JP4083682B2 - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は,例えば半導体ウェハ等の基板の表面を処理する基板処理装置及び基板処理方法に関する。
背景技術
一般に半導体デバイスの製造工程においては,被処理基板としての半導体ウェハ等(以下ウェハ等という)にフォトレジストを塗布し,フォトレジストに回路パターンを転写して現像処理し,その後ウェハ等からフォトレジストを除去する一連の処理が施されている。
上記処理の過程において,薬液例えば希フッ酸水(DHF)を用いてウェハ等の表面の酸化膜をエッチングにより除去すると,ウェハ等の表面は疎水性となる。従って,その状態ままで洗浄処理及び乾燥処理を行うと,ウォーターマークが生成されやすく,歩留まりの低下を招くことがある。そこで,ウェハ等の表面に酸化膜を形成することによりウェハ等の表面を親水性にする親水化処理が行われる。酸化膜を形成する方法としては,例えば基板をオゾン水中に浸漬させるものが知られている。酸化膜はウォーターマークの発生を抑制することができる程度に,なるべく薄く形成することが好ましい。
しかしながら,従来の基板処理方法によって酸化膜を形成すると,膜厚の均一性が悪化する問題があった。従って,薄い均一な膜厚の酸化膜を形成することができなかった。
発明の開示
本発明の目的は,基板の表面に酸化膜を形成するに際し,従来のものよりも薄い酸化膜を,均一な膜厚で形成することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明によれば,基板に処理液を供給して処理する基板処理装置において,前記処理液の温度を調整する温度調整手段と,前記基板の裏面に近接して配置されるアンダープレートの温度を調節する温度調節機構を備えたことを特徴とする,基板処理装置が提供される。この場合,処理液と基板の温度を所望の値に維持することができるので,基板に対する処理を均一に促進させることができる。
また,本発明によれば,基板に処理液を供給して処理する基板処理装置において,基板を水平状態で保持する保持手段と,基板の表面に前記処理液を供給する手段と,前記処理液の温度を調整する温度調整手段と,前記基板の裏面に近接して配置されるアンダープレートの温度を調節する温度調節機構を備えたことを特徴とする,基板処理装置が提供される。
本発明の基板処理装置にあっては,前記アンダープレートは,基板下面に対し近接した位置と離れた位置とに相対的に移動することが好ましい。
また,前記基板の表面に近接して配置されるトッププレートを備え,前記トッププレートは,基板表面に対して近接した位置と離れた位置とに相対的に移動することが好ましい。この場合,基板上部の雰囲気が与える影響を抑制するので,処理液と基板表面の温度を良好に保つことができる。さらに,前記基板の周囲に温度調整した気体を供給する気体供給手段を備えても良い。この場合,基板周囲の温度を調整することができる。
前記処理液はオゾン水であることが好ましい。また,前記温度調整手段は処理液を冷却し,前記温度調節機構はアンダープレートを冷却することが好ましい。この場合,例えば基板の表面に均一な厚さの酸化膜を形成することができる。
本発明によれば,基板の表面に処理液を供給して処理する基板処理方法であって,基板の裏面に近接させたアンダープレートの温度を調節することにより基板の温度を所望のものとし,前記基板の表面に温度を調整した処理液を供給して処理することを特徴とする,基板処理方法が提供される。
また,本発明によれば,基板の表面に処理液を供給して処理する基板処理方法であって,基板を基板処理装置内に搬入する工程と,基板の裏面に温度を調節したアンダープレートを近接させ,基板の温度を所望のものとする工程と,所望の温度とした前記基板の表面に温度を調整した処理液を供給し,酸化膜を形成する工程と,前記基板より前記アンダープレートを離隔させる工程と,前記基板を基板処理装置内より搬出する工程とを有することを特徴とする,基板処理方法が提供される。
また,本発明によれば,基板の表面に処理液を供給して処理する基板処理方法であって,基板を基板処理装置内に搬入する工程と,基板の酸化膜を除去する工程と,基板の裏面に温度を調節したアンダープレートを近接させ,基板の温度を所望のものとする工程と,所望の温度とした前記基板の表面に温度を調整した処理液を供給し,酸化膜を形成する工程と,前記基板より前記アンダープレートを離隔させる工程と,前記基板を基板処理装置内より搬出する工程とを有することを特徴とする,基板処理方法が提供される。
本発明の基板処理方法にあっては,前記基板の表面に処理液の液膜を形成するようにしても良い。また,前記基板の表面に処理液を供給するに際し,前記基板を回転させることが好ましい。この場合,処理液の淀みを防止するので,基板に対する処理を均一に促進させることができる。
本発明の基板処理方法にあっては,基板の表面に温度を調整した処理液を供給する処理に際し,前記基板を回転させ,処理液供給ノズルを基板の外周部分から基板の中心部分に向かって処理液を供給しながら移動させるようにするのが好ましい。この場合,ウェハWの外周部分は回転による周速が中心部分のそれに比べて速いため酸化膜の膜形成が遅く,ウェハWの中心部分は処理液の液速度(処理液の流動速度)がないため酸化膜の膜形成が速いので,処理液供給ノズルを基板の外周部分から基板の中心部分に向かって処理液を供給しながら移動させることにより,均一な酸化膜を形成することができる。
さらに,前記基板の表面を処理するに際し,前記アンダープレートと前記基板の裏面との間に温度調整した処理液を供給することが好ましい。この場合,例えば基板の裏面を処理することができる。また,前記基板の表面を処理するに際し,前記基板の表面にトッププレートを近接させても良い。
また,本発明の基板処理方法にあっては,前記基板の表面を処理するに際し,前記基板の周囲の雰囲気を外部と隔離することが好ましい。さらに,前記基板の表面を処理するに際し,前記基板の周囲に温度調整した気体を供給し,前記基板の周囲の雰囲気を前記温度調整した気体に置換するようにしても良い。
前記処理液はオゾン水であることが好ましい。また,前記アンダープレートを冷却し,冷却された前記処理液を供給することが好ましい。
発明を実施するための最良の形態
