JP2514165Y2 - エンジンのシリンダブロック - Google Patents

エンジンのシリンダブロック

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JP2514165Y2
JP2514165Y2 JP5230090U JP5230090U JP2514165Y2 JP 2514165 Y2 JP2514165 Y2 JP 2514165Y2 JP 5230090 U JP5230090 U JP 5230090U JP 5230090 U JP5230090 U JP 5230090U JP 2514165 Y2 JP2514165 Y2 JP 2514165Y2
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JP
Japan
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cylinder
exhaust side
water jacket
cooling water
intake side
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康 井上
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Mazda Motor Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、エンジンのシリンダブロックに関するも
のである。
〔従来の技術〕
従来、エンジンのシリンダブロックとしては、互いに
隣接するシリンダの間のシリンダ壁に、吸気側と排気側
とのウォータージャケットを互いに連通するスリットが
形成されたものが知られている(例えば実開昭63−1328
59号公報参照)。上記ウォータージャケットには、ウォ
ーターポンプを介して冷却水が供給され、この冷却水が
シリンダヘッドの下壁に形成された導入穴を通して上記
シリンダヘッド側のウォータージャケットに導かれ、こ
の冷却水がラジエーターで冷やされて再び循環される。
この従来のシリンダブロックにおけるスリットは、ウ
ォータージャケットの吸気側と排気側との間では、同じ
深さ、すなわち同じ流路断面積を有するように形成され
ている。
〔考案が解決しようとする課題〕 上記従来のエンジンのシリンダブロックにおいて、通
常、シリンダ壁の温度は吸気側より排気側の方が高いた
めに、シリンダ内のシリンダライナーには温度差が生じ
ている。またエンジンのコンパクト化の要請からエンジ
ン全長の短縮化が図られているために、シリンダ間のシ
リンダ壁(シリンダ間壁部)の厚みがかなり薄くされ、
この結果、互いに隣接するシリンダの排気側からの熱に
より上記シリンダ間壁部の排気側が特に高温化し、これ
が上記シリンダライナーにも影響する。シリンダライナ
ーは、温度が高い部分程、大きく熱膨脹変形するため
に、シリンダライナーには吸気側と排気側とで不均一な
変形が生じる。このため上記シリンダライナーとピスト
ンリングとの間のシール性能が悪化し、両者間のクリア
ランスが大きくなるおそれがある。こうなると、クラン
クケース内のオイルが上がってきて燃焼室内に入るため
に、オイルが無駄に消費されたり、ブローバイガス量が
増大したりすることになる。
そこでシリンダライナーの不均一な変形の発生を防止
するために、シリンダ壁の排気側の冷却を促進する必要
がある。
ところが、シリンダ壁周囲のウォータージャケット内
には、吸気側であると排気側であるとに拘らずに同じ条
件で冷却水が供給される。しかもシリンダ間壁部に形成
されたスリットは、その吸気側と排気側とを結ぶ方向に
同じ流路断面積を有するために、上記ウォータージャケ
ットの吸気側と排気側との間を単に連通するだけで、こ
のスリットを通して吸気側と排気側との間で温度差によ
る冷却水の多少の移動は考えられるもののの、積極的に
特定方向への冷却水の流れを形成するものではない。こ
のため上記冷却水は上記吸気側と排気側とでは互いにほ
ぼ同じ条件でウォータージャケット内を流れて導入穴を
通してシリンダヘッド側に送られて循環され、排気側の
シリンダ壁は吸気側と比べて依然として高温化されたま
まに残される。
この考案は、このような事情に鑑みてなされたもので
あり、排気側のシリンダ壁の冷却性向上を図ることがで
きるエンジンのシリンダブロックを提供することを目的
としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、この考案では、複数のシ
リンダが列状に配置され、上方に開口するウォータージ
