケットの底面側とで異ならせてあることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のエンジンの冷却装置。
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