以下,本発明の好ましい実施の形態を,基板の一例としてのウェハの表面に対して,エッチング処理及び親水化処理などするように構成された,基板処理装置としての基板処理ユニットに基づいて説明する。図1は,本実施の形態にかかる基板処理ユニット12,13,14,15を組み込んだ処理システム1の平面図である。図2は,その側面図である。この処理システム1は,ウェハWに処理及び処理後の熱的処理を施す処理部2と,処理部2に対してウェハWを搬入出する搬入出部3から構成されている。
搬入出部3は,複数枚,例えば25枚のウェハWが所定の間隔で略水平に収容可能な容器(キャリアC)を載置するための載置台6が設けられたイン・アウトポート4と,載置台6に載置されたキャリアCと処理部2との間でウェハの受け渡しを行うウェハ搬送装置7が備えられたウェハ搬送部5と,から構成されている。
ウェハWはキャリアCの一側面を通して搬入出され,キャリアCの側面には開閉可能な蓋体が設けられている。また,ウェハWを所定間隔で保持するための棚板が内壁に設けられており,ウェハWを収容する25個のスロットが形成されている。ウェハWは表面(半導体デバイスを形成する面)が上面(ウェハWを水平に保持した場合に上側となっている面)となっている状態で各スロットに1枚ずつ収容される。
イン・アウトポート4の載置台6上には,例えば,3個のキャリアを水平面のY方向に並べて所定位置に載置することができるようになっている。キャリアCは蓋体が設けられた側面をイン・アウトポート4とウェハ搬送部5との境界壁8側に向けて載置される。境界壁8においてキャリアCの載置場所に対応する位置には窓部9が形成されており,窓部9のウェハ搬送部5側には,窓部9をシャッター等により開閉する窓部開閉機構10が設けられている。
この窓部開閉機構10は,キャリアCに設けられた蓋体もまた開閉可能であり,窓部9の開閉と同時にキャリアCの蓋体も開閉する。窓部9を開口してキャリアCのウェハ搬入出口とウェハ搬送部5とを連通させると,ウェハ搬送部5に配設されたウエハ搬送装置7のキャリアCへのアクセスが可能となり,ウェハWの搬送を行うことが可能な状態となる。
ウェハ搬送部5に配設されたウエハ搬送装置7は,Y方向とZ方向に移動可能であり,かつ,X−Y平面内(θ方向)で回転自在に構成されている。また,ウェハ搬送装置7は,ウェハWを把持する取出収納アーム11を有し,この取出収納アーム11はX方向にスライド自在となっている。こうして,ウェハ搬送装置7は,載置台6に載置された全てのキャリアCの任意の高さのスロットにアクセスし,また,処理部2に配設された上下2台のウェハ受け渡しユニット16,17にアクセスして,イン・アウトポート4側から処理部2側へ,逆に処理部2側からイン・アウトポート4側へウェハWを搬送することができるようになっている。
処理部2は,主ウェハ搬送装置18と,ウェハ搬送部5との間でウェハWの受け渡しを行うためにウェハWを一時的に載置するウェハ受け渡しユニット16,17と,本実施の形態にかかる4台の基板処理ユニット12,13,14,15と,処理後のウェハWを加熱処理する3台の加熱ユニット及び加熱されたウェハWを冷却する冷却ユニットからなる加熱・冷却部19とを備えている。主ウェハ搬送装置18は,ウェハ受け渡しユニット16,17,基板処理ユニット12,13,14,15,加熱・冷却部19の全てのユニットにアクセス可能に配設されている。
また,処理部2は,処理システム1全体を稼働させるための電源である電装ユニット23と,処理システム1内に配設された各種装置及び処理システム1全体の動作制御を行う機械制御ユニット24と,基板処理ユニット12,13,14,15に送液する所定の洗浄液を貯蔵する薬液貯蔵ユニット25とが配設されている。電装ユニット23は図示しない主電源と接続される。処理部2の天井部には,各ユニット及び主ウェハ搬送装置18に,清浄な空気をダウンフローするためのファンフィルターユニット(FFU)26が配設されている。
電装ユニット23と薬液貯蔵ユニット25と機械制御ユニット24を処理部2の外側に設置することによって,又は外部に引き出すことによって,この面(Y方向)からウェハ受け渡しユニット16,主ウェハ搬送装置18,加熱・冷却部19のメンテナンスを容易に行うことが可能である。
ウェハ受け渡し部16,17は,いずれもウェハ搬送部5との間でウェハWの受け渡しを行うためにウェハWを一時的に載置するものであり,これらウェハ受け渡しユニット16,17は上下2段に積み重ねられて配置されている。例えば,下段のウェハ受け渡しユニット17は,イン・アウトポート4側から処理部2側へ搬送するウェハWを載置するために用い,上段のウェハ受け渡しユニット16は,処理部2側からイン・アウトポート4側へ搬送するウェハWを載置するために用いることができる。
ファンフィルターユニット(FFU)26からのダウンフローの一部は,ウェハ受け渡しユニット16,17と,その上部の空間を通ってウェハ搬送部5に向けて流出する構造となっている。これにより,ウェハ搬送部5から処理部2へのパーティクル等の侵入が防止され,処理部2の清浄度が保持されるようになっている。
主ウェハ搬送装置18は,図示しないモータの回転駆動力によって回転可能な筒状支持体30と,筒状支持体30の内側に沿ってZ方向に昇降自在に設けられたウェハ搬送体31とを有している。ウェハ搬送体31は,筒状支持体30の回転に伴って一体的に回転されるようになっており,それぞれ独立して進退移動することが可能な多段に配置された3本の搬送アーム34,35,36を備えている。
加熱・冷却部19においては,ウェハWの強制冷却を行う冷却ユニットが一台配設され,その上にウェハWの強制加熱と自然冷却を行う加熱ユニットが3台積み重ねられて配設されている。なお,ウェハ受け渡しユニット16の上部の空間に加熱・冷却部19を設けることも可能である。この場合には,図1に示す加熱・冷却部19の位置をその他のユーティリティ空間として利用することができる。
基板処理ユニット12,13,14,15は,図2に示すように,上下2段で各段に2台ずつ配設されている。図1に示すように,基板処理ユニット12,13と基板処理ユニット14,15とは,その境界をなしている壁面41に対して対称な構造を有しているが,対称であることを除けば,各基板処理ユニット12,13,14,15は概ね同様の構成を備えている。そこで,基板処理ユニット12を例として,その構造について詳細に以下に説明することとする。