ャケットが上記複数のシリンダの全体を囲むように形成
されたエンジンのシリンダブロックにおいて、互いに隣
接する2つのシリンダを互いに区画する壁部の上端部に
は、スリットがウォータージャケットの吸気側と排気側
とを互いに連通するように形成され、このスリットは、
その深さが上記ウォータージャケットの吸気側より排気
側の方が小さくなるように設定されているように構成し
た。
〔作用〕 上記構成によれば、ウォータージャケットに臨むスリ
ットの開口面積は排気側より吸気側の方が大きくなり、
冷却水がウォーターポンプの圧力によって、ウォーター
ジャケットから導入穴を通してシリンダヘッド側に流れ
る際に、上記スリットに対して、その開口面積の大きい
方が小さい方より高い押込み圧力が生じるために、上記
スリットを通して排気側より温度の低い吸気側の冷却水
が排気側に流れ込む。これにより、吸気側より排気側の
ウォータージャケットに多くの冷却水が流れるために、
特に高温化するシリンダ壁の排気側上端部の冷却が促進
される。
〔実施例〕
第1図および第2図において、1はV型エンジンのシ
リンダブロック1を示し、このシリンダブロック1には
エンジンの長さ方向に一対のバンク1a,1bが形成され、
下端部にはクランクケース2(第1図にのみ示す)が形
成されている。上記各バンク1a,1bには複数のシリンダ
ボア(穴部)3、例えばV型6気筒エンジンでは3つず
つが列状に形成されている。上記複数のシリンダボア3
の周囲には、これら全体を囲むようにウォータージャケ
ット4が鋳抜きにより形成され、このウォータージャケ
ット4とシリンダボア3との間の部分によって上記シリ
ンダボア3を形成するシリンダ壁31が構成される。そし
てこのシリンダ壁31の内周面にはシリンダライナー32が
嵌込まれ、また各バンク1a,1bの上端のトップデッキ11
は上記ウォータージャケット4が上方に開口したオープ
ンデッキとなっている。
上記シリンダ壁31の内、互いに隣接するシリンダボア
3を区画するシリンダ間壁部(シリンダを区画する壁
部)33には、その上端部に、ウォータージャケット4の
吸気側部(各バンク1a,1bの内側のウォータージャケッ
ト)41と、排気側部(各バンク1a,1bの外側のウォータ
ージャケット)42とを結ぶ方向にスリット34が形成され
ている。このスリット34は、第1図に示すようにトップ
デッキ11の面から底までの深さがウォータージャケット
4の吸気側よりも排気側の方が小さくなるように形成さ
れ、このスリット34によってウォータージャケット4の
吸気側部41と排気側部42とが互いに連通される。
上記各バンク1a,1bのトップデッキ11の両側辺部には
ねじ穴12が形成され、上記トップデッキ11を接合面とし
てシリンダヘッド5(第1図のみ示す)が接合され、こ
のシリンダヘッド5は上記ねじ穴12にねじ込まれたボル
ト51によって上記各バンク1a,1b上に取付けられてい
る。このシリンダヘッド5にも、ウォータージャケット
6が形成され、このウォータージャケット6とシリンダ
ブロック1のウォータージャケット4とは、シリンダヘ
ッド5の底壁に貫通形成された導入穴61によって吸気側
部41、導入穴62によって排気側部42がそれぞれ互いに連
通されている。
上記ウォータージャケット4,6には、冷却水が満たさ
れ、シリンダブロック1の例えばフロント側(第2図の
左側)に設けられたウォーターポンプ(図示せず)によ
って、上記冷却水が循環される。すなわち図示しないラ
ジエーターからの冷却水は、上記ウォーターポンプによ
って、ウォータージャケット4内に供給され、これによ
りウォータージャケット4を満たしていた冷却水が導入
穴61,62を通してシリンダヘッド5側のウォータージャ
ケット6に流され、そして熱くなった冷却水がエンジン
外に抜出され、上記ラジエーターで冷却された後、上記
ウォータージャケット4,6に再び供給されて循環する。
上記構成において、エンジンの駆動により図示しない
ピストンが上下動して燃料の吸気、爆発、排気行程を繰
返し、これによってシリンダライナー32およびシリンダ
壁31は熱せられ、この熱がウォータージャケット4,6内
の冷却水との間で熱交換され、その分だけ上記シリンダ
ライナー32やシリンダ壁31が冷却される。この際、上記
シリンダライナー32やシリンダ壁31は、吸気側よりも排
気側の方が高く熱せられ、このため上記熱交換後の冷却
水も吸気側部41よりも排気側部42の方が高温になる。
一方、上記エンジンの駆動によりウォーターポンプも
駆動され、これにより冷却水はウォータージャケット4
から導入穴61,62を通してウォータージャケット6に流
れてラジエーターとの間を循環する。このラジエーター