図3は,基板処理ユニット12の平面図である。基板処理ユニット12のユニットチャンバー45内には,ウェハWの処理中にウェハWの周囲の処理雰囲気をユニットチャンバー45内の雰囲気と隔離するアウターチャンバー46と,アウターチャンバー46内に収納されたウェハWに対して処理液等を供給する処理液供給ノズル格納部47とを備えている。ユニットチャンバー45には開口50が形成され,開口50を図示しない開閉機構によって開閉するユニットチャンバー用メカシャッター51が設けられており,搬送アーム34によって基板処理ユニット12に対して開口50からウェハWが搬入出される際には,このユニットチャンバー用メカシャッター51が開くようになっている。ユニットチャンバー用メカシャッター51はユニットチャンバー45の内部から開口50を開閉するようになっており,ユニットチャンバー45内が陽圧になったような場合でも,ユニットチャンバー45内部の雰囲気が外部に漏れ出ない。
アウターチャンバー46には開口52が形成され,開口52を図示しないシリンダ駆動機構によって開閉するアウターチャンバー用メカシャッター53が設けられており,例えば搬送アーム34によってアウターチャンバー46に対して開口52からウェハWが搬入出される際には,このアウターチャンバー用メカシャッター53が開くようになっている。アウターチャンバー用メカシャッター53は,ユニットチャンバー用メカシャッター51と共通の開閉機構によって開閉するようにしても良い。また,アウターチャンバー46には開口55が形成され,開口55を図示しない駆動機構によって開閉する処理液供給ノズル格納部用シャッター56が設けられている。処理液供給ノズル格納部47をアウターチャンバー46と雰囲気隔離するときは,この処理液供給ノズル格納部用シャッター56を閉じる。
アウターチャンバー用メカシャッター53はアウターチャンバー46の内部から開口55を開閉するようになっており,アウターチャンバー46内が陽圧になったような場合でも,アウターチャンバー46内部の雰囲気が外部に漏れ出ない。処理液供給ノズル格納部用シャッター56はアウターチャンバー46の内部から開口55を開閉するようになっており,アウターチャンバー46内が陽圧になったような場合でも,アウターチャンバー46内部の雰囲気が外部に漏れ出ない。この場合,アウターチャンバー46内におけるウェハWの周囲の雰囲気を,アウターチャンバー46の外部と隔離し,アウターチャンバー46の外部の雰囲気が与える影響を抑制する。従って,例えば処理液とウェハWの温度を良好に保つことができる。
処理液供給ノズル格納部47内には,薬液,純水等の処理液や,N2等を吐出してウェハWの表面に供給する処理液供給ノズル60が格納されている。処理液供給ノズル60は,アウターチャンバー46内に収納されて,後述のスピンチャック71で保持されたウェハWの少なくとも中心から周縁部までをスキャン可能である。処理液供給ノズル60は,処理時以外は処理液供給ノズル格納部47にて待避する。また,処理液供給ノズル格納部47には処理液供給ノズル洗浄装置61が備えられ,処理液供給ノズル60を洗浄することができる。
図4に示すように,アウターチャンバー46内には,ウェハWを収納するインナーカップ70と,このインナーカップ70内で,例えばウェハW表面を上面にして,ウェハWを回転自在に保持するスピンチャック71と,スピンチャック71により保持されたウェハW表面(ウェハW上面)に近接するトッププレート72を備えている。アウターチャンバー46上部には,ウェハWの周囲に温度調整した不活性の気体を吐出する気体供給ノズル105が備えられている。
スピンチャック71は,ウェハWを水平状態で保持するチャック本体75と,このチャック本体75の底部に接続された回転筒体76とを備える。チャック本体75内には,スピンチャック71により保持されたウェハW裏面(ウェハW下面)に対して近接した位置と離れた位置とに相対的に移動するアンダープレート77が配置されている。
チャック本体75の上部には,ウェハWの裏面の周縁部を支持するための図示しない支持ピンと,ウェハWを周縁部から保持するための保持部材80がそれぞれ複数箇所に装着されている。図示の例では,3つの保持部材80により,ウェハWを周りから保持できるようになっている。回転筒体76の外周面には,ベルト81が巻回されており,ベルト81をモータ82によって周動させることにより,スピンチャック71全体が回転するようになっている。各保持部材80は,スピンチャック71が回転したときの遠心力を利用して,図3に示すように,ウェハWの周縁部を外側から保持するように構成されている。スピンチャック71が静止しているときは,ウェハWの裏面を支持ピンで支持し,スピンチャック71が回転しているときは,ウェハWの周縁部を保持部材80によって保持する。
図4に示すように,アンダープレート77は,チャック本体75内及び回転筒体76内を貫挿するアンダープレートシャフト85上に接続されている。アンダープレートシャフト85は,水平板86の上面に固着されており,この水平板86は,アンダープレートシャフト85と一体的に,エアシリンダー等からなる昇降機構87により鉛直方向に昇降させられる。従って,アンダープレート77は,図4に示すようにチャック本体75内の下方に下降して,スピンチャック71により支持されたウェハW下面から離れて待機している状態(退避位置)と,図9に示すようにチャック本体75内の上方に上昇して,スピンチャック71により支持されたウェハW下面に対して近接している状態(処理位置)とに上下に移動自在である。なお,アンダープレート77を所定高さに固定する一方で,回転筒体76に図示しない昇降機構を接続させて,スピンチャック71全体を鉛直方向に昇降させることにより,アンダープレート77を処理位置と退避位置に上下に移動自在にしても良い。
図5に示すように,アンダープレート77には,ウェハWの下面とアンダープレート77との間に例えばN2,冷却したオゾン水,純水等の処理流体を選択的に供給可能な下面供給路90が,アンダープレートシャフト85内を貫通して設けられている。また,図6に示すように,アンダープレート77の中心及び周辺部4箇所には,オゾン水,純水,N2等の処理流体を吐出する下面吐出口91〜95が設けられている。周辺部の下面吐出口91〜94は,ウェハW周辺に向かって傾斜し,中央の下面吐出口95は,ウェハWの中心に上向きに指向している。
図7に示すように,アンダープレート77内部には,アンダープレート77を所定温度に温度調節するアンダープレート温調水供給路96が設けられている。アンダープレート温調水供給路96は,入口,出口を通じてアンダープレート77内に所定の温度に冷却された温調水を循環させ,ウェハWの下面に近接するアンダープレート77の上面を例えば−20〜5℃程度に低温化する。スピンチャック71によって保持されたウェハWを処理する際には,アンダープレート77をウェハW裏面に対して相対的に近接させ,アンダープレート温調水供給路96に冷却された温調水を循環させることにより,アンダープレート77を低温化する。ウェハWとアンダープレート77は近接しているので,ウェハWはアンダープレート77によって冷却される。このとき,ウェハWに部分的な温度差が生じることはなく,ウェハWは均一に冷却されるようになっている。従って,ウェハWに対する処理を均一に促進させるので,処理のムラが生じることを抑制することができる。例えば,ウェハWの表面にオゾン水を供給してウェハWを親水化処理する場合,均一な厚さの酸化膜を形成することができる。
トッププレート72はトッププレート回転軸100の下端に接続されており,水平板101に設置された回転軸モータ102によって回転する。トッププレート回転軸100は,水平板101の下面に回転自在に支持され,この水平板101は,アウターチャンバー46上部に固着されたエアシリンダー等からなる回転軸昇降機構103により鉛直方向に昇降する。従って,トッププレート72は,回転軸昇降機構103の稼動により,図9に示すようにスピンチャック71により保持されたウェハW表面に対して近接し,ウェハW表面に対して処理を施している状態(処理位置)と,図4に示すようにウェハW表面から離れて待機している状態(退避位置)とに上下に相対的に移動自在である。この場合,例えばウェハWの処理中に,トッププレート72を処理位置に下降させておくと,トッププレート72はウェハW上部の雰囲気が与える影響を抑制するので,処理液と基板表面の温度を良好に保つことができる。また,トッププレート72には,ウェハWの上面とトッププレート72との間に例えばオゾン水等の処理流体を選択的に供給可能な上面供給路104が,トッププレート回転軸100内を貫通して設けられている。
インナーカップ70は,図4に示すように,スピンチャック71をインナーカップ70の上端よりも上方に突出させてウェハWを授受させる状態と,図9に示すように,スピンチャック71及びウェハWを包囲する状態とに上下に移動自在である。また,インナーカップ70が下降すると,アウターチャンバー46によって,ウェハW両面に供給した処理液が周囲に飛び散ることを防止する状態となる。インナーカップ70が上昇すると,インナーカップ70上部がアウターチャンバー46の内壁に近接し,インナーカップ70によってウェハW両面に供給した処理液が周囲に飛び散ることを防止する状態となる。
図8は,基板処理ユニット12の模式図である。基板処理ユニット12は,アウターチャンバー46内のウェハWに酸化膜除去用の薬液,例えば希フッ酸水(DHF)を供給する薬液供給手段110と,ウェハWに洗浄用のリンス液,例えば純水(DIW)を供給するリンス液供給手段111と,ウェハWに親水化処理用の処理液,例えばオゾン水(O3)を供給するオゾン水供給手段112を具備している。また,基板処理ユニット12は,アウターチャンバー46内のウェハWに乾燥処理用のN2を供給する乾燥ガス供給手段113を具備し,アウターチャンバー46内部とトッププレート72の間に,冷却された気体を供給する気体供給手段114を具備し,ウェハWの裏面に近接配置されるアンダープレート77の温度を調節するアンダープレート温度調節手段115を具備している。
処理液供給ノズル60,上面供給路104及び下面供給路90は,主供給管120を介して純水供給源121に接続されている。また,主供給管120には弁122が介設されている。これら主供給管120,純水供給源121,弁122,処理液供給ノズル60,上面供給路104及び下面供給路90によって,リンス液供給手段111が形成されている。
弁122の下流には,切換開閉弁125が介設されており,この切換開閉弁125に接続する薬液供給管126を介して,薬液例えばフッ酸水(HF)を貯蔵する薬液タンク127が接続されている。薬液供給管126にはポンプ128が介設されている。これら薬液供給管126,薬液タンク127,ポンプ128,切換開閉弁125,主供給管120,処理液供給ノズル60,上面供給路104及び下面供給路90によって,薬液供給手段110が形成されている。この場合,主供給管120内を流れる純水と,薬液タンク127から供給されるHFとが混合されて,所定濃度の薬液(DHF)がウェハWに供給されるようになっている。
また,主供給管120における弁122と切換開閉弁125の間には,オゾン水供給管130を介してオゾン水生成器131が接続されている。オゾン水供給管130には,弁132が介設されている。また,主供給管120にはウェハWに供給する所定濃度のオゾン水の温度を調整する温度調整装置133が介設されている。これらオゾン水供給管130,オゾン水生成器131,弁132,温度調整装置133,主供給管120,処理液供給ノズル60,上面供給路104及び下面供給路90によって,薬液供給手段110が形成されている。この場合,主供給管120内を流れる純水と,オゾン水生成器131によって生成されたオゾン(O3)水とが混合されて,所定濃度のオゾン水が生成される。そして,ウェハWに供給する所定濃度のオゾン水を温度調整装置133によって冷却する。こうして,ウェハW表面に近接したトッププレート72の上面供給路104からウェハWの表面に温度を調整したオゾン水を供給して,親水化処理が行われる。また,ウェハW裏面に近接したアンダープレート77の下面供給路90からアンダープレート77とウェハWの裏面との間に温度を調整したオゾン水を供給し,ウェハWの裏面を親水化処理してもよい。
また,処理液供給ノズル60と下面供給路90は,N2供給路140を介してN2供給源141に接続されている。N2供給路140には,弁142が介設されている。これらN2供給路140,N2供給源141,弁142,処理液供給ノズル60と下面供給路90によって,乾燥ガス供給手段113が形成されている。