では上記熱交換により熱せられた冷却水が冷却され、こ
の冷却された冷却水が再び循環されて上記熱交換が連続
して行われる。
上記冷却水の循環においては、ウォータージャケット
4内の吸気側部41の冷却水が導入穴61、排気側部42の冷
却水が導入穴62をそれぞれ通してウォータージャケット
6側に流れる際に、上記吸気側部41および排気側部42の
上端部に側面からスリット34が開口しているため、その
スリット34内にも流れ込もうとする。ところが、上記ス
リット34に対しては、その開口面積の大きい吸気側部41
からの方が、開口面積の小さい排気側部42からよりも、
高い押込み圧力が加わるために、上記スリット34内の冷
却水は吸気側部41から排気側部42へ流れる。
このため排気側部42には、その上端部、すなわちシリ
ンダヘッド5側に吸気側部41からの冷却水がスリット34
を介して供給されるために、吸気側部41よりも多量の冷
却水が排気側部42を流れ、この冷却水は導入穴62を通し
てウォータージャケット6の排気側に供給される。
このように、この実施例によれば、スリット34により
吸気側部41と排気側部42とを単に連通するだけではな
く、このスリット34を通して吸気側部41から排気側部42
への冷却水の流入を促進させることができる。これによ
りウォータージャケット4の排気側部42に吸気側部41よ
り多量の冷却水を流すことができ、しかも上記排気側部
41よりも温度の低い吸気側部41の冷却水を上記排気側部
42に流すことができるために、上記排気側部42の冷却を
促進することができ、その冷却性の向上を図ることがで
きる。特にシリンダボア3間のシリンダライナー32やシ
リンダ間壁部33は、スリット34を通して排気側部42より
温度の低い吸気側部41の冷却水が排気側部42に向かって
強制的に流れるために、その冷却が促進され、これによ
りシリンダボア3間の特に排気側の部分の冷却性の向上
を図ることができる。
これにより、熱膨脹の不均一に起因して生じていたシ
リンダライナー32やシリンダ壁31の変形を抑制すること
ができ、シリンダボア3を所定の形状に保持することが
できる。したがって上記変形に起因するオイル消費増な
どの不都合の発生を防止することができる。
また上記排気側部42の冷却水が導入穴62を通してウォ
ータージャケット6の排気側部分に供給されるために、
シリンダヘッド5の排気側の部分の冷却をも促進するこ
とができ、これにより上記シリンダヘッド5において不
均一な熱膨脹に起因する不都合の発生を防止することが
できる。
なお、上記実施例では、V型エンジンに適用した場合
を説明したが、これに限らず、例えば直列式エンジンに
もこの考案を同様に適用することができ、これにより上
記実施例と同様な効果を得ることができる。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案のエンジンのシリンダ
ブロックによれば、シリンダ間を区画する壁部に形成し
たスリットによって、ウォータージャケット内において
排気側より温度の低い吸気側の冷却水の排気側への流入
を促進することができ、排気側を流れる冷却水の量を吸
気側よりも増加することができ、この冷却水により排気
側のシリンダ壁の冷却を促進することができ、その排気
側の部分の冷却性向上を図ることができる。したがって
上記排気側の部分の熱膨脹変形を抑制することができ、
不均一な熱膨脹に起因して従来発生している不都合を解
消することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第2図のI−I線における拡大断面説明図、第
2図はこの考案の実施例を示す平面説明図である。 1……シリンダブロック、3……シリンダボア、4……
ウォータージャケット、33……シリンダ間壁部、34……
スリット、41……吸気側部、42……排気側部。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のシリンダが列状に配置され、上方に
    開口するウォータージャケットが上記複数のシリンダの
    全体を囲むように形成されたエンジンのシリンダブロッ
    クにおいて、互いに隣接する2つのシリンダを互いに区
    画する壁部の上端部には、スリットがウォータージャケ
    ットの吸気側と排気側とを互いに連通するように形成さ
    れ、このスリットは、その深さが上記ウォータージャケ
    ットの吸気側より排気側の方が小さくなるように設定さ
    れていることを特徴とするエンジンのシリンダブロッ
    ク。
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