さらに,気体供給ノズル105は,気体供給路150を介して気体供給源151に接続されている。気体供給路150には,弁152と,気体供給路150を流れる気体を温度調整する温度調整装置153が介設されている。これら気体供給路150,気体供給源151,弁152,温度調整装置153,気体供給ノズル105によって,気体供給手段114が形成されている。例えば,ウェハWの薬液処理(エッチング処理)中はトッププレート72を処理位置に下降させ,アウターチャンバー46内部とトッププレート72の間に不活性の気体を供給することにより,ダウンフローを形成して薬液雰囲気をアウターチャンバー46内部から排出することができる。また,例えばウェハWの親水化処理中に,温度調整装置153によって所定温度に冷却した不活性の気体をウェハWの周囲に供給して,ウェハWの周囲の雰囲気を冷却した不活性の気体に置換する。なお,ウェハWの周囲の雰囲気は,後述のアウターチャンバー排出ライン160によって排出することができる。この場合,ウェハWとウェハWに供給されたオゾン水の温度をより効果的に維持することができる。
アンダープレート77の内部に配置されたアンダープレート温調水供給路96には,ポンプ155,温度制御装置156,弁157が介設されている。これらアンダープレート温調水供給路96,ポンプ155,温度制御装置156によって,アンダープレート温度調節手段115が形成されている。この場合,アンダープレート温調水供給路96を流れる温調水は,ポンプ155によって循環し,温度制御装置156によって温度を制御され,所定の温度に冷却される。こうして,アンダープレート77内の温調水はアンダープレート77の上面を均一に低温化することができる。例えば,ウェハWの両面にオゾン水を供給してウェハWを親水化処理する場合,アンダープレート77をウェハW裏面に近接した処理位置に上昇させ,アンダープレート温調水供給路96に冷水を供給して,アンダープレート77の上面全体を均一に低温化する。これにより,ウェハWの温度を均一に調節することができる。なお,アンダープレート温調水供給路96は,所定の温度に昇温された温調水を循環させてもよい。
ここで,処理位置は好ましくはウェハの裏面からウェハの温度を最も同時かつ均一に調整することができる位置である。このような位置が,均一な酸化膜を形成するのに最も効果的だからである。
アウターチャンバー46の下部にはアウターチャンバー排出ライン160が設けられている。インナーカップ70の下部にはインナーカップ排出ライン161が設けられている。インナーカップ70が上昇すると,インナーカップ70がインナーカップ排出ライン161に接続され,インナーカップ70が下降すると,アウターチャンバー46がアウターチャンバー排出ライン160と接続される構成となっている。従って,インナーカップ70が上昇するとインナーカップ70内の液滴がインナーカップ排出ライン161によって排液され,また,インナーカップ70内及びアウターチャンバー46上部の雰囲気がインナーカップ排出ライン161によって排気される。そして,インナーカップ70が下降し,アウターチャンバー46内に液滴が排液されると,液滴はアウターチャンバー排出ライン160によって排液され,また,アウターチャンバー46内の雰囲気がアウターチャンバー排出ライン160によって排気されるようになっている。
なお,処理システム1に備えられた他の基板処理ユニット13,14,15も,基板処理ユニット12と同様の構成を有し,処理液によりウェハWの表面に対して,エッチング処理及び親水化処理などをすることができる。
さて,この処理システム1において,先ず図示しない搬送ロボットにより未だ洗浄されていないウェハWを例えば25枚ずつ収納したキャリアCがイン・アウトポート4に載置される。そして,このイン・アウトポート4に載置されたキャリアCから取出収納アーム11によって一枚ずつウェハWが取り出され,取出収納アーム3から主ウェハ搬送装置18にウェハWが受け渡される。そして,例えば搬送アーム34によってウェハWは各基板処理ユニット12,13,14,15に適宜搬入され,表面にエッチング処理及び親水化処理が施される。こうして所定の処理が終了したウェハWは,再び主ウェハ搬送装置18によって各基板処理ユニット12から適宜搬出され,取出収納アーム11に受け渡されて,再びキャリアCに収納される。
ここで,代表して基板処理ユニット12での処理について説明する。図4に示すように,先ず基板処理ユニット12のユニットチャンバー用メカシャッター51が開き,また,アウターチャンバー46のアウターチャンバー用メカシャッター53が開く。そして,ウェハWを保持した搬送アーム34を装置内に進入させる。インナーカップ70は下降してチャック本体75を上方に相対的に突出させる。図4に示すように,アンダープレート77は予め下降してチャック本体75内の退避位置に位置している。トッププレート72は予め上昇して退避位置に位置している。
主ウェハ搬送装置18は,搬送アーム34を水平移動させてスピンチャック71にウェハWを渡し,スピンチャック71は,図示しない支持ピンによって,半導体デバイスが形成されるウェハW表面を上面にしてウェハWを支持する。ウェハWをスピンチャック71に受け渡した後,搬送アーム34はアウターチャンバー46及びユニットチャンバー用メカシャッター51の内部から退出し,退出後,基板洗浄ユニット12のユニットチャンバー用メカシャッター51とアウターチャンバー46のアウターチャンバー用メカシャッター53が閉じられる。
次いでインナーカップ70が上昇し,チャック本体75とウェハWを囲んだ状態となる。アンダープレート77は,チャック本体75内の処理位置に上昇する。処理位置に移動したアンダープレート77と,スピンチャック71により保持されたウェハW裏面の間に隙間が形成される。
最初に,ウェハWの表面に対してエッチング処理を施して酸化膜を除去する工程が行われる。処理液供給ノズル格納部用シャッター56が開き,処理液供給ノズル60がウェハWの上方に回動する。スピンチャック71が回転し,保持部材80が遠心力を利用してウェハWの周縁を外側から保持し,ウェハWを回転させる。そして,ウェハWの表面に対して薬液供給手段110から薬液(DHF)を供給する。先ず,ポンプ128を作動させるとともに,主供給管120の弁122を開放し,切換開閉弁125を薬液タンク127側に切り換える。切換開閉弁125において薬液(HF)と純水を混合し,主供給管120から処理液供給ノズル60に薬液(DHF)を供給する。処理液供給ノズル60は,回転しているウェハWの少なくとも中心から周縁部までをスキャンし,ウェハW表面に薬液を液盛りして薬液の液膜を均一に形成する。
ウェハWの表面に薬液の液膜が形成されると,処理液供給ノズル60は処理液供給ノズル格納部47内に移動し,処理液供給ノズル格納部用シャッター56が閉じる。トッププレート72は,ウェハW表面に形成された薬液の液膜に接触しない位置であって,このウェハW上面に対して近接した位置まで移動する。図9に示すように,ウェハW表面に対して近接した位置まで下降したトッププレート72とスピンチャック71により支持されたウェハW表面に形成された薬液の液膜の間には,隙間が形成される。ウェハW表面の液膜の形状が崩れそうになった場合等には,トッププレート72の上面供給路104から新液を供給して薬液の液膜の形状を適宜修復する。さらに,ウェハWの上方をトッププレート72によって覆うことにより,薬液の液膜から薬液が蒸発することを防ぐようになっている。また,トッププレート58と薬液の液膜を接触させても良い。この場合,トッププレート58とウェハW上面との間に薬液の液膜を確実に形成することができる。
薬液処理中は,アウターチャンバー46上部に備えられた気体供給ノズル105より,トッププレート72の上部に気体を供給し,ダウンフローを形成する。トッププレート72上面とアウターチャンバー46の間の空間はN2によって満たされるので,薬液の液膜から蒸発してトッププレート72の周囲から上昇する薬液雰囲気が,トッププレート72の上部の空間に回り込まない。従って,薬液処理後,アウターチャンバー46内の上部に薬液が残留することを防ぐことができる。
ウェハW表面の薬液処理が終了すると,トッププレート72は回転しながら上昇する。即ち,回転させることによりトッププレート72に付着した薬液を振り落とす。液滴はインナーカップ排出ライン161へ排液される。トッププレート72が退避位置に移動した後,スピンチャック71が例えば2000rpmにて5秒間回転する。即ち,ウェハWに液盛りされた薬液が振り落とされて,インナーカップ70へ排液される。薬液の液滴はインナーカップ排出ライン161によってインナーカップ70から排液される。
その後,インナーカップ70が下降し,処理液供給ノズル格納部用シャッター56が開き,再び処理液供給ノズル60がウェハWの上方に回動する。次いでウェハWにリンス液(DIW)を供給して洗浄する工程が行われる。ポンプ128を停止するとともに,主供給管120の弁122を純水供給源121側のみに切り換えて,主供給管120から処理液供給ノズル60及び下面供給路90にDIWを流し,ウェハWに対してDIWを供給する。処理液供給ノズル60はウェハWの半径をスキャンしながら,回転しているウェハWの上面にDIWを供給する。回転しているウェハWにDIWを供給することにより,供給したDIWをウェハW上面全体に均一に拡散させる。一方,下面供給路90はアンダープレート77とウェハW下面の間にDIWを供給する。隙間を通してDIWを供給することにより,供給したDIWをウェハW下面全体に均一に拡散させる。さらにアンダープレート77自体も洗浄することができる。こうして,ウェハW両面をリンス処理し,ウェハWから薬液を洗い流す。DIWはアウターチャンバー内に排液され,アウターチャンバー排出ライン160によってアウターチャンバー内から排液される。DIW供給終了後,処理液供給ノズル60は処理液供給ノズル格納部47内に移動し,処理液供給ノズル格納部用シャッター56が閉じる。なお,以上のような純水(DIW)を使用したリンス処理は省略しても良い。
リンス処理後,ウェハWの表面に対して親水化処理を施して酸化膜を形成する工程が行われる。トッププレート72は,図11に示すように,チャック本体75内の処理位置に下降する。処理位置に移動したトッププレート72とスピンチャック71により保持されたウェハW上面(ウェハW表面)の間に隙間が形成される。アンダープレート77は,チャック本体75内の処理位置に上昇する。処理位置に移動したアンダープレート77とスピンチャック71により保持されたウェハW下面(ウェハW裏面)の間に隙間が形成される。
温度制御装置156を作動させ,アンダープレート温調水供給路96によってアンダープレート77を所定の温度に冷却する。スピンチャック71が回転し,保持部材80が遠心力を利用してウェハWの周縁を外側から保持し,ウェハWを回転させる。弁132を開放し,オゾン水生成器131によって生成したオゾン水(O3)をオゾン水供給管130から主供給管120に流す。そしてオゾン水と純水が混合される。切換開閉弁125は所定の濃度になったオゾン水を通過させ,その後,温度調整装置133によってオゾン水を冷却する。こうして所定濃度と所定温度に調整したオゾン水を主供給管120から上面供給路104に流し,オゾン水をウェハW表面に供給する。図11に示すように,オゾン水はウェハWの中心部近傍に継続的に供給され,ウェハWの回転による遠心力でウェハWの外周方向に流れる。ウェハWの外周方向に流れたオゾン水は,図11に示すようにアウターチャンバー46の中へ排液され,アウターチャンバー排出ライン160によってアウターチャンバー46内から排液される。
親水化処理中は,アンダープレート77をウェハWの裏面に近接させ,ウェハW裏面を覆うので,ウェハW全体の温度を所望の温度に保つことができる。さらに,アンダープレート温調水供給路96によってアンダープレート77を冷却するので,ウェハWに部分的に温度差が生じることはなく,ウェハW全体が均一に冷却される。トッププレート72をウェハWの表面に近接させ,ウェハW表面を覆うことにより,ウェハW表面の温度と,トッププレート72とウェハW表面の間に流れるオゾン水の温度を保つことができる。まだ,ウェハWの周囲の処理雰囲気を,アウターチャンバー46によってアウターチャンバー46外部と隔離することにより,ユニットチャンバー45内の雰囲気が与える影響を抑制するので,ウェハW,オゾン水,処理雰囲気の温度を効果的に保つことができる。さらに,親水化処理中は,温度調整装置153によって所定温度に冷却した不活性の気体をウェハWの周囲に供給して,ウェハWの周囲の雰囲気を冷却した不活性の気体に置換する。この場合,ウェハWとウェハWに供給されたオゾン水をより効果的に低温に維持することができる。こうしてウェハW,オゾン水,処理雰囲気を低温化することにより,ウェハW表面に薄い酸化膜を均一な膜厚で形成することができる。また,ウェハWにオゾン水を継続的に供給し,さらにウェハWを回転させて,オゾン水の淀みを防止するので,ウェハWに対する処理を均一に促進させることができる。
ウェハW表面の親水化処理が終了した後,トッププレート72を回転しながら上昇させる。即ち,回転させることによりトッププレート72に付着したオゾン水を振り落とす。液滴はアウターチャンバー46内に排液され,アウターチャンバー排出ライン160によってアウターチャンバー46から排液される。トッププレート72が退避位置に移動した後,スピンチャック71を回転させ,ウェハWに付着したオゾン水を振り落とす。液滴はアウターチャンバー46内に排液され,アウターチャンバー排出ライン160によってアウターチャンバー46から排液される。
その後,ウェハWにN2を供給して乾燥させる工程が行われる。処理液供給ノズル格納部用シャッター56が開き,再び処理液供給ノズル60がウェハWの上方に回動する。乾燥ガス供給手段113の弁142を開放して,N2供給路140から処理液供給ノズル60及び下面供給路90にN2を流し,ウェハWに対してN2を供給する。処理液供給ノズル60はウェハWの半径をスキャンしながら,回転しているウェハWの上面にN2を供給する。一方,下面供給路90はアンダープレート77とウェハW下面の間にN2を供給する。こうして,ウェハW両面を乾燥処理するとともに,アンダープレート77の上面も乾燥することができる。このとき,ウェハW表面は親水化されているので,ウェハWにウォーターマークが生じる恐れがない。
上記のようにして乾燥処理を行った後,処理液供給ノズル60が処理液供給ノズル格納部47内に移動し,処理液供給ノズル格納部用シャッター56が閉じ,アンダープレート77が退避位置に下降する。その後,基板洗浄ユニット12内からウェハWを搬出する。ユニットチャンバー用メカシャッター51とアウターチャンバー用メカシャッター53が開き,ウェハ搬送装置18が搬送アーム34を装置内に進入させてウェハW下面を支持する。次いで,搬送アーム34がスピンチャック71の支持ピンからウェハWを離して受け取り,装置内から退出する。この場合,アンダープレート77は退避位置に下降しているので,搬入するときと同様にアンダープレート77とスピンチャック71により支持されるウェハWの位置との間には,十分な隙間が形成されることになり,搬送アーム34は,余裕をもってスピンチャック71からウェハWを受け取ることができる。
かかる基板処理ユニット12によれば,アンダープレート77の上面全体を均一に低温化するので,ウェハWの温度を均一に調節することができる。アウターチャンバー46の外部の雰囲気が与える影響を抑制し,ウェハW上部の雰囲気が与える影響を抑制し,ウェハWの周囲の雰囲気を冷却した不活性の気体に置換するので,処理液と基板表面の低温を良好に保つことができる。従って,酸化膜の均一性を向上させることができる。
以上,本発明の好適な実施の形態の一例を示したが,本発明はここで説明した形態に限定されない。例えばウェハWの親水化処理においては,上面供給路104からオゾン水を供給するだけでなく,例えば下面供給路90からもオゾン水を供給して,ウェハW両面を処理しても良い。下面供給路90のみからオゾン水を供給して,ウェハW裏面のみを処理しても良い。また,上面供給路104からオゾン水を供給し,下面供給路90から温度調整された純水を供給しても良い。この場合,アンダープレート77とウェハWの裏面との間の狭い隙間に純水を介在させるので,効果的にウェハWを冷却することができる。
ウェハW表面に対するオゾン水の供給は,トッププレート72上面供給路104ではなく,処理液供給ノズル60を用いて行っても良い。例えば,処理液供給ノズル60をウェハW中心の上方まで回動させ,スピンチャック71によってウェハWを回転させ,処理液供給ノズル60から回転しているウェハWに対してオゾン水を供給する。オゾン水はウェハWの中心部近傍に供給し,ウェハWの回転による遠心力でウェハWの外周方向に流れる。この場合も,アンダープレート温調水供給路96によってウェハWに近接したアンダープレート77を所定の温度に冷却するので,オゾン水の液膜とウェハWが均一に冷却される。
処理液供給ノズル60からオゾン水を供給しながらウェハW上を移動させることもできる。たとえば,ウェハWの中心部分からその外周部分に向かって,あるいはウェハWの外周部分からその中心部分に向かってオゾン水を供給しながら処理液供給ノズル60を移動させることができる。
この場合に,酸化膜の膜形成時間は短いので,処理液供給ノズル60によってウェハWの表面全体ににオゾン水の膜が形成されるまでの時間を前記酸化膜の膜形成時間より十分に短くなるように,処理液供給ノズル60の移動速度を速くすることが好ましい。
また一般に,ウェハWの外周部分は回転による周速が中心部分のそれに比べて速いため,酸化膜の膜形成が遅い。これに対して,ウェハWの中心部分は処理液の液速度(処理液の流動速度)がないため,酸化膜の膜形成が速い。
そこで,処理液供給ノズル60をウェハWの外周部分からその中心部分に向かってオゾン水を供給しながら移動させることにより,均一な酸化膜が形成されるようにすることができる。
また,処理液供給ノズル60をウェハWの中心部分からその外周部分に向かってオゾン水を供給しながら移動させる場合に,ウェハWの中心部分における処理液供給ノズル60の移動速度を相対的に速くし,ウェハWの外周部分における処理液供給ノズル60の移動速度を相対的に遅くするように処理液供給ノズル60の移動速度を制御することにより,均一な酸化膜が形成されるようにすることができる。
オゾン水の温度が変化する場合には,酸化膜の膜形成時間が変化する。
そこで,オゾン水の温度,あるいは,アンダープレート77もしくはその温調水の温度,あるいは,あウェハW自体もしくはその周辺部の温度を監視し,温度に応じて処理液供給ノズル60の移動速度を制御することにより,均一な酸化膜が形成されるようにすることができる。
また,オゾン水を継続的に供給してウェハW中心部近傍から外周方向に流すのではなく,オゾン水の液膜を形成しても良い。この場合,オゾン水の消費量を節約することができる。例えば,処理液供給ノズル60によって,ウェハW表面に冷却されたオゾン水を液盛りしてオゾン水の液膜を均一に形成する。一方,ウェハWを比較的低速の回転速度で回転させつつ,下面供給路90から冷却されたオゾン水を静かに染み出させ,アンダープレート77とウェハW裏面の間にオゾン水を押し広げることにより,ウェハW裏面にオゾン水の液膜を形成する。ウェハWの両面にオゾン水の液膜を形成した後,トッププレート72を処理位置に下降させる。所定時間経過後,ウェハW表面に所望の膜厚を有する酸化膜が形成される。この場合も,アンダープレート温調水供給路96によってウェハWに近接したアンダープレート77を所定の温度に冷却するので,オゾン水の液膜とウェハWが均一に冷却される。
基板に対して親水化処理を施す処理液は,オゾン水に限らず,基板表面を酸化させることができる処理液であれば良い。また,本発明は親水化処理に限定されず,その他の種々の処理液などを用いて親水化処理以外の他の処理を基板に対して施すものであっても良い。さらに,基板は半導体ウェハに限らず,その他の酸化膜を形成する必要のある基板であっても良い。
本発明によれば,基板の温度を均一に調節することができる。基板処理中,処理液と基板の温度を良好に保つことができる。酸化膜の均一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は,処理システムの平面図である。
図2は,処理システムの側面図である。
図3は,本発明の実施の形態にかかる基板処理ユニットの平面図である。
図4は,本発明の実施の形態にかかる基板処理ユニットの縦断面図である。
図5は,下面供給路及び下面吐出口の説明図である。
図6は,アンダープレートの平面図である。
図7は,アンダープレート温調水供給路の説明図である。
図8は,基板処理ユニットの模式図である。
図9は,エッチング処理工程を示す概略断面図である。
図10は,リンス処理工程を示す概略断面図である。
図11は,乾燥処理工程を示す概略断面図である。

Claims (18)

  1. 基板に処理液を供給して処理する基板処理装置において,
    基板を水平状態で保持する保持手段と,
    基板の表面に前記処理液を供給する手段と,
    前記処理液の温度を調整する温度調整手段と,
    前記基板の裏面に近接して配置されるアンダープレートの温度を調節する温度調節機構と,
    前記アンダープレートと前記基板の裏面との間に温度調整した処理液を供給する処理液供給機構と,
    を備えたことを特徴とする,基板処理装置。
  2. 前記アンダープレートは,基板下面に対して近接した位置と離れた位置とに相対的に移動することを特徴とする,請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記基板の表面に近接して配置されるトッププレートを備え,
    前記トッププレートは,基板表面に対して近接した位置と離れた位置とに相対的に移動することを特徴とする,請求項1又は2に記載の基板処理装置。
  4. 前記基板の周囲に温度調整した気体を供給する気体供給手段を備えたことを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 前記処理液はオゾン水であることを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
  6. 前記温度調整手段は処理液を冷却し,前記温度調節機構はアンダープレートを冷却し,
    前記アンダープレートと前記基板の裏面との間に供給される処理液は,冷却されている,ことを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の基板処理装置。
  7. 基板の表面に処理液を供給して処理する基板処理方法であって,
    基板の裏面に近接させたアンダープレートの温度を調節することにより基板の温度を所望のものとし,
    前記基板の表面に温度を調整した処理液を供給し,
    前記基板の表面を処理するに際し,前記アンダープレートと前記基板の裏面との間に温度調整した処理液を供給して処理することを特徴とする,基板処理方法。
  8. 基板の表面に処理液を供給して処理する基板処理方法であって,
    基板を基板処理装置内に搬入する工程と,
    基板の裏面に温度を調節したアンダープレートを近接させ,
    前記アンダープレートと前記基板の裏面との間に温度調整した処理液を供給し,基板の温度を所望のものとする工程と,
    所望の温度とした前記基板の表面に温度を調整した処理液を供給し,酸化膜を形成する工程と,
    前記基板より前記アンダープレートを離隔させる工程と,
    前記基板を基板処理装置内より搬出する工程と,を有することを特徴とする,基板処理方法。
  9. 基板の表面に処理液を供給して処理する基板処理方法であって,
    基板を基板処理装置内に搬入する工程と,
    基板の酸化膜を除去する工程と,
    基板の裏面に温度を調節したアンダープレートを近接させ,
    前記アンダープレートと前記基板の裏面との間に温度調整した処理液を供給し,基板の温度を所望のものとする工程と,
    所望の温度とした前記基板の表面に温度を調整した処理液を供給し,酸化膜を形成する工程と,
    前記基板より前記アンダープレートを離隔させる工程と,
    前記基板を基板処理装置内より搬出する工程と,を有することを特徴とする,基板処理方法。
  10. 前記基板の表面に処理液の液膜を形成することを特徴とする,請求項7〜9のいずれかに記載の基板処理方法。
  11. 前記基板の表面に処理液を供給する処理に際し,前記基板を回転させることを特徴とする,請求項7〜10のいずれかに記載の基板処理方法。
  12. 前記基板の表面に温度を調整した処理液を供給する処理に際し,
    前記基板を回転させ,処理液供給ノズルを基板の外周部分から基板の中心部分に向かって処理液を供給しながら移動させる,ことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の基板処理方法。
  13. 前記基板の表面を処理するに際し,前記アンダープレートと前記基板の裏面との間に温度調整した処理液を供給し,液膜を形成することを特徴とする,請求項7〜12のいずれかに記載の基板処理方法。
  14. 前記基板の表面を処理するに際し,前記基板の表面にトッププレートを近接させることを特徴とする,請求項7〜13のいずれかに記載の基板処理方法。
  15. 前記基板の表面を処理するに際し,前記基板の周囲の雰囲気を外部と隔離することを特徴とする,請求項7〜14のいずれかに記載の基板処理方法。
  16. 前記基板の表面を処理するに際し,前記基板の周囲に温度調整した気体を供給し,前記基板の周囲の雰囲気を前記温度調整した気体に置換することを特徴とする,請求項7〜15のいずれかに記載の基板処理方法。
  17. 前記処理液はオゾン水であることを特徴とする,請求項7〜16のいずれかに記載の基板処理方法。
  18. 前記アンダープレートを冷却し,冷却された前記処理液を供給することを特徴とする,
    請求項7〜17のいずれかに記載の基板処理方法。